JP3624336B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いたファクシミリ装置,複写機,プリンタ装置等の画像形成装置に適用される定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体ドラム等の像担持体上に形成したトナー像を記録紙に転写し、このトナー像が転写された記録紙を定着装置によって加熱及び加圧することによりトナー像を記録紙上に定着する。このような定着装置は、一般的に、定着ヒータを内蔵した定着ローラ及びこれに圧接した加圧ローラを備え、定着時には定着ヒータからの発熱量を制御することにより定着ローラの表面温度を目標の定着温度に昇温し維持し、記録紙を定着ローラ及び加圧ローラによって挾持搬送することにより、記録紙に対して加圧下で必要な定着熱を印加してトナー像を記録紙上に定着する。
【0003】
上記のような定着装置において定着ローラは、定着時にその表面温度が一定の温度幅を有する定着温度の範囲内に制御されることにより、トナー像を形成したトナー粒子を適度に軟化させるために必要な定着熱を記録紙全体に印加することが可能になる。この際、定着ローラの表面温度が定着温度の下限値以下になった場合には、記録紙に印加される定着熱が不足することにより、トナー像の定着不良が生じてトナー像がかすれたり、剥離してしまうおそれがある。また、定着ローラの表面温度が定着温度の上限値以上になった場合には、定着ローラから記録紙に過剰な定着熱が印加されることにより、トナーが溶融してホットオフセット現象やトナーのにじみが生じるおそれがあり、更に過度の温度上昇により定着ローラの表層部を形成したテフロン(登録商標)等のコート層が損傷するおそれがある。
【0004】
定着装置を制御する制御部は、定着ローラのローラ面を測温するための温度センサからの出力信号、例えばローラ面に接したサーミスタからの出力信号により定着ローラの表面温度を検出し、この検出温度が目標の定着温度になるように定着ヒータからの発熱量を制御する。具体的には、定着時に定着ヒータを連続でオンする時間をt1、定着ヒータをオフする時間をt2とすると、制御部は、検出温度が目標の定着温度より低いときには、t1/(t1+t2)により規定されるデューティ比Rを高くし、また検出温度が目標の定着温度より低いときにはデューティ比Rを低下させる。ここで、定着温度の目標値は、定着ローラ全体の均熱性、及び定着ローラから加圧ローラ等への吸熱反応を考慮して定着温度の下限値よりある程度高めに設定される。そして、従来の定着装置では、定着時における定着ローラの目標の定着温度は常に一定の値に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定着ローラから加圧ローラ等の定着ローラ以外の部材への吸熱速度は、それらの温度が変化することにより増減する。従って、長時間使用していなかった定着装置の運転開始の直後には、定着装置全体が略雰囲気温度にまで冷却されているため、定着ローラの測定点における温度が目標の定着温度に達していても定着ローラ全体が均一に加熱されていない場合があり、また定着ローラから定着ローラ以外の部材への吸熱速度も大きくなるので、定着ヒータをオフした直後の定着ローラの冷却速度が大きくなるとともに、定着ヒータからの発生熱に対する定着ローラの昇温速度が抑制される。これとは、逆に定着装置が長時間連続して運転されていた場合には、定着ローラ全体が略均等に加熱され、かつ定着ローラからの熱伝達により定着ローラ以外の部材が十分熱せられ熱的にも均衡した状態になるので、定着ヒータをオフした直後の定着ローラの冷却速度が抑制されるとともに、定着ヒータからの発生熱に対する定着ローラの昇温速度が大きくなる。
【0006】
従来の定着装置では、定着時には定着ローラの表面温度が一時的にも、かつ部分的にも定着温度の下限値以下にならないことを保証するため、通常、定着装置を長時間使用していなかった状態を前提として定着ローラの目標の定着温度を下限値よりも十分高く設定している。このため、定着装置を長時間連続して運転した後、短いインターバルで運転を再開した場合には、オン時間t1とオフ時間t2との繰返しサイクルにおいて、オフ時間t2における定着ローラの冷却速度が抑制されて温度低下が僅かであるにもかかわらず、目標の定着温度が必要以上に高い値に設定されたままで、定着ヒータによる電力の消費量が常に大きいという問題がある。