JP3625491B2 - 溶融した湿分反応性オルガノシロキサン組成物を用いた支持体の接着方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特定の無溶媒湿分反応性オルガノシロキサン組成物を流動可能な状態まで加熱して支持体を互いに接着するための方法に関する。オルガノシロキサン組成物を接着剤層として第一の支持体に適用し、組成物を再流動可能な状態まで加熱しながら第二の支持体を接着剤層に接触させた後、この組成物を自然に硬化させる。組成物が次第に熱可塑性物質から硬化樹脂強化エラストマー物質へと転化していくにつれて支持体間の結合強度は増していく。この硬化樹脂強化エラストマー物質は適用時の温度よりもかなり高い温度で加熱しても再流動することはない。
【0002】
【従来の技術】
樹脂状ポリマー、液状有機ポリマー、オルガノシリコンポリマーを様々に組み合わせた多数の組成物が知られている。この中には感圧接着剤(PSA)の特徴であるような特性を有するものもある。オルガノシリコン化合物系の感圧接着剤は、一般に、1)M単位と呼ばれる1官能のR3 SiO単位とQ単位と呼ばれる四官能のSiO4/2 単位とを特定濃度で含むシリコン樹脂と、2)ガムのコンシステンシーを示す高分子量ポリジオルガノシロキサンとを含有する。これらの組成物は、一般に相溶性有機液体や低粘度非反応性液体ポリオルガノシロキサンなどに溶解させた溶液として適用される。この溶液を所望の支持体に適用した後、液体成分を蒸発させて感圧接着剤を付着させる。
【0003】
これについては、欧州特許出願公開第0529841号(A2)、米国特許第4,143,088号、同4,515,932号、同4,753,977号、同4,990,364号、同5,070,121号、同5,091,484号、特開昭64−251827号、特開平4−81487号などに記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
2つ以上の支持体を接合して複合構造を形成するための接着剤として硬化性組成物を溶融状態で適用する場合、接着後の構造物の結合性を損なわずにこの構造物を輸送したり取り扱ったりできるようにするためには、冷却された未硬化状態の組成物は「未処理強度」と呼ばれる十分な接着性を有するものでなければならない。
【0005】
コーティング組成物の適用時や硬化時に離脱する揮発物質を組成物の含有成分からはずすか、あるいは少なくともその使用量を抑えることに重点がおかれるようになってきているため、溶媒や希釈剤を使用しなくても適用できる硬化性接着剤組成物に対する需要が高まっている。
【0006】
従って本発明の目的は、実質的に非反応性液体物質を含有せず、溶融液体として適用するために加熱できると共に、支持体に対して下塗りなどの表面処理を施さなくても支持体の表面がきれいであるか汚れているかにかかわらず周囲温度で支持体と接触した時に2つの支持体間で迅速に強力な接着性を発現する湿分反応性接着剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明において最初に適用された接着層は、初期結合強度が高く感圧接着剤のような特性を有するが、加熱すれば再流動化可能なものである。周囲条件下で湿分が存在すると、接着層は適用時の温度よりも高い温度でも再流動化しない実質的に不粘着性の樹脂強化エラストマー物質へと転化していく。転化後、本発明による接着剤は最初に適用された物質よりも高いより一層感圧接着剤に近い結合強度を有する。
【0008】
冷却後には接着結合を形成させるために効果的に再溶融させることのできないホットメルトとして適用される多くの有機接着剤とは対照的に、本組成物の接着結合形成能は再流動可能な期間全体にわたって得られる。この期間は実質的に組成物を周囲温度まで冷却させるのに必要な時間よりも長い場合もある。
【0009】
本発明は、硬化性オルガノシロキサン組成物を使用して支持体を互いに凝集的に結合するための方法を提供する。本方法は、以下の逐次工程:
(1)(a)1価R1 3SiO1/2 単位と、4価SiO4/2 単位と、樹脂状オルガノシロキサンコポリマー重量に対して最高6重量%までのXSiO3/2 単位とを含む樹脂状オルガノシロキサンコポリマー(ここで、Xはヒドロキシル基と、加水分解性基と、トリヒドロカルビルシロキシ基とから選ばれた少なくとも1つの部分であり、R1 は1価炭化水素基であり、SiO4/2 単位に対するR1 3SiO1/2 単位の比は0.5〜1.5であり、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーはその重量に対して1.5重量%以上のシラノール基及び/又は加水分解性基を含有し、そして前記コポリマーのガラス転移温度は周囲温度よりも高い)並びに
(b)25℃での粘度が0.02〜100Pa・sであり且つ1分子当たり平均して2個より多い加水分解性基を含有するポリオルガノシロキサンであってその反復単位の少なくとも80%がジシロキサン単位であるものを有する前記硬化性オルガノシロキサン組成物であって、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーの量が、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーと前記ポリオルガノシロキサンとの合計重量の40%以上であり、しかも前記加水分解性基の反応前に25℃において前記組成物に200Pa・s以上の粘度を付与し且つ前記組成物の流動遷移温度を40〜200℃の範囲内にするのに十分な量である前記硬化性オルガノシロキサン組成物を、その流動遷移温度より高い温度にまで加熱して流動可能にする工程、
(2)前記組成物を流動可能な状態のまま第一の支持体の少なくとも片面に適用して接着層を形成させる工程、
(3)前記組成物の流動遷移温度が実質的に上昇する前に前記接着層を第二の支持体と接触させて、前記第一の支持体と前記第二の支持体とを接着結合させる工程、並びに
(4)接着した支持体を、前記加水分解性基を反応させるのに十分な時間湿分に曝露して、架橋構造を形成させ且つ前記組成物の流動遷移温度を少なくとも10℃上昇させる工程、
からなる。
【0010】
ポリオルガノシロキサン成分すなわち成分(b)に含まれる加水分解性基の少なくとも一部は初期反応体のシラノール基から誘導される。この場合、硬化性組成物はシラノール基の数に対して少なくとも等モル量のシランまたはその他の低分子量オルガノシリコン化合物を含有する。この低分子量オルガノシリコン化合物は、1分子あたり少なくとも3個の加水分解性基を有する。成分(b)の前駆体中に存在するシラノール基とシランとの間で反応が起こることは理解できよう。この反応を促進する触媒が組成物中に含まれる場合にはなおさらである。
【0011】
本方法において接着剤として使用する硬化性オルガノシロキサン組成物中に存在する成分は、MQ樹脂と呼ばれるトリオルガノシロキシ単位およびSiO4/2 単位を有する少なくとも1種の樹脂状オルガノシロキサンコポリマーと、25℃での粘度が0.02〜100Pa・sである少なくとも1種のポリオルガノシロキサンとを含む。
【0012】
本方法は、湿分が存在しなければゲル化せずに25℃で実質的に非流動性となり、しかも40〜200℃の温度では流動可能な溶融体を形成するような相対濃度範囲にある特定のMQ樹脂と液状ポリオルガノシロキサンとについての本願発明者による識別に基づくものである。この溶融組成物は、様々な無機支持体および有機支持体に対して十分な接着性を発揮し、冷却されてもこの接着性を維持し、従来から液状物質や溶融物質の場合に用いられてきた様々なコーティング技術を使用して適用することができる。
【0013】
本発明による組成物の温度をこの組成物が流動する加熱時の温度から一般に約25℃程度の周囲温度まで下げると、本発明による組成物が流動する物質(有用なコーティング物質)から流動しない物質へと遷移する狭い温度範囲が存在する。この遷移は一般に0.07mmの層として鉛直支持体に適用してから1分間以内に起こる。非流動状態は、25℃で少なくとも200,000センチポイズ(200Pa・s)の粘度すなわち1ラジアン/sで測定した近似範囲で2×107 〜8×107 センチポイズ(20〜80Pa・s)の最低室温動的粘度に相当する。低粘度組成物から調製したコーティングは、一般にこのような条件下では鉛直支持体からゆっくりと滴り落ちる。
【0014】
組成物が25℃で「非流動性」であるという要件を満たしているか否かを判断するためのもう1つの方法として、200cm3 の溶融組成物を600cm3 のポットに入れ、この溶融物を凝固させる方法もある。凝固した組成物の入ったポットを横向きにすると、20分間たってもまったく流れ出てこない。
【0015】
