JP3623555B2 - 歯科用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯科用組成物に関する。より詳しくは口腔内において印象操作が可能なペースト性状を有する歯科用組成物に関する。本発明の組成物は、口腔内または石膏模型上での印象操作を伴う、義歯床、矯正床、テンポラリークラウンなどの歯科用装着物品の材料として使用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】
現在歯科治療では、高齢などにより歯を喪失した患者に対し、重合性床用樹脂組成物(以下レジンということがある)で作製した義歯床を装着することが行われている。一般に、義歯床装着者は顎堤の吸収が著しく、クッション性を担う粘膜の菲薄化、および骨吸収などに伴う歯槽骨の陥没のために、精度よく作製された義歯床であっても、次第に口腔との適合性が低下することが指摘されている。
【0003】
義歯床と口腔との適合性が低下した場合、一般的にはリベース(改床)と呼ばれる義歯床粘膜面の再形成を行い、口腔との適合性を復元することが行われている。
リベースの手法は間接法と直接法の二種類に大別することができる。間接法は、口腔内の形状を印象材を用いて印象採得し、技工室にて口腔内と同じ形状の口腔模型を再現し、その模型を使って古い義歯床の粘膜面を形成する方法である。これに対して直接法は、義歯床の粘膜面にリベース材を築盛し、口腔内で通常の印象採得と同様にして印象操作を行い、得られた印象の形状を保持したまま硬化させることによりリベースを行う方法である。
間接法は、上記のように技工室において行われ、しかも多くの工程を必要とするため、リベースを行うのに相当の期間を要し、その間患者の義歯床を預かるため、患者の日常生活に支障をきたす。また、リベースに際し、数多くの印象操作を経る必要があるので、印象時の誤差が生じやすく口腔との適合性の低下を招く恐れが直接法と比較して高い。
これらのことから、現状では広く直接法が受け入れられている。
【0004】
リベース材は義歯床用レジンと同等の硬度を有する硬質材料で行われるのが一般的である。しかし、口腔粘膜の菲薄化により咬合痛がある場合などは、口腔との適合性が回復しても、なお疼痛が残る場合があり、粘膜に代わるクッション性を付与するため、適度な粘弾性を有する軟質材料を用いることがしばしば行われる。
従来より、直接法による軟質リベース材として、アクリル樹脂に可塑剤を配合した軟質樹脂、シリコーン樹脂系裏装材などが用いられてきた〔草刈ら、「歯界展望」、第72巻、第6号(1988年)、第1267〜1272頁参照〕。これらの軟質リベース材は、粉と液、あるいは2つのペーストよりなるものであって、使用直前にそれらを混練すると硬化するように調製されたものである。
【0005】
一方、特開昭52−503号公報には、(a)スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、(b)ポリブタジエンまたはブタジエン−スチレン共重合体の液状プレポリマー、(c)光重合性モノマー、(d)光重合開始剤および(e)所望により加えられる熱重合禁止剤からなるフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物が開示されている。この組成物からはゴム弾性を有する成形体が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した軟質リベース材は、口腔内に挿入する際、原料のモノマーによる刺激や、硬化時の発熱による刺激が生じるなどの問題点が指摘されている。またこれらの軟質リベース材から得られる硬化物には、気泡の混入が多く、かつ吸水率も高いことから、長期間にわたって口腔内で使用すると、硬化物の理工学的性質が低下するのみならず、口腔内細菌による汚染や臭気が強いという点も問題である。
また材質別に見てみると、アクリル樹脂に可塑剤を配合した軟質樹脂の場合、可塑剤が口腔内で溶出し、樹脂自体が徐々に硬質化することが問題点として挙げられる。また、シリコーン系リベース材は、材料自体の性質のため口腔内で汚れやすいことや、義歯床との接着性が悪く装着時に剥離しやすいことが問題点として挙げられる。さらに、近年使用頻度の高まっている義歯安定剤やティッシュコンディショナーなどは口腔内での安定性に欠け分解や硬質化が起こるため、暫間的使用に限られている。
【0007】
一方、特開昭52−503号公報に開示されている組成物では、ポリブタジエンまたはブタジエン−スチレン共重合体の液状プレポリマーが、口腔粘膜に対する粘着性を高め、印象操作を困難なものにする。
【0008】
本発明は、上記の従来技術に鑑みてなされたものであって、口腔内で印象操作を行うのに適したペースト性状を有し、しかも適度な粘弾性が口腔内で長期間安定的に維持され、かつ口腔内での汚染性の少ない硬化物を与える歯科用組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、(a)芳香族ビニルモノマーからなる数平均分子量が3,000以上の熱可塑性重合体ブロック(A)と、エラストマー重合体ブロック(B)とをそれぞれ1ブロック以上有する熱可塑性エラストマー、(b)(メタ)アクリレート系モノマーおよび(c)重合開始剤を含み、13〜40の稠度を有することを特徴とする歯科用組成物によって解決される。
