JPH0791171B2 - 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 - Google Patents
矯正用光硬化型樹脂複合組成物Info
- Publication number
- JPH0791171B2 JPH0791171B2 JP6742987A JP6742987A JPH0791171B2 JP H0791171 B2 JPH0791171 B2 JP H0791171B2 JP 6742987 A JP6742987 A JP 6742987A JP 6742987 A JP6742987 A JP 6742987A JP H0791171 B2 JPH0791171 B2 JP H0791171B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylate
- powder
- refractive index
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科医療において、顎機能障害(顎関節症)者
の治療に使用される矯正用光硬化型樹脂複合組成物に関
するものである。
の治療に使用される矯正用光硬化型樹脂複合組成物に関
するものである。
従来、咀嚼時の顎運動機能に障害をきたした人の治療の
ために、咬合面に即時重合レジン又は加熱重合レジンを
用いて矯正用材料(スプリントあるいはバイトプレート
と称する)を作り、正常な下顎位置に導き、下顎の位置
を矯正することが行なわれてきた。しかし、この治療で
1つの問題点となるところは、この矯正用材料を作成す
るための材料にあり、これを用いて矯正用材料を作成す
るには煩雑な操作と高度な熟練を要するところにあつ
た。例えば即時重合レジンを用いてこの治療のための矯
正用材料を作る場合には即時重合レジンの硬化時間とい
う制約を受け易い。すなわち、即時重合レジンは一担粉
と液とを混合してペーストとすると、それが一定時間の
うちに硬化するという特徴を有しており、ペーストを顎
模型の歯列の上に盛り上げて形態を整えている間に硬化
したり、あるいは、逆に硬化時間が遅すぎた場合には、
レジンが硬化するまでの間に、レジンの「たれ」や「流
れ」によつて所望の形態を保持し難いという欠点があつ
た。また、熱重合型レジンを使用してこの矯正用材料を
作成するには、顎模型上でワツクスを用いて矯正用材料
の型を作り、次にこのロウ型を重合用フラスコ内に埋没
し、流蝋してからレジンを填入し、その後加熱すること
によりレジンを重合させ、埋没剤の中から目的物を取り
出して研磨するという工程が必要である。すなわち、熱
重合型レジンを使用する場合には非常に多くのステツプ
が必要であり、そのために要する時間も非常に長いとい
う欠点があつた。
ために、咬合面に即時重合レジン又は加熱重合レジンを
用いて矯正用材料(スプリントあるいはバイトプレート
と称する)を作り、正常な下顎位置に導き、下顎の位置
を矯正することが行なわれてきた。しかし、この治療で
1つの問題点となるところは、この矯正用材料を作成す
るための材料にあり、これを用いて矯正用材料を作成す
るには煩雑な操作と高度な熟練を要するところにあつ
た。例えば即時重合レジンを用いてこの治療のための矯
正用材料を作る場合には即時重合レジンの硬化時間とい
う制約を受け易い。すなわち、即時重合レジンは一担粉
と液とを混合してペーストとすると、それが一定時間の
うちに硬化するという特徴を有しており、ペーストを顎
模型の歯列の上に盛り上げて形態を整えている間に硬化
したり、あるいは、逆に硬化時間が遅すぎた場合には、
レジンが硬化するまでの間に、レジンの「たれ」や「流
れ」によつて所望の形態を保持し難いという欠点があつ
た。また、熱重合型レジンを使用してこの矯正用材料を
作成するには、顎模型上でワツクスを用いて矯正用材料
の型を作り、次にこのロウ型を重合用フラスコ内に埋没
し、流蝋してからレジンを填入し、その後加熱すること
によりレジンを重合させ、埋没剤の中から目的物を取り
出して研磨するという工程が必要である。すなわち、熱
重合型レジンを使用する場合には非常に多くのステツプ
が必要であり、そのために要する時間も非常に長いとい
う欠点があつた。
従来顎機能障害者の治療に用いられてきた矯正用材料に
は、前述の操作性が悪いという問題点以外に物性面にも
問題点があつた。例えば、即時重合レジンや加熱重合型
レジンを使用して作成された矯正用材料は天然歯に比較
して硬度が非常に低いため、口腔内装着した場合の咬み
心地が悪かつた。さらに、このような材料には機械的強
度が劣るという問題点があり、補強のために舌側面に厚
い裏打ちを付けることが一般的であり、そのため舌感が
悪く不快感があるという問題点があつた。
は、前述の操作性が悪いという問題点以外に物性面にも
問題点があつた。例えば、即時重合レジンや加熱重合型
レジンを使用して作成された矯正用材料は天然歯に比較
して硬度が非常に低いため、口腔内装着した場合の咬み
心地が悪かつた。さらに、このような材料には機械的強
度が劣るという問題点があり、補強のために舌側面に厚
い裏打ちを付けることが一般的であり、そのため舌感が
悪く不快感があるという問題点があつた。
一方、従来知られていた光硬化型コンポジツトレジンに
は、その硬化深度を最大限に向上させるという配慮がな
されておらず、本発明における用途の如く大量のペース
トを、しかも石こう製の顎模型の上下に顎を咬み合せた
状態の歯の隙間から光を照射することによつて硬化させ
るためには硬化深度が不充分であつた。具体的には、上
記使用法を満足するためには、20秒間の光照射で6mm以
上の硬化深度が必要と考えられる。また、従来の光硬度
型レジンには、石こう製の型に接触させた状態で光を照
射して硬化させると、硬化物が石こう型にくつついてし
まうというトラブルが多発するが、その硬化物を石こう
型から外そうとする時に、その弾力性が乏しいために硬
化物あるいは石こう型が破損してしまうという問題点が
あつた。この問題点は適切な分離剤を石こう型とレジン
の間に塗布することによつて改善されるが、本発明にお
ける用途の如く、複雑な形状の顎模型からの分離には分
離剤だけの効果では不充分であつた。この問題点はコン
ポジツトレジンの弾力性を大きくすることによつて改善
されるが、具体的には、その曲げ弾性率が100,000kg/cm
2以下であることが好ましい。
は、その硬化深度を最大限に向上させるという配慮がな
されておらず、本発明における用途の如く大量のペース
トを、しかも石こう製の顎模型の上下に顎を咬み合せた
状態の歯の隙間から光を照射することによつて硬化させ
るためには硬化深度が不充分であつた。具体的には、上
記使用法を満足するためには、20秒間の光照射で6mm以
上の硬化深度が必要と考えられる。また、従来の光硬度
型レジンには、石こう製の型に接触させた状態で光を照
射して硬化させると、硬化物が石こう型にくつついてし
