JP3625753B2 - 電力分配合成回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線周波数帯において、周波数fの高周波信号を、同相、位相差90度、位相差θ度で分配合成するとともに、不要波を抑圧する電力分配合成回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偶高調波ミキサは、局部発振波の二倍波と信号波との混合波を出力するミキサであり、局部発振波の二倍波と信号波との混合を行うことによって、局部発振波の偶数次の高調波を抑圧することができる。この偶高調波ミキサの構成は、既に種々報告されている。
【0003】
図34は、従来の偶高調波直交復調器DM11を示す回路図である。
【0004】
偶高調波直交復調器DM11は、RF端子461から入力される周波数frfの高周波信号を、90度位相差、等振幅の2つの信号波に分配する90度電力分配合成回路468と、局部発振回路464で発生した局部発振波を受けて等位相、等振幅の2つの信号波に分配する0度電力分配合成回路465と、分配された信号波と局部発振波とを混合し、I信号、Q信号をそれぞれ出力する偶高調波ミキサ466、467と、ベースバンドのI信号が出力されるベースバンドI端子462と、ベースバンドのQ信号が出力されるベースバンドQ端子463とによって構成されている。
【0005】
次に、従来の偶高調波直交復調器DM11の動作について説明する。
【0006】
偶高調波ミキサ466が、受信信号と局部発振波の二倍波とを混合し、ベースバンドのI信号をベースバンドI端子に出力し、また、偶高調波ミキサ467が、受信信号と局部発振波の二倍波とを混合し、ベースバンドのQ信号をベースバンドI端子に出力する。
【0007】
図33は、従来の偶高調波直交復調器DM11に使用されている従来の偶高調波ミキサ466を示す回路図である。
【0008】
従来の偶高調波ミキサ466は、1996年に開催された、IEEE主催、International Microwave Symposiumの1996MTT−S Digestの967ページから970ページに記載されているミキサである。
【0009】
従来の偶高調波ミキサ466において、APDP(アンチパラレルダイオードペア)451は、互いに逆極性のミキサダイオードが並列に接続されている回路である。
【0010】
RF端子452は、周波数frfの高周波信号が入力される端子であり、ベースバンド信号阻止用のキャパシタ455を介して、APDP451の一端(A端)に接続されている。
【0011】
ベースバンド端子453は、混合出力であるベースバンド信号が出力される端子であり、高周波信号阻止用のインダクタ456を介して、RF端子452が接続される端子と同じAPDP451の一端(A端)に接続されている。
【0012】
また、LO端子454は、周波数fの局部発振波が入力される端子であり、RF端子452とベースバンド端子453とが接続されている端子とは異なるAPDP451の他端(B端)に接続されている。
【0013】
また、先端開放スタブ457は、APDP451のA端に接続された先端開放スタブであり、先端短絡スタブ458は、APDP451のB端に接続された先端短絡スタブである。なお、上記スタブは、分布定数線路である。
【0014】
偶高調波ミキサ466は、先端開放スタブ457と先端短絡スタブ458とを用いて、局部発振波の周波数fと、入力高周波信号の周波数frf(=2f)とを合波するミキサである。
【0015】
なお、偶高調波ミキサ467の構成は、偶高調波ミキサ466の構成と同様である。
【0016】
次に、偶高調波ミキサ466の動作について、説明する。
【0017】
偶高調波ミキサ466において、先端開放スタブ457と先端短絡スタブ458とは、局部発振波の周波数fの概略四分の一の波長、すなわち、入力高周波信号の周波数frf(=2f)の概略二分の一波長となるように、スタブの長さが設計されている。
【0018】
先端開放スタブ457は、APDP451の端子のうちで、RF端子452とベースバンド端子453との側の端子(A端)に接続され、DC近傍とfrf(=2f)近傍とにおいて、高インピーダンスとなり、したがって、APDP451は、RF端子452とベースバンド端子453とに接続される。
【0019】
一方、先端開放スタブ457は、f近傍において、低インピーダンスとなり、APDP451は、接地される。逆に、先端短絡スタブ458は、APDP451の端子のうちで、LO端子454側の端子(B端)に接続され、DC近傍とfrf近傍とにおいて、低インピーダンスとなり、APDP451は、接地される。一方、先端短絡スタブ458は、f近傍において、高インピーダンスになり、したがって、APDP451は、LO端子454に接続される。
【0020】
偶高調波ミキサ466において、LO端子454に局部発振波が供給されると、ミキサダイオードが半周期ごとにONして電流が流れる。これによって、APDP451は、半周期ごとにコンダクタンスが高まる動作をする。このために、APDP451を適用してミキサを構成すると、APDP451があたかも局部発振波の偶数次の高調波で変調されているように見え、したがって、局部発振波の二倍波2fと信号波frfとが混合され、局部発振波fと信号波frfとの混合が抑制される。
【0021】
この偶高調波ミキサ466によれば、2つのダイオードのバランスのみによって、局部発振波の偶数次の高調波を抑制することができ、通常の平衡型のミキサと比較して、はるかに高い抑制が可能である。
【0022】
なお、偶高調波ミキサ467の動作は、偶高調波ミキサ466の動作と同様である。
【0023】
図35は、分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を示す図である。
【0024】
図34に示す従来の偶高調波直交復調器DM11における0度電力分配合成回路465として、従来、図35に示す分布定数線路を組み合わせたウィルキンソン型電力分配合成回路DM12が使用されている。
【0025】
図36は、分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を示す図である。
【0026】
図34に示す従来の偶高調波直交復調器DM11における90度電力分配合成回路468として、従来、図36に示す分布定数線路を組み合わせたブランチライン型90度電力分配合成回路DM13が一般的に使用されている。
【0027】
従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12において、入出力端子471、472、473に接続される負荷インピーダンスをZとすると、周波数fで電気長90度、特性インピーダンスZの分布定数線路474、475の特性インピーダンスZは、
=21/2……式(1)
であり、抵抗素子476の抵抗値Rは、
R=2Z……式(2)
である。
【0028】
分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13において、入出力端子481、482、483に接続される負荷インピーダンスをZとすると、周波数fで電気長90度、特性インピーダンスZの分布定数線路484、485の特性インピーダンスZは、
=Z/21/2……式(3)
であり、分布定数線路486、487の特性インピーダンスZは、
=Z……式(4)
であり、抵抗素子488の抵抗値Rは、
R=Z……式(5)
である。
【0029】
図37は、分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を集中定数化した電力分配合成回路DM14を示す図である。
【0030】
図38は、分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を集中定数化した電力分配合成回路DM15を示す図である。
【0031】
図39は、分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を、集中定数化した電力分配合成回路DM16を示す図である。
【0032】
図40は、分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を、集中定数化した電力分配合成回路DM17を示す図である。
【0033】
図37に示すウィルキンソン型電力分配合成回路DM14と、図39に示すブランチライン型90度電力分配合成回路DM16とは、図35に示す分布定数線路を、高域通過型の集中定数線路に置き換えた回路である。また、図38に示すウィルキンソン型電力分配合成回路DM15と図40に示すブランチライン型90度電力分配合成回路DM17とは、図35に示す分布定数線路を、低域通過型の集中定数線路に置き換えた回路である。
【0034】
図37に示す高域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM14において、入出力端子491、492、493に接続される負荷インピーダンスをZとすると、インダクタ494のインダクタンスLは、
=(1/2)×{(21/2)/(2πf)}……式(6)
であり、キャパシタ495、496の容量Cは、
=1/(2πf×21/2)……式(7)
であり、インダクタ497、498のインダクタンスLは、
=(21/2)/(2πf)……式(8)
であり、抵抗素子499の抵抗値Rは、
R=2Z……式(9)
である。
【0035】
図38に示す低域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM15において、入出力端子501、502、503に接続される負荷インピーダンスをZとすると、キャパシタ504の容量Cは、
=2/(2πf×21/2)……式(10)
であり、インダクタ505、506のインダクタンスLは、
=(21/2)/(2πf)……式(11)
であり、キャパシタ507、508の容量Cは、
=1/(2πf×21/2)……式(12)
であり、抵抗素子509の抵抗値Rは、
R=2Z……式(13)
である。
【0036】
図39に示す高域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路DM16において、入出力端子511、512、513に接続される負荷インピーダンスをZとすると、キャパシタ514、515の容量Cは、
=1/(2πf×Z)……式(14)
であり、キャパシタ516、517の容量Cは、
=21/2/(2πf×Z)……式(15)
であり、インダクタ518、519、520、521のインダクタンスLは、
=(21/2−1)×(Z/2πf)……式(16)
であり、抵抗素子522の抵抗値Rは、
R=Z……式(17)
である。
【0037】
図40に示す低域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路DM17において、入出力端子531、532、533に接続される負荷インピーダンスをZとすると、インダクタ534、535のインダクタンスLは、
=Z/2πf……式(18)
であり、インダクタ536、537のインダクタンスLは、
=Z/(21/2×2πf)……式(19)
であり、キャパシタ538、539、540、541の容量C
=(1+21/2)/(2πf×Z)……式(20)
であり、抵抗素子542の抵抗値Rは、
R=Z……式(21)
である。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の偶高調波直交復調器DM11は、RF・ベースバンド端子側で、90度電力分配合成回路468と先端開放スタブ457とを使用し、LO端子側で、0度電力分配合成回路465と先端短絡スタブ458とを使用する。
【0039】
つまり、従来の偶高調波直交復調器DM11は、偶高調波ミキサ466と467とを有し、偶高調波ミキサ466が、先端開放スタブ457と先端短絡スタブ458との2つのスタブを含み、偶高調波ミキサ467も、先端開放スタブ457と先端短絡スタブ458との2つのスタブを含み、結局、従来の偶高調波直交復調器DM11は、4つのスタブを有する。しかも、スタブ457、458は、周波数fで電気長が90度の大型な分布定数線路である。
【0040】
したがって、従来の偶高調波直交復調器DM11は、小型化・高集積化が要求されるモノリシックマイクロ波集積回路への適用には不向きであるという問題がある。
【0041】
また、先端開放スタブ457と先端短絡スタブ458とを集中定数化した場合、モノリシックマイクロ波集積回路において、インダクタやキャパシタの占有面積が増大するという問題がある。
【0042】
本発明は、小型化・高集積化が要求されるモノリシックマイクロ波集積回路へ適用することができる電力分配合成回路を提供することを目的とするものである。
【0043】
