JP3642584B2 - 湿分硬化性ホットメルトシリコーン感圧接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、周囲の湿分に曝すと硬化するホットメルト接着剤を有するシリコーン感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン感圧接着剤(以下PSAという)は、一般に、少なくとも2つの主要成分、即ち、線状シロキサンポリマーと、トリオルガノシロキサン(M)単位(即ち、R3 SiO1/2 単位、ここにRは1価の有機基を表す)及びシリケート(Q)単位(即ち、SiO4/2 単位)を含む粘着付与剤樹脂と、を含む。更に、シリコーンPSA組成物には、一般に、最終接着剤製品の種々の性質を最適化するために何らかの架橋手段(例えば、過酸化物又はヒドロシリル化硬化系)が添加される。ポリマー成分によって与えられる高い粘度に鑑みて、これらのPSA組成物は一般に、塗布を容易にするために、有機溶媒中に分散される。
【0003】
この技術分野の先行技術は以下のものに代表される:US−A4143088、US−ANo.4865920、US−A5091484、US−A5162410、EP−A1 0529841及びJP−A4/81487。
【0004】
揮発性有機化合物(VOC)の放出の抑制が最近強調されるようになって、従来のPSAの使用は支持されなくなり、溶媒を殆ど又は全く含まないPSAの需要が従来から大きくなって来ている。更に、溶媒が蒸発するか又は組成物が硬化するのを待たないで、部品が輸送できるか又は手際よく処理されるように、部品間に本質的に即時の結合が形成されることを、多数の用途が要求している。この特性をここでは「生強度(green strength)」といい、PSAの高い初期接着強度を表す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高水準の即時粘着性及び生強度を持つ一方、本質的に溶媒のない本発明のPSA組成物は、これらの要求に呼応する。更に、これらの系は周囲条件下に非崩壊性固体であるが、加熱すると流動性の液体となって、ホットメルト有機接着剤を施すのに現在用いられている方法で、基体に塗ることができる。更に、我々のPSAは一液系として長期間貯蔵でき、湿分に曝されると硬化して本質的に非粘着性のエラストマーとなり、その対応する生強度値よりも強い結合を提供する。硬化後にPSAのまま残る組成物と相違して、本発明の硬化された組成物は、硬化後に手でさわる事が出来、過剰の材料が所定の接着領域をオーバーフローしたとき、ゴミの付き方が少なく、汚れが少ない。その様な汚染は、美的外観からもエレクトロニクスの用途における性能からも望ましくない。本発明の好ましいホットメルトPSAは、更に、高い温度で驚くほど高い接着性を示す硬化系を与える。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
従って、本発明は、
(i)R3 SiO1/2 シロキサン単位及びSiO4/2 シロキサン単位を含んでなる周囲温度よりも高い軟化点を有するヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂であって、前記SiO 4/2 シロキサン単位に対する前記R 3 SiO 1/2 シロキサン単位のモル比が0.5/1〜1.2/1の値を取り、Rが炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれ、ヒドロキシル含量が1.2〜6wt%であるもの;
(ii)その各末端基がケイ素に結合した炭素原子数1〜4のアルコキシ基を少なくとも2つ含み、25℃での粘度が20〜100,000mPa・s(センチポイズ)であるジオルガノポリシロキサンポリマー、又は現場でキャップされたジオルガノポリシロキサンポリマー;
(iii)式R’4-y SiXy (ここに、R’は炭素原子数1〜6の炭化水素基及び置換炭化水素基から選ばれ、Xは加水分解性基であり、yは2〜4である)で示されるシラン;並びに
(iv)前記組成物の硬化を促進するに充分な触媒;
を含んでなる湿分硬化性ホットメルトシリコーン感圧接着剤組成物であって、前記ジオルガノシロキサンポリマー( ii )に対する前記オルガノシロキサン樹脂 の重量比が40:60〜80:20であり、前記組成物は無溶媒であり、25℃(室温)で固体であり、1ラジアン/秒で測定した場合の25℃(室温)での最小動的粘度が2×10 7 〜8×10 7 mPa・s(cP)であり、湿分に曝すと硬化して非粘着性のエラストマーとなる湿分硬化性ホットメルトシリコーン感圧接着剤組成物を提供する。
【0007】
本発明の成分(i)は、R3 SiO1/2 シロキサン単位及びSiO4/2 シロキサン単位を含む、可溶性のヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂である。「可溶」とは、前記オルガノポリシロキサンが炭化水素液体、例えばベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタン、又はシリコーン液体、例えば環状又は線状ポリジオルガノシロキサンに溶解しうることを意味する。好ましくは、この樹脂は、以下に述べる成分(ii)に可溶である。
【0008】