湿分が存在する場合、本発明によるポリオルガノシロキサン成分の加水分解性基は反応を起こして徐々に架橋して接着剤となり、接着剤を適用した時の温度では全く流動しなくなる。この転化の最初の段階では本発明による組成物の流動遷移温度はさほど上昇せず、組成物は一般的な感圧接着剤のような特性を示す。すなわち、本組成物は再流動可能であり、組成物を60〜200℃の温度まで加熱すれば接着結合が形成あるいは再形成される。
【0016】
本発明の組成物が、温度を上げれば流動する物質から加水分解性基の硬化反応によって非流動性樹脂含有強化エラストマーへと転化する間に、組成物の流動遷移温度は初期組成物と比べて少なくとも10℃は上昇する。好ましい組成物は、加水分解性基の反応後は最高200℃まで加熱しても再流動することはない。
【0017】
特定のMQ樹脂(単に「樹脂」とも呼ぶ)と本願明細書中では「ポリマー」と呼ぶポリオルガノシロキサンとを選択し、これら2種類の成分の相対濃度を変化させれば、本発明による組成物の流動遷移温度およびその他のレオロジー特性を変えることもできる。
【0018】
2種類またはそれ以上の樹脂およびポリマーを含有するため、配合物の流動特性のみならず、樹脂状接着剤よりも好ましいエラストマー状架橋型接着剤を形成するシラノールと加水分解性基との反応の後に得られる生成物の特性にも影響があることは理解できよう。
【0019】
早すぎるゲル化を防止しながら本発明による組成物の特性を最適な組み合わせ状態とするために必要な樹脂とポリマーとの相対濃度は、樹脂およびポリマーの分子量やこれらの成分中の反応性基の濃度などに左右される部分もある。
【0020】
25℃での非流動性という要件に加え、ポリマーに対する樹脂の重量比の範囲は、加水分解性基の反応前の混合物の溶融粘度に換算すると、通常は10Pa・s未満で場合によっては0.1Pa・sと低く、少なくとも0.5Pa・sであると好ましい。
【0021】
本発明に包含されるMQ樹脂と液状ポリオルガノシロキサンとの好ましい組み合わせについて説明すると、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーは樹脂と液状ポリオルガノシロキサンとの総重量に対して40〜80%が樹脂である。本願発明者らは、樹脂とポリマーとをどのように組み合わせてもこの範囲内ならば量に関係なく有効な接着剤組成物を形成できるというわけではないが、この範囲内のいずれかの量で効果的な接着剤が形成できることを見い出した。また、ある特定の樹脂とポリマーとの組み合わせについてのポリマーに対する樹脂の重量比の範囲は、組成物中の反応性基の濃度によって変わってくることも明らかになっている。すなわち、この範囲は樹脂およびポリマーの分子量の関数であり、組成物中に存在するシランの濃度や反応性によっても変わってくるものである。
【0022】
組成物に最高分子量の樹脂が含まれる場合でも、約40重量%未満の量ではその組成物を鉛直表面上の0.07mmの層として適用すると25℃で流動する。分子量が最も高い樹脂であっても本方法によれば流動性の組成物が形成される。80重量%を越える量の樹脂を含有する組成物は従来の配合・計量分配技術では200℃以下の温度での処理が困難であった。このような樹脂も接着剤を形成するが、たとえ本発明による最低分子量の樹脂を使用したとしても殆どの場合は脆い接着剤にしかならない。
【0023】
本発明による組成物の一成分として硬化剤および/または硬化触媒を使用することもできる。実用的な接着剤を形成するためにどのような反応性のシランが必要であるかは、樹脂状コポリマーおよび液状ポリオルガノシロキサンの反応性基の種類や濃度、樹脂の分子重量、所望の硬化反応などによって異なる。これらの特性は最終組成物の保存安定性などに影響する場合もある。
【0024】
樹脂状コポリマーは、本発明による組成物中の2種類のポリマー状オルガノシロキサン物質のうちの1つである。樹脂は、一般式R1 3SiO1/2 で表される1価の(M)単位と、一般式SiO4/2 で表される4価の(Q)単位とを含有する。R1 は1価の置換炭化水素基または1価の未置換炭化水素基である。この種の樹脂は、PSAにおいて使用されているオルガノシロキサン組成物の成分の1つとして周知のものである。
【0025】
MQ樹脂は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタンなどの液状炭化水素や低粘度環状ポリジオルガノシロキサンおよび低粘度線状ポリジオルガノシロキサンなどの液状オルガノシロキサン化合物に可溶である。
【0026】
R1 3SiO1/2 すなわちM単位において、R1 は最大20個、好ましくは1〜10個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基であると好ましい。
【0027】
R1 に適した炭化水素基の例として、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、オクタデシルなどのアルキル基;ビニル、アリル、5−ヘキセニルなどのアルケニル基;シクロヘキシル、シクロヘキセニルエチルなどの環状脂肪族基;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、2−フェニルエチルなどのアリール基が挙げられる。R1 に存在していてもよい非反応性置換基にハロゲンとシアノがある。R1 で表される一般的な置換炭化水素基はクロロメチルおよび3,3,3−トリフルオロプロピルである。
【0028】
MQ樹脂のM単位についての一般式におけるR1 の少なくとも1/3、好ましくは少なくとも2/3はメチル基である。好ましいM単位の例として、HMe2 SiO1/2 、Me3 SiO1/2 、PhMe2 SiO1/2 、Me2 ViSiO1/2 などが挙げられる。ここで、Me、PhおよびViは、それぞれメチル、フェニル、ビニルである。本発明による樹脂はこのような単位を2種以上含むものであってもよい。
【0029】
MQ樹脂におけるQ単位に対するM単位のモル比は通常は0.5/1〜1.5/1であり、好ましくは0.6/1〜0.9/1である。モル比は29Si核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して適宜測定する。この技術を使用すると、樹脂の総ヒドロキシル含量の他、樹脂や初期樹脂に含まれるネオペンタマーすなわちSi(Me3 SiO)4 から誘導されたM単位およびQ単位の濃度を定量的に測定できる。本発明では、M/Q比は{M(樹脂)+M(ネオペンタマー)}/{Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー)}で表される。また、M/Q比は、樹脂の樹脂状部分とネオペンタマー部分のケイ酸塩基の総数に対する樹脂の樹脂状部分とネオペンタマー部分のトリオルガノシロキシ基の総数の比を表すものでもある。
【0030】
樹脂中のシラノール基の濃度は、フーリエ変換赤外分光光度定量法(FTIR)によって測定することができる。
【0031】
本発明で使用する樹脂は室温で固体でなければならない。すなわち、この物質のガラス転移温度は周囲温度よりも高く、40℃よりも高いと好ましい。
【0032】
本発明で使用するコポリマーは、一般式XSiO3/2 で表される最高6重量%までの末端単位を含有する。ここで、Xはヒドロキシル基または加水分解性基を示す。Xで表される基の一部は、トリメチルシロキシなどのトリヒドロカルビルシロキシであってもよい。ヒドロキシル基および加水分解性基は、本発明による組成物の硬化時にポリマー成分中の加水分解性基と反応する。この反応によって得られる樹脂−ポリマー結合によって約50℃よりも高い温度でも接着強度を維持できるものと思われる。
【0033】
適当な加水分解性基として、メトキシおよびエトキシなどのアルコキシ、イソプロペニルオキシなどのアルケニルオキシ、メチエチルケトキシモなどのケトキシモ、アセトキシなどのカルボキシ、アセタミドキシなどのアミドキシ、N,N−ジメチルアミノキシなどのアミノキシが挙げられる。
【0034】
高い温度で有効な接着性を発揮させるために、MQ樹脂は樹脂重量に対して少なくとも1.5重量%の反応性基を有する。この反応性基の例としては、シラノール基および/またはアルコキシ基などの加水分解性基が挙げられる。シラノール基は、ポリオルガノシロキサンおよび/またはシラン成分中のシラノール基とアルコキシまたはその他の加水分解性基との反応に適した触媒を含有しない場合にのみ存在することは理解できよう。
【0035】
さらに、MQ樹脂の初期シラノール基が一官能のシラン、ジシロキサンまたはジシラザンとの反応によってすべてトリオルガノシロキシ基に転化してしまうと、コポリマーは組成物を硬化させるための反応に関与しなくなり、従って接着剤は60℃よりも高い温度で本来の機能を失ってしまう。