まうというトラブルが多発するが、その硬化物を石こう
型から外そうとする時に、その弾力性が乏しいために硬
化物あるいは石こう型が破損してしまうという問題点が
あつた。この問題点は適切な分離剤を石こう型とレジン
の間に塗布することによつて改善されるが、本発明にお
ける用途の如く、複雑な形状の顎模型からの分離には分
離剤だけの効果では不充分であつた。この問題点はコン
ポジツトレジンの弾力性を大きくすることによつて改善
されるが、具体的には、その曲げ弾性率が100,000kg/cm
2以下であることが好ましい。
本発明の目的は、前記問題点を解決することにある。す
なわち、本発明の目的は操作性に優れ、可視光線を充分
良好な感度を示し、硬化物の硬度、機械的強度および弾
力性も適度にある矯正用光硬化型樹脂複合組成物を提供
することにある。
なわち、本発明の目的は操作性に優れ、可視光線を充分
良好な感度を示し、硬化物の硬度、機械的強度および弾
力性も適度にある矯正用光硬化型樹脂複合組成物を提供
することにある。
上記の本発明の目的は、無機フイラーの屈折率とポリマ
ーマトリクスの屈折率とを近付けることによるコンポジ
ツトレジンの透明化によつて硬化深度の向上をはかるこ
とと、無機フイラーの配合量の一部をポリマー粉末で代
替することによる弾力性の向上により解決できる。その
ことはa)エチレン性二重結合を1個以上有する重合可
能な化合物、b)可視光線の作用により、該重合可能な
化合物を重合せしめることのできる1種類以上の光重合
開始剤、c)平均粒子型が500μm以下であり、かつ交
差結合を有しない1種類以上のポリマー粉末、および
d)平均粒子径が50μm以下である1種類以上の無機物
粉末を必須の成分として含有し、該重合可能な化合物を
重合させて得られる重合体の屈折率、該ポリマー粉末の
屈折率および該無機物粉末の屈折率とがほぼ等しいよう
に該化合物、該ポリマー粉末および該無機物粉末がそれ
ぞれ選択され構成された顎機能障害矯正用光硬化型樹脂
複合組成物により達成される。
ーマトリクスの屈折率とを近付けることによるコンポジ
ツトレジンの透明化によつて硬化深度の向上をはかるこ
とと、無機フイラーの配合量の一部をポリマー粉末で代
替することによる弾力性の向上により解決できる。その
ことはa)エチレン性二重結合を1個以上有する重合可
能な化合物、b)可視光線の作用により、該重合可能な
化合物を重合せしめることのできる1種類以上の光重合
開始剤、c)平均粒子型が500μm以下であり、かつ交
差結合を有しない1種類以上のポリマー粉末、および
d)平均粒子径が50μm以下である1種類以上の無機物
粉末を必須の成分として含有し、該重合可能な化合物を
重合させて得られる重合体の屈折率、該ポリマー粉末の
屈折率および該無機物粉末の屈折率とがほぼ等しいよう
に該化合物、該ポリマー粉末および該無機物粉末がそれ
ぞれ選択され構成された顎機能障害矯正用光硬化型樹脂
複合組成物により達成される。
本発明において使用されるエチレン性二重結合を1個以
上有する重合可能な化合物としては、α−シアノアクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸、ウレタン(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イ
タコン酸などの1価又は2価アルコールとのエステル類
さらに、N−イソブチルアクリルアミドのような(メ
タ)アクリルアミド類、酢酸ビニルなどのようなカルボ
ン酸のビニルエステル類、ブチルビニルエーテルのよう
なビニルエーテル類、N−ビニルピロリドンのようなモ
ノ−N−ビニル化合物、スチレン誘導体などが挙げられ
るが特に下記のような一官能性、多官能性の(メタ)ア
クリル酸エステル類およびウレタン(メタ)アクリル酸
エステル類が好適である。
上有する重合可能な化合物としては、α−シアノアクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸、ウレタン(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イ
タコン酸などの1価又は2価アルコールとのエステル類
さらに、N−イソブチルアクリルアミドのような(メ
タ)アクリルアミド類、酢酸ビニルなどのようなカルボ
ン酸のビニルエステル類、ブチルビニルエーテルのよう
なビニルエーテル類、N−ビニルピロリドンのようなモ
ノ−N−ビニル化合物、スチレン誘導体などが挙げられ
るが特に下記のような一官能性、多官能性の(メタ)ア
クリル酸エステル類およびウレタン(メタ)アクリル酸
エステル類が好適である。
(i)一官能性 (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−も
しくはi−プロピル、(メタ)アクリル酸n−、i−も
しくは、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートなど。
しくはi−プロピル、(メタ)アクリル酸n−、i−も
しくは、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートなど。
(ii)二官能性 〔ここでnは、3〜20の整数Rは水素またはメチル基を
表わす〕 で示される化合物。例えば、プロパンジオール、プタン
ジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナ
ンジオール、デカンジオール、エイコサンジオールなど
のジ(メタ)アクリレート類、 〔ここでnは1〜14の整数Rは水素またはメチル基を表
わす。〕 で示される化合物。例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ドデカエチレングリコール、テトラ
デカエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、テトラデカプロピレングリコール
などのジ(メタ)アクリレート類の他、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、2,2′−ビス〔p−(γ−メタ
クリロキシ−β−ヒドロキシプロポキシ)フエニル〕プ
ロパン(Bis−GMA)、ビスフエノールAジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2′−ジ(4−メタクリロキシポリエトキシフエニ
ル)プロパン(1分子中にエトキシ基2〜10)、1,2−
ビス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)ブタンなど。
表わす〕 で示される化合物。例えば、プロパンジオール、プタン
ジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナ
ンジオール、デカンジオール、エイコサンジオールなど
