JP2007148194A - 画像形成装置 - Google Patents

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晃洋 近藤
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Abstract

【課題】簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止すること。
【解決手段】このプリンタ1は、定着ローラ2と、通紙域−非接触サーミスタ5と、非通紙域−接触サーミスタ6と、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度がプリント制御温度よりも低い場合には定着ヒータ3への通電を行い、その検知温度がプリント制御温度よりも高い場合には定着ヒータ3への通電を停止するように制御する第1のヒータ制御手段503と、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度がプリント制御温度よりも高い場合であっても、非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度が低下していた場合には、定着ヒータ3を所定のデューティ比で強制加熱するように通電制御する第2のヒータ制御手段と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機などの画像形成装置に関し、詳しくはその定着ローラの温度制御に関するものである。
画像形成装置においては、通常、定着ヒータにより加熱される定着ローラと、この定着ローラに圧接されている加圧ローラとが備えられ、これらによる熱、圧力の作用により未定着トナー画像を用紙に定着させるようになっている。そして、例えば特許文献1,2では、定着ローラの表面温度を検知するためのサーミスタが、前記定着ローラの軸方向の通紙域と非通紙域とにそれぞれ配置されており、前記サーミスタの検知温度に応じて前記定着ヒータへの通電をオンオフ制御することにより、定着ローラの表面温度の制御を行うこととしている。
特開平10−83130号公報 特開平10−301436号公報
ところで、サーミスタを通紙域で定着ローラに接触させて配置し、前記のごとき温度制御を行う場合には、その通紙域のローラ表面温度の安定性が得られるものの、通紙によってオフセットトナーや紙粉等がそのサーミスタの表面に付着することによる温度誤検知、またローラに対するダメージ等、耐久性の問題があった。これらの問題を回避するためにクリーニングブレードやクリーニングローラ、ウェブ等を配置することも知られているが、これらの常時接触による耐久性の問題、ウォーミングアップタイムの増加、大幅なコストアップは避けられない。
また、サーミスタを非通紙域に定着ローラを接触させて配置し、前記のごとき温度制御を行う場合には、前記の耐久性、コストという面での問題は少ないものの、いわゆる予測制御を行うため、通紙する用紙のサイズ、厚み等により各種制御設定を細かく変更する必要がある。換言すると、想定外の用紙が通紙された場合のローラ表面温度の安定性という点で問題があり、また、定着ヒータの配熱特性、供給電圧の低下、外気温の影響等、バラツキや外乱に対して裕度を確保することも困難である。それらの制御設定値は当該機種固有のものであって、他の機種にそのまま流用、展開ができないし、さらに定着装置以外の機械構成の変更があった場合にも再度設定を見直す必要があるといった設計上の問題もある。
一方、サーミスタを通紙域に定着ローラに対向して非接触とし、そのサーミスタで定着ローラの表面温度を検知することにより温度制御を行う場合には、前記の問題は概ね解消される。すなわち、連続通紙時における通紙域のローラ表面温度の安定性を確保できる上、接触によって発生する各種問題点が原理的に発生しないためである。ここで、通紙域のローラ表面温度を維持することによって非通紙域のローラ表面温度が上昇するが、その過昇温を検知してからなんらかの補正制御を行うためには、別のサーミスタを非通紙域に定着ローラに接触させて配置し、ローラ表面温度を検知する必要がある。
しかしながら、サーミスタが定着ローラに対して非接触としたことにより発生する新たな問題がある。その中のひとつとして、連続プリント終了後等において高温を維持した状態で定着ローラの駆動が停止した後、当該サーミスタまわりの雰囲気温度が上昇してしまうことが挙げられる。以下、当該サーミスタを通紙域−非接触サーミスタ、別のサーミスタを非通紙域−接触サーミスタという。
図4は従来の定着ローラまわりにおける温度波形等を示す説明図である。なお、図4中の細い実線で示すライン1は非通紙域−接触サーミスタの検知温度、細い破線で示すライン2は定着ローラの実際のローラ表面温度、細い一点鎖線で示すライン3は通紙域−非接触サーミスタの検知温度、太い破線で示すライン4はプリント制御温度、太い実線で示すライン5は定着ローラの駆動状態、細い一点鎖線で示すライン6は通紙状態、細い二点鎖線で示すライン7は定着ヒータへの通電状態である。
すなわち図4に示すように、プリント終了後に定着ヒータへの通電(ライン7)は遮断され、定着ローラの駆動(ライン5)は停止されるので、全体的に定着ローラの持つ熱量は低下するが、熱の移動により通紙域−非接触サーミスタまわりの雰囲気温度は上昇していき、それを通紙域−非接触サーミスタが検知することとなる(ライン3)。
その状態で次のプリントが開始された場合、通紙域−非接触サーミスタの検知温度(ライン3)がプリント制御温度(ライン4)以上となり、定着ヒータへの通電(ライン7)は遮断されたままであるにもかかわらず、定着ローラの実際のローラ表面温度(ライン2)はプリント制御温度(ライン4)よりも低くなり、かつ定着ローラに熱量がまったく供給されない状態で通紙(ライン6)されることとなる。
そして定着ヒータへの通電(ライン7)は、非接触サーミスタの検知温度(ライン3)がプリント制御温度(ライン4)以下に低下するまで行われず、定着不良(ライン4以下の部分)が発生する可能性が高くなる。
