しかしながら、前記のような画像処理装置おいては、プレスキャン及び本スキャンの処理は機械的処理であるので、プレスキャンと本スキャンとでスキャンの速度等が異なると、電気的処理に比べれば再現性が得られ難く、位置検出センサでの位置検出がずれてしまうことがある。例えば、図6に示すように、プレスキャンによって取り込んだプレスキャン画像と本スキャンによって取り込んだ本スキャン画像とでは、被読取物の画像位置が、当該移動方向Yにおいて、ずれて入力される可能性がある。なお、図中破線で描かれた顔の位置は、プレスキャン画像での顔位置であり、図中実線で描かれた顔の位置は、本スキャン画像での顔位置である。特に、プレスキャン時に、一旦、画像読取装置に対し被読取物を第1移動方向に第1移動速度で移動させてプレスキャン画像を取り込んでから、該移動方向とは逆方向の第2移動方向に第1移動速度より遅い第2移動速度で移動させつつ本スキャンを行って本スキャン画像を取り込む場合には、プレスキャンと本スキャンとでスキャンの速度及び方向が異なるので、位置検出センサでの位置検出がさらにずれ易い。
このようにプレスキャン画像と本スキャン画像とで画像位置がずれると、例えば、プレスキャン画像を表示するモニタ等の画像表示装置には表示されている画像部分が本スキャン画像を出力するプリンタ等の画像形成装置に出力されなかったり、また濃度・色・コントラスト等の画像補正量はプレジャッジ画像データに基づいて判定されるので、本スキャン画像における補正されるべき位置が違っていたりする。このため、オペレータの入力操作により、プレスキャン画像に対する本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をスキャン位置補正量として設定する必要があり、それだけオペレータの作業負担が大きくなっている。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理方法であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる画像処理方法を提供することを課題とする。
また本発明は、画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置を備え、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理装置であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる画像処理装置を提供することを課題とする。
さらに本発明は、前記画像処理装置と、前記プレスキャン取り込み画像を表示する画像表示装置と、前記本スキャン取り込み画像を形成する画像形成装置とを具備する写真処理装置であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、従って、前記画像表示装置に表示される画像範囲と前記画像形成装置に出力される画像範囲との一致精度を向上させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる写真処理装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、次の画像処理方法並びに画像処理装置及び写真処理装置を提供する。
(1)画像処理方法
画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理方法であって、前記被読取物として少なくとも一つの所定の特定パターン画像を含む画像を有するものを用い、当該被読取物について、前記プレスキャン及び前記本スキャンによって前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像をそれぞれ取り込み、当該取り込んだ前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置を検出し、当該検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量を求め、当該求められた前記ずれ調整量をスキャン位置補正量として自動的に設定することを特徴とする画像処理方法。
(2)画像処理装置
画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置を備え、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理装置であって、少なくとも一つの所定の特定パターン画像を含む画像を有する前記被読取物について、前記プレスキャン及び前記本スキャンによって前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像をそれぞれ取り込む特定パターン画像取り込み手段と、前記特定パターン画像取り込み手段にて取り込んだ前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置を検出する特定パターン画像位置検出手段と、前記特定パターン画像位置検出手段にて検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量を算出するずれ調整量算出手段と、前記ずれ調整量算出手段にて算出された前記ずれ調整量をスキャン位置補正量として自動的に設定するずれ調整量設定手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
