JP2020020848A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着装置の経時使用に拘らず、定着ベルトを十分に加熱して画像不良を抑制する。【解決手段】用紙に形成されたトナー像を加熱する回転可能な定着ベルト20と、定着ベルト20に対して加圧され、定着ベルト20との間を通過する用紙を加圧する回転可能な加圧ローラー21(加圧部材)と、定着ベルト20の内側で加圧ローラー21の側に配置され、定着ベルト20の内周面に接触して定着ベルト20を加熱するヒーター22と、を備える。定着ベルト20の内周面には、潤滑剤20aが塗布される。そして、定着装置13では、定着ベルト20を所定の定着温度まで加熱するために必要なヒーター22の制御温度を予め設定し、制御装置15によって、ヒーター22を所定の計測時間加熱した場合のヒーター22の上昇温度が高くなる程、ヒーター22の制御温度を高く補正する。【選択図】図2
Description
本発明は、用紙にトナー像を定着させる定着装置と、この定着装置を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置は、用紙上に形成されたトナー像を加熱定着させる定着装置を備える。定着装置は、例えば、トナー像を加熱する定着ベルトと、用紙に対してトナー像を加圧する加圧部材と、定着ベルトを加熱する熱源とを備える。
熱源は、例えば、定着ベルトの内側で加圧部材の側に配置され、定着ベルトの内周面に接触して設けられる。
熱源は、例えば、定着ベルトの内側で加圧部材の側に配置され、定着ベルトの内周面に接触して設けられる。
例えば、特許文献1では、画像形成装置は、画像(トナー像)が形成された記録材(用紙)を加熱するヒーター(熱源)及びヒーターの特性情報を記憶する不揮発性メモリを有する定着器(定着装置)を備える。画像形成装置は、商用電源からヒーターへの電力の供給を制御する通電制御部と、不揮発性メモリから特性情報を取得しつつ、通電制御部によりヒーターへ所定の電力量の電力を供給させ、特性情報の取得が完了すると、通電制御部によりヒーターへ当該特性情報に基づく電力量の電力を供給させる主制御部と、を備える。
定着装置では、熱源に接触した定着ベルトの摺動性を向上するために、熱源に対する定着ベルトの接触面(内周面)に潤滑剤が塗布される。初期の定着装置では、定着ベルトに十分な潤滑剤が塗布されていて、定着ベルトと熱源との間の空隙が埋まるので、熱源で発生した熱を定着ベルトへ十分に伝達することができる。しかしながら、経時的に使用された定着装置では、潤滑剤が減少し、定着ベルトと熱源との間に空隙が生じる。このとき、空隙により、熱源から定着ベルトへの熱伝達が低下して、熱源の熱が定着ベルトに奪われ難くなり、初期の定着装置に比べて熱源の昇温速度が速くなる一方、定着ベルトの昇温速度が遅くなる。
定着装置は、定着ベルトを所定の定着温度まで加熱するために必要な熱源の制御温度を予め設定していて、定着処理の際に熱源を制御温度まで加熱するように構成される。しかしながら、上記のように熱源から定着ベルトへの熱伝達が低下していると、熱源を制御温度まで上昇させても、定着ベルトが定着温度まで加熱されなくなる。そのため、定着ベルトが十分に加熱されていない状態で、画像形成装置の印字が行われると、定着装置では、定着不良が生じて画像不良を発生させてしまう。
そこで、本発明は上記事情を考慮し、定着装置の経時使用に拘らず、定着ベルトを十分に加熱して画像不良を抑制することを目的とする。
本発明の定着装置は、用紙に形成されたトナー像を加熱する回転可能な定着ベルトと、前記定着ベルトに対して加圧され、前記定着ベルトとの間を通過する前記用紙を加圧する回転可能な加圧部材と、前記定着ベルトの内側で前記加圧部材の側に配置され、前記定着ベルトの内周面に接触して前記定着ベルトを加熱する熱源と、を備え、前記定着ベルトの内周面には、潤滑剤が塗布され、前記定着ベルトを所定の定着温度まで加熱するために必要な前記熱源の制御温度を予め設定し、前記熱源を所定の計測時間加熱した場合の前記熱源の上昇温度が低くなる程、前記制御温度を高く補正することを特徴とする。
上記した定着装置は、前記定着ベルトの温度が高い程、前記制御温度の補正値を小さくしてもよい。