なお、かかる問題を解消するために、プリント開始直後の一定時間、検知温度にかかわらず定着ヒータを強制点灯させることも考えられる。しかし、単純な一定時間の強制点灯には以下のような問題がある。
すなわち、何らかの異常により実際に定着ローラ表面温度が上昇していた場合、その状態からの強制点灯により必要以上に定着ローラが高温になってしまい、高温オフセット等の画像不具合や、部品の耐久性、安全性にかかわる問題が発生する可能性が高くなる。
また、紙種やその他使用条件によっては、強制点灯の一定時間が経過した時点での実際の定着ローラ表面温度がプリント制御温度以上になっていることも想定され、その場合、その時点よりプリント制御温度に下降するまでの間、定着ヒータへの通電が遮断された状態で通紙されることになり、結局は上記と同じ結果となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、転写部でのトナー画像の転写により画像形成処理が施された用紙上の未定着トナーを熱定着する定着ローラを備えた画像形成装置であって、前記定着ローラの軸方向の通紙域付近に配置され、該通紙域におけるローラ表面温度を非接触状態で検知する第1の検知手段と、前記定着ローラの軸方向の非通紙域に配置され、該非通紙域におけるローラ表面温度を接触状態で検知する第2の検知手段と、前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも低い場合には前記定着ローラを加熱し、前記所定温度よりも高い場合には前記定着ローラの加熱を停止するように制御する第1の制御手段と、前記第1の検知手段の検知温度が前記所定温度よりも高い場合であっても、前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御する第2の制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明のように、前記画像形成処理が開始されたか否かを判断する画像形成判断手段をさらに備えており、前記第2の制御手段は、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断された時点で前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも高い場合であっても、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される前に前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御することが好ましい。
請求項3記載の発明のように、前記定着ローラはヒータを内蔵しており、前記第1の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記第1の検知手段の検知温度に応じたデューティ比にて制御する一方、前記第2の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記所定のデューティ比にて制御するものであることが好ましい。
請求項4記載の発明のように、前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比が設定されることが好ましい。
請求項5記載の発明のように、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される都度、前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比の設定が更新されることが好ましい。
本発明によれば、前記定着ローラの軸方向の通紙域付近に配置され、該通紙域におけるローラ表面温度を非接触状態で検知する第1の検知手段と、前記定着ローラの軸方向の非通紙域に配置され、該非通紙域におけるローラ表面温度を接触状態で検知する第2の検知手段と、前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも低い場合には前記定着ローラを加熱し、前記所定温度よりも高い場合には前記定着ローラの加熱を停止するように制御する第1の制御手段と、前記第1の検知手段の検知温度が前記所定温度よりも高い場合であっても、前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御する第2の制御手段とを備えたので、定着ローラに非接触である前記第1の検知手段まわりの雰囲気温度が上昇し、通常は前記定着ローラが加熱されない状況下においても、前記条件にて前記定着ローラが強制加熱されることで、前記定着ローラの表面温度が低下しないように作用し、定着不良を防止することができる。その結果、簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
請求項2記載の発明によれば、前記画像形成処理が開始されたか否かを判断する画像形成判断手段をさらに備えており、前記第2の制御手段は、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断された時点で前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも高い場合であっても、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される前の所定時間内に前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御するので、特に連続画像形成直後等に画像形成処理する場合に発生しやすい定着不良を防止することができる。すなわち、定着ローラに非接触である前記第1の検知手段まわりの雰囲気温度が上昇し、通常は前記定着ローラが加熱されない状況下においても、前記条件にて前記定着ローラが強制加熱されることで、前記定着ローラ表面温度が低下しないように作用し、定着不良を防止することができる。その結果、簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
