JP4808525B2 - アレイアンテナ装置および送受信モジュール - Google Patents

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Description

この発明は、レーダ用アレイアンテナ装置および当該装置に使用する送受信モジュールに関するものである。
線状アンテナを代表とするダイポールアンテナで、長さλ/4(λ:電波の波長)のポールを直線上に並べて全長λ/2としたものは半波長ダイポールとして広く知られている。このようなダイポールアンテナは、その構造上、直線偏波しか発生しないが、同一平面内に2個のダイポールアンテナを十字形に直交して配置し、互いに位相を90度ずらして励振すると、2個のダイポールを含む面に垂直な方向に円偏波を発生する。このような組み合わせアンテナはクロスダイポールアンテナとして知られている。また、このクロスダイポールアンテナは、ダイポールの配列面に垂直な方向に、互いに逆方向の円偏波が発生するが、配列面後方λ/4の位置に反射板を置くことで単方向性の円偏波になることが知られている。
ところで、大気観測用レーダなどに適用されるアンテナとして、上述のクロスダイポールアンテナを、直線状または平面状に複数個並べて構成したアレイアンテナを用いることが提案されてきた。また、この複数のクロスダイポールアンテナのそれぞれに対して、送信信号の増幅と給電、受信信号の増幅および利得や送信波の偏波面の設定制御を行う送受信モジュールを設けることで、小型化、軽量化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された送受信モジュールでは、サーキュレータを用い、送信時に電力増幅器で増幅された送信電力をクロスダイポールアンテナに導くと共に、受信系の低雑音増幅器には導かれないようにし、一方、受信時には上記サーキュレータによりクロスダイポールアンテナからの受信信号を低雑音増幅器に導くようにしている。また、クロスダイポールアンテナに位相差を持たせて円偏波を発生させるために、他のサーキュレータを用いて信号を2系列に分けて処理し、個別にクロスダイポールアンテナに接続するようにしている。
また、クロスダイポールアンテナに限らず、アンテナに給電する際に電力増幅器側から送信信号の高調波成分が混入する現象がある。この不要波を除去する方法としては、電力増幅器とアンテナの間に帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを設けることが一般的に行われている(例えば特許文献2参照)。
特開平6−53726号公報 特開平6−140835号公報(図10)
特許文献1に記載されている従来の送受信モジュールは、以上のようにクロスダイポールアンテナに対する送信受信の切り替えにサーキュレータを用いているが、このようなサーキュレータは、低周波帯、例えばHF、VHF、UHF帯に適用することを考えた場合、低い周波数に対応させるためには大きなものが要求されることになる。そのため、低周波帯では送受信モジュールを小型、軽量化することができないし、サーキュレータは、損失が90度ハイブリッド回路による送受切り替えに比べて大きい。この問題に対して、この発明の出願人による特許出願(特願2004−36805号)において、サーキュレータの代わりに90度ハイブリッド回路を用い、送受信を行うクロスダイポールアンテナに関し、給電および受信信号の振分けを自動的に行い、HF〜UHF帯においても送受信モジュールを小型化、軽量化、高効率化できるようにする技術について提案している。しかし、この送受信モジュールにおいて送信信号の高調波を含む不要波を抑圧するために、特許文献2に示されたような帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを電力増幅器の後に設けた場合、使用するフィルタの損失が送信出力の低下の原因となる。特に、フィルタの損失が大きい場合には、その損失を見込んで電力増幅器の出力を増加させるように構成しておく必要があり、装置の効率低下、規模の増加を生じさせることになる。また、フィルタを搭載するための空間が必要となるが、アレイアンテナを構成するアンテナ素子の間隔は主として使用周波数により制限を受けるため、各アンテナ素子の背後に配置される送受信モジュールがフィルタを搭載して大型化した場合、その実装スペースの確保を困難にする。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを用いずに送信信号の高調波の抑圧を可能にするアレイアンテナ装置および送受信モジュールを得ることを目的とする。