本発明の画像形成装置は、上記した定着装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、定着装置の経時使用に拘らず、定着ベルトを十分に加熱して画像不良を抑制することが可能となる。
先ず、本発明の実施形態に係るプリンター1(画像形成装置)の全体の構成について図1を参照しながら説明する。以下、説明の便宜上、図1における紙面手前側をプリンター1の前側とする。各図に適宜付される矢印L、R、U、Lo、Fr、Rrは、それぞれプリンター1の左側、右側、上側、下側、前側、後側を示している。
プリンター1は、略箱型形状のプリンター本体2を備え、プリンター本体2の下部には用紙を収納する給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられる。
プリンター本体2内の上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光装置5が排紙トレイ4の下方に配置され、露光装置5の下方には、画像形成部6が設けられる。画像形成部6には、像担持体である感光体ドラム7が回転可能に設けられる。感光体ドラム7の周囲には、帯電装置と、トナーコンテナに接続された現像装置と、転写ローラーと、クリーニング装置とが、感光体ドラム7の回転方向に沿って配置される。
また、プリンター本体2の内部には、用紙の搬送経路10が設けられる。搬送経路10の上流端には給紙部11が給紙カセット3の近傍に設けられ、搬送経路10の中流部には、感光体ドラム7と転写ローラーによって構成される転写部12が設けられる。搬送経路10の下流部には定着装置13が設けられ、搬送経路10の下流端には排紙部14が排紙トレイ4の近傍に設けられる。また、プリンター本体2の内部には、定着装置13を制御する制御装置15が備えられる。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。プリンター1は、外部のコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、画像形成動作を開始する。先ず、画像形成部6の帯電装置によって感光体ドラム7の表面が帯電された後、露光装置5からのレーザー光により感光体ドラム7に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム7の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、画像形成部6の現像装置がトナーを用いてトナー像に現像する。
一方、給紙カセット3に収納された用紙が、給紙部11によって取り出されて搬送経路10上を搬送される。搬送経路10上の用紙は、所定のタイミングで転写部12へと搬送され、転写部12によって感光体ドラム7上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、定着装置13へと搬送され、定着装置13によって用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙部14から排紙トレイ4に排出される。
次に、定着装置13の構成について、図2〜図8を参照しながら説明する。図2に示すように、定着装置13は、定着ベルト20と、加圧ローラー21(加圧部材)と、ヒーター22(熱源)と、ヒーター保持部材23と、押圧部材24と、ヒーター温度検知部25とを備える。
定着装置13の各部は、定着フレーム(図示せず)に取り付けられ、定着フレームは、搬送経路10が用紙の搬送方向(左右方向)において定着フレームを貫通するように、プリンター本体2に取り付けられる。定着フレーム内では、定着ベルト20及び加圧ローラー21は、搬送経路10を挟んで上側及び下側にそれぞれ配置され、互いに対向すると共に接触して配置される。そして、搬送経路10には、定着ベルト20と加圧ローラー21との間に加圧領域Nが形成される。
なお、加圧領域Nとは、定着ベルト20と加圧ローラー21とが接触している領域であって、定着ベルト20及び加圧ローラー21による用紙への圧力が0Paである搬送方向上流側の位置から、その圧力が最大となる搬送方向の位置を経由して再びその圧力が0Paとなる搬送方向下流側の位置までの領域を示す。
