JP3621564B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に係り、特にサイズの異なる複数の画像が記録された写真フィルムの幅方向に沿って主走査を行うと共に該写真フィルムの長さ方向に沿って副走査を行い、一定速度で副走査されている状態で読み取られたプレスキャン画像データに基づいてファインスキャンを行う画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムには、サイズの異なる画像が混在して記録されることがある。写真フィルムに記録される画像の種類としては、例えば画像のアスペクト比(写真フィルムの幅方向と長さ方向の比)が3対4のフルサイズ画像やフルサイズ画像より幅が狭くなるように撮影されたパノラマ画像等がある。パノラマ画像はフルサイズ画像と比較してプリントサイズが大きいため、高解像度で読み取る必要がある。このため、パノラマ画像を読み取る場合にはフルサイズ画像を読み取る場合よりも副走査速度が遅くなるように制御して高解像度で読み取るようにしている。すなわち、1本の写真フィルムに対する画像読取中に画像のサイズに応じて副走査速度を切り替えて読み取っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、写真フィルムに記録された画像間で写真フィルムの副走査速度を切り替えると、搬送ジッターが大きくなり、画像読み取りの副走査速度にむらが生じるため、読み取った画像データを用いて印画紙にプリントしたときの画質が低下する。
【0004】
これに対して、上記画質の低下を防止するために、写真フィルムに記録された画像の全てをパノラマ画像に対応する副走査速度(フルサイズ画像よりも遅い副走査速度)で画像の読み取りを行うことが考えられるが、画像読み取りに時間がかかるため、作業効率の向上を図ることができない、という問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、写真フィルムに記録されたサイズの異なる複数の画像を効率良く読み取ることができる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、サイズの異なる複数の画像が記録された写真フィルムの幅方向に沿って主走査を行うと共に該写真フィルムの長さ方向に沿って副走査を行い、一定速度で副走査されている状態で読み取られたプレスキャン画像データに基づいてファインスキャンを行う画像読取装置であって、前記プレスキャン画像データに基づいて同一サイズ画像のコマ数及びコマ位置を求め、求めたコマ数及びコマ位置に基づいて前記ファインスキャンの目標副走査時間に応じた副走査パターンを設定するパターン設定手段と、
前記パターン設定手段によって設定された副走査パターンに従ってファインスキャンを行うファインスキャン制御手段と、を有している。
【0007】
請求項1に記載の発明の画像読取装置は、サイズの異なる複数の画像が記録された写真フィルムの幅方向に沿って主走査を行うと共に、写真フィルムの長さ方向に沿って一定速度で副走査することによってプレスキャンを行い、プレスキャン画像データに基づいてファインスキャンを行う。なお、ファインスキャンの副走査速度はプレスキャンの副走査速度よりも遅い速度とされている。パターン設定手段は、プレスキャン画像データに基づいて同一サイズ画像のコマ数及びコマ位置を求め、求めたコマ数及びコマ位置に基づいてファインスキャンの目標副走査時間に応じた副走査パターンを設定する。設定する副走査パターンでは、高解像度で読み取る必要のあるコマの箇所のみ副走査速度が遅くなるようにする。なお、目標副走査時間としては、写真フィルムに記録された全画像の読み取りに要する時間が最短となる時間や副走査速度の切り替えが最小回数となる時間を用いることができる。
【0008】
パターン設定手段は、請求項2に記載の発明のように、同一サイズ画像のコマを全て読み取った後に異なるサイズの画像を読み取る副走査パターンと、サイズが異なる画像を混在させて読み取る副走査パターンのそれぞれに対する副走査時間を演算によって求め、副走査時間が最短副走査時間となる副走査パターンをファインスキャンの副走査パターンとして設定することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明のように、同一サイズ画像のコマを全て読み取った後に異なるサイズの画像を読み取る副走査パターンと、サイズが異なる画像を混在させて読み取る副走査パターンとのいずれかの副走査パターンをファインスキャンの副走査パターンとして設定するようにしてもよい。