樹脂(i)の式において、Rは、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基、好ましくはその炭素原子数が20未満のもの、最も好ましくは炭素原子数が1〜10のものから選ばれる1価の基を表す。適当なR基の例には、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、ウンデシル及びオクタデシル;脂環式基、例えばシクロヘキシル;アリール基、例えばフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、α−メチルスチリル及び2−フェニルエチル;アルケニル基、例えばビニル基;並びに塩素化炭化水素基、例えば3−クロロプロピル及びジクロロフェニルが含まれる。
【0009】
成分(i)の後述の成分(ii)への溶解性を高めるために、成分(i)の主な有機基を、成分( ii )の主な有機基と適合するように選ぶことが好ましい。好ましくは、成分(i)の式におけるR基の少なくとも1/3、より好ましくは実質的に全てはメチル基である。好ましいR3 SiO1/2 シロキサン単位の例には、Me3 SiO1/2 、PhMe2 SiO1/2 及びPh2 MeSiO1/2 (ここに、Meはメチルであり、Phはフェニルであり、以下も同様である)を含む。
【0010】
成分(i)は、R3 SiO1/2 シロキサン単位(即ち、M単位)がSiO4/2 シロキサン単位(即ち、Q単位)に結合しており、それらのQ単位のそれぞれが少なくとも1つの他のSiO4/2 シロキサン単位に結合している樹脂状部分を含む。SiO4/2 シロキサン単位の幾らかは、ヒドロキシル基に結合してHOSi3/2 単位(即ち、TOH単位)を生じ、これによってオルガノポリシロキサンのケイ素に結合したヒドロキシル基の含量が求められる。樹脂状部分に加えて、成分(i)は、式(R3 SiO)4 Siで示されるネオペンタマーオルガノポリシロキサンから実質的になる少量の低分子量物質を含み得る。後者の物質は樹脂の調製における副生成物である。
【0011】
本発明の目的に対し、SiO 4/2 シロキサン単位に対するR 3 SiO 1/2 シロキサン単位のモル比はそれぞれ0.5〜1.2である。(i)の全Qシロキサン単位に対する全Mシロキサン単位のモル比は0.6〜0.8の間にあることが好ましい。上記M/Qモル比は29Si核磁気共鳴(NMR)により容易に得ることができる。この方法によれば、M(樹脂)、M(ネオペンタマー)、Q(樹脂)、Q(ネオペンタマー)及びTOHのモル含量を定量的に求めることができる。
【0012】
本発明にとって、M/Q比:〔M(樹脂)+M(ネオペンタマー)〕/〔Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー)〕は、(i)の樹脂状及びネオペンタマー部分のシリケート基の総数に対する(i)の樹脂状及びネオペンタマー部分のトリオルガノシロキシ基の総数の比を表す。上記M/Qモル比の定義は、樹脂(i)の調製から得られるネオペンタマーを考慮したものであるが、ネオペンタマーの意図的な添加を考慮したものではない。
【0013】
本発明の樹脂(i)は室温で固体でなければならない。即ち、その軟化点は、周囲温度より高い温度、好ましくは40℃を超える温度でなければならない。この条件が実現されないと、得られるPSAは、必要な以下に定義する非崩壊性を示さない。
【0014】
成分(i)の樹脂状部分は、ネオペンタマーピークを測定から除外して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したとき、数平均分子量(Mn)が1500〜15,000であることが更に好ましい。この分子量の決定において、MQ樹脂の狭い画分を用いて始めにGPC装置を校正するが、この場合、この画分の絶対分子量を蒸気相浸透圧法のような方法で最初に確定する。この分子量は、好ましくは3000超、最も好ましくは4500〜7500である。なぜなら得られる硬化した接着剤の熱ホールドは、Mnが3000より小さいときよりも遙に大きいからである。用語「熱ホールド」とは、ここでは、高い温度(例えば150℃)での硬化されたPSAの接着強さと、定義される。
【0015】
成分(i)は、周知の方法で調製される。US−A3627851及びUS−A3772247で修正されたUS−A2676182のシリカヒドロゾルキャッピング法により、これは、好ましくは調製される。これらの方法は、有機溶媒、例えばトルエン又はキシレンを用い、溶液を与える。この場合、前記樹脂は一般にはヒドロキシル基の含量が樹脂固形分の重量を基準にして少なくとも1.2wt%であり、この値は、好ましくは2.5〜4.5wt%(FTIRで決定)である。得られる樹脂は、更なる修飾なしに(例えば、ヒドロキシル基の量を減らす為の更なる加工ステップの必要なしに)、本発明の組成物に使用できる。
【0016】