定着ベルト20は、可撓性を有する材料で、搬送方向と直交(交差)する用紙の幅方向(前後方向)に長い略円筒状に形成される。定着ベルト20は、前後方向を回転軸方向として、定着フレームに回転可能に取り付けられ、加圧ローラー21の回転に従動して回転する。定着ベルト20の内周面は、下記のようにヒーター22と接触するので、潤滑剤20aが塗布される。なお、定着ベルト20の内部には、定着ベルト20の形状を内側から規制する形状規制部材(図示せず)が備えられてよい。そして、定着ベルト20は、加圧領域Nを通過する用紙に接触して加熱し、用紙に形成されたトナー像が加熱される。
加圧ローラー21は、用紙の幅方向に長い略円柱状に形成される。加圧ローラー21は、例えば、円柱状の芯金と、芯金に周設される弾性層と、弾性層を被覆する離型層とから構成される。芯金は、金属材料で形成され、弾性層は、シリコンゴム等の弾性材料で形成され、離型層は、PFA等のフッ素系樹脂材料で形成される。加圧ローラー21は、前後方向を回転軸方向として、定着フレームに回転可能に取り付けられ、モーター等の駆動源27(図4参照)から伝達される回転駆動力によって回転する。そして、加圧ローラー21は、定着ベルト20に対して加圧されて、定着ベルト20と共に、加圧領域Nを通過する用紙を加圧する。
ヒーター22は、用紙の幅方向に長い板状に形成される。ヒーター22は、定着ベルト20の内側に挿通され、加圧ローラー21側で定着ベルト20の内周面に接触するように配置される。ヒーター22は、例えば、図3に示すように、抵抗発熱体22aと、基材22bと、一対の電極22cと、オーバーコート22dとから構成される。抵抗発熱体22aは、セラミック等から構成される発熱体であって、幅方向において定着ベルト20と略同じ長さの板状に形成される。基材22bは、幅方向において定着ベルト20よりも長い板状に形成される。抵抗発熱体22aは、基材22bの下面(加圧ローラー21側の面)に取り付けられる。
一対の電極22cは、用紙の幅方向において抵抗発熱体22aの両端側で基材22bの下面に取り付けられる。一対の電極22cは、抵抗発熱体22aに電気的に接続され、更に、電源装置(図示せず)に接続される。オーバーコート22dは、抵抗発熱体22a及び一対の電極22cを下面側から被覆し、定着ベルト20の内周面に摺動する摺動面として機能する。そして、電源装置から一対の電極22cへ電力を供給することで、一対の電極22cに接続された抵抗発熱体22aが電力供給を受けて加熱する。これにより、ヒーター22が加熱して、ヒーター22に接触した定着ベルト20を加熱する。
ヒーター保持部材23は、絶縁材料によって、幅方向に長い板状に形成される。ヒーター保持部材23は、定着ベルト20の内側に挿通され、ヒーター22の上方に配置される。そして、ヒーター22は、ヒーター保持部材23の下面(加圧ローラー21側の面)に取り付けられ、ヒーター保持部材23はヒーター22を保持する。
押圧部材24は、用紙の幅方向に長い矩形筒状に形成される。なお、押圧部材24の下面は開口していてよい。押圧部材24は、定着ベルト20の内側に挿通され、ヒーター保持部材23の上方に配置され、押圧部材24の下面がヒーター保持部材23の上面に当接される。押圧部材24の幅方向の両端は、定着フレームに支持され、定着ベルト20、ヒーター22及びヒーター保持部材23を介して加圧ローラー21から受ける加圧力を、加圧ローラー21側に押し返す。
ヒーター温度検知部25は、ヒーター22の近傍に設けられ、例えば、ヒーター22の上方でヒーター保持部材23や押圧部材24に取り付けられる。例えば、ヒーター温度検知部25は、サーミスタ等の温度センサーで構成され、ヒーター22に対して非接触で配置されてよく、あるいは、ヒーター22に接触して配置されてもよい。ヒーター温度検知部25は、制御装置15に接続されていて、制御装置15に制御されてヒーター22の温度を検知し、その検知結果を制御装置15へ出力する。
次に、定着装置13を制御する制御装置15の電気的な構成について図4を参照しながら説明する。制御装置15は、CPU等で構成され、ROMやRAM等の記憶装置16に接続されている。なお、制御装置15及び記憶装置16として、プリンター1の各部を統括制御するメイン制御装置及びメイン記憶装置が適用されてもよい。