さらに、この状態では定着ヒータからの発生熱に対する定着ローラの昇温速度が大きいことから、定着ローラを定着温度に昇温する際の単位時間当たりの発熱量、すなわちデューティ比Rを常に一定にし、かつ定着温度の上限値付近を目標として定着ローラを昇温すると、定着ローラの表面温度が目標値に対してオーバシュートして定着温度の上限値を超えてしまうおそれがある。特に、定着装置に給紙された記録紙が小サイズである場合には、定着ローラにおいて記録紙との非接触領域で記録紙への吸熱が生じないために、この非接触領域では定着ローラの表面温度が定着温度の上限値を超えてしまいやすい。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を解決するため、定着時における定着ヒータの電力消費が低減されるとともに、定着ローラの表面温度が定着温度の範囲内に確実に保たれる定着装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の定着装置は、トナー像が形成された記録紙に定着熱を印加してトナー像を記録紙に定着させる定着装置において、定着ローラの表面温度を検知するための温度センサを有し、定着ヒータにより定着ローラを定着温度の目標値に昇温開始する際に、制御手段が、定着命令の入力から前記定着温度の目標値に到達するまでの前記定着ローラの昇温速度が一定になるように、前記温度センサからの信号により検出された定着ローラの表面温度に基づいて前記定着ヒータの単位時間当たりの発熱量を設定し、前記定着温度の目標値に到達するまで前記発熱量に基づいて前記定着ヒータを発熱させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の定着装置は、前記定着ローラに圧接して定着ローラと共に記録紙を挟持搬送する加圧ローラを有し、前記温度センサに前記定着ローラの表面温度を検出させることを特徴とする。
また、請求項3記載の定着装置は、昇温開始する際に、前記温度センサによって検出された温度に基づいて前記定着ヒータの単位時間当たりの発熱量を設定することを特徴とする。
また、請求項4記載の定着装置は、前記定着ローラの昇温速度が一定になるような前記単位時間当たりの発熱量をデータテーブルから読み出して設定することを特徴とする。
また、請求項5記載の定着装置は、記録紙に対する定着時に前記定着ヒータにより前記定着ローラが前記目標の定着温度に維持された定着温度維持時間、及び記録紙に対する非定着時に前記定着ローラが前記定着温度の目標値より低温に維持された待機時間を計時する計時手段を備え、前記定着ヒータにより前記定着ローラを前記目標の定着温度に昇温開始する際に、前記制御手段が、前記定着温度維持時間及び前記待機時間に対応させて前記定着温度の目標値を補正することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態による定着装置における機構部の概略を示す構成図、図2は本実施形態の定着装置における制御部の構成を示すブロック図である。図1に示す機構部1において、2は表層部がテフロン(登録商標)のコート層(図示省略)により形成された定着ローラ、3は定着ローラ2の内部に配置された定着ヒータ、4は定着ローラ2のローラ面2aに接したサーミスタであり、ローラ面2aの温度に対応する信号を出力する。5は軸受部5aを介して加圧スプリング6により付勢され定着ローラ2に圧接した加圧ローラ、7は機構部1内の雰囲気温度が何らかの原因で異常昇温して装置の保証温度を超えたことを検出するサーモスタットであり、サーモスタット7により保証温度を超えたことが検出された場合には、定着ヒータ3への電力供給が強制遮断されるように構成されている。8は定着ローラ2のローラ面2aに圧接した弾性を有するクリーニングフェルト、9は定着ローラ2と加圧ローラ5とのニップ部から送り出された記録紙Pにより作動する記録紙検出レバー、10は記録紙検出レバー9の作動により記録紙Pが定着ローラ2と加圧ローラ5とのニップ部から排紙されたことを検出する排紙センサ、11は排紙センサ10により検出された記録紙Pを機構部1内から排紙する排紙ローラ対である。機構部1は、レーザプリンタ等の画像形成装置の内部において記録紙Pに対するトナー像の転写位置の下流側に配置され、トナー像が転写された記録紙が給紙口1aに供給される。
【0011】
また、図2に示す制御部20において、21はCPU(Central Processing Unit)であり、CPU21には、サーミスタ4からの信号が入力する。22は制御条件等を記憶したメモリ部、23はCPU21からの駆動信号の入力時に定着ヒータ3を駆動するヒータドライバである。ここで、制御部20は、定着装置を含んだ画像形成装置全体を制御するものでも、また定着装置のみを独立して制御するものでもよい。
