JP3625223B2 - 仕上げ材間の接合部シール構造および接合部シール方法 - Google Patents

仕上げ材間の接合部シール構造および接合部シール方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は建築物に取り付けられる仕上げ材間の接合部シール構造および接合部シール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物に取り付けられる仕上げ材間の接合部のシール構造として以下のものが一般に用いられている。
【0003】
まず、建築物外壁に使用される外装材間の接合部シール構造を例にとって説明する。
【0004】
建屋の取り付け部材に複数枚取り付けられて、外壁を構築する外装材間の接合部シール構造として、一般には、接合部内に施され、接合部内を埋める湿式のシーリング材によるものが知られている。
【0005】
また、図7に示すような、ジョイナー80によって接合部内を埋めるものもある。ジョイナー80は、接合部内を埋める脚部82と、脚部82の下端に設けられた建屋への取り付け部84を有する断面I字状の乾式のものであり、予め建屋側の部材90に取り付けられ、ジョイナー80の脚部82を両側から挟み込むように、外装材82a,82bが建屋側の部材90に取り付けられることにより、外装材82a,82b間の接合部を埋める。
【0006】
一方、屋根部に使用される屋根仕上げ材間の接合構造においては、屋根という過酷条件のため、シーリング材からなる接合構造は耐久性の面で問題があり、一般には、野地板上に防水紙を敷き、その上に鉄板ルーフを取り付け、防水紙および鉄板ルーフ同士を接合部において一部重ね合わせる重ね構造が用いられていた。この場合、現場作業の簡略化、工業化促進という観点から、予め工場等で、仕上げ材を取り付けた屋根パネルを製造し、現場に搬送して組み立てるという工法が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記仕上げ材間の接合部構造の場合、以下のような問題が生じた。
【0008】
前述した外装材間の接合部を湿式のシーリング材によって埋める構造の場合、構築作業は、マスキング、ヘラ仕上げ等の処理作業が必要で工程数が多く、作業性が悪いという問題点があり、また湿式のシーリング材は、時間がたつとやせてきて見栄えが悪く、耐久性の面でも問題があった。
【0009】
次に、ジョイナー80により接合部内を埋める構造の場合、コストが高いという問題点があった。
【0010】
一方、屋根仕上げ材間の接合構造の場合、屋根パネルに取り付けられた防水紙および鉄板ルーフは、接合部において重ね合わせる分だけ屋根パネルの接合側端部より突出して取り付けられる。現場搬送の際に、この突出部分があるために作業性が悪く、搬送途中で防水紙が破損する恐れもあった。
【0011】
また、現場においても仕上げ材付き屋根パネルを、順番に仕上げ材を重ね合わせながら取り付けていく作業は高所であることもあり、煩雑な作業であった。
【0012】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたもので、その目的は、施工作業の簡略化が可能で、耐久性が高くかつコストの低い仕上げ材間の接合部シール構造および接合部シール方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、建築物に取り付けられる各仕上げ材間の接合部シール構造において、前記各仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、両仕上げ材の前記切欠き部と、建屋側の仕上げ材取り付け部材とで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、を備えることを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、建築用パネルに仕上げ材を取り付けて形成した仕上げ材付きパネル同士の接合部における各仕上げ材間の接合部シール構造において、前記各仕上げ材付きパネルの少なくとも仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、両仕上げ材付きパネルの前記切欠き部と建築用パネルとで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、を備えることを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、屋根パネルに仕上げ材を取り付けて形成した仕上げ材付き屋根パネル同士の接合部における各仕上げ材間の接合部シール構造において、