制御装置15は、記憶装置16に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、制御装置15に接続された各部を制御する。例えば、制御装置15は、ヒーター22、ヒーター温度検知部25及び駆動源27に接続されている。制御装置15は、上記の画像形成動作に対応して定着処理を行うように定着装置13を制御する。なお、記憶装置16には、定着処理に適した定着ベルト20の所定の定着温度や、定着ベルト20を定着温度まで加熱するために必要なヒーター22の所定の制御温度が予め記憶される。また、記憶装置16には、ヒーター22を制御温度まで加熱するために必要な所定の加熱時間等が予め記憶されてもよい。
定着処理において、制御装置15は、例えば、定着ベルト20の温度を制御する。このとき、制御装置15は、プリンター1の制御装置等から定着処理の開始信号を入力すると、ヒーター22の加熱を開始する。そして、制御装置15は、ヒーター温度検知部25の検知結果であるヒーター22の温度を監視して、ヒーター22の温度が制御温度となるように、ヒーター22の加熱を制御する。あるいは、制御装置15は、制御温度に到達する加熱時間が経過するまでヒーター22を加熱するように制御してもよい。
ところで、定着装置13では、ヒーター22に接触した定着ベルト20の摺動性を向上するために、ヒーター22に対する定着ベルト20の接触面(内周面)に潤滑剤20aが塗布されている。初期の定着装置13では、図5に示すように、定着ベルト20に十分な潤滑剤20aが塗布されていて、定着ベルト20とヒーター22との間の空隙が潤滑剤20aで埋まるので、ヒーター22と定着ベルト20とは、摺動性を確保しつつ密着する。これにより、ヒーター22で発生した熱を定着ベルト20へ十分に伝達することができる。そのため、図7において実線で示すように、ヒーター22を制御温度まで加熱することで、定着ベルト20を定着温度まで加熱することができる。
しかしながら、経時的に使用された定着装置13では、潤滑剤20aが加熱されて揮発したり、定着ベルト20とヒーター22とで加圧されて物理的に幅方向両端側へ押し出されたりすることにより減少し、図6に示すように、定着ベルト20とヒーター22との間に空隙が生じて密着性が低下することがある。このような空隙が生じると、ヒーター22から定着ベルト20への熱伝達が低下して、ヒーター22の熱が定着ベルト20に奪われ難くなり、初期の定着装置13に比べてヒーター22の昇温速度が速くなる一方、定着ベルト20の昇温速度が遅くなる。そのため、ヒーター22の制御温度が初期の定着装置13に合わせて設定されている場合、図7において破線で示すように、ヒーター22を制御温度まで加熱しても、定着ベルト20が定着温度まで加熱されなくなる。このように定着ベルト20が十分に加熱されていない状態で定着処理が行われると、定着不良が生じて画像不良を発生させることがある。
これに対して、本実施形態の定着装置13では、制御装置15は、経時使用に応じた定着ベルト20の潤滑剤20aの減少を予測して、潤滑剤20aの減少に対応するようにヒーター22の制御温度を補正する。
具体的には、上記したように、経時使用した定着装置13では、初期の定着装置13に比べて、ヒーター22から定着ベルト20への熱伝達が低下する。そのため、定着装置13のヒーター22を、所定の計測時間T(例えば、2〜5sec)の間、一定の電力(例えば、800W)で加熱したとき、ヒーター22の上昇温度は、初期の定着装置13に比べて、経時使用した定着装置13の方が高くなる。そこで、制御装置15は、初期の定着装置13及び経時使用した定着装置13の間の所定の計測時間Tで加熱後のヒーター22の上昇温度の差(ヒーター22の上昇温度差)が大きくなる程、定着ベルト20の潤滑剤20aが減少していると予測して、ヒーター22の制御温度を高く補正する。換言すれば、ヒーター22を所定の計測時間Tで加熱した場合のヒーター22の上昇温度が高くなる程、ヒーター22の制御温度を高く補正する。
例えば、初期の定着装置13の所定の計測時間Tで加熱後のヒーター22の上昇温度(ヒーター22の第1上昇温度)と、上記のようなヒーター22の上昇温度差と、ヒーター22の制御温度の補正値との関係を予め実験的に測定し、図8に示すようなこの関係を示す補正値テーブルを、記憶装置16に予め記憶しておく。
