JP3622310B2 - 遅延回路及び信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の反転回路を連結してなる遅延回路、及びその遅延回路を備えた信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の反転回路(インバータ)を連結した遅延回路を備え、各反転回路の反転動作時間(即ち、各反転回路による信号の伝搬遅延時間)を時間分解能として信号処理を行う信号処理装置として、例えば、入力信号を外部からのデータに対応した時間だけ遅延させて出力する可変遅延装置(プログラマブルディレイライン)がある。
【0003】
つまり、この種の可変遅延装置は、例えば特開平5−129910号公報に開示されているように、遅延回路の初段の反転回路へ遅延すべき信号を入力すると共に、遅延回路を構成する反転回路の連結個数を外部データに応じて増減させることにより、遅延回路の最終段の反転回路から、入力信号を外部データに対応した時間だけ遅延させた遅延信号を取り出す、といったものや、遅延回路における反転回路の連結個数自体を変更することに代えて、遅延信号を取り出すための反転回路を外部データに応じて変更する、といったものが知られている。
【0004】
そして、このような可変遅延装置によれば、遅延回路を構成する1個の反転回路の反転動作時間を最小の時間分解能として、入力信号を遅延した遅延信号を得ることができる。
また更に、従来より、上記可変遅延装置と同様に複数の反転回路を連結した遅延回路を備えた信号処理装置として、外部から異なるタイミングで入力されるパルス信号の位相差を符号化するように構成されたパルス位相差符号化装置や、外部からのデジタルデータに対応した発振信号を生成して出力するように構成されたデジタル制御発振装置が知られている。
【0005】
つまり、パルス位相差符号化装置は、例えば特開平3−220814号公報や特開昭60−253994号公報に開示されているように、最初のパルス信号を遅延回路の初段の反転回路に入力し、次にパルス信号が入力された時点で、遅延回路内にて入力パルスが到達している反転回路を検出して、初段からその反転回路までの反転回路の連結個数を符号化することにより、パルス信号の位相差に対応したデジタルデータを得るように構成されている。
【0006】
また、デジタル装置制御発振装置は、例えば特開平7−106923号公報に開示されているように、遅延回路の初段の反転回路にパルス信号を入力して遅延回路におけるパルス信号の伝搬を開始させ、その後、遅延回路内のデジタルデータに対応した連結位置の反転回路からパルス信号が出力された時点で発振信号を出力すると共に、上記デジタルデータを更新する、といった動作を繰返して実行することにより、デジタルデータに対応した周期で発振信号を出力するように構成されている。
【0007】
尚、パルス位相差符号化装置やデジタル制御発振装置に用いられる遅延回路として、上記特開平3−220814号公報や特開平7−106923号公報に開示されているように、複数の反転回路をリング状に連結した構成を有し各反転回路によりパルス信号を順次反転して周回させるパルス周回回路を用いれば、遅延回路を構成する反転回路の数が少なくても、パルス位相差の符号化や発振信号の出力を夫々行うことができる。
【0008】
即ち、パルス位相差符号化装置では、最初のパルス信号が入力されてから次のパルス信号が入力されるまでの間に、遅延回路にてパルス信号が伝搬した反転回路の総数を検出し、その総数を符号化することでパルス信号の位相差に対応したデジタルデータを得ている。よって、遅延回路としてパルス周回回路を用いた場合には、最初のパルス信号が入力されてから次のパルス信号が入力されるまでの間に、パルス周回回路上をパルス信号が何周周回したか、及びパルス周回回路上の何れの反転回路にまでパルス信号が到達したかを検出することにより、パルス信号が伝搬した(即ち反転動作した)反転回路の総数が分かるため、反転回路の連結個数が少なくても、パルス位相差に対応したデジタルデータを得ることができるのである。
【0009】
また、デジタル制御発振装置では、発振信号を今回出力してから、遅延回路にてパルス信号が伝搬した反転回路の総数がデジタルデータに対応する値に達したら、次の発振信号を出力する、といった動作を繰り返すことにより、デジタルデータに対応した周期の発振信号を出力するようにしている。よって、遅延回路としてパルス周回回路を用いた場合には、発振信号を今回出力してから次に出力するまでの時間間隔(即ち発振周期)を、パルス周回回路上でのパルス信号の周回回数と、パルス周回回路上でのパルス信号の到達位置とを表すデジタルデータによって指定するように構成することにより、反転回路の連結個数が少なくても、デジタルデータに対応した周期の発振信号を出力することができるようになる。
【0010】
そして、上記のようなパルス位相差符号化装置やデジタル制御発振装置によれば、遅延回路を構成する各反転回路の遅延時間(反転動作時間)により決定される時間分解能にて、パルス位相差の検出或いは発振周波数の制御を実行できるため、パルス位相差の検出精度或いは発振周波数の制御精度を良好にすることができる。
【0011】
そして更に、上記パルス位相差符号化装置やデジタル制御発振装置は、パルス位相差の検出或いは発振周波数の制御を高精度に行うことができるので、例えば、特開平7−183800号公報や特開平7−283722号公報に開示されているように、パルス位相差符号化装置とデジタル制御発振装置とを組み合せて、外部からの基準信号を分周又は逓倍して所定周波数の発振信号を出力する周波数変換装置や、外部からの基準信号に同期した発振信号を出力するPLL(Phase Locked Loop )装置を構成することにより、高精度な周波数変換装置やPLL装置を実現することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような各種信号処理装置において、信号処理を行う際の時間分解能を向上させるためには、遅延回路を構成する各反転回路の反転動作を速く設定して、パルス信号の伝搬遅延時間を短くする必要がある。そして、その時間を小さくするためには、反転回路を形成するLSIを微細加工する、といった手法が考えられる。
【0013】
しかしながら、LSIを微細加工するためには、膨大な設備や極めて高度な製造技術が必要であり、容易には実現することができない。
従って、複数の反転回路を連結した遅延回路を用いて信号処理を行う上記従来の信号処理装置では、時間分解能を向上させるのに限界があった。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、パルス信号の伝搬遅延時間を極めて容易に短くすることができる遅延回路、及びその遅延回路を用いて信号処理の時間分解能を向上させることができる信号処理装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の遅延回路は、入力信号を反転して出力する複数の第1の反転回路を連結して構成されており、基本的には、各第1の反転回路の出力が順次反転することにより、パルス信号が伝搬される。
【0016】
ここで、本発明の遅延回路では、所定の第1の反転回路に対応させて第2の反転回路が設けられており、この第2の反転回路の入力端子と前記所定の第1の反転回路の入力端子とが互いに接続されている。そして更に、第2の反転回路の出力端子は、当該遅延回路にて前記所定の第1の反転回路から3個以上且つ奇数個先に連結された第1の反転回路の入力端子に接続されている。
【0017】
よって、当該遅延回路にて前記所定の第1の反転回路の前段に連結された第1の反転回路の出力が反転すると、前記所定の第1の反転回路の出力と共に第2の反転回路の出力が反転し、この第2の反転回路の出力が反転することに伴い、当該遅延回路にて第2の反転回路の出力が入力される第1の反転回路が早めに反転動作を開始しようとする。
【0018】