のジ(メタ)アクリレート類、 〔ここでnは1〜14の整数Rは水素またはメチル基を表
わす。〕 で示される化合物。例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ドデカエチレングリコール、テトラ
デカエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、テトラデカプロピレングリコール
などのジ(メタ)アクリレート類の他、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、2,2′−ビス〔p−(γ−メタ
クリロキシ−β−ヒドロキシプロポキシ)フエニル〕プ
ロパン(Bis−GMA)、ビスフエノールAジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2′−ジ(4−メタクリロキシポリエトキシフエニ
ル)プロパン(1分子中にエトキシ基2〜10)、1,2−
ビス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)ブタンなど。
さらに、これら以外にも「マクロマー」という通称で知
られており、市販されている脂肪族ジ(メタ)アクリレ
ートなども好ましい。
られており、市販されている脂肪族ジ(メタ)アクリレ
ートなども好ましい。
(iii)三官能性以上 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど。
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど。
(iV)ウレタン(メタ)アクリレート系 ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート単量体2
モルとジイソシアネート1モルの反応生成物、両末端NC
Oのウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有する
(メタ)アクリレート単量体の反応生成物などが挙げら
れ、かかる反応生成物の構造は、次式に示すものが挙げ
られる。
モルとジイソシアネート1モルの反応生成物、両末端NC
Oのウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有する
(メタ)アクリレート単量体の反応生成物などが挙げら
れ、かかる反応生成物の構造は、次式に示すものが挙げ
られる。
〔ここでR1は水素またはメチル基、R2はアルキレン基、
R3は有機残基である〕。具体的なものとして特公昭51−
36960号に記載されている2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートとメタクリル酸オキシプロピルと
の反応生成物、特公昭55−33687号に記載されている両
末端イソシアネートのウレタンプレポリマーとメタクリ
ル酸−2−オキシエチルとの反応生成物が挙げられる。
また特開昭56−152408号に開示されているような四官能
性のモノマーも用いられる。また通称名「マクロマー」
の名で市販されているウレタンジ(メタ)アクリレート
なども好ましい。
R3は有機残基である〕。具体的なものとして特公昭51−
36960号に記載されている2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートとメタクリル酸オキシプロピルと
の反応生成物、特公昭55−33687号に記載されている両
末端イソシアネートのウレタンプレポリマーとメタクリ
ル酸−2−オキシエチルとの反応生成物が挙げられる。
また特開昭56−152408号に開示されているような四官能
性のモノマーも用いられる。また通称名「マクロマー」
の名で市販されているウレタンジ(メタ)アクリレート
なども好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、従来公知で
ある任意の開始剤を使用できるが、特に当発明者らによ
る特開昭60−149603号(カンフアーキノンとアルデヒド
と有機過酸化物との三成分系)、特開昭60−197609号
(カンフアーキノンとメルカプタンとの組合わせ)に開
示されている開始剤等が好適である。
ある任意の開始剤を使用できるが、特に当発明者らによ
る特開昭60−149603号(カンフアーキノンとアルデヒド
と有機過酸化物との三成分系)、特開昭60−197609号
(カンフアーキノンとメルカプタンとの組合わせ)に開
示されている開始剤等が好適である。
本発明で用いる組成物には、上述の重合性単量体及び光
重合開始剤の他に交差結合を有しないポリマー粉末から
なる充填剤が加えられる。この充填剤は平均粒子径が50
0μm以下の粉末であるが、用いられる重合体として
は、上述の重合可能な化合物の重合体あるいは上述の重
合可能な化合物を二種類以上組み合わせたものの共重合
体の中から選ばれたものであつてもよい。あるいは種々
の一般用途に繁用される市販のポリマーであつてもよ
い。例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸エチル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリイソプレン、ナイロン、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリアセタールなどが挙げられ
る。また、これら以外にも、後述の無機充填剤を上記ポ
リマーで被覆して複合化した粉末であつてもよい。これ
らのポリマー粉末の内には、上述の重合可能な化合物と
のなじみの悪い場合があり、その場合には、ポリマー粉
末に表面処理をして使用に供することが好ましい。この
表面処理法としては例えば、酸処理、紫外線照射処理、
プラズマ処理、シランカツプリング剤処理、チタネート
カツプリング剤処理などを行つてもよいし、あるいはト
ルエンやジクロルメタン等の溶媒に上述の重合可能な化
合物を溶解させた液の中に該ポリマーを浸漬しておいて
もよい。なお、本発明では、所望により、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチルとジビニルベンゼンとの共重合
体、(メタ)アクリル酸メチルとエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル
酸メチルとトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レートとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートとの共重
合体、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
とウレタンジ(メタ)アクリレートとの共重合体などの
重合体を添加することもできる。
重合開始剤の他に交差結合を有しないポリマー粉末から
