JP3624332B2 - 変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機の制御装置に関し、詳しくは、燃費性能と動力性能とを両立させ得る変速制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、変速機の制御装置としては、特開昭59−23150号公報や特開昭59−226750号公報に開示されるようなものがあった。
前記特開昭59−23150号公報に開示されるものは、馬力を一定に維持したまま、エンジンの出力トルク,回転速度を変化させ、燃料消費率が最小となる変速比に制御する構成となっている。
【0003】
また、前記特開昭59−226750号公報に開示されるものは、エンジンの回転速度とブーストとに基づきエンジンの要求馬力を求め、かかる要求馬力を最小の燃料消費率で得られる目標エンジン回転速度になるように、変速比をフィードバック制御する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開昭59−23150号公報に開示されるものでは、エンジン回転を変化させて燃費が変化前よりも改善される状況でのみ変速を行わせる構成であるため、高い燃費性能を得られるものの、例えば運転者が燃費性能よりも動力性能を重視する場合等においては、運転者の意図に見合った変速が行われないという問題があった。
【0005】
また、前記特開昭59−226750号公報に開示されるものでも、エンジンの要求馬力は、エンジンの運転条件に基づいて設定され、運転者の動力性能の要求が反映されないために、運転者の要求に対して必ずしも最適な変速比に制御されず、運転者の動力性能の要求を満足させつつ、最良の燃費性能を得ることができなかった。更に、目標エンジン回転速度になるように変速比をフィードバック制御する構成では、収束性が悪く、変速の応答遅れが生じるなどの問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、運転者により異なる動力性能の要求(馬力要求度合い)に対応できる変速機の制御装置を提供することを目的とする。
更に、運転者により異なる動力性能の要求に対応しつつ、最良の燃費性能が得られる変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1記載の発明は、図1に示すように構成される。
図1において、車速検出手段は車速を検出し、最大馬力設定手段は、前記車速検出手段で検出された車速において出力可能な最大馬力を設定する。
【0008】
一方、運転者馬力要求度合い設定手段は、アクセル操作速度に基づいて運転者の馬力要求度合いを設定する。
そして、目標馬力設定手段は、前記最大馬力と前記運転者の馬力要求度合いとに基づいて目標馬力を設定し、変速制御手段は、前記目標馬力になるように変速機の変速比又は変速段を制御する。
【0009】
かかる構成によると、そのときの車速に応じて最大馬力が設定され、この最大馬力を上限としてどの程度の馬力を発生させるかを、アクセル操作速度に基づいて設定される運転者の馬力要求度合いに応じて設定する。
具体的には、運転者の馬力要求度合いが高い場合には、最大馬力若しくは最大馬力に近い比較的大きな馬力を目標馬力として設定し、運転者の馬力要求度合いが低い場合には、最大馬力よりも小さいな馬力を目標馬力として設定する。
そして、前記目標馬力になるように変速が制御されるから、運転者の意図に沿った変速が行われることになる。
ここで、一般的に、アクセル操作速度が小さい場合には運転者が比較的燃費重視の傾向が強く、アクセル操作速度が大きい場合には運転者が馬力性能を重視する度合いがそれだけ高いものと推定できるので、運転者の馬力要求度合いを精度良く設定できる。
【0010】
一方、請求項2記載の発明は、図2に示すように構成される。
図2において、車速検出手段は車速を検出し、最大馬力設定手段は、前記車速検出手段で検出された車速において出力可能な最大馬力を設定する。
また、運転者馬力要求度合い設定手段は、アクセル操作速度に基づいて運転者の馬力要求度合いを設定する。
【0011】