このため、本発明の遅延回路によれば、LSIの微細加工等、特別な製造技術を用いなくても、第2の反転回路を設けない従来の構成に比べてパルス信号の伝搬遅延時間を短くすることができる。
次に、請求項2に記載の遅延回路は、複数の第1の反転回路をリング状に連結したパルス周回回路として構成されており、各第1の反転回路によりパルス信号を順次反転して周回させる。
【0019】
ここで、請求項2に記載のパルス周回回路としての遅延回路でも、所定の第1の反転回路に対応させて第2の反転回路が設けられ、この第2の反転回路の入力端子と前記所定の第1の反転回路の入力端子とが互いに接続されていると共に、第2の反転回路の出力端子が、当該遅延回路にて前記所定の第1の反転回路から3個以上且つ奇数個先に連結された第1の反転回路の入力端子に接続されている。
【0020】
そして、請求項2に記載の遅延回路によっても、請求項1に記載の遅延回路と全く同様に、パルス信号の伝搬遅延時間を極めて容易に短くすることができる。
また、請求項2に記載の遅延回路は、パルス信号を周回させるパルス周回回路として構成されているため、当該遅延回路を用いて、前述したパルス位相差符号化装置やデジタル制御発振装置を構成すれば、遅延回路を構成する第1の反転回路の数が少なくても、パルス位相差の符号化や発振信号の出力を行うことができるようになる。
【0021】
次に、請求項3に記載の遅延回路では、請求項2に記載の遅延回路において、当該遅延回路を構成する第1の反転回路のうちの特定の第1の反転回路が、入力信号の反転動作を外部からの制御信号により制御可能な起動用反転回路として構成されている。
【0022】
そして、この遅延回路によれば、外部から入力する制御信号によって起動用反転回路の反転動作を停止させることにより、当該遅延回路(パルス周回回路)のパルス信号周回動作を強制的に停止させることができる。
よって、請求項3に記載の遅延回路によれば、パルス信号を周回させることが不要なときには、当該遅延回路の全動作を停止させて消費電流を小さくすることができる上に、当該遅延回路を構成する各反転回路の出力レベルを初期化することができる。
【0023】
次に、請求項4に記載の信号処理装置は、請求項1に記載の遅延回路を備えており、その遅延回路の初段の第1の反転回路に外部からの入力信号を入力すると共に、遅延回路を構成する何れかの第1の反転回路から出力される出力信号を、前記入力信号を前記初段の第1の反転回路から前記何れかの第1の反転回路までの第1の反転回路の連結個数にて決定される遅延時間だけ遅延した遅延信号として取り出すように構成されている。そして、変更手段が、外部からのデータに応じて、初段の第1の反転回路から遅延信号を取り出す第1の反転回路までの第1の反転回路の連結個数を変更する。
【0024】
つまり、請求項4に記載の信号処理装置は、入力信号を外部からのデータに対応した時間だけ遅延させて出力する可変遅延装置として構成されている。そして、この信号処理装置によれば、請求項1に記載の遅延回路を用いているため、入力信号をより小さい値の時間分解能で遅延した遅延信号を出力することができる。
【0025】
尚、遅延回路の最終段の第1の反転回路から遅延信号を取り出すように構成した場合には、変更手段は、遅延回路を構成する第1の反転回路の連結個数を外部データに応じて増減させるように構成すればよい。また、これに対して、遅延回路における第1の反転回路の連結個数が固定であれば、変更手段は、遅延信号を取り出すための第1の反転回路を外部データに応じて択一的に選択するものとして構成すればよい。
【0026】
次に、請求項5に記載の信号処理装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備えており、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、所定の信号処理を行うように構成されている。
【0027】
そして、この信号処理装置によれば、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を用いて信号処理を行うため、小さい値の時間分解能で信号を処理することができる。
ところで、請求項5に記載の信号処理装置としては、例えば、請求項6から請求項9に記載の装置がある。
【0028】
即ち、請求項6に記載の信号処理装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から異なるタイミングで入力されるパルス信号の位相差を符号化する、パルス位相差符号化装置として構成されている。そして、この信号処理装置によれば、パルス信号の伝搬遅延時間が短い請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、パルス信号の位相差を符号化することができる。
【0029】
また、請求項7に記載の信号処理装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、その生成した発振信号を出力する、デジタル制御発振装置として構成されている。そして、この信号処理装置によれば、パルス信号の伝搬遅延時間が短い請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、発振信号の周波数制御を行うことができる。
【0030】
一方、請求項8に記載の信号処理回路は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、その生成した発振信号を出力するデジタル制御発振装置と、同じく請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される基準信号の周期を符号化するパルス位相差符号化装置と、データ生成手段とを備えており、データ生成手段は、パルス位相差符号化装置にて符号化された基準信号の周期データに基づき、デジタル制御発振装置から基準信号の周波数を所定数倍した発振信号を出力させるための周波数制御データを生成し、その生成した周波数制御データをデジタル制御発振装置に出力する。そして、当該信号処理装置は、デジタル制御発振装置からの発振信号を、基準信号を周波数変換した出力信号として出力する。
【0031】
つまり、請求項8に記載の信号処理装置は、外部からの基準信号を分周又は逓倍して所定周波数の発振信号を出力する周波数変換装置として構成されている。そして、この信号処理装置によれば、パルス信号の伝搬遅延時間が短い請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、基準信号の周期の符号化及び発振信号の周波数制御を行うことができるため、高精度な周波数変換を行うことができる。
【0032】
また、請求項9に記載の信号処理装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、その生成した発振信号を出力するデジタル制御発振装置と、同じく請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、その遅延回路を構成する第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される基準信号と前記発振信号との位相差を符号化するパルス位相差符号化装置と、データ生成手段とを備えており、データ生成手段は、パルス位相差符号化装置にて符号化された基準信号と発振信号との位相差データに基づき、基準信号と発振信号とを位相同期させるための周波数制御データを生成し、その周波数制御データをデジタル制御発振装置に出力する。そして、当該信号処理装置は、デジタル制御発振装置からの発振信号を基準信号に位相同期した出力信号として出力する。
【0033】
つまり、請求項8に記載の信号処理装置は、外部からの基準信号に同期した発振信号を出力するPLL装置として構成されている。そして、この信号処理装置によれば、パルス信号の伝搬遅延時間が短い請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、基準信号と発振信号との位相差の符号化及び発振信号の周波数制御を行うことができるため、高精度なPLL装置を実現することができる。