前記各仕上げ材付き屋根パネルの少なくとも仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、両仕上げ材付き屋根パネルの前記切欠き部と屋根パネルとで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、両仕上げ材付き屋根パネルの各仕上げ材に渡って、仕上げ材表面上に載置され、仕上げ材間の接合部上を覆うカバー材と、前記カバー材と仕上げ材との隙間の少なくとも接合部両側を接合部に沿って施され、前記隙間を埋めるシーリング材とを備えることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、建築物に取り付けられる仕上げ材間の接合部シール方法において、前記各仕上げ材の接合端裏面側にシーリング材を充填する、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続した切欠き部を設け、前記仕上げ材の一方を建屋側の仕上げ材取り付け部材に取り付け、前記仕上げ材の切り欠き部と仕上げ材取り付け部材とで形成する空隙にシーリング材を塗布した後、他方の仕上げ材の接合端を前記仕上げ材取り付け部材に取り付けることによりシーリング材にて両仕上げ材の切欠き部に形成される空隙を埋めることを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明は、建築用パネルに仕上げ材を取り付けた仕上げ材付きパネルの接合部における各仕上げ材間の接合部シール方法において、前記各仕上げ材の接合端裏面側にシーリング材を充填する、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かって広がる連続した切欠き部を設け、一方の仕上げ材付きパネルの前記切欠き部と建築用パネルとで形成する空隙にシーリング材を塗布した後、他方の仕上げ材付きパネルを接合することにより、前記シーリング材にて両仕上げ材の切欠き部に形成される空隙を埋めることを特徴としている。
【0018】
【作用】
請求項1および請求項4記載の発明によれば、仕上げ材が接合端裏面側に、裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続形成された切欠き部を有することにより、仕上げ材間の接合部において、接合部内建屋側にシーリング材充填可能な空隙を形成することができるので、前記空隙をシーリング材で埋めるという簡便な作業で、防水性の高いシール構造を得ることができる。シーリング材は接合部内の建屋側に位置する空隙に施されるが、空隙にシーリング材を施す際、裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続形成された切欠き部のテーパー面が塗布されたシーリング材を仕上げ材の裏面側へ向かって押し、空隙は裏面側へ広がった形状となっているので、シーリング材は外装材表面上に押し出されず、シーリング材塗布後の煩雑な処理作業を行う必要がなく、施工作業の簡便・容易性という課題を解決することができる。
【0019】
また、シーリング材のみでシール構造が可能で、比較的高価なジョイナー等の定形材を用いないのでコスト削減という課題を解決することができる。
【0020】
さらに、従来例と比べて、シーリング材の接触面が大きいのでシール性を向上させることができ、シーリング材の露出面は小さくてすむので、シーリング材のやせを防止することができ、見栄えがよく、耐久性の確保という課題も解決することができる。
【0021】
請求項2および5記載の発明によれば、仕上げ材付きパネルの仕上げ材が接合端裏面側に、裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続形成された切欠き部を有することにより、仕上げ材付きパネルの場合も上記と同様のシーリング構造を得ることができ、また仕上げ材付きパネル同士の接合と同時に、仕上げ材間のシーリングを行うことが可能であり、施工作業の作業性がより向上する。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、仕上げ材付き屋根パネルの仕上げ材が接合端裏面側に、裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続形成された切欠き部を有し、その切欠き部が接合部において形成する屋根パネルとの空隙をシーリング材で埋め、さらに接合部上をカバーで覆い、仕上げ材とカバーとの隙間をシーリング材で埋めた2重シール構造により、高い防水性が要求される屋根部においても、充分な耐久性を有した仕上げ材間のシーリング構造を得ることができる。従来例のような、防水紙および鉄板ルーフの重ね合わせ作業が不要で、仕上げ材付き屋根パネルは、従来の防水紙および鉄板ルーフが屋根パネル端から突出しているものに比べ、工場からの搬送も容易であるので、確実な施工性という課題を解決することができる。また仕上げ材は直接屋根パネルを構成する芯材に取り付けることが可能なので、野地板、防水紙等が不要で、コストを低くすることができる。
【0023】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る外装材10a,10b間の接合部シール構造を示す断面図である。同図において、仕上げ材である外装材10a,10bは、建屋側の取り付け部材である胴縁14を介して建屋に並設され、外壁を構築している。
【0025】
外装材10a,10bは、接合部16側の端部裏面側にそれぞれ連続形成された、裏面側へ向かって広がるテーパー状のシーリング材20充填用の切欠き部12a,12bを有し、図1に示すように、胴縁14上において互いに接合する。
【0026】
