JP3625365B2 - シート材給送装置及び画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材を一枚ずつ順次分離給送するシート材給送装置に関し、詳細には、例えばプリンタ、複写機等の画像処理装置に用いられるシート材給送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機等の画像処理装置に用いられるシート材給送装置としては、例えば、図5に示すようなシート材給送装置201 がある。このシート材給送装置201 は、複写機等の画像処理装置の処理部(例えば、複写機の画像形成部)に向けてシート材202 を一枚ずつ順次供給する。図5に示すように、シート材給送装置201 は、図示しない積載台上に複数枚のシート材202 が積み重ねられて収納されたシート材収納装置203 から最上層のシート材202 を一枚ずつ給送するピックアップローラ205 と、このピックアップローラ205 によりシート材収納装置203 から給送されたシート材202 を前記処理部(図示矢印b方向)へ向けて搬送するフィードローラ206 と、このフィードローラ206 に対向配置されてシート材収納装置203 から給送されたシート材202 が複数枚の場合にはフィードローラ206 の回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材202 に分離するためのリタードローラ207 と、分離された一枚のシート材202 を前記処理部に搬送するための搬送ローラ対209 とを具備している。
【0003】
また、ピックアップローラ205 とフィードローラ206 及びリタードローラ207 との間のシート材通過領域210 にはガイド211 が配置され、フィードローラ206 及びリタードローラ207 と搬送ローラ対209 との間、及び搬送ローラ対209 と前記処理部との間にはガイド212 が配置され、それぞれシート材202 が案内搬送されるようになっている。
【0004】
上記フィードローラ206 及びリタードローラ207 は図6に示す駆動伝達装置213 によって駆動される。図6に示すように、駆動伝達装置213 には、フィードローラ206 を軸支するフィードローラ軸215 と、リタードローラ207 を軸支するリタードローラ軸216 及びこのリタードローラ軸216 に連結されたリタードローラ駆動軸217 が略平行に設けられている。リタードローラ軸216 は図示しない揺動自在な支持部材に支持されてフィードローラ軸215 に対して平行に接離可能となっている。また、リタードローラ軸216 とリタードローラ駆動軸217 との間にはカップリング219 及びトルクリミッタ220 が配置されている。更に、フィードローラ軸215 の端部には、図示しないメイン駆動手段から駆動入力ベルト221 を介して伝達された駆動力をフィードローラ軸215 に伝達する電磁クラッチ222 が設けられている。また、フィードローラ軸215 とリタードローラ軸217 との間には、フィードローラ軸215 に伝達された回転駆動力をリタードローラ駆動軸217 に伝達するリタード駆動ベルト223 が巻き掛けられている。尚、カップリング219 はリタードローラ207 が変位しても、駆動をリタードローラ駆動軸217 からリタードローラ軸216 に伝達するためのものである。
【0005】
上記駆動伝達装置213 によるフィードローラ206 及びリタードローラ207 の駆動について説明する。図示しないメイン駆動手段から与えられた回転駆動力は駆動入力ベルト221 に伝達され、給紙タイミングに応じてON−OFF制御される電磁クラッチ222 のアマチュア部に設けられたプーリ225 に入力される。ここで、電磁クラッチ222 のロータ部と一体に回転するフィードローラ軸215 とリタードローラ駆動軸217 及びリタードローラ軸216 はリタード駆動ベルト223 によって連結されているので、フィードローラ軸215 とリタードローラ軸216 及びリタードローラ駆動軸217 は同方向に回転し、フィードローラ206 とリタードローラ207 は給紙タイミングON時に同期して回転駆動される。
【0006】
上記駆動伝達装置213 によりシート材202 が給送方向(図5及び図6に示す矢印b方向)に一枚ずつ送られる際、リタードローラ207 は、フィードローラ206 とシート材202 との間の摩擦力によりトルクリミッタ220 が空転して、リタードローラ217 の駆動回転方向と逆方向(給送方向)に回転する。また、複数枚のシート材202 が給送された際は、リタードローラ207 とシート材202 との間の摩擦力に対して複数枚のシート材202 間の摩擦力が小さいことからトルクリミッタ220 は空転せずに、リタードローラ207 はリタードローラ駆動軸217 の回転駆動方向と同方向(給送方向と逆方向)に回転する。これにより、複数枚送られたシート材202 の中のフィードローラ206 側、即ち最上部のシート材202 とそれ以外のシート材202 とを分離し、前記処理部へのシート材202 の重送を防止するようになっている。
【0007】
次に、上記構成のシート材給送装置201 によるシート材202 の給送、分離条件を満足する理論式について説明する。下式において、μAPはピックアップローラ205 とシート材202 間の摩擦係数、μBPはフィードローラ206 とシート材202 間の摩擦係数、μCPはリタードローラ207 とシート材202 間の摩擦係数、μAPP はピックアップローラ205 加圧部下のシート材202 間の摩擦係数、μBPP はフィードローラ206 とリタードローラ207 とのニップ部のシート材202 間の摩擦係数、Nはリタードローラ207 の加圧力、Tはトルクリミッタ220 の空転トルク、rはリタードローラ207 の半径、Wはピックアップローラ205 の加圧力である。