【0010】
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(a)は、芳香族ビニルモノマーからなる熱可塑性重合体ブロック(A)とエラストマー重合体ブロック(B)とを含有している。熱可塑性エラストマー(a)中にブロック(A)とブロック(B)がひとつずつ存在してもよいが、それぞれ複数存在してもよい。
【0011】
熱可塑性エラストマー(a)の構成成分である熱可塑性重合体ブロック(A)は、芳香族ビニルモノマー単位からなり、数平均分子量が3000以上である。
芳香族ビニルモノマー単位としては、例えば、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。なかでもスチレンが好ましい。
これらのモノマー単位の結合様式については特に限定はなく、これらのモノマー単位の1つが単独で重合した構造であってもよいし、あるいは2種以上のモノマー単位が共重合した構造であってもよい。
【0012】
該芳香族ビニルモノマー単位の熱可塑性重合体ブロック(A)の数平均分子量は、3,000以上であることが必要であり、3,000〜1,000,000が好ましい。該ブロックAの数平均分子量が3,000未満であると、印象性に優れたペーストを得ることができない。
【0013】
熱可塑性エラストマー(a)中の熱可塑性重合体ブロック(A)の含有率は、5〜70重量%の範囲内であるのが好ましい。さらに好ましくは、5〜30重量%である。熱可塑性重合体ブロック(A)の含有率が、5〜70重量%であれば、後述する(メタ)アクレート系モノマー(b)との相溶性もよく、望ましい性状のペーストを得ることができる。
【0014】
熱可塑性エラストマー(a)中のエラストマー重合体ブロック(B)は、公知の熱可塑性エラストマーを構成するモノマー単位から構成される。
モノマー単位の結合様式については特に限定はなく、モノマー単位の1つが単独で重合した構造であってもよいし、あるいは2種以上のモノマー単位が共重合した構造であってもよい。
【0015】
なかでもイソプレン、イソブチレン、ブタジエンおよびブチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種のモノマー単位で構成される熱可塑性エラストマー重合体、該重合体の水素添加物、および該重合体の不飽和カルボン酸または該酸の誘導体の付加物が好ましい。これらの重合体から構成されるブロック(B)は、上記エラストマー重合体、その水素添加物およびその付加物のうちのひとつを構成成分とするものであってもよいし、複数を構成成分とするものであってもよい。
【0016】
さらに、ブロック(B)として、ポリイソプレンおよびイソプレン−ブタジエンコポリマーから選ばれる少なくとも1種から構成され、40モル%以上のビニル結合含有量をもつ熱可塑性エラストマー重合体、該重合体の水素添加物、および該重合体の不飽和カルボン酸または該酸の誘導体の付加物も好ましい。これらも上記同様、エラストマー重合体、その水素添加物およびその付加物のうちのひとつを構成成分とするものであってもよいし、複数を構成成分とするものであってもよい。
ここで、ビニル結合含有量とは、ポリイソプレンまたはイソプレン−ブタジエンのエラストマー重合体ブロック中に含まれる炭素−炭素二重結合全体のうち、下記する結合様式により生ずる側鎖にあるエチレン性二重結合の割合(モル%)である。
【0017】
上記熱可塑性エラストマー重合体に付加する不飽和カルボン酸およびその誘導体として、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸などが挙げられる。
【0018】
イソプレン、ブタジエンモノマーを含有するエラストマー重合体ブロック(B)は、重合様式により1,2結合または3,4結合を生じ、側鎖にエチレン性二重結合を形成する。このエチレン性二重結合は1,4結合により形成される主鎖の二重結合と比較して反応性に富み、(メタ)アクリレート系モノマー(b)と共重合が可能である。よって、該結合をもつ重合体ブロックを有するエラストマー(a)は、重合硬化性に優れたペーストを与えるとともに、重合硬化物は化学的な架橋形成のため、永久ひずみが少なく好適である。
【0019】
エラストマー重合体ブロック(B)の熱可塑性エラストマー(a)中の含有率は、30〜95重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは70〜95重量%である。
【0020】
かかる熱可塑性エラストマー(a)としては、例えば、ポリスチレンブロックを有するジブロック、トリブロック、マルチブロック、星型およびブロックの境界がランダム共重合で徐々に組成が変化しているテーパ型のポリスチレン系のブロック共重合体を含有する熱可塑性エラストマーであるスチレン−イソプレン系エラストマー、スチレン−ブタジエン系エラストマー、スチレン−イソプレン−ブタジエン系エラストマー、スチレン−イソブチレン系エラストマー、スチレン−ブチルアクリレート系エラストマーなどが挙げられる。