【0034】
尚、請求項8又は請求項9に記載の信号処理装置は、デジタル制御発振装置とパルス位相差符号化装置との夫々が、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備えるように構成しても良いが、請求項10に記載のように、デジタル制御発振装置とパルス位相差符号化装置とが、1つの遅延回路を共用して備えるように構成すれば、装置構成を簡素化して小型化を図ることができる。しかも、デジタル制御発振装置とパルス位相差符号化装置における時間分解能を完全に一致させることができるため、信号処理の精度を一層向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0036】
[第1実施例]
まず、第1実施例の遅延回路2について、図1及び図2を用いて説明する。
図1(A)に示すように、第1実施例の遅延回路2は、複数のインバータL1,L2,L3,…からなる第1の反転回路群と、図において斜線で示す複数のインバータK1,K2,K3,…からなる第2の反転回路群とから構成されている。そして、第1の反転回路群を構成する各インバータL1,L2,L3,…は、前段の出力端子が次段の入力端子へと順次一列に連結されている。つまり、本実施例の遅延回路2において、第1の反転回路群(インバータL1,L2,L3,…)からなる部分は、図1(B)に示す従来の遅延回路2’を構成している。
【0037】
一方、第2の反転回路群を構成する各インバータK1,K2,K3,…は、第1の反転回路群を構成する各インバータL1,L2,L3,…に夫々対応して設けられており、初段のインバータK1の入力端子とインバータL1の入力端子とが接続され、2段目のインバータK2の入力端子とインバータL2の入力端子とが接続される、といった具合いに、n段目のインバータKnの入力端子と、それに対応するインバータLnの入力端子とが互いに接続されている。また、インバータK1の出力端子はインバータL4,K4の入力端子に接続され、インバータK2の出力端子はインバータL5,K5の入力端子に接続される、といった具合いに、第2の反転回路群を構成するn段目のインバータKnの出力端子は、当該遅延回路2にて対応するインバータLnから3個先に連結されたインバータLn+3の入力端子に接続されている。
【0038】
このように構成された本実施例の遅延回路2によれば、図1(B)に示す従来の遅延回路2’に比べて、パルス信号の伝搬遅延時間を短くすることができる。即ち、まず、従来の遅延回路2’では、初段のインバータL1の入力端子に外部から入力信号SINを入力すると、各インバータL1,L2,L3,…が入力信号を順次反転して出力することにより、パルス信号を順次反転させて伝搬し、各インバータL1,L2,L3,…からは、インバータの連結個数に応じた遅延信号(遅延パルス)P1,P2,P3,…が夫々出力される。
【0039】
これに対して、本実施例の遅延回路2では、基本的には、従来の遅延回路2’と同様の動作を行うのであるが、初段のインバータL1の入力端子に外部から入力信号SINを入力すると、インバータL1と共にインバータK1が反転動作して、このインバータK1の出力によりインバータL4を直接反転動作させようとするため、従来の遅延回路2’の場合よりも、インバータL4が早めに反転動作を開始する。また更に、インバータL1の出力が反転すると、インバータK2が反転動作して、このインバータK2の出力によりインバータL5が反転動作を開始し、以降同様に、インバータK3,K4,K5,…が反転動作するに伴って、インバータL6,L7,L8,…が反転動作を開始しようとする。
【0040】
このように、本実施例の遅延回路2によれば、第2の反転回路群(インバータK1,K2,K3,…)によって、第1の反転回路群の4段目以降のインバータL4,K5,L6,…の反転動作が前倒しに開始されるようになるため、パルス信号の伝搬遅延時間が短くなるのである。
【0041】
ここで、本実施例の遅延回路2と従来の遅延回路2’との差を明らかにするために、両遅延回路2,2’の夫々について回路動作をシミュレーションした結果を図2に示す。尚、図2(A)は本実施例の遅延回路2についての結果を表し、図2(B)は従来の遅延回路2’についての結果を表している。
【0042】
図2から明らかなように、Highレベルの入力信号SINを入力してから遅延信号P7,P8,P9,…がレベル変化するまでの時間、及び、遅延信号P4,P5,P6,…の夫々が順次レベル変化する時間間隔(即ち遅延信号Pの位相差)は、従来の遅延回路2’よりも本実施例の遅延回路2の方が短いことが分かる。これは、前述したように、第2の反転回路群により、第1の反転回路群の反転動作を前倒しに開始させるようにしているためである。
【0043】
以上のように、本実施例の遅延回路2によれば、LSIの微細加工等、特別な製造技術を用いなくても、従来の構成に比べてパルス信号の伝搬遅延時間を短くすることができる。
[第2実施例]
次に、第2実施例として、入力信号を外部からのデータに対応した時間だけ遅延させて出力する可変遅延装置6について、図3を用いて説明する。
【0044】
図3に示すように、本実施例の可変遅延装置6は、上述した第1実施例の遅延回路2と、遅延回路2の各インバータL1,L2,L3,…から夫々出力される遅延信号P1,P2,P3,…を受け、その中から、外部からのセレクトデータDSに対応した遅延信号を択一的に選択して出力信号SOUT として出力するパルスセレクタ4と、から構成されている。尚、パルスセレクタ4は、セレクトデータDSの10進値が「n」であれば、遅延回路2にてn段目に連結されたインバータLnからの遅延信号Pnを出力信号SOUT として出力する、といったものである。
【0045】
このような本実施例の可変遅延装置6では、例えば、10進値が「8」であるセレクトデータDSをパルスセレクタ4に入力して、遅延回路2の初段のインバータL1に入力信号SINを入力すれば、遅延回路2にて8段目のインバータL8の出力が反転したタイミングで、パルスセレクタ4からの出力信号SOUT がレベル変化する。このように、本実施例の可変遅延装置6によれば、遅延回路2の各インバータL1,L2,L3,…から出力される遅延信号P1,P2,P3,…の時間間隔(即ち位相差)を時間分解能として、入力信号SINを遅延させた出力信号SOUT を得ることができる。尚、セレクトデータDSの10進値が奇数である場合には、出力信号SOUT は入力信号SINのレベル変化と反対方向にレベル変化することとなる。
【0046】
そして、前述したように、第1実施例の遅延回路2では、パルス信号の伝搬遅延時間が小さく、各遅延信号Pがレベル変化する時間間隔も小さいため、この遅延回路2を用いた本実施例の可変遅延装置6によれば、入力信号SINをより小さい値の時間分解能で遅延した出力信号SOUT を得ることができる。
【0047】
尚、本実施例では、遅延回路2におけるインバータの連結個数が固定であり、変更手段としてのパルスセレクタ4によって、出力信号SOUT を取り出すためのインバータを選択するようにしたものであるが、遅延回路2の最終段のインバータから出力信号SOUT を取り出すように構成した場合には、遅延回路2を構成するインバータの連結個数を、外部からのデータに応じて増減させるように構成すればよい。
【0048】
[第3実施例]
次に、第3実施例として、パルス信号を順次反転して周回させるパルス周回回路としてのリングオシレータ8について、図4及び図5を用いて説明する。
まず、図4(A)に示すように、本実施例のリングオシレータ8は、起動用反転回路としてのナンドゲートLN1、及び14個のインバータLI2〜LI15からなる第1の反転回路群と、2個のナンドゲートKN1,KN14、1個のノアゲートKN15、及び12個のインバータKI2〜KI13からなる第2の反転回路群とから構成されている。尚、第2の反転回路群は、図4において斜線で示されている。また、ノアゲートKN15は、一方の入力端子が、入力信号をレベル反転して入力する反転入力端子となっているものである。