請求項3記載の発明によれば、前記定着ローラはヒータを内蔵しており、前記第1の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記第1の検知手段の検知温度に応じたデューティ比にて制御する一方、前記第2の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記所定のデューティ比にて制御するものであるので、より簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
請求項4記載の発明によれば、前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比が設定されるので、デューティ比の設定に手間がかからなくなり、さらに簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
請求項5記載の発明によれば、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される都度、前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比の設定が更新されるので、デューティ比の設定の更新タイミングを含めて、さらに簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係るプリンタ1の全体構成を示す断面図である。同図に示すように、このプリンタ(画像形成装置の一例)1は、箱状のプリンタ本体101内において、帯電装置102で図中のA方向に回転する感光体ドラム103の周面が一様に帯電され、外部から入力されたプリントデータに基づくレーザ光BがLSU等の露光部104によってその感光体ドラム103の周面に照射されて静電潜像が形成され、感光体ドラム103の周面に形成された静電潜像に現像装置105からトナーが供給されることによってその感光体ドラム103の周面にトナー像が形成されるようになっている。
一方、用紙Pが給紙装置200から感光体ドラム103に向けて搬送路300で搬送され、転写ローラ(転写部)106により感光体ドラム103表面のトナー像が用紙Pの表面に転写されるようになっている。転写後の感光体ドラム103に残留したトナー(未転写トナー)は、クリーニング装置107によって除去され、その後の感光体ドラム103の残留電荷は除電装置(図略)によって除去されるようになっている。
そして、転写ローラ106で感光体ドラム103からの未定着トナー像が転写された用紙Pは定着ローラユニット108に搬送され、ここでトナー像が定着された用紙Pは、そのまま(或いは、図略のスイッチバック部で反転されて両面プリントされた後に)、搬送ローラ対109および排出ローラ対110を順に経由して排紙トレイ111に排出されるようになっている。上記帯電装置102、感光体ドラム103、露光部104、現像装置105、転写ローラ106、クリーニング装置107等により、通常の電子写真方式の技術を用いて用紙Pへのプリント(画像形成)処理を行う画像形成部100が構成される。
給紙装置200は、プリンタ本体101の下部に形成された上下二段のカセット収容部にそれぞれ着脱自在に収容される給紙カセット210,220を備えている。給紙カセット210,220は、それぞれ用紙Pの収納カセットとして、リフト板211,221上に複数の用紙Pを積層させた状態で収納できるものであり、この給紙カセット210,220から用紙Pを取り出すためのピックアップローラ212,222と、このピックアップローラ212,222で取り出された用紙Pを1枚ずつ搬送路300に送り出す(捌く)ための給紙ローラ対213,223とを備えている。
搬送路300は、第1搬送路301、第2搬送路302、第3搬送路303及び第4搬送路304からなり、第1搬送路301は、用紙Pへのプリント処理を行う時に、給紙カセット210からピックアップローラ212で取り出された用紙Pを、給紙ローラ対213、搬送ローラ対214及びレジストローラ対215を介して、感光体ドラム103に送り出すものである。第2搬送路302は、給紙カセット220からピックアップローラ222で取り出された用紙Pを、給紙ローラ対223及び搬送ローラ対224を介して前記第1搬送路301に送り出すものである。第3搬送路303は、前記第1搬送路301から送り出された用紙Pを、感光体ドラム103から定着ローラユニット108に向けて送り出すものである。第4搬送路304は、前記第3搬送路303から送り出された用紙Pを定着ローラユニット108から搬送ローラ対109を介して排出ローラ対110に向けて送り出すものである。
図2は定着ローラユニット108まわりの制御ブロック図である。なお、図2中の定着ローラユニット108は、便宜上図1における同ユニットを反時計回りに90°だけ回転させた配置となっている。図2に示すように、定着ローラユニット108は、定着ヒータ(ヒータ)3を内蔵する定着ローラ2と、この定着ローラ2に対向配置される加圧ローラ4と、定着ローラ2の軸方向の通紙域付近に(紙サイズの小さいものの通紙を考慮し、ここでは定着ローラ2の軸方向中央でそのローラ表面から若干離間させて)配置され、その定着ローラ2の表面温度(以下、第1のローラ表面温度T1という。)を非接触状態で検知する通紙域−非接触サーミスタ(第1の検知手段)5と、定着ローラ2の軸方向の非通紙域(紙サイズの大きいものの通紙を考慮し、ここでは定着ローラ2の軸方向の例えば一端側)に配置され、その定着ローラ2の表面温度(以下、第2のローラ表面温度T2という。)を接触状態で検知する非通紙域−接触サーミスタ(第2の検知手段)6と、例えばマイクロコンピュータで構成される制御部500と、ユーザがプリント開始を指示するためのスタートキー505とをそれぞれ示している。なお、通紙域−非接触サーミスタ5は、定着ローラ3から放出される赤外線を検知するものである。
制御部500は、さらにプリント制御温度(所定温度)Tset、デューティ比等の各種データを予め記憶しておくメモリ501と、プリント判断手段(画像形成判断手段)502と、第1のヒータ制御手段(第1の制御手段)503、第2のヒータ制御手段(第2の制御手段)504とを備えており、定着ヒータ3、通紙域−非接触サーミスタ5、非通紙域−接触サーミスタ6、スタートキー505と電気的に接続されている。なお、各手段502〜504は、例えば制御部500の図略のROMから読み出した各種プログラムを図略のCPUで実行することで具現化される。