【0021】
これらの中でも、特開平2−102212号公報に開示された熱可塑性エラストマー、すなわち、分子中に数平均分子量が3,000以上40,000以下の芳香族ビニルモノマーのブロックを2個以上と、ビニル結合含有量が40モル%以上であるイソプレンおよび/またはイソプレン−ブタジエンのブロックを1個以上とを含有する、分子量が40,000以上300,000以下であるブロック共重合体は、上記特性に加え、制振性能に優れるため、本発明の重合硬化物を口腔内に装着し、咬合した際の違和感が少なく、特に好適である。
【0022】
エラストマーを含有したペーストは、一般的にクリープ回復が起こりやすい。この現象は口腔内で印象を行った後取り出すと、時間とともに印象前の形態に戻りやすいことを示しており、印象性に適していないことを表している。しかし、芳香族ビニルモノマーからなる熱可塑性エラストマーブロックを有することにより、クリープ回復が起こり難くなり印象性に優れた組成物を得ることができる。
【0023】
熱可塑性エラストマー(a)のゴム硬度については特に制限はないが、通常30〜90の範囲のものが好ましい。
ここでゴム硬度とは、JIS K 6253に従い、デュロメータA型を用いて測定した値である。
【0024】
(メタ)アクリレート系モノマー(b)としては、一官能性の(メタ)アクリル酸エステル、多官能性の(メタ)アクリル酸エステルのいずれも使用することができる。
一官能性(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数1〜20)、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(重合度2〜10)、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ウンデセニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0025】
また、多官能性(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(アルキレン基の炭素数1〜20)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(アルキレン基の炭素数2〜4、かつ重合度2〜200)、グリセリンジ(メタ)アクリレート、22’−ビス〔p−(γ−メタクリオキシ−β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(Bis−GMA)、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(1分子中のエトキシ基2〜10個)、1,2−ビス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0026】
これらの中で、アルキル(メタ)アクリレートおよびアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、本発明で使用される熱可塑性エラストマー(a)と相溶性が特に高く好適である。
これらのアルキル(メタ)アクリレートまたはアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレート系モノマー(b)中40重量%以上含有されていることが望ましい。
【0027】
なお、(メタ)アクリレート系モノマー(b)として、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレートなど炭素数の多い(炭素数6以上)アルキル基、アルケニル基を有する一官能性(メタ)アクリレートを主に使用すると、軟質性の硬化物が得られる。一方、(メタ)アクリレート系モノマー(b)として、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートなど炭素数が少ないアルキル基、アルケニル基を有する一官能性(メタ)アクリレートや多官能性(メタ)アクリレートを主に使用すると、比較的硬質性の硬化物が得られる傾向にある。
【0028】
本発明における重合開始剤(c)としては、光重合開始剤、熱重合開始剤、常温重合開始剤があげられる。
光重合開始剤としては、例えば、カンファーキノン、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、ベンジル、アセナフテンキノンおよびフェナントラキノンなどのα−ジケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、2−エチルチオキサントンなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、適宜、第3級アミン、アルデヒド、メルカプタンなどの還元剤と組み合わせた光重合開始剤系として使用される。