【0049】
ここで、第1の反転回路群を構成する反転回路であるナンドゲートLN1と14個のインバータLI2〜LI15は、前段の出力端子が次段の入力端子へと順次リング状に接続されており、ナンドゲートLN1のインバータLI15に接続されない方の入力端子には、外部からの制御信号PAが入力されている。つまり、本実施例のリングオシレータ8において、第1の反転回路群(ナンドゲートLN1及びインバータLI2〜LI15)からなる部分は、図4(B)に示す従来のリングオシレータ8’を構成している。
【0050】
一方、第2の反転回路群を構成する反転回路であるナンドゲートKN1、インバータKI2〜KI13、ナンドゲートKN14、及びノアゲートKN15は、第1の反転回路群を構成する各反転回路に夫々対応して設けられている。即ち、ナンドゲートKN1はナンドゲートLN1に対応し、各インバータKI2〜KI13はインバータLI2〜LI13に夫々対応し、ナンドゲートKN14はインバータLI14に対応し、ノアゲートKN15はインバータLI15に対応して設けられている。
【0051】
そして、初段のナンドゲートKN1の2つの入力端子は、ナンドゲートLN1の2つの入力端子に夫々接続され、2段目のインバータKI2の入力端子はインバータLI2の入力端子に接続され、3段目のインバータKI3の入力端子はインバータLI3の入力端子に接続される、といった具合いに、第2の反転回路群を構成する各反転回路(ナンドゲートKN1、インバータKI2〜KI13、ナンドゲートKN14、及びノアゲートKN15)の入力端子は、第1の反転回路群を構成する各反転回路(ナンドゲートLN1及びインバータLI2〜LI15)のうちの対応する反転回路の入力端子と接続されている。また、ナンドゲートKN14のインバータLI14に接続されない方の入力端子と、ノアゲートKN15のインバータLI15に接続されない方の入力端子(上述した反転入力端子)とには、上記制御信号PAが入力されている。
【0052】
そして更に、ナンドゲートKN1の出力端子はインバータLI4,KI4の入力端子に接続され、インバータKI2の出力端子はインバータLI5,KI5の入力端子に接続され、インバータKI3の出力端子はインバータLI6,KI6の入力端子に接続される、といった具合いに、第2の反転回路群を構成するn段目の反転回路の出力端子は、第1の反転回路群にて対応する反転回路から3個先に連結された(n+3)段目の反転回路の入力端子に接続されている。
【0053】
このように構成された本実施例のリングオシレータ8によれば、図4(B)に示す従来のリングオシレータ8’に比べて、パルス信号の伝搬遅延時間を短くすることができる。
即ち、まず、図4(B)に示した従来のリングオシレータ8’について説明すると、制御信号PAがLow レベルのときには、ナンドゲートLN1の出力が強制的にHighレベルとなり、次段のインバータLI2の出力がLow レベルとなり、更に次段のインバータLI3の出力がHighレベルとなるというように、各反転回路が順次反転し、ナンドゲートLN1には、出力信号と同じレベルの信号が入力されることとなり、リングオシレータ8’は、この状態で安定する。
【0054】
そして、制御信号PAがHighレベルに変化すると、ナンドゲートLN1が反転動作を開始し、各反転回路での反転動作時間(即ち、各反転回路でのパルス信号の伝搬遅延時間)Tdのほぼ15倍の時間(15・Td)が経過した時点で、ナンドゲートLN1に出力信号と同一レベルの信号が入力され、再びナンドゲートLN1の出力レベルが反転する、といった動作を繰り返す。従って、このリングオシレータ8’では、パルス信号が各反転回路(ナンドゲートLN1及びインバータLI2〜LI15)により順次反転されて周回し、各反転回路からは、上記時間(15・Td)毎にレベル反転するパルス信号P1〜P15が夫々出力されることになる。
【0055】
これに対して、本実施例のリングオシレータ8では、基本的には、従来のリングオシレータ8’と同様の動作を行うのであるが、初段のナンドゲートLN1の入力端子にHighレベルの制御信号PAを入力すると、ナンドゲートLN1と共にナンドゲートKN1が反転動作して、このナンドゲートKN1の出力によりインバータLI4を直接反転動作させようとするため、従来のリングオシレータ8’の場合よりも、インバータLI4が早めに反転動作を開始する。また更に、ナンドゲートLN1の出力が反転すると、インバータKI2が反転動作して、このインバータKI2の出力によりインバータLI5が反転動作を開始し、以降同様に、インバータKI3,KI4,…,KI12,KI13,ナンドゲートKN14,ノアゲートKN15,…が反転動作するに伴って、インバータLI6,LI7,…,LI15,ナンドゲートLN1,インバータLI2,LI3,…が反転動作を開始しようとする。
【0056】
このように、本実施例のリングオシレータ8によれば、第1実施例の遅延回路2の場合と全く同様に、第2の反転回路群(ナンドゲートKN1、インバータKI2〜KI13、ナンドゲートKN14、及びノアゲートKN15)により、第1の反転回路群を構成する各反転回路(ナンドゲートLN1及びインバータLI2〜LI15)の反転動作が前倒しに開始されるようになるため、パルス信号の伝搬遅延時間が短くなるのである。
【0057】
尚、本実施例のリングオシレータ8において、第2の反転回路群を構成する反転回路のうち、14段目をナンドゲートKN14とし、15段目をノアゲートKN15として、両反転回路KN14,KN15に制御信号PAを入力するようにしているのは、以下の理由による。
【0058】
即ち、第2の反転回路群の14段目と15段目の反転回路を他の反転回路と同様にインバータとすると、外部からの制御信号PAがLow レベルの場合に、14段目の反転回路の出力レベルとナンドゲートLN1の出力レベルとが互いに反対になると共に、15段目の反転回路の出力レベルとインバータLI2の出力レベルとが互いに反対になって、出力ショートによる消費電流が増加するからである。そして、本実施例では、制御信号PAがLow レベルの場合には、ナンドゲートKN14とナンドゲートLN1の出力が共にHighレベルになると共に、ノアゲートKN15とインバータLI2の出力が共にLow レベルになるため、上記のような出力ショートは発生しない。
【0059】
ここで、本実施例のリングオシレータ8と従来のリングオシレータ8’との差を明らかにするために、両リングオシレータ8,8’の夫々について回路動作をシミュレーションした結果を図5に示す。尚、図5は、第1の反転回路群を構成する各反転回路(ナンドゲートLN1及びインバータLI2〜LI15)から夫々出力されるパルス信号P1〜P15を表しており、(A)は本実施例のリングオシレータ8についての結果を表し、(B)は従来のリングオシレータ8’についての結果を表している。
【0060】
図5から明らかなように、各反転回路から出力されるパルス信号P1〜P15の位相差は、従来のリングオシレータ8’よりも本実施例のリングオシレータ8の方が短く、ほぼ半分になっていることが分かる。これは、前述したように、第2の反転回路群により、第1の反転回路群の反転動作を前倒しで開始させるようにしているためである。尚、図5において、時間t1は、本実施例のリングオシレータ8での反転回路2個分のゲート遅延時間を表しており、その値は約87psである。また、時間t2は、従来のリングオシレータ8’での反転回路2個分のゲート遅延時間を表しており、その値は約164psである。
【0061】
以上のように、本実施例のリングオシレータ8によれば、LSIの微細加工等、特別な製造技術を用いなくても、従来の構成に比べてパルス信号の伝搬遅延時間を短くすることができる。そして、第1の反転回路群を構成する各反転回路から、位相差が極めて小さいパルス信号P1〜P15を順次出力することができる。