この接合部16において、切欠き部12a、12bおよび胴縁14とにより、接合部16の建屋側に、建屋側へ向かって広がる断面三角形状の空隙22が形成される。
【0027】
外装材10a,10b間の接合部シール構造は、空隙22を埋めるシーリング材20によって構成されている。
【0028】
次に、外装材10a,10b間の接合部シール方法を述べる。
【0029】
先ず、図2(A)に示すように、予めシーリング材20充填用の切欠き部12aを接合部16側の端部裏面側に連続形成した一方の外装材10aを胴縁14に取り付ける。
【0030】
次にシーリング材20を、図2(B)に示すように、胴縁14と切欠き部12aとの間を埋め、さらに接合部16側にはみ出すように塗布する。
【0031】
そして、他方の外装材10bを、塗布したシーリング材20で切欠き部12bと胴縁14との間を埋め、胴縁14に取り付けると同時に外装材10a,10b間の接合部16をシールする。シーリング材20は、切欠き部12a,12bのテーパー面によって、建屋側へ押し込まれ、空隙22は建屋側へ向かって広がる形状を有しているので、シーリング材20は外装材10a,10bの表面上に押し出されない。
【0032】
このようにして、外装材10a,10bが胴縁14に取り付けられた状態で切欠き部12a、12bおよび胴縁14とにより形成される空隙22を、塗布したシーリング材20で埋めることによりシール構造が完成する。
【0033】
上述したシール構造によれば、外装材10a,10bの接合部16側の端部裏面側に切欠き部12a,12bを連続形成することにより、接合部16の胴縁14側に切欠き部12a,12bおよび胴縁14とによりシーリング充填用の空隙22が形成され、この空隙22をシーリング材20により埋めることにより外装材10a,10b間の接合部を容易にシールすることが可能である。
【0034】
空隙22は接合部16内の胴縁14側に位置し、シーリング材20は外装材10a,10b表面位置に押し出されないので、シーリング材20のマスキング、はみ出し処理等を行う必要がない。
【0035】
また従来例と比べて、シーリング材20の接触面が大きいのでシール性が向上し、シーリング材20の露出部分は少なくてすむので、シーリング材のやせを防止することができ、見栄えがよく、耐久性に優れる。
【0036】
(実施例2)
図3は、実施例2に係る外装材付き壁パネル30a,30bの外装材36a,36b間の接合部シール構造を示す断面図である。
【0037】
同図に示す外装材付き壁パネル30aを例にとって説明すると、外装材付き壁パネル30aは、方形状に枠組みした芯材の両面に面材を張り付けて形成した壁パネル32aの外方側の面材34a上に予め工場等で、仕上げ材である外装材36aを取り付けて製造されたもので、現場に搬送され、現場にて接合部側側面を突き合わせて、複数枚接合されて壁部を構築する。
【0038】
外装材付きパネル30aの外装材36aは、接合部側の端部裏面側に連続形成された、裏面側に向かってテーパー状に広がるシーリング材20充填用の切欠き部38aを有している。
【0039】
面材34aは、芯材の接合部側端部より若干内方へずれて取付けられており、切欠き部38aの下端部は面材34aの接合部側端部と同位置となっている。
【0040】
外装材付き壁パネル30bの構成も同様である。
【0041】
実施例2に係る外装材36a,36b間の接合部シール構造は、接合部28において、切欠き部38a,38b、壁パネル32a,32bによって形成される断面ほぼ五角形状の空隙39をシーリング材20によって埋めることにより構成されている。
【0042】
次に外装材付き壁パネル30a,30bの外装材36a,36b間の接合部シール方法を示す。
【0043】
先ず、図4に示すように、一方の外装材付き壁パネル30aを立設した状態で、壁パネル32aの接合側側面に接着剤24を塗布し、切欠き部38aと壁パネル32aとの隙間を埋め、さらに接合部28側にはみ出すようにシーリング材20を塗布する。
【0044】
そして、他方の外装材付き壁パネル30bと、接合側側面同士を突き合わせて接着剤28により接合すると同時に、塗布したシーリング材20で、切欠き部38bと壁パネル32bとの隙間を埋め、外装材36a,36b間の接合部28をシールする。シーリング材20は、切欠き部38a,38bのテーパー面によって、建屋側へ押し込まれ、空隙39は建屋側へ向かって広がる形状を有しているので、シーリング材22は外装材付き壁パネル30a,30bの表面上に押しだれない。
【0045】
上述したシール構造によれば、予め工場にて壁パネル32a,32bに取り付けられる外装材36a,36bが連続形成された切欠き部38a,38bを有することにより、現場にて外装材付き壁パネル30a,30bの接合時に接着材塗布とシーリング材塗布を行い、パネル接合と同時に接合部28間をシールすることができ、建築用パネルにおいても簡便な作業で外装材36a,36b間のシール構造が得られる。
【0046】
その他の効果は実施例1と同様である。
【0047】
(実施例3)
図5は、実施例3に係る屋根仕上げ材44a,44b間の接合部シール構造を一部破断して示す斜視図である。
【0048】