かかる第3級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N−フェニルグリシン、モルホリノメタクリレート、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどを挙げることができる。
アルデヒドとしては、例えば、シトロネラール、ラウリルアルデヒド、o−フタルジアルデヒド、p−オクチルオキシベンズアルデヒドなどを挙げることができる。
メルカプタンとしては、例えば、1−デカンチオール、チオサリチル酸、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、4−メルカプトアセトフェノン、4−t−ブチルチオフェノールなどを挙げることができる。
さらに、該光重合開始剤系に過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物を添加した系も好適に用いられる。
【0029】
熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの開始剤が使用できる。
【0030】
さらに常温重合開始剤としては、有機過酸化物/芳香族第3級アミン系、有機過酸化物/芳香族第3級アミン/芳香族スルフィン酸系などのレドックス系開始剤が使用される。
【0031】
なお、重合開始剤(c)として酸化剤−還元剤の組み合わせを含有する場合は、保存安定性の観点から、これらが混合しないように分割包装形態とし、使用直前に混合する形態とする必要がある。
【0032】
本発明の歯科用組成物における熱可塑性エラストマー(a)、(メタ)アクリレート系モノマー(b)および重合開始剤(c)の配合量は、使用する熱可塑性エラストマー(a)の種類および分子量、(メタ)アクリレート系モノマー(b)の種類などにより変化するが、通常、熱可塑性エラストマー(a)、(メタ)アクリレート系モノマー(b)および重合触媒(c)の合計に対して、熱可塑性エラストマー(a)が40〜80重量%、(メタ)アクリレート系モノマー(b)が60〜20重量%および重合触媒(c)が0.05〜5重量%の範囲で、好ましくは(a)成分が50〜60重量%、(b)成分が50〜40重量%、(c)成分が0.1〜3重量%である。
【0033】
本発明の組成物には、熱可塑性エラストマー(a)、(メタ)アクリレートモノマー(b)および重合開始剤(c)に加えて、分子中に数平均分子量が3000以上である芳香族ビニルモノマー単位のブロックを有しない重合体〔以下これを重合体(d)と略称する〕を、組成物のペースト性状の調整、硬化物特性の調整のために、組成物に対して10重量%を超えない範囲の量で添加することができる。
【0034】
重合体(d)としては、公知のものが特に制限なく使用され、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(ランダム共重合体)、水素添加スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどのエラストマーなどが挙げられる。
ただし、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、またはこれらの誘導体から選ばれる比較的低分子量の液状プレポリマーは、本発明の重合体(d)には含まれない。これらの液状プレポリマーの添加は、口腔内粘膜への粘着性を著しく増大し、口腔内での印象操作を困難にする。
さらに、重合体(d)として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリウレタン、ポリクロロプレン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、酢酸セルロースなど、従来公知のポリマーを使用することも可能である。
【0035】
本発明の組成物には、重合禁止剤として必要に応じ、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシルトルエンなどを少量添加してもよい。
また、熱可塑性エラストマーの安定性を高めるため、酸化防止剤や光安定剤などを少量加えることもできる。
さらに、ペーストおよび硬化物の性状をより適したものに調整するため、各種の滑剤、界面活性剤、無機充填材、可塑剤などを少量加えてもよく、また、本組成物に歯肉色を与えるため顔料、染料、擬態血管のための繊維を添加することもできる。
【0036】
本発明の組成物は、熱可塑性エラストマー(a)、(メタ)アクリレート系モノマー(b)、重合開始剤(c)などを混合して、通常ペーストとして提供される。
各成分の混合方法として、公知の方法が特に制限なく使用され、例えば、溶剤による混練、溶融混練などが挙げられる。
具体的には、トルエンや塩化メチレンなどの溶剤に、熱可塑性エラストマー(a)、(メタ)アクリレート系モノマー(b)、および重合開始剤(c)を溶解し、均一に混合した後、溶剤を除去する方法や、ラボプラストミル(東洋精機社製)などの混練機を用いて混練する方法などがあり、それにより均一なペーストを調製することができる。