【0036】
MQ樹脂の所望の流動特性を達成するために必要な数平均分子重量Mnは、完全にとは言わないまでも何らかの形でこの成分中の樹脂の分子量やR1 で示される炭化水素基の種類などに影響される。好ましい樹脂はR1 が1〜3個の炭素原子を含有するアルキルである。このような好ましい樹脂の数平均分子重量はネオペンタマーを示すピーク部分を測定値から外してゲル透過クロマトグラフィで測定した場合に1,500〜10,000、好ましくは2,700〜6,500であるとよい。この測定では、MQ樹脂の狭い画分を使用して装置を較正する。
【0037】
樹脂の数平均分子重量(Mn)は3,000であると好ましく、4,500〜7,500であると最も好ましい。熱保持量すなわち接着剤が150℃よりも高い温度で接着性を維持する能力は、Mnが3,000を越えると顕著になる。
【0038】
MQ樹脂は何らかの適当な方法によって調製することができる。このような樹脂は、上述したようなシランの共加水分解あるいはシリカヒドロゾルキャッピング法によって調製される。本発明で使用するMQ樹脂は、米国特許出願第2,676,182号、同第4,611,042号、同4,774,310号などに記載されているシリカヒドロゾルキャッピング法を利用して調製したものであると好ましい。
【0039】
一般に、MQ樹脂を調製するために使用する中間体は、一般式R1 3SiX´(式中、X´は加水分解性基である)で表されるトリオルガノシロキサン、及びハロゲン、アルコキシもしくはヒドロキシルなどの加水分解性基を4個有するシランまたはケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩のいずれかである。
【0040】
本発明による組成物の周囲条件下での保存安定性を最大限にするために、MQ樹脂の調製中に形成されたシラノール基をトリヒドロカルビルシロキシ基または加水分解性基のいずれかに転化させる。この時、シラン、ジシロキサンまたはジシラザンと樹脂とを反応させることによって組成物を適宜転化させる。樹脂のシラノール基と反応させるために必要な量を上回る量で加水分解性基を含有するシランを転化する。本発明による組成物は、この加水分解性基の湿分存在下での反応によって、加熱することで流動性となる物質から樹脂強化エラストマーに転化するものと思われる。転化後の樹脂強化エラストマーは、60〜200℃の温度では軟化することはあっても流動することはない。
【0041】
本発明による接着剤組成物のポリオルガノシロキサン成分は一般式R2 R3 SiOで表される2官能の(D)反復単位からなる。このポリマーは全反復単位に対して最高20%まで一般式R4 SiO3/2 で表される3官能の(T)ユニットを含有してもよい。これらの一般式において、R2 はアルコキシ基、1価の未置換炭化水素基または1価の置換炭化水素基であり、R3 およびR4 は1価の未置換炭化水素基または1価の置換炭化水素基である。
【0042】
R2 、R3 、R4 で表される基のうち少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%は低級アルキルであり、最も好ましくはメチルである。
【0043】
ポリオルガノシロキサンの湿分反応性基の接着性を相応のものとするために、ポリオルガノシロキサンの分子は、1分子あたり平均で15より多い数の反復単位を含有することが好ましい。これは、ポリジメチルシロキサンであれば25℃で少なくとも0.02Pa・sの粘度に相当するものであり、最高で100Pa・sまでの粘度に相当し得る。粘度は0.35〜60Pa・sであると好ましく、0.5〜25Pa・sであると最も好ましい。
【0044】
液状ポリオルガノシロキサンに含まれる末端単位は、好ましくは一般式R5 a Y3−a SiG−で表される。ここで、Yは加水分解性基、R5 はアミノアルキルまたはR1 と同様の置換および未置換炭化水素基からなる群から選択される。Gは末端単位の珪素原子と他の珪素原子とを結合している2価の基であり、aは0または1である。加水分解性基を1分子あたり少なくとも3個有するシランなどの硬化剤を硬化性組成物に含有しない場合には、架橋生成物を形成するためにも液状ポリオルガノシロキサンおよび/またはMQ樹脂に1分子あたり平均で2個より多い加水分解性基を含有させる。
【0045】
Yで表される代表的な加水分解性基には、樹脂状オルガノシロキサンコポリマーについて説明した部分で述べたようなものを含む。
【0046】
aが0である場合には、Yで表される基はアルコキシ、ケトキシモ、アルケニルオキシ、カルボキシ、アミノキシまたはアミドキシである。aが1である場合には、Yは好ましくはアルコキシであり、R5 はメチルやエチルなどのアルキル、またはアミノプロピルや3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルなどのアミノアルキルである。アミノアルキル基のアミノ部位は、1級、2級、3級のいずれであってもよい。
【0047】
Gは、非加水分解性で、組成物の硬化時に末端単位を離脱させず硬化反応に悪影響を及ぼすこともなく末端単位のケイ素原子と液状ポリオルガノシロキサン成分の他のケイ素原子とを結合する二価の基または原子であればどのようなものであってもよい。Gで表される加水分解的に安定な結合は、酸素;アルキレンおよびフェニレンなどのヒドロカルビレン;酸素、窒素、硫黄からなる群から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含有するヒドロカルビレン;これらの結合基の組み合わせなどを含む。
【0048】
また、Gは、−(OSiMe2 )CH2 CH2 −、−(CH2 CH2 SiMe2 )(OSiMe2 )CH2 CH2 −、−CH2 CH2 SiMe2 )O−、CH2 CH2 SiMe2 )OSiMe2 )O−、−(CH2 CH2 SiMe2 )CH2 CH2 −、および−CH2 CH2 −などのシラルキレン結合、−(OSiMe2 )O−などのシロキサン結合、より好ましくは酸素原子なども示す。
【0049】
末端基の好ましい例としては、(MeO)3 SiCH2 CH2 −、(MeO)3 SiO−、Me(MeO)2 SiO−、H2 NCH2 CH2 N(H)(CH2 )3 (MeO) 2 SiO−、(EtO)3 SiO−、(MeO)3 SiCH2 CH2 Si−、MeCH2 CH2 SiMe2 O−、Me2 NOSiO−、MeC(O)N(H)SiO−、CH2 =C(CH3 )OSiO−などが挙げられる。これら式中、Meはメチルを、またEtはエチルを表す。
【0050】
R5 a Y3−a SiGで表される末端単位の一部がMQ樹脂上に存在する場合もある。この末端単位の一部がMQ樹脂上に存在するか否かは、末端単位を形成するために使用した反応体とMQ樹脂、液状ポリオルガノシロキサン、またはこれらの成分の混合物とが反応するか否かによって決まる。
【0051】
ポリオルガノシロキサンおよびMQ樹脂の末端単位は、これらの初期反応体上に存在させておくかあるいは現場で形成することができる。これは前駆体ポリオルガノシロキサンおよび/またはMQ樹脂上に存在する上述したシラノール、アルケニルまたはSiH基と、前駆体ポリオルガノシロキサンおよび/または樹脂上の基と反応する基の他にさらに所望の末端基を含有するオルガノシリコン化合物との反応によって達成すればよい。
【0052】
本発明による硬化性組成物においてシラノール基と反応して反応性末端基を形成し得るオルガノシリコン化合物の例として、シラン類、ジシロキサン類、ジシラザン類、官能的に置換したポリジオルガノシロキサンなどが挙げられる。
【0053】
MQ樹脂またはポリオルガノシロキサン上に加水分解性基を形成するために使用されるシランは、一般式Y3 SiG´で表すことができる。ここで、G´はシラノール基と反応して所望の結合基Gを形成する基である。G´はYと同じ基から選択できることは理解できよう。
【0054】
ジシロキサンは類一般式(Y3 Si)2 Oで表され、ジシラザン類は一般式
(Y3 Si)2 NHで表される。
【0055】
Yにアルコキシ基が含まれる場合、硬化性組成物の安定性を高めるために、エチレンのようなアルキレン基を使用してこのアルコキシ基を最も近い位置にあるシロキサン単位から離すようにすると好ましい。例えば、Yは(MeO)3 SiCH2 CH2 Si(Me2 )Oである。アルコキシ基をトリアルコキシシリルアルキルに転化させるための方法は従来技術において周知である。
【0056】