本発明の成分(ii)は、その各末端基がケイ素に結合した炭素原子数1〜4のアルコシキ基を少なくとも2つ含む少なくとも1種のジオルガノポリシロキサンポリマーである。ジオルガノポリシロキサン(ii)の反復単位は、R2 SiO2/2 シロキシ単位であり、ここにRは成分(i)について上に述べたのと同じ炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基から独立に選ばれる。成分(ii)は、単一のジオルガノポリシロキサン又は2種以上の異なるジオルガノポリシロキサンの混合物からなりうる。このポリマー又はポリマーブレンドは、25℃での粘度が約20〜100,000mPa・s(センチポイズ〔cP〕)、好ましくは350〜60,000mPa・s(cP)であるべきである。成分(ii)の鎖に沿う有機基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも85%がメチル基であることが好ましく、この基はジオルガノポリシロキサン中にどんな態様で分布していても良い。更に、成分(ii)は、上述の粘度の要件を満たせば、10モル%までのシロキサン分岐部位を含み得る。そのような分岐点から出る側鎖は、上述のアルコキシ基を含んでいてもよい末端単位を持つ。
【0017】
ジオルガノポリシロキサン(ii)の末端単位は、一般的なアルコキシ官能基の形態Ra (R”O)3-a SiG−(ここに、Rは上に定義したものであり、R”は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Gはこの末端単位のケイ素原子をポリマー鎖のケイ素原子に結合する2価の基を表し、aは0又は1である。)を有する。
【0018】
Gは任意の2価の基又は原子を表し、この2価の基又は原子は加水分解性でなく、この末端アルコキシ官能単位がこの組成物の硬化中に離れないように及び硬化反応が悪影響を受けないように、ポリマー( ii )の主鎖に末端アルコキシ官能単位を結合する。Gで表される加水分解安定な結合基は、酸素、炭化水素基、例えばアルキレン及びフェニレン並びに酸素、窒素及び硫黄から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む炭化水素基を含む。結合基Gについての適当な構造としては、−(OSiMe2 )CH2 CH2 −、−(CH2 CH2 SiMe2 )(OSiMe2 )CH2 CH2 −、−(CH2 CH2 SiMe2 )0−、−(CH2 CH2 SiMe2 )(OSiMe2 )O−、−(CH2 CH2 SiMe2 )CH2 CH2 −、−CH2 CH2 −、−(OSiMe2 )O−及び−O−がある。好ましい末端基の具体例としては、(MeO)3 SiCH2 CH2 −、(MeO)3 SiO−、Me(MeO)2 SiO−、(EtO)3 SiO−、(MeO)3 SiCH2 CH2 SiMe2 O−及び(MeO)3 SiCH2 CH2 Si(Me2 )OSi(Me2 )CH2 CH2 −があるが、これらに限られない。ここに、Etはエチル基を表し、以下同様である。その様な末端基を持ったジオルガノポリシロキサンポリマーの調製は、EP−A1 0529841に記載されている。代表的な式(MeO)3 SiO−及びMe(MeO)2 SiO−で示される湿分反応性基は、当技術分野で周知であるように、それぞれ式(MeO)4 Si及びMe(MeO)3 Siで示される化合物により、シラノール末端のジオルガノポリシロキサン中に導入される。
【0019】
本発明の非常に好ましいジオルガノポリシロキサン(ii)は、式(MeO)3 SiCH2 CH2 Si(Me2 )OSi(Me2 )CH2 CH2 −、(MeO)3 SiO−又はMe(MeO)2 SiO−で示される構造を有する基を末端基とするポリジメチルシロキサンである。
【0020】
本発明のシラン(iii)は、式R’4-y SiXy (ここに、R’は炭素原子数1〜6の炭化水素基及び置換炭化水素基から選ばれる)で表される。ここに、Xは加水分解性の基であり、好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ケトキシム基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びアセトキシ基から選ばれ、yは2〜4、好ましくは3〜4である)で示される。前記ケトキシム基は、一般式−ONC(R'")2 (ここに、R'"は独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)で示される。好ましいシランの具体例を挙げれば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)−シラン及びビニル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シランがある。
【0021】
前記触媒(iv)は、湿分に曝したとき本発明組成物の硬化を促進するのに用いられる。ケイ素上のアルコキシ基の加水分解とそれに続く縮合を促進するものとして当技術分野で公知の化合物から選ぶことができる。適当な硬化触媒には、カルボン酸の4価の錫塩、例えばジブチル錫ジラウレート及び有機チタン化合物、例えばテトラブチルチタネート及びこれらの塩のキレート化剤、例えばアセト酢酸エステル及びベータ−ジケトンによる部分的キレート化誘導体が含まれる。
【0022】