得られたペーストは、脱泡処理を施すことが好ましい。
【0037】
本発明の歯科用組成物は、稠度が13以上40以下の範囲にあり、口腔内での印象操作に適したペースト性状を有している。好ましい稠度は、15以上35以下の範囲である。
本発明でいうペーストの稠度とは、ISO4823(1992年版)に記載された方法で測定された値のことをいい、ペーストの硬さを表し、ペーストの流動性の指標となるものである。
ペーストの稠度が上記の範囲からはずれると口腔内での印象操作性が損なわれるので望ましくない。
【0038】
本発明の歯科用組成物は口腔内での印象採取性が優れているのみならず、印象採取後の形状を保持する性質においても優れている。
かかる性質は、ペーストに一定の負荷を与えて該ペーストを塑性変形させたときの応力緩和率(本発明では後述の実施例に記載した方法で測定した値を応力緩和率とする)を指標として定量的に示すことができる。
【0039】
本発明の歯科用組成物は、応力緩和率が90%以上であり、ペーストを塑性変形させたとき、その塑性変形を保持するために加える力が極わずかである。このため、口腔内にて印象採取を行い、口腔内からとり外した後そのままの状態で放置しても、得られた印象形状を良好に保持する。
なお、ペーストの応力緩和率が90%未満であれば、塑性変形したペーストに該変形を保持するための力を加えておかないと、得られた印象形状が時間の経過とともに変化してしまい、これを硬化して得られるリベース材と口腔との適合性が損なわれるので望ましくない。
【0040】
本発明の組成物よりリベース材を形成する手順は以下のとおりである。すなわち、義歯床の粘膜面に本発明の組成物を築盛し、口腔内において印象採取を行う。しかる後口腔内より取りはずし、採取後の印象を保持したまま、光照射、常温重合などの手法により重合硬化させることによって義歯床のリベースを行う。
【0041】
本発明の組成物のリベース材は、特定の熱可塑性エラストマー(a)を使用したことによって、適度なゴム弾性を有する硬化物が得られ、そのゴム弾性は長期にわたって維持される。さらに、(メタ)アクレート系モノマー(b)を使用したことによって、得られた硬化物の吸水率が低く、しかも長期間にわたって低い値の吸水率が維持される。そのうえ、硬化物からの溶出物の量も少なく、口腔内での汚染性が低く抑えられる。
【0042】
本発明の組成物はリベース材に限らず、口腔内での印象操作を伴う、義歯床、矯正床、テンポラリークラウンなどの歯科用装着物品の材料として使用することが可能である。さらに、口腔内での印象操作に限らず、石膏模型上などでの歯科用装着用物品の材料としても使用可能である。
【0043】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0044】
本実施例では、組成物のペースト性状、および組成物から得られる硬化物の力学特性、吸水量は以下の方法により測定した。
【0045】
(1)組成物の稠度
ISO4823に記載の方法に従って測定した。すなわち、25℃にて、組成物0.5mlを、直径10mmの円柱状に成形し、ガラス板上に置く。円柱状の組成物の上部に、別のガラス板と重り(総計1500g)を静かに載せ、5秒後に該ガラス板2と重りを取り除く。ガラス板上に広がった組成物の形状につき、平行切線間の最大値と最小値の寸法を求め、その平均値を算出し、1mmの単位で表す。この試験を3回繰り返し、稠度とする。
【0046】
(2)組成物の応力緩和率
深さ7mm、直径30mmの容器に組成物を詰め、測定用サンプルとする。レオメーター〔不動工業(株)製〕を使用し、25℃の条件下で、サンプル中央部に直径20mmの球形治具を毎分50mmの速度で、球形治具に加わる加重が500gfに達するまで押し込む。球形治具に加わる負荷(f)が500gfに達したところでクロスヘッドを停止し、60秒間維持する。60秒後の治具にかかる負荷(f)を測定し、以下の式により応力緩和率を求める。
【0047】
【数1】
Figure 0003623555
【0048】
(3)硬化物のゴム硬度
直径10mm、厚さ10mmの金型に組成物を充填し、歯科用光照射器〔アルファーライト、(株)クラレ製〕にて10分間光照射し重合硬化させ、得られた硬化物を試験片とした。試験片を37℃、水中に1日漬浸した後、JIS K 6253に従い、デュロメータA型(古里精機製作所製)を用いてゴム硬度を測定した。
【0049】
(4)硬化物の疲労耐久性
直径10mm、厚さ10mmの金型に組成物を充填し、歯科用光照射器〔アルファーライト、(株)クラレ製〕にて10分間光照射し重合硬化させ、得られた硬化物を試験片とし、37℃、水中における圧縮疲労試験を行った。すなわち、試験片を37℃、水中に漬浸し、サーボパルサ−4880(島津製作所製)を用い、最大圧縮荷重2kgf、最小圧縮荷重0.2kgfの正弦波(5Hz)を繰り返し100万回まで与え、変位の変化を観測した。
なお、変位が3mm(試験片の全長の30%)以上に達した場合は、その時点
で測定を中止した。
【0050】
(5)硬化物の吸水量および溶解量