一般式で(MeO)4 SiおよびMe(MeO)3 Siで表される化合物によって、それぞれ一般式(MeO)3 SiO−およびMe(MeO)2 SiO−で表される湿分反応性基をシラノール末端ポリオルガノシロキサンに導入することもできる。また、ポリオルガノシロキサンにシラノール基やビニルなどのアルケニル基、プラチナ族金属あるいはその化合物をヒドロシリル化反応触媒として含有する場合、上述したような導入時にそれぞれ一般式(MeO)3 SiHおよびMe(MeO)2 SiHで表される化合物を使用してもよい。ジアルキルケトキシモ、アルケニルオキシ、カルボキシなどの他の加水分解性基をアルコキシ基の代わりに使用してもよいことは理解できよう。
【0057】
本発明による組成物の液状ポリオルガノシロキサン成分は、アルキル基およびアミノアルキル基のいずれか一方の他に、アルコキシあるいはケトキシモ基を3個、ケトキシモ基を2個あるいはアルコキシ基を2個含有するポリジメチルシロキサンであると好ましい。
【0058】
本発明による組成物を硬化させるために使用する反応や、MQ樹脂およびポリオルガノシロキサンに存在する反応性末端単位によっては硬化剤を含有させることによって保存安定性および/または組成物の硬化状態が向上する場合もある。一般に硬化剤は一般式R6 n SiZ(4−n) のシランである。ここで、R6 はR1 と同様の群から選択される炭化水素基であり、好ましくはアルキル基またはフェニル基である。Zは周囲条件下で液状ポリオルガノシロキサンの末端基と反応して硬化した物質を形成する加水分解性基である。nは0または1である。Zで表される好ましい加水分解性基の例として、1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アセトキシなどのカルボキシ、メチルエチルケトキシモなどのケトキシモおよびアミノキシが挙げられる。
【0059】
好ましい硬化剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルオルトシリケートなどのアルキルオルトシリケートなどが挙げられる。
【0060】
ポリオルガノシロキサン成分中の加水分解性基がアルコキシである場合には、フェニルトリメトキシシランなどのフェニルトリアルコキシシランを硬化剤として使用した場合に、硬化した組成物の高温で接着性を維持する能力は向上することが分かっている。
【0061】
本発明による組成物を硬化させるために使用する反応体の中には、触媒を必要とするか、あるいは触媒の存在下でかなり高速に反応が進行するものもある。どの硬化触媒が好ましいかは硬化反応によって異なってくるが、好ましい触媒の一例として、オクタン酸第一錫やジブチル錫ジラウレートなどのカルボン酸の錫塩、テトラブチルチタネートなどの有機チタン化合物、アセト酢酸エステルやβ−ジケトンなどの上述した塩をキレート化剤で部分的にキレート化した誘導体が挙げられる。
【0062】
加水分解性基を液状ポリオルガノシロキサン上に存在させるか、あるいは加水分解性基の一部を組成物の硬化時に反応する1つ以上のシランまたはその他のオルガノシリコン化合物上に存在させる。
【0063】
組成物があまり早くから硬化してしまわないようにするために、この組成物を加熱するまでは湿分のない状態で保存し、本願明細書に記載されているような方法で適用しなければならない。
【0064】
本発明による硬化性組成物の成分をどのように組み合わせるかによって、組成物の加工性や安定性を変えることができる。樹脂、シラノール官能ポリオルガノシロキサン、加水分解性基を含有するシラン、触媒の4種類の成分全てを組み合わせると、ポリマー分子と樹脂分子との間で好ましくない縮合が生じる場合がある。このような縮合が起こると、反応混合物は時折早すぎる時期に架橋してゲル化してしまう。
【0065】
好ましい方法では、まずシラノール末端ポリオルガノシロキサンと、1分子あたり平均で3個以上の加水分解性基を有し、シラノール基に対して少なくとも等モル量のシランとを反応させる。通常、この反応はアルキルチタネートなどの適当な触媒の存在下で行う。実用的な速度で反応を進行させるために混合物を加熱してもよい。次に、ポリオルガノシロキサンを液状化すなわち可溶化したMQ樹脂に配合し、この組成物から揮発性物質を除去する。揮発性物質の除去は、好ましくは大気圧未満の圧力下で組成物を加熱して行う。
【0066】
特に樹脂に1分子あたり平均で3個より多いシラノール基が含まれる場合には、前駆体ポリオルガノシロキサンと加水分解性基を含有するシランとを予備反応させると好ましい。この種の樹脂を含有する組成物は、シラノール官能ポリマー、アルコキシ官能シラン、有機チタン化合物などの触媒の存在下でゲルを形成しやすいことが分かっている。
【0067】
本願明細書中に記載のMQ樹脂および液状ポリオルガノシロキサンを少なくとも1種類ずつ含有する硬化性組成物の溶融粘度は、本発明による方法を利用して組成物を適用するための適当な方法を決める上で便利な手段となる。
【0068】
溶融物質に適した周知の適用方法には、浸漬、吹付け、共押出の他、加熱したドクターブレード、引落し棒、カレンダーロールなどを使用して所望の支持体表面に粘性物質を塗工する方法などがある。
【0069】
適した粘度を有する溶融物質を予備成形フィルムとして所望の支持体表面に押し出した後、この溶融物質を周囲条件下におき、最終的に支持体表面上で硬化させることもできる。また、予備成形した押出成形フィルムを水気のない状態で非接着性支持体上で凝固させて湿分を遮断できる容器に入れておき、接着したい支持体があればその時点で2つの支持体のうちの1つに被覆することもできる。本発明の方法によれば、フィルムの外側に出ている面を接着対象となる2つの支持体のうちの残りの方と接触させ、必要であれば組成物を加熱して2つの支持体を接着し、組成物を大気中に普通に存在する湿分に曝露して接着剤を硬化感圧接着剤すなわちエラストマーに転化させる。
【0070】
溶融粘度が1Pa・s未満の組成物は吹付けに適している。溶融物質を吹付けるためには、一般にこの物質を加圧下で1つまたは複数のオリフィス(直径0.1〜2mm)を有するノズルを通して加熱した保存容器から押出す。ノズルから流出する液状物質の流れを分散させやすくするために、この流れを高速に移動している空気や窒素などのガスの流れと接触させるか、あるいは適当なバッフルの方に送る。
【0071】
保存容器とノズルとの間の距離にもよるが、ノズルやその他の小出し用オリフィスと保存容器とをつないでいる流路を加熱して流路内での組成物の凝固を防止したり、流路に入る前あるいは流路を通過中に組成物を加熱したガスと混合したりしなければならないこともある。
【0072】
溶融物質を保存容器から小出し用オリフィスまで移動させるのに必要な圧力は、乾燥窒素などの加圧ガスを容器に注入したり、ラムやピストン、フォロワプレートなどの機械装置を容器に取り付けることによって生成できる。湿分感受性物質を運んで小出しにするための装置は市販されており、適当な加熱手段を設けることで本発明による組成物にもこのような装置を適用することができる。
【0073】
吹付けるには溶融粘度が高すぎる接着剤組成物の場合は以下のようにして支持体に適用する。溶融物質を支持体上に小出しにし、溶融物質自体の重量を利用して自然に拡げるか、あるいは加熱した引き落し棒やドクターブレードなどを利用して塗りのばす。早期硬化を防止するために、組成物を小出しにする前の溶融物質を乾燥窒素などの水気のないガスなどの雰囲気下に維持しておく。
【0074】
本発明による組成物の利点の1つに、樹脂強化エラストマーへの湿分活性転化の初期段階において本物質は一般的な感圧接着剤のように作用し、一度接着した支持体同士を離したり再結合させたりできるということがある。
【0075】
本発明の方法によって調製された接着剤組成物は、大気中の湿分の存在下で徐々に反応してエラストマー状物質を形成する。この反応が完了するまでにかかる時間は、湿分活性反応の種類、触媒の圧力、支持体の温度などによって数日から数週間程度の範囲となる。本発明による湿分反応性組成物の転化時に起こる反応およびこの反応の速度を調節するための方法については本願明細書において敢えて詳細に説明しなくても十分理解できよう。
【0076】
本発明の方法によって得られた接着剤組成物の接着性、溶媒耐性および電気的特性は本発明による組成物を電気部品や電子部品を接着する際に特に実用性の高いものとしており、特にこのような部品が使用時に熱や湿分、その他の過酷な条件下におかれる可能性があるような時にはなおさら実用性は高くなる。本発明による接着剤として特に好ましい特性は表面抵抗率であり、通常は約1015Ω/cm2 前後になる。また、適当な充填剤を使用してこの接着剤を熱伝動性あるいは導電性のものとすることもできる。
【0077】