また、本発明は、インダクタやキャパシタの占有面積が増大しない電力分配合成回路を提供することを目的とするものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電力分配合成回路において、スタブの代わり、キャパシタまたはインダクタを設け、不要波を抑圧する電力分配合成回路である。この結果、回路寸法を小型化することができる。
【0045】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施例である電力分配合成回路DM1の構成を示す回路図である。
【0046】
電力分配合成回路DM1は、第1の入出力端子1と、第2の入出力端子2と、第3の入出力端子3と、インダクタンスLを具備する第1のインダクタ4と、インダクタンスLを具備する第2のインダクタ7と、インダクタンスLを具備する第3のインダクタ8と、容量Cを具備する第1のキャパシタ5と、容量Cを具備する第2のキャパシタ6と、容量Cを具備する第3のキャパシタ9と、容量Cを具備する第4のキャパシタ10と、抵抗値Rを具備する第1の抵抗素子11とを有する。
【0047】
第1のインダクタ4は、第1の入出力端子1に一端が接続され、他端が接地されている。第2のインダクタ7は、第2の入出力端子2に一端が接続されている。第3のインダクタ8は、第3の入出力端子3に一端が接続されている。
【0048】
第1のキャパシタ5は、第1の入出力端子1に一端が接続され、第2の入出力端子2に他端が接続されている。第2のキャパシタ6は、第1の入出力端子1に一端が接続され、第3の入出力端子3に他端が接続されている。第3のキャパシタ9は、第2のインダクタ7の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第4のキャパシタ10は、第3のインダクタ8の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0049】
第1の抵抗素子11は、第2の入出力端子2と第3の入出力端子3との間に接続されている。
【0050】
図2は、従来の高域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM14に、先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM21を示す図である。
【0051】
図2に示す従来の電力分配合成回路DM21は、電力分配合成回路DM1に対応する従来例である。また、従来の電力分配合成回路DM21は、入出力端子21、22、23と、インダクタンスLのインダクタ24と、容量Cのキャパシタ25、26と、インダクタンスLのインダクタ27、28と、先端開放スタブ29、30と、抵抗値Rの抵抗素子31とを有する。
【0052】
また、先端開放スタブ29は、従来の偶高調波直交復調器DM11における偶高調波ミキサ466を構成する先端開放スタブ457であり、一方、先端開放スタブ30は、従来の偶高調波直交復調器DM11における偶高調波ミキサ467を構成する先端開放スタブ457である。
【0053】
従来の電力分配合成回路DM21は、2本のスタブ29、30を使用し、これらスタブ29、30は、周波数fで電気長が90度の大型な分布定数線路であるので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM1は、2個のキャパシタ9、10を付加し、2個のインダクタ7、8の素子定数を調節することで、スタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM21と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0054】
ここで、電力分配合成回路DM1について、各構成素子の定数の設定方法について説明する。
【0055】
入出力端子1、2、3に接続される負荷インピーダンスをZと仮定する。インダクタ4のインダクタンスLを、
=(1/2)×(21/2/2πf)……式(22)
と設定し、キャパシタ5、6の容量C
=1/(2πf×21/2)……式(23)
と設定し、インダクタ7、8のインダクタンスLを、
=(4/3)×(21/2/2πf)……式(24)
と設定し、キャパシタ9、10の容量Cを、
=3×{1/(2πf×21/2)}……式(25)
と設定し、抵抗素子11の抵抗値Rを、
R=2Z……式(26)
と設定する。
【0056】
次に、上記のように素子定数を設定した電力分配合成回路DM1が、周波数fにおける入出力端子1、2、3での入出力整合条件と、入出力端子1と入出力端子2との間と、入出力端子1と入出力端子3との間とに対する分配・合成比を等しくする条件と、さらに入出力端子2と入出力端子3との間のアイソレーション条件とを満足することを説明する。
【0057】
図3は、電力分配合成回路DM1について、入出力端子2と入出力端子3とから同相励振した場合の等価回路を示す図である。
【0058】
電力分配合成回路DM1を、入出力端子2と入出力端子3とから同相励振した場合、入出力端子2と入出力端子3との電位は等しくなるので、抵抗11には電流が流れない。よって、図1に示す電力分配合成回路DM1において、抵抗値11を抵抗値R/2に2分する点と、入出力端子1とを結んだ対称線で2分したときにおけるそれぞれの分岐点が開放されていると考えればよく、したがって、図3に示す等価回路図のようになる。
【0059】
図3に示す等価回路図のインダクタ53、キャパシタ5、インダクタ7、キャパシタ9のパラメータに、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)の値を用いると、周波数fにおける入出力端子1、2、3での入出力整合条件と、入出力端子1と入出力端子2との間と、入出力端子1と入出力端子3との間とに対する分配・合成比を等しくする条件とを満足する。なお、51、52は、入出力端子である。
【0060】
図4は、電力分配合成回路DM1について、入出力端子2と入出力端子3とから逆相励振した場合の等価回路を示す図である。
【0061】
電力分配合成回路DM1を、入出力端子2と入出力端子3とから逆相励振した場合、入出力端子2と入出力端子3との電位は逆位相になるので、電力分配合成回路DM1において、抵抗値11を抵抗値R/2に2分する点と、入出力端子1とを結んだ対称線で2分したときにおけるそれぞれの分岐点の電位が零となり、上記それぞれの分岐点が短絡されていると考えればよく、したがって、図4で示す等価回路図のようになる。
【0062】
図4に示す等価回路図のキャパシタ5、インダクタ7、キャパシタ9、抵抗値R/2の抵抗素子65のパラメータに、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)の値を用いると、入出力端子2と入出力端子3との間のアイソレーション条件を満足する。なお、61は、入出力端子であり、65は抵抗である。
【0063】
以上より、インダクタ4のインダクタンスLに、
=(1/2)×(21/2/2πf
を設定し、キャパシタ5、6の容量Cに、
=1/(2πf×21/2
を設定し、インダクタ7、8のインダクタンスLに、
=(4/3)×(21/2/2πf
を設定し、キャパシタ9、10の容量Cに、
=3×{1/(2πf×21/2)}
を設定し、抵抗素子11の抵抗値Rに、
R=2Z
を設定すればよいことがわかる。
【0064】
この場合、入出力端子1から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が、入出力端子2と入出力端子3とから同相で出力される。また、入出力端子2から高周波信号を入力すると、入出力端子3では、抵抗値Rの抵抗素子11を通過した高周波信号と、キャパシタ5、6を通過した高周波信号とが等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0065】
図5は、電力分配合成回路DM1の具体例を示す回路図である。
【0066】
図5に示す電力分配合成回路DM1の具体例は、入出力端子71、72、73と、インダクタンスLのインダクタ74と、容量Cのキャパシタ75、76と、インダクタンス8L/3のインダクタ77、78と、容量3Cのキャパシタ79、80と、抵抗値2Zの抵抗素子81とを有する。
【0067】
所望周波数f=2GHz、抑圧周波数f=f/2=1GHzとし、入出力端子71、73に接続される負荷インピーダンスZ=50Ω、また、インダクタンスL=2.81nH、容量C=1.13pFとする。
【0068】
図6は、電力分配合成回路DM1の具体例において、順方向伝達係数S21、入力反射係数S11、S22、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0069】
図6から、周波数f=1.85GHz〜2.23GHzにおいて、分配損失として(3.05±0.04)dBの特性、入力反射量として−20dB以下の特性、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。また、周波数0.81GHz〜1.12GHzにおいて、分配損失として−20dB以下の特性、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0070】
[第2の実施例]
図7は、本発明の第2の実施例である電力分配合成回路DM2の構成を示す回路図である。
【0071】
電力分配合成回路DM2は、第1の入出力端子91と、第2の入出力端子92と、第3の入出力端子93と、容量Cの第1のキャパシタ94と、インダクタンスLの第1のインダクタ95と、インダクタンスLの第2のインダクタ96と、容量Cの第3のインダクタ97と、容量Cの第4のインダクタ98と、インダクタンスLの第2のキャパシタ99と、インダクタンスLの第3のキャパシタ100と、抵抗値Rの第1の抵抗素子101とを有する。
【0072】
第1のキャパシタ94は、第1の入出力端子91に一端が接続され、他端が接地されている。第1のインダクタ95は、第1の入出力端子91に一端が接続され、第2の入出力端子92に他端が接続されている。第2のインダクタ96は、第1の入出力端子91に一端が接続され、第3の入出力端子93に他端が接続されている。第3のインダクタ97は、第2の入出力端子92に一端が接続されている。第4のインダクタ98は、第3の入出力端子93に一端が接続されている。
【0073】
第2のキャパシタ99は、第3のインダクタ97の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のキャパシタ100は、第4のインダクタ98の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0074】
第1の抵抗素子101は、第2の入出力端子92と上記第3の入出力端子93との間に接続されている。
【0075】
図8は、従来の低域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路に先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM22を示す図である。
【0076】
図8に示す従来の電力分配合成回路DM22は、電力分配合成回路DM2に対応する従来例である。また、従来の電力分配合成回路DM22は、入出力端子111、112、113と、容量Cのキャパシタ114と、インダクタンスLのインダクタ115、116と、容量Cのキャパシタ117、118と、先端短絡スタブ119、120と、抵抗値Rの抵抗素子121とを有する。
【0077】
図8に示すように、従来の電力分配合成回路DM22では、スタブを2本使用するので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM2は、2個のインダクタ97、98を付加し、2個のキャパシタ99、100の素子定数を調節することで、スタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM22と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0078】
ここで、電力分配合成回路DM2について、各構成素子の定数の設定方法について説明する。
【0079】
入出力端子91、92、93に接続される負荷インピーダンスをZと仮定する。キャパシタ94の容量Cを、
=2/(2πf×21/2)……式(27)
と設定し、インダクタ95、96のインダクタンスLを、
=21/2/2πf……式(28)
と設定し、インダクタ97、98のインダクタンスLを、
=(1/3)×(21/2/2πf)……式(29)
と設定し、キャパシタ99、100の容量Cを、
=(3/4)×{1/(2πf×21/2)}……式(30)
と設定し、抵抗素子101の抵抗値Rを、
R=2Z……式式(31)
と設定する。
【0080】
上記のように素子定数を設定した電力分配合成回路DM2が、周波数fにおける入出力端子91、92、93での入出力整合条件と、入出力端子91と入出力端子92との間と、入出力端子91と入出力端子93との間とに対する分配・合成比を等しくする条件とを満足することを説明し、さらに入出力端子92と入出力端子93との間のアイソレーション条件を満足することを説明する。