この発明に係る送受信用モジュールは、送信信号を増幅する電力増幅器と、受信信号を増幅する低雑音増幅器と、1のポートが前記電力増幅器の出力側に接続され、第3および第4のポートがクロスダイポールアンテナを構成する各ダイポールアンテナに接続され、送信時に、電力増幅器により増幅された送信信号を第1のポートを通じて入力し、互いに90度の位相差を持つ2つの信号を生成して第3および第4のポートを通じて各ダイポールアンテナに給電し、受信時に、各ダイポールアンテナにより受信され、第3および第4のポートを通じて入力された互いに90度の位相差を持つ2つの信号を合成して受信信号を得て、第2のポートを通じて出力する第1の90度ハイブリッド回路と、低雑音増幅器および第1の90度ハイブリッド回路の第2のポート間に接続され、送信時に第1の90度ハイブリッド回路から低雑音増幅器への信号を遮断し、受信時に第1の90度ハイブリッド回路から低雑音増幅器への信号を導通するスイッチとを備え、第1の90度ハイブリッド回路は、第1および第2のポート間、第1および第3のポート間、第3および第4のポート間、および第2および第4のポート間に、それぞれ不要周波数を共振周波数とする並列共振回路を接続したものである。
この発明によれば、高調波の抑圧機能を実現は勿論のこと、従来用いていた帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタの使用に比べ、フィルタ損失を低減できるため、アレイアンテナ装置の効率を改善すると共に、小型化を図ることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の各実施の形態に共通なアレイアンテナ装置の機能構成例を示すブロック図である。
アレイアンテナ装置は、電力分配・合成器10、複数の送受信モジュール20、アレイアンテナ30から構成されている。
アレイアンテナ30は、図7に示すように、ダイポールアンテナ32,33を直交させて構成したクロスダイポールアンテナ31を、直線状または平面状に複数個並べて配置した送受信用のアンテナである。電力分配・合成器10は、図示していない送受信機から入力される送信信号を複数の送受信モジュール20に分配供給し、かつ受信時には送受信モジュール20からの受信信号を合成して送受信機側に出力する手段である。
各送受信モジュール20は、同じ構成からなり、位相器21、送受切換器22、電力増幅器23、90度ハイブリッド24、低雑音増幅器25、半導体スイッチ26等を備えている。移相器21は、送信信号および受信信号の位相を送受信モジュールごとに割当てられた値に調整する手段である。送受切換器22は、送信時に移相器21から入力された送信信号を電力増幅器23に出力し、受信時に低雑音増幅器25から得られた受信信号を移相器21に出力するスイッチ手段である。電力増幅器23は、移相器21で位相調整された送信信号を電力増幅する手段である。90度ハイブリッド回路24は、クロスダイポールアンテナ31の各アンテナ素子32,33に給電する送信信号に互いに90度の位相差を与え、各アンテナ素子で受信した90度の位相差を持つ2つの信号から合成した受信信号を得る手段である。低雑音増幅器25は、90度ハイブリッド回路24からの受信信号を増幅し移相器へ出力する手段である。半導体スイッチ26は、送信時に90度ハイブリッド回路24から低雑音増幅器25へ入力しようとする信号を遮断する手段である。
次に、アレイアンテナ装置の動作について説明する。
送信時に送受信機で発生させた送信信号が入力されると、電力分配・合成器10で、この信号を分配し、複数の送受信モジュール20に供給する。各送受信モジュール20において、移相器21により、電力分配・合成器10からの送信信号は、アレイアンテナ30で所定の送信ビームを形成するためにモジュールごとに割当てた位相に変えられる。移相器21で位相が調整された送信信号は、送受切替器22を経て1個のアンプまたは複数のアンプで構成された電力増幅器23に送られ電力増幅される。電力増幅器23で所要の出力に増幅された送信信号は90度ハイブリッド24に供給される。90度ハイブリッド24では、供給された送信信号は電力で1/2ずつ、位相として互いに90度ずれた状態の2つの信号に分けられ、クロスダイポールアンテナ31の対応するダイポールアンテナ素子32,33に供給される。クロスダイポールアンテナ31では、90度位相差を持つ同一レベルの信号を給電されたことにより、空間に対し円偏波の電波を放射する。