【0010】
ファインスキャン制御手段は、パターン設定手段によって設定された副走査パターンに従って副走査し、ファインスキャンを行う。
【0011】
このように、プレスキャン画像データに基づいて目標副走査時間に応じた副走査パターンを設定して読み取るので、写真フィルムに記録された画像を目標副走査時間で読み取ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、まず本実施の形態に係る画像読取装置24を含んで構成されたディジタルラボシステム10について説明する。
【0013】
図1には本実施の形態に係るディジタルラボシステム10の概略構成が示されており、図2にはディジタルラボシステム10の外観が示されている。このディジタルラボシステム10は、ラインCCDスキャナ12、画像処理部16、レーザプリンタ部18及びプロセッサ部20を含んで構成されている。また、図2に示されるようにラインCCDスキャナ12及び画像処理部16は入力部11に設けられており、レーザプリンタ部18及びプロセッサ部20は出力部13に設けられている。
【0014】
ラインCCDスキャナ12は、ネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真フィルム22(図3及び図4参照)に記録されているフィルム画像を読み取るためのものである。ラインCCDスキャナ12には、R、G、B測光用のセンサが3列配列されて構成されたラインCCD50(図3参照)が備えられ、このラインCCD50によってフィルム画像を読み取り、R、G、B3色の画像データを出力する。
【0015】
画像処理部16は、入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとしてレーザプリンタ部18へ出力する。また、画像処理部16は、画像処理を行った画像データを画像ファイルとして外部へ出力する(例えば、メモリカード等の記憶媒体に出力したり、通信回線を介して他の情報処理機器へ送信する等)ことも可能である。
【0016】
レーザプリンタ部18はR、G、Bのレーザ光を照射するレーザ光源を備えており、画像処理部16から入力された記録用画像データに応じて変調したレーザ光を印画紙に照射して、走査露光によって印画紙に画像を記録する。また、プロセッサ部20は、レーザプリンタ部18で走査露光によって画像が記録された印画紙に対し、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理を施す。これにより、印画紙上に画像が形成される。
【0017】
ディジタルラボシステム10には、前述したラインCCDスキャナ12を含んで構成され、写真フィルム22に記録されたフィルム画像の走査読み取りを行う画像読取装置24が備えられている。図3には、画像読取装置24が示されている。本実施の形態に係る画像読取装置24は、写真フィルム22を長さ方向に往復搬送し、ラインCCDスキャナ12によって往路でフィルム画像に対してプレスキャンを行った後に、復路でファインスキャンを行う。なお、ファインスキャンの副走査速度はプレスキャンの副走査速度よりも遅い速度とされている。
【0018】
図3に示されるように、画像読取装置24の写真フィルム22のフィルム搬送路には、挿入検出センサ30、搬送ローラ対34、読取用磁気ヘッド36、画面検出センサ40、ラインCCDスキャナ12、及び搬送ローラ対60が順次配設されている。
【0019】
挿入検出センサ30は、発光素子30Aと受光素子30Bとをフィルム搬送路を挟んで対向するように配設して構成されている。挿入検出センサ30の受光素子30Bは、制御回路32に接続されている。従って、制御回路32は、受光素子30Bから出力される信号のレベルの変化に基づいて、画像読取装置24のフィルム搬送路に写真フィルム22が挿入されたか否かを判断することができる。
【0020】
搬送ローラ対34は、駆動ローラ34Aと従動ローラ34Bとを含んで構成されており、駆動ローラ34Aにはパルスモータ82が連結されている。このパルスモータ82は、ドライバ84を介して制御回路32に接続されている。従って、制御回路32がドライバ84を介してパルスモータ82を駆動させ、駆動ローラ34Aを回転させると、この駆動ローラ34Aの回転に従動して従動ローラ34Bが回転する。こうして搬送ローラ対34が回転することにより、写真フィルム22が図3に示される矢印A方向(往路方向)及びこの矢印A方向と反対方向(復路方向)に挟持搬送される。
【0021】