尚、本実施例では、第2の反転回路群を構成する各反転回路の出力端子を、第1の反転回路群にて対応する反転回路の3個先に連結された反転回路の入力端子に接続するようにしたが、5個先の反転回路の入力端子に接続するように構成した場合には、反転回路1個当りのゲート遅延時間が従来の3分の1程度にまで短縮されることが、回路動作シミュレーションによって確認できている。
【0062】
また、上記実施例のリングオシレータ8において、インバータLI2に代えてノアゲートKN15と同様のノアゲートを用いると共に、インバータLI3に代えてナンドゲートKN14と同様のナンドゲートを用い、そのノアゲート及びナンドゲートの他方の入力端子に、ノアゲートKN15及びナンドゲートKN14と同様に制御信号PAを入力するようにしてもよい。そして、この構成によれば、第1の反転回路群と第2の反転回路群とが全く同じ反転回路によって構成されることとなるため、パルス周回動作のバランスが良好となる。
【0063】
[第4実施例]
ここで、上記第3実施例のリングオシレータ8は、奇数個(15個)の反転回路をリング状に連結したリングオシレータ8’に対して本発明を適用したものであったが、本発明は、偶数個の反転回路をリング状に連結したリングオシレータに対しても適用することができる。
【0064】
そこで次に、第4実施例として、図6に示す如く32個の反転回路からなるリングオシレータ10’に対して、本発明を適用したリングオシレータ10について説明する。
まず、図8に示すように、本実施例のリングオシレータ10は、2個のナンドゲートNAND1,32及び30個のインバータINV2〜INV31からなる第1の反転回路群と、2個のナンドゲートKN1,KN31、1個のノアゲートKN32、及び29個のインバータKI2〜KI30からなる第2の反転回路群とから構成されている。尚、第2の反転回路群は斜線で示されている。また、図8において、第1の反転回路群を構成するインバータINV7〜INV12,INV21〜INV26と、第2の反転回路群を構成するインバータKI7〜KI12,KI21〜KI26は省略されている。そして、ノアゲートKN32は、第3実施例のリングオシレータ8の場合と同様に、一方の入力端子が入力信号をレベル反転して入力する反転入力端子となっているものである。
【0065】
ここで、第1の反転回路群を構成する反転回路であるナンドゲートNAND1、インバータINV2〜INV31、及びナンドゲートNAND32は、前段の出力端子が次段の入力端子へと順次リング状に接続されており、ナンドゲートNAND1のナンドゲートNAND32に接続されない方の入力端子には、外部からの制御信号PAが入力され、また、ナンドゲートNAND32のインバータINV31に接続されない方の入力端子(以下、この入力端子を制御用端子という)にはインバータINV18の出力信号が入力されている。そして、ナンドゲートNAND1から数えて偶数段目に接続された反転回路の出力側には、夫々、パルス信号R1〜R16を外部へ出力するための信号端子が設けられている。
【0066】
つまり、本実施例のリングオシレータ10において、第1の反転回路群(ナンドゲートNAND1,32及びインバータINV2〜INV31)からなる部分は、図6に示す従来のリングオシレータ10’を構成している。
一方、第2の反転回路群を構成する反転回路であるナンドゲートKN1、インバータKI2〜KI30、ナンドゲートKN31、及びノアゲートKN32は、第3実施例のリングオシレータ8の場合と全く同様に、第1の反転回路群を構成する各反転回路に夫々対応して設けられており、その接続状態も、第3実施例の場合と全く同様である。
【0067】
即ち、初段のナンドゲートKN1の2つの入力端子はナンドゲートNAND1の2つの入力端子に夫々接続され、2段目のインバータKI2の入力端子はインバータLI2の入力端子に接続される、といった具合いに、第2の反転回路群を構成する各反転回路の入力端子は、第1の反転回路群を構成する各反転回路のうちの対応する反転回路の入力端子と接続されている。また、ナンドゲートKN31のインバータLI31に接続されない方の入力端子と、ノアゲートKN32のナンドゲートNAND32に接続されない方の入力端子(上述した反転入力端子)とには、上記制御信号PAが入力されている。そして、ナンドゲートKN1の出力端子はインバータINV4,KI4の入力端子に接続され、インバータKI2の出力端子はインバータINV5,KI5の入力端子に接続される、といった具合いに、第2の反転回路群を構成するn段目の反転回路の出力端子は、第1の反転回路群にて対応する反転回路から3個先に連結された(n+3)段目の反転回路の入力端子に接続されている。
【0068】
次に、上記のように構成された第4実施例のリングオシレータ10の動作について説明する。
まず、本実施例のリングオシレータ10の基本部分となっている図6のリングオシレータ10’、即ち偶数個の反転回路で構成されたリングオシレータの動作については、前述した特開平7−106923号公報に詳細に記載されているが、図7を用いて簡単に説明すると、外部からの制御信号PAがLow レベルであるときは、ナンドゲートNAND1の出力P01は強制的にHighレベルとなるため、ナンドゲートNAND1から数えて偶数段目の反転回路の出力はLow レベルとなり、奇数段目の反転回路の出力はHighレベルとなって安定する。但し、この初期状態において、ナンドゲートNAND32の制御用端子に入力されたインバータINV18の出力P18はLow レベルであるため、ナンドゲートNAND32だけは、偶数段目に接続されているにも関わらずHighレベルを出力する。
【0069】
そして、制御信号PAをLow レベルからHighレベルに変化させると、リングオシレータ10’には、ナンドゲートNAND1の反転動作の開始に伴い、奇数段目の反転回路の立ち下がり出力及び偶数段目の反転回路の立ち上がり出力として順次伝達するメインエッジ(図7において点印で示すエッジ)と、このメインエッジがインバータINV18からナンドゲートNAND32の制御用端子に入力されてナンドゲートNAND32の出力P32がインバータINV31の出力P31よりも先に反転することに伴い、奇数段目の反転回路の立ち上がり出力及び偶数段目の反転回路の立ち下がり出力として順次伝達するリセットエッジ(図7において×印で示すエッジ)とが、同一周回上に周回する。
【0070】
つまり、第1の反転回路群からなるリングオシレータ10’においては、同一周回上に発生タイミングの異なる2つのパルス信号(メインエッジとリセットエッジ)を周回させるようにしており、ナンドゲートNAND1は、自己が発生させたメインエッジが戻ってくる前にリセットエッジによって出力が反転され、ナンドゲートNAND32は、自己が発生させたリセットエッジが戻ってくる前にメインエッジによって出力が反転されるというように、リングオシレータ10’は、偶数個の反転回路から構成されているにも関わらず、安定状態になることなく、パルス信号を常に周回させることとなる。そして、リングオシレータ10’の上記各信号端子からは、各反転回路での反転動作時間(即ち、各反転回路でのパルス信号の伝搬遅延時間)Tdの32倍の時間(32・Td)を1周期とするパルス信号R1〜R16が出力され、しかも隣接する信号端子から出力されるパルス信号の位相差時間Tsは、夫々、反転動作時間Tdの2倍の時間(2・Td)となる。
【0071】
これに対して、図8に示したように構成された本実施例のリングオシレータ10では、基本的には、従来のリングオシレータ10’と同様のパルス周回動作を行うのであるが、第3実施例のリングオシレータ8の場合と全く同様に、第2の反転回路群(ナンドゲートKN1、インバータKI2〜KI30、ナンドゲートKN31、及びノアゲートKN32)を備えているため、従来のリングオシレータ10’に比べて、パルス信号の伝搬遅延時間が短くなる。
【0072】