【0081】
図9は、入出力端子91、92、93に接続される負荷インピーダンスをZと仮定し、電力分配合成回路DM2を入出力端子92と入出力端子93とから同相励振した場合の等価回路を示す図である。
【0082】
図10は、電力分配合成回路DM2において、入出力端子92と入出力端子93とから逆相励振した場合の等価回路を示す図である。
【0083】
電力分配合成回路DM2において、入出力端子92と入出力端子93とから同相励振した場合、入出力端子92と入出力端子93との電位が互いに等しくなるので、抵抗101には電流は流れない。よって、電力分配合成回路DM2において、抵抗値101を抵抗値R/2に2分する点と、入出力端子91とを結んだ対称線で2分したときにおけるそれぞれの分岐点が、開放されていると考えればよく、したがって、図9に示す等価回路図のようになる。
【0084】
また、電力分配合成回路DM2において、入出力端子92と入出力端子93とから逆相励振した場合、電力分配合成回路DM2において、入出力端子93との電位が互いに逆位相になるので、電力分配合成回路DM2において、抵抗値101を抵抗値R/2に2分する点と、入出力端子91とを結んだ対称線で2分したときにおけるそれぞれの分岐点の電位が零になり、それぞれの分岐点が短絡されていると考えればよく、したがって、図10に示す等価回路図のようになる。
【0085】
図9において、141、142は、入出力端子であり、143は、容量C/2のキャパシタである。
【0086】
また、図10において、151は、入出力端子でり、155は、抵抗値R/2の抵抗素子である。
【0087】
図9に示す等価回路におけるキャパシタ143、インダクタ95、インダクタ97、キャパシタ99のパラメータに、式(27)、式(28)、式(29)、式(30)の値を用いると、周波数fにおける入出力端子91、92、93での入出力整合条件と、入出力端子91と入出力端子92との間と、入出力端子91と入出力端子93との間に対する分配・合成比を等しくする条件とを満足する。
【0088】
さらに、図10の等価回路におけるインダクタ95、インダクタ97、キャパシタ99、抵抗素子155のパラメータに、式(28)、式(29)、式(30)、式式(31)の値を用いると、入出力端子92と入出力端子93との間のアイソレーション条件を満足する。
【0089】
以上より、キャパシタ94の容量Cに、
=2/(2πf×21/2
を設定し、インダクタ95、96のインダクタンスLに、
=21/2/2πf
を設定し、インダクタ97、98のインダクタンスL
=(1/3)×(21/2/2πf
を設定し、キャパシタ99、100の容量Cに、
=(3/4)×{1/(2πf×21/2)}
を設定し、抵抗素子101の抵抗値Rに、
R=2Z
を設定すればよいことがわかる。
【0090】
この場合、入出力端子91から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が、入出力端子92と入出力端子93とから同相で出力される。また、入出力端子92から高周波信号を入力すると、入出力端子93では、抵抗値Rの抵抗素子101を通過した高周波信号と、インダクタ95、96を通過した高周波信号とが、等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0091】
図11は、電力分配合成回路DM2の具体例を示す回路図である。
【0092】
電力分配合成回路DM2の具体例は、入出力端子161、162、163と、容量Cのキャパシタ164と、インダクタンスLのインダクタ165、166と、インダクタンスL/3のインダクタ167、168と、容量3C/8のキャパシタ169、170と、抵抗値2Zの抵抗素子171と有する。
【0093】
所望周波数f=1GHzとし、抑圧周波数f=2f=2GHzとし、入出力端子161、163に接続される負荷インピーダンスZ=50Ω、また、インダクタンスL=11.3nH、容量C=4.50pFとする。
【0094】
図12は、電力分配合成回路DM2の具体例において、順方向伝達係数S21、入力反射係数S11、S22、アイソレーションS32についての数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0095】
図12から、周波数f=0.90GHz〜1.07GHzにおいて、分配損失として(3.03±0.02)dBの特性、入力反射量として−20dB以下の特性、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。また、周波数1.91GHz〜2.14GHzにおいて、分配損失として−30dB以下の特性、アイソレーションとして35dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0096】
[第3の実施例]
図13は、本発明の第3の実施例である電力分配合成回路DM3を示す回路図である。
【0097】
電力分配合成回路DM3は、第1の入出力端子181と、第2の入出力端子182と、第3の入出力端子183と、インダクタンスLの第1のインダクタ189と、インダクタンスLの第3のインダクタ191と、インダクタンスLの第4のインダクタ192と、第1のキャパシタ187と、容量Cの第2のキャパシタ185と、容量Cの第3のキャパシタ186と、第4のキャパシタ188と、インダクタンスLの第2のインダクタ190と、容量Cの第5のキャパシタ193と、容量Cの第6のキャパシタ194と、抵抗値Rの第1の抵抗素子184とを有する。
【0098】
また、第1のインダクタ189は、第1の入出力端子181に一端が接続され、他端が接地されている。第3のインダクタ191は、第2の入出力端子182に一端が接続されている。第4のインダクタ192は、第3の入出力端子183に一端が接続されている。
【0099】
第1のキャパシタ187は、第1の入出力端子181に一端が接続され、第2の入出力端子182に他端が接続されている。第2のキャパシタ185は、第1の入出力端子181に一端が接続されている。第3のキャパシタ186は、第2の入出力端子182に一端が接続され、第3の入出力端子183に他端が接続されている。第4のキャパシタ188は、第2のキャパシタ185の他端に一端が接続され、第3の入出力端子183に他端が接続されている。
【0100】
第2のインダクタ190は、第2のキャパシタ185の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第5のキャパシタ193は、第3のインダクタ191の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第6のキャパシタ194は、第4のインダクタ192の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0101】
第1の抵抗素子184は、第2のキャパシタ185の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0102】
図14は、従来の高域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路に先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM23を示す図である。
【0103】
図14に示す従来の電力分配合成回路DM23は、電力分配合成回路DM3に対応する従来例である。また、従来の電力分配合成回路DM23は、入出力端子201、202、203と、抵抗値Rの抵抗素子204と、容量Cのキャパシタ205、206と、容量Cのキャパシタ207、208と、インダクタンスLのインダクタ209、210、211、212と、先端短絡スタ213、214ブとを有する。
【0104】
図14に示すように、従来の電力分配合成回路DM23では、スタブを2本使用するので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM3は、2個のキャパシタ193、194を付加し、2個のインダクタ191、192の素子定数を調節することで、スタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM23と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0105】
ここで、本発明の第3の実施例である電力分配合成回路DM3について、各構成素子の定数の設定方法について説明する。
【0106】
入出力端子181,182、183に接続される負荷インピーダンスを、Zと仮定する。キャパシタ185、186の容量Cを、
=1/(2πf×Z)……式(32)
と設定し、キャパシタ187、188の容量Cを、
=21/2/(2πf×Z)……式(33)
と設定し、インダクタ189、190のインダクタンスLを、
=(21/2−1)×(Z/2πf)……式(34)
と設定し、インダクタ191、192のインダクタンスLを、
={4(21/2−1)/3}×(Z/2πf)……式(35)
と設定し、キャパシタ193、194の容量 を、
=3(1+21/2)/(2πf×Z)……式(36)
と設定し、抵抗素子184の抵抗値Rを、
R=Z……式(37)
と設定する。
【0107】
上記のように素子定数を設定すると、電力分配合成回路DM3が、周波数fにおける入出力端子181、182、183での入出力整合条件と、入出力端子181と入出力端子182との間と、入出力端子181と入出力端子183との間とに対する分配・合成比を等しくする条件と、さらに、入出力端子182と入出力端子183との間のアイソレーション条件と、位相差90度の条件とを満足する。よって、キャパシタ185、186の容量Cを、
=1/(2πf×Z
に設定し、キャパシタ187、188の容量Cを、
=21/2/(2πf×Z
に設定し、インダクタ189、190のインダクタンスLを、
=(21/2−1)×(Z/2πf
に設定し、インダクタ191、192のインダクタンスLを、
={4(21/2−1)/3}×(Z/2πf
に設定し、キャパシタ193、194の容量 を、
=3(1+21/2)/(2πf×Z
に設定し、抵抗素子184の抵抗値Rを、
R=Z
に設定すれば、入出力端子181から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が、入出力端子182と入出力端子183とから、位相差90度で出力される。
【0108】
また、入出力端子182から高周波信号を入力すると、入出力端子183では等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0109】
図15は、電力分配合成回路DM3の具体例を示す回路図である。
【0110】
図15に示す電力分配合成回路DM3の具体例は、入出力端子221、222、223と、抵抗値Zの抵抗素子224と、容量Cのキャパシタ225、226と、容量21/2Cのキャパシタ227、228と、インダクタンスLのインダクタ229、230と、インダクタンス4L/3のインダクタ231、232と、容量3(1+21/2)Cのキャパシタ233、234とを有する。また、所望周波数f=2GHz、抑圧周波数f=f/2=1GHzとし、入出力端子221、222、223に接続される負荷インピーダンスZ=50Ω、また、インダクタンスL=1.65nH、容量C=1.59pFとする。
【0111】
図16は、電力分配合成回路DM3の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32についての数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0112】
図16より、周波数f=1.95GHz〜2.05GHzにおいて、分配損失として(3.05±0.05)dBの特性、入力反射量として−20dB以下の特性、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。また、周波数0.89GHz 1.06GHzにおいて、分配損失として、−35dB以下の特性、アイソレーションとして、50dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0113】
図17は、電力分配合成回路DM3の具体例において、順方向伝達係数S21とS31との位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0114】
図17から、周波数f=1.92GHz〜2.21GHzにおいて、位相差として(90±0.5)度の特性が得られていることがわかる。
【0115】
[第4の実施例]
図18は、本発明の第4の実施例である電力分配合成回路DM4の構成を示す回路図である。
【0116】