なお、搬送ローラ対60についても前述した搬送ローラ対34と同様に構成され、図示しないドライバを介してパルスモータを駆動させることにより駆動ローラ及び従動ローラとを含んで構成された搬送ローラ対60が回転して写真フィルム22が図3に示される矢印A方向及び矢印A方向と反対方向に挟持搬送される。
【0022】
また、画像読取装置24には、裏面に透明な磁性材料が塗布された磁気層が形成された写真フィルム(所謂APSフィルム)が挿入される場合がある。この磁気層には、コマ番号、フィルム種等の情報が磁気記録されている。読取用磁気ヘッド36は、写真フィルムに形成された磁気層に磁気記録された情報を読取可能な位置に配置され、磁気層に磁気記録された情報を読み取って制御回路32に出力するように接続されている。
【0023】
画面検出センサ40は、前述した挿入検出センサ30と同様に発光素子と受光素子の対で構成されている。この画面検出センサ40は、写真フィルム22の幅方向中央部に対応する位置に配設されている。画面検出センサ40の受光素子は制御回路32に接続され、透過光量の大きさに応じたレベルの信号を制御回路32に出力する。なお、写真フィルム22の非画像部分は、画像部分と比較して透過光量が大きい。制御回路32は画面検出センサ40の受光素子から出力される信号のレベルを監視し、レベルが低下したときに写真フィルム22に記録された画像の先端側エッジが画面検出センサ40に対応したと判断する。
【0024】
ラインCCDスキャナ12の光学系は、図4に示されるように、ハロゲンランプやメタルハライドランプ等からなり、写真フィルム22に光を照射する光源42を備えていると共に、光源42の光射出側には写真フィルム22に照射する光を拡散光とする光拡散ボックス44が配設されている。光源42は、ドライバ46を介して制御回路32に接続されている。制御回路32では、光源42から射出される光の光量が予め定められた所定値となるようにドライバ46から光源42に供給される電圧の大きさを制御する。また、光源42と光拡散ボックス44との間には、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)からなる調光フィルタ70が射出光の光軸Lに沿って設けられている。調光フィルタ70のフィルタ70C、70M、70Yは、制御回路32からの駆動信号によってそれぞれ独立に移動可能に構成されており、光源42から射出される各成分色光の光量のバランスやラインCCD50の各成分色光に対する感度等を考慮して光路中への挿入量を調整することができる。これにより、ラインCCD74におけるR、G、Bの3色の受光量を調整する。
【0025】
写真フィルム22を挟んで光源42と反対側には、光軸Lに沿って、フィルム画像を透過した光を結像させるレンズユニット48、ラインCCD50が順に配設されている。図4では、レンズユニット48として単一のレンズのみを示しているが、このレンズユニット48は、複数枚のレンズから構成されたズームレンズであってもよい。ラインCCD50は、CCDセルが写真フィルム22の搬送方向と直交するようにライン状に配列されてなるCCDセル列が3ライン設けられ、各ラインの光入射側にR、G、Bの色分解フィルタのいずれかが各々取り付けられた3ラインカラーCCDであり、受光面がレンズユニット48の結像点位置に一致するように配設されている。従って、CCDセルの配列方向にフィルム画像読み取りの主走査がなされ、写真フィルム22が搬送されることにより、フィルム画像読み取りの副走査がなされる。なお、ラインCCD50は3本のライン(CCDセル列)が写真フィルム22の搬送方向に沿って所定の間隔を隔てて順に配置されているので、同一の画素におけるR、G、Bの各成分色の検出タイミングには時間差がある。この時間差は、ラインメモリに画素データを蓄積し、時間差を考慮してラインメモリ出力を遅延させることにより補正する。
【0026】
ラインCCD50の出力端には増幅器(AMP)52の入力端が接続され、増幅器52の出力端はアナログデジタル変換器(以下、A/D変換器という)54の入力端に接続されている。ラインCCD50から出力された信号は増幅器52で増幅され、A/D変換器54によってデジタルデータに変換される。A/D変換器54の出力端は制御回路32に接続されており、A/D変換器54で変換されたデジタルデータはフィルム画像の測光値に対応するスキャン画像データとして制御回路32に入力される。制御回路32には、図示しないCPU、ROM、RAMで構成されたマイクロコンピュータ56が備えられており、スキャン画像データ(プレスキャン画像データ及びファインスキャン画像データ)はマイクロコンピュータ56のRAMに記憶される。