即ち、第4実施例のリングオシレータ10においても、起動用反転回路としてのナンドゲートNAND1の入力端子にHighレベルの制御信号PAを入力すると、ナンドゲートNAND1と共にナンドゲートKN1が反転動作して、インバータLI4が早めに反転動作を開始することとなり、更に、ナンドゲートNAND1の出力が反転すると、インバータKI2が反転動作して、インバータLI5が反転動作を開始し、以降同様に、インバータKI3,…,KI28,KI29,KI30,ナンドゲートKN31,ノアゲートKN32,…が反転動作するに伴って、インバータINV6,…,INV31,ナンドゲートNAND32,NAND1,インバータLI2,LI3,…が反転動作を開始しようとする。このように、本第4実施例のリングオシレータ10によっても、第3実施例のリングオシレータ8の場合と全く同様に、第2の反転回路群により、第1の反転回路群を構成する各反転回路の反転動作が前倒しに開始されるようになるため、パルス信号の伝搬遅延時間が短くなるのである。
【0073】
従って、本第4実施例のリングオシレータ10によれば、第3実施例のリングオシレータ8の場合と同様に、図6に示した従来のリングオシレータ10’に比べて、パルス信号の伝搬遅延時間をほぼ半分にすることができ、延いては、上記16個の各信号端子から夫々出力されるパルス信号R1〜R16の位相差を、ほぼ半分に短縮することができる。
【0074】
[第5実施例]
次に、第5実施例として、上述した第4実施例のリングオシレータ10を備え、リングオシレータ10から出力されるパルス信号R1〜R16の位相差時間を単位として、外部からの基準信号PBの位相差(周期)を2進デジタル値に変換するように構成された、パルス位相差符号化回路について説明する。尚、この種のパルス位相差符号化回路の構成及び動作については、前述した特開平7−183800号公報や特開平7−283722号公報に詳細に記載されているため、ここでは、図9を用いて簡単に説明する。また、以下の説明において、反転回路とは、リングオシレータ10の第1の反転回路群を構成する反転回路を指しており、偶数段目の反転回路とは、図8に示したようにパルス信号R1〜R16を外部へ出力するための信号端子が設けられたインバータINV2,INV4,…,INV30,ナンドゲートNAND32を指している。
【0075】
図9に示すように、本実施例のパルス位相差符号化回路12は、第4実施例のリングオシレータ10と、リングオシレータ10の上記信号端子のうちの何れかから出力されるパルス信号Rn(パルス信号R1〜R16のうちの何れか)の立上りエッジをカウントすることにより、リングオシレータ10内を前述したメインエッジが何回周回したかをカウントし、そのカウント値を表す10ビットデータを出力する10ビットカウンタ(以下、単にカウンタという)14と、リングオシレータ10の各信号端子からのパルス信号R1〜R16を受け、外部からの基準信号PBがLow からHighレベルに変化した時(基準信号PBの立ち上がりタイミング)に、パルス信号R1〜R16のうちのどのパルス信号がLow からHighレベルに変化したかを検出することにより、リングオシレータ10内でメインエッジが何れの反転回路に到達しているかを検出し、その到達位置を4ビットのデータに符号化して出力するパルスセレクタ・エンコーダ回路16と、カウンタ14からの10ビットデータとパルスセレクタ・エンコーダ回路16からの4ビットデータとに基づき、基準信号PBの立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間(つまり基準信号PBの周期)を表わす14ビットのデータDOUT を生成して出力するデータ生成回路18と、を備えている。
【0076】
このような構成を有する本実施例のパルス位相差符号化回路12においては、リングオシレータ10が制御信号PAにより起動されて前述したようにパルス信号の周回動作を開始すると、カウンタ14が、リングオシレータ10内でのメインエッジの周回回数をカウントすると共に、パルスセレクタ・エンコーダ回路16が、外部からの基準信号PBが立ち上がる度に、リングオシレータ10内でのメインエッジの到達位置を検出する。
【0077】
そして、データ生成回路18が、上記基準信号PBが立ち上がる度に、カウンタ14からの10ビットデータとパルスセレクタ・エンコーダ回路16からの4ビットデータとに基づき、基準信号PBが前回立ち上がってから今回立ち上がるまでの間にリングオシレータ10にてメインエッジが伝搬した偶数段目の反転回路の総数(つまり、メインエッジが伝搬した反転回路の総数の半分の値)を表す14ビットのデータを生成し、そのデータを基準信号PBの周期を表すデータDOUT として出力する。よって、データDOUT の値にパルス信号R1〜R16の位相差時間Tsを乗じた値が、基準信号PBの周期となる。
【0078】
このようなパルス位相差符号化回路12によれば、リングオシレータ10から出力されるパルス信号R1〜R16の位相差時間Tsを分解能として、基準信号PBの周期を符号化したデータDOUT を得ることができるのであるが、本第5実施例のパルス位相差符号化回路12では、前述したようにパルス信号の伝搬遅延時間が非常に短い第4実施例のリングオシレータ10を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、基準信号PBの周期を符号化することができる。
【0079】
尚、本実施例のパルス位相差符号化回路12を、例えば、センサから出力されるパルス信号の周期を符号化するセンサ用検出回路に適用すれば、検出分解能を、従来のリングオシレータ10’を用いた場合に比べて2倍以上に向上することができる。そして、こときのLSIのチップ面積は、従来のリングオシレータ10’を用いた場合に比べて、わずか10%程度増加するだけである。よって、LSIのチップ面積を大幅に増加させることなく検出分解能を上げることができる。
【0080】
[第6実施例]
次に、第6実施例として、上述した第4実施例のリングオシレータ10を備え、リングオシレータ10から出力されるパルス信号R1〜R16の位相差時間を単位として、外部からの周波数制御データCDに対応した発振信号を生成して出力するように構成された、デジタル制御発振回路について説明する。尚、この種のデジタル制御発振回路の構成及び動作については、前述した特開平7−106923号公報や特開平7−183800号公報に詳細に記載されているため、ここでは、図10を用いて簡単に説明する。また、以下の説明において、反転回路とは、リングオシレータ10の第1の反転回路群を構成する反転回路を指している。
【0081】
図10に示すように、本実施例のデジタル制御発振回路20は、第4実施例のリングオシレータ10と、リングオシレータ10の上記信号端子のうちの何れかから出力されるパルス信号Rn(パルス信号R1〜R16のうちの何れか)の立上りエッジをカウントすることにより、リングオシレータ10内を前述したメインエッジが何回周回したかをカウントし、そのカウント値が10ビットのカウントデータCDHの値に達するとHighレベルの出力信号CNを出力する10ビットカウンタ(以下、単にカウンタという)22と、リングオシレータ10の各信号端子からのパルス信号R1〜R16を受け、その中から4ビットのセレクトデータCDLに対応した信号端子からのパルス信号を選択して、その信号をセレクト信号PSOとして出力するパルスセレクタ24と、カウンタ22からHighレベルの出力信号CNが出力された後に、パルスセレクタ24からのセレクト信号PSOが立ち上がると、出力信号POUT を出力する出力回路26と、外部から入力される14ビットの周波数制御データCDを受けて、出力回路26から、周波数制御データCDとリングオシレータ10内の2個の反転回路の反転動作時間2・Td(即ち、反転回路2個分のパルス信号の伝搬遅延時間であり、パルス信号R1〜R16の位相差時間Ts)とで決定される一定周期(CD×2・Td=CD×Ts)で出力信号POUT が繰返し出力されるように、上記カウントデータCDHとセレクトデータCDLを生成し、その生成した各データCDH,CDLを、カウンタ22とパルスセレクタ24へ夫々出力するデータ生成回路28と、を備えている。