(3)写真処理装置
前記本発明に係る画像処理装置と、前記プレスキャン取り込み画像を表示する画像表示装置と、前記本スキャン取り込み画像を形成する画像形成装置とを具備することを特徴とする写真処理装置。
本発明に係る画像処理方法並びに画像処理装置及び写真処理装置において、前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像の取り込み、前記特定パターン画像の位置検出、前記ずれ調整量の算出、及び前記ずれ調整量の設定は、装置の初期設定時(例えば、装置が設置(納入)されるに先立って、或いは装置が設置(納入)される際)に1回だけなされてもよいし、当該被読取物が前記特定パターン画像を含む画像を有するときに、画像処理や写真処理等の際に、当該被読取物の画像情報を画像データとして読み取る毎になされてもよい。
本発明に係る画像処理方法並びに画像処理装置及び写真処理装置では、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をスキャン位置補正量として設定するにあたり、前記被読取物として少なくとも一つの所定の特定パターン画像を含む画像を有するものが用いられ、当該被読取物について、前記プレスキャン及び前記本スキャンによって前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像がそれぞれ取り込まれ、当該取り込まれた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置が検出され、当該検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量(オフセット)が求められ、さらに、当該求められた前記ずれ調整量がスキャン位置補正量として自動的に設定される。一方、こうして自動設定された本発明に係る写真処理装置では、写真処理等を行うにあたり、前記プレスキャンにて取り込まれたプレスキャン画像が前記画像表示装置(例えばモニタ等)に表示されることで、主としてオペレータによる各種画像処理操作のための画像(プレジャッジ画像)において画像判定され、例えば、濃度・色・コントラスト等の画像補正量が設定される一方、前記本スキャンにて取り込まれた本スキャン画像が、当該設定されたスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データ、例えば、濃度・色・コントラスト等の画像補正量に基づいて画像処理され、前記画像形成装置(例えばプリンタ等)にて出力画像として出力される。
このように本発明に係る画像処理方法並びに画像処理装置及び写真処理装置によると、前記被読取物として少なくとも一つの所定の特定パターン画像を含む画像を有するものを用い、当該被読取物について、前記プレスキャン画像及び前記本スキャン取り込み画像をそれぞれ取り込み、当該取り込まれた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置を検出し、さらに、当該検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量(オフセット)を求めるので、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、また、当該求められた前記ずれ調整量をスキャン位置補正量として自動的に設定するので、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる。従って、本発明に係る写真処理装置では、前記画像表示装置に表示される画像範囲と前記画像形成装置に出力される画像範囲との一致精度を向上させることができる。
前記被読取物は、代表例として、1又は2以上のコマ画像が記録された写真フィルムを挙げることができる。この場合、本発明に係る画像処理方法並びに画像処理装置及び写真処理装置において、前記被読取物として少なくとも一つの所定の特定パターン画像を含む画像を有するものを用いるにあたり、前記写真フィルムとして前記1又は2以上のコマ画像のうち少なくとも一つに前記少なくとも一つの特定パターン画像が記録されたものを用いることができる。
前記特定パターン画像としては、該特定パターン画像を検出できるものであれば、いずれのパターン画像でもよく、例えば、前記特定パターン画像の検出として、従来から一般的によく利用されている人の顔画像を検出する顔検出手段を採用するという観点から、代表的には、人の顔画像を例示できる。この場合、本発明に係る画像処理方法においては、前記特定パターン画像を人の顔画像とし、前記特定パターン画像の位置検出として、前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記人の顔画像の位置検出を行うことができ、本発明に係る画像処理装置及び写真処理装置においては、前記特定パターン画像を人の顔画像とし、前記特定パターン画像位置検出手段は、前記特定パターン画像取り込み手段にて取り込んだ前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記人の顔画像の位置検出を行う顔検出手段を含むことができる。こうすることで、特別に作成され、提供されるチャートのような被読取物を用いることなく、例えば、客の写真フィルムであって人の顔画像が記録された写真フィルムを用いることができ、前記ずれ調整量設定のための利便性が向上する。
