JP3623407B2 - 配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント基板などの、表面に導電パターンが形成された配線基板に関し、より詳細には、配線基板に実装される半導体チップなどのチップ状の電子部品に設けられた電極との接合部が位置する導電パターンの先端部の配置や形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IC製造時のデザインルール(線幅や線間隔など)の微細化により、ICの集積度が高くなり、一つの半導体チップが多くの機能を持つようになった。それに伴い、半導体チップに設けるI/O電極の数が増加し、I/O電極のピッチが狭くなる傾向にある。
【0003】
しかしながら、一般に、半導体チップに形成可能なI/O電極の最小ピッチに比べて、プリント基板に形成可能な導電パターンの最小ピッチが広い。このため、フリップチップ方式によりプリント基板に半導体チップを実装する場合、通常、半導体チップのI/O電極のピッチを、プリント基板に形成される導電パターンの先端部に位置するI/O電極との接合部のピッチに合わせる必要があり、フリップチップ方式によりプリント基板に実装される半導体チップでは、I/O電極のピッチがそのサイズを決定する主要因になっている。
【0004】
このように、フリップチップ方式によりプリント基板に実装される半導体チップでは、I/O電極のピッチをプリント基板におけるI/O電極との接合部のピッチに合わせているため、I/O電極との接合部のピッチを広くすると、半導体チップのサイズは大きくなり、1枚のウェハ当たりの半導体チップの取り数が少なくなる。このため、半導体チップのコストが高くなる。
【0005】
一方、I/O電極との接合部のピッチを狭くすると、プリント基板製造時の歩留まりが低下したり、プリント基板製造時の歩留まりを維持するために高度な製造技術が必要となる。このため、プリント基板のコストが高くなる。また、I/O電極との接合部のピッチを狭くすると、半導体チップ実装時に高度の位置合わせ精度が必要となるので、半導体チップ実装時の歩留まりが低下したり、半導体チップ実装時の歩留まりを維持するために高度な実装技術が必要となる。このため、実装後の部品のコストが高くなる。
【0006】
これまで、I/O電極との接合部が千鳥配置になるように、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部が配置されている例として、図5及び図6に示すプリント基板が知られている。
【0007】
図5及び図6は、表面に導電パターンが形成された配線基板である従来のプリント基板の要部を示す平面図である。図5及び図6では、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部の配置や形状を示している。また、図5及び図6では、I/O電極との接合部が、I/O電極との接合部のピッチpが88μm、ピッチ方向と垂直な方向におけるI/O電極との接合部の間隔dが100μmである千鳥配置になるように、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部が配置されている場合を示している。
【0008】
図5において、101はプリント基板に設けられた導電パターン、102はプリント基板の導電パターン101上に位置する、半導体チップのI/O電極との接合部である。また、図6において、111はプリント基板に設けられた導電パターン、112はプリント基板の導電パターン111上に位置する、半導体チップのI/O電極との接合部である。
【0009】
図5及び図6では、I/O電極との接続部102,112が位置する導電パターン101,111の先端部が矩形である。また、図5では、I/O電極との接合部102が同一方向から延びた導電パターン101の先端部に位置し、図6では、I/O電極との接合部112が交互に反対方向から延びた導電パターン111の先端部に位置している。また、図5では、導電パターン101の幅a1が44μm、導電パターン101の最小間隔b1が44μmであり、図6では、導電パターン111の幅a2が50μm、導電パターン111の最小間隔b2が50μmである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
表面に導電パターンが形成された配線基板である従来のプリント基板は以上のように構成されているので、図5に示すプリント基板と図6に示すプリント基板とを比較した場合、IC電極との接合部102,112のピッチが同じであるが、図5に示すプリント基板に形成されている導電パターン101の幅a1に比べて、図6に示すプリント基板に形成されている導電パターン111の幅a2が広い。従って、図5に示すプリント基板では、図6に示すプリント基板に比べて、プリント基板製造時の歩留まりが低下したり、プリント基板製造時の歩留まりを維持するために高度な製造技術が必要となるため、プリント基板のコストが高くなるという課題があった。
【0011】
一方、図6に示すプリント基板では、I/O電極との接合部112が交互に反対方向から延びた導電パターン111の矩形の先端部に位置し、I/O電極との接合部112から導電パターン111の延在方向の端部までの距離xを30μmしかとることができない。従って、図6に示すプリント基板では、半導体チップ実装時の歩留まりが低下したり、半導体チップ実装時の歩留まりを維持するために高度な実装技術が必要となるため、実装後の部品のコストが高くなるという課題があった。
【0012】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、I/O電極との接合部が千鳥配置し、I/O電極との接合部が交互に反対方向から延びた導電パターンの先端部に位置しているが、半導体チップ実装時の歩留まりが高く、実装後の部品のコストが安価である配線基板を得ることを目的とする。