実施例3に係る屋根仕上げ材44a,44b間の接合部シール構造は、屋根仕上げ材44a,44b間の接合部70におけるシーリングと前記接合部70を覆って屋根仕上げ材44a,44b上に取り付けられるカバー50と、カバー50と屋根仕上げ材44a,44bとの隙間を埋めることによるシーリングとの2重シール構造になっている。
【0049】
図5において、屋根仕上げ材44a,44bは、方形状に枠組みした芯材42a,42bより形成される屋根パネルの片面にそれぞれ予め工場等で取り付けられ、仕上げ材付き屋根パネル40a,40bを構成している。
【0050】
仕上げ材付き屋根パネル40a,40bは、現場において、互いの接合部側側面を突き合わせて、芯材42a,42bをボルト締めを行うことにより接合され、屋根部を構築する。
【0051】
屋根仕上げ材44a,44bは接合部70側の端部裏面側にそれぞれ連続形成された、裏面側へ向かってテーパー状に広がるシーリング材20充填用の切欠き部46a,46bを有し、図5に示すように、接合部70において、切欠き部46a,46bと芯材42a,42bとにより、屋根パネル側へ向かって広がる断面三角形状の空隙48が形成される。
【0052】
仕上げ材付き屋根パネル40a,40bの屋根仕上げ材44a,44b間の接合部一次シール構造は、空隙48を埋めるシーリング材20により構成されている。
【0053】
カバー50は、屋根仕上げ材44a,44b上に両屋根仕上げ材44a,44bに渡り、接合部70上を覆う方形状のもので、接合部70を挟んで、その両側部付近において長手辺方向に沿って発泡両面粘着テープ60によって屋根仕上げ材44a,44b上に取り付けられている。
【0054】
仕上げ材付き屋根パネル40a,40bの屋根仕上げ材44a,44b間の接合部二次シール構造は、カバー50と、カバー50と屋根仕上げ材44a,44b間の隙間を発泡両面粘着テープ60に沿って埋めるシーリング材20により構成されている。
【0055】
次に、図6を参照しながら、屋根仕上げ材44a,44b間の接合部シール方法について述べる。
【0056】
先ず、一方の仕上げ材付き屋根パネル40aの仕上げ材44aに連続形成された切欠き部46aと芯材42aとの隙間に、シーリング材20を、隙間を埋めさらに接合部70側にはみ出すように塗布する。
【0057】
そして、仕上げ材付き屋根パネル40aと他方の仕上げ材付き屋根パネル40bとを芯材42a,42b同士をボルトで締め付け、接合すると同時に、塗布したシーリング材20で切欠き部46bと芯材46bの隙間を埋め、屋根仕上げ材44a,44b間の接合部70をシールする。シーリング材20は、切欠き部46a,46bのテーパー面によって芯材42a,42bにより形成されるパネル側に押し込まれ、屋根仕上げ材44a,44b表面上に押し出されない。
【0058】
次に、屋根仕上げ材44a,44b上のカバー50取り付け位置に発泡両面粘着テープ60を取り付け、発泡両面粘着テープ60に沿って発泡両面粘着テープ60の外側周囲を覆うようにシーリング材20を塗布した後、カバー50を屋根仕上げ材44a,44b上に載置して取り付ける。
【0059】
上述した接合部シール構造であれば、2重シールを行うことにより高い耐久性が得られ、シーリング材による屋根仕上げ材の接合構造が可能となる。よって、ルーフィング材を取り付けた屋根パネルを搬送するという煩雑さを解消でき、現場においても高所でルーフィング材を重ね合わせながら屋根パネルを接合する等の作業が不必要で、簡便な作業で確実な施工が可能となる。
【0060】
また、上述した屋根仕上げ材付きパネル40a,40bであれば、野地板、防水紙が不要なのでコストの削減が可能である。
【0061】
その他の効果は実施例1と同様である。
【0062】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0063】
例えば、実施例1において、外装材が有する切欠き部は、必ずしも裏面側までテーパー状に広がる形状のものに限定されず、図8に示すように、裏面側へ向かってテーパー状に広がり、かつ中途から端面と平行に形成されたものでもよい。この場合、外装材10a,10bの接合部16に、切欠き部13a,13bにより形成される空隙23は、断面五角形状のものとなる。なお、実施例2および実施例3において、それぞれ外装材および屋根仕上げ材が有する切欠き部についても同様とする。
【0064】
また、実施例2において、外装材付き壁パネルの切欠き部は、外装材のみならず、外装材に設けた切欠きの延長上において、壁パネルの面材にも設けてもよい。この場合は、切欠き部のテーパー面がシーリング材を建屋側に向かって押し込む力がより強くなる。
【0065】
さらに、本実施例においては、外装材間および屋根仕上げ材間のシール構造について説明したが、これに限定されることなく例えば、床仕上げ材間のシール構造等他の部材にも適用可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および請求項4記載の発明によれば、仕上げ材が接合端裏面側に連続形成した、裏面側へ向かって広がるテーパー状の切欠き部を有しているので、煩雑な処理作業を必要とせずに比較的安価な湿式のシーリング材を用いて耐久性の高い、仕上げ材間の接合部シール構造を得ることができ、施工作業の簡略化およびコストの削減という効果がある。
【0067】