プリント判断手段502は、例えばスタートキー505の押圧によるプリント指示からの時間経過等により、プリントが開始されたか否かを判断するものである。
第1のヒータ制御手段503は、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低い場合には定着ローラ2を検知温度T1に応じたデューティ比(DUTY比)で加熱し、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1が低いプリント制御温度Tsetよりも高い場合には定着ローラ2の加熱を停止するように定着ヒータ3を通電制御するものである。なお、デューティ比とは、定着ヒータ3の全点灯時を100%とした場合の点灯(時間)比率をいい、具体的には、最小単位を10msec(5%)として200msec中のON時間の割合をいう(以下、同様である)。
第2のヒータ制御手段504は、プリント判断手段502でプリント処理が開始されたと判断された時点で通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高い場合であっても、プリント判断手段502でプリント処理が開始されたと判断される前に非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度T2が低下していた場合には、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも一旦低くなって再びそのプリント制御温度Tsetに達するまでの間、定着ローラ2を所定のデューティ比で強制加熱するように定着ヒータ3を通電制御するものである。
以下、本実施形態1の制御動作を説明する。図3はその制御動作を示すフローチャートである。図3に示すように、電源投入後、フラグの初期設定(m=0,n=0)がなされると(ステップS1)、非通紙域−接触サーミスタ6で前記第2のローラ表面温度T2が検知され始める(ステップS2)。なお、この検知温度T2を含む演算データ等は電源投入後の経過時間とともにメモリ501に記憶され、適宜読み出されて当該演算等に供されるものとする。
スタートキー505が押圧されてから所定時間経過すると、プリント判断手段502により、図1の画像形成部100で所定のプリント処理が開始されたと判断される(ステップS3でYES)。すると、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここで、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低いと判断された場合には(ステップS5でNO)、さらにm>1であるか否かが判断される(ステップS6)。最初は、フラグmは初期設定値(m=0)であるから、m>1ではないと判断され(ステップS6でNO)、定着ヒータ3が前記検知温度T1に応じたデューティ比で通電制御される(ステップS7)。一方、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断された場合には(ステップS5でYES)、次のステップS8へ進む。
すなわち、通常は、第1のヒータ制御手段503が通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1に応じたデューティ比で定着ヒータ3への通電制御を行い、定着ローラ2はこの定着ヒータ3により加熱され、この定着ローラ2と加圧ローラ4とのニップ部を前記転写ローラ106での転写により未定着画像が形成された用紙Pが通過することで、未定着画像を構成するトナーが溶融圧着され、用紙P上に画像の定着が行われる。
ところで、連続通紙等における非通紙域の定着ローラ2の表面温度の過昇温については、非通紙域−接触サーミスタ6にてある一定温度以上を検知した時点で、第1のヒータ制御手段503が、プリントを強制停止して空転し、もしくは定着ヒータ3を強制オフする等にて対応することが一般的である。
例えば前記図4において、通紙域−非接触サーミスタ5によるプリント制御温度(ライン4)を170℃とし、それに対応する通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)を180℃として連続プリントを行い、そのとき、非通紙域−接触サーミスタ6により検知される非通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度が210℃であったものとする。そのプリントの終了、駆動停止直後には、定着ローラ2内での熱移動により非通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度は低下し、通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)は、ほぼ一定、もしくは、やや上昇するとの挙動を示す。また、同時に通紙域−非接触サーミスタ5まわりの雰囲気温度は上昇し、それに対応して検知温度(ライン3)も上昇する。その状態で次のプリントが開始された場合、従来技術においては、プリント制御温度(ライン4)が170℃を超えているという検知により、定着ヒータ3への通電(ライン7)は通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度(ライン3)がプリント制御温度(ライン4)の170℃以下に低下するまで行われず、通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)が想定より大きく低下するため、定着不良が発生する可能性が高くなる点については、上述したとおりである。
本実施形態1では、前記ステップS5で検知温度T1がプリント制御温度Tsetより高いと判断された場合、フラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときはm=1であるので、m>1ではないと判断される(ステップS9でNO)。