また、制御装置15は、定着処理において、ヒーター22の加熱開始後で用紙が搬送される前の所定の計測時間Tの経過時に、ヒーター温度検知部25によってヒーター22の温度を検知する。この検知結果のヒーター22の温度は、経時使用した定着装置13の所定の計測時間Tで加熱後のヒーター22の上昇温度(ヒーター22の第2上昇温度)である。制御装置15は、記憶装置16に記憶されたヒーター22の第1上昇温度と、検知結果のヒーター22の第2上昇温度とに基づいて、ヒーター22の上昇温度差を算出する。制御装置15は、算出したヒーター22の上昇温度差に基づいて、上記の補正値テーブルからヒーター22の制御温度の補正値を取得し、この補正値を用いてヒーター22の制御温度を補正する。
そして、制御装置15は、定着処理において、ヒーター22を加熱する際に、ヒーター22の温度が補正後の制御温度になるように制御する。これにより、図9において破線で示すように、経時使用した定着装置13においても、ヒーター22を補正した制御温度まで加熱することで、定着ベルト20を定着温度まで加熱することができる。
なお、上記のようなヒーター22の制御温度の補正処理は、定着処理毎に行ってもよく、あるいは所定の印字枚数毎に行ってもよい。
また、定着装置13の経時使用に伴って、定着ベルト20の潤滑剤20aが減少して、ヒーター22の第2上昇温度が高くなるが、潤滑剤20aが過剰に減少すると、ヒーター22の制御温度の補正に拘らず、定着ベルト20の摺動性が低下して定着ベルト20やヒーター22の故障を招くおそれがある。そこで、ヒーター22の第2上昇温度が所定の上限値を上回る場合、又は、ヒーター22の上昇温度差が所定の上限値を上回る場合、定着ベルト20の潤滑剤20aが過剰に減少したと判断して、エラー報知を行ってもよい。なお、エラー報知では、定着装置13や定着ベルト20の交換や修理、潤滑剤20aの充填を報知してもよい。
本実施形態によれば、上述のように、プリンター1(画像形成装置)の定着装置13は、用紙に形成されたトナー像を加熱する回転可能な定着ベルト20と、定着ベルト20に対して加圧され、定着ベルト20との間を通過する用紙を加圧する回転可能な加圧ローラー21(加圧部材)と、定着ベルト20の内側で加圧ローラー21の側に配置され、定着ベルト20の内周面に接触して定着ベルト20を加熱するヒーター22(熱源)と、を備える。定着ベルト20の内周面には、潤滑剤20aが塗布される。そして、定着装置13では、定着ベルト20を所定の定着温度まで加熱するために必要なヒーター22の制御温度を予め設定し、制御装置15によって、ヒーター22を所定の計測時間Tで加熱した場合のヒーター22の上昇温度が高くなる程、ヒーター22の制御温度を高く補正する。
これにより、定着装置13の経時使用によって、定着ベルト20の潤滑剤20aが減少し、ヒーター22から定着ベルト20への熱伝達が低下しても、ヒーター22を所定の計測時間Tで加熱した場合のヒーター22の上昇温度が高くなる程、定着ベルト20の潤滑剤20aが減少していると予測して、ヒーター22の制御温度を高く補正する。これにより、ヒーター22から定着ベルト20への熱伝達が低下しても、定着ベルト20を定着温度まで加熱することができる。そのため、定着装置13の経時使用に拘らず、定着ベルト20を十分に加熱した状態で定着処理を行うことができ、定着不良や画像不良の発生を抑制することができる。
また、他の実施形態において、定着装置13は、ヒーター22の制御温度の補正処理において、ヒーター22の温度に加えて、定着ベルト20の加熱状態に基づいて、ヒーター22の制御温度の補正値を得てもよい。
具体的には、ヒーター22の加熱を停止すると、ヒーター22の温度降下は比較的速いので、定着処理終了直後、即ち、ヒーター22の加熱停止直後でも、上記の補正値テーブルのようなヒーター22の上昇温度差が得られる。しかし、定着ベルト20の加熱を停止しても、定着ベルト20の温度降下は比較的遅いので、定着処理終了直後、即ち、定着ベルト20の加熱停止直後では、定着ベルト20が高温のままであることがある。そのため、ヒーター22の制御温度は、上記の補正値テーブルのような補正値よりも小さい補正値で補正しても、定着ベルト20を定着温度まで加熱するできる場合がある。そこで、制御装置15は、定着ベルト20の温度が高い程、ヒーター22の制御温度の補正値を小さくしてもよい。