【0082】
このような構成を有する本実施例のデジタル制御発振回路20においては、外部から周波数制御データCDを入力すると共に、リングオシレータ10に制御信号PAを入力して、リングオシレータ10でのパルス信号の周回動作を開始させると、出力回路26から上記一定周期(CD×Ts)毎に発振信号としての出力信号POUT が出力される。
【0083】
そして、このようなデジタル制御発振回路20によれば、リングオシレータ10から出力されるパルス信号R1〜R16の位相差時間Tsを分解能として、外部から入力される周波数制御データCDに対応した発振信号(出力信号POUT )を得ることができるのであるが、本第6実施例のデジタル制御発振回路20では、前述したようにパルス信号の伝搬遅延時間が非常に短い第4実施例のリングオシレータ10を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、発振信号の周波数制御を行うことができる。
【0084】
[第7実施例]
次に、第7実施例として、上述した第4実施例のリングオシレータ10を備え、外部からの基準信号PBを分周又は逓倍して所定周波数の発振信号を出力するように構成された、周波数変換装置30について説明する。尚、この種の周波数変換装置の構成及び動作については、前述した特開平7−183800号公報に詳細に記載されているため、ここでは、図11を用いて簡単に説明する。
【0085】
図11に示すように、本実施例の周波数変換装置30は、第5実施例のパルス位相差符号化回路12と、第6実施例のデジタル制御発振回路20と、パルス位相差符号化回路12からのデータDOUT に所定値を乗・除し、その演算後のデータを、デジタル制御発振回路20へ周波数制御データCDとして出力する、請求項8に記載のデータ生成手段としての演算回路32と、から構成されている。そして、本実施例の周波数変換装置30においては、パルス位相差符号化回路12とデジタル制御発振回路20とで、1つのリングオシレータ10を共用している。
【0086】
このような構成を有する本実施例の周波数変換装置30においては、前述したように、リングオシレータ10に制御信号PAを入力して、リングオシレータ10でのパルス信号の周回動作を開始させ、基準信号PBをパルス位相差符号化回路12に入力すると、パルス位相差符号化回路12から基準信号PBの周期を表すデータDOUT が出力される。そして、そのデータDOUT は、演算回路32により、所定値倍或いは所定値分の1に演算されてデジタル制御発振回路20に入力され、デジタル制御発振回路20からは、上記演算後のデータに対応した周期の出力信号POUT が出力されることとなる。
【0087】
よって、演算回路32を、パルス位相差符号化回路12からのデータDOUT を所定値倍する乗算回路として動作させれば、当該装置30を、基準信号PBの周期を所定値倍にした発振信号を出力する分周装置として使用することができ、逆に、演算回路32を、パルス位相差符号化回路12からのデータDOUT を所定値分の1する除算回路として動作させれば、当該装置30を、基準信号PBの周期を所定値分の1にした発振信号を出力する逓倍装置として使用することができる。
【0088】
そして、本実施例の周波数変換装置30によれば、前述したようにパルス信号の伝搬遅延時間が非常に短い第4実施例のリングオシレータ10を用いているため、より小さい値の時間分解能にて、基準信号PBの周期の符号化、及び出力信号POUT の周波数制御を行うことができるため、高精度な周波数変換を行うことができる。
【0089】
また、本実施例の周波数変換装置30では、パルス位相差符号化回路12とデジタル制御発振回路20とで、1つのリングオシレータ10を共用しているため、装置構成を簡素化して小型化を図ることができる。しかも、パルス位相差符号化回路12にて得られるデータDOUT の時間分解能と、デジタル制御発振回路20から出力される出力信号POUT の時間分解能とが、同一のリングオシレータ10から出力される各パルス信号R1〜R16間の位相差時間Tsとなるため、基準信号PBを周波数変換する際の精度を一層向上させることができる。
【0090】
[第8実施例]
次に、第8実施例として、上述した第4実施例のリングオシレータ10を備え、外部からの基準信号PBに位相同期した発振信号を出力するPLL装置34について説明する。尚、以下の説明において、反転回路とは、リングオシレータ10の第1の反転回路群を構成する反転回路を指しており、偶数段目の反転回路とは、図8に示したようにパルス信号R1〜R16を外部へ出力するための信号端子が設けられたインバータINV2,INV4,…,INV30,ナンドゲートNAND32を指している。
【0091】
図12(a)に示す如く、本実施例のPLL装置34は、第6実施例のデジタル制御発振回路20と、外部から入力される基準信号PBとデジタル制御発振回路20からの出力信号POUT との位相差をデジタル値DAに変換するパルス位相差符号化回路38と、パルス位相差符号化回路38からのデジタル値DAを受けて、上記基準信号PBと出力信号POUT との位相が一致するように、デジタル制御発振回路20へ周波数制御データCDを出力する、請求項9に記載のデータ生成手段としてのループフィルタ(デジタルフィルタ)40と、を備えている。尚、パルス位相差符号化回路38は、第5実施例のパルス位相差符号化回路12とほぼ同様に構成されたものであるが、出力信号POUT が立ち上がってから基準信号PBが立ち上がるまでの間にリングオシレータ10にてメインエッジが伝搬した偶数段目の反転回路の総数を表すデータを生成し、そのデータを基準信号PBと出力信号POUT との位相差を表すデータ(デジタル値)DAとして出力する。
【0092】
このようなPLL装置34においては、図12(b)に示すように、外部から入力される基準信号PBとデジタル制御発振回路20からの出力信号POUT との位相差が、パルス位相差符号化回路38によりデジタル値DAとして求められ、そのデジタル値DAが「0」となるように、ループフィルタ40にて周波数制御データCDが生成される。そして、その周波数制御データCDがデジタル制御発振回路20に入力され、この結果、基準信号PBの位相と出力信号POUT の位相とが一致する。
【0093】
そして、このPLL装置34によれば、パルス位相差符号化回路38とデジタル制御発振回路20とが、第4実施例のリングオシレータ10を備えているため、より小さい値の時間分解能にて、基準信号PBと出力信号POUT との位相差の符号化、及び出力信号POUT の周波数制御を行うことができるため、高精度なPLL装置を実現することができる。
【0094】
尚、本実施例のPLL装置34では、デジタル制御発振回路20とパルス位相差符号化回路38の夫々が、リングオシレータ10を備えたものであったが、上述した第7実施例の周波数変換装置30のように、デジタル制御発振回路20とパルス位相差符号化回路38とで、1つのリングオシレータ10を共用するように構成してもよい。そして、このように構成すれば、装置構成を簡素化して小型化を図ることができる上に、デジタル制御発振回路20とパルス位相差符号化回路38における時間分解能を完全に一致させることができるため、信号処理の精度を一層向上させることができる。
【0095】
一方、上記実施例のPLL装置34は、パルス位相差符号化回路38によって、基準信号PBと出力信号POUT との位相差だけを符号化するようにしたものであったが、例えば特開平7−283722号公報に記載されているように、パルス位相差符号化回路38により基準信号PBの周期も符号化して、ループフィルタ40が、基準信号PBの周期を表すデジタル値と上記位相差を表すデジタル値とを用いて周波数制御データCDを生成するように構成すれば、基準信号PBと出力信号POUT とをより早く位相同期させることができるようになる。