すると、第2のヒータ制御手段504により、非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度T2のプリント開始前の所定時間内における前後出力値が比較されることで検知温度T2が低下しているか否かが判断され(ステップS11)、検知温度T2が低下していると判断された場合には(ステップS11でYES)、定着ヒータ3が所定のデューティ比としての例えばデューティ比40%(一定)で通電制御される(ステップS12)。一方、検知温度T2が低下していないと判断されると(ステップS11でNO)、定着ヒータ3の通電が停止された上で(ステップS14)、前記ステップS4に戻る。
そして、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断されるから(ステップS5でYES)、さらにフラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときはm=2であるので、m>1であると判断される(ステップS9でYES)。ついで、もう1つのフラグnについて、n>1であるか否かが判断される(ステップS10)。このときのフラグnは初期設定値(n=0)であるので、n>1ではないと判断され(ステップS10でNO)、前記ステップS11をスキップして、定着ヒータ3がデューティ比40%で通電され(ステップS12)、前記ステップS4に戻る。この間の通紙による放熱等により、第1のローラ表面温度T1は低下する。
再び通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低いと判断され(ステップS5でNO)、さらに、m>1であるか否かが判断される(ステップS6)。このときm=2であるので、m>1であると判断される(ステップS6でYES)。
すると、フラグnがインクリメント(n=n+1)されてから(ステップS13)、定着ヒータ3がデューティ比40%で通電され(ステップS12)、前記ステップS4に戻る。この強制通電により、第1のローラ表面温度T1は再び上昇し始める。
さらに、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断される(ステップS5でYES)。
すると、フラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときは、m=3であるので、m>1であると判断され(ステップS9でYES)、さらに、n>1であるか否かが判断される(ステップS10)。このときは、n=1であるので、n>0であると判断され(ステップS10でYES)、定着ヒータ3の通電が停止されてから(ステップS14)、前記ステップS1に戻る。
図5はその定着ローラ2まわりにおける温度波形等を示す説明図である。なお、図5中の細い実線で示すライン1は非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度、細い破線で示すライン2は定着ローラ2の実際のローラ表面温度、細い一点鎖線で示すライン3は通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度、太い破線で示すライン4はプリント制御温度、太い実線で示すライン5は定着ローラ2の駆動状態、細い一点鎖線で示すライン6は通紙状態、細い二点鎖線で示すライン7は定着ヒータ3への通電状態である。
すなわち、本実施形態1では、図5に示すように、プリント終了後も常時、非通紙域−接触サーミスタ6による検知を行う。前記の状態で次のプリントが開始された場合、第2のヒータ制御手段504は、例えばプリント開始1sec前と3sec前との非通紙域−接触サーミスタ6の各検知温度(ライン1)を比較することにより、非通紙域の定着ローラ2のローラ表面温度の低下を検知することを条件に、例えばデューティ比40%(一定)にてプリント開始直後より定着ヒータ3の強制点灯を行う。この制御動作は、例えば3sec間等の時間で管理するのではなく、通紙域−非接触サーミスタ5による検知温度(ライン3)がプリント制御温度(ライン4)である170℃に達するまでとする。これにより、通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)の大幅な低下は発生せず、また、通常の通紙域−非接触サーミスタ5によるプリント制御温度(ライン4)にそのまま移行することで、制御の切り替わり時における同様の問題も発生しない。
なお、前記デューティ比がある値以下の場合には、前記図4に示したように、定着ヒータ3をまったく点灯させない図4の場合と同様、定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)の急激な低下が発生し、本発明の効果はほとんどない。また、前記デューティ比がある値以上の場合、定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)と、通紙域−非接触サーミスタ5による検知温度(ライン3)はともに上昇してしまい、検知温度(ライン3)が通常のプリント制御温度(ライン4)まで低下しないため、本発明の制御は成立しない。したがって、前記デューティ比は、通紙域−非接触サーミスタ5による検知温度(ライン3)は必ず低下し、かつ通紙域の定着ローラ2の実際のローラ表面温度(ライン2)が大きく低下しない条件に設定する必要がある。
そして、フラグがリセット(m=0,n=0)され(ステップS1)、非通紙域−接触サーミスタ6で前記第2のローラ表面温度T2が検知され(ステップS2)、プリント判断手段502により、図1の画像形成部100で次のプリント処理が開始されたと判断されると(ステップS3でYES)、前記ステップS4以降が繰り返されるが、次のプリント処理が開始されていないと判断されると(ステップS3でNO)、スタンバイ状態となり、電源オフですべての制御動作を終了する。