【0027】
マイクロコンピュータ56は、RAMにプレスキャン画像データが記憶されると、プレスキャン画像データに基づいてファインスキャンにおけるフィルム画像読み取りの副走査パターンを設定する。一方、ファインスキャンによって得られたファインスキャン画像データが記憶されると、ファインスキャン画像データに基づいて印画紙へのR、G、B3色の露光量を算出する。
【0028】
また、制御回路32にはディスプレイ58が接続されている。従って、ファインスキャン画像データが制御回路32に入力された場合には、ファインスキャン画像データを用いて処理を行い、ポジ画像をディスプレイ58に表示することができる。
【0029】
次に、本発明の実施の形態の作用をパノラマ画像がフルサイズ画像の間に連続して記録された写真フィルム22の読み取りを行う場合を例にとり、図5乃至図7に示されるフローチャートを参照して説明する。なお、図8及び図9では、1コマのパノラマ画像のみを示している。
【0030】
まず、図5及び図6を参照してプレスキャンにおけるフィルム画像の読取処理について説明する。
【0031】
画像読取装置24において、画面検出センサ40で写真フィルム22に記録されたフィルム画像の先端側エッジが検出されると、プレスキャンが開始される。このとき、写真フィルム22は一定速度で搬送され、フィルム画像は写真フィルム22の幅方向に沿った画素列毎にラインCCD50によって読み取られる。
【0032】
ステップ100では、ラインCCDスキャナ12の画像読取位置にフィルム画像が到達したか否か、より詳しくは画像読取位置にフィルム画像の先端側エッジが到達したか否かを判定する。これは、ラインCCD50から制御回路32に出力された信号に基づいて判定することができ、制御回路32に出力された信号のレベルが所定レベルよりも低下したときにフィルム画像の先端側エッジがラインCCDスキャナ12の画像読取位置に到達したと判断する。
【0033】
このステップ100でラインCCDスキャナ12の画像読取位置にフィルム画像が到達したと判定された場合には、次のステップ102においてプレスキャン画像データを制御回路32内に備えられたマイクロコンピュタ56のRAMに記憶する。次のステップ104では、写真フィルム22に記録された全てのフィルム画像に対するプレスキャンが終了したか否かを判定する。プレスキャンの終了は、挿入検出センサ30で写真フィルム22の後端を検出した後、所定時間(最終コマのプレスキャンが終了するまでの時間)が経過したか否かを判断し、経過した場合に写真フィルム22に記録された全フィルム画像に対するプレスキャンが終了したと判定する。このステップ104において写真フィルム22に記録された全てのフィルム画像に対するプレスキャンが終了していると判定された場合には、ステップ105で搬送を停止した後、ステップ106に移行し、終了していないと判定された場合にはステップ102に移行して前述した処理、すなわち写真フィルム22に記録されたフィルム画像に対するプレスキャンを繰り返し実行する。
【0034】
次のステップ106では、マイクロコンピュータ56のRAMに記憶されたプレスキャン画像データに基づいて、ファインスキャンにおけるフィルム画像読み取りの副走査パターンを設定する(詳細後述)。すなわち、プレスキャン画像データから写真フィルム22に記録されたパノラマ画像のコマ数とコマ位置とを求めて副走査パターンを設定する。
【0035】
続いて、図6を参照して図5のステップ106の処理の詳細を説明する。
まず、ステップ200では以下に示す式(1)に基づいて副走査パターンAによる副走査時間Hp1を演算する。副走査パターンAは、プレスキャンにおける写真フィルム22の搬送方向と反対方向に写真フィルム22を搬送し、写真フィルム22に記録されたフルサイズ画像とパノラマ画像を混在させて写真フィルム22の一端から順に読み取るパターンである。
【0036】
【数1】
Figure 0003621564
【0037】
Np:写真フィルム22に記録されているパノラマ画像のコマ数
Nf1:パノラマ画像を境界として写真フィルム22の後端側に記録されたフルサイズ画像のコマ数
Nf2:パノラマ画像を境界として写真フィルム22の先端側に記録されたフルサイズ画像のコマ数
L :パノラマ画像及びフルサイズ画像の写真フィルム22の長さ方向の寸法とコマ間隔との和
Vp:パノラマ画像の搬送速度(副走査速度)
Vf:フルサイズ画像の搬送速度(副走査速度)(但し、Vp<Vf)
Cp:パノラマ画像読み取り前後の加速(減速)時間
Cf:フルサイズ画像読み取り前後の加速(減速)時間
【0038】
次のステップ202では、以下に示す式(2)によって副走査パターンBによる副走査時間Hp2を演算する。副走査パターンBは、ファインスキャン時に写真フィルム22を往復搬送させ、往路でフルサイズ画像を読み取り、復路でパノラマ画像を読み取るパターンである。
【0039】
【数2】
Figure 0003621564
【0040】
ステップ204では、前述したステップ200の式(1)によって演算された副走査時間Hp1とステップ202で演算された副走査時間Hp2とを比較する。このステップ204において副走査時間Hp1が副走査時間Hp2よりも短い時間であると判定された場合には、ステップ206に移行してファインスキャンにおけるフィルム画像読み取りの副走査パターンを副走査パターンAに設定する。すなわち、フルサイズ画像とパノラマ画像を混在させて写真フィルム22の一端から順にフィルム画像の読み取りを行う。
【0041】
一方、ステップ204において副走査時間Hp2が副走査時間Hp1よりも短い時間であると判定された場合には、ステップ208に移行してファインスキャンの副走査パターンを副走査パターンBに設定する。すなわち、写真フィルム22を往復搬送させ、往路でフルサイズ画像を読み取り、復路でパノラマ画像を読み取る。
【0042】
次に、図7を参照してファインスキャンについて説明する。ファインスキャンは、写真フィルム22に記録された全フィルム画像に対するプレスキャンが終了し、副走査パターンが設定されると開始される。
【0043】
ステップ300では、プレスキャン画像データに基づいて設定された画像読み取りの副走査パターンを取り込む。次のステップ302では、取り込んだ副走査パターンに基づいて写真フィルム22を搬送し、フィルム画像を読み取る。
【0044】
ここで、副走査パターンA及び副走査パターンBについて説明する。
副走査パターンAは、図8に示されるように、まず写真フィルム22をプレスキャンで停止された位置から所定方向(図8に示される矢印B方向であり、プレスキャンにおける写真フィルム22の搬送方向と反対方向)に加速度Vf/CfでCf時間搬送する。写真フィルム22をCf時間搬送することにより、搬送速度がVfに到達する。搬送速度Vfで写真フィルム22を搬送してラインCCD50で読み取ることにより、パノラマ画像を境界として写真フィルム22の後端側に記録されたNf1コマのフルサイズ画像に対して、予め定められた主走査速度でかつ一定の副走査速度Vfでファインスキャンが行われる。なお、Nf1コマのフルサイズ画像の搬送に要する時間は、Nf1×L/Vfである。その後、減速度Vf/CfでCf時間搬送し、ラインCCD50がパノラマ画像の中心真上に位置する状態で写真フィルム22の搬送を一旦停止させる。
【0045】
次に、写真フィルム22を矢印B方向と反対方向、すなわちプレスキャンにおける写真フィルム22の搬送方向と同方向に加速度Vf/CfでCf時間搬送した後、減速度Vf/CfでCf時間搬送する。すなわち、写真フィルム22を2Cf時間搬送して停止させる。
【0046】
続いて、写真フィルム22を再度所定方向(矢印B方向)に加速度Vp/CpでCp時間搬送する。これにより、写真フィルム22の搬送速度がVpになり、パノラマ画像が予め定められた主走査速度でかつ一定の副走査速度Vpでファインスキャンが行われる。このときの搬送時間は、Np×L/Vpである。なお、図8に示される写真フィルム22はパノラマ画像が1コマのみ記録されているので、Npは「1」となる。さらに、減速度Vp/CpでCp時間搬送して写真フィルム22の搬送を停止させた後、再び写真フィルム22を矢印B方向と反対方向に上記と同様に加減速を行って2Cf時間搬送する。
【0047】
次に、写真フィルム22を再度所定方向(矢印B方向)に加速度Vf/CfでCf時間搬送する。このように写真フィルム22をCf時間搬送することにより、写真フィルム22の搬送速度がVfに到達する。続いて、写真フィルム22の最先端に記録されたフルサイズ画像の先端側エッジがラインCCDスキャナ12の画像読取位置に到達した後、コマ間の距離の半分に相当する距離だけ搬送されるまで写真フィルム22を副走査速度Vfでファインスキャンする。これにより、パノラマ画像を境界として写真フィルム22の先端側に記録されたNf2コマのフルサイズ画像に対して、予め定められた主走査速度でかつ一定の副走査速度Vfでファインスキャンが行われる。なお、Nf2コマのフルサイズ画像の搬送に要する時間は、Nf2×L/Vfである。さらに、減速度Vf/CfでCf時間搬送して写真フィルム22の搬送を停止させた後、写真フィルム22を画像読取装置24から排出してファインスキャンを終了する。