更に、エンジン負荷による馬力要求度合い設定手段は、エンジン負荷検出手段で検出される変速機と組み合わされるエンジンの負荷に相関する値に基づいて、馬力要求度合いを設定する。
そして、目標馬力設定手段は、前記最大馬力と、前記運転者の馬力要求度合いと、前記エンジン負荷による馬力要求度合いとに基づいて目標馬力を設定する。
【0012】
変速制御手段は、前記目標馬力になるように変速機の変速比又は変速段を制御する。
かかる構成によると、アクセル操作速度に基づき設定される運転者による馬力要求度合い及びエンジン負荷による馬力要求度合いと、車速に応じて設定される最大馬力とに基づいて目標馬力が設定される。即ち、運転者の要求に対応して最大馬力の範囲内で目標馬力を設定すると共に、そのときのエンジン負荷の状態からも目標馬力を変化させ、より適正な目標馬力の設定が行えるようにした。
【0013】
請求項3記載の発明では、前記目標馬力設定手段において、前記運転者の馬力要求度合いと前記エンジン負荷による馬力要求度合いとのより小さい方を選択し、該選択した馬力要求度合いと前記最大馬力とに基づいて目標馬力を設定する構成とした。
かかる構成によると、前記運転者の馬力要求度合いと前記エンジン負荷による馬力要求度合いとのより小さい方を選択することで、運転者の要求に対応しつつ極力燃料消費率を抑制できる変速制御を可能にする。
【0014】
請求項4記載の発明では、前記変速制御手段が、予め設定された目標馬力と燃料消費率との関係に基づいて、前記目標馬力設定手段で設定された目標馬力が得られ、かつ、最良の燃料消費率となるように、変速機の変速比又は変速段を制御する構成とした。
かかる構成によると、運転者の要求に従って馬力を発生しつつ、その馬力を発生させるに当たっての最良の燃費性能が確保されることになる。
【0015】
請求項5記載の発明では、前記変速制御手段が、目標馬力に基づいて最良の燃料消費率となる目標エンジン回転速度を設定し、該目標エンジン回転速度と車速とに基づいて変速比又は変速段を決定する構成とした。
かかる構成によると、目標馬力が得られ、然も、最良の燃料消費率となる目標エンジン回転速度を決定し、更に、そのときの車速で前記目標エンジン回転速度となるような変速比又は変速段を求めて変速を行うから、目標馬力を応答良く得られ、運転者の意図に応答良く追従した変速が可能となる。
【0016】
請求項6記載の発明では、前記目標馬力設定手段が、予め車速に応じて設定された最小馬力を下限として目標馬力を設定する構成とした。
かかる構成によると、必要最小限の馬力が確保されるから、目標馬力が不当に小さく設定されて、運転性を損なうような変速制御が行われることを回避できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図3は、車両用変速機としての無段変速機(CVT)1のシステム図である。
図3において、無段変速機1は、エンジン側のプライマリプーリ2と、駆動軸(デフ)側のセカンダリプーリ3と、これらの間に巻掛けられるゴム或いは金属、若しくはこれらの組合せ等からなるベルト4とを備え、プライマリプーリ側アクチュエータ(変速制御用油室)2aへの変速圧、及びセカンダリプーリ側アクチュエータ(張力制御用油室)3aへのライン圧の調整により、プーリ比(セカンダリプーリ側ベルト巻き掛け有効径/プライマリプーリ側ベルト巻き掛け有効径)を変化させて、変速比を無段階に変化させることができるものである。なお、公知のトロイダル式等の他のCVTを用いることもできる。
【0019】
変速圧及びライン圧は、オイルポンプ5につながる油圧回路6内部に配設された各油圧経路(例えば、破線部)内の油圧を、リリーフ機能を有する電磁弁7,8等の開閉等を介して調節されるが、この電磁弁7,8の駆動制御はコントローラ50により行われる。
つまり、走行条件等に応じて要求される変速比が達成できるように、コントローラ50では、電磁弁7,8を介して、変速圧及びライン圧を制御して、変速比を目標値に制御するようになっている。なお、電磁弁7,8は、それぞれ複数の電磁弁から構成され、その複数の電磁弁の開閉組合せによって、目標の変速圧及びライン圧を達成することもできる。
【0020】