なる充填剤が加えられる。この充填剤は平均粒子径が50
0μm以下の粉末であるが、用いられる重合体として
は、上述の重合可能な化合物の重合体あるいは上述の重
合可能な化合物を二種類以上組み合わせたものの共重合
体の中から選ばれたものであつてもよい。あるいは種々
の一般用途に繁用される市販のポリマーであつてもよ
い。例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸エチル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリイソプレン、ナイロン、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリアセタールなどが挙げられ
る。また、これら以外にも、後述の無機充填剤を上記ポ
リマーで被覆して複合化した粉末であつてもよい。これ
らのポリマー粉末の内には、上述の重合可能な化合物と
のなじみの悪い場合があり、その場合には、ポリマー粉
末に表面処理をして使用に供することが好ましい。この
表面処理法としては例えば、酸処理、紫外線照射処理、
プラズマ処理、シランカツプリング剤処理、チタネート
カツプリング剤処理などを行つてもよいし、あるいはト
ルエンやジクロルメタン等の溶媒に上述の重合可能な化
合物を溶解させた液の中に該ポリマーを浸漬しておいて
もよい。なお、本発明では、所望により、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチルとジビニルベンゼンとの共重合
体、(メタ)アクリル酸メチルとエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル
酸メチルとトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レートとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートとの共重
合体、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
とウレタンジ(メタ)アクリレートとの共重合体などの
重合体を添加することもできる。
また、本発明で用いる組成物には無機物粉末が加えられ
る。該無機物粉末としては、二酸化ケイ素、各種ガラス
類、セラミツクス類やタルク、珪藻土、カオリン、モン
モリロナイト等の粘土鉱物、活性白土、合成ゼオライ
ト、マイカ、フツ化カルシウム、リン酸カルシウム、長
石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、石こうなどによりなる粉末
状、繊維状、薄片状のものであり、その最大粒子径が50
μm以下のものが用いられるが、粒子の小さいものとし
ては数nmの微粒子状のものも用いられる。また無機充填
剤には表面処理をして用いることが望ましい。表面処理
剤としてはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシランおよびビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン
等の有機ケイ素化合物が用いられ、シラン化は、通常の
方法により行なわれる。これらの充填剤は、重合性単量
体に体し、0.1〜8倍重量を使用することが好ましい。
る。該無機物粉末としては、二酸化ケイ素、各種ガラス
類、セラミツクス類やタルク、珪藻土、カオリン、モン
モリロナイト等の粘土鉱物、活性白土、合成ゼオライ
ト、マイカ、フツ化カルシウム、リン酸カルシウム、長
石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、石こうなどによりなる粉末
状、繊維状、薄片状のものであり、その最大粒子径が50
μm以下のものが用いられるが、粒子の小さいものとし
ては数nmの微粒子状のものも用いられる。また無機充填
剤には表面処理をして用いることが望ましい。表面処理
剤としてはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシランおよびビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン
等の有機ケイ素化合物が用いられ、シラン化は、通常の
方法により行なわれる。これらの充填剤は、重合性単量
体に体し、0.1〜8倍重量を使用することが好ましい。
また本発明の組成物には、所望により、前述の屈折率の
差を拡大しない範囲内において重合禁止剤、はつ水剤、
着色剤、食品添加用の香料、紫外線吸収剤等を添加する
ことができる。
差を拡大しない範囲内において重合禁止剤、はつ水剤、
着色剤、食品添加用の香料、紫外線吸収剤等を添加する
ことができる。
前述のエチレン性二重結合を1個以上有する重合可能な
化合物と交差結合を有しない1種類以上のポリマー粉末
および無機物粉末により、本発明の組成物を調整するた
めには無機物粉末の平均粒子径が0.1μm以上である場
合には無機物の屈折率と該重合可能な化合物の重合体と
の屈折率の差を可及的に小さくする必要があり、その差
が0.08以下であることが好ましい。また、無機物粉末の
平均粒子径が0.1μm未満である場合には無機物粉末に
よる組成物に対する透明性低下の影響が少なく、この場
合には0.12以下であることが好ましい。
化合物と交差結合を有しない1種類以上のポリマー粉末
および無機物粉末により、本発明の組成物を調整するた
めには無機物粉末の平均粒子径が0.1μm以上である場
合には無機物の屈折率と該重合可能な化合物の重合体と
の屈折率の差を可及的に小さくする必要があり、その差
が0.08以下であることが好ましい。また、無機物粉末の
平均粒子径が0.1μm未満である場合には無機物粉末に
よる組成物に対する透明性低下の影響が少なく、この場
合には0.12以下であることが好ましい。
本発明に於ては、該ポリマー粉末、該無機物粉末、およ
び該重合可能な化合物の重合体の三成分の屈折率がほぼ
等しいものを選択することが重要であるが、例えば分子
量400以上の多官能性(メタ)アクリレートを分子量400
未満の多官能性(メタ)アクリレートで希釈することに
より無機物粉末およびポリマー粉末の屈折率に近い値に
該(メタ)アクリレート混合物重合体の屈折率を調節す
ることなどにより達成される。また、この場合にはポリ
マー粉末は、該(メタ)アクリレート混合物による屈折
率の調節可能な範囲の屈折率をもつことが望ましく、具
体的には前述の如くポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポ
リ(メタ)アクリル酸エチルの如きアクリル系のポリマ
ーであることが好ましく、さらに該ポリマー粉末がその
内部に微細な無機物粉末を含み複合化されたものであつ
てもよい。さらに、この場合には無機物粉末としては結
晶性シリカ、アモルフアスシリカおよび二酸化珪素を主