【0048】
一方、副走査パターンBは、図9に示されるように、まず写真フィルム22を所定方向(図9に示される矢印B方向)に加速度Vf/CfでCf時間搬送する。これにより、写真フィルム22の搬送速度がVfに到達する。続いて、写真フィルム22の最先端に記録されたフルサイズ画像の先端エッジがラインCCDスキャナ12の画像読取位置に到達した後、コマ間の距離の半分に相当する距離だけ搬送されるまで写真フィルム22を副走査速度Vfでファインスキャンする。このとき、写真フィルム22に記録されたフルサイズ画像のみに対して、予め定められた主走査速度でかつ一定の副走査速度Vfでファインスキャンが行われる。なお、搬送時間は(Nf1+Nf2+Np)×L/Vfである。フルサイズ画像に対するファインスキャンが終了した後、写真フィルム22を減速度Vf/CfでCf時間搬送して一旦停止させる。
【0049】
次に、写真フィルム22を所定方向(矢印B方向)と反対方向(プレスキャンの搬送方向と同方向)に加速度Vf/CfでCf時間搬送した後、搬送速度Vfで搬送する。このときの搬送時間は、(Nf2−1)×L/Vfである。続いて、減速度Vf/CfでCf時間搬送して写真フィルム22を停止させた後、再度加速度Vp/CpでCp時間搬送する。写真フィルム22をCp時間搬送することにより、搬送速度がVpに到達する。搬送速度Vpで写真フィルム22を搬送してラインCCD50で読み取ることにより、パノラマ画像が予め定められた主走査速度でかつ一定の副走査速度Vpでファインスキャンが行われる。パノラマ画像の搬送に要する時間は、Np×L/Vpである。こうしてパノラマ画像に対するファインスキャンが行われた後、減速度Vp/CpでCp時間搬送して写真フィルム22の搬送を停止させる。
【0050】
続いて、再度加速度Vf/CfでCf時間搬送し、写真フィルム22の最後端に記録されたフルサイズ画像の後端側エッジがラインCCDスキャナ12の画像読取位置に到達した後、コマ間の距離の半分に相当する距離だけ搬送されるまで写真フィルム22を搬送速度Vfで搬送する。このときの搬送時間は、(Nf1−1)×L/Vfである。さらに、減速度Vf/CfでCf時間搬送して写真フィルム22の搬送を停止させた後、写真フィルム22を画像読取装置24から排出してファインスキャンを終了する。
【0051】
次のステップ304では、写真フィルム22に記録された全てのフィルム画像に対するファインスキャンが終了したか否かを判定する。このステップ304において全フィルム画像に対するファインスキャンが終了していないと判定された場合には、ステップ302に移行して写真フィルム22の搬送及びフィルム画像のファインスキャンを続行し、全フィルム画像に対する読取処理が終了したと判定された場合には、本フローチャートにおける処理を終了する。
【0052】
以上のように、プレスキャン画像データに基づく副走査パターンを設定してフィルム画像の読み取りを行うので、写真フィルム22に記録されたフィルム画像を効率良く正確に読み取ることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、副走査パターンAによる副走査時間Hp1及び副走査パターンBによる副走査時間Hp2を予め定められた式に基づいて演算し、副走査時間(目標副走査時間)が最短になる副走査パターンをファインスキャンにおけるフィルム画像読み取りの副走査パターンとして設定する方法について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、写真フィルム22に記録された同一サイズ画像のコマ数及びコマ位置毎に最短副走査時間となる副走査パターンを予め定め、プレスキャンによって得られたプレスキャン画像データから求められるコマ数及びコマ位置に基づいて予め定められた副走査パターンの中から該当する副走査パターンをファインスキャンにおける画像フィルム画像読み取りの副走査パターンを設定するようにしてもよい。また、副走査パターンを設定するときの目標副走査時間は全フィルム画像を読み取るために要する時間が最短になる副走査時間に限るものではなく、副走査速度の切り替え回数が最小になる副走査時間として設定してもよい。
【0054】
また、写真フィルム22をこの写真フィルム22の長さ方向に搬送させることによってフィルム画像読み取りの副走査が行われる例について説明したが、ラインCCD50をフィルム画像読み取りの副走査方向に移動させることによってフィルム画像を読み取るようにしてもよい。
【0055】
なお、写真フィルム22に記録されたフィルム画像を読み取る際、副走査パターンの副走査速度が遅い箇所(パノラマ画像の読み取り)では、フルサイズ画像の蓄積時間と同じ蓄積時間であるとラインCCD50が飽和することがあるので、シャッタースピード等を変えることによってラインCCD50の電荷蓄積時間が短くなるように調整してもよい。
【0056】
さらに、本実施の形態においては、ファインスキャン終了時に写真フィルム22の搬送を停止させた後に写真フィルム22を画像読取装置24から排出する例について説明したが、写真フィルム22の搬送を停止させずに画像読取装置24から排出するようにしてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、写真フィルム22に記録されたパノラマ画像のコマ数及び位置に基づいて副走査パターンを設定したが、これに限定されるものではない。例えば、写真フィルム22に記録されたフィルム画像の濃度によって副走査パターンを設定するようにしてもよい。すなわち、フィルム画像の濃度が濃い場合には、副走査速度が遅くなるように副走査パターンを設定してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プレスキャン画像データに基づいてファインスキャンにおける画像読み取りの副走査パターンを設定して読み取るので、写真フィルムに記録されたフィルム画像を効率良く正確に読み取ることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るディジタルラボシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】ディジタルラボシステムの外観図である。
【図3】本実施の形態に係る画像読取装置を示す概略構成図である。
【図4】ラインCCDスキャナの光学系を示す概略構成図である。
【図5】プレスキャンの読取処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】ファインスキャンにおけるフィルム画像読み取りの副走査パターンを設定するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】ファインスキャンの読取処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】プレスキャンにおける副走査パターンAを示す概略図である。
【図9】プレスキャンにおける副走査パターンBを示す概略図である。
【符号の説明】
10 ディジタルラボシステム
24 画像読取装置
32 制御回路
34 搬送ローラ対
50 ラインCCD
60 搬送ローラ対

Claims (3)

  1. サイズの異なる複数の画像が記録された写真フィルムの幅方向に沿って主走査を行うと共に該写真フィルムの長さ方向に沿って副走査を行い、一定速度で副走査されている状態で読み取られたプレスキャン画像データに基づいてファインスキャンを行う画像読取装置であって、
    前記プレスキャン画像データに基づいて同一サイズ画像のコマ数及びコマ位置を求め、求めたコマ数及びコマ位置に基づいて前記ファインスキャンの目標副走査時間に応じた副走査パターンを設定するパターン設定手段と、
    前記パターン設定手段によって設定された副走査パターンに従ってファインスキャンを行うファインスキャン制御手段と、
    を有する画像読取装置。
  2. 前記パターン設定手段は、同一サイズ画像のコマを全て読み取った後に異なるサイズの画像を読み取る副走査パターンと、サイズが異なる画像を混在させて読み取る副走査パターンのそれぞれに対する副走査時間を演算によって求め、前記副走査時間が目標副走査時間である最短副走査時間となる副走査パターンをファインスキャンの副走査パターンとして設定することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記パターン設定手段は、同一サイズ画像のコマを全て読み取った後に異なるサイズの画像を読み取る副走査パターンと、サイズが異なる画像を混在させて読み取る副走査パターンとのいずれかの副走査パターンを選択してファインスキャンの副走査パターンとして設定することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
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