本発明のホットメルトPSA組成物は、ジオルガノポリシロキサンポリマー( ii )に対する樹脂(i)の重量比が、40:60〜80:20、好ましくは50:50〜70:30、最も好ましくは55:45〜65:35であるとき得られる。これらの系を形成する為の正確な割合は、与えられた樹脂とオルガノポリシロキサンポリマーとの組み合わせについて、この明細書の開示に基づく常套的実験により確定することができる。この比が40:60より小さいときは、この組成物は、非崩壊性を示さない液体である。この比が80:20より大きいときは、この組成物は、硬化によって脆い物質を生じる傾向が増す(即ち、それらはエラストマーを生じない)。「非崩壊性」とは、60cm3 のジャーにその容量の1/3だけその材料で満たし、室温(即ち、25℃)で片側に倒したとき、20分以内に本質的に何の流れも観察されない程度に固体であることをいう。これは、1ラジアン/秒で測定したときの、2×10 7 〜8×10 8 mPa・s(cP)の範囲内の最小室温動的粘度(dynamic viscosity)に対応する。本発明のホットメルト組成物は、高い温度で流れ、従来のホットメルトガンから容易に押し出される(例えば、動的粘度は好ましくは200℃以下で104 mPa・s(cP)のオーダーである)。
【0023】
前記組成物に安定性を与えるのに充分な量で、シラン(iii)がこの組成物中に用いられる。即ち、アルコキシ官能性ポリマーを用いる組成物は硬化し、また、本発明の一般的なパラメーターに適合できるとしても、その組成物に安定性を与え、手頃な期間、例えば数カ月、ゲルを生ずることなく貯蔵できるようにするためには少量のシランが必要である。シラン(iii)がアルコキシ官能性シランであるときは、樹脂(i)上のヒドロキシル官能基に対するシランのモル比は、少なくとも0.1、好ましくは0.8〜2.5であるべきであることが見出された。シラン(iii)がケトキシム、アセトアミド、N−メチルアセトアミド又はアセトキシ−官能性シランであるときは、樹脂(i)上のヒドロキシル官能基に対するシランのモル比は少なくとも0.3、好ましくは0.6〜1.5であるべきである。ヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンが現場プロセスでアルコキシ官能基でキャップされるときは、加えられるべきシラン(iii)の量は、ポリジオルガノシロキサン( ii )上のヒドロキシル官能基の全てをキャップするに必要なアルコキシ官能性シランの量を超える過剰量であるべきことが理解されよう。
【0024】
最後に、このPSA組成物の硬化を促進するために充分な量の触媒(iv)が加えられる。この量は常套的な実験を通して、当業者によって容易に決定できる。典型的には、樹脂とポリマー固形分の合計量を基準として、これは一般には0.01〜3wt%である。
【0025】
本発明の諸成分の添加の順序は得られるPSA組成物の最終的な性質に相当な影響を与える。好ましい手順においては、アルコキシ官能性ポリジオルガノシロキサン(ii)を、樹脂(i)、シラン(iii) の少なくとも一部及び好ましくは触媒( iv )の一部の有機溶媒溶液と混合する。用いられる溶媒は、好ましくは上述のような樹脂成分を調製するのに用いられるものである。この混合物を反応させる(例えば、20〜110℃で、1〜24時間)。次いで、溶媒をストリップして除き、本質的に溶媒のない組成物を得る。次いで、シラン及び触媒の残りの部分を、このストリップした生成物に加える。上述のストリッピング(脱蔵)は、この混合物をバッチ操作で真空下に加熱、例えば90℃〜150℃及び1.3kPa(10mmHg)未満で加熱することにより、効果的に達成される。溶媒の除去は公知の方法、例えば不活性ガスの流れとの接触、蒸発、蒸留、薄膜ストリッピング等のいずれによっても達成できる。全ての成分を脱蔵するときは、過度に高い温度は避けるべきである。200℃、好ましくは150℃の温度を超えるべきでない。
【0026】
アルコキシ官能性ポリジオルガノシロキサンは、ヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンをアルコキシ官能性シランと反応させることによりヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンから調製できる。この反応は、アルキルチタネートのような適当な触媒の存在下に一般に行われる。反応が有用な速度で進行するように、この混合物の加熱が必要な場合がある。これに代えて、ヒドロキシル官能性ジオルガノポリシロキサンを、樹脂(i)の溶液の存在下、及び好ましくは触媒、例えばオクタン酸第1錫、塩基又はテトラブチルチタネートの存在下に、現場でアルコキシシランと反応させてキャップすることができる。触媒が、Sn( II )塩であるときは、この触媒を溶媒のストリップによる除去の前に適当な薬剤で失活させる。同様に、現場触媒が塩基、例えば炭酸カリウムであるときは、溶媒をストリップ除去する前にこの塩基を中和する。脱蔵の後、触媒(iv)を加えて、調製を終える。
【0027】
勿論、上記過程は、組成物の時期尚早な硬化を防ぐために湿分の不存在下に行わなければならないことが理解される。これはまた、組成物の次の段階の貯蔵にも当てはまる。
【0028】
一般に、少量の任意成分を本発明の組成物に加えることができる。例えば、本発明で要求される条件を実質的に変えない限り、酸化防止剤、顔料、安定剤及び充填材を加えることができる。
【0029】