成分としその屈折率が1.45〜1.55の範囲にあるガラスな
どの粉末が好ましい。また、本発明組成物はこれらの例
示以外にも、適宜重合性化合物重合体の屈折率と、無機
物粉末およびポリマー粉末の屈折率がほぼ一致する組合
わせにおいても実現できる。
び該重合可能な化合物の重合体の三成分の屈折率がほぼ
等しいものを選択することが重要であるが、例えば分子
量400以上の多官能性(メタ)アクリレートを分子量400
未満の多官能性(メタ)アクリレートで希釈することに
より無機物粉末およびポリマー粉末の屈折率に近い値に
該(メタ)アクリレート混合物重合体の屈折率を調節す
ることなどにより達成される。また、この場合にはポリ
マー粉末は、該(メタ)アクリレート混合物による屈折
率の調節可能な範囲の屈折率をもつことが望ましく、具
体的には前述の如くポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポ
リ(メタ)アクリル酸エチルの如きアクリル系のポリマ
ーであることが好ましく、さらに該ポリマー粉末がその
内部に微細な無機物粉末を含み複合化されたものであつ
てもよい。さらに、この場合には無機物粉末としては結
晶性シリカ、アモルフアスシリカおよび二酸化珪素を主
成分としその屈折率が1.45〜1.55の範囲にあるガラスな
どの粉末が好ましい。また、本発明組成物はこれらの例
示以外にも、適宜重合性化合物重合体の屈折率と、無機
物粉末およびポリマー粉末の屈折率がほぼ一致する組合
わせにおいても実現できる。
以上のようにして光硬化型樹脂複合組成物を得ることが
できるが、このものの使用法としては、所定形状に硬化
させて着脱可能な形式の矯正用材料とすることができ
る。また、歯科用接着剤を用いて下顎咬合にこの材料を
固定することもできる。特に後者の方法が好ましいがこ
の方法を用いて治療を行なう場合には該材料の舌側への
はみ出し(裏打ち)がほとんど無い形状とすることが可
能であり、そのことによつて舌が不自然な裏打ちに触れ
ることによる不快感を大幅に軽減できる。
できるが、このものの使用法としては、所定形状に硬化
させて着脱可能な形式の矯正用材料とすることができ
る。また、歯科用接着剤を用いて下顎咬合にこの材料を
固定することもできる。特に後者の方法が好ましいがこ
の方法を用いて治療を行なう場合には該材料の舌側への
はみ出し(裏打ち)がほとんど無い形状とすることが可
能であり、そのことによつて舌が不自然な裏打ちに触れ
ることによる不快感を大幅に軽減できる。
前述のように、本発明にかかる光硬化型樹脂複合組成物
は硬化深度にすぐれるため、これを所定形状に硬化させ
ることにより、顎機能障害者治療用の矯正用材料とする
ことができ、このものは適度の機械的強度と硬度の弾性
を有しているという特徴を有する。このため、従来の即
時重合レジン等を用いて作成した材料よりもより薄い材
料とすることもできる。また、本発明の組成物を用いる
と、硬化時間が短かく、また、模型上で直接光をあてる
ことにより所定形状に成型できるため、矯正用材料の作
成が大幅に簡便化されており、省力化の効果も大きい。
は硬化深度にすぐれるため、これを所定形状に硬化させ
ることにより、顎機能障害者治療用の矯正用材料とする
ことができ、このものは適度の機械的強度と硬度の弾性
を有しているという特徴を有する。このため、従来の即
時重合レジン等を用いて作成した材料よりもより薄い材
料とすることもできる。また、本発明の組成物を用いる
と、硬化時間が短かく、また、模型上で直接光をあてる
ことにより所定形状に成型できるため、矯正用材料の作
成が大幅に簡便化されており、省力化の効果も大きい。
実施例1 55重量部、テトラデカエチレングリコールジメタクリレ
ート38重量部、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト7重量部、カンフアーキノン0.5重量部、2,4−ジメト
キシベンズアルデヒド2重量部、過酸化ベンゾイル1重
量部、メントール0.05重量部、BHT(ジ−t−ブチルヒ
ドロキシトルエン)0.05重量部を均一に溶解させたモノ
マー液を調製し、このモノマー液30重量部にその平均粒
径が約0.02μmのシラン処理超微細シリカ(日本アエロ
ジルR−972 )15重量部、平均粒径1〜2μmのPMMA
粉末15重量部および平均粒径30μmのPMMA粉末40重量部
を混合練和しペースト状の組成物を得た。この組成物に
於ける無機フイラー、ポリマー粉末とモノマー液を重合
させて得られる重合体との屈折率の差は0.1以下であ
る。この組成物を内径4mm、長さ10mmの円管状ステンレ
ス製モールドに充填し、歯科用菓子光線照射器クラレ社
クイツクライト にて20秒間光を照射したところ、モー
ルド内のペーストは全て硬化していた。また、この組成
物に光を照射して重合させることにより2mm×2mm×30mm
の角柱状試片を作成し、これを37℃の蒸留水中に24時間
保存した後に支点距離20mm、クロスヘツドスピード1mm/
minで曲げ強度を測定したところ、曲げ強度600kg/cm2、
曲げ弾性率18,000Kg/cm2でありこの試片は破断するまで
に2分間を要した(水平の位置より2mm押されてから折
れた)。
ート38重量部、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト7重量部、カンフアーキノン0.5重量部、2,4−ジメト
キシベンズアルデヒド2重量部、過酸化ベンゾイル1重
量部、メントール0.05重量部、BHT(ジ−t−ブチルヒ
ドロキシトルエン)0.05重量部を均一に溶解させたモノ
マー液を調製し、このモノマー液30重量部にその平均粒
径が約0.02μmのシラン処理超微細シリカ(日本アエロ
ジルR−972 )15重量部、平均粒径1〜2μmのPMMA
粉末15重量部および平均粒径30μmのPMMA粉末40重量部
を混合練和しペースト状の組成物を得た。この組成物に
於ける無機フイラー、ポリマー粉末とモノマー液を重合
させて得られる重合体との屈折率の差は0.1以下であ
る。この組成物を内径4mm、長さ10mmの円管状ステンレ
ス製モールドに充填し、歯科用菓子光線照射器クラレ社
クイツクライト にて20秒間光を照射したところ、モー
ルド内のペーストは全て硬化していた。また、この組成
物に光を照射して重合させることにより2mm×2mm×30mm
の角柱状試片を作成し、これを37℃の蒸留水中に24時間
保存した後に支点距離20mm、クロスヘツドスピード1mm/
minで曲げ強度を測定したところ、曲げ強度600kg/cm2、
曲げ弾性率18,000Kg/cm2でありこの試片は破断するまで
に2分間を要した(水平の位置より2mm押されてから折
れた)。
次に、患者より印象採得して作成した硬質石こう製の顎
模型を咬合器にとりつけ、咬合器を正しい位置に固定し
たのち、上下顎の咬合面に分離剤を塗布した。次に下顎
の歯列(全部の歯の上)に前記ペーストを馬蹄形に置