ISO1567に記載の方法に従って行った。すなわち、直径20mm、厚さ1mmの金型に組成物を充填し、アルファーライトにて10分間光照射し重合硬化させ、得られた硬化物を試験片とした。試験片をデシケーターに入れ、37±2℃のオーブン中に23時間保持した後、23±2℃に保ったデシケーターに移し、1時間経過後、試験片を該デシケーターより取り出し、試験片の質量を0.2mgの精度で秤量する。試験片の質量の秤量値が24時間につき0.2mg以内の範囲内の変動に収まる恒量となるまでこの操作を繰り返して行い、このときの秤量値を試験片の質量とする(W)。次に、試験片を37±2℃の蒸留水に7日間漬浸した後、ピンセットで取り出し、表面の水分を拭き取り、試験片の質量を秤量する(W)。
次いで、かかる操作後の試験片を37±2℃に保ったデシケーターに入れ、37±2℃のオーブン中に23時間保持した後、23±2℃に保ったデシケーターに移し、1時間経過後、試験片を該デシケーターより取り出す。試験片の質量の秤量値が24時間につき0.2mg以内の範囲内の変動に収まる恒量となるまでこの操作を繰り返して行う(このときの秤量値:W)。
試験片の体積をV(mm)とするとき、吸水量(μg/mm)および溶出量(μg/mm)を以下の式から求める。
【0051】
【数2】
Figure 0003623555
【0052】
【数3】
Figure 0003623555
【0053】
実施例1
スチレン−イソプレン系熱可塑性エラストマー(SIS)であり、スチレン含有量が20重量%であるハイブラーVS−1〔(株)クラレ製〕60g、n−ラウリルメタクリレート(共栄社化学社製、以下LMと略称する)38g、1,10−デカンジオールジメタクリレート(共栄社化学社製、以下DDと略称する)2g、カンファーキノン(以下CQと略称する)0.5g、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMAEMAと略称する)0.5gおよびベンゾイルパーオキサイド(以下BPOと略称する)0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1および表2に示す。
【0054】
比較例5
スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)であり、スチレン含有量が23重量%であるJSR−TR2825〔(株)日本合成ゴム社製〕60g、LM38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1および表2に示す。
【0055】
実施例3
実施例1で使用したハイブラーVS−1を60g、イソデシルメタクリレート(共栄社化学社製、以下IDMと略称する)38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1および表2に示す。
【0056】
実施例4
実施例1で使用したハイブラーVS−1を60g、トリデシルメタクリレート(共栄社化学社製、以下TDMと略称する)38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを塩化メチレン約100mlを添加して溶解混合し、溶剤を揮発除去してペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1および表2に示す。
【0057】
実施例5
スチレン−イソプレン系熱可塑性エラストマー(SIS)であり、スチレン含量が20重量%であるハイブラーVS−3(クラレ製)60g、LM38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5g、BPO0.5gを常温で溶解混合しペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1および表2に示す。
【0058】
実施例6
実施例1で使用したハイブラーVS−1を60g、LM38g、DD2g、CQ0.5gおよびDMAEMA0.5gを常温で溶解混合しペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1に示す。
【0059】
実施例7
実施例1で使用したハイブラーVS−1を54g、ニトリルゴムであるN239SV(日本合成ゴム社製)6g、LM38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1に示す。
【0060】
実施例8
実施例1で使用したハイブラーVS−1を60g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学社製、以下HDと略称する)40g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1に示す。
【0061】
比較例6
スチレン−イソプレン系熱可塑性エラストマー(SIS)であるJSR−SIS5000(日本合成ゴム社製)50g、無水マレイン酸2gをプラスチコーダー(ブラベンダー社製)を使用し、150℃、80rpm条件下で30分間反応させ、無水マレイン酸変性SISを得た。