前記ずれ調整量の設定の際には、(a)前記ずれ調整量算出にて算出された前記少なくとも一つのずれ調整量から求められる一つのずれ調整量を前記スキャン位置補正量として自動的に設定してもよいし、(b)前記ずれ調整量算出にて算出された前記少なくとも一つのずれ調整量を特定パターン画像毎に前記スキャン位置補正量として自動的に設定してもよい。
前記プレスキャン及び前記本スキャンとして、次の場合を例示できる。すなわち、前記プレスキャンでは、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査するとともに該移動方向に略直交する方向に走査することで所定多数の画素データを有する低解像度の前記第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込み、前記本スキャンでは、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査するとともに該移動方向に略直交する方向に走査することで前記低解像度第1画像データの数より多い数の画素データを有する高解像度の前記第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込む場合を例示できる。
この場合、前記(a)の具体的態様としては、前記特定パターン画像位置の検出では、前記プレスキャン画像を拡大する拡大処理及び前記本スキャン画像を縮小する縮小処理のうち少なくとも一方の処理を行うことで、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とのサイズを揃え、当該サイズが揃えられた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置を検出し、前記ずれ調整量の算出では、前記特定パターン画像位置検出にて検出された前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置の差を算出し、前記ずれ調整量の設定では、前記特定パターン画像が一つのときは、前記ずれ調整量算出にて算出された前記特定パターン画像の位置の差を前記スキャン位置補正量として自動的に設定し、前記特定パターン画像が2以上のときは、前記ずれ調整量算出にて算出された前記特定パターン画像の位置の差データの分布の重心位置となる平均値を前記スキャン位置補正量として自動的に設定する場合を例示できる。この場合、本発明に係る写真処理装置では、前記本スキャン画像を、当該設定された一つのスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データに基づいて画像処理でき、前記画像形成装置にて出力画像として出力できる。このように、一つのずれ調整量をスキャン位置補正量として設定することで、ずれ調整量補正処理を簡素化することができる。
また、前記(b)の具体的態様としては、前記特定パターン画像位置の検出では、前記プレスキャン画像を拡大する拡大処理及び前記本スキャン画像を縮小する縮小処理のうち少なくとも一方の処理を行うことで、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とのサイズを揃え、当該サイズが揃えられた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置を検出し、前記ずれ調整量の算出では、前記特定パターン画像位置検出にて検出された前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの特定パターン画像の位置の差を算出し、前記ずれ調整量の設定では、前記ずれ調整量算出にて算出された特定パターン画像毎に、当該算出された前記特定パターン画像の位置の差をそれぞれ前記スキャン位置補正量として自動的に設定する場合を例示できる。この場合、本発明に係る写真処理装置では、前記本スキャン画像を、当該設定された特定パターン画像毎のスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データに基づいて画像処理でき、前記画像形成装置にて出力画像として出力できる。このように、特定パターン画像毎のずれ調整量をスキャン位置補正量として設定することで、ずれ調整精度を向上させることができる。
前記本スキャン時における前記本スキャン画像の取り込みタイミングは、前記プレスキャン時における前記プレスキャン画像の位置を基準に、例えば、以下のように決定することができる。すなわち、前記プレスキャン時に、前記被読取物の画像位置、例えば、写真フィルムのコマ画像間における非画像部分(いわゆる、す抜け部分)と画像部分の境界では画素データの値に差が大きいことを利用して、当該写真フィルムの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界位置を検出するとともに、当該写真フィルムの先端及び/又は当該写真フィルムの相対移動方向とは直交する方向の端部において相対移動方向に沿って所定のピッチで形成されたパーフォレーションを位置検出センサにて検出し、当該画像取り込みの際に検出された当該写真フィルムの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界と、当該位置検出センサにて検出された当該写真フィルムの先端及び/又はパーフォレーションとの相対位置関係を求めておき、次いで、前記本スキャン時に、前記位置検出センサにて前記プレスキャン時にも検出した先端及び/又は前記パーフォレーションを検出し、当該検出された先端及び/又はパーフォレーションの検出位置を基準として、前記プレスキャン時に求めておいた当該写真フィルムの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界と先端及び/又はパーフォレーションとの相対位置関係から前記本スキャン時の前記本スキャン画像の取り込み開始位置及び終了位置を決定することができる。
以上説明したように本発明によると、画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理方法であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる画像処理方法を提供することができる。
また本発明によると、画像を有する被読取物における該画像の情報を画像データとして読み取る画像読取装置を備え、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んでプレスキャンし、前記画像読取装置及び当該被読取物のうち少なくとも一方を相対的に移動させつつ走査することで所定の第2画像データから構成される本スキャン画像を前記画像読取装置にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだ前記プレスキャン画像の位置を基準に、前記本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理装置であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる画像処理装置を提供することができる。
さらに本発明は、前記画像処理装置と、前記プレスキャン取り込み画像を表示する画像表示装置と、前記本スキャン取り込み画像を形成する画像形成装置とを具備する写真処理装置であって、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、従って、前記画像表示装置に表示される画像範囲と前記画像形成装置に出力される画像範囲との一致精度を向上させることができ、これにより、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる写真処理装置を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置の一例を備えた写真処理装置の一実施形態の全体概略図である。
図1に示す写真処理装置Aは前記の画像処理装置1とプリンタ2(画像形成装置の一例)とで構成されている。画像処理装置1は、画像を有する被読取物Fにおける該画像の情報を画像データとして読み取るカラースキャナ等の画像読取装置600と、後述する情報記録再生装置92を具備する主制御装置90とを備えており、画像読取装置600に対して写真フィルムFを移動させつつ走査することで所定多数の画素データを有する低解像度の第1画像データから構成されるプレスキャン画像を画像読取装置600にて取り込んでプレスキャンし、画像読取装置600に対して写真フィルムFを移動させつつ走査することで前記低解像度第1画像データの数より多い数の画素データを有する高解像度の第2画像データから構成される本スキャン画像を画像読取装置600にて取り込んで本スキャンし、前記プレスキャンによって取り込んだプレスキャン画像の位置を基準に、本スキャン画像の取り込みタイミングが決定される画像処理装置である。
画像読取装置600は、本例では、銀塩カメラで撮影したカラーネガフィルムFなどの画像が記録された写真フィルムF(被読取物の一例)を走査読み取りするとともに当該読み取った画像情報をデジタル変換してデジタル画像を取得するものである。主制御装置90は、画像処理装置1の制御を含む写真処理装置A全体を制御するものであり、制御部91(後述する図3及び図5参照)を備えている。
画像処理装置1は、前記の画像読取装置600にて読み取った画像データを表示するCRTモニタ20(画像表示装置の一例)をさらに備えている。また、プリンタ2は、感光材料に露光処理を施す露光装置63(図1では図示せず、後述する図3及び図5参照)と、露光装置63で露光処理された感光材料に現像処理を施す現像処理装置61(同じく図5参照)と、現像処理装置61で現像処理が施された感光材料を乾燥する乾燥処理部4と、乾燥処理部4で乾燥された感光材料をオーダー、及びサイズ毎に仕分けて回収する回収部5とで構成されている。
図2に図1に示す画像読取装置600の要部概略斜視図を示し、図3に図1に示す写真処理装置Aのシステム制御系の概略ブロック図を示す。
画像読取装置600は、既述したように、フィルムFを走査読み取りして画像データを取得するものであり、図2に示すように、光源部610、撮像部620及び結像部630並びにフィルムFを所定のフィルム移動方向(図2中フィルム搬送方向Y)に搬送するフィルム搬送部640を備えている。
この画像読取装置600では、フィルム搬送部640にて写真フィルムFをフィルム搬送方向Yに搬送するとともに、搬送部640にて搬送されたフィルムFに光源部610から光Tを照射し、光源部610からフィルムFを介して到来する透過光を結像部630で撮像部620に結像させて画像を読み取る。フィルムFの走査は、フィルムFが搬送方向Y(副走査方向)及び該方向Yとは直交する主走査方向(図2中X方向)に走査されることでなされる。この走査により到来する画像光が結像部630により撮像部620に結像し、画像が読み取られる。こうして読み取られた画像データは制御部91(図3も参照)に送られる。なお、図2及び図3では詳しく図示していないが、画像読取装置600は、フィルムFにおけるカラー画像の各画素を青(B)、緑(G)及び赤(R)の3原色に分解測光するという色分解を行うことで、青、緑及び赤の各色に対応する画像データを読み出すことができるように構成されている。
光源部610は、所定の光Tを発光する発光ダイオード(以下、LEDという)素子611を備えている。LED素子611は、本例では、複数のLEDを主走査方向にライン状に並べたLEDライン光源であり、LED駆動部612を介して制御部91に接続されている(図2では図示を省略、図3参照)。このLED素子611は、制御部91の指示の下、主走査方向Xに配置された各LEDが点灯される。
撮像部620は、撮像素子621を備えている。この撮像素子621は、本例ではCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)であり、LED素子611からの画像光Lを受光して画像情報を読み取ることができる。CCD621は、CCD駆動部622、ゲイン調整部623及びA/D変換装置624を介して制御部91に接続されている(図2では図示を省略、図3参照)。
結像部630は、フィルムFと撮像部620との間の光路上に配置され、フィルムFからの透過光をCCD621に結像させる結像レンズ631を含んでいる。
フィルム搬送部640は、複数の搬送ローラ対641及び各ローラ対641を駆動するローラ駆動装置642を備えており、各ローラ対641におけるローラ間にフィルムFを挟持させつつ駆動装置642にて各ローラ対641を、図中矢印方向Y1に回転させることでフィルムFを第1移動方向(フィルム搬送方向Y)に搬送するとともに、図中矢印方向Y1’に回転させることでフィルムFを第2移動方向(Y方向とは反対方向Y’)に搬送することができる。駆動装置642は制御部91に接続されている(図2では図示を省略、図3参照)。
写真フィルムFは、図2に示すように、フィルム搬送方向Yとは直交する方向Xの両端部において搬送方向Yに沿って所定のピッチで形成されたパーフォレーションPFを有している。この写真フィルムFは、ここでは、特別に作成され、提供されるチャートのようなものではなく、客の写真フィルムであって1又は2以上のコマ画像のうち少なくとも一つに少なくとも一つの人の顔画像を含む画像が記録された写真フィルムである。
画像読取装置600はさらに、写真フィルムFのパーフォレーションPFを検出するパーフォレーション検出部650を備えている。パーフォレーション検出部650は、制御部91に接続されている(図2では図示を省略、図3参照)。この検出部650は、ここでは、光を出射する発光素子651と、発光素子651からの光を受光する受光素子652とからなるフォトセンサであり、発光素子651と受光素子652との間に写真フィルムFが配置されるように、且つ、パーフォレーションPFを検出できるように設けられている。これにより、パーフォレーションPFの検出信号を制御部91に送信することができる。
図3に示すように、制御部91は、前記の画像読取装置600、モニタ20、露光装置63及び情報記録再生装置92に接続されており、処理手段94及び当該処理手段94を実行するための処理プログラム等が記憶される記憶手段93を備えている。露光装置63は、処理手段94から送られてくる画像情報に基づいて写真感光材料に露光することができる(図5も参照)。前記の情報記録再生装置92は、保存用メディア等の記録媒体Mに情報を記録することができるものである。
画像読取装置600では、既述のとおり、LED素子611がLED駆動部612を介して、CCD621がCCD駆動部622、ゲイン調整部623及びA/D変換装置624を介して制御部91に接続されているとともにローラ駆動装置942が接続されている。