本発明のホットメルトPSA組成物は、有機ホットメルト配合物を施すために現在用いられている方法(例えば、ホットメルトガン、スプレー、押し出し、加熱されたドローダウンバー(draw−down bar)による塗布、ドクターブレード又はカレンダーロール)により、種々の基体に適用できる。これらの方法に共通のファクターは、この組成物が適用の前に流れが引き起こされるに充分な温度に加熱されることである。周囲温度に冷却すると、本発明の組成物は部材又は基体を互いに結合するのに使用できる粘着性、非崩壊性のPSAとなる。これに代えて、この結合は、この接着剤が未だ熱い間に起こってもよい。しかしながら、後者はこれらの条件下ではそれ程大きな応力に耐えられない。従って、PSAが冷却されるまで結合された部材はその場所に保持されねばならないであろう。望みの部材を本発明のPSAで結合した後に、この組み合わせを周囲の空気に曝し、PSAを硬化させて本質的に非粘着性エラストマーとする。ここに、「本質的に非粘着性の」とは、表面が測定できる程の粘着性を示さず、触ってみて乾燥しているか、又は殆ど乾燥している感じを与えることを示す。この硬化プロセスの完了に必要な時間は、触媒の種類、触媒量、温度及び湿度に依存して、約1日から1か月以上にわたる。この硬化の結果、本発明組成物の接着強度は大いに増大させられる。
【0030】
本発明の組成物は、現在シリコーンPSA及び/又は有機ホットメルト接着剤が奉仕しているのと同じ多数の用途、特に、自動車、エレクトロニクス、建築、航空及び医療のような産業に用途がある。これらの用途領域では、本発明のPSAは厳しい条件の環境、例えば熱及び湿分に抵抗性を示す結合を与える。
【0031】
【実施例】
本発明の組成物を更に説明するために以下の例を示すが、本発明は特許請求の範囲に正確に記述されている。特に断らない限り、例中の全ての部及びパーセンテージは、重量基準であり、全ての測定は25℃で得られたものである。
【0032】
引用を容易にするために、アルファベット順で掲記した以下の成分を、例中で用いた。
流体A=重合度400、粘度2000mPa・s(cP)の、トリメトキシシロキシでキャップしたポリジメチルシロキサン流体。
流体B=重合度400、粘度2000mPa・s(cP)の、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン流体。
流体C=重合度40、粘度70mPa・s(cP)の、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン流体。
流体D=重合度400、粘度2000mPa・s(cP)の、トリエトキシシロキシでキャップしたポリジメチルシロキサン流体。
流体E=重合度870、粘度11000mPa・s(cP)の、メチルジメトキシシロキシでキャップしたポリジメチルシロキサン流体。
流体F=式−CH2 CH2 Si(Me)2 OSi(Me)2 CH2 CH2 Si(OMe)3 (ここに、Meはメチル基である(以下同様))の単位を末端基とする粘度2000mPa・s(cP)のポリジメチルシロキサン流体である。
流体G=粘度52mPa・s(cP)の、メチルジメトキシシロキシでキャップしたポリジメチルシロキサン流体。
流体H=重合度400、粘度2000mPa・s(cP)の、メチルジメトキシシロキシでキャップしたポリジメチルシロキサン流体。
【0033】
IBTMS=イソブチルトリメトキシシラン。
MTM=メチルトリメトキシシラン。
MTO=式MeSi(ON=C(Et)Me)3 (ここにEtはエチル基である)で示されるメチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン。
【0034】
樹脂1=モル比0.63:1のトリメチルシロキシ単位及びSiO4/2 単位から本質的になり、ケイ素に結合したヒドロキシル基の含量が3.7wt%であり、数平均分子量(Mn)が5000である固体MQ樹脂の72%キシレン溶液。
樹脂2=樹脂1の62%キシレン溶液で、この樹脂がトリメチルシロキシ基でキャップされて、残留するケイ素に結合したヒドロキシル基の含量が0.8wt%であるもの。
樹脂3=トリメチルシロキシ単位及びSiO4/2 をモル比1.1:1で含み、ケイ素に結合したヒドロキシル基の含量が3.2wt%であり、Mnが2700である固体MQ樹脂の81%キシレン溶液。
【0035】
TBT=テトラ−n−ブチルチタネート。
TDIDE=2,5−ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセテート)チタニウム。
TEOS=テトラエトキシシラン。
【0036】
35℃のVarian TSK 4000+2500カラム及び1mL/分のクロロフォルム移動相を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、上述の樹脂の数平均分子量を測定し、Si−O−Siを検出するために、IR検出器を9.1μm に設定した。標準物質として類似の樹脂の狭い画分を用いて前記GPCを校正した。ここに報告するMn値は、樹脂成分中に存在する全てのネオペンタマー、(Me3 SiO)4 Siを除外する。
【0037】
樹脂のトリメチルシロキシ/SiO4/2 比を、29Si NMRで測定した。この場合、報告した結果は樹脂中に存在する全てのネオペンタマーを含む。
【0038】
接着性試験
PSA組成物の接着強さは、プラスチックの箱の構造体を用いて周囲条件下に硬化時間の関数として測定した。この箱の構造体は、4つの一体成形した側壁及び取り外し可能な、成形体に適合する底板から成っていた。この箱は、幅3.5cm×長さ6cmの概して長方形の断面を持ち、壁高さ1.5cmであり、壁厚さ5mmであった。各側壁は、その底部の内部端に沿って幅3mmの窪んだ段があって前記底板を受け取るようになっており、この底板を前記段に設置するとその外部表面が、前記端部と同一平面になるようになっていた。