また、前記無段変速機(CVT)1とエンジンとの間に介装されるトルクコンバータ10を、所定条件下で燃費低減等の観点から直結駆動させるためのロックアップ圧も、コントローラ50からの信号に基づく電磁弁9の開閉駆動により制御するようになっている。
なお、変速比の制御等のため、コントローラ50には、運転者によって操作されるアクセルに連動して開閉するエンジンのスロットル弁の開度TVOを検出するスロットルセンサ51(エンジン負荷検出手段)からのスロットル開度信号や、車速センサ52(車速検出手段)からの車速信号VSPの他、プライマリプーリ回転速度信号、セカンダリプーリ回転速度信号、エンジン回転速度信号等が入力される。
【0021】
ところで、変速圧を検出するための変速油圧センサ11、ライン圧を検出するためのライン圧センサ12が、各油圧通路に設けられている。なお、これらの各油圧センサ11,12の検出値を用いて各油圧のフィードバック制御を行うようにしても良い。
次に、前記コントローラ50による変速比制御の様子を、図4の制御ブロック図に基づいて説明する。
【0022】
最大馬力設定部(最大馬力設定手段)71では、前記車速センサ52で検出された車速VSPに基づいて、そのときの車速VSPで発生し得る最大馬力を設定する。
前記最大馬力設定部71で設定された最大馬力は、目標馬力設定部(目標馬力設定手段)72に入力され、この目標馬力設定部72では、後述するように馬力要求度合い算出部73で算出される馬力要求度合いと、前記最大馬力とに基づいて目標馬力を設定する。
【0023】
前記馬力要求度合い算出部73では、後述する図9の制御ブロック図に従って設定される運転者の馬力要求度合いDRLと、エンジン負荷を代表するスロットル開度TVOに基づいて設定した馬力要求度合いERLとに基づいて、最終的な馬力要求度合いを設定する。
具体的には、図5に示すように、スロットル開度TVOをメンバーシップ関数に基づいて馬力要求度合いERLに変換し(エンジン負荷による馬力要求度合い設定手段)、このエンジン負荷による馬力要求度合いERLと、運転者の馬力要求度合いDRLとのより小さい方を最小値選択部73aにおいて選択し、該選択した馬力要求度合いを最終的な値として前記目標馬力設定部72に出力する。
【0024】
なお、エンジン負荷に相関する値として、前記スロットル開度の他に、アクセル操作量,ブースト,エンジンの吸入空気量などを用いて馬力要求度合いERLを設定させる構成としても良い。
前記馬力要求度合いERL,DRLは、いずれも0〜1.0 の範囲内で設定され、数値が大きいときほど馬力の要求度合いが高いことを示すデータであり、前記馬力要求度合いERLは、エンジン負荷(スロットル開度TVO)が大きいときほど大きな値として設定されるようになっている。
【0025】
目標馬力設定部72では、目標馬力を「目標馬力=最大馬力×馬力要求度合い」として算出する。
従って、目標馬力は、0〜最大馬力の範囲内で設定されることになるが、予め車速VSPに対応する最小馬力が図6に示すように設定されており、そのときの車速VSPでの最小馬力を下回る目標馬力が設定されないようにしてある。
【0026】
前記目標馬力は、目標エンジン回転算出部74に出力され、ここで、目標馬力に基づき目標エンジン回転速度が設定される。
前記目標エンジン回転算出部74は、前記目標馬力が得られる回転速度条件の中で最も燃料消費率が良い回転条件を求める。即ち、目標馬力が得られる回転速度条件の中で最も燃料消費率が良い回転条件を予め求め、かかる結果に基づいて目標馬力に対応する最良燃費のエンジン回転速度を記憶したテーブル(図7参照)を設定し、前記目標エンジン回転算出部74に前記テーブルを記憶させておく。そして、前記目標エンジン回転算出部74において、前記目標馬力に基づいて前記テーブルを参照することで、設定された目標馬力が得られる最良燃費のエンジン回転速度が目標エンジン回転速度として設定される。
【0027】
前記目標エンジン回転速度は、目標変速比算出部75に出力され、目標エンジン回転速度と車速VSPとに基づいて目標の変速比が、目標変速比=目標エンジン回転速度/車速VSPとして算出される。