本実施形態1によれば、制御手段500は、プリント開始時点において通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1が定着ローラ2の加熱を停止するプリント制御温度Tset以上であっても、前記プリント開始前に非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度T2が低下していることが検知された場合には、定着ローラ2の加熱を所定のデューティ比にて制御するものであるので、連続プリント直後等にプリントする場合に発生しやすい定着不良を防止することができる。すなわち、非接触状態である前記通紙域−非接触サーミスタ5まわりの雰囲気温度が上昇し、通常は前記定着ヒータ3が点灯しない状況下においても、前記条件にて前記定着ヒータ3の強制点灯を行うことで、前記定着ローラ2の実際のローラ表面温度が低下しないように作用し、定着不良を防止することができる。その結果、簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
(実施形態2)
ここでは、前記デューティ比がプリント開始時点における前記通紙域−非接触サーミスタ5の出力とプリント制御温度との差に基づいてプリント開始の都度設定されるように構成されている。
図6は本実施形態2の定着ヒータ108まわりの制御ブロック図を示す。図6に示すように、この制御部500aでは、温度差演算手段502aと、デューティ比決定手段502bとを備えている点で上記実施形態1と相違し、他の点は共通するため、その共通する部分の詳細説明は省略する。なお、各手段502a,502bについても、上記と同様、制御部500aの図略のROMに記憶された各種プログラムを読み出して図略のCPUで実行することで具現化される。
温度差演算手段502aは、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、プリント制御温度(所定温度)Tsetとの差を演算するものである。
デューティ比決定手段502bは、温度差演算手段502aによる演算結果に基づいて、定着ヒータ3の通電制御におけるデューティ比を決定するものである。
すなわち、プリント開始時点における通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、プリント制御温度Tsetとの差をΔTとした場合、例えば以下のように強制点灯デューティ比を決定するものとする。なお、機械仕様や各条件によっては、デューティ比の決定方法は異なることがある。
15℃<ΔTの場合、強制点灯デューティ比は40%とする。
10℃<ΔT≦15℃の場合、強制点灯デューティ比は50%とする。
5℃<ΔT≦10℃の場合、強制点灯デューティ比は60%とする。
以下、本実施形態2の制御動作を説明する。図7はその制御動作を示すフローチャートである。図7に示すように、電源投入後、フラグの初期設定(i=0,m=0,n=0)がなされ(ステップS1)、非通紙域−接触サーミスタ6で前記第2のローラ表面温度T2が検知され始める(ステップS2)。なお、この検知温度T2を含む演算データ等は電源投入後の経過時間とともにメモリ501に記憶され、適宜読み出されて当該演算等に供されるものとする。
スタートキー505が押圧されてから所定時間経過すると、プリント判断手段502により、図1の画像形成部100で所定のプリント処理が開始されたと判断される(ステップS3でYES)。すると、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、フラグiは初期設定値(i=0)であるので、i>0ではないと判断される(ステップS4aでNO)。温度差演算手段502aにより、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、プリント制御温度Tsetとの差ΔTが演算される(ステップS4b)。例えばこの差ΔTが13℃であったとすると、デューティ比決定手段502bにより、温度差演算手段502aによる演算結果に基づいて、定着ヒータ3の通電制御におけるデューティ比が決定される。このときには、10℃<ΔT≦15℃の場合であるので、強制点灯デューティ比は50%と決定され(ステップS4c)、フラグiがインクリメント(i=i+1)される(ステップS4d)。
ついで、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここで、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低いと判断された場合には(ステップS5でNO)、さらにフラグm>1であるか否かが判断される(ステップS6)。最初は、フラグmは初期設定値(m=0)であるから、m>1ではないと判断され(ステップS6でNO)、定着ヒータ3が前記検知温度T1に応じたデューティ比で通電制御される(ステップS7)。そして、前記ステップS4に戻る。
すると、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、i=1であるので、i>0であると判断され(ステップS4aでYES)、前記ステップS4b〜S4dをスキップしてステップS5に進む。
そして、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここで、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低いと判断された場合には(ステップS5でNO)、さらにフラグm>1であるか否かが判断される(ステップS6)。最初は、フラグmは初期設定値(m=0)であるから、m>1ではないと判断され(ステップS6でNO)、定着ヒータ3が前記検知温度T1に応じたデューティ比で通電制御され(ステップS7)、前記ステップS4に戻ってそれ以降のステップを繰り返す。
一方、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断された場合には(ステップS5でYES)、次のステップS8へ進む。
ここでは、フラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときは、m=1であるので、m>1ではないと判断される(ステップS9でNO)。
