JP3622450B2 - 粗圧延ラインにおける粗バー幅制御方法 - Google Patents

粗圧延ラインにおける粗バー幅制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗圧延ラインにおける粗バー幅制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダウンコイラに巻取られるストリップの板幅精度を向上させるためには、仕上げ圧延ラインの上流側にある粗圧延ラインにおいても、スラブをもとに粗バーを所定の目標幅に制御する必要がある。
【0003】
このため、粗圧延ラインにおいてスラブから粗バー幅を制御することは従来から行われており、その手段としては、例えば以下に説明するものがある。
▲1▼特公平6−15085号公報に示すごとく、スラブ幅の制御をサイジングプレスで行うもの。
▲2▼スラブから作成した粗バー幅の制御をエッジャにより行うもの。
【0004】
サイジングプレスは、エッジャに比較してスラブの大幅圧下に適してはいるが、その機構、性能上、少量の幅修正には適さない。すなわち、サイジングプレスは、プレス金型の幅の設定精度が粗く、粗圧延機により厚み圧下を行った場合のスラブ厚さ(バルジングを含む。ここでバルジングとは、材料幅方向の厚さの変動をいう。)の変化によりスラブ幅が変化し、粗圧延ライン下流端(仕上げ圧延ラインの入側)でのスラブ幅の精度に許容範囲を超えた誤差が生じ、スラブ幅の制御を精度良く行うことができず且つ製品歩留りも低下する。
【0005】
一方、エッジャは、その性能上粗バーの大幅圧下には適さないが、少量の幅修正には適しており、粗バー幅の制御を精度良く行うことができる。これは、特にエッジャがAWC(Automatic Width Control)装置を備えた場合にはより効果があり、圧延中の粗バーの幅変動に対して幅の絶対値及び偏差値を精度良く制御可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エッジャを用いて粗圧延ラインの粗バー幅を制御する場合には、精度の良い制御を行うことはできても1回当りの幅圧下量を少量としなければならず、従って粗バー検出幅と粗バー目標幅との誤差が大きい場合、粗バーの幅圧下後の幅戻り量が予想以上に大きいと、エッジャの機能上限界があり、対応不可能となる虞れが生じる。
【0007】
又、エッジャによる粗バーの1回当りの幅圧下量を大きくすると、粗バー先後端部のフィッシュテール、幅落ち、フレア(幅の末広がり)の現象等が生じ、このため製品歩留りの低下が生じる。
【0008】
本発明は、上述の実情に鑑み、サイジングプレス又はサイジングミルから幅圧下されて送出されたスラブを粗圧延ラインにおいて幅圧下し所定の粗バー幅に精度良く制御し、しかも製品歩留りの向上を図り得るようにすることを目的としてなしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1台のサイジングプレス或いはサイジングミルの材料送り方向下流側に少くとも1台のエッジャ及び粗圧延機を材料送り方向上流側から下流側へ向けて設置した粗圧延ラインにおいて、材料送り方向最終段の粗圧延機出側若しくは最終段の粗圧延機以外の所定の粗圧延機出側で検出した粗バー検出幅から粗バー目標幅を差し引いて求めた差の絶対値が予め定めた粗バー幅誤差設定値以下の場合は、粗バーの幅検出位置よりも材料送り方向上流側のエッジャ各パスの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正し、材料送り方向最終段の粗圧延機出側若しくは最終段の粗圧延機以外の所定の粗圧延機出側で検出した粗バー検出幅から粗バー目標幅を差し引いて求めた差の絶対値が予め定めた粗バー幅誤差設定値を超えた場合は、サイジングプレス或いはサイジングミルの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正するか、サイジングプレス或いはサイジングミルの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正すると共に粗バーの幅検出位置よりも材料送り方向上流側のエッジャ各パスの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正するものである。
【0010】
従って、本発明では、粗圧延ラインにおいて粗バー幅を精度良く所定の幅に制御することが可能となり、又製品歩留りも向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態の一例を示す概要図、図2は図1の装置による操作手順を示すフローチャートである。
【0013】
図1中、1は粗圧延ラインであり、粗圧延ライン1よりも材料送り方向D1上流側には、サイジングプレス2が設置されている。
【0014】
又、粗圧延ライン1には、材料送り方向D1上流側から下流側へ向けて、複数のエッジャ3,4,5が順次配設され、各エッジャ3,4,5の材料送り方向D1下流側には、粗圧延機6,7,8が順次配設されている。
【0015】
サイジングプレス2は、左右のプレス金型2aの材料幅方向D2への近接、離反によりスラブS1の比較的大きな幅圧下を行うもので、左右のプレス金型2aの材料幅方向D2中心側への移動量を調整することにより、プレス金型2aの材料幅方向D2開度を変更し、幅圧下量を修正し得るようになっている。
【0016】
エッジャ3,4,5は、駆動されて回転している左右の竪型のエッジャロール3a,4a,5aにより粗バーS2の比較的小さな幅圧下を行うもので、粗バーS2の幅圧下量に対応して左右のエッジャロール3a,4a,5aの材料幅方向D2におけるロール間隙を調整し得るようになっている。
【0017】
粗圧延機6,7,8は、エッジャ3,4,5により幅圧下された後の粗バーS2の水平粗圧延を行うもので、粗バーS2の粗圧延機6,7,8における出側の厚さに合せ、上下ワークロール対6a,7a,8aのロール間隙を調整し得るようになっている。
【0018】
粗圧延ライン1よりも材料送り方向D1下流側には、仕上圧延ライン9が配置され、粗圧延ライン1の材料送り方向D1下流端にある粗圧延機8と、仕上圧延ライン9の材料送り方向D1上流端にあるエッジャ10との間には、粗圧延ライン1の最終段の粗圧延機8で水平粗圧延された後の粗バーS2の幅寸法を測定するための幅検出器11が配設されている。なお、幅検出器11は粗圧延機群の途中の粗圧延機出側に配設しても良い。
【0019】
粗圧延ライン1における下流端の粗圧延機8で粗圧延された後の粗バーS2の幅は幅検出器11により検出され、粗バー検出幅Wbとして演算制御装置12へ与え得るようになっていると共に、上位コンピュータ又は仕上圧延ライン9下流のダウンコイラからの粗バー目標幅Wbaも演算制御装置12へ与え得るようになっている。
【0020】
演算制御装置12では、例えば粗バー目標幅Wbaと粗バー検出幅Wbの差すなわち粗バー幅誤差ΔWeを基に、粗圧延ライン1における各エッジャ3,4,5の幅圧下量を求めて各エッジャ3,4,5のロール間隙を調整するロール間隔調整装置にロール間隙調整指令信号V3,V4,V5を与え得るようになっていると共に(幅圧下スケジュール計算)、粗圧延ライン1における各粗圧延機6,7,8の厚さ圧下量を求めて各粗圧延機6,7,8における上下ワークロール対7a,8a,9aのロール間隙を調整するロール間隙調整装置にロール間隙調整指令信号V6,V7,V8を与え得るようになっている(厚さ圧下スケジュール計算)。
【0021】
又、演算制御装置12では、幅圧下スケジュール計算及び厚さ圧下スケジュール計算を基にして、スラブS1のサイジングプレス出側スラブ幅WPを求め得るようになっていると共に求めたサイジングプレス出側スラブ幅WPを演算制御装置13へ与え得るようになっている。
【0022】
演算制御装置13では、サイジングプレス2でプレス加工されるスラブS1の上位コンピュータに入力されたサイジングプレス入側スラブ幅WSと演算制御装置12からのサイジングプレス出側スラブ幅WPから、サイジングプレス2でのスラブS1の幅圧下量を求め得るようになっていると共に、幅圧下量に対応してプレス時のプレス金型2aの材料幅方向D2における幅圧下終了時の開度を調整するために、プレス金型開度調整装置へプレス金型開度調整指令信号V2を与え得るようになっている。
【0023】
又、演算制御装置13からは、必要に応じて実際のサイジングプレス出側スラブ幅WPを演算制御装置12へフィードバックし得るようになっている。
【0024】
次に、本発明の実施の形態の作動について説明する。
【0025】
なお、本実施の形態の作動におけるサイジングプレス2や各エッジャ3,4,5の幅圧下量の調整は今回のスラブS1や粗バーS2のためではなく、次回に幅圧下するためのスラブS1や粗バーS2のために行われるものである。
【0026】
粗圧延ライン1で粗バーS2を粗圧延して、粗バー目標幅Wbaの粗バーS2を得る際には、サイジングプレス2よりも材料送り方向D1上流側にある図示してない連鋳機において、スラブS1のサイジングプレス入側スラブ幅WS及びスラブ厚さは決定されている。
【0027】
このため、演算制御装置12では、粗バー目標幅Wba等のデータを基に粗圧延ライン1の幅圧下スケジュール計算及び厚さ圧下パススケジュール計算が行われ、所定の幅圧下スケジュールに従って演算制御装置12からエッジャ3,4,5のロール間隙調整装置にロール間隙調整指令信号V3,V4,V5が与えられ、各エッジャ3,4,5の左右のエッジャロール3a,3a間、4a,4a間、5a,5a間の間隙が所定の幅圧下量を得られるよう調整され、又同時に粗圧延機6,7,8のロール間隙調整装置にロール間隙調整指令信号V6,V7,V8が与えられて上下ワークロール対6a,7a,8aのロール間隙が所定の粗圧延を行い得るよう調整される。
【0028】
又、演算制御装置12の幅圧下スケジュール計算及び厚さ圧下スケジュール計算に基いて、サイジングプレス出側スラブ幅WPが求められ、求められたサイジングプレス出側スラブ幅WPは出力されて演算制御装置13に与えられる。
【0029】
演算制御装置13では、サイジングプレス入側スラブ幅WSとサイジングプレス出側スラブ幅WPからスラブS1の幅圧下量を設定するために、サイジングプレス2のプレス金型開度調整装置へプレス金型開度調整指令信号V2が与えられ、サイジングプレス2における左右のプレス金型2aの材料幅方向D2の開度が次回に幅圧下するためのスラブのために所定の状態に調整される。
【0030】
連鋳機側から送給されて来たスラブS1は、先ずサイジングプレス2により幅圧下され、サイジングプレス2で幅圧下されたスラブS1は、エッジャ3において更に幅圧下される。
【0031】
スラブS1はエッジャ3における幅圧下により粗バーS2となり、粗バーS2にはドッグボーンが生じるが、この粗圧延機6で水平圧延することにより粗バーS2のドッグボーンは消滅する。
【0032】
又、粗圧延機6を通った粗バーS2は順次、エッジャ4、粗圧延機7、エッジャ5、粗圧延機8において、幅圧下とドックボーン等を消滅させ且つ圧下スケジュールに従い所定の厚みに圧延するための水平粗圧延が交互に行われて順次粗バー幅を減少され、所定の粗バー幅となって粗圧延ライン1から仕上圧延ライン9に送られ、仕上圧延ライン9で所定の厚み及び板幅のストリップに圧延されてダウンコイラに巻取られる。
【0033】
なお、粗圧延機で水平粗圧延されたスラブS1は、水平粗圧延により幅戻りするため、粗圧延機を出た後の粗バーS2の幅は、当該粗圧延機の上流側にあるエッジャで幅圧下されたときの状態よりも若干幅が拡大する。
【0034】
ダウンコイラに巻取られるストリップが所定の幅であるためには、粗圧延ライン1の材料送り方向D1最下流端に設置されている粗圧延機8で水平粗圧延された後の粗バーS2の幅が所定の範囲に収まっている必要がある。
【0035】
このため、粗圧延ライン1の粗圧延機8で水平粗圧延された粗バーS2は、仕上圧延ライン9へ送給される前の段階において、粗圧延ライン1と仕上圧延ライン9との間に配置した幅検出器11により幅を検出され、検出された粗バー幅(粗バー検出幅)Wbは信号として演算制御装置12へ与えられ、粗圧延ライン1の粗圧延機8で水平粗圧延された後の粗バーS2の予め定めた目標幅(粗バー目標幅)Wbaと比較され、その結果により以下のごとき制御が行われる。
【0036】
I)粗バー検出幅Wbから粗バー目標幅Wbaを引いて求めた差の絶対値、すなわち粗バー幅誤差ΔWeが粗バー幅誤差設定値WO以下の場合(ΔWe=|Wb−Wba|≦WO)