【0012】
次に、機構部1による定着動作を説明する。ここで、定着ローラ2は、記録紙Pに対する定着時には、ローラ面2aの温度が後述する制御部20による制御動作により所定の定着温度に維持され、また、加圧ローラ5及び排紙ローラ対11は図示を省略した搬送モータに連結されており、記録紙Pを搬送する搬送機構に連動して矢印方向に回転するものとする。
【0013】
給紙口1aから機構部1内に給紙された記録紙Pは、加圧ローラ5が定着ローラ2に圧接したニップ部に挿入され、このニップ部において加圧ローラ5及び定着ローラ2により加圧される。この際、トナー像を形成したトナー粒子が定着ローラ2からの定着熱によって軟化するとともに加圧ローラ5によって記録紙P上に加圧されることにより、トナー粒子が記録紙P上に固着した状態となりトナー像が記録紙Pに定着される。ニップ部から送り出された記録紙Pは、排紙ローラ対11手前の検出位置で記録紙検出レバー9に当接して記録紙検出レバー9を揺動させ、検出位置を通過したタイミングで記録紙検出レバー9から離間する。記録紙検出レバー9は、記録紙Pが離間することにより初期位置に復帰し、この際、排紙センサ10は記録紙検出レバー9が初期位置に復帰したことを検出して検出信号を出力する。排紙センサ10からの検出信号は画像形成装置全体を制御する制御部に出力され、ジャムの検出や搬送モータの停止タイミングを決定するために用いられる。一方、クリーニングフェルト8は、ニップ部の下流位置で定着ローラ2のローラ面2aに付着したトナー粒子や紙粉等を除去する。
【0014】
図3は本実施形態の定着装置における待機時及び定着時の定着ローラの温度推移を示す測定図、図4は本実施形態の定着装置における定着ヒータに対する制御を示すフローチャートである。図3(a),(b)及び(c)において、縦軸にはサーミスタ4からの信号により検出された定着ローラ2の表面温度がプロットされ、この縦軸でTLは定着温度の下限値、THは定着温度の上限値、TPは予熱温度、TF1及びTF2はそれぞれ制御目標とする定着温度の目標値を示し、また、横軸には経過時間がプロットされ、この横軸でtFSは装置を待機状態から定着状態に移行させる定着命令FSが入力したタイミングを、tFEは定着状態から待機状態に移行させる待機命令FEが入力したタイミングをそれぞれ示している。
【0015】
装置の電源が投入された状態では、制御部20には外部から設定信号により非予熱モード又は予熱モードの何れかのモードが設定され、制御部20は、設定されたモードに応じて待機状態における定着ヒータ3からの発熱量を制御する。具体的には、制御部20は、非予熱モードが設定されている場合には定着ヒータ3からの発熱を停止させ、この結果、定着ローラ2の表面温度は、図3(a)に示すように、待機状態に移行後、時間の経過と共に除々に装置内部の雰囲気温度に近い温度にまで低下する。また、制御部20は、予熱モードが設定されている場合には、図3(b)に示すように定着ローラ2の表面温度が所定の予熱温度TPに維持されるように、定着ヒータ3からの発熱量を制御する。ここで、予熱温度TPは、例えば、画像形成装置によるトナー像の形成開始から記録紙Pが定着装置に給紙されるまでの所要時間より短時間で、定着ローラ2を目標の定着温度に昇温することを可能にするような温度であり、少なくとも雰囲気温度より高く、かつ定着温度の下限値TLより低く設定された温度である。
【0016】
次に、図3(c)及び図4に基づいて制御部20による定着ヒータ3に対する制御動作を説明する。制御部20は、定着命令FSが入力するとともに(ステップS1)、サーミスタ4からの信号により定着ローラ2の表面温度を検出する(ステップS2)。この際、定着ローラ2が前回の定着時に定着ヒータ3により加熱された後、まだ完全に冷却されていない場合には、定着ローラ2の温度はローラ面2aで最も低く、中心方向に向かって漸次高くなるような温度分布となる。定着ローラ2の表面温度と温度分布との相関関係は、電熱計算又は実測結果から得られたデータから推定可能であり、従って、定着ローラ2の表面温度から定着ローラ2に蓄積されている内部熱量も算出することができる。この蓄熱量が多い場合には、定着ヒータ3からの発熱量が低くても十分な昇温速度が得られ、逆に、蓄熱量が少ない場合には、定着ヒータ3からの発熱量を大きくしなければ十分な昇温速度が得られないことになる。制御部20のメモリ部22には、検出された定着ローラ2の表面温度に応じて昇温速度を一定とするような定着ヒータ3からの単位時間Δt当たりの発熱量Δhが設定されたデータテーブルが格納されており、CPU21は、検出された定着ローラ2の表面温度に対応する発熱量Δhをメモリ部22から読み出し(ステップS3)、単位時間Δt当たりの発熱量Δhが読み出した値になるように、t1/(t1+t2)により規定されるデューティ比Rを設定する(ステップS4)。ここで、t1は定着時に定着ヒータ3を連続オンする時間、t2は定着ヒータ3を連続オンする間に定着ヒータ3を連続オフする時間である。