電力分配合成回路DM4は、第1の入出力端子231と、第2の入出力端子232と、第3の入出力端子233と、容量Cの第1のキャパシタ239と、インダクタンスLの第5のインダクタ241と、インダクタンスLの第6のインダクタ242と、インダクタンスLの第1のインダクタ237と、インダクタンスLの第2のインダクタ235と、インダクタンスLの第3のインダクタ236と、インダクタンスLの第4のインダクタ238と、容量Cの第2のキャパシタ240と、容量Cの第3のキャパシタ243と、容量Cの第4のキャパシタ244と、抵抗値Rの第1の抵抗素子234とを有する。
【0117】
また、第1のキャパシタ239は、第1の入出力端子231に一端が接続され、他端が接地されている。第5のインダクタ241は、第2の入出力端子232に一端が接続されている。第6のインダクタ242は、第3の入出力端子233に一端が接続されている。第1のインダクタ237は、第1の入出力端子231に一端が接続され、第2の入出力端子232に他端が接続されている。第2のインダクタ235は、第1の入出力端子231に一端が接続されている。第3のインダクタ236は、第2の入出力端子232に一端が接続され、第3の入出力端子233に他端が接続されている。第4のインダクタ238は、第2のインダクタ235の他端に一端が接続され、第3の入出力端子233に他端が接続されている。
【0118】
第2のキャパシタ240は、第2のインダクタ235の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のキャパシタ243は、第5のインダクタ241の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第4のキャパシタ244は、第6のインダクタ242の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0119】
第1の抵抗素子234は、第2のインダクタ235の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0120】
図19は、従来の低域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路に先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM24を示す図である。
【0121】
電力分配合成回路DM24は、入出力端子251、252、253と、抵抗値Rの抵抗素子254と、インダクタンスLのインダクタ255、256と、インダクタンスLのインダクタ257、258と、容量Cのキャパシタ259、260、261、262と、先端短絡スタブ263、264とを有する。
【0122】
図19に示すように、従来の電力分配合成回路DM24では、スタブを2本使用するので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM4は、2個のインダクタ241、242を付加し、2個のキャパシタ243、244の素子定数を調節することで、スタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM24と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0123】
ここで、電力分配合成回路DM4について、各構成素子の定数の設定方法について説明する。
【0124】
入出力端子231、232、233に接続される負荷インピーダンスをZと仮定する。インダクタ235、236のインダクタンスLを、
=Z/2πf……式(38)
と設定し、インダクタ237、238のインダクタンスLを、
=Z/(21/2×2πf)……式(39)
と設定し、キャパシタ239、240の容量Cを、
=(1+21/2)/(2πf×Z)……式(40)
と設定し、インダクタ241、242のインダクタンスLを、
={(21/2−1)/3}×(Z/2πf)……式(41)
と設定し、キャパシタ243、244の容量Cを、
={3(1+21/2)/4}×{1/(2πf×Z)}……式(42)
と設定し、抵抗素子234の抵抗値Rを、
R=Z……式(43)
と設定する。
【0125】
上記のように素子定数を設定すると、電力分配合成回路DM4が、周波数fにおける入出力端子231、232、233での入出力整合条件と、入出力端子231と入出力端子232との間と、入出力端子231と入出力端子233との間とに対する分配・合成比を等しくする条件と、さらに入出力端子232と入出力端子233との間のアイソレーション条件と、位相差90度の条件とを満足する。
【0126】
よって、インダクタ235、236のインダクタンスLを、
=Z/2πf
に設定し、インダクタ237、238のインダクタンスLを、
=Z/(21/2×2πf
に設定し、キャパシタ239、240の容量Cを、
=(1+21/2)/(2πf×Z
に設定し、インダクタ241、242のインダクタンスLを、
={(21/2−1)/3}×(Z/2πf
に設定し、キャパシタ243、244の容量Cを、
={3(1+21/2)/4}×{1/(2πf×Z)}
に設定し、抵抗素子234の抵抗値Rを
R=Z
に設定すれば、入出力端子231から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が入出力端子232および入出力端子233から位相差90度で出力される。
【0127】
また、入出力端子232から高周波信号を入力すると、入出力端子233では等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0128】
図20は、電力分配合成回路DM4の具体例を示す回路図である。
【0129】
電力分配合成回路DM4の具体例は、抵抗値Zの抵抗素子274と、インダクタンスLのインダクタ275、276と、インダクタンスL/21/2のインダクタ277、278と、容量Cのキャパシタ279、280と、インダクタンス(21/2−1)L/3のインダクタ281、282と、容量3C/4のキャパシタ283、284とを有する。
【0130】
そして、所望周波数をf=1GHz、抑圧周波数をf=2f=2GHzとし、入出力端子271、272、273に接続される負荷インピーダンスをZ=50Ω、また、インダクタンスL=7.96nH、容量C=7.68pFとする。
【0131】
図21は、電力分配合成回路DM4の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32についての数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0132】
図21より、周波数f=0.97GHz 1.03GHzにおいて、分配損失として(3.07±0.07)dBの特性、入力反射量として−20dB以下、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0133】
また、周波数1.88GHz〜2.26GHzにおいて、分配損失として−35dB以下の特性、アイソレーションとして40dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0134】
図22は、電力分配合成回路DM4の具体例において、順方向伝達係数S21とS31との位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0135】
図22より、周波数f=0、94GHz〜1.04GHzにおいて、位相差として(90±0.5)度の特性が得られていることがわかる。
【0136】
[第5の実施例]
図23は、本発明の第5の実施例である電力分配合成回路DM5の構成を示す図である。
【0137】
電力分配合成回路DM5は、第1の入出力端子291と、第2の入出力端子292と、第3の入出力端子293と、インダクタンスLの第1のインダクタ294と、インダクタンスLの第4のインダクタ301と、インダクタンスLの第5のインダクタ302と、容量Cの第1のキャパシタ295と、容量Cの第2のキャパシタ296と、インダクタンスLの第2のインダクタ297と、容量Cの第3のキャパシタ298と、インダクタンスLの第3のインダクタ300と、容量Cの第4のキャパシタ299と、容量Cの第5のキャパシタ303と、容量Cの第6のキャパシタ304と、抵抗値Rの第1の抵抗素子305とを有する。
【0138】
また、第1のインダクタ294は、第1の入出力端子291に一端が接続され、他端が接地されている。第4のインダクタ301は、第2の入出力端子292に一端が接続されている。第5のインダクタ302は、第3の入出力端子293に一端が接続されている。
【0139】
第1のキャパシタ295は、第1の入出力端子291に一端が接続されている。第2のキャパシタ296は、第1の入出力端子291に一端が接続され、第3の入出力端子293に他端が接続されている。
【0140】
第2のインダクタ297は、第1のキャパシタ295の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のキャパシタ298は、第1のキャパシタ295の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のインダクタ300は、第1のキャパシタ295の他端に一端が接続され、第2の入出力端子292に他端が接続されている。第4のキャパシタ299は、第2の入出力端子292に一端が接続され、他端が接地されている。第5のキャパシタ303は、第4のインダクタ301の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第6のキャパシタ304は、第5のインダクタ302の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0141】
第1の抵抗素子305は、第1のキャパシタ295の他端に一端が接続され、第2のキャパシタ296の他端に他端が接続されている。
【0142】
ここで、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとしている。
【0143】
図24は、従来の高域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路にθ度伝送線路と先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM25を示す図である。
【0144】
電力分配合成回路DM25は、入出力端子311、312、313と、インダクタンスLのインダクタ314と、容量Cのキャパシタ315、316と、インダクタンスLのインダクタ317、318と、先端開放スタブ319、320と、θ度伝送線路321と、抵抗値Rの抵抗素子322とを有する。
【0145】
図24に示すように、従来の電力分配合成回路DM25では、スタブを3本使用するので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM5は、4個のキャパシタ298、299、303、304と2個のインダクタ300、301を付加するのみで、3本のスタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM25と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0146】
ここで、電力分配合成回路DM5について、各構成素子の定数の設定方法について説明する。
【0147】
入出力端子291、292、293に接続される負荷インピーダンスをZと仮定する。インダクタ294のインダクタンスLを、
=(1/2)×(21/2/2πf)……式(44)
と設定し、キャパシタ295、296の容量Cを、
=1/(2πf×21/2)……式(45)
と設定し、インダクタ297のインダクタンスLを、
=21/2/2πf……式(46)
と設定し、キャパシタ298の容量Cを、
=tan{(π×θ)/360}/(2πf×Z)……式(47)
と設定し、キャパシタ299の容量Cを、
=[tan{(π×θ)/360}/(2πf×Z)]+{1/(2πf×21/2)……式(48)
と設定し、インダクタ300のインダクタンスLを、
=[Z×sin{(π×θ)/180}]/2πf……式(49)
と設定し、インダクタ301、302のインダクタンスLを、
=(4/3)×(21/2/2πf)……式(50)
と設定し、キャパシタ303、304の容量Cを、
=3/(2πf×21/2)……式(51)
と設定し、抵抗素子305の抵抗値Rを、
R=2Z……式(52)
と設定する。
【0148】
上記のように素子定数を設定すると、電力分配合成回路DM5が、周波数fにおける入出力端子291、292、293での入出力整合条件と、入出力端子291と入出力端子292との間と、入出力端子291と入出力端子293との間に対する分配・合成比を等しくする条件と、さらに入出力端子292と入出力端子293との間のアイソレーション条件と、位相差θ度の条件とを満足する。よって、インダクタ294のインダクタンスLを、