き、その上に(模型の)上顎を咬合させた。さらに、コ
ンポジツトレジン充填器を用いてはみ出したペーストの
形態を整えたのち、前述の歯科使用可視光線照射器を用
いて光を照射した。まず唇側より1歯あたり10秒間照射
する条件で照射してゆき、全部の領域を照射し終えたら
次は舌側より同じことをくり返した。そののち、咬合器
を開いて上顎を硬化レジンより外し、次に注意深く硬化
レジンを下顎より外した。硬化レジンの形態を研磨する
ことによつて整えたのち、患者の口腔内に試適した。再
度調整後、市販の歯科用接着剤クラレ社パナビアEx を
用いて、硬化レジンを患者の下顎咬合面に接着した。こ
のようにして患者に硬化レジンを装着することにより数
ケ月後に患者の顎関節の位置を矯正することができた。
模型を咬合器にとりつけ、咬合器を正しい位置に固定し
たのち、上下顎の咬合面に分離剤を塗布した。次に下顎
の歯列(全部の歯の上)に前記ペーストを馬蹄形に置
き、その上に(模型の)上顎を咬合させた。さらに、コ
ンポジツトレジン充填器を用いてはみ出したペーストの
形態を整えたのち、前述の歯科使用可視光線照射器を用
いて光を照射した。まず唇側より1歯あたり10秒間照射
する条件で照射してゆき、全部の領域を照射し終えたら
次は舌側より同じことをくり返した。そののち、咬合器
を開いて上顎を硬化レジンより外し、次に注意深く硬化
レジンを下顎より外した。硬化レジンの形態を研磨する
ことによつて整えたのち、患者の口腔内に試適した。再
度調整後、市販の歯科用接着剤クラレ社パナビアEx を
用いて、硬化レジンを患者の下顎咬合面に接着した。こ
のようにして患者に硬化レジンを装着することにより数
ケ月後に患者の顎関節の位置を矯正することができた。
実施例2 実施例1と同じモノマー液30重量部に前述のシラン処理
超微細シリカ(アエロジルR−972 )10重量部、有機
複合フイラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコール
ジメタクリレート20重量、シラン処理アエロジル60重量
部とよりなる組成物の重合体を粉砕し平均粒径40μmの
粉末としたもの)、40重量部および平均粒径30μmのPM
MA粉末を20重量部、混合練和してペースト状の組成物を
得た。この組成物における無機フイラー、ポリマー粉末
とモノマー重合物との屈折率の差は0.1以下である。こ
のものの硬化深度を実施例1と同様の方法にて測定する
と20秒間の照射で9mmのレジンが硬化していた。また、
この組成物に光を照射して硬化させたものの曲げ強度は
500Kg/cm2、曲げ弾性率は25000Kg/cm2であつた。この試
験片は水平の位置から1.6mm押されてから折れた。この
ものから、実施例1と同様の操作により矯正用材料を作
成した。
超微細シリカ(アエロジルR−972 )10重量部、有機
複合フイラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコール
ジメタクリレート20重量、シラン処理アエロジル60重量
部とよりなる組成物の重合体を粉砕し平均粒径40μmの
粉末としたもの)、40重量部および平均粒径30μmのPM
MA粉末を20重量部、混合練和してペースト状の組成物を
得た。この組成物における無機フイラー、ポリマー粉末
とモノマー重合物との屈折率の差は0.1以下である。こ
のものの硬化深度を実施例1と同様の方法にて測定する
と20秒間の照射で9mmのレジンが硬化していた。また、
この組成物に光を照射して硬化させたものの曲げ強度は
500Kg/cm2、曲げ弾性率は25000Kg/cm2であつた。この試
験片は水平の位置から1.6mm押されてから折れた。この
ものから、実施例1と同様の操作により矯正用材料を作
成した。
実施例3 Bis−GMA70重量部、トリエチレングリコールジメタクリ
レート30重量部、カンフアーキノン0.4重量部、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール2重量部、BHT0.05重量部、
バニリン0.05重量部からなるモノマー液50重量部に対
し、平均粒径1μmのシラン処理粉砕石英粉40重量部平
均粒径1.5μmのPMMA粉末10重量部を混合しペースト状
の組成物を得た。この組成物におけるモノマーを重合さ
せたものとポリマー粉末、無機フイラーとの屈折率の差
は0.06以下である。このものの硬化深度を実施例1と同
様の方法にて測定すると20秒間の照射で8mmのレジンが
硬化していた。また、曲げ強度は920Kg/cm2、曲げ弾性
率42000Kg/cm2であつた。この試験片は水平の位置から
1.5mm押されてから折れた。このものから実施例1と同
様の操作により矯正用材料を作成した。
レート30重量部、カンフアーキノン0.4重量部、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール2重量部、BHT0.05重量部、
バニリン0.05重量部からなるモノマー液50重量部に対
し、平均粒径1μmのシラン処理粉砕石英粉40重量部平
均粒径1.5μmのPMMA粉末10重量部を混合しペースト状
の組成物を得た。この組成物におけるモノマーを重合さ
せたものとポリマー粉末、無機フイラーとの屈折率の差
は0.06以下である。このものの硬化深度を実施例1と同
様の方法にて測定すると20秒間の照射で8mmのレジンが
硬化していた。また、曲げ強度は920Kg/cm2、曲げ弾性
率42000Kg/cm2であつた。この試験片は水平の位置から
1.5mm押されてから折れた。このものから実施例1と同
様の操作により矯正用材料を作成した。
比較例1 2,2′−ジ(4−メタクリロキシポリエトキシフエニ
ル)プロパン(1分子中にエトキシ基2.6個)6g、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレート2g、カンフアーキノ
ン0.04g、2−メルカプトペンゾキサゾール0.16g、BHT
0.004g、バニリン0.004gを均一に溶解したのち、この中
に平均粒径0.4μmのMMAとジビニルベンゼン共重合体2g
と前述のアエロジルR−972 2gとを混合しペーストと
した。この組成物における無機フイラーとモノマーを重
合させたものとの屈折率の差は0.1以下である。このも
のの硬化深度と曲げ強度を実施例1と同様の方法により
測定したところ、硬化深度は20秒照射で8mm、曲げ強度
は、886Kg/cm2、曲げ弾性率は42,000Kg/cm2であつた。
この試験片は水平の位置から0.6mm押されてから折れ
た。
ル)プロパン(1分子中にエトキシ基2.6個)6g、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレート2g、カンフアーキノ
ン0.04g、2−メルカプトペンゾキサゾール0.16g、BHT
0.004g、バニリン0.004gを均一に溶解したのち、この中