【0039】
典型的な接着性評価において、この板を取り外し、溶融したPSAの薄いビーズ(bead)を、加熱した金属カートリッジ(約150℃)から前記幅3mmの段に沿って押し出した。底板を前記段の上の接着剤に接触するように所定の場所に押し込み、こうして頂部の開いた箱を作った。更に、この箱はその相対する壁の2つに外部突起を持ちこれを特別のジグにはめ込み、一方では底板をアーバプレス(arbor press)装置のラム(ram)で押し出した。この装置は加えられた力を測定できるように校正されたものであった。底板を壁の区画から押し出すに必要な力を記録し、同じ箱構成について周囲条件下に種々の貯蔵時間で試験をくり返し、接着力及びその硬化による改善を評価した。
【0040】
実施例1
流体A(26.6g)、16.2gのフェニルトリメトキシシラン、0.35gのTBT及び60.2gの樹脂1を、三口反応フラスコ中で完全に混合した。得られた混合物を、1.3kPa(10mmHg)未満の減圧下に、温度を130℃に増して脱蔵した。この温度を更に15分間維持した。一旦脱蔵したら、この系を乾燥窒素ガスを用いて大気圧に戻した。追加のTBTを入れ(MTM中10%溶液3.85g)、溶融した生成物中に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は0.9であった。この組成物を清浄な金属カートリッジに移し、箱構造体に適用し、上述のように試験した。
【0041】
【0042】
実施例2
流体A(76.0g)、47.6gのIBTMS、1.04gのTBT及び172.0gの樹脂1を、三口反応フラスコ中で完全に混合した。得られた混合物を加熱し、60℃で45分間維持し、その後実施例1に述べたようにして脱蔵した。次に、この系を乾燥窒素ガスを用いて大気圧に戻した。追加のTBT(MTM中14.3%溶液7.0g)を、溶融した生成物中に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は1.0であった。この組成物を金属カートリッジに移し、箱に適用し、上述のように試験した。
【0043】
【0044】
実施例3
この例は、2つの異なるヒドロキシル官能性流体を現場プロセスでキャップした本発明の組成物を説明する。
反応フラスコに133.1gの樹脂1、45.8gのTEOS、29.9gのMTM、16gの流体B、48gの流体C及び0.0016gの炭酸カリウムを装填した。この組み合わせを混合し、115℃で24時間反応させ、そして0.48gの1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール・0.5水和物(炭酸カリウムを中和するためのもの)を115℃でさらに30分かけて混合した。次いで、得られた混合物をろ過して粒状物及びカリウム塩を除き、ガラス容器に回収した。この生成物の一部(99.7g)を実施例1と同様にして脱蔵し、0.34gのTBTを溶融した生成物中に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であった。次いで、この物質を金属カートリッジに移し、前述のようにして試験した。
【0045】
【0046】
実施例4
樹脂1(61.6g)を9.96gのTEOS及び25.21gの流体Dに完全に混合し、この混合物を110℃に加熱した。この組合せを0.18gのオクタン酸第1錫触媒を用いて1時間反応させ、次いで0.18gのメルカプトプロピルトリメトキシシランを混合して前記錫触媒を失活させた。この系の圧力を0.27kPa(2mmHg)に減じ、反応混合物を150℃でストリップし、そして0.35gのTDIDEをこの混合物中に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は64/36であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は0.5であった。この生成物を回収し、先に述べたようにして試験した。
【0047】
【0048】
2分後、25分後及び1時間後に試験した箱構造体を、これらの試験の後直ちに押し込んで元に戻し、周囲空気に追加の7日間曝し、再試験した。これらのサンプルについての以下に示す接着強さは、本発明の組成物が与える長い「開放時間」を明らかにする。ここで用いられているように、開放時間は、周囲条件下に組成物がそのPSA性を保持する(即ち、さ程硬化しない)時間を表す。
【0049】
【0050】
実施例5
流体D(21.2g)を11.9gのフェニルトリメトキシシラン及び0.26gのTBTに完全に混合し、44.1gの樹脂1をこれに加えた。得られた混合物を加熱し、60℃に約1時間維持し、そこでこの混合物を1.3kPa(10mmHg)未満の減圧下に温度を150℃に上げて脱蔵した。前の様にして、窒素を導入して真空を破り、溶融した生成物に0.26gのTDIDEを分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は0.88であった。次いで、この様にして形成したPSAを金属カートリッジに移し、前のようにして試験した。
【0051】
【0052】
実施例6