請求項2および請求項5記載の発明によれば、現場において建築用パネルの接合と同時に、建築用パネルに予め取り付けられた仕上げ材間の接合部シール構造を得ることができ、より作業性が向上する。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、2重シーリング構造をとることにより、高い防水性を要求される屋根部において充分な耐久性を得ることができ、切欠き部を有した屋根仕上げ材が予め工場等で直接芯材に取り付けられているので、施工作業の簡略化およびコストの削減という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る外装材間の接合部シール構造を示す断面図である。
【図2】(A)および(B)は、実施例1に係る外装材間の接合部シール方法を示す断面図である。
【図3】実施例2に係る外装材付き壁パネルの外装材間接合部シール構造を示す断面図である。
【図4】実施例2に係る外装材付き壁パネルの外装材間接合部シール方法を示す断面図である。
【図5】実施例3に係る屋根仕上げ材付き屋根パネルの屋根仕上げ材間の接合部シール構造を一部破断して示す斜視図である
【図6】実施例3に係る屋根仕上げ材付き屋根パネルの屋根仕上げ材間の接合部シール方法を示す断面図である。
【図7】従来のジョイナーによる接合部シール構造を示す断面図である。
【図8】実施例1に係る外装材間の接合部シール構造の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
10a,10b,36a,36b 外装材(仕上げ材)
16,28,70 接合部
12a,12b,13a,13b,38a,38b,46a,46b 切欠き部
20 シーリング材
22,23,39,48 空隙
30a,30b 外装材付きパネル
40a,40b 屋根仕上げ材付き屋根パネル
44a,44b 屋根仕上げ材
50 カバー

Claims (5)

  1. 建築物に取り付けられる各仕上げ材間の接合部シール構造において、
    前記各仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、
    両仕上げ材の前記切欠き部と、建屋側の仕上げ材取り付け部材とで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、
    を備えることを特徴とする仕上げ材間の接合部シール構造。
  2. 建築用パネルに仕上げ材を取り付けて形成した仕上げ材付きパネル同士の接合部における各仕上げ材間の接合部シール構造において、
    前記各仕上げ材付きパネルの少なくとも仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、
    両仕上げ材付きパネルの前記切欠き部と建築用パネルとで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、
    を備えることを特徴とする仕上げ材間の接合部シール構造。
  3. 屋根パネルに仕上げ材を取り付けて形成した仕上げ材付き屋根パネル同士の接合部における各仕上げ材間の接合部シール構造において、
    前記各仕上げ材付き屋根パネルの少なくとも仕上げ材の接合端裏面側に連続形成した、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かってテーパー状に広がる切欠き部と、
    両仕上げ材付き屋根パネルの前記切欠き部と屋根パネルとで形成される空隙に施されて、前記空隙を埋めるシーリング材と、
    両仕上げ材付き屋根パネルの各仕上げ材に渡って、仕上げ材表面上に載置され、仕上げ材間の接合部上を覆うカバー材と、
    前記カバー材と仕上げ材との隙間の少なくとも接合部両側を接合部に沿って施され、前記隙間を埋めるシーリング材とを備えることを特徴とする仕上げ材間の接合部シール構造。
  4. 建築物に取り付けられる仕上げ材間の接合部シール方法において、
    前記各仕上げ材の接合端裏面側にシーリング材を充填する、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続した切欠き部を設け、
    前記仕上げ材の一方を建屋側の仕上げ材取り付け部材に取り付け、前記仕上げ材の切り欠き部と仕上げ材取り付け部材とで形成する空隙にシーリング材を塗布した後、他方の仕上げ材の接合端を前記仕上げ材取り付け部材に取り付けることによりシーリング材にて両仕上げ材の切欠き部に形成される空隙を埋めることを特徴とする接合部シール方法。
  5. 建築用パネルに仕上げ材を取り付けた仕上げ材付きパネルの接合部における各仕上げ材間の接合部シール方法において、
    前記各仕上げ材の接合端裏面側にシーリング材を充填する、接合端面厚さ方向途中位置から裏面側へ向かって広がるテーパー状の連続した切欠き部を設け、
    一方の仕上げ材付きパネルの前記切欠き部と建築用パネルとで形成する空隙にシーリング材を塗布した後、
    他方の仕上げ材付きパネルを接合することにより、前記シーリング材にて両仕上げ材の切欠き部に形成される空隙を埋めることを特徴とする接合部シール方法。
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