レーダでは、送信波が対象物にあたって反射してきた反射波を受信するが、そのためには、送受切替器22、半導体スイッチ26の切り換え、電力増幅器23や低雑音増幅器25の活性化、非活性化の制御が直ちに行われる。対象物にあたって反射してきた反射波は、上述したクロスダイポールアンテナ31での反射と同様、90度ハイブリット24から同一の距離、同一の位相で反射することとなり、送信波と同じく何ら動作を加える必要がなく、自動的に受信系に導かれる。受信系に導かれた受信信号は、送信時に受信系を保護する半導体スイッチ26を通り低雑音増幅器25に与えられる。低雑音増幅器25では、受信信号は雑音を低く抑えつつ増幅され、移相器21へ与えられる。移相器21では、受信信号はアレイアンテナ30の受信ビームを指向させるように位相が調整される。各送受信モジュール20の移相器21で調整された受信信号は、電力分配・合成器10で合成され、送受信機に出力され、レーダとしての信号処理に用いられる。
ここで、90度ハイブリッド回路について説明する。
90度ハイブリッド回路は、出力位相差が90度で当分配する方向性結合器で、4個のポートP1,P2,P3,P4を持つ。例えばポートP1に信号を入力すると、この1/2の電力の信号がポートP3に出力され、同時に、この出力と90度位相差を持つ信号がポートP4に出力される。しかし、このときポートP2には出力は殆どない。この原理は、ポートP3,P4に入力した場合にも当てはまる。クロスダイポールアンテナ31で円偏波を受信すると、構成している2つのダイポールアンテナ素子それぞれから得られる信号(正弦波)は互い90度位相差を持つから、これらをポートP3,P4に対応させて入力すると、合成された受信信号がポートP2に現れる。
90度ハイブリッド回路の基本的な回路構成を図3に示す。これは、周知のように、マイクロストリップを基本として構成されるもので、4個のインダクタL1,L2,L3,L4でループを形成し、隣り合う各インダクタ同士の接続点とアース間にキャパシタC1,C2,C3,C4をそれぞれ接続し、向かい合う一対のインダクタL1,L3の両端を入出力のポートとする回路網である。この90度ハイブリッド回路を図1の送信モジュール20に使用した場合、送信信号の不要な高調波に対しては抑圧機能がないので、上述した従来の方法だと、電力増幅器23の出力側、例えばポートP1の入力側、あるいはポートP2,P4の出力側に帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを設けなければならないことになる。
これに対して、この実施の形態1で用いる90度ハイブリッド回路は、例えば図2に示すような構成を持つ。この回路は、インダクタL10とキャパシタC10、同様にL20とC20、L30とC30、L40とC40のそれぞれの組み合わせからなるからなる4つの並列共振回路を持つ。そして、これらの並列共振回路でループを構成し、隣り合う各並列共振回路同士の接続点とアース間にキャパシタC1,C2,C3,C4をそれぞれ接続し、向かい合う一対の並列共振回路の両端を入出力のポートとする回路網を構成している。そして、送信周波数に対して、並列共振回路が、図3に示した回路のインダクタンスと同じインピーダンスを持ち、また、その共振周波数が高調波(2倍波)周波数となるようにインダクタとキャパシタの値を決定する。
したがって、この回路を、クロスダイポールアンテナへの送信信号の分配給電、受信信号の合成に用いる90度ハイブリッド回路24として使用することにより、送信信号の周波数に対しては、一般的な90度ハイブリッド回路と同等なインダクタンスを持つため、従来と同等な動作を行い、かつ不要な高調波(2倍波)に対しては、並列共振し回路的に遮断の状態となるので、高いアイソレーションを確保できる。すなわち、高調波の抑圧機能を実現できる。
以上のように、この実施の形態1によれば、クロスダイポールアンテナへの送信信号の分配給電、受信信号の合成に用いる90度ハイブリッド回路の構成に、送信信号の高調波を抑圧する手段を設け、その手段として、高調波の周波数を共振周波数とする並列共振回路を適用したので、高調波の抑圧機能を実現は勿論のこと、従来用いていた帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタの使用に比べ、フィルタ損失を低減できるため、アレイアンテナ装置の効率を改善すると共に、小型化を図ることができる。なお、上記例では送信信号の高調波に対する抑圧について述べたが、他の不要波が問題になる場合には、並列共振回路の共振周波数がその不要周波数となるように設計した90度ハイブリッド回路を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、高調波抑圧を、クロスダイポールアンテナへの分配給電、受信信号の合成に用いる90度ハイブリッド回路24において行うことについて説明したが、この実施の形態2では、電力増幅器23において高調波抑圧を行うことについて述べる。