反応フラスコに133.1gの樹脂1、45.8gのTEOS、29.9gのMTM、16gの流体B、48gの流体C及び0.008gの炭酸カリウムを装填した。この混合物を加熱し、115℃に2.5時間維持し、この加熱の後0.2gの1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール・0.5水和物を115℃で30分かけてさらに混合した。得られた生成物を室温まで放冷して、ガラス容器に移した。この生成物(112.5g)を実施例3と同様にして脱蔵し、0.38gのTBTをその中に分散させた。この組成物の樹脂/ポリマー比は60/40であった。
このストリップしたPSAを金属カートリッジに回収し、前述のようにして試験した。
【0053】
【0054】
実施例7
樹脂3(60.4g)、33.0gのTEOS、14.0gの流体E及び0.35gのTBTを混合し、次いで約0.27kPa(2mmHg)/150℃で脱蔵した。この組成物の樹脂/ポリマー比は80/20であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は1.5であった。次いで、この脱蔵した混合物を回収し、上に述べたようにして試験した。
【0055】
【0056】
実施例8
樹脂1(86.0g)を、23.8gのIBTMS及び38.0gの流体Fに完全に混合した。次いで、約0.5gのTBTをこの混合物に分散させ、内容物を約60℃に加熱しその温度に約1時間維持した。次いで、この混合物を実施例1のようにして脱蔵し、MTM中の14%TBT溶液3.1gをこの溶融した生成物に分散した。この組成物の樹脂/ポリマー比は62/38であり、樹脂のシラノールに対するシランのモル比は1.0であった。この物質をメタルカートリッジ中に回収し、先の様にして試験した。
【0057】
【0058】
本発明の上記PSAの全ては25℃で非崩壊性の固体であり、ホットメルトガンから150℃で容易に押し出しできた。これらの全ての組成物は、周囲の湿気を含んだ空気に曝すことにより硬化して非粘着性のエラストマーになった。
【0059】
比較例1
樹脂2(67.4g)を28gの流体Dに完全に混合し、この混合物を1.3kPa(10mmHg)未満の減圧下で150℃以下の温度で脱蔵した。真空を窒素ガスで破り、0.2gのTBTを溶融した生成物に分散させ、樹脂/ポリマー比60/40のPSAを得た。次いで、この物質をメタルカートリッジ中に回収し、先のようにして試験した。
【0060】
【0061】
この非崩壊性系の接着力は許容できるものであったが、樹脂のキャッピング(capping)が、このPSAの形成における余分なステップとなっている。更に、この硬化された系は、本発明の組成物と相違して周囲条件で硬化した後も幾らかの粘着性を保持していた。
【0062】
比較例2
上に引用したJP−A4/81487の記載に従って一連の組成物を調製した。但し、低シラノール樹脂を本発明の樹脂1で置き換えた。このシリーズで用いられたポリマーは流体Aであり、用いたケイ素上の加水分解性基に対する樹脂のSiOHのモル比を表1に示す。ジブチル錫ジメトキサイドを、固形分を基準として0.1%の量、各配合物に加えた。錫触媒を加えると、溶液から白いゲル粒子が直ちに沈殿し始め、それらを再分散させることはできなかった。
【0063】
前記日本国公開特許公報に開示されたキャップした樹脂を本発明のキャップしていない樹脂で直接置き換えることはできないことを、この例は示している。更に、キャップした樹脂(樹脂2)を用い、ポリマーに対する樹脂の比を60/40としてこの実験をくり返すと、得られたストリップされた生成物は、硬化したときPSAとして残り、これは硬化して非粘着性エラストマーとなる本発明の組成物と対照的である。
【0064】
【0065】
比較例3
この例は、本発明のPSA組成物と、上に引用したEP−A1 0529841に開示されたものとの差異を明らかにする。
33.42gのMTM中のTBT0.13gの予備混合物を、キシレン中のヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンガム(ASTM 926で測定して、可塑性=37.5ミル=0.95mm)の26.2%溶液180.1gと、72.48gの樹脂3との混合物中に分散させた。この混合物を加熱し、60℃に3時間維持し、次いで1.3kPa(10mmHg)未満の減圧下、90℃でストリップして樹脂/ポリマー比が55/45で、樹脂のシラノールに対するシランのモル比が2.2のPSAを得た。次いで、この脱蔵した物質をメタルカートリッジに移し、先のようにして試験した。
【0066】
【0067】
PSAのポリマー成分として高分子量ガムを用いる組成物は、本発明組成物について得られるような高い接着力値を与えないこと、特に、短い接触時間ではそうであることを、この例は示している。
【0068】
表2に示すPSAで貼り合わせた箱構造体を、その最高結合強度に硬化した後(別の実験で測定した、周囲条件での2〜4週間)150℃の炉中に置いた。これらサンプルのそれぞれを30分後に炉から取り出し、直ちに上述の方法に従って押し出し力について試験した。その結果を表2に示す。
【0069】
【0070】
本発明の組成物の樹脂成分のMnが3000より大きいとき(実施例4及び5)、高温での接着強度、ここでいう「熱ホールド」は、樹脂のMnがこの値よりも低い配合物(実施例7)に較べて大いに増大することが、表2から見て取ることができる。更に、この熱ホールド値は、比較例1のように、樹脂が非反応性成分でキャップされているときも、大いに小さくなる。