変速制御部76では、前記目標変速比に実際の変速比を一致させるように、プーリ比(セカンダリプーリ側ベルト巻き掛け有効径/プライマリプーリ側ベルト巻き掛け有効径)を油圧制御によって変化させる。
【0028】
上記目標エンジン回転算出部74,目標変速比算出部75及び変速制御部76が変速制御手段に相当する。
図8のフローチャートは、上記図4の制御ブロック図に示される制御の様子を大略示すものであり、S1では、スロットル開度TVO,車速VSP,運転者の馬力要求度合いDRLなどを読み込む。
【0029】
S2では、前記車速VSPに基づいて最大馬力を設定する。
S3では、エンジン負荷を代表するスロットル開度TVOから求めた馬力要求度合いERLと、運転者の馬力要求度合いDRLとのより小さい方の馬力要求度合いを選択し、該選択した馬力要求度合いと前記最大馬力とに基づいて目標馬力を設定する。
【0030】
S4では、前記目標馬力が得られる最良燃料消費率のエンジン回転速度を目標エンジン回転速度として設定する。
S5では、前記目標エンジン回転速度と車速VSPとに基づいて、目標変速比を設定する。
そして、S6では、前記目標変速比になるようにプーリ比が制御される。
【0031】
次に、前記運転者の馬力要求度合いDRLの設定制御の様子(運転者馬力要求度合い設定手段)を、図9の制御ブロック図に基づいて説明する。
スロットルセンサ51からのスロットル開度信号は、運転者によるアクセル操作量に相関する値として微分演算部81において微分され、スロットル開度変化率、即ち、アクセル操作速度が求められる。
【0032】
前記アクセル操作速度は、アクセルの踏込み側(スロットルの開操作側)がプラスの値として、また、アクセルの戻し側(スロットルの閉操作側)がマイナスの値として求められる。従って、アクセルの戻し速度も、運転者の馬力(動力性能)の要求度合いを示すパラメータとして検出されることになる。
プラス及びマイナスの値をとり得る前記アクセル操作速度は、変換テーブル82によって絶対値に変換されるが、プラス側の操作速度の変換特性とマイナス側の操作速度の変換特性とを異ならせてあり、変換前の絶対値が同じであっても、マイナス側の操作速度は、プラス側の操作速度より小さい値に変換されるようにしてある。これは、戻し側はスプリングによる介助力が働き、踏込み側よりも割り引いて判断した方が、運転者の馬力要求(動力性能要求)を正しく判断できることになるためである。
【0033】
絶対値として求められたアクセル操作速度は、ピークホールド部83において、その最大値が記憶される。
前記ピークホールド部83は、記憶している前回までの最大値と、最新に検出されたアクセル操作速度とを比較し、最新の操作速度が記憶値を上回っている場合には、最新の操作速度を最大値として更新記憶する一方、記憶している最大値が最新値よりも大きい場合には、記憶値をそのまま保持する。
【0034】
ここで、減衰処理部84では、前記ピークホールド部83に記憶されている最大値を読み込み、該最大値を所定の減衰量に基づいて単位時間毎に徐々に減衰させる。該減衰処理後の最大値は、馬力要求度合い設定部86に出力される一方、前記減衰処理後の最大値に基づいて前記ピークホールド部83における最大値の記憶データが更新設定される。このため、ピークホールド部83では、徐々に減衰される最大値の記憶データと、最新の操作速度とを比較して、最大値の記憶データを更新することになる。
【0035】
従って、瞬間的にアクセル操作速度が大きくなっても、その後、アクセル操作速度が小さい状態が継続すれば、前記最大値は徐々に減衰することになり、逆に、頻繁に大きな操作速度が検出されれば、前記最大値は大きい値を保持することになる。また、減衰中に最大値を上回るアクセル操作速度が検出されると、最大値がかかる最新の操作速度に更新されることになる。
【0036】
前記減衰処理部84における減衰量は、減衰量設定部85においてアクセル操作量(スロットル開度)に基づいて設定されるようになっている。
前記減衰量設定部85には、前記スロットルセンサ51からのスロットル開度信号がアクセル操作量に相当する値として入力されるようになっており、予めスロットル開度(アクセル操作量)に対応する減衰量を記憶したテーブルを参照し、そのときのスロットル開度に対応する減衰量を設定する。