に平均粒径0.4μmのMMAとジビニルベンゼン共重合体2g
と前述のアエロジルR−972 2gとを混合しペーストと
した。この組成物における無機フイラーとモノマーを重
合させたものとの屈折率の差は0.1以下である。このも
のの硬化深度と曲げ強度を実施例1と同様の方法により
測定したところ、硬化深度は20秒照射で8mm、曲げ強度
は、886Kg/cm2、曲げ弾性率は42,000Kg/cm2であつた。
この試験片は水平の位置から0.6mm押されてから折れ
た。
比較例2 実施例1と同じモノマー液30重量部に前述のシラン処理
超微粒子シリカ(アエロジルR−972 )20重量部、有
機複合フィラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート20重量部、シラン処理超微粒
子シリカ60重量部とからなる組成物の重合体を粉砕し平
均粒径40μmの粉末としたもの)50重量部を混合練和し
てペースト状の組成物を得た。この組成物における無機
フィラー、ポリマー粉末とモノマー重合物との屈折率の
差は0.05以下である。このものの硬化深度を実施例1と
同様の方法で測定すると20秒間の照射で8mmのレジンが
硬化していた。この組成物に光を照射して硬化させたも
のの曲げ強度は700kg/cm2、曲げ弾性率は52000kg/cm2で
あった。この試験片は水平の位置から0.5mm押されてか
ら折れた。
超微粒子シリカ(アエロジルR−972 )20重量部、有
機複合フィラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート20重量部、シラン処理超微粒
子シリカ60重量部とからなる組成物の重合体を粉砕し平
均粒径40μmの粉末としたもの)50重量部を混合練和し
てペースト状の組成物を得た。この組成物における無機
フィラー、ポリマー粉末とモノマー重合物との屈折率の
差は0.05以下である。このものの硬化深度を実施例1と
同様の方法で測定すると20秒間の照射で8mmのレジンが
硬化していた。この組成物に光を照射して硬化させたも
のの曲げ強度は700kg/cm2、曲げ弾性率は52000kg/cm2で
あった。この試験片は水平の位置から0.5mm押されてか
ら折れた。
比較例3 実施例1と同じモノマー液30重量部に実施例3で使用し
た平均粒径1μmのシラン処理粉砕石英粉10重量部、有
機複合フィラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート20重量部、シラン処理超微粒
子シリカ60重量部とからなる組成物の重合体を粉砕し平
均粒径40μmの粉末としたもの)40重量部を混合練和し
てペースト状の組成物を得た。この組成物における無機
フィラー、ポリマー粉末とモノマー重合物との屈折率の
差は0.06以下である。このものの硬化深度を実施例1と
同様の方法で測定すると20秒間の照射で6mmのレジンが
硬化していた。また、この組成物に光を照射して硬化さ
せたものの曲げ強度は800kg/cm2、曲げ弾性率は72000kg
/cm2であった。この試験片は水平の位置から0.4mm押さ
れてから折れた。
た平均粒径1μmのシラン処理粉砕石英粉10重量部、有
機複合フィラー(UDMA20重量部とトリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート20重量部、シラン処理超微粒
子シリカ60重量部とからなる組成物の重合体を粉砕し平
均粒径40μmの粉末としたもの)40重量部を混合練和し
てペースト状の組成物を得た。この組成物における無機
フィラー、ポリマー粉末とモノマー重合物との屈折率の
差は0.06以下である。このものの硬化深度を実施例1と
同様の方法で測定すると20秒間の照射で6mmのレジンが
硬化していた。また、この組成物に光を照射して硬化さ
せたものの曲げ強度は800kg/cm2、曲げ弾性率は72000kg
/cm2であった。この試験片は水平の位置から0.4mm押さ
れてから折れた。
比較例4 実施例1と同じモノマー液30重量部にシラン処理を施し
た平均粒径18μmのガラス球(東芝バロティーニ社製、
GB731M)30重量部およびシラン処理超微粒子シリカ(ア
エロジルR−972 )10重量部、有機複合フィラー(UDM
A20重量部とトリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート20重量部、シラン処理超微粒子シリカ60重量部と
からなる組成物の重合体を粉砕し平均粒径40μmの粉末
としたもの)30重量部を混合練和してペースト状の組成
物を得た。この組成物に光を照射して硬化させたものの
曲げ強度は800kg/cm2、曲げ弾性率は69000kg/cm2であっ
た。この試験片は水平の位置から0.4mm押されてから折
れた。
た平均粒径18μmのガラス球(東芝バロティーニ社製、
GB731M)30重量部およびシラン処理超微粒子シリカ(ア
エロジルR−972 )10重量部、有機複合フィラー(UDM
A20重量部とトリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート20重量部、シラン処理超微粒子シリカ60重量部と
からなる組成物の重合体を粉砕し平均粒径40μmの粉末
としたもの)30重量部を混合練和してペースト状の組成
物を得た。この組成物に光を照射して硬化させたものの
曲げ強度は800kg/cm2、曲げ弾性率は69000kg/cm2であっ
た。この試験片は水平の位置から0.4mm押されてから折
れた。
比較例5〜8 比較のため市販の歯科用光硬化型コンポジツトレジンの
硬化深度(20秒照射)と曲げ弾性率とを測定し、石こう
板との分離し易さを試験してみた。なお、これらのコン
ポジットレジンは、充填剤として無機物粉末のみを含有
している。
硬化深度(20秒照射)と曲げ弾性率とを測定し、石こう
板との分離し易さを試験してみた。なお、これらのコン
ポジットレジンは、充填剤として無機物粉末のみを含有
している。
Claims (10)
- 【請求項1】a)エチレン性二重結合を1個以上有する
重合可能な化合物 b)可視光線の作用により、該重合可能な化合物を重合
させることのできる1種類以上の光重合開始剤 c)平均粒子径が500μm以下であり、かつ交差結合を
有しない1種以上のポリマー粉末、および d)平均粒子径が50μm以下である1種類以上の無機物
粉末 を必須の成分として含有し、かつ該重合可能な化合物を
重合させて得られる重合体の屈折率、該ポリマー粉末の
屈折率、該無機物粉末の屈折率とがほぼ等しいように、
該化合物、該ポリマー粉末および該無機物粉末がそれぞ
れ選択されて構成された矯正用光硬化型樹脂複合組成
物。 - 【請求項2】該無機物粉末の平均粒子径が0.1μm以上
である場合において、該重合可能な化合物を重合させて
得られる重合体の屈折率、該ポリマー粉末の屈折率、お
よび該無機物粉末の屈折率との間の最大と最小の差が0.