【0013】
また、I/O電極との接合部が千鳥配置し、I/O電極との接合部が交互に反対方向から延びた導電パターンの先端部に位置しているが、半導体チップ実装時の歩留まりが高く、実装後の部品が安価であるとともに、製造時の歩留まりが高く、安価な配線基板を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る配線基板は、表面に導電パターンが形成された配線基板において、上記導電パターンの先端部は、上記導電パターンの配線幅と同じ幅を有する配線幅部分から略V字状に延びる尖形であり、上記略V字状の部分を縁取る斜辺は、上記配線幅部分を縁取る外形線の端部から延在するように設けられ、上記配線基板に実装されるチップ状の電子部品に設けられた電極との接合部が、交互に反対方向から延びた上記導電パターンの先端部の上記配線幅部分に位置し、上記接合部が所定のピッチで千鳥配置し、上記導電パターンの先端部が有する斜辺と、これに対向して反対から延びる上記導電パターンの先端部が有する斜辺とが平行であり、その斜辺間の距離が上記導電パターン間の最小間隔であるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、表面に導電パターンが形成された配線基板であるこの発明の実施の形態1によるプリント基板の要部を示す平面図である。図1では、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部の配置や形状を示している。また、図1では、I/O電極との接合部が、I/O電極との接合部のピッチPが88μm、ピッチ方向と垂直な方向におけるI/O電極との接合部の間隔Dが100μmである千鳥配置になるように、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部が配置されている場合を示している。また、図2は、図1に示すプリント基板に半導体チップを実装した状態における、図1中のII−II線に沿った断面図である。
【0017】
図において、1はプリント基板(配線基板)、2はプリント基板1に設けられた導電パターン、3は半導体チップ(電子部品)、4は半導体チップ3に設けられたI/O電極(電極)、5は半導体チップ3のI/O電極4上に形成されたバンプ、6はプリント基板1の導電パターン2上に位置する、半導体チップ3のI/O電極4との接合部である。半導体チップ3のI/O電極4は、その上に形成されたバンプ5によって、接合部6において導電パターン2と接合する。
【0018】
実施の形態1によるプリント基板1では、I/O電極4との接合部6が位置する導電パターン2の先端部が尖形、すなわち槍先形である。また、I/O電極4との接合部6が交互に反対方向から延びた導電パターン2の先端部に位置している。すなわち、奇数番目の接合部6が位置する導電パターン2の先端部が延在する方向と、偶数番目の接合部6が位置する導電パターン2の先端部が延在する方向が逆方向である。また、導電パターン2の幅A1が70μm、導電パターン2の最小間隔B1が50μmである。また、隣り合う導電パターン2の尖形部分の対向する二辺が平行であり、その二辺間の距離が導電パターン2間の最小間隔である。
【0019】
以上のように、この実施の形態1によれば、導電パターン2の幅A1が図6に示すプリント基板における導電パターン111の幅a2に比べて広く、相対的に微細でないデザインルールによりプリント基板1を製造できる。その結果、プリント基板製造時の歩留まりが高く、プリント基板1が安価になるという効果が得られる。
【0020】
また、この実施の形態1によれば、IC電極4との接合部6から導電パターン2の端部までの距離Dが100μmであり、図6に示すプリント基板におけるIC電極との接合部112から導電パターン111の端部までの距離xに比べて長く、公差が大きい。その結果、半導体チップ実装時の歩留まりが高く、実装後の部品が安価になるという効果が得られる。
【0021】
実施の形態2.
実施の形態2では、I/O電極との接合部が、I/O電極との接合部のピッチPが88μm、ピッチ方向と垂直な方向におけるI/O電極との接合部の間隔Dが100μmである千鳥配置になるように、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部が配置されているプリント基板の変形例について説明する。
【0022】
図3は、表面に導電パターンが形成された配線基板であるこの発明の実施の形態2によるプリント基板の要部を示す平面図である。図3では、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部の配置や形状を示している。図において、7はプリント基板に設けられた導電パターン、8はプリント基板の導電パターン7上に位置する、半導体チップのI/O電極との接合部である。
【0023】
実施の形態2によるプリント基板では、導電パターン2の幅A2が50μm、導電パターン2の最小間隔B2が50μmである。また、図3中のCで示す距離は25μmである。
【0024】
以上のように、この実施の形態2によれば、導電パターン7の幅A2及び最小間隔B2が図6に示すプリント基板における導電パターン111の幅a2及び最小間隔b2と同じであるため、実施の形態1のように、プリント基板製造時の歩留まりが高くなるという効果は得られないが、IC電極との接合部8から導電パターン7の端部までの距離が100μmであり、図6に示すプリント基板におけるIC電極との接合部112から導電パターン111の端部までの距離xに比べて長く、公差が大きい。その結果、半導体チップ実装時の歩留まりが高く、実装後の部品が安価になるという効果が得られる。
【0025】
実施の形態3.