【0037】
前記テーブルにおける減衰量は、スロットル開度(アクセル操作量)が大きくなるに従って減衰量がより小さくなり、所定のスロットル開度以上では、減衰量が0に設定される構成としてある。
従って、開度が小さい領域でアクセル操作が行われているときには、比較的速く最大値を減衰させることになるが、開度が大きくなるに従って減衰速度が減少し、開度が所定以上の領域でアクセル操作が行われているときには、アクセル操作速度の最大値は減衰処理されることなく、その値を保持することになる。
【0038】
上記のようにして減衰処理されるアクセル操作速度の最大値は、馬力要求度合い設定部86に出力され、ここで、メンバーシップ関数に基づいて運転者の馬力要求度合いDRLに変換される。
一般的に、アクセル操作速度の最大値が大きい場合には、それだけ運転者の馬力要求(動力性能要求)が高く、逆に、アクセル操作速度の最大値が小さい場合には、運転者は馬力(動力性能)よりも燃費を重視する傾向が強いから、馬力要求度合いDRLは、0〜1.0 の範囲内で、アクセル操作速度の最大値が高いときほど、大きな値として設定されるようにしてある。
【0039】
なお、アクセル操作速度の最大値をローパスフィルター(例えば通過周波数域0.005 Hz以下)を通過させてから馬力要求度合い設定部86に入力させ、動力性能要求度合いが高周波で変動することを回避するようにすると良い。
前記馬力要求度合い設定部86から出力される運転者の馬力要求度合いDRLは、前記図4に示した馬力要求度合い算出部73に出力され、ここで、エンジン負荷に基づいて設定される馬力要求度合いERLと比較され、両者のより小さい方が選択されて目標馬力設定部72に出力される。
【0040】
なお、馬力要求度合いDRLの設定手段を、上記図9のブロック図に示したものに限定するものではない。
例えばアクセル操作量(スロットル開度)に基づいて前記馬力要求度合いDRLの基本値を設定する一方、該基本値をアクセル操作速度(スロットル開度変化率)に基づいて補正し、該補正後の馬力要求度合いDRLと記憶されている最大値とを比較して、最大値の記憶データを更新設定すると共に、前記最大値の記憶データをアクセル操作量(スロットル開度)に応じて減衰設定する構成とし、前記最大値の記憶データを最終的に運転者の馬力要求度合いDRLとして出力させる構成としても良い。
【0041】
また、簡便には、スロットル開度変化率(アクセル操作速度)のレベルと基準値との比較に基づいて馬力要求度合いDRLを設定させる構成であっても良い。
また、上記では、無段変速機1を例として説明し、前記運転者の動力性能の要求度合いを示すパラメータに基づいて目標馬力を設定させ、これに基づいて無段変速機における変速比を制御する構成としたが、ギヤトレーンを有してなる有段の変速機の変速制御において、前記目標馬力に基づいて変速段を決定させる構成としても良い。
【0042】
更に、上記では、エンジン負荷に応じた馬力要求度合いERLと、運転者の馬力要求度合いDRLとの双方を用いて目標馬力を設定させる構成としたが、運転者の馬力要求度合いDRLのみを用いる構成としても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によると、車速に応じて設定される最大馬力を上限としてどの程度の馬力を発生させるかを、アクセル操作速度に基づく運転者の馬力要求度合いに応じて設定して、変速を制御するようにしたので、運転者の馬力要求度合いを精度良く設定でき、運転者の意図に沿った変速を車速条件毎に行わせることができるという効果がある。
【0044】
請求項2記載の発明によると、アクセル操作速度に基づく運転者による馬力要求度合い及びエンジン負荷による馬力要求度合いと、車速に応じて設定される最大馬力とに基づいて目標馬力が設定されるので、車速条件毎の目標馬力の設定をより適切に行わせることができるという効果がある。
請求項3記載の発明によると、運転者の馬力要求度合いとエンジン負荷による馬力要求度合いとのより小さい方を選択することで、運転者の要求に対応しつつ極力燃料消費率を抑制できる変速制御を行えるという効果がある。