すると、第2のヒータ制御手段504により、非通紙域−接触サーミスタ6の検知温度T2のプリント開始前の所定時間内における前後出力値が比較されることで検知温度T2が低下しているか否かが判断され(ステップS11)、検知温度T2が低下していると判断された場合には(ステップS11でYES)、定着ヒータ3が前記ステップS4cで決定されたデューティ比50%で通電制御される(ステップS12a)。一方、検知温度T2が低下していないと判断されると(ステップS11でNO)、定着ヒータ3の通電が停止された上で(ステップS14)、前記ステップS4に戻る。
そして、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が再び検知され(ステップS4)、フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、i=1であるので、i>0であると判断され(ステップS4aでYES)、前記ステップS4b〜S4dをスキップして、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断されるから(ステップS5でYES)、さらにフラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときは、m=2であるので、m>1であると判断される(ステップS9でYES)。ついで、もう1つのフラグnについて、n>1であるか否かが判断される(ステップS10)。このときのフラグnは初期設定値(n=0)であるので、n>1ではないと判断されるので(ステップS10でNO)、前記ステップS11をスキップして、定着ヒータ3が前記ステップS4cで決定されたデューティ比50%で通電制御され(ステップS12b)、前記ステップS4に戻る。
そして、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が再び検知され(ステップS4)、フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、i=1であるので、i>0であると判断され(ステップS4aでYES)、前記ステップS4b〜S4dをスキップする。この間の通紙による放熱等により、第1のローラ表面温度T1は低下する。
再び第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較される(ステップS5)。ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも低いと判断され(ステップS5でNO)、さらに、m>1であるか否かが判断される(ステップS6)。このときはm=2であるので、m>1であると判断される(ステップS6でYES)。
すると、フラグnがインクリメント(n=n+1)されてから(ステップS13)、定着ヒータ3が前記ステップS4cで決定されたデューティ比50%で通電制御され(ステップS12a)、前記ステップS4に戻る。通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知される(ステップS4)。フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、i=1であるので、i>0であると判断され(ステップS4aでYES)、前記ステップS4b〜S4dをスキップする。前記強制通電により、第1のローラ表面温度T1は再び上昇し始める。このため、第1のヒータ制御手段503により、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、メモリ501に予め記憶しておいたプリント制御温度Tsetとが比較されると(ステップS5)、ここでは、検知温度T1がプリント制御温度Tsetよりも高いと判断されるようになる(ステップS5でYES)。
すると、フラグmがインクリメント(m=m+1)され(ステップS8)、m>1であるか否かが判断される(ステップS9)。このときは、m=3であるので、m>1であると判断され(ステップS9でYES)、さらに、n>1であるか否かが判断される(ステップS10)。このときは、n=1であるので、n>0であると判断され(ステップS10でYES)、定着ヒータ3の通電が停止されてから(ステップS14)、前記ステップS1に戻る。
そして、フラグがリセット(i=0,m=0,n=0)され(ステップS1)、非通紙域−接触サーミスタ6で前記第2のローラ表面温度T2が検知され(ステップS2)、プリント判断手段502により、図1の画像形成部100で次のプリント処理が開始されたと判断されると(ステップS3でYES)、次のステップS4に進む。
ここで、通紙域−非接触サーミスタ5で前記第1のローラ表面温度T1が検知され(ステップS4)、フラグiについて、i>0であるか否かが判断される(ステップS4a)。このときには、i=0であるので、i>0ではないと判断されるので(ステップS4aでNO)、温度差演算手段502aにより、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1と、プリント制御温度Tsetとの差ΔTが演算される(ステップS4b)。例えばこの差ΔTが6℃になっていたとすると、デューティ比決定手段502bにより、温度差演算手段502aによる演算結果に基づいて、定着ヒータ3の通電制御におけるデューティ比が決定される。このときには、5℃<ΔT≦10℃の場合であるので、強制点灯デューティ比は60%と決定され(ステップS4c)、フラグiがインクリメント(i=i+1)される(ステップS4d)。以降はステップS12aで定着ヒータ3が前記ステップS4cで決定されたデューティ比60%で通電制御される以外は上記と全く同様である。
一方、プリント判断手段502により、図1の画像形成部100で次のプリント処理が開始されていないと判断されると(ステップS3でNO)、スタンバイ状態となってから、電源オフですべての制御動作を終了する。