図1において、電力増幅器23は、クロスダイポールアンテナ31に給電する送信信号を電力増幅するものであるが、この電力増幅器に図4に示すような平衡増幅器(Balanced Amp)を適用する。
図4において、この平衡増幅器は、分配器、合成器として使用される第1、第2の90度ハイブリッド回路101,104と、その中間に平衡に設けられた第1、第2の増幅器102,103で構成されている。入力された送信信号は、第1の90度ハイブリッド回路(分配器)101で2つの信号に分配され、それぞれ位相、振幅共に一致した特性の第1、第2の増幅器102,103で増幅され、第2の90度ハイブリッド回路(合成器)104により合成されて出力される。ここで、位相関係を見ると、第1の90度ハイブリッド回路101により分配されて第2の増幅器103に与えられる信号は、第1の増幅器102に与えられる信号に対して、位相が90度遅れる。一方、第1の増幅器102を通って第2の90度ハイブリッド回路104で合成された信号は、第2の増幅器103を通って合成された信号より90度遅れて出力されるため、両信号は最終的には同相で合成されることになる。
利得について見ると、入力された信号は第1の90度ハイブリッド101で2分配されるため、第1、第2の増幅器102,103それぞれには、入力時のレベルの半分のレベルが入力される。通常だと、合成側の第2の90度ハイブリッド回路104でも半分のレベルの減衰があるが、第1の増幅器102から入力され第2の90度ハイブリッド回路104の絶縁端子に出力される信号と、第2の増幅器103から入力され絶縁端子に出力される信号は、180度の位相差となる。そのため、絶縁端子には信号が現れず、接続されている抵抗による電力消費はない。すなわち、合成側の第2の90度ハイブリッド回路104での損失がない。また、それぞれの増幅信号が同相で合成されるため、出力信号は2倍になる。つまるところ、分配側で半分のレベルに減衰された信号が、合成側で2倍のレベルとなるため、トータル的に損失はゼロとなる。
また、この平衡増幅器は、第1、第2の増幅器102,103の反射特性が悪くても、第1の増幅器102の入力側から見た反射特性が改善されるという特徴を持っている。
以上は、90度ハイブリッド回路を用いた平衡増幅器に関する一般的説明であるが、この実施の形態2では、平衡増幅器に使用されている第1、第2の90度ハイブリッド回路101,104に、上記図2で説明した、高調波の周波数を共振周波数とする並列共振回路を備えた90度ハイブリッド回路を用いる。
以上のように、この実施の形態2によれば、電力増幅器として平衡増幅器を用い、当該平衡増幅器の90度ハイブリッド回路の構成に、送信信号の高調波を抑圧する手段を設けるようにしたので、高調波を抑圧するために従来用いていた帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを不要とし、アレイアンテナ装置の効率向上、小型化を図ることができる。なお、この高調波の抑圧機能を持つ平衡増幅器だけで十分に高調波を取り除けない場合には、実施の形態1のクロスダイポールアンテナに対する送受切替えを行う、高調波の抑圧機能を持つ90度ハイブリッド回路と組み合わせて送受信モジュールを構成するようにしてもよく、不要な高調波の抑制を高めることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、高調波の抑圧機能を備えた90度ハイブリッド回路を構成に持つ平衡増幅器を電力増幅器として使用することについて説明したが、この実施の形態では、ウイルキンソンディバイダ(以下、単に「ディバイダ」とする。)を用いた平衡増幅器を電力増幅器として使用することについて述べる。
図1に示される電力増幅器23に、図5に示すような、ディバイダを用いた平衡増幅器(Balanced Amp)を適用する。この平衡増幅器は、分配器、合成器として使用される第1、第2のディバイダ201,204と、その中間に平衡に設けられた第1、第2の増幅器202,203で構成されている。入力された送信信号は、第1のディバイダ(分配器)201で2つの信号に分配され、それぞれ位相、振幅共に一致した特性の第1、第2の増幅器202,203で増幅され、第2のディバイダ(合成器)204により合成されて出力される。