【0071】
本発明のシラン成分の安定化効果を明らかにするために、以下の実験を行った。
流体G(22.5g)を38.1gの樹脂1と完全に混合した。この溶液のアリコート5gに、充分な量のTEOSを加えてシラン/SiOHモル比を表3に示すようなものとした。1滴のTBTを各溶液に加え、その後室温で一夜混合した。得られた溶液を室温で貯蔵し、粘度変化及び最終のゲル化を監視した。その結果を表3に示す。
【0072】
【0073】
本発明の系に安定性を与えるについて、種々のシラン(MTO)の有効性を明らかにするために、上記実験を繰り返した。その結果を表4に示す。
【0074】
【0075】
樹脂/流体ブレンドの安定性に対する流体の分子量の影響を明らかにするために他の同様なシリーズの実験を行った。
【0076】
アルコキシ官能性流体に基づく組成物は硬化はするけれども、それらの組成物の安定性は、幾らかの、本発明のシランの添加がなければ不充分であることを、上記例は証明している。
Claims (11)
- (i)R3 SiO1/2 シロキサン単位及びSiO4/2 シロキサン単位を含んでなる周囲温度よりも高い軟化点を有するヒドロキシル官能性オルガノポリシロキサン樹脂であって、前記SiO4/2 シロキサン単位に対する前記R3 SiO1/2 シロキサン単位のモル比が0.5/1〜1.2/1の値を取り、Rが炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれ、ヒドロキシル含量が1.2〜6wt%であるもの;
(ii)その各末端基がケイ素に結合した炭素原子数1〜4のアルコキシ基またはヒドロキシル基を少なくとも2つ含み、25℃での粘度が20〜100,000mPa・s(センチポイズ)であるジオルガノポリシロキサンポリマー、又は現場でキャップされたジオルガノポリシロキサンポリマー;
(iii)式R’4-y SiXy (ここに、R’は炭素原子数1〜6の炭化水素基及び置換炭化水素基から選ばれ、Xは加水分解性基であり、yは2〜4である)で示されるシラン;並びに
(iv)前記組成物の硬化を促進するに充分な触媒;
を含んでなる湿分硬化性ホットメルトシリコーン感圧接着剤組成物であって、前記ジオルガノシロキサンポリマー(ii)に対する前記オルガノシロキサン樹脂(i)の重量比が40:60〜80:20であり、前記組成物は無溶媒であり、25℃で固体であり、1ラジアン/秒で測定した場合の25℃での最小動的粘度が2×107 〜8×107 mPa・s(cP)であり、湿分に曝すと硬化して非粘着性のエラストマーとなる湿分硬化性ホットメルトシリコーン感圧接着剤組成物。 - 前記樹脂(i)のRがメチルであり、前記ジオルガノポリシロキサン(ii)がポリジメチルシロキサンである請求項1記載の組成物。
- 前記シラン(iii)のXが炭素原子数1〜4のアルコキシ基である請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記シラン(iii)のXがアセトキシ基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基及びケトキシム基から選ばれる請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記ジオルガノポリシロキサン(ii)の末端基が、構造(MeO)3 SiO−、Me(MeO)2 SiO−、(MeO)3 SiCH2 CH2 SiMe2 O−及び−CH2 CH2 Si(Me)2 OSi(Me)2 CH2 CH2 Si(OMe)3 (ここに、Meはメチル基を表す)から選ばれる請求項3又は4記載の組成物。
- 前記ジオルガノポリシロキサン(ii)に対する前記樹脂(i)の重量比が50/50〜70/30であり、前記ジオルガノポリシロキサン(ii)の粘度が、25℃で350〜60,000mPa・s(cP)である請求項5記載の組成物。
- 前記シラン(iii)が、そのアルコキシ基に1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ官能性シランであり、このシラン(iii)が前記樹脂(i)上のヒドロキシル官能基に対する前記シランのモル比で少なくとも0.1となるのに充分な量で使用される請求項1記載の組成物。
- 前記樹脂(i)の数平均分子量が3000〜15,000であり、前記樹脂(i)のヒドロキシル含量が2.5〜4.5wt%である請求項7記載の組成物。
- 前記シラン(iii)が、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランから選ばれる請求項8記載の組成物。
- 前記ジオルガノポリシロキサン(ii)に対する前記樹脂(i)の重量比が55/45〜65/35である請求項8記載の組成物。
- 前記シラン(iii)が、メチル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン及びビニル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シランから選ばれる請求項4記載の組成物。
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