【0008】
N>T/rμBP+(μAPP −μAP)W/μBP…(1)
N<T/rμBPP −2μAPP W/μBPP …(2)
N<T/rμCP…(3)
【0009】
上式(1)は給送条件、(2)は分離条件、(3)はリタードローラ207 のつれまわり条件をそれぞれ満足する式である。尚、上式中で同一のシート材を用いれば各ローラ加圧部の摩擦係数はさほど大きくばらつくことはないため、前記摩擦係数をμAPP ≒μBPP =μPPと置き換えると、上式(1)、(2)はそれぞれ下式(4)、(5)となる。
【0010】
N>T/rμBP+(μPP−μAP)W/μBP…(4)
N<T/rμPP−2W…(5)
【0011】
ここで、上式(3)、(4)、(5)の関係をリタードローラ207 の加圧力Nとトルクリミッタ220 の空転トルクTをパラメータとしてグラフ化したものを図7に示す。同図において、斜線部は前述の如きシート材の分離給送が適正に行われる給送領域である。この給送領域(斜線部)を拡大するためには、各ローラとシート材間の摩擦係数を大きくするかピックアップローラ205 の加圧力を小さくすることが必要となり、またリタードローラ207 の加圧力Nとトルクリミッタ220 の空転トルクTを共に大きくする方向(図中右上の方向)の条件下に給送条件を設定した方が給送領域(斜線部)は広くなることが理解できる。但し、トルクリミッタ220 の空転トルクをむやみに大きくすると、ローラ駆動における負荷トルクが増大するため、適正給送領域(斜線部)の上限(図中右上の限界)もある程度の制約を受けることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年における画像処理装置の高速化、シート材の多様化に伴い、オールマイティな給送領域を設定することが困難になりつつある。即ち、各種シート材に対して重送を未然に防止すること、及びフィードローラとリタードローラの耐久性を十分確保することの両立が達成しにくくなってきている。具体的には、重送を防止するにはトルクリミッタの空転トルクを大きくしたり、リタードローラの加圧力を小さくすればよいのであるが、裏を返せば、この構成はフィードローラとリタードローラの耐久性を短くする方向に移行するわけである。
【0013】
また、上述した適正給送領域の理論式において、トルクリミッタの空転トルク及びリタードローラの加圧力はあくまで静的な値を前提にしているが、実際の給送装置(以下、「実機」ともいう)においてはトルクリミッタに付随するトルク発生源のリップル、リタードローラに付随するシート材搬送時の圧変動が必ず生じるため、実機から得られた適正給送領域は、理論式から得られた適正給送領域よりも狭くなるのが通常である。
【0014】
そこで、これらの対策として、近年の給送装置においては、トルクリミッタのトルク発生源をマグネットを用いた非接触タイプにして摺動部のリップルを軽減したり、リタードローラの材質を合成ゴムからスポンジ等の弾性体にしてシート材搬送時の振動に起因する圧変動を軽減する等の改良手法が用いられている。
【0015】
しかしながら、リタードローラの圧変動に関しては、リタードローラの支持機構、加圧機構等が異なる複数の給送装置に対する明確な対策手法が確立できていないのが現状である。
【0016】
ここで、実機におけるリタードローラの圧変動の一例を図8に示す。図中、横軸はシート材搬送における時間(Ts はフィードローラ及びリタードローラの駆動開始時)であり、縦軸はリタードローラの加圧力(リタード圧)を示す。図から明らかなように、ローラ駆動開始時のリタード圧の圧変動が支配的なことが理解される。これは、シート材搬送方向に駆動されるフィードローラとシート材戻し方向に駆動されるリタードローラが異なる方向に回転することから生ずるショックが、双方のローラ駆動が同時に連結した際のONショックに増長された結果に起因する。
【0017】
仮に、リタードローラにシート材戻し方向の駆動を入力しない構成のもの(トルクリミッタの空転トルクから発生するリタードローラ外周面の拘束力で複数枚搬送されたシート材をせき止めるだけの構成のもの)においては、前述した駆動開始時のショックはかなり軽減されることが実験的に証明されている。しかしながら、この構成においてはフィードローラとリタードローラのニップ部に挟持された複数枚のシート材を搬送方向と逆方向に戻すことができないため、前述した適正給送領域を拡大する手段としては採用できない構成のものになってしまっている。
【0018】
そこで、本発明の目的は、シート材搬送時におけるリタードローラの圧変動を軽減し、実機における適正給送領域の拡大を可能とすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、シート材を一枚ずつ順次分離給送するシート材給送装置において、シート材を搬送するフィードローラと、前記フィードローラの回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材に分離するリタードローラと、前記フィードローラを回転駆動するためのフィードローラ駆動手段と、前記リタードローラを回転駆動するためのリタードローラ駆動手段と、前記各駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングと異なる制御が行われ、更に、前記リタードローラの周速V 1 と前記フィードローラの周速V 2 との関係がV 1 ≦V 2 となるように構成したことを特徴とする。