本発明による接着剤組成物を使用して接着できる物質の例として、添加重合型あるいは縮重合型の天然および合成のポリマーを含む有機物質が挙げられる。合成有機ポリマーの例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、エポキシドポリマー、ホルムアルデヒドやフェノール、その他の共反応物質から誘導された樹脂、メラミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ポリマーが挙げられる。ガラス繊維、その他の鉱物繊維、炭素繊維、セラミック物質などの周知の強化剤をポリマーに含有させることも可能である。
【0078】
本発明の方法によって接着可能な無機支持体には、ガラス、金属、特に銅やアルミニウムのような導電性金属、及びセラミック材料が含まれる。
【0079】
本発明による組成物は、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレートなどのエンジニアリングプラスチックの接着に特に有効である。
【0080】
本発明による接着剤組成物の好ましい用途の1つに、カーテンウォールやその他の構造物において使用される周知の絶縁ガラスのガラス板を隔てるスペーサに対して現在使用されている接着剤の代わりとして用いるというものがある。通常、ポリイソブチレンの内部一次シールと硬化性有機シーラントまたはシリコンシーラントである外部二次シールとを使用して乾燥剤含有スペーサをガラス板に接着する。二次シールによってユニット同士が剥がれない程度の強度は得られるが、この強度はある程度の時間(通常は数日)が経ってから発現するため、絶縁ガラスユニットが自分で自分を支えていられる程度に十分な強度を接着剤が発現するまで組み立て後のユニットを支えたり型締めしたりしたままにしておく必要がある。
【0081】
本発明による組成物は、初期接着力が強くユニットを接着直後に搬送したり他装置に取り付けたりすることができるため、従来の湿分硬化性シーラントにまさる利点がある。一度硬化すると、好ましい組成物は100℃程度の高温においてもその強度を保持する。
【0082】
【実施例】
以下、本発明による方法で使用する代表的な硬化性組成物について実施例を挙げて説明する。本実施例は、添付の特許請求の範囲に記載された内容を限定するものではない。特に明記しない限り、「部」および「%」はいずれも「重量部」および「重量%」を示し、粘度は25℃で測定した値である。
【0083】
硬化性組成物の一般的な調製手順
I. 特定の組成物に必要なポリジオルガノシロキサンと可溶化した樹脂、触媒を使用するのであれば固体重量に対して0.5重量%の硬化触媒をガラス製の反応容器に入れて周囲条件で混合し、50〜60℃の温度で60分加熱した。この時点で反応物に加える温度を上昇させ、反応容器内の物質の温度が1.3kPa(10mmHg)以下の圧力下で150℃に達するまでフラスコの内容物を減圧下におき、溶媒やその他の揮発性物質を除去した。窒素を流入させて反応容器内の圧力を大気圧まで調節し、溶融組成物を密閉容器に移して保存した。
【0084】
II. MQ樹脂、さらに使用するのであればポリオルガノシロキサンおよびシランを均質になるまで混合し、この時点で固体重量に対して0.5重量%のオクタン酸第一錫を反応触媒として添加した。組成物の温度が150℃になるまでこの組成物を1.3kPa(10mmHg)未満の圧力下で加熱し、150℃に達した時点で窒素を使用して反応容器内の圧力を大気圧に戻した。このようにして得られた溶融物質を0.5重量%のテトラブチルチタネートと混合し、密閉容器に入れて保存した。
【0085】
III. オクタン酸第一錫を抜いた以外は手順IIと同様に行った。
IV. 可溶化した樹脂、ポリマーおよびメチルトリス−(メチルエチルオキシモ)シラン(樹脂とポリマーとを合わせた重量に対して35重量%)を混合した後、硬化触媒としてのジイソプロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)チタンと混合した。組成物の温度が150℃になるまでこの組成物を1.3kPa(10mmHg)未満の圧力下で加熱し、150℃に達した時点で窒素を使用して反応容器内の圧力を大気圧に戻した。このようにして得られた溶融物質を密閉容器に入れて保存した。
【0086】
ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によってこれらの樹脂の数平均分子量を測定した。この時、ゲル透過クロマトグラフィは、Varian TSK 4000+2500カラムを使用し、35℃、1mL/分のクロロフォルム流動相で行い、Si−O−Siを検出するためにIR検出器を9.1マイクロメータに設定した。同様の樹脂の狭い部分を基準として利用し、ゲル透過クロマトグラフィを較正した。ここでのMn値には、樹脂成分中に存在するネオペンタマーすなわち(Me3 SiO)4 Siは全く含まれていない。
【0087】
29Si(NMR)スペクトルによって樹脂のトリメチルシロキシ/SiO4/2 比を測定した。こちらの測定結果には樹脂中のネオペンタマー成分も含まれている。
【0088】
実施例1
この実施例では、本発明の方法において有用なアミン官能含有接着剤組成物の他、MQ樹脂およびポリオルガノシロキサンの種類とこれら2つの成分の相対濃度を変えることによる最終的に得られる接着剤の特性に及ぼす影響ついて説明する。
【0089】
接着複合体を形成するために接合した支持体は、ポリブチレンテレフタレート製の両口開放矩形管であり、同一材料からなる蓋を設計して管の一端を覆った。管の壁は長さ3.5cm×6cmであり、高さは1.5cm、厚さは5mmであった。管の一端では4枚の板の断面によって規定される面に逃げを有し、長さ2.1×1.2cm、厚さ3mmの蓋をはめられるようにした。蓋の上面が管の端部と同一水平面上にくるようにした。
【0090】
150℃まで加熱され、2mmの円形オリフィスを有する円錐形のノズルを備えた容器から本発明による溶融組成物を小出しにし、管の端部にある逃げの全周に沿って被覆した。続いて管の蓋が合うように形成された側の表面に蓋を押しつけ、蓋の全周に沿って接着剤組成物を付けた。
【0091】
表面の温度を下げてこの接着剤組成物を全て凝固させ、非流動性物質とした。0.1時間〜7日の各期間について、組成物を加熱して流動性物質に転化させた。この期間が経過した時点で、組成物は硬化して加熱しても流動性液体にはならない物質になっていた。
【0092】
管を適当なジグに締め付けて複合体を形成し、アーバ・プレスのラムを使用して蓋の内面に十分な力を印加した20分後に組成物を試験し、接着結合を壊すと共に蓋を押して管の壁から離した。この時に印加した力を測定するためにプレスを調節した。管に対して蓋を接合してからの期間を変えた以外は同一の接着剤を使用して同じようにして作製した他の試料についても試験を行った。
【0093】
接着剤組成物を調製するために使用した成分の種類と量を表1に示す。表1において、MQ樹脂固体(樹脂)おより液状ポリオルガノシロキサン(ポリマー)の重量比は、樹脂とポリマーとを100部としたものの総重量を基準にした重量比である。これらのパーセンテージには樹脂成分と一緒に添加した溶媒の分は含まれていない。
【0094】
以下に述べる定義ではMQ樹脂を数字で示し、液状ポリオルガノシロキサン(ポリマー)を文字で示す。
樹脂1 キシレンを溶媒としたオルガノシロキサンコポリマーの72重量%溶液。数平均分子量=5000。主にトリメチルシロキシ(M)単位およびSiO2 (Q)単位からなり、そのモル比は0.6:1。3.7重量%のケイ素結合ヒドロキシル基を含有。
樹脂2 キシレンを溶媒とした樹脂1の62重量%溶液でM:Qモル比は0.71。ケイ素結合ヒドロキシル基の90%のうち0.8重量%分以外は全てトリメチルシロキシ基に転化。
樹脂3 キシレンを溶媒としたオルガノシロキサンコポリマーの81重量%溶液。数平均分子量=2700。トリメチルシロキシ単位およびSiO4/2 単位を含有し、そのモル比は1.1:1。樹脂重量に対して3.2重量%のケイ素結合ヒドロキシル基を含有。
樹脂4 キシレンを溶媒としたオルガノシロキサンコポリマーの72重量%溶液。数平均分子量=5000。トリメチルシロキシ単位およびSiO4/2 単位を含有し、そのモル比は0.75。樹脂重量に対して3.4重量%のシラノール基を含有。
【0095】
ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によってこれらの樹脂の数平均分子量を測定した。この時、ゲル透過クロマトグラフィは、Varian TSK 4000+2500カラムを使用し、35℃、1mL/分のクロロフォルム流動相で行い、Si−O−Siを検出するためにIR検出器を9.1マイクロメータに設定した。同様の樹脂の狭い部分を基準として利用し、ゲル透過クロマトグラフィを較正した。ここでのMn値には、樹脂成分中に存在するネオペンタマーすなわち(Me3 SiO)4 Siは全く含まれていない。