08以下である特許請求の範囲第1項記載の組成物。 - 【請求項3】該無機物粉末の平均粒子径が0.1μm未満
である場合において、該重合可能な化合物を重合させて
得られる重合体の屈折率、該ポリマー粉末の屈折率、お
よび該無機物粉末の屈折率との間の最大と最小の差が0.
12以下である特許請求の範囲第1項記載の組成物。 - 【請求項4】該重合可能な化合物が分子量400以上の多
官能型(メタ)アクリレートと分子量400未満の多官能
型(メタ)アクリレートとの混合物からなる特許請求の
範囲第1項記載の組成物。 - 【請求項5】該分子量400以上の多官能型(メタ)アク
リレートが、エチレングリコールのオリゴマーのジ(メ
タ)アクリレートである特許請求の範囲第4項記載の組
成物。 - 【請求項6】該分子量400以上の多官能型(メタ)アク
リレートが、ビスフェノールA誘導体のジ(メタ)アク
リレートである特許請求の範囲第4項記載の組成物。 - 【請求項7】該分子量400以上の多官能型(メタ)アク
リレートが、分子内に2個以上のウレタン結合を有する
脂肪族ウレタンジ(メタ)アクリレートである特許請求
の範囲第4項記載の組成物。 - 【請求項8】該ポリマー粉末が、ポリ(メタ)アクリル
酸メチルまたはポリ(メタ)アクリル酸エチルからなる
粉末である特許請求の範囲第4項記載の組成物。 - 【請求項9】該ポリマー粉末が、その内部に微細な無機
物粉末を含み、複合化されたものである特許請求の範囲
第1項記載の組成物。 - 【請求項10】該無機物粉末の平均粒子径が10μm以下
であり、そのものの主成分が二酸化硅素である特許請求
の範囲第1項記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6742987A JPH0791171B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6742987A JPH0791171B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63233905A JPS63233905A (ja) | 1988-09-29 |
JPH0791171B2 true JPH0791171B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=13344657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6742987A Expired - Lifetime JPH0791171B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0791171B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5128235A (en) * | 1989-04-21 | 1992-07-07 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Method of forming a three-dimensional object comprising additives imparting reduction of shrinkage to photohardenable compositions |
JP3155389B2 (ja) * | 1993-03-05 | 2001-04-09 | 株式会社モルテン | 歯科用光重合樹脂材料 |
JP2599686B2 (ja) * | 1993-11-04 | 1997-04-09 | 幹雄 佐藤 | 歯牙の保定装置および該装置に用いるポジショナー |
JP3489899B2 (ja) * | 1995-03-09 | 2004-01-26 | 株式会社クラレ | 歯科用組成物 |
JP3637985B2 (ja) * | 1995-09-13 | 2005-04-13 | 株式会社ジーシー | 光硬化型歯科用ワックス組成物 |
WO2014050634A1 (ja) | 2012-09-27 | 2014-04-03 | 株式会社トクヤマデンタル | 歯科用充填修復材料 |
KR102111789B1 (ko) * | 2018-10-16 | 2020-05-18 | 주식회사 그래피 | 투명교정장치의 제조를 위한 3d 프린터용 광경화형 조성물 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2938875A1 (de) * | 1979-09-26 | 1981-04-23 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Dentalwerkstoffe auf basis von organischen kunststoffen in pastoeser form |
-
1987
- 1987-03-20 JP JP6742987A patent/JPH0791171B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63233905A (ja) | 1988-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2126541C (en) | Method and dispenser for making dental products | |
EP1922053B1 (en) | Methods for preparing chair-side dental crowns | |
JP6437199B2 (ja) | 高強度歯科用材料 | |
EP1190695B1 (en) | Catalyst for chemical polymerization of dental materials | |
US20060247330A1 (en) | Two paste-type glass ionomer cement | |
JP4986437B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
JPH0818947B2 (ja) | 重合可能な歯科材料、該材料からなる充填剤及びインレー並びに固定セメント | |
JP4162738B2 (ja) | 光重合型歯科矯正用レジン組成物 | |
JP2002187907A (ja) | 歯科用化学重合触媒 | |
JPH07145018A (ja) | 歯科組成物、補てつ物、および歯科補てつ物の製法 | |
JP4860478B2 (ja) | 歯科用製品を成形する方法 | |
JP5110845B2 (ja) | 歯科貴金属接着性オペークペースト | |
JP2010208964A (ja) | 歯科用光硬化性材料 | |
WO2014045956A1 (ja) | 暫間補綴物の作製方法 | |
JP4447048B2 (ja) | スズ化合物を用いた歯科用接着剤 | |
JPH0791171B2 (ja) | 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 | |
JP5162138B2 (ja) | 多官能性親水性重合性単量体含有組成物 | |
JPH024206B2 (ja) | ||
WO2005090281A1 (ja) | (メタ)アクリル化合物及びその用途 | |
JP2002097109A (ja) | 義歯床用樹脂組成物 | |
JP4287517B2 (ja) | スズ化合物を用いた接着性組成物 | |
JP2004300066A (ja) | 歯科用材料および歯科用組成物 | |
WO2023182241A1 (ja) | 歯科材料用組成物及び歯科材料 | |
WO2023163676A1 (en) | Production of antibacterial and regenerative dental composites using supportive phases with improved antibacterial and bioactive properties | |
JP2878958B2 (ja) | 歯科用接着剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |