JP7077534B2 - パルス発生装置 - Google Patents
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Description
[1.構成]
図1に示すパルス発生装置1は、所望のデューティ比Rを有するパルス幅変調信号(以下、PWM信号)を出力POUTとして生成する。また、パルス発生装置1は、PWM信号のパルス幅を、基準クロックSCLKに基づいて高精度に制御する機能を有する。
リングオシレータ10は、2m-1個の遅延素子を有する。mは1以上の整数であり、本実施形態ではm=5、即ち16個の遅延素子を有するものとして説明する。複数の遅延素子は、直列接続され、かつ、最終段の出力を初段の入力とすることでリング状に接続されている。但し、初段の遅延素子は、2入力のナンドゲートが用いられている。初段以外の遅延素子は、いずれも、直列接続された2つのインバータゲートを有する。ナンドゲートの入力端のうち、リング状の接続に使用されない側の入力端は、外部から起動信号SPを入力するための入力端子に接続されている。以下では、リングオシレータ10に属する各遅延素子の出力をP1-16と表記する。なお、初段の遅延素子の出力がP1、最終段の遅延素子の出力がP16である。
カウンタ回路20は、リングオシレータ10に属する最終段の遅延素子の出力P16をカウントクロックとして動作するnビットのカウンタである。nは2以上の整数である。カウンタ回路20は、出力P16がロウレベルからハイレベルに変化するタイミングでカウントアップする。従って、カウンタ回路20のカウント値CNTは、周回信号が遅延素子を32段通過する毎に1増加する。また、カウント値CNTが最大値に達した状態でカウントアップされるとカウント値CNTは0に戻り、その後もカウント動作を継続する。
図2に示すように、基準生成部30は、リングオシレータ10およびカウンタ回路20と共にTDC2を構成する。TDC2は、外部から入力される基準クロックSCLKの周期を計測して基準周期データSDを生成する。基準クロックSCLKは、水晶発振器の出力等から生成される安定性の高いクロックである。基準クロックSCLKの周期は、リングオシレータ10に属する各遅延素子の遅延時間の数十~数百倍程度(例えば100ns程度)に設定される。基準周期データSDは、周回信号が遅延素子を通過した段数を表し、基準周期データSDは、基準クロックSCLKの周期を、遅延素子の遅延時間を単位時間として表現した値となる。但し、遅延素子の遅延時間は、周囲の環境や経年変化などによって変化する。つまり、TDC2は、基準クロックSCLKの周期を計測することによって、リングオシレータ10における遅延時間の揺らぎを計測する。
制御部40は、基準生成部30から基準周期データSDを取得し、外部からPWM信号のデューティ比Rを取得し、第1制御データCD1および第2制御データCD2を生成する。第1制御データCD1は、第1出力部50にて第1の出力パルス信号PO1を発生させるタイミングを表すXビットのデータである。第2制御データCD2は、第2出力部60にて第2の出力パルス信号PO2を発生させるタイミングを表すXビットのデータである。但し、Xはmより大きい整数であり、生成可能なPWM信号の最大周期以上の時間を表現できる大きさに設定される。
本処理は、予め設定された一定期間毎に繰り返し実行される。
S130では、前回の処理サイクルで算出された起点データFD[t-1]と、S120で算出されたPWM周期データTD[t]に基づき、(2)式を用いて、起点データFD[t]を算出する。
S140では、S110で取得したデューティ比R[t]およびS120で算出したPWM周期データTD[t]に基づき、(3)式を用いて、補正データΔ[t]を算出する。
S150では、S130で算出された起点データFD[t]およびS140で算出された補正データΔ[t]に基づき、(4)式を用いて、第1制御データCD1[t]を算出すると共に、(5)式を用いて、第2制御データCD2[t]を算出する。なお、算出された第1制御データCD1[t]は、第1出力部50に供給され、第2制御データCD2[t]は第2出力部60に供給される。
CD2[t]=FD[t]+Δ[t] (5)
但し、第1制御データCD1[t]は、第1の出力パルス信号PO1のタイミング、ひいてはPWM信号の1周期の境界タイミングを表し、第2制御データCD2[t]は、第2の出力パルス信号PO2のタイミング、ひいてはデューティ比R[t]に応じて信号レベルを変化させるタイミングを表す。
[1-5.DCO]
次に、第1出力部50および第2出力部60について説明する。
第1出力部50は、加算器51と、ラッチ回路52と、パルスセレクタ53と、ダウンカウンタ54と、タイミング制御部55と、パルス発生器56とを備える。
符号化部70は、図4に示すように、第1の出力パルス信号PO1のタイミングでロウレベルからハイレベルに変化し、第2の出力パルス信号PO2のタイミングでハイレベルからロウレベルに変化する可変パルス信号、即ち、デューティ比R[t]に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、パルス発生装置1の出力信号POUTとして出力する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)パルス発生装置1では、第1の出力パルス信号PO1および第2の出力パルス信号PO2は、第1出力部50および第2出力部にて個別に生成されるため、出力パルス信号POiの生成に要する時間より短い間隔で、両出力パルス信号PO1,PO2を発生させることができる。また、両出力パルス信号PO1,PO2を用いることで、所望のパルス幅を有するPWM信号を生成することができ、しかも、そのパルス幅を、遅延素子での遅延時間を最小単位として高精度に制御することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(c)上記実施形態では、第1制御データCD1および第2制御データCD2を、起点データFDに補正データΔを加減算することで求めているが、これに限定されるものではない。例えば、起点データFDを第1制御データCD1とし、起点データFDに2倍の補正データΔを加えたものを第2制御データCD2とする等してもよい。
Claims (3)
- 複数の遅延素子をリング状に接続した構造を有するリングオシレータ(10)と、
前記リングオシレータを周回するパルス信号である周回信号が通過した前記遅延素子の数を通過段数として、外部から入力される基準クロックの周期を、該周期の間に計測される前記通過段数、すなわち、前記遅延素子での遅延時間を単位時間とした時間で表現した基準周期データを生成する基準生成部(30)と、
前記リングオシレータにおける前記周回信号の位置によって表される前記通過段数を通過累積段数として、前記基準周期データに基づき、信号を発生させるタイミングを、前記通過累積段数に相当する値で表現した第1制御データおよび第2制御データを生成する制御部(40)と、
前記通過累積段数が、前記第1制御データと一致するタイミングで、前記第1制御データが表す前記周回信号の位置に対応した前記遅延素子の出力を選択することで、第1の出力パルス信号を生成する第1出力部(50)と、
前記通過累積段数が、前記第2制御データと一致するタイミングで、前記第2制御データが表す前記周回信号の位置に対応した前記遅延素子の出力を選択することで、第2の出力パルス信号を生成する第2出力部(60)と、
を備えるパルス発生装置。 - 請求項1に記載のパルス発生装置であって、
前記第1の出力パルス信号が示すタイミングで第1の信号レベルから第2の信号レベルに変化し、前記第2の出力パルス信号が示すタイミングで前記第2の信号レベルから前記第1の信号レベルに変化する信号を生成する符号化部(70)、
を更に備えるパルス発生装置。 - 請求項2に記載のパルス発生装置であって、
前記符号化部が生成する信号は、パルス幅変調信号であり、
前記制御部は、
前記基準周期データに基づいて、前記パルス幅変調信号の周期を有するように設定された起点のタイミングを前記通過累積段数に相当する値によって表現した起点データを生成するように構成された起点データ部(S120~S130)と、
前記パルス幅変調信号のデューティ比に応じた、前記第1の信号レベル又は前記第2の信号レベルのいずれか一方の継続時間の半分の長さを前記通過段数で示した補正データを生成するように構成された補正データ部(S140)と、
前記起点データから前記補正データを減算した結果を前記第1制御データとし、前記起点データに前記補正データを加算した結果を前記第2制御データとして生成するように構成された制御データ部(S150)と、
を備えるパルス発生装置。
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