利得について見ると、入力された信号は第1のディバイダ201で2分配されるため、第1、第2の増幅器202,203それぞれには、入力時のレベルの半分のレベルが入力される。通常だと、合成側の第2のディバイダ204でも半分のレベルの減衰があるが、第2のディバイダ204では同相で信号が合成されるため、合成器の内部は平衡が保たれ、抵抗には電力が消費されない。したがって、この合成側の第2のディバイダ204での損失は発生しない。また、それぞれの増幅信号が同相に合成されることから、合成された信号は2倍になる。つまるところ、分配側で半分のレベルに減衰された信号が、合成側で2倍のレベルとなるため、トータル的に損失はゼロとなる。
また、この平衡増幅器は、増幅器の1つが故障しても、もう一方が動作していれば、正常値から利得の劣化はあるものの、ある程度の利得は確保できるので、信頼性の高い用途に適するという特徴を持っている。
ところで、図5に示した平衡増幅器で用いているウイルキンソンディバイダは同相型分配器としてよく使用されているが、図6にその基本的な回路を示し、その動作原理について説明する。
図6の回路を分配回路として考えた場合、P10が入力、P20,P30が出力となる。P20,P30には、負荷Rが接続され、今これを50Ωと仮定する。今、Z1,Z2の伝送線路がないとすると、P10側から出力側を見た場合、a点から右側を見たインピーダンスは、50Ωが並列に接続されているので25Ωとなる。そこで、a−b間、a−c間に伝送線路による100Ω−50Ωインピーダンス変換回路Z1,Z2を挿入する。スミスチャートなどを用いて、これらの変換部分のインピーダンスを求めると、70.7Ωとなる。スミスチャート上の円を100Ωから50Ωへ移動するには、λ/4だけ動かすことになるので、伝送線路の長さはλ/4となる。これで、a点から右側を見れば、100Ωが二つ並列に接続された形になるので、50Ωとなりマッチングが取れたことになる。
次に、P20から信号を入力する場合を考えると、半分はa点を通ってP10へ出力されるが、一方、残りの半分はa点を通ってc点に戻る。ところが、b→a→cの経路は線路長がλ/2となり、b点からRを通って直接c点へ伝わる信号と比較すると、位相が反転することになる。すなわち、この2つの経路の合成信号は、お互いに打ち消しあい、P20から入力された信号はP30には出力されない。結果として、P20から入力した信号は、P10とRに半分ずつ分配されて、P30には出力されないので、Rで電力が吸収されることになる。
以上は、ディバイダを用いた平衡増幅器に関する一般的説明であるが、この実施の形態3では、平衡増幅器に使用されている第1、第2のディバイダ201および/もしくは 204に、高調波を抑圧する手段を備えさせる。具体的には、図6の回路でインピーダンス変換回路Z1,Z2を形成する伝送線路に、高調波の周波数を共振周波数とする並列共振回路を設ける。
以上のように、この実施の形態3によれば、電力増幅器として平衡増幅器を用い、当該平衡増幅器のディバイダの構成に高調波を抑圧する手段を設けたので、高調波を抑圧するために従来用いていた帯域通過型あるいは低域通過型のフィルタを不要とし、アレイアンテナ装置の効率向上、小型化を図ることができる。なお、この高調波の抑圧機能を持つ平衡増幅器だけで十分に高調波を取り除けない場合には、実施の形態1のクロスダイポールアンテナに対する送受切替えを行う、高調波の抑圧機能を持つ90度ハイブリッド回路と組み合わせて送受信モジュールを構成するようにしてもよく、不要な高調波の抑制を高めることができる。
なお、上記例では平衡増幅器に同相型分配器としてウイルキンソンディバイダを用いているが、これ以外の同相分配器、例えばT分岐などを用いてもよく、同様な効果を得ることができる。
この発明の各実施の形態に係るアレイアンテナ装置の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1のアレイアンテナ装置に使用する90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。 90度ハイブリッド回路の基本的な構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態2に係る90度ハイブリッドを用いた平衡増幅器の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るディバイダを用いた平衡増幅器の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るディバイダの基本的な構成を示す回路図である。 クロスダイポールアンテナを用いたアレイアンテナを示す説明図である。