【0096】
29Si(NMR)スペクトルによって樹脂のトリメチルシロキシ/SiO4/2 比を測定した。こちらの測定結果には樹脂中のネオペンタマー成分も含まれている。
【0097】
ポリマーA シラノール基に対する3(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランの化学量過剰で粘度0.07Pa・sのシラノール末端ポリジメチルシロキサンを反応させて調製した、イソプロパノールを溶媒としたポリジメチルシロキサンの50重量%溶液。
ポリマーB 25℃での粘度0.07Pa・s、1.2重量%のシラノール基と40.6部の3(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランとを含有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン200部の反応生成物。この混合物を60℃で2時間反応させた。
ポリマーC 平均重合度18のシラノール末端ポリジメチルシロキサン75重量部、メチルトリメトキシシラン10部、γ−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン15部の反応生成物。
ポリマーD 平均重合度400のシラノール末端ポリジメチルシロキサン200部とγ−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(純度95%)3.5部との反応生成物。55〜60度で2時間反応を行い、初期シラノール基を実質的に全て反応させた。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
実施例2
この実施例では、接着剤組成物にアルコキシ官能ポリオルガノシロキサンとアミノアルコキシ官能ポリオルガノシロキサンとの配合物を使用した場合について示す。
【0101】
実施例1において述べた可溶化樹脂1を約58.2gmとポリマーDを21.0gm、粘度0.07Pa・sのメチルジメトキシシロキシ末端ポリジメチルシロキサン7.0gm、テトラブチルチタネート0.35gmをガラス製反応容器に入れ、完全に混合した。
【0102】
この混合物を減圧下で150℃の温度まで加熱した。最終圧力は1.3kPa(10mmHg)を越えないようにした。ジイソプロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)チタン約0.35gを添加し、脱蔵させた溶融混合物中に分散させた。この混合物を金属製のカートリッジに移し、その中で本物質を室温まで冷却した。
【0103】
このようにして得られた接着剤組成物の接着強度を室温での硬化時間の関数として評価した。硬化から1時間後、複合体の管状部分から蓋を押して離すのに約13ポンド(5.9kg)の力を必要とした。24時間後、この力は121ポンド(54.5kg)であった。
【0104】
実施例3
この実施例では、メチルトリス(メチルエチルオキシモ)シランを硬化剤として用いた場合の分子量および樹脂の相対濃度の未硬化組成物と硬化組成物との重量比に及ぼす影響を示す。
【0105】
以下のような方法で実施例1において述べた硬化性組成物を調製した。
V 樹脂1または樹脂4の溶液を数平均分子量45,000のシラノール末端ポリジメチルシロキサンと混合した。このようにして得られた混合物に所望の量のメチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シランとジブチル錫ジラウレート5滴(=0.1g)とを添加し、これを最終圧力を0.7〜1.3kPa(5〜10mmHg)として150〜160℃の温度で加熱し、揮発性物質を除去した。
VI ジブチル錫ジラウレートの代わりに2,5−ジ−イソプロポキシ−ビスエチルアセトアセテートチタン0.5gを用いた以外は手順Vと同じ。
VII 触媒を使用しなかったこと以外は手順Vと同じ。
VIII ポリマー全部とポリマー上のシラノール基1モルあたり1モルのシランに相当する量のメチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シランとを反応容器に装填した。
【0106】
硬化性組成物を単離し、実施例1において説明した手順で接着剤として評価した。
樹脂、ポリマー、シランの量の他、樹脂とポリマーに対する樹脂の重量比、硬化性組成物中のシラノール基に対するシランのモル比を表3に示す。試験試料の箱型部分から蓋を引き剥がすために必要な力および試料を試験する前の硬化時間を表4に示す。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
以下の実施例では、硬化剤および/またはポリマーの加水分解性基としてアルコキシ基を含有する本発明による接着剤組成物について述べる。
【0110】
組成物を調製するために使用した成分は以下の通りである。
ポリマーA 重合度400、粘度2,000mPa・s(cP)のトリメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーB 重合度400、粘度2,000cP(2Pa・s)のヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーC 重合度40、粘度70cP(0.07Pa・s)のヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーD 重合度400、粘度2,000cP(2Pa・s)のトリエトキシリル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーE 重合度870、粘度11,000cP(11Pa・s)のメチルジメトキシリル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーF 重合度300、粘度2,000cP(2Pa・s)、一般式−O1/2 (Me)2 SiCH2 CH2 (Me)2 SiO−(Me)2 SiCH2 CH2 Si(OMe)3 の末端単位を含有する(ここで、Meはメチル基である)ポリジメチルシロキサン
ポリマーG 粘度52cP(0.052Pa・s)のメチルジメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン
ポリマーH 重合度400、粘度2,000cP(2Pa・s)のメチルジメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン
IBTMS イソブチルトリメトキシシラン
MTM メチルトリメトキシシラン
MTO 一般式MeSi(N(OEt)Me)3 のメチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン(ここで、Meはメチル基、Etはエチル基を示す)
【0111】
使用した樹脂については実施例1と同様に数字で示す。
TBT テトラn−ブチルチタネート
TDIDE 2,5−ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)チタン
TEOS テトラエトキシシラン
【0112】
実施例4
流体A(26.6g)、フェニルトリメトキシシラン16.2g、TBTを0.35g、樹脂1を60.2gを三首反応フラスコ内で完全に混合した。得られた混合物を<1.3kPa(<10mmHg)の減圧下で温度を130℃まで上昇させながら脱蔵させた。この温度のままさらに15分間おいた。脱蔵させたら、窒素ガスを使用して系を大気圧に戻す。TBT(MTMを溶媒とした14.3%溶液3.85g)をさらに加えて溶融生成物に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38、樹脂シラノールに対するシランのモル比は0.9であった。この組成物を清潔な金属製カートリッジに移して試験試料に適用し、実施例1において述べたように適用後の様々な時点で評価した。結果を以下の表5に示す。
【0113】
【表5】
【0114】
実施例5
流体A(76.0g)、IBTMSを47.6g、TBTを1.04gをガラス製反応容器内で混合した。この時点で、樹脂1を72g添加して完全に混合した。得られた混合物を60℃で45分間加熱した後、実施例4に述べたような方法で脱蔵させた。TBT(MTMを溶媒とした10%溶液)7.0gを追加して溶融生成物に分散させた。
【0115】
この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38、シラノールに対するシランのモル比は1.0であった。この組成物を清潔な金属製カートリッジに移して試験試料に適用し、実施例1において述べたような方法で評価した。結果を以下の表6に示す。