=(1/2)×(21/2/2πf
に設定し、キャパシタ295、296の容量Cを、
=1/(2πf×21/2
に設定し、インダクタ297のインダクタンスLを、
=21/2/2πf
に設定し、キャパシタ298の容量Cを、
=tan{(π×θ)/360}/(2πf×Z
に設定し、キャパシタ299の容量Cを、
=[tan{(π×θ)/360}/(2πf×Z)]+{1/(2πf×21/2)}
に設定し、インダクタ300のインダクタンスLを、
=[Z×sin{(π×θ)/180}]/2πf
に設定し、インダクタ301、302のインダクタンスLを、
=(4/3)×(21/2/2πf
に設定し、キャパシタ303、304の容量Cを、
=3/(2πf×21/2
に設定し、抵抗素子305の抵抗値Rを、
R=2Z
に設定すれば、入出力端子291から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が入出力端子292と入出力端子293とから、位相差θ度で出力される。
【0149】
また、入出力端子292から高周波信号を入力すると、入出力端子293では等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0150】
図25は、電力分配合成回路DM5の具体例を示す回路図であり、位相差を45度とした場合を示す図である。
【0151】
電力分配合成回路DM5の具体例は、入出力端子341、342、343と、インダクタンスLのインダクタ344と、容量Cのキャパシタ345、346と、インダクタンス2Lのインダクタ347と、容量21/2×tan{(π×θ)/360}×Cのキャパシタ348と、容量[1+21/2tan{(π×θ)/360}]×Cのキャパシタ349と、インダクタンス21/2×sin{(π×θ)/180}×Lのインダクタ350と、インダクタンス8L/3のインダクタ351、352と、容量3Cのキャパシタ353、354と、抵抗値2Zの抵抗素子355とを有する
【0152】
所望周波数f=2GHz、抑圧周波数f=f/2=1GHzとし、入出力端子341、342、343に接続されている負荷インピーダンスZ=50Ω、また、インダクタンスL=2.81nH、容量C=0.66pFとする。
【0153】
図26は、電力分配合成回路DM5の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32についての数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0154】
図26より、周波数f=1.88GHz 2.12GHzにおいて、分配損失として(3.01±0.01)dBの特性、入力反射量として−25dB以下の特性、アイソレーションとして25dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0155】
また、周波数0.86GHz〜1.07GHzにおいて、分配損失として−25dB以下の特性、アイソレーションとして25dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0156】
図27は、電力分配合成回路DM5の具体例において、順方向伝達係数S21とS31の位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0157】
図27より、周波数f=1.98GHz〜2.02GHzにおいて、位相差として(45±1.0)度の特性が得られていることがわかる。
【0158】
ところで、位相差θを制御することによって、電力分配合成回路DM5を、より小型化することができる。
【0159】
つまり、tan[(π×θ)/360]>1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM5に加えれば,すなわち、θ>35.26°であるときに、第2のインダクタ297を省略することができる。この場合、第3のキャパシタ298の容量C’は、
’=[tan(π×θ/360)−1/21/2]/(2πf
である。上記のように、電力分配合成回路DM5において第2のインダクタ297を省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0160】
さらに、tan[(π×θ)/360]=1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM5に加えれば、すなわち、θ=35.26°であるときに、第2のインダクタ297と第3のキャパシタ298とを省略することができる。上記のように、電力分配合成回路DM5において第2のインダクタ297と第3のキャパシタ298とを省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0161】
また、tan[(π×θ)/360]<1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM5に加えれば,すなわち、θ<35.26°であるときに、第3のキャパシタ298を省略することができる。この場合、第2のインダクタ297のインダクタンスL’は、
’=Z/{[1/21/2−tan(π×θ/360)]×(2πf)}
である。上記のように、電力分配合成回路DM5において第3のキャパシタ298を省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0162】
[第6の実施例]
図28は、本発明の第6の実施例の電力分配合成回路DM6を示す回路図である。
【0163】
電力分配合成回路DM6は、第1の入出力端子361と、第2の入出力端子362と、第3の入出力端子363と、容量Cの第1のキャパシタ364と、インダクタンスLの第5のインダクタ371と、インダクタンスLの第6のインダクタ372と、インダクタンスLの第1のインダクタ365と、インダクタンスLの第2のインダクタ366と、容量Cの第2のキャパシタ367と、インダクタンスLの第3のインダクタ368と、容量Cの第3のキャパシタ370と、インダクタンスLの第4のインダクタ369と、容量Cの第4のキャパシタ373と、容量Cの第5のキャパシタ374と、抵抗値Rの第1の抵抗素子375とを有する。
【0164】
また、第1のキャパシタ364は、第1の入出力端子361に一端が接続され、他端が接地されている。第5のインダクタ371は、第2の入出力端子362に一端が接続されている。第6のインダクタ372は、第3の入出力端子363に一端が接続されている。第1のインダクタ365は、第1の入出力端子361に一端が接続されている。第2のインダクタ366は、第1の入出力端子361に一端が接続され、第3の入出力端子363に他端が接続されている。
【0165】
第2のキャパシタ367は、第1のインダクタ365の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のインダクタ368は、第1のインダクタ365の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第3のキャパシタ370は、第1のインダクタ365の他端に一端が接続され、第2の入出力端子362に他端が接続されている。第4のインダクタ369は、第2の入出力端子362に一端が接続され、他端が接地されている。第4のキャパシタ373は、第5のインダクタ371の他端に一端が接続され、他端が接地されている。第5のキャパシタ374は、第6のインダクタ372の他端に一端が接続され、他端が接地されている。
【0166】
第1の抵抗素子375は、第1のインダクタ365の他端に一端が接続され、上記第2のインダクタ366の他端に他端が接続されている。
【0167】
ここで、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとしている。
【0168】
図29は、低域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路にθ度伝送線路と先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM26を示す図である。
【0169】
電力分配合成回路DM26は、入出力端子381、382、383と、容量Cのキャパシタ384と、インダクタンスLのインダクタ385、386と、容量Cのキャパシタ387、388と、先端短絡スタブ389、390と、θ度伝送線路391と、抵抗値Rの抵抗素子392とを有する。
【0170】
図29に示すように、従来の電力分配合成回路DM26では、スタブを3本使用するので、回路面積が増大するという問題がある。一方、電力分配合成回路DM6は、2個のキャパシタ370、373と4個のインダクタ368、369、371、372を付加することで、スタブを省略することができる。その結果、電力分配合成回路DM26と比較し、回路面積(規模)を小さくすることが可能であり、モノリシックマイクロ波集積回路への適用に有効である。
【0171】
ここで、電力分配合成回路DM6において、各構成素子の定数を設定する方法について説明する。
【0172】
入出力端子361、362、363に接続される負荷インピーダンスを、Zと仮定する。
【0173】
キャパシタ364の容量Cを、
=2/(2πf×21/2)……式(53)
と設定し、インダクタ365、366のインダクタンスLを、
=21/2/2πf……式(54)
と設定し、キャパシタ367の容量Cを、
=1/(2πf×21/2)……式(55)
と設定し、インダクタ368のインダクタンスLを、
=Z/[2πf×tan{(π×θ)/360}]……式(56)
と設定し、インダクタ369のインダクタンスLを、
=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z/2πf)……式(57)
と設定し、キャパシタ370の容量Cを、
=1/[2πf×Z×sin{(π×θ)/180}]……式(58)
と設定し、インダクタ371、372のインダクタンスLを、
=(1/3)×(21/2/2πf)……式(59)
と設定し、キャパシタ373、374の容量Cを、
=(3/4)×{1/(2πf×21/2)}……式(60)
と設定し、抵抗素子305の抵抗値Rを、
R=2Z……式(61)
と設定する。
【0174】
上記のように、素子定数を設定すると、電力分配合成回路DM6が、周波数fにおける入出力端子361、362、363での入出力整合条件と、入出力端子361と入出力端子362との間と、入出力端子361と入出力端子363との間とに対する分配・合成比を等しくする条件と、さらに入出力端子362と入出力端子363との間のアイソレーション条件と、位相差θ度の条件とを満足する。
【0175】
よって、キャパシタ364の容量Cを、
=2/(2πf×21/2
に設定し、インダクタ365、366のインダクタンスLを、
=(21/2)/(2πf
に設定し、キャパシタ367の容量Cを、
=1/(2πf×21/2
に設定し、インダクタ368の容量Lを、
=Z/[2πf×tan{(π×θ)/360}]
に設定し、インダクタ369のインダクタンスLを、
=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z/2πf
に設定し、キャパシタ370のインダクタンスCを、
=1/[2πf×Z×sin{(π×θ)/180}]
に設定し、インダクタ371、372のインダクタンスLを、
=(1/3)×(21/2/2πf
に設定し、キャパシタ373、374の容量Cを、
=(3/4)×{1/(2πf×21/2)}
に設定し、抵抗素子305の抵抗値Rを、
R=2Z
に設定すれば、入出力端子361から高周波信号を入力すると、1/2ずつに分配された高周波信号が入出力端子362と入出力端子363とから位相差θ度で出力される。また、入出力端子362から高周波信号を入力すると、入出力端子363では、等振幅かつ逆相で合成されるので、出力されない。
【0176】
図30は、電力分配合成回路DM6の具体例を示す回路図であり、位相差を45度とした場合の回路図である。
【0177】
電力分配合成回路DM6の具体例は、入出力端子411、412、413と、容量Cのキャパシタ414と、インダクタンスLのインダクタ415、416と、容量C/2のキャパシタ417と、インダクタンス[1/21/2tan{(π×θ)/360}]×Lのインダクタ418と、インダクタンス[1/{21/2tan(π×θ/360)+1}]Lのインダクタ419と、容量[21/2/2sin{(π×θ)/180}]×Cのキャパシタ420と、インダクタンス3Lのインダクタ421、422と、容量3C/8のキャパシタ423、424と、抵抗値2Zの抵抗素子425と有する。
【0178】
所望周波数f=1GHz、抑圧周波数f=2f=2GHzとし、入出力端子411、412、413に接続される負荷インピーダンスZ=50Ω、また、インダクタンスL=11.3nH、容量C=4.50pFとする。