上記無水マレイン酸変性SIS20g、比較例5で使用したJSR−TR2825を30g、LM38g、DD2g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶解混合し、ペースト化した。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1に示す。
【0062】
比較例1
ニトリルゴムであるN239SV70g、LM28.5g、DD1.5g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを常温で溶融混合し、ペースト化した。
得られたペーストの稠度は19、応力緩和率は88%であった。このペーストは、応力緩和率測定後、球形治具を取り除いて放置しておくと、球形治具により与えられた変形が徐々に小さくなり、もとの形にもどろうとする現象が観察された。このことから、印象性に劣るペーストであることが理解できる。
【0063】
比較例2
義歯床軟質リベース材として市販されている、ティッシュテンダー(亀水化学製)を、メーカー指示に従い粉剤〔主としてポリエチルメタクリレート(PEMA)〕からなる〕と液剤〔(メタ)アクリレート系モノマーを主成分とする〕を混和し、餅状化したものを所定の金型に填入し、加熱重合させた。得られた硬化物の力学特性および吸水量などを表1および2に示す。この材料は、時間の経過とともにペーストが徐々に硬化した。また、硬化物の耐疲労性が劣っていた。
【0064】
比較例3
義歯床硬質リベース材として市販されている、トライアドVLC(デンツプライ社製)をペースト性状の比較のため使用した。この製品はペースト状組成物として提供されており、無機微粒子を内部に含有する有機重合体粉末を充填剤として含有している。
ペーストの稠度は11、応力緩和率は88%であった。このペーストは硬いペーストであり、しかも応力緩和率も低いことから、口腔内での印象操作性が劣っていた。
【0065】
比較例4
実施例1で使用したハイブラーVS−1を55g、液状ポリブタジエンであるニッソPB.B−2000(日本曹達製)45g、CQ0.5g、DMAEMA0.5gおよびBPO0.5gを塩化メチレン300gに溶解し、均一に溶解後、塩化メチレンを減圧下留去してペースト化した。本ペーストは粘着性が強く口腔内で印象操作を行なう際、口腔粘膜に粘り着き、印象操作を行なうことができなかった。
得られたペーストの性状、該ペーストから得られる硬化物の力学特性および吸水量などを表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003623555
【0067】
【表2】
Figure 0003623555
【0068】
表1、2から明らかなように、本願発明の組成物は、口腔内における印象操作に適したペースト性状を有している。また、得られた硬化物は、耐疲労性が高く長期安定的な力学的性質を有し、しかも吸水量や溶出物が少ないことから耐汚染性に優れている。
【0069】
実施例10
PMMA製の義歯床の粘膜面を一層研削し、実施例1で得られたペーストと同じものを築盛した。ペーストを築盛した義歯床を口腔内に装着し印象を採取する。印象採取後、義歯床を口腔外に取り出し、はみ出した不要部分のペーストを除去する。義歯床を水中に浸し、酸素にできるだけ接しない状態として、歯科用光照射器(アルファーライト)にて5分間光照射し、重合硬化させた。このようにしてリベ−スを行った義歯床は口腔内適合性が良好であり、口腔内粘膜に痛みを与えることもなかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、口腔内における印象操作が可能なペースト性状を有する歯科用組成物が提供される。本発明の組成物より得られる硬化物は長期安定的な力学的性質を有し、しかも口腔内における耐汚染性にも優れている。

Claims (2)

  1. (a)芳香族ビニルモノマーからなる数平均分子量が3,000以上の熱可塑性重合体ブロック(A)と、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびイソプレン−ブタジエンコポリマーから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであり、40モル%以上のビニル結合含有量をもつ熱可塑性エラストマー重合体ブロック(B)とをそれぞれ1ブロック以上有する熱可塑性エラストマー、(b)(メタ)アクリレート系モノマーおよび(c)重合開始剤を含み、13〜40の稠度を有することを特徴とする歯科用組成物。
  2. 熱可塑性エラストマー重合体が、該熱可塑性エラストマー重合体の水素添加物および該熱可塑性エラストマー重合体の不飽和カルボン酸または該酸の誘導体の付加物から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の歯科用組成物。
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