【0116】
【表6】
【0117】
実施例6
この実施例では、現場プロセスを使用して2種類のヒドロキシル官能ポリマーをアルコキシ基でキャップした本発明による組成物を示す。
【0118】
樹脂1を133.1g、TEOSを45.8g、MTMを29.9g、ポリマーBを16g、ポリマーCを48g、炭酸カリウム0.0016gを反応フラスコに装填した。これらの成分を混合し、115℃で24時間反応させ、その時点で0.48gの1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール0.5−水和物を添加して炭酸カリウムを中和し、115℃のままさらに30分かけて混合した。このようにして得られた混合物を濾過して粒子やカリウム塩を除去し、濾過後の混合物をガラス容器に回収した。この生成物(99.7g)の一部を実施例1と同様にして脱蔵し、溶融生成物にTBTを0.34g分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であった。この物質を金属製カートリッジに移し、実施例1と同様の方法で試験した。結果を表7に示す。
【0119】
【表7】
【0120】
実施例7
TEOSを9.96gとポリマーDを25.21gとに対して樹脂1(61.6g)を完全に混合し、得られた混合物を110℃まで加熱した。オクタン酸第一錫触媒0.18gを使用してこの混合物を1時間反応させた。次に、メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.18gを混合して触媒を不活性化した。反応容器内の圧力を0.26kPa(2mmHg)まで下げ、反応混合物を150℃以下の温度で脱蔵させた。この時点で混合物にTDIDEを0.35g分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は64/36であり、樹脂中のシラノールに対するシランのモル比は0.5であった。この生成物を回収し、実施例1において述べたような方法で試験した。結果を以下の表8に示す。
【0121】
【表8】
【0122】
2分後、25分後、1時間後に試験した試験試料の蓋と管部分を試験直後にすみやかに押圧して再び接着し、さらに7日間周囲空気に曝露した後に再試験した。結果を表9に示す。これらの試料についての表9に示すような接着強度から、本発明の組成物によって「オープンタイム」が長くなることが分かる。本明細書において、「オープンタイム」とは周囲条件下で組成物がそのPSA(感圧接着)特性を維持している(すなわち、顕著に硬化せずにいる)時間を意味する。
【0123】
【表9】
【0124】
実施例8
ポリマーD(21.2g)をフェニルトリメトキシシラン11.9gと完全に混合し、その時点でTBTを0.26gと樹脂1を44.1g添加した。このようにして得られた混合物を加熱し、約1時間60℃で維持した。次に、温度を150℃まで上昇させながら<1.3kPa(<10mmHg)の減圧下で混合物を脱蔵させた。上述の実施例と同様に、窒素を導入して反応混合物を大気圧に戻し、溶融生成物にTDIDEを0.26g分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であり、樹脂中のシラノールに対するシランのモル比は0.88であった。このようにして得られた感圧接着剤を金属製カートリッジに移し、実施例1において述べたような方法で試験した。結果を以下の表10に示す。
【0125】
【表10】
【0126】
実施例9
樹脂1を133.1g、TEOSを45.8g、MTMを29.9g、ポリマーBを16g、ポリマーCを48g、炭酸カリウム0.008gを反応フラスコに装填した。この混合物を加熱し、115℃で24時間維持した。加熱後、1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール(0.5−水和物)0.2gを添加し、115℃のままさらに30分かけて混合した。このようにして得られた混合物を自然に室温まで冷却した後、ガラス容器に移した。この生成物(112.5g)を実施例5と同様にして脱蔵し、TBTを0.38g分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であった。
【0127】
脱蔵させたPSAを金属製カートリッジに回収して試験した。結果を以下の表11に示す。
【0128】
【表11】
【0129】
実施例10
樹脂3(60.4g)、TEOS(33.0g)、ポリマーE(14.0g)、TBT(0.35g)を混合し、得られた混合物を150℃の温度で約0.26kPa(2mmHg)で脱蔵させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は80/20であり、樹脂シラノールに対するシランのモル比は1.5であった。脱蔵させた混合物を回収し、実施例1と同じようにして試験した。結果を表12に示す。
【0130】
【表12】
【0131】
実施例11
樹脂1(86.0g)をIBTMS(23.8g)およびポリマーF(38.0g)と完全に混合した。次に、この混合物にTBT約0.5gを分散させ、内容物を加熱して約60℃で約1時間維持した。この混合物を実施例1において述べたような方法で脱蔵し、MTMを溶媒とした14%TBT溶液3.1gを溶融生成物に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38であり、樹脂シラノールに対するシランのモル比は1.0であった。この物質を金属製カートリッジに回収し、実施例1に述べたような方法で試験した。結果を以下の表13に示す。
【0132】
【表13】
【0133】
上述の実施例1乃至11において述べた感圧接着剤はいずれも本発明の範囲内に包含されるものであり、25℃では非流動性であった。さらに、これらの接着剤はいずれも「ホットメルト」ガンから簡単に押し出すことができた。どの組成物も、周囲の水気を含んだ空気に曝露すると不粘着性エラストマーとして硬化した。
【0134】
比較例1
樹脂2(67.4g)とポリマーD(28g)とを完全に混合し、この混合物を150℃未満の温度で<1.3kPa(<10mmHg)の減圧下で脱蔵した。窒素を使用して反応混合物を大気圧に戻した後、溶融生成物にTBTを0.2g分散させ、樹脂/ポリマー比が60/40の感圧接着剤を生成した。この物質を回収し、金属製カートリッジに入れて実施例1で述べたような方法で試験した。結果を以下の表14に示す。
【0135】
【表14】
【0136】
この系の接着性はまあまあではあるが、樹脂をキャップすることで感圧接着剤の生成時に特別の工程が必要になる。さらに、本発明による組成物と違って比較例における硬化組成物は周囲条件下で硬化させた後も初期の「粘着性」がいくらか残っていた。
【0137】
比較例2
本発明における樹脂1の代わりに低級シラノール樹脂を使用し、特開平4−81487号公報に記載の方法に基づいて組成物系列を調製した。この系列のポリマーにはポリマーAを使用し、珪素の加水分解性基に対する樹脂のSiOHモル比は表15に示すように1〜10とした。固体含量に対して0.1%濃度のジブチル錫ジメトキシドを各組成物に添加した。錫触媒を添加すると、溶液から白色のゲル沈殿物が即座に沈殿し、この沈殿物を再分散させることはできなかった。
【0138】
本比較例は、本発明によるキャップしていない樹脂を上記公開公報に開示されているキャップした樹脂の代わりとしてそのまま用いることはできないということを示している。さらに、キャップした樹脂(樹脂2)を使用し、樹脂対ポリマー比を60/40にして同じ実験を行うと、生成される可剥生成物は硬化後も感圧接着性を維持していた。これは硬化すれば不粘着性エラストマーになる本発明の組成物とは対称的である。
【0139】
【表15】
【0140】
比較例3
この比較例は、欧州特許公報0529841(A2)に開示されている感圧接着剤組成物と本発明による感圧接着剤との違いを示すものである。
【0141】
MTM(33.42g)にTBT(0.13g)を予混合したものを、キシレンを溶媒とした可塑性0.95mmのヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンガムの26.2%溶液と樹脂3(72.48g)との混合物180.1gに分散させた。この混合物を加熱して60℃で3時間維持した。次に、混合物を<1.3kPa(10mmHg)の減圧下、90℃でストリッピングし、樹脂/ポリマー比が55/45の感圧接着剤とした。樹脂中のシラノールに対するシランのモル比は2.2であった。脱蔵した物質を金属製カートリッジに移し、実施例1において述べたような方法で試験した。結果を以下の表16に示す。
