JP3626317B2 - 電磁調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱調理器に係り、特に、加熱出力を視覚的に表示すると共に聴覚的に報知する加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般に電磁調理器のような加熱調理器10のケース本体11には図13、図14に示すように鍋等が置かれるトッププレート12とともに操作パネル13が備えられている。この操作パネル13には入力スイッチ14、加熱調節器15等とともにケース本体11の内部に備えられた図示しない電磁誘導巻線等の加熱源の加熱出力を視覚表示する視覚表示部16が設けられ、加熱源の加熱出力を制御するととものこの加熱源の加熱出力を視覚的に把握するようになっている。
【0003】
この視覚表示部16は、通常、小さな操作パネル13に加熱源の加熱出力をLED等の点灯だけにより表示するものであるため使用者の位置、場所等により正しく識別することができないことがある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、加熱出力の大きさを視覚的に表示すると共に聴覚的に報知することができる加熱調理器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、電磁誘導巻線の加熱源の加熱出力の大きさを視覚的に表示する視覚表示手段と、前記加熱源の加熱出力の大きさを聴覚的に報知する聴覚報知手段と、加熱出力の大きさに応じて可変速制御される冷却ファンと、を備えた加熱調理器であって、前記聴覚報知手段は、前記冷却ファンの回転速度に応じてファン音の大きさを変化させるものである、ことを特徴とする。
【0006】
冷却ファンの回転速度は加熱出力の大きさに対応して可変速制御されるため、冷却ファンが発生するファン音の大きさは加熱出力の大きさを反映するものになっている。したがって、使用者はファン音の大きさによって加熱出力の大きさを知ることができる。このようなファン音の大きさにより加熱出力の大きさを聴覚的に報知することは、ファン音自体が加熱調理器本来の機能に基づき発生するものであるから使用者にとっては違和感の小さなものであるということができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、加熱源の加熱出力の大きさを視覚的に表示すると共に聴覚的に報知する構成を前提としているので、本発明の実施形態を説明する前に、まず、このような構成を採用している参考例につき説明しておく。
【0008】
図1は、このような参考例に係る加熱調理器の外観構成を示す斜視図であり、図2はその操作パネルの拡大平面図である。本発明参考例に係る加熱調理器20の基本的な構成は聴覚報知部を設けたことを除き図13に示した従来の加熱調理器10の構成とほぼ同様である。
【0009】
すなわち、電磁調理器のような加熱調理器20のケース本体21には鍋等が置かれるトッププレート22と共に操作パネル23が備えられている。この操作パネル23には入力スイッチ24、加熱調節器25等と共にその加熱源の加熱出力を視覚表示する視覚表示部26が設けられ、ケース本体21に備えられた図示しない加熱源の加熱出力の大きさが視覚表示されるようになっている。そして、この操作パネル23には聴覚報知スイッチ27及び聴覚報知部28が設けられ、加熱源の加熱出力の大きさが必要に応じて聴覚報知されるようになっている。
【0010】
視覚表示部26は、図2に拡大して示すように、LED等から構成されており、加熱源の加熱出力が小さいと小さな黄色の形態26a 、中程度であると橙色の形態26b 、大きいと赤色の形態26c により炎の形態として視覚表示されるようになっている。また、聴覚報知部28はスピーカ等から構成されており、音の大中小、高中低、これらの長中短等により聴覚報知するようになっている。
【0011】
図3は上記加熱調理器20に使用された視覚聴覚制御回路30の構成を示すブロック図である。この視覚聴覚制御回路30には前記入力スイッチ24が設けられている。この入力スイッチ24には前記加熱調節器25が接続され、電磁誘導巻線等の加熱源31の電流等が調節され、加熱出力が制御されるようになっている。
【0012】
加熱調節器25にはCPU等を有する制御器32が接続され、加熱調節器25が調節した加熱出力に対応した加熱出力信号が視覚表示部26に出力されると共に、音合成部33及び聴覚報知スイッチ27を介して聴覚報知部28に出力されるようになっている。
【0013】