実施の形態3では、I/O電極との接合部が交互に反対方向から延びた導電パターンの先端部に位置し、I/O電極との接合部が所定のピッチで千鳥配置するプリント基板における、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部の形状について説明する。
【0026】
図4(A)〜図4(H)は、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部を示す平面図である。図において、9a〜9hはプリント基板に設けられた導電パターン、10a〜10hはプリント基板の導電パターン上に位置する、半導体チップのI/O電極との接合部、11a〜11hは従来のプリント基板におけるI/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部に相当する矩形領域、12a〜12hは矩形領域11a〜11hから突出する突出領域である。図4(A)〜図4(H)中、矩形領域11a〜11hを破線で示している。また、図4(A)〜図4(H)中、突出領域12a〜12hにハッチングを付して示している。
【0027】
以上のように、この実施の形態3によれば、I/O電極との接合部が位置する導電パターン9a〜9hの先端部に尖形や菱形や星形や丸形の部分が存在し、I/O電極との接合部10a〜10hが位置する導電パターン9a〜9hの先端部に、矩形領域11a〜11hから突出する突出領域12a〜12hを有しているため、公差が大きくなる。その結果、半導体チップ実装時の歩留まりが高く、実装後の部品が安価になるという効果が得られる。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、表面に導電パターンが形成された配線基板としてプリント基板を例として説明したが、表面に導電パターンが形成されたセラミック基板やシリコン基板の場合にも本発明を適用できる。
また、上述した実施の形態では、半導体チップをプリント基板に実装する場合について説明したが、半導体チップ同士を接合する場合にも本発明を適用できる。
また、上述した実施の形態では、フリップチップ方式で実装する場合について説明したが、はんだや導電性接着剤を用いて実装する場合にも本発明を適用できる。
また、上述した実施の形態1,2における寸法は一例であり、それ以外の寸法であってもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、表面に導電パターンが形成された配線基板において、上記導電パターンの先端部は、上記導電パターンの配線幅と同じ幅を有する配線幅部分から略V字状に延びる尖形であり、上記略V字状の部分を縁取る斜辺は、上記配線幅部分を縁取る外形線の端部から延在するように設けられ、上記配線基板に実装されるチップ状の電子部品に設けられた電極との接合部が、交互に反対方向から延びた上記導電パターンの先端部の上記配線幅部分に位置し、上記接合部が所定のピッチで千鳥配置し、上記導電パターンの先端部が有する斜辺と、これに対向して反対から延びる上記導電パターンの先端部が有する斜辺とが平行であり、その斜辺間の距離が上記導電パターン間の最小間隔であるように構成したので、接合部から導電パターンの端部までの距離が長くなり、交差が大きくなる。その結果、実装時の歩留まりが高く、実装後の部品が安価である配線基板が得られる効果がある。また、相対的に微細でないデザインルールにより製造できる場合には、製造時の歩留まりが高く安価な配線基板が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるプリント基板の要部を示す平面図である。
【図2】図1に示すプリント基板に半導体チップを実装した状態における、図1中のII−II線に沿った断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるプリント基板の要部を示す平面図である。
【図4】(A)〜(H)は、I/O電極との接合部が位置する導電パターンの先端部を示す平面図である。
【図5】従来のプリント基板の要部を示す平面図である。
【図6】従来の他のプリント基板の要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 プリント基板(配線基板)、2 導電パターン、3 半導体チップ(電子部品)、4 I/O電極(電極)、5 バンプ、6 接合部、7 導電パターン、8 接合部、9a〜9h 導電パターン、10a〜10h 接合部、11a〜11h 矩形領域、12a〜12h 突出領域。
Claims (1)
- 表面に導電パターンが形成された配線基板において、
上記導電パターンの先端部は、上記導電パターンの配線幅と同じ幅を有する配線幅部分から略V字状に延びる尖形であり、
上記略V字状の部分を縁取る斜辺は、上記配線幅部分を縁取る外形線の端部から延在するように設けられ、
上記配線基板に実装されるチップ状の電子部品に設けられた電極との接合部が、交互に反対方向から延びた上記導電パターンの先端部の上記配線幅部分に位置し、
上記接合部が所定のピッチで千鳥配置し、
上記導電パターンの先端部が有する斜辺と、これに対向して反対から延びる上記導電パターンの先端部が有する斜辺とが平行であり、その斜辺間の距離が上記導電パターン間の最小間隔である
ことを特徴とする配線基板。
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