【0142】
【表16】
【0143】
この比較例は、特に接触時間の短い場合に、本発明による組成物では可能であった高い値の接着性は感圧接着剤のポリマー部分として高分子量のガムを使用した組成物では得られないということを示すものである。
【0144】
実施例1において述べた方法を使用して試験用試料を調製し、実施例7、実施例8、実施例10において述べた組成物および表17に示した比較例1の組成物をそれぞれ極限強さまで硬化させた後、150℃のオーブンに入れた。この独立に試験して求めた値としての極限強さまで硬化させるには2〜4週間かかった。30分後に各試料を取り出し、その直後に実施例1において述べた方法に基づいてプッシュアウト力(蓋を試料の残りの部分から離すために必要な力)について試験を行った。結果を以下の表17に示す。
【0145】
【表17】
【0146】
表17に示すデータから、樹脂配合剤の樹脂成分のMnが3,000よりも大きい場合には、温度を上げた時の接着強度(ここでは「熱保持」と呼ぶ)は樹脂のMnの値が3,000未満の組成物(実施例10)に比べてかなり強くなることが分かる。さらに、実施例1に示す場合のように非反応性部位で樹脂をキャップすると熱保持値は極めて小さくなる。
【0147】
実施例12
本発明によるシラン組成物の安定化効果を示すために以下の実験を行った。
ポリマーG(22.5g)を樹脂1(38.1g)と完全に混合した。この溶液のアリコート5gに十分な量のTEOSを添加し、表18に示すようなシラン/SiOHモル比とした。各溶液にTBTを1滴添加した後、室温にて一晩混合した。このようにして得られた溶液を室温で保存し、粘度変化と極限ゲル化について観察した。結果を表18に示す。
【0148】
【表18】
【0149】
本発明による系に対する安定性付与について別のシラン(MTO)による効果を示すために同じ実験を行った。結果を表19に示す。
【0150】
【表19】
【0151】
また、流体の分子量が樹脂/流体配合物の安定性に及ぼす影響について示すために同様の組成物系列を調製した。
ポリマーH(22.5g)を樹脂1(38.1g)と完全に混合した。この溶液のアリコート5gに表15に示す十分な量のTEOSを添加した。ここでも各溶液にTBTを1滴添加して観察した。結果を表20に示す。
【0152】
【表20】
【0153】
表20に示すデータから、ヒドロキシ官能樹脂およびアルコキシ官能流体を主成分とする感圧接着剤組成物は硬化することはするが、本発明によるシランを添加しなければこれらの組成物の安定性は不十分であるということが分かる。
Claims (10)
- 硬化性オルガノシロキサン組成物を使用して支持体を互いに接着するための方法において、
(1)(a)1価R1 3SiO1/2 単位と、4価SiO4/2 単位と、樹脂状オルガノシロキサンコポリマー重量に対して最高6重量%までのXSiO3/2 単位とを含む樹脂状オルガノシロキサンコポリマー(ここで、Xはヒドロキシル基と、加水分解性基と、トリヒドロカルビルシロキシ基とから選ばれた少なくとも1つの部分であり、R1 は1価炭化水素基であり、SiO4/2 単位に対するR1 3SiO1/2 単位の比は0.5〜1.5であり、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーはその重量に対して1.5重量%以上のシラノール基及び/又は加水分解性基を含有し、そして前記コポリマーのガラス転移温度は周囲温度よりも高い)並びに
(b)25℃での粘度が0.02〜100Pa・sであり且つ1分子当たり平均して2個より多い加水分解性基を含有するポリオルガノシロキサンであってその反復単位の少なくとも80%がジシロキサン単位であるものを有する前記硬化性オルガノシロキサン組成物であって、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーの量が、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーと前記ポリオルガノシロキサンとの合計重量の40%以上であり、しかも前記加水分解性基の反応前に25℃において前記組成物に200Pa・s以上の粘度を付与し且つ前記組成物の流動遷移温度を40〜200℃の範囲内にするのに十分な量である前記硬化性オルガノシロキサン組成物を、その流動遷移温度より高い温度にまで加熱して流動可能にする工程、
(2)前記組成物を流動可能な状態のまま第一の支持体の少なくとも片面に適用して接着層を形成させる工程、
(3)前記組成物の流動遷移温度が実質的に上昇する前に前記接着層を第二の支持体と接触させて、前記第一の支持体と前記第二の支持体とを接着結合させる工程、並びに
(4)接着した支持体を、前記加水分解性基を反応させるのに十分な時間湿分に曝露して、架橋構造を形成させ且つ前記組成物の流動遷移温度を少なくとも10℃上昇させる工程、
からなる前記接着方法。 - R1 は最大20個の炭素原子を含み、前記コポリマーの4価の単位に対する1価の単位のモル比は0.5〜1.5であり、前記ポリオルガノシロキサン中の反復単位の最大20%までが3官能単位であって残りは一般式R2 R3 SiOで表されるジオルガノシロキサン単位(ここで、R2 はアルコキシ基、1価の置換炭化水素基または1価の未置換炭化水素基、R3 は1価の置換炭化水素基または1価の未置換炭化水素基であって、前記ポリオルガノシロキサンの末端単位は一般式R5 a Y3−a SiGで表される(ここで、R5 はアミノアルキルまたはR1 ;Yは加水分解性基;Gは末端単位のケイ素原子と他のケイ素原子とを結合する2価の基;aは0または1))であり、前記樹脂状オルガノシロキサンコポリマーは前記コポリマーと前記液状ポリオルガノシロキサンとの総重量に対して40〜80%を占める、請求項1記載の方法。
- R1 は1〜10個の炭素原子を含み、前記コポリマーの4価の単位に対する1価の単位のモル比は0.6〜0.9であり、Xはヒドロキシ基、アルコキシ基、ケトキシモ基およびトリアルキルシロキシ基から選ばれ、前記コポリマーの数平均分子量は1500〜10000であり、R2 、R3 、R4 で表される炭化水素基の50%以上は低級アルキルであり、前記ポリオルガノシロキサンの25℃での粘度は0.5〜25Pa・sであり、aが0である場合にはYはアルコキシ、ケトキシモ、アルケニルオキシ、カルボキシ、アミドキシおよびアミノキシから選ばれ、aが1である場合にはYはアルコキシであり、R5 はアルキルまたはアミノアルキル、Gは酸素であり、そして前記組成物を前記支持体に適用する時の温度での前記組成物の溶融粘度は10Pa・s未満である、請求項2記載の方法。
- R1 は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選ばれ、前記コポリマーのX基はヒドロキシルであり、前記コポリマーの数平均分子量は2700〜6500であり、前記ポリオルガノシロキサンに存在する末端基は、トリメトキシシロキシ、メチルジメトキシシロキシおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシロキシから選ばれ、前記組成物は、珪素に結合した加水分解性基を1分子当たり平均して2個より多く含有する硬化剤を含む、請求項3記載の方法。
- 前記硬化剤が、一般式R6 n SiZ4−n で表されるシランであり、式中、Zは前記ポリオルガノシロキサンに存在する末端基と反応する加水分解性基を表し、R6 はR1 と同じ炭化水素基群から選ばれ、そしてnは0または1である、請求項4記載の方法。
- 前記組成物が前記組成物の硬化を促進する触媒を含み、R6 がアルキルであり、そしてZがアルコキシである、請求項5記載の方法。
- 前記組成物の流動遷移温度より高い温度に加熱したアプリケータを使用して前記組成物を吹付けまたは塗工して前記支持体の表面に適用する、請求項1記載の方法。
- 末端位置にシラノール基を有する前記ポリオルガノシロキサンの前駆体と、一般式R6 n SiZ4−n (式中、R6 はアルキル基またはフェニル基を表し、nは0または1であり、そしてZは適当な触媒の存在下で前記シラノール基と反応する加水分解性基である)で表されるシランとを反応させ、得られた反応混合物に前記コポリマーを添加することによって前記組成物を調製する、請求項1記載の方法。
- 前記支持体がガラス又は金属である請求項8記載の方法。
- 前記支持体が絶縁ガラス単位のガラスとスペーサ部分であり、そして前記組成物を前記スペーサ部分に適用する、請求項9記載の方法。
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