【0020】
或いは、シート材を一枚ずつ順次分離給送するシート材給送装置において、シート材を搬送するフィードローラと、前記フィードローラの回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材に分離するリタードローラと、前記フィードローラを回転駆動するためのフィードローラ駆動手段と、前記リタードローラを回転駆動するためのリタードローラ駆動手段と、前記各駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングと異なる制御が行われ、更に、前記駆動手段の駆動開始制御は、駆動OFF状態から所定のスピードに達するまでを緩やかに立ち上げるスローアップ制御であることを特徴とする。
【0021】
具体的には、例えば、前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングよりも遅い制御が行われることを特徴とする。
【0023】
上記構成により、シート材搬送時におけるリタードローラの圧変動が軽減されるため、実機における適正給送領域を拡大することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を適用したシート材給送装置の実施の形態について具体的に説明する。尚、以下の説明では、画像処理装置に用いられるシート材給送装置を例示している。
【0025】
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係るシート材給送装置について図面を用いて詳しく説明する。尚、本実施形態では、画像処理装置としての複写機に用いられるシート材給送装置を例示している。
【0026】
以下の説明の順序としては、画像処理装置としての複写機について説明し、次にシート材給送装置について説明する。
【0027】
まず、図4を用いて画像処理装置の概略構成について説明する。本画像処理装置は、画像処理装置本体11の一側部に多量のシート材Sを積載収納した給送デッキ12を備えるほか、画像処理装置本体11内の下部に所定量のシート材Sを積載収納した複数の給送カセット13,14を備えている。
【0028】
そして、シート材Sを給送するための給送部としての給送デッキ12、及び各給送カセット13,14の設置部位にはそれぞれリタード分離方式の給送装置15,16,17が備えられている。この給送装置については後で詳しく説明する。
【0029】
給送デッキ12、及び給送カセット13,14内のシート材Sはそれぞれの給送装置15,16,17によって給送されると、まず回転停止しているレジストローラ対18に送られて、ここで斜行状態の矯正が行われる。
【0030】
次いで、処理手段である画像形成部を構成する感光体ドラム21上に形成される潜像とのタイミングをとって回転するレジストローラ対18により、感光体ドラム21と転写帯電器22との間に送られて、ここで感光体ドラム21上のトナー像が転写される。
【0031】
この後、シート材Sは搬送ベルト23により定着器24に送られて、ここで転写されたトナー像をシート面に定着させるための定着処理がなされる。
【0032】
本画像処理装置はシート材Sへの両面複写を行う両面複写モードと多重複写を行う多重複写モードを備えているが、通常複写モード(片面複写モード)の場合、定着処理後のシート材Sは内排出ローラ対26により機外の排出トレイ27上に排出される。
【0033】
また、両面複写モード及び多重複写モードの場合には、内排出ローラ対25又はスイッチバックローラ対29により再給送パス28及び両面搬送パス30を介して中間トレイ31上に一時的に積載収納される。
【0034】
そして、中間トレイ31上に収納されたシート材Sは再給送装置32により再び画像形成のためにレジストローラ対18に搬送され、以後片面複写と同一のプロセスを経て機外に排出される。
【0035】
次に、本発明を適用したシート材給送装置としての給送装置15,16,17、及び再給送装置32について説明する。尚、ここでは、給送装置15の構成を例示して説明するが、その他の給送装置16,17,32も適宜必要に応じて同様の構成としてもよいことは言うまでもない。
【0036】
本シート材給送装置15は、前述した画像形成部に向けてシート材を一枚ずつ順次分離給送するものであり、複数枚のシート材Sが積み重ねられて収納された給送デッキ12から最上層のシート材Sを一枚ずつ給送するピックアップローラ10と、このピックアップローラ10により給送デッキ12から給送されたシート材Sを画像処理装置本体内へ搬送するフィードローラ1と、このフィードローラ1に対向配置されて給送デッキ12から給送されたシート材Sが複数枚の場合にはフィードローラ1の回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材Sに分離するためのリタードローラ2とを具備している。
【0037】
更に図1に示すように、フィードローラ1を軸支するフィードローラ軸5と、リタードローラ2を軸支するリタードローラ軸6及びこのリタードローラ軸6に連結されたリタードローラ駆動軸7が略平行に設けられている。リタードローラ軸6は図示しない揺動自在な支持部材に支持されてフィードローラ軸5に対して平行に接離可能となっている。また、リタードローラ軸6とリタードローラ駆動軸7との間にはカップリング8及びトルクリミッタ9が配置されている。