【0017】
制御部20が、検出された定着ローラ2の表面温度に対応する発熱量Δhを定着ヒータ3により発生させて定着ローラ2を昇温することにより、定着命令の入力タイミングtFSからの定着ローラ2の昇温速度を常に略一定の値にすることができる。この結果、定着ローラ2の表面温度が目標の定着温度に対してオーバシュートして定着温度の上限値THを超えてしまうことを防止できるので、定着ローラ2から記録紙Pに過剰な定着熱が印加されてホットオフセット現象やトナーのにじみが生じることを防止でき、更に過度の温度上昇により定着ローラ2の表層部を形成したテフロン(登録商標)等のコート層が損傷することを確実に防止できる。
【0018】
また、CPU21は、計時手段であるタイマ21aを内蔵しており、このタイマ21aにより定着命令FSの入力後に定着ローラ2の表面温度が制御目標の定着温度(目標温度TFn)に制御誤差の範囲内で維持された維持時間tFと、待機命令FEが入力することにより定着ヒータ3からの発熱が停止してから次の定着命令FSが入力するまでの待機時間tWとをそれぞれ計時し、この維持時間tF及び待機時間tWをメモリ部22に格納する。ここで、維持時間tFが長くなるとともに定着ローラ2からの輻射及び熱伝導により定着ローラ2以外の加圧ローラ5等の構成部材が加熱され、かつ支持軸等を含む定着ローラ2の全体が均一に加熱され均熱度が向上する。そして、待機時間tWには定着ローラ2以外の構成部材に供給される熱量が低下するので、定着ローラ2以外の構成部材の温度は待機命令FEの入力タイミングtFEからの時間経過と共に漸次低下する。このような定着ローラ2以外の構成部材の温度推移及び定着ローラ2の均熱度は、維持時間tFと待機時間tWとが定まれば近似的に求まる。
【0019】
定着ローラ2以外の構成部材の温度及び定着ローラ2の均熱度が高い場合には、定着ヒータ3をオンからオフにした際の定着ローラ2の表面温度の変動が抑制され、また定着ローラ2以外の構成部材の温度及び定着ローラ2の均熱度が低い場合には、定着ヒータ3をオンからオフにした際の定着ローラ2の表面温度の変動が大きなものになる。従って、維持時間tFと待機時間tWとを用いて吸熱反応による定着ローラ2の温度変動の大きさを予測することが可能である。定着時における定着ローラ2の表面温度が一時的にも、かつ部分的にも定着温度の下限値TL以下にならないことを保証するためには、定着ローラ2の目標温度TFnを下限値TLよりも温度変動の大きさ以上に高い温度に設定すればよい。従って、図3(c)に示すように、定着ローラ2の表面温度が目標温度TF1に一定時間以上維持された後、短い待機時間tWを挾んで再び定着温度に昇温する場合には、定着ローラ2の温度変動が小さくなることから、定着ローラ2の定着温度の目標温度をTF1より低いTF2に設定することが可能になる。
【0020】
制御部20のメモリ部22には、維持時間tFと待機時間tWとの組合せ(tF,tW)に対応して定着温度の目標温度TFnが設定されたデータテーブルが格納されており、このデータテーブルに設定された目標温度TFnは、組合せ(tF,tW)により定まる温度条件下で、定着ヒータ3をオフした際に定着ローラ2が温度変動(温度降下)した場合でも、その影響により定着ローラ2が定着温度の下限値TL以下になることがないように設定された温度である。
【0021】
制御部20は、組合せ(tF,tW)に対応する目標温度TFnをメモリ部22から読み出し(ステップS5)、この目標温度TFnを制御目標として定着ヒータ3により定着ローラ2の昇温を開始する(ステップS6)。
【0022】