【0179】
図31は、電力分配合成回路DM6の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32についての数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0180】
図31より、周波数f=0.91GHz 1.09GHzにおいて、分配損失として(3.03±0.03)dBの特性、入力反射量として−20dB以下の特性、アイソレーションとして20dB以上の特性が得られていることがわかる。また、周波数1.92GHz 2.13GHzにおいて、分配損失として−30dB以下の特性、アイソレーションとして35dB以上の特性が得られていることがわかる。
【0181】
図32は、電力分配合成回路DM6の具体例において、順方向伝達係数S21とS31の位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【0182】
図32より、周波数f=0.97GHz 1.03GHzにおいて、位相差として(45±2.0)度の特性が得られていることがわかる。
【0183】
ところで、位相差θを制御することによって、電力分配合成回路DM6を、より小型化することができる。
【0184】
つまり、tan[(π×θ)/360]>1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM6に加えれば,すなわち、θ>35.26°であるときに、第2のキャパシタ367を省略することができる。なお、θは、位相差である。この場合、第3のインダクタ368のインダクタンスL’は、
’=Z/{[tan(π×θ/360)−1/21/2]×(2πf)}
である。上記のように、電力分配合成回路DM6において第2のキャパシタ367を省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0185】
さらに、tan[(π×θ)/360]=1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM6に加えれば、すなわち、θ=35.26°であるときに、第2のキャパシタ367と第3のインダクタ368とを省略することができる。上記のように、電力分配合成回路DM5において第2のキャパシタ367と第3のインダクタ368とを省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0186】
また、tan[(π×θ)/360]<1/21/2であるという条件を、電力分配合成回路DM6に加えれば,すなわち、θ<35.26°であるときに、第3のインダクタ368を省略することができる。この場合、第3のキャパシタ367の容量C’は、
’=[1/21/2−tan(π×θ/360)]/(2πf
である。上記のように、電力分配合成回路DM6において第3のインダクタ368を省略することによって、電力分配合成回路がより小型化される。
【0187】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化・高集積化が要求されるモノリシックマイクロ波集積回路へ適用することができ、また、インダクタやキャパシタの占有面積が増大しないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である電力分配合成回路DM1の構成を示す回路図である。
【図2】従来の高域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM14に、先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM21を示す図である。
【図3】電力分配合成回路DM1について、入出力端子2と入出力端子3とから同相励振した場合の等価回路を示す図である。
【図4】電力分配合成回路DM1について、入出力端子2と入出力端子3とから逆相励振した場合の等価回路を示す図である。
【図5】電力分配合成回路DM1の具体例を示す回路図である。
【図6】電力分配合成回路DM1の具体例において、順方向伝達係数S21、入力反射係数S11、S22、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例である電力分配合成回路DM2の構成を示す回路図である。
【図8】従来の低域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM15に先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM22を示す図である。
【図9】電力分配合成回路DM2について、入出力端子92と入出力端子93とから同相励振した場合の等価回路を示す図である。
【図10】電力分配合成回路DM2において、入出力端子92と入出力端子93とから逆相励振した場合の等価回路を示す図である。
【図11】電力分配合成回路DM2の具体例を示す回路図である。
【図12】電力分配合成回路DM2の具体例において、順方向伝達係数S21、入力反射係数S11、S22、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例である電力分配合成回路DM3を示す回路図である。
【図14】従来の高域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路DM16に先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM23を示す図である。
【図15】電力分配合成回路DM3の具体例を示す回路図である。
【図16】電力分配合成回路DM3の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図17】電力分配合成回路DM3の具体例において、順方向伝達係数S21とS31との位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施例である電力分配合成回路DM4の構成を示す回路図である。
【図19】従来の低域通過型ブランチライン型90度電力分配合成回路DM17に先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM24を示す図である。
【図20】電力分配合成回路DM4の具体例を示す回路図である。
【図21】電力分配合成回路DM4の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図22】電力分配合成回路DM4の具体例において、順方向伝達係数S21とS31との位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図23】本発明の第5の実施例である電力分配合成回路DM5の構成を示す図である。
【図24】従来の高域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM14にθ度伝送線路と先端開放スタブを付加した電力分配合成回路DM25を示す図である。
【図25】電力分配合成回路DM5の具体例を示す回路図であり、位相差を45度とした場合を示す図である。
【図26】電力分配合成回路DM5の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図27】電力分配合成回路DM5の具体例において、順方向伝達係数S21とS31の位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図28】本発明の第6の実施例の電力分配合成回路DM6を示す回路図である。
【図29】従来の低域通過型ウィルキンソン型電力分配合成回路DM15にθ度伝送線路と先端短絡スタブを付加した電力分配合成回路DM26を示す図である。
【図30】電力分配合成回路DM6の具体例を示す回路図であり、位相差を45度とした場合の回路図である。
【図31】電力分配合成回路DM6の具体例において、順方向伝達係数S21、S31、入力反射係数S11、S22、S33、アイソレーションS32の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図32】電力分配合成回路DM6の具体例において、順方向伝達係数S21とS31の位相差の数値シミュレーション結果の周波数特性を示す図である。
【図33】従来の偶高調波直交復調器DM11に使用されている従来の偶高調波ミキサ466を示す回路図である。
【図34】従来の偶高調波直交復調器DM11を示す回路図である。
【図35】分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を示す図である。
【図36】分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を示す図である。
【図37】分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を集中定数化した電力分配合成回路DM14を示す図である。
【図38】分布定数線路を組み合わせた従来のウィルキンソン型電力分配合成回路DM12を集中定数化した電力分配合成回路DM15を示す図である。
【図39】分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を集中定数化した電力分配合成回路DM16を示す図である。
【図40】分布定数線路を組み合わせた従来のブランチライン型90度電力分配合成回路DM13を、集中定数化した電力分配合成回路DM17を示す図である。

【符号の説明】
DM1〜DM6…電力分配合成回路、
1、91、181、231、291,361…第1の入出力端子、
2、92、182、232、292,362…第2の入出力端子、
3、93、183、233、293,363…第3の入出力端子、
9…第3のキャパシタ、
10…第4のキャパシタ、
97…第3のインダクタ、
98…第4のインダクタ、
193…第5のキャパシタ、
194…第6のキャパシタ、
241…第5のインダクタ、
242…第6のインダクタ、
298…第3のキャパシタ、
299…第4のキャパシタ、
303…第5のキャパシタ、
304…第6のキャパシタ、
300…第3のインダクタ
301…第4のインダクタ、
370…第3のキャパシタ
373…第4のキャパシタ、
368…第3のインダクタ、
369…第4のインダクタ、
371…第5のインダクタ、
372…第6のインダクタ。

Claims (12)

  1. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第2のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のキャパシタと;
    上記第3のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子との間に接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1のインダクタのインダクタンスL1を
    1=(1/2)×(21/20/2πf0)……式(22)
    とし、上記第1および第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×21/20)……式(23)
    とし、上記第2および第3のインダクタのインダクタンスL2を
    2=(4/3)×(21/20/2πf0)……式(24)
    とし、上記第3および第4のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=3×{1/(2πf0×21/20)}……式(25)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(26)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  2. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地された第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続された第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続された第2のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続された第3のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続された第4のインダクタと;
    上記第3のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地された第2のキャパシタと;