【0038】
尚、カップリング8はリタードローラ2が変位しても、駆動をリタードローラ駆動軸7からリタードローラ軸6に伝達するためのものである。
【0039】
また、前記フィードローラ軸5の端部及び前記リタードローラ軸6に連結されたリタードローラ駆動軸7の端部には、それぞれ制御手段19によって駆動が独立して制御される駆動手段としてのモータ3,4が設けられている。
【0040】
前記フィードローラ206 及びリタードローラ207 の駆動について説明する。前記各モータ3,4によってフィードローラ軸5とリタードローラ軸6及びリタードローラ駆動軸7は同方向に回転する。ここで、図2に示すように、フィードローラ1は給紙タイミングON時に回転駆動されるが、リタードローラ2は前記フィードローラ1の駆動開始タイミングよりも遅く回転駆動される。
【0041】
そして、シート材Sが搬送方向(図1に示す矢印b方向)に一枚ずつ送られる際、リタードローラ2はフィードローラ1とシート材Sとの間の摩擦力によりトルクリミッタ9が空転して、リタードローラ2の駆動回転方向と逆方向(搬送方向)に回転する。また、複数枚のシート材Sが給送された際は、リタードローラ2とシート材Sとの間の摩擦力に対して、複数枚のシート材S間の摩擦力が小さいことからトルクリミッタ9は空転せずに、リタードローラ2はリタードローラ駆動軸7の回転駆動方向と同方向(搬送方向と逆方向)に回転する。
【0042】
これにより、複数枚送られたシート材Sの中のフィードローラ1側、即ち最上部のシート材Sとそれ以外のシート材Sとを分離し、画像処理装置本体内へのシート材Sの重送を防止するようになっている。
【0043】
ここで、図1からわかるように、フィードローラ1とリタードローラ2は各々フィードローラ駆動モータ3とリタードローラ駆動モータ4により独立して駆動制御可能な構成になっている。そして、前述したように、フィードローラ1は給紙タイミングON時に回転駆動されるが、リタードローラ2は前記フィードローラ1の駆動開始タイミングよりも遅く回転駆動される構成となっている(図2参照)。
【0044】
前述の如き駆動制御を行った時のリタードローラの圧変動の様子を図3に示す。図中、TF はフィードローラ駆動開始時、TR はリタードローラ駆動開始時を示す。図からわかるように、前述の如き駆動制御を行うことにより、従来の装置(図8参照)に比べて、駆動開始時のリタードローラ2の圧変動は軽減される。これは、前述の如く双方のローラ駆動開始タイミングをずらすことにより、シート材搬送方向に回転駆動されるフィードローラ1とシート材戻し方向(搬送方向と逆方向)に回転駆動されるリタードローラ2が異なる方向に回転することから生ずるショック、駆動連結時のショックが緩和されたためである。
【0045】
尚、リタードローラ2の駆動モータ4の駆動開始タイミングの遅れ量は、例えば、シート材の搬送速度が約500 mm/s程度の給送装置においては約20〜30ms程度に設定することが、リタード圧変動を最小限に押さえる最適系であることが確認されている。上記数値は例示であって本発明を限定するものではない。
【0046】
上述したように、リタードローラ2の駆動開始タイミングがフィードローラ1の駆動開始タイミングよりも遅い制御が行われることにより、シート材搬送時におけるリタードローラ2の圧変動が軽減されるので、実機における適正給送領域を拡大することが可能となる。
【0047】
更に、駆動開始時のショック対策として、前記リタードローラ2の周速V1 と前記フィードローラ1の周速V2 との関係がV1 ≦V2 となるように構成する、また前記モータ3,4の駆動開始制御を駆動OFF状態から所定のスピードに達するまでを緩やかに立ち上げるスローアップ制御とすることも有効な手段である。
【0048】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、リタードローラの駆動開始タイミングがフィードローラの駆動開始タイミングよりも遅い制御が行われる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばリタードローラの駆動開始タイミングがフィードローラの駆動開始タイミングよりも速い制御が行われる構成であっても良く、同様の効果を得ることができる。
【0049】
また前述した実施形態では、画像処理装置として複写機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスキャナ、プリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像処理装置であっても良く、該画像処理装置に用いられるシート材給送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【0050】
また前述した実施形態では、画像処理装置本体に対して着脱自在に装着されたシート材給送装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば画像処理装置が一体的に有するシート材給送装置であっても良く、該シート材給送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【0051】