符号の説明
20 送受信モジュール、23 電力増幅器、24,101,104 90度ハイブリッド、25 低雑音増幅器、30 アレイアンテナ、31 クロスダイポールアンテナ、201,204 ディバイダ、C10,C20,C30,C40 キャパシタ、L10,L20,L30,L30 インダクタ。

Claims (3)

  1. 送信信号を増幅する電力増幅器と、
    受信信号を増幅する低雑音増幅器と、
    1のポートが前記電力増幅器の出力側に接続され、第3および第4のポートがクロスダイポールアンテナを構成する各ダイポールアンテナに接続され、送信時に、前記電力増幅器により増幅された送信信号を第1のポートを通じて入力し、互いに90度の位相差を持つ2つの信号を生成して第3および第4のポートを通じて各ダイポールアンテナに給電し、受信時に、当該各ダイポールアンテナにより受信され、第3および第4のポートを通じて入力された互いに90度の位相差を持つ2つの信号を合成して受信信号を得て、第2のポートを通じて出力する第1の90度ハイブリッド回路と、
    前記低雑音増幅器および前記第1の90度ハイブリッド回路の第2のポート間に接続され、送信時に前記第1の90度ハイブリッド回路から前記低雑音増幅器への信号を遮断し、受信時に前記第1の90度ハイブリッド回路から前記低雑音増幅器への信号を導通するスイッチとを備え、
    前記第1の90度ハイブリッド回路は、
    第1および第2のポート間、第1および第3のポート間、第3および第4のポート間、および第2および第4のポート間に、それぞれ不要周波数を共振周波数とする並列共振回路を接続したことを特徴とする送受信用モジュール。
  2. 送信信号を増幅する電力増幅器と、
    受信信号を増幅する低雑音増幅器と、
    1のポートが前記電力増幅器の出力側に接続され、第3および第4のポートがクロスダイポールアンテナを構成する各ダイポールアンテナに接続され、送信時に、前記電力増幅器により増幅された送信信号を第1のポートを通じて入力し、互いに90度の位相差を持つ2つの信号を生成して第3および第4のポートを通じて各ダイポールアンテナに給電し、受信時に、当該各ダイポールアンテナにより受信され、第3および第4のポートを通じて入力された互いに90度の位相差を持つ2つの信号を合成して受信信号を得て、第2のポートを通じて出力する第1の90度ハイブリッド回路と、
    前記低雑音増幅器および前記第1の90度ハイブリッド回路の第2のポート間に接続され、送信時に前記第1の90度ハイブリッド回路から前記低雑音増幅器への信号を遮断し、受信時に前記第1の90度ハイブリッド回路から前記低雑音増幅器への信号を導通するスイッチとを備え、
    前記電力増幅器は、
    送信信号を増幅する第1の増幅器と、
    前記第1の増幅器と共に平衡増幅器を構成し、送信信号を増幅する第2の増幅器と、
    第2のポートが前記第1の増幅器の入力側に接続され、第3のポートが前記第2の増幅器の入力側に接続され、送信信号を第1のポートを通じて入力し、同相の2つの信号を生成して第2および第3のポートを通じて前記第1および前記第2の増幅器に分配する第1のディバイダと、
    第2のポートが前記第1の増幅器の出力側に接続され、第3のポートが前記第2の増幅器の出力側に接続され、前記第1および前記第2の増幅器により増幅された信号を第2および第3のポートを通じて入力し、2つの信号を同相で合成して第1のポートを通じて前記第1の90度ハイブリッド回路に出力する第2のディバイダとを備え、
    前記第1および前記第2のディバイダのうちの少なくともいずれか一方は、
    第1および第2のポート間、および第1および第3のポート間に、それぞれ不要周波数を共振周波数とする並列共振回路を接続したことを特徴とする送受信用モジュール。
  3. 請求項1または請求項2記載の送受信用モジュールを複数備え、
    各送受信用モジュールに送信信号を分配すると共に、各送受信用モジュールからの受信信号を合成する電力分配・合成器を備えたことを特徴とするアレイアンテナ装置。
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