音合成部33が加熱出力信号を入力するとこの加熱出力信号に対応してこれを音の大小、高低音、長短音等の音合成信号に変換するようになっている。この音合成部33により合成された音合成信号は聴覚報知スイッチ27を介して聴覚報知部28に送られ、加熱出力に対応する大小音を発生し聴覚的に報知するようになっている。
【0014】
なお、聴覚報知スイッチ27は、常時はオンになっており、聴覚報知部28が視覚表示部26と共に作動するようになっている。しかし、聴覚報知部28が必要がないとき、例えば、視覚表示部26だけで十分に表示ができる場合、あるいは、聴覚報知の音がうるさいときにはこれをオフにして、この聴覚報知部28を働かさないようにすることができる。視覚表示部26は、加熱出力信号を入力すると、加熱出力の状態をLED等の色彩、輝度等の変化として表示するものである。
【0015】
図4は、制御器32から視覚表示部26及び音合成部33に出力される加熱源の加熱出力信号の一例を示したものである。加熱調理器20の加熱出力を1,000W(以下「P1 」とする)に調節した場合は、図4の上段に示すように、制御器32から連続的な大電流信号A1 が発生し、加熱出力を800W(以下「P2 」とする)に調節した場合は、図4の中段に示すように、間欠的な中電流信号A2 を発生し、加熱出力を600W(以下「P3 」とする)に調節した場合は、図4の下段に示すように、断続的な小電流信号A3 を発生するようになっている。
【0016】
この加熱出力信号が視覚表示部26に出力されると、視覚表示部26の表示が大電流信号A1の場合は大きな赤色の形態表示26c により行われ、中電流信号A2 の場合は中程度の橙色の形態表示26b により行われ、小電流信号A3 の場合は黄色の形態表示26a により行われる。このような視覚的な表示は、加熱出力の大きさを各種の形態で表示しているので、使用者は容易に把握することが可能である。
【0017】
また、大電流信号A1 、中電流信号A2 、小電流信号A3 が音合成部33に出力されると音合成が行われる。この音合成信号は視覚報知スイッチ27を介して聴覚報知部28に出力され、大電流信号A1 の場合は図5に示すような大きな音が発生し、中電流信号A2 の場合は中程度の音が発生し、小電流信号A3 の場合は小さな音が発生する。
【0018】
この結果、使用者は大きな音が発生したら大きな加熱出力であることを識別でき、中程度の音が発生したら中程度の加熱出力であることを識別でき、小さな音が発生したら小さな加熱出力であることを識別できる。
【0019】
したがって、使用者は加熱調理器20の加熱出力の大きさを視覚表示部26の視覚的な表示と聴覚報知部28の聴覚的な音とにより確実に把握することができ、食品を使用者の好みに沿ったものに調理することができる。
【0020】
また、制御器32から視覚表示部26に出力されると共に、音合成部33を介して聴覚報知部28に出力される加熱出力信号はT1,T2 ,T3 のパルス幅を有している。したがって、これらのパルス幅を視覚表示部26に表示すると共に、図6に示すように、聴覚報知部28の音の長さにより加熱出力の大きさの長中小を報知することもできる。使用者は、これらの表示及び報知により加熱調理器20の加熱出力を正確に識別することができる。
【0021】
図7は、制御器32から視覚表示部26に出力されると共に、音合成部33を介して聴覚報知部28に出力される加熱源の加熱出力信号の他の例を示したものである。この加熱出力信号は、加熱調理器20の加熱出力をP1 とした場合に、図7の上段に示すように、高い周波数のパルス電流信号B1 として発生され、加熱出力をP2 とした場合に、図7の中段に示すように、中程度の周波数のパルス電流信号B2 として発生され、加熱出力をP3 とした場合に、図7の下段に示すように、低い周波数のパルス電流信号B3 として発生されるものである。
【0022】
この加熱出力信号が視覚表示部26に出力されると、周波数の高中低に応じて赤、橙、黄色により表示される。また、この周波数の高中低信号が音合成部33を介して聴覚報知部28に出力されると、周波数の高中低により聴覚報知部28から、図8に示すように、周波数の高中低に対応した高低音が発生される。使用者は、この音から加熱調理器20の加熱出力の大きさを正確に把握することができる。
【0023】
あるいは、制御部32から視覚表示部26に出力されると共に、音合成部33を介して聴覚報知部28に出力される加熱出力信号を、図7におけるパルス間隔、すなわちインターバルt1 ,t2 ,t3 として捉え、このインターバルの長中小に応じた表示及び報知を行うようにしてもよい。
【0024】