この場合には、演算制御装置12で粗圧延ライン1における幅圧下スケジュール計算が行われて各エッジャ3,4,5におけるエッジャロール3a,3a間、4a,4a間、5a,5a間におけるロール間隙修正量が求められ、該ロール間隙修正量は、ロール間隙調整指令信号V3,V4,V5としてエッジャ3,4,5のロール間隙調整装置に与えられ、該ロール間隙調整装置が駆動されて左右のエッジャロール3a,3a間、4a,4a間、5a,5a間のロール間隙が次回に幅圧下されるスラブのために調整される。
【0037】
このため、粗圧延ライン1における各エッジャ3,4,5の粗バーS2に対する幅圧下量は、夫々若干ずつ修正され、材料送り方向D1最下流端の粗圧延機8から送出された粗バーS2の幅は、粗バーS2の絶対許容幅以内に収まるよう、制御が行われる。ここで絶対許容幅以内とは、粗バー幅の誤差からプレス、エッジャとも幅修正をしないで良い範囲、すなわち、製品として幅が許容範囲に含まれていることをいう。
【0038】
II)粗バー検出幅Wbから粗バー目標幅Wbaを引いて求めた絶対値、すなわち粗バー幅誤差ΔWeが粗バー幅誤差設定値WOよりも大きい場合(ΔWe=|Wb−Wba|>WO)
この場合には、I)の場合と同様にして各エッジャ3,4,5の左右のエッジャロール3a,3a間、4a,4a間、5a,5a間のロール間隙が次回に幅圧下されるスラブのために調整されると共に演算制御装置12で演算されたサイジングプレス出側スラブ幅WPは演算制御装置13へ与えられる。
【0039】
而して、演算制御装置13では、サイジングプレス入側スラブ幅WSとサイジングプレス出側スラブ幅WPからスラブS1の幅圧下量修正のため、サイジングプレス2のプレス金型開度調整装置へプレス金型開度調整指令信号V2が与えられ、サイジングプレス2の左右のプレス金型2aの材料幅方向D2における幅圧下終了時の開度が次回に幅圧下されるスラブのために調整される。
【0040】
このため、粗圧延ライン1上流側におけるサイジングプレス2のスラブS1に対する幅圧下量はある程度大きく修正されると共に各エッジャ3,4,5の粗バーS2に対する幅圧下量は夫々若干量ずつ修正され、材料送り方向D1最下流端の粗圧延機8から送出された粗バーS2の幅は、粗バー絶対許容幅以内に収まるよう、制御が行われる。
【0041】
なお、このとき前の段階で粗バーS2を幅圧下する際にエッジャ3,4,5のロール間隙を幅圧下スケジュールライン計算等の学習により修正している場合には、エッジャ3,4,5のロール間隙を一旦初期設定値に戻す。これにより、次からのエッジャのロール間隙の修正が行い易くなり、且つ粗バーS2先後のフィッシュテール、幅落ち、フレアが最小となるようなロール間隙に戻る。
【0042】
上述のスラブ幅の制御を行う際のフローを図で示すと図2に示すフローチャートのようになり、このフローチャートから具体的には、粗バー目標幅Wbaよりも粗バー検出幅Wbが小さければ、エッジャ3,4,5での幅圧下量を減少させ、大きければ幅圧下量を増加させ、粗バー目標幅Wbaに近付けることが分る。
【0043】
次に、上述のスラブ幅の制御を行う場合についての計算式について説明する。
【0044】
図1に示す幅検出器11で検出された粗バー検出幅Wbは、[数1]で示される。
【0045】
【数1】
Wb=WS−ΔWP−ΔW
【0046】
[数1]中、ΔWPはサイジングプレス2での幅圧下量、ΔWはエッジャ3,4,5によるプレス出側幅に対する全幅圧下量と粗圧延機6,7,8で水平粗圧延した結果生じるスラブS1の幅戻り量の和である。
【0047】
又、和ΔWは[数2]で表わされる。
【0048】
【数2】
−ΔWW≦ΔW≦ΔWR
【0049】
[数2]中、ΔWRはエッジャ3,4,5による最大幅圧下量、ΔWWは粗圧延機6,7,8による最大幅戻り量である。
【0050】
従って、上述の作動において説明したΔWe=|Wb−Wba|は例えば[数3]のようになる。
【0051】
【数3】
α(−ΔWW−ΔWO)≦Wb−Wba≦α(ΔWR−ΔWO)
【0052】
[数3]中、ΔWOはΔWの初期設定値、αは定数である。
【0053】
[数3]の場合には、図1のエッジャ3,4,5のロール間隙を変更することにより、Wb=Wbaとなるように学習する。ロール間隙の設定は、演算制御装置12での演算の他にテーブルによるセットアップで行うことができる。
【0054】
上述のΔWe=|Wb−Wba|は、例えば[数4]或いは[数5]のようになる。
【0055】
【数4】