また前述した実施形態では、記録対象としての記録紙等のシート材を処理手段である画像形成部に給送するシート材給送装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、読取対象としての原稿等のシート材を処理手段である読取部に給送するシート材給送装置に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0052】
また前述した実施形態では、記録方式として電子写真方式を例示したが、これに限定されるものではなく、例えばインクジェット方式等の他の記録方式であっても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リタードローラの駆動開始タイミングがフィードローラの駆動開始タイミングと異なる制御が行われるようになっているので、具体的には、例えば、前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングよりも遅い制御が行われるようになっているので、シート材搬送時におけるリタードローラの圧変動が軽減され、実機における適正給送領域を拡大することが可能となる。
【0054】
更に、駆動開始時のショック対策として、前記リタードローラの周速V1 と前記フィードローラの周速V2 との関係がV1 ≦V2 となるように構成する、また前記駆動手段の駆動開始制御を駆動OFF状態から所定のスピードに達するまでを緩やかに立ち上げるスローアップ制御とすることも有効な手段である。
【0055】
上述の効果はリタードローラの支持機構、加圧機構が異なる複数の給送装置において有効であることから、技術流用の面から非常に汎用性が高いと言える。
【0056】
また、低速から高速にかけて広範囲にわたる給送装置の信頼性を向上できた結果、シート材搬送においてポテンシャルの高い画像処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給送装置の概略構成を示す斜視図
【図2】本発明に係る給送装置の駆動信号図
【図3】本発明に係る給紙装置のリタードローラの圧変動図
【図4】画像処理装置の概略構成を示す模式断面図
【図5】従来の給送装置の断面図
【図6】従来の給送装置の斜視図
【図7】従来の給送領域図
【図8】従来の給送装置のリタードローラの圧変動図
【符号の説明】
S …シート材
1 …フィードローラ
2 …リタードローラ
3,4…モータ
5 …フィードローラ軸
6 …リタードローラ軸
7 …リタードローラ駆動軸
8 …カップリング
9 …トルクリミッタ
10 …ピックアップローラ
11 …画像処理装置本体
12 …給送デッキ
13,14…給送カセット
15,16,17…給送装置
18 …レジストローラ対
19 …制御手段
21 …感光体ドラム
22 …転写帯電器
23 …搬送ベルト
24 …定着器
25,26…内排出ローラ対
27 …排出トレイ
28 …再給送パス
29 …スイッチバックローラ対
30 …両面搬送パス
31 …中間トレイ
32 …再給送装置
Claims (4)
- シート材を一枚ずつ順次分離給送するシート材給送装置において、
シート材を搬送するフィードローラと、
前記フィードローラの回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材に分離するリタードローラと、
前記フィードローラを回転駆動するためのフィードローラ駆動手段と、
前記リタードローラを回転駆動するためのリタードローラ駆動手段と、
前記各駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングと異なる制御が行われ、
更に、前記リタードローラの周速V1と前記フィードローラの周速V2との関係がV1≦V2となるように構成したことを特徴とするシート材給送装置。 - シート材を一枚ずつ順次分離給送するシート材給送装置において、
シート材を搬送するフィードローラと、
前記フィードローラの回転方向と逆方向に回転して一枚のシート材に分離するリタードローラと、
前記フィードローラを回転駆動するためのフィードローラ駆動手段と、
前記リタードローラを回転駆動するためのリタードローラ駆動手段と、
前記各駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングと異なる制御が行われ、
更に、前記駆動手段の駆動開始制御は、駆動OFF状態から所定のスピードに達するまでを緩やかに立ち上げるスローアップ制御であることを特徴とするシート材給送装置。 - 前記リタードローラの駆動開始タイミングが前記フィードローラの駆動開始タイミングよりも遅い制御が行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート材給送装置。
- シート材を処理する処理手段と、該処理手段に対してシート材を給送する給送手段とを有する画像処理装置において、
前記給送手段として、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシート材給送装置を備えていることを特徴とする画像処理装置。
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JP33684797A JP3625365B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | シート材給送装置及び画像処理装置 |
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