このインターバルは、図9に示すように、小間隔t1であると大きな加熱出力P1 を表す高音の聴覚報知を行い、インターバルが中間隔t2であると中程度の加熱出力P2 を表す中間高さの音の聴覚報知を行い、インターバルが大間隔t3であると小さな加熱出力P3 を表す低音の聴覚報知を行う。使用者は、このような視覚表示及び聴覚報知に基づき、前述と同様に、加熱調理器20の加熱出力の大きさを正確に識別することができる。
【0025】
図10及び図11は図1及び図2で示した視覚表示部26の変形例を示したものである。図10は加熱出力の大きさを面積の大きさにより表示したものである。すなわち、加熱出力が大きい場合には三角形表示部35の全面積を用いて表示し、加熱出力が中程度の場合には三角形表示部35のほぼ半分程度の面積により表示し、加熱出力が小さい場合には三角形表示部35の左側の小さな三角形部分だけで表示するようにしたものである。
【0026】
一方、図11は加熱出力の大きさを輝度表示部45の輝度の変化により表示したものである。すなわち、加熱出力が大きい場合には輝度表示部45の輝度を高めて表示し、加熱出力が中程度の場合には輝度表示部45の輝度を中程度の輝きにして表示し、加熱出力が小さい場合には輝度表示部45の輝度を小程度の輝きにして表示するようにしたものである。使用者は、これらの三角形表示部35の面積の変化、輝度表示部45の輝度の変化から加熱出力の大きさを正確に把握することができる。
【0027】
以上、参考例につき説明してきたが、次に、本発明の実施形態につき説明する。図12は、この実施形態に係る加熱調理器20に用いられる視覚聴覚制御回路50を示したものである。冷却フアン53は加熱出力とともに回転速度が制御され可変制御音を発生する。
これら可変音、可変制御音をそのまま聴覚報知部8に送りこれを報知信号として用いたものである。このようにすると既存機器が有効に活用できるから視覚聴覚制御回路50が安価に製造することができる。
【0028】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、冷却フアン53の音を聴覚報知部8に入れることなしに、冷却フアン53自身の音を報知手段による音とすることができる等の種々の変形が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、加熱出力の大きさについて視覚的表示と共に聴覚的報知を行う際に、使用者が確実に加熱出力の大きさを知ることができる電磁調理器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例に係る加熱調理器の外観構成を示す斜視図。
【図2】図1の操作パネルを拡大して示した平面図。
【図3】図1における加熱調理器20に使用された視覚聴覚制御回路30の構成を示すブロック図
【図4】図3における制御器32から視覚表示部26及び音合成部33に出力される加熱源の加熱出力信号の一例を示した説明図。
【図5】図1乃至図3における聴覚報知部28の音の大きさと加熱出力との関係を示す特性図。
【図6】図1乃至図3における聴覚報知部28の音の長さと加熱出力との関係を示す特性図。
【図7】図3における制御器32から視覚表示部26及び音合成部33に出力される加熱源の加熱出力信号の他の例を示した説明図。
【図8】図1乃至図3における聴覚報知部28の音の高さと加熱出力及びパルス周波数との関係を示す特性図。
【図9】図1乃至図3における聴覚報知部28の音の高さと加熱出力及びパルス間隔との関係を示す特性図。
【図10】図1及び図2で示した視覚表示部26の変形例を示した説明図。
【図11】図1及び図2で示した視覚表示部26の変形例を示した説明図。
【図12】本発明の実施形態に係る加熱調理器20に用いられる視覚聴覚制御回路50を示したブロック図。
【図13】従来の加熱調理器の外観構成を示す斜視図。
【図14】図13の操作パネルの拡大平面図。
【符号の説明】
10,20 加熱調理器
11,21 ケース本体
13,23 操作パネル
14,24 入力スイッチ
15,25 加熱調節器
16,26 視覚表示部
27 聴覚報知スイッチ
28 聴覚報知部
30,50 視覚聴覚制御回路
32 制御器
33 音合成部
35 三角形表示部
45 輝度表示部
51 加熱源
52 加熱調節器
53 フアン

Claims (1)

  1. 電磁誘導巻線の加熱源の加熱出力の大きさを視覚的に表示する視覚表示手段と、
    前記加熱源の加熱出力の大きさを聴覚的に報知する聴覚報知手段と、
    加熱出力の大きさに応じて可変速制御される冷却ファンと、
    を備えた加熱調理器であって、
    前記聴覚報知手段は、前記冷却ファンの回転速度に応じてファン音の大きさを変化させるものである、
    ことを特徴とする電磁調理器。
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