α(−ΔWW−ΔWO)>Wb−Wba
【0056】
【数5】
Wb−Wba≦(ΔWR−ΔWO)
【0057】
[数4]或いは[数5]の場合には、サイジングプレス2のプレス金型2aの設定幅を調整すると共にエッジャ3,4,5のロール間隙を調整する。この場合、サイジングプレス2のプレス金型2aの設定幅のみを調整し、エッジャ3,4,5のロール間隙を調整しないようにしても良い。
【0058】
サイジングプレス2の幅圧下量ΔWPは[数6]のように表わされる。
【0059】
【数6】
ΔWP=ΔWPa+β(Wb−Wba)
【0060】
[数6]中、ΔWPaは、サイジングプレス2の目標とする幅圧下量、βは定数である。
【0061】
【実施例】
WS=1400mm、WP=1215mm、Wba=1200mm、ΔWO=15mm、ΔWR=40mm、ΔWW=10mm、ΔWP=185mm、α=0.6とした場合、
0.6(−16−15)≦ΔWe≦0.6(40−15)となり、従って、−15mm≦ΔWe≦15mmとなるから、この場合には、エッジャ3,4,5によりスラブ幅の制御を行うことになる。又、ΔWe<−15mm又はΔWe>15mmの場合で、例えばΔWe=30mm、β=1.0とすると、ΔWP=185+1.0×30=215mmとなる。
【0062】
上述のようにスラブ幅及び粗バー幅の制御を行うことにより、粗圧延ライン1における粗バーを所定の幅に精度良く制御することができ、従って、製品の歩留りの向上を図ることができる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態においては、粗圧延ラインよりも材料送り方向上流部におけるスラブの幅圧下をサイジングプレスにより行う場合について説明したが、サイジングミルにより行うこともできること、エッジャ及び粗圧延機は複数ではなく夫々1台のみ設置してリバースにより幅圧下及び水平粗圧延を行うようにすることもできること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること等は勿論である。
【0064】
【発明の効果】
本発明の粗圧延ラインにおける粗バー幅制御方法によれば、粗バーを精度良く所定の幅に制御することが可能となり、又製品歩留りも向上する、等種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための装置の概要図である。
【図2】本発明の方法を実施するための手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 粗圧延ライン
2 サイジングプレス
3,4,5 エッジャ
6,7,8 粗圧延機
Wb 粗バー検出幅
Wba 粗バー目標幅
WO 粗バー幅誤差設定値
D1 材料送り方向

Claims (1)

  1. 1台のサイジングプレス或いはサイジングミルの材料送り方向下流側に少くとも1台のエッジャ及び粗圧延機を材料送り方向上流側から下流側へ向けて設置した粗圧延ラインにおいて、材料送り方向最終段の粗圧延機出側若しくは最終段の粗圧延機以外の所定の粗圧延機出側で検出した粗バー検出幅から粗バー目標幅を差し引いて求めた差の絶対値が予め定めた粗バー幅誤差設定値以下の場合は、粗バーの幅検出位置よりも材料送り方向上流側のエッジャ各パスの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正し、材料送り方向最終段の粗圧延機出側若しくは最終段の粗圧延機以外の所定の粗圧延機出側で検出した粗バー検出幅から粗バー目標幅を差し引いて求めた差の絶対値が予め定めた粗バー幅誤差設定値を超えた場合は、サイジングプレス或いはサイジングミルの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正するか、サイジングプレス或いはサイジングミルの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正すると共に粗バーの幅検出位置よりも材料送り方向上流側のエッジャ各パスの幅圧下量を次回に幅圧下するスラブのために修正することを特徴とする粗圧延ラインにおける粗バー幅制御方法。
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