例えば、定着装置13は、図4に示すように、ベルト温度検知部26を備える。ベルト温度検知部26は、定着ベルト20の近傍に設けられ、例えば、定着ベルト20の上方で定着フレームに取り付けられる。例えば、ベルト温度検知部26は、サーミスタ等の温度センサーで構成され、定着ベルト20に対して非接触で配置される。ベルト温度検知部26は、制御装置15に接続されていて、制御装置15に制御されて定着ベルト20の温度を検知し、その検知結果を制御装置15へ出力する。
そして、制御装置15は、上記したように、ヒーター22の上昇温度差に基づいて補正値テーブルからヒーター22の制御温度の補正値を取得し、ベルト温度検知部26で検知された定着ベルト20の温度が高い程、ヒーター22の制御温度の補正値を小さくして、この補正値を用いてヒーター22の制御温度を補正する。若しくは、制御装置15は、ベルト温度検知部26で検知された定着ベルト20の温度が所定の閾値よりも高い場合のみ、ヒーター22の制御温度の補正値を小さくしてもよい。
あるいは、定着装置13は、ベルト温度検知部26を備えることなく、前回の定着処理の終了からの経過時間に基づいて、定着ベルト20が高温か否かを判断してもよい。例えば、制御装置15は、前回の定着処理の終了からの経過時間を計測し、経過時間が所定の閾値よりも短い場合、定着処理終了直後であって定着ベルト20が高温であると判断し、ヒーター22の制御温度の補正値を小さくしてもよい。
これにより、ヒーター22の温度だけでなく、定着ベルト20の加熱状態も考慮して、ヒーター22の制御温度を補正するため、定着ベルト20をより適切に定着温度まで加熱することができる。
本実施形態では、モノクロのプリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、カラープリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
1 プリンター(画像形成装置)
6 画像形成部
10 搬送経路
13 定着装置
15 制御装置
16 記憶装置
20 定着ベルト
20a 潤滑剤
21 加圧ローラー
22 ヒーター
25 ヒーター温度検知部
26 ベルト温度検知部
6 画像形成部
10 搬送経路
13 定着装置
15 制御装置
16 記憶装置
20 定着ベルト
20a 潤滑剤
21 加圧ローラー
22 ヒーター
25 ヒーター温度検知部
26 ベルト温度検知部
Claims (3)
- 用紙に形成されたトナー像を加熱する回転可能な定着ベルトと、
前記定着ベルトに対して加圧され、前記定着ベルトとの間を通過する前記用紙を加圧する回転可能な加圧部材と、
前記定着ベルトの内側で前記加圧部材の側に配置され、前記定着ベルトの内周面に接触して前記定着ベルトを加熱する熱源と、を備え、
前記定着ベルトの内周面には、潤滑剤が塗布され、
前記定着ベルトを所定の定着温度まで加熱するために必要な前記熱源の制御温度を予め設定し、
前記熱源を所定の計測時間加熱した場合の前記熱源の上昇温度が高くなる程、前記制御温度を高く補正することを特徴とする定着装置。 - 前記定着ベルトの温度が高い程、前記制御温度の補正値を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 請求項1又は2に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021161586A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 成形体及び成形体の製造方法 |
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- 2018-07-30 JP JP2018142073A patent/JP2020020848A/ja active Pending
Cited By (1)
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WO2021161586A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 成形体及び成形体の製造方法 |
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