制御部20がタイマ21aにより計時された維持時間tFと待機時間tWとの組合せ(tF,tW)に対応する目標温度TFnとして定着ヒータ3により定着ローラ2を昇温することにより、定着ヒータ3のオン時間t1とオフ時間t2との繰返しサイクルにおいて、オフ時間t2における定着ローラ2の冷却速度が抑制されて温度低下が僅かであるにもかかわらず、目標温度TFnが必要以上に高い値に設定されることがなくなるので、定着ヒータ3による電力消費量を抑制してランニングコストを低減することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着ヒータにより定着ローラを目標の定着温度に昇温開始する際に、制御手段が、目標の定着温度に到達するまでの定着ローラの昇温速度が一定になるように、温度センサからの信号により検出された定着ローラの表面温度に基づいて定着ヒータの時間当たりの発熱量を設定し、制御手段が定着ローラの表面温度に対応する発熱量を定着ヒータにより発生させて定着ローラの昇温することにより、定着命令の入力タイミングからの定着ローラの昇温速度を常に略一定の値にすることができるので、定着ローラの表面温度が目標の定着温度に対してオーバシュートして定着温度の上限値を超えてしまうことを防止でき、定着ローラから記録紙に過剰な定着熱が印加されてホットオフセット現象やトナーのにじみが生じることを防止でき、更に過度の温度上昇により定着ローラの表層部を形成したテフロン(登録商標)等のコート層が損傷することを確実に防止できる。
【0024】
さらに、記録紙に対する定着時に定着ヒータにより定着ローラが目標の定着温度に維持された定着温度維持時間、及び記録紙に対する非定着時に前記定着ローラが目標の定着温度より低温に維持された待機時間を計時する計時手段を備え、定着ヒータにより定着ローラを定着温度に昇温開始する際に、制御手段が、定着温度維持時間及び待機時間に対応させて定着温度の目標値を補正することにより、定着ヒータのオン時間とオフ時間との繰返しサイクルにおいて、オフ時間における定着ローラの冷却速度が抑制されて温度低下が僅かであるにもかかわらず、目標温度が必要以上に高い値に設定されることがなくなるので、定着ヒータによる電力消費量を抑制してランニングコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による定着装置における機構部の概略を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の定着装置における制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の定着装置における待機時及び定着時の定着ローラの温度推移を示す測定図である。
【図4】本発明の実施形態の定着装置における定着ヒータに対する制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…機構部、 2…定着ローラ、 2a…ローラ面、 3…定着ヒータ、 4…サーミスタ、 5…加圧ローラ、 20…制御部、 21…CPU、 21a…タイマ、 22…メモリ部、 23…ヒータドライバ。
Claims (5)
- トナー像が形成された記録紙に定着熱を印加してトナー像を記録紙に定着させる定着装置において、定着ローラの表面温度を検知するための温度センサを有し、定着ヒータにより定着ローラを定着温度の目標値に昇温開始する際に、制御手段が、定着命令の入力から前記定着温度の目標値に到達するまでの前記定着ローラの昇温速度が一定になるように、前記温度センサからの信号により検出された定着ローラの表面温度に基づいて前記定着ヒータの単位時間当たりの発熱量を設定し、前記定着温度の目標値に到達するまで前記発熱量に基づいて前記定着ヒータを発熱させることを特徴とする定着装置。
- 前記定着ローラに圧接して定着ローラと共に記録紙を挟持搬送する加圧ローラを有し、前記温度センサに前記定着ローラの表面温度を検出させることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 昇温開始する際に、前記温度センサによって検出された温度に基づいて前記定着ヒータの単位時間当たりの発熱量を設定することを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。
- 前記定着ローラの昇温速度が一定になるような前記単位時間当たりの発熱量をデータテーブルから読み出して設定することを特徴とする請求項1,2または3記載の定着装置。
- 記録紙に対する定着時に前記定着ヒータにより前記定着ローラが前記目標の定着温度に維持された定着温度維持時間、及び記録紙に対する非定着時に前記定着ローラが前記定着温度の目標値より低温に維持された待機時間を計時する計時手段を備え、前記定着ヒータにより前記定着ローラを前記目標の定着温度に昇温開始する際に、前記制御手段が、前記定着温度維持時間及び前記待機時間に対応させて前記定着温度の目標値を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の定着装置。
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