    上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地された第3のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子との間に接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタのインダクタンスL1を
    1=21/20/2πf0……式(28)
    とし、上記第1のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=2/(2πf0×21/20)……式(27)
    とし、上記第3および第4のインダクタのインダクタンスL2を
    2=(1/3)×(21/20/2πf0)……式(29)
    とし、上記第2および第3のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=(3/4)×{1/(2πf0×21/20)}……式(30)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(31)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  3. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第3のキャパシタと;
    上記第2のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第4のキャパシタと;
    上記第2のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のインダクタと;
    上記第3のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第6のキャパシタと;
    上記第2のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタンスのインダクタL1を
    1=(21/2−1)×(Z0/2πf0)……式(34)
    とし、上記第2および第3のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×Z0)……式(32)
    とし、上記第3および第4のインダクタのインダクタンスL2を
    2={4(21/2−1)/3}×(Z0/2πf0)……式(35)
    とし、上記第1および第4のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=21/2/(2πf0×Z0)……式(33)
    とし上記第5および第6のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=3(1+21/2)/(2πf0×Z0)……式(36)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=Z0……式(37)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件と位相差90度の条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  4. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第6のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第2のインダクタの他端に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第2のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のキャパシタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のキャパシタと;
    上記第6のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第2のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第2および第3のインダクタンスのインダクタL1を
    1=Z0/2πf0……式(38)
    とし、上記第1及び第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=(1+21/2)/(2πf0×Z0)……式(40)
    とし、上記第1および第4のインダクタのインダクタンスL2を
    2=Z0/(21/2×2πf0)……式(39)
    とし、上記第3および第4のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2={3(1+21/2)/4}×{1/(2πf0×Z0)}……式(42)
    とし、上記第5および第6のインダクタのインダクタンスL3を
    3={(21/2−1)/3}×(Z0/2πf0)……式(41)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=Z0……式(43)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件と位相差90度の条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  5. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のインダクタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のキャパシタと;上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第6のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2のキャパシタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1のインダクタのインダクタンスL1を
    1=(1/2)×(21/20/2πf0)……式(44)
    とし、上記第1および第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×21/20)……式(45)
    とし、上記第2のインダクタのインダクタンスL2を
    2=21/20/2πf0……式(46)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=tan{(π×θ)/360}/(2πf0×Z0)……式(47)
    とし、上記第4のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=[tan{(π×θ)/360}/(2πf0×Z0)]+{1/(2πf0×21/20)……式(48)
    とし、上記第3のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[Z0×sin{(π×θ)/180}]/2πf0……式(49)
    とし、上記第4および第5のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(4/3)×(21/20/2πf0)……式(50)
    とし、上記第5および第6のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=3/(2πf0×21/20)……式(51)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(52)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件と位相差θ度の条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  6. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のキャパシタと;上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第6のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2のキャパシタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1のインダクタのインダクタンスL1を
    1=(1/2)×(21/20/2πf0)……式(44)
    とし、上記第1および第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×21/20)……式(45)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=[tan(π×θ/360)−1/21/2]/(2πf00
    とし、上記第4のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=[tan{(π×θ)/360}/(2πf0×Z0)]+{1/(2πf0×21/20)……式(48)
    上記第3のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[Z0×sin{(π×θ)/180}]/2πf0……式(49)
    とし、上記第4および第5のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(4/3)×(21/20/2πf0)……式(50)
    とし、上記第5および第6のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=3/(2πf0×21/20)……式(51)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(52)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ>35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  7. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第6のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2のキャパシタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1のインダクタのインダクタンスL1を
    1=(1/2)×(21/20/2πf0)……式(44)
    とし、上記第1および第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×21/20)……式(45)
    とし、上記第4のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=[tan{(π×θ)/360}/(2πf0×Z0)]+{1/(2πf0×21/20)……式(48)
    とし、上記第3のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[Z0×sin{(π×θ)/180}]/2πf0……式(49)
    とし、上記第4および第5のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(4/3)×(21/20/2πf0)……式(50)
    とし、上記第5および第6のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=3/(2πf0×21/20)……式(51)
    とし、上記第1の抵抗の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(52)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ=35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  8. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第4のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のキャパシタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のインダクタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のインダクタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第4のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第6のキャパシタと;