図8は強制点灯を行わない場合の通紙−非接触サーミスタ5の検知温度推移を示す説明図、図9は強制点灯デューティ比を可変とした場合の通紙−非接触サーミスタ5の検知温度推移を示す説明図である。なお、両図中のラインaは強制点灯のデューティ比が40%、ラインbは強制点灯のデューティ比が50%、ラインcは強制点灯のデューティ比が60%の場合をそれぞれ示している。
すなわち、本実施形態2では、図9に示すように、プリント開始時点の検知温度T1、又は定着ローラ2の実際の表面温度にかかわらず、ラインa,b,cはともにほぼ同様のタイミングでなだらかにプリント制御温度Tsetに移行する。また、検知温度T1が高温であるほど、強制点灯デューティ比を小さくすることにより、安全性についてもよい方向となる。一方、図8では、ラインa,b,cはともにハンチング状態でプリント制御温度Tsetに移行する。これに伴い、ローラ表面実温度も同様にアンダーシュートが発生することがわかる。
本実施形態2によれば、所定のデューティ比は、通紙域−非接触サーミスタ5の検知温度T1とプリント制御温度Tsetとの差ΔTに基づいて、プリント判断手段502でプリントが開始されたと判断される都度、その設定が更新されるので、デューティ比の設定に手間がかからなくなり、そのデューティ比の設定の更新タイミングを含めて、さらに簡単な制御で、安全かつ確実に定着不良を防止できる。
なお、上記実施形態1,2では、第1の検知手段として、定着ローラ3から放出される赤外線を検知するサーミスタを例示したが、同様の機能を有する他種類の検知手段であってもよい。
また、上記実施形態1,2では、定着ヒータ3を定着ローラ2に内蔵したものを例示したが、誘導加熱方式等の他種類のヒータであってもよいし、それを定着ローラ2の外部に設置して、定着ローラ2のローラ表面を加熱するものであってもよい。
また、上記実施形態1,2では、画像形成装置の一例としてプリンタ1について説明したが、その他の画像形成装置(複写機等)に本発明を適用できることはもちろんである。
本発明の実施形態1に係るプリンタの全体構成を示す断面図である。 本実施形態1の定着ローラユニット108まわりの制御ブロック図である。 図2の制御動作を示すフローチャートである。 従来の定着ローラまわりにおける温度波形等を示す説明図である。 本実施形態1の定着ローラまわりにおける温度波形等を示す説明図である。 本実施形態2の定着ローラユニットまわりの制御ブロック図である。 図6の制御動作を示すフローチャートである。 強制点灯を行わない場合の通紙−非接触サーミスタの検知温度推移を示す説明図である。 強制点灯デューティ比を可変とした場合の通紙−非接触サーミスタの検知温度推移を示す説明図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置の一例)
2 定着ローラ
3 定着ヒータ(ヒータ)
4 加圧ローラ
5 通紙域−非接触サーミスタ(第1の検知手段)
6 非通紙域−接触サーミスタ(第2の検知手段)
100 画像形成部
106 転写ローラ(転写部)
108 定着ローラユニット
200 給紙装置
300 搬送路
500,500a 制御部(制御手段)
501 メモリ
502 プリント判断手段
502a 温度差判断手段
502b デューティ比決定手段
503 第1のヒータ制御手段(第1の制御手段)
504 第2のヒータ制御手段(第2の制御手段)
505 スタートキー
P 用紙

Claims (5)

  1. 転写部でのトナー画像の転写により画像形成処理が施された用紙上の未定着トナーを熱定着する定着ローラを備えた画像形成装置であって、
    前記定着ローラの軸方向の通紙域付近に配置され、該通紙域におけるローラ表面温度を非接触状態で検知する第1の検知手段と、
    前記定着ローラの軸方向の非通紙域に配置され、該非通紙域におけるローラ表面温度を接触状態で検知する第2の検知手段と、
    前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも低い場合には前記定着ローラを加熱し、前記所定温度よりも高い場合には前記定着ローラの加熱を停止するように制御する第1の制御手段と、
    前記第1の検知手段の検知温度が前記所定温度よりも高い場合であっても、前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御する第2の制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成処理が開始されたか否かを判断する画像形成判断手段をさらに備えており、前記第2の制御手段は、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断された時点で前記第1の検知手段の検知温度が所定温度よりも高い場合であっても、前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される前に前記第2の検知手段の検知温度が低下していた場合には、前記定着ローラを所定のデューティ比で強制加熱するように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記定着ローラはヒータを内蔵しており、前記第1の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記第1の検知手段の検知温度に応じたデューティ比にて制御する一方、前記第2の制御手段は、前記ヒータへの通電又は通電停止を前記所定のデューティ比にて制御するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比が設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成判断手段で前記画像形成処理が開始されたと判断される都度、前記第1の検知手段の検知温度と前記所定温度との差に基づいて、前記所定のデューティ比の設定が更新されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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