【0045】
請求項4記載の発明によると、運転者の要求に従って馬力を発生しつつ、その馬力を発生させるに当たっての最良の燃費性能を得られるという効果がある。
請求項5記載の発明によると、目標馬力を応答良く得られ、運転者の意図に応答良く追従した変速を行えるという効果がある。
請求項6記載の発明によると、必要最小限の馬力が確保されるから、目標馬力が不当に小さく設定されて、運転性を損なうような変速制御が行われることを回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の構成を示すブロック図。
【図2】請求項2記載の発明の構成を示すブロック図。
【図3】無段変速機のシステム構成図。
【図4】変速制御の様子を示す制御ブロック図。
【図5】馬力要求度合い算出部の詳細を示すブロック図。
【図6】車速と最小馬力との相関を示す線図。
【図7】目標馬力と目標エンジン回転速度との相関を示す線図。
【図8】変速制御の様子を示すフローチャート。
【図9】動力性能要求度合いの設定の様子を示す制御ブロック図。
【符号の説明】
1 無段変速機
2 プライマリプーリ
2a プライマリプーリ側アクチュエータ
3 セカンダリプーリ
3a セカンダリプーリ側アクチュエータ
7 電磁弁
8 電磁弁
50 コントローラ
51 スロットルセンサ
52 車速センサ

Claims (6)

  1. 車速を検出する車速検出手段と、
    該車速検出手段で検出された車速において出力可能な最大馬力を設定する最大馬力設定手段と、
    アクセル操作速度に基づいて運転者の馬力要求度合いを設定する運転者馬力要求度合い設定手段と、
    前記最大馬力と前記運転者の馬力要求度合いとに基づいて目標馬力を設定する目標馬力設定手段と、
    前記目標馬力になるように変速機の変速比又は変速段を制御する変速制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 車速を検出する車速検出手段と、
    該車速検出手段で検出された車速において出力可能な最大馬力を設定する最大馬力設定手段と、
    アクセル操作速度に基づいて運転者の馬力要求度合いを設定する運転者馬力要求度合い設定手段と、
    変速機と組み合わされるエンジンの負荷に相関する値を検出するエンジン負荷検出手段と、
    該エンジン負荷検出手段で検出されたエンジン負荷に基づいて馬力要求度合いを設定するエンジン負荷による馬力要求度合い設定手段と、
    前記最大馬力と、前記運転者の馬力要求度合いと、前記エンジン負荷による馬力要求度合いとに基づいて目標馬力を設定する目標馬力設定手段と、
    前記目標馬力になるように変速機の変速比又は変速段を制御する変速制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする変速機の制御装置。
  3. 前記目標馬力設定手段において、前記運転者の馬力要求度合いと前記エンジン負荷による馬力要求度合いとのより小さい方を選択し、該選択した馬力要求度合いと前記最大馬力とに基づいて目標馬力を設定することを特徴とする請求項2記載の変速機の制御装置。
  4. 前記変速制御手段が、予め設定された目標馬力と燃料消費率との関係に基づいて、前記目標馬力設定手段で設定された目標馬力が得られ、かつ、最良の燃料消費率となるように、変速機の変速比又は変速段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の変速機の制御装置。
  5. 前記変速制御手段が、目標馬力に基づいて最良の燃料消費率となる目標エンジン回転速度を設定し、該目標エンジン回転速度と車速とに基づいて変速比又は変速段を決定することを特徴とする請求項4記載の変速機の制御装置。
  6. 前記目標馬力設定手段が、予め車速に応じて設定された最小馬力を下限として目標馬力を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の変速機の制御装置。
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