    上記第1のキャパシタの他端に一端が接続され、上記第2のキャパシタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1のインダクタのインダクタンスL1を
    1=(1/2)×(21/20/2πf0)……式(44)
    とし、上記第1および第2のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=1/(2πf0×21/20)……式(45)
    とし、上記第2のインダクタのインダクタンスL2を
    2=Z0/{[1/21/2−tan(π×θ/360)]×(2πf0)}
    とし、上記第4のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=[tan{(π×θ)/360}/(2πf0×Z0)]+{1/(2πf0×21/20)……式(48)
    とし、上記第3のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[Z0×sin{(π×θ)/180}]/2πf0……式(49)
    とし、上記第4および第5のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(4/3)×(21/20/2πf0)……式(50)
    とし、上記第5および第6のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=3/(2πf0×21/20)……式(51)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(52)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ<35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  9. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第6のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のインダクタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第6のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2のインダクタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタのインダクタンスL1を
    1=21/20/2πf0……式(54)
    とし、上記第1のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=2/(2πf0×21/20)……式(53)
    とし、上記第3のインダクタのインダクタンスL2を
    2=Z0/[2πf0×tan{(π×θ)/360}]……式(56)
    とし、上記第2のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=1/(2πf0×21/20)……式(55)
    とし、上記第4のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z0/2πf0)……式(57)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=1/[2πf0×Z0×sin{(π×θ)/180}]……式(58)
    とし、上記第5および第6のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(1/3)×(21/20/2πf0)……式(59)
    とし、上記第4および第5のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=(3/4)×{1/(2πf0×21/20)}……式(60)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(61)
    し、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件と位相差θ度の条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  10. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第6のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第3のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のインダクタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第6のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2のインダクタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタのインダクタンスL1を
    1=21/20/2πf0……式(54)
    とし、上記第1のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=2/(2πf0×21/20)……式(53)
    とし、上記第3のインダクタのインダクタンスL2を
    2=Z0/{[tan(π×θ/360)−1/21/2]×(2πf0)}
    とし、上記第4のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z0/2πf0)……式(57)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=1/[2πf0×Z0×sin{(π×θ)/180}]……式(58)
    とし、上記第5および第6のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(1/3)×(21/20/2πf0)……式(59)
    とし、上記第4および第5のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=(3/4)×{1/(2πf0×21/20)}……式(60)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(61)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ>35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  11. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第6のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のインダクタと;
    上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第6のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2のインダクタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタのインダクタンスL1を
    1=21/20/2πf0……式(54)
    とし、上記第1のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=2/(2πf0×21/20)……式(53)
    とし、上記第4のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z0/2πf0)……式(57)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=1/[2πf0×Z0×sin{(π×θ)/180}]……式(58)
    とし、上記第5および第6のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(1/3)×(21/20/2πf0)……式(59)
    とし、上記第4および第5のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=(3/4)×{1/(2πf0×21/20)}……式(60)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(61)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ=35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
  12. 第1の入出力端子と、第2の入出力端子と、第3の入出力端子とを具備する電力分配合成回路において、
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第1のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続されている第5のインダクタと;
    上記第3の入出力端子に一端が接続されている第6のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続されている第1のインダクタと;
    上記第1の入出力端子に一端が接続され、上記第3の入出力端子に他端が接続されている第2のインダクタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第2のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2の入出力端子に他端が接続されている第3のキャパシタと;
    上記第2の入出力端子に一端が接続され、他端が接地されている第4のインダクタと;上記第5のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第4のキャパシタと;
    上記第6のインダクタの他端に一端が接続され、他端が接地されている第5のキャパシタと;
    上記第1のインダクタの他端に一端が接続され、上記第2のインダクタの他端に他端が接続されている第1の抵抗素子と;
    を有し、
    上記第1、第2および第3の入出力端子に接続される負荷インピーダンスをZ0、信号周波数をf0としたときに、
    上記第1および第2のインダクタのインダクタンスL1を
    1=21/20/2πf0……式(54)
    とし、上記第1のキャパシタのキャパシタンスC1を
    1=2/(2πf0×21/20)……式(53)
    とし、上記第2のキャパシタのキャパシタンスC2を
    2=[1/21/2−tan(π×θ/360)]/(2πf00
    とし、上記第4のインダクタのインダクタンスL3を
    3=[21/2/{21/2tan(π×θ/360)+1}]×(Z0/2πf0)……式(57)
    とし、上記第3のキャパシタのキャパシタンスC3を
    3=1/[2πf0×Z0×sin{(π×θ)/180}]……式(58)
    とし、上記第5および第6のインダクタのインダクタンスL4を
    4=(1/3)×(21/20/2πf0)……式(59)
    とし、上記第4および第5のキャパシタのキャパシタンスC4を
    4=(3/4)×{1/(2πf0×21/20)}……式(60)
    とし、上記第1の抵抗素子の抵抗値Rを
    R=2Z0……式(61)
    とし、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とに入力される信号の位相差をθとし、また、上記第2の入出力端子と上記第3の入出力端子とから出力される信号の位相差をθとした場合、θ<35.26°であり、
    前記信号周波数f 0 における前記第1、第2、第3の入力端子の入出力整合条件と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子との間と、前記第1の入力端子と前記第3の入力端子との間の分配・合成比を等しくする条件と、前記第2の入力端子と前記第3の入力端子との間のアイソレーション条件を満足することを特徴とする電力分配合成回路。
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