【0096】
[その他]
上述した第5実施例〜第8実施例において、パルス位相差符号化回路12,38とデジタル制御発振回路20は、第4実施例のリングオシレータ10を用いて構成したものであったが、第3実施例のリングオシレータ8を用いて構成しても良いし、また、反転回路(インバータ)の連結個数を極めて多くすることができるならば、第1実施例の遅延回路2を用いて構成してもよい。尚、後者の場合には、図9におけるカウンタ14と図10におけるカウンタ22が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の遅延回路の構成を説明する説明図である。
【図2】図1の遅延回路について回路動作をシミュレーションした結果を表す図である。
【図3】第2実施例の可変遅延装置の構成を表す構成図である。
【図4】第3実施例のリングオシレータの構成を説明する説明図である。
【図5】図4のリングオシレータについて回路動作をシミュレーションした結果を表す図である。
【図6】第4実施例のリングオシレータの前提となる従来のリングオシレータを表す回路図である。
【図7】図6のリングオシレータの動作を説明するタイムチャートである。
【図8】第4実施例のリングオシレータを表す回路図である。
【図9】第5実施例のパルス位相差符号化回路の構成を表す構成図である。
【図10】第6実施例のデジタル制御発振回路の構成を表す構成図である。
【図11】第7実施例の周波数変換装置の構成を表す構成図である。
【図12】第8実施例のPLL装置を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…遅延回路 4…パルスセレクタ 6…可変遅延装置
8,10…リングオシレータ 12,38…パルス位相差符号化回路
14,22…カウンタ 16…パルスセレクタ・エンコーダ回路
18,28…データ生成回路 20…デジタル制御発振回路
24…パルスセレクタ 26…出力回路 30…周波数変換装置
32…演算回路 34…PLL装置 40…ループフィルタ

Claims (10)

  1. 入力信号を反転して出力する複数の第1の反転回路が連結され、各第1の反転回路によりパルス信号を順次反転して伝搬する遅延回路において、
    当該遅延回路の所定の第1の反転回路に対応させて第2の反転回路を設けると共に、前記第2の反転回路の入力端子と前記所定の第1の反転回路の入力端子とを互いに接続し、更に、前記第2の反転回路の出力端子を、当該遅延回路にて前記所定の第1の反転回路から3個以上且つ奇数個先に連結された第1の反転回路の入力端子に接続するように構成したこと、を特徴とする遅延回路。
  2. 請求項1に記載の遅延回路において、
    当該遅延回路は、前記複数の第1の反転回路がリング状に連結されて、各第1の反転回路によりパルス信号を順次反転して周回させるパルス周回回路として構成されていること、を特徴とする遅延回路。
  3. 請求項2に記載の遅延回路において、
    当該遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうちの特定の第1の反転回路が、入力信号の反転動作を外部からの制御信号により制御可能な起動用反転回路として構成されていること、を特徴とする遅延回路。
  4. 請求項1に記載の遅延回路を備え、
    当該遅延回路の初段の第1の反転回路に外部からの入力信号を入力すると共に、当該遅延回路を構成する何れかの第1の反転回路から出力される出力信号を、前記入力信号を前記初段の第1の反転回路から前記何れかの第1の反転回路までの第1の反転回路の連結個数にて決定される遅延時間だけ遅延した遅延信号として取り出すように構成された信号処理装置であって、
    外部からのデータに応じて、前記初段の第1の反転回路から前記遅延信号を取り出す第1の反転回路までの第1の反転回路の連結個数を変更する変更手段を備えたこと、
    を特徴とする信号処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、
    前記遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、所定の信号処理を行うように構成された信号処理装置。
  6. 請求項5に記載の信号処理装置において、
    当該信号処理装置は、
    前記パルス信号の位相差時間を単位として、外部から異なるタイミングで入力されるパルス信号の位相差を符号化するように構成されたパルス位相差符号化装置であること、
    を特徴とする信号処理装置。
  7. 請求項5に記載の信号処理装置において、
    当該信号処理装置は、
    前記パルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、該発振信号を出力するように構成されたデジタル制御発振装置であること、
    を特徴とする信号処理装置。
  8. 請求項5に記載の信号処理回路において、
    当該信号処理装置は、
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、該遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、該発振信号を出力するデジタル制御発振装置と、
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、該遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される基準信号の周期を符号化するパルス位相差符号化装置と、
    該パルス位相差符号化装置にて符号化された前記基準信号の周期データに基づき、前記デジタル制御発振装置から前記基準信号の周波数を所定数倍した発振信号を出力させるための周波数制御データを生成し、該周波数制御データを前記デジタル制御発振装置に出力するデータ生成手段とを備え、
    前記デジタル制御発振装置からの発振信号を、前記基準信号を周波数変換した出力信号として出力するように構成された周波数変換装置であること、
    を特徴とする信号処理装置。
  9. 請求項5に記載の信号処理回路において、
    当該信号処理装置は、
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、該遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される周波数制御データに対応した発振信号を生成し、該発振信号を出力するデジタル制御発振装置と、
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の遅延回路を備え、該遅延回路を構成する前記第1の反転回路のうち予め定められた複数の第1の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を単位として、外部から入力される基準信号と前記発振信号との位相差を符号化するパルス位相差符号化装置と、
    該パルス位相差符号化装置にて符号化された前記基準信号と前記発振信号との位相差データに基づき、前記基準信号と前記発振信号とを位相同期させるための周波数制御データを生成し、該周波数制御データを前記デジタル制御発振装置に出力するデータ生成手段とを備え、
    前記デジタル制御発振装置からの発振信号を前記基準信号に位相同期した出力信号として出力するように構成されたPLL装置であること、
    を特徴とする信号処理装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の信号処理装置において、
    前記デジタル制御発振装置と前記パルス位相差符号化装置とは、前記遅延回路を共用して備えるように構成されていること、
    を特徴とする信号処理装置。
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