LED駆動部612及びCCD駆動部622は、それぞれ制御部91の指示の下、LED素子611及びCCD621を駆動することができる。A/D変換装置624は、ゲイン調整部623から送られてきたアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。また、ローラ駆動装置942は、制御部91の指示の下、各ローラ対641の回転を制御することができ、ひいては写真フィルムFの移動速度を制御することができる。
記憶手段93は、RAM等で構成されていて、プログラムメモリ領域(図示省略)を有し、このプログラムメモリ領域において、前記の処理プログラムを読込むことができる。
制御部91では、記憶手段93の前記プログラムメモリ領域に記憶された前記処理プログラムが実行される。この処理プログラムは、制御部91を、プレスキャン手段P1と、本スキャン手段P2と、特定パターン画像取り込み手段P3と、特定パターン画像位置検出手段P4と、ずれ調整量算出手段P5と、ずれ調整量設定手段P6とを含む処理手段94として機能させるものである。
プレスキャン手段P1では、ローラ駆動装置642による各ローラ対641のY1方向の回転にて画像読取装置600に対して写真フィルムFを所定の位置から所定の第1移動速度でフィルム搬送方向Yに移動させつつ走査するとともに該方向Yに略直交する方向Xに走査することで前記低解像度第1画像データから構成される前記プレスキャン画像を画像読取装置600にて取り込んでプレスキャンする。
本スキャン手段P2では、プレスキャン手段P1にてプレスキャンした後、ローラ駆動装置642による各ローラ対641のY1’方向の回転にて、画像読取装置600に対して写真フィルムFをフィルム搬送方向Yとは逆方向Y’に移動させて、写真フィルムFを元の所定位置に戻し、当該元の所定位置から、駆動装置642による各ローラ対641のY1方向の回転にて画像読取装置600に対して写真フィルムFを前記第1移動速度より遅い所定の第2移動速度でフィルム搬送方向Yに移動させつつ走査するとともにフィルム搬送方向Yに略直交する方向Xに走査することで前記高解像度第2画像データから構成される前記本スキャン画像を画像読取装置600にて取り込んで本スキャンする。なお、かかる走査に限定されるものではなく、例えば、プレスキャン手段P1にてプレスキャンした後、駆動装置642による各ローラ対641のY1’方向の回転にて、フィルム搬送方向Yとは逆方向Y’に前記第2移動速度で移動させつつ走査するとともにフィルム搬送方向Yに略直交する方向Xに走査することで前記本スキャン画像を画像読取装置600にて取り込んで本スキャンを行ってもよい。
特定パターン画像取り込み手段P3では、前記少なくとも一つの顔画像を含む画像が記録された写真フィルムFについて、プレスキャン手段P1及び本スキャン手段P2によって前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像をそれぞれ取り込む。
特定パターン画像位置検出手段P4では、特定パターン画像取り込み手段P3にて取り込んだ前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの顔画像の位置検出を行う。さらに説明すると、手段P4では、前記プレスキャン画像を拡大する拡大処理及び前記本スキャン画像を縮小する縮小処理のうち少なくとも一方の処理を行うことで、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とのサイズを揃え、当該サイズが揃えられた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの顔画像の位置を検出する。なお、この手段P4は、従来から一般的によく利用されている公知の顔検出手段を含んでいる。かかる顔検出手段については、ここでは詳しい説明を省略する。
ずれ調整量算出手段P5では、特定パターン画像位置検出手段P4にて検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量を算出する。さらに説明すると、手段P5では、手段P4にて検出された前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの顔画像の位置の差を算出する。
ずれ調整量設定手段P6では、ずれ調整量算出手段P5にて算出された前記少なくとも一つのずれ調整量から求められる一つのずれ調整量をスキャン位置補正量として自動的に設定する。さらに説明すると、手段P6では、前記顔画像が一つのときは、手段P5にて算出された前記顔画像の位置の差を前記スキャン位置補正量として自動的に設定し、前記顔画像が2以上のときは、手段P5にて算出された前記顔画像の位置の差データの分布の重心位置となる平均値を前記スキャン位置補正量として自動的に設定する。
なお、前記の手段P3からP6では、カラー画像の場合、例えば、3原色の画像データのうち、各色の画像データについて処理することができる。また、3原色の画像データのうち少なくとも一つの画像データについて処理してもよい。
この写真処理装置Aでは、既述したように、前記プレスキャンによって取り込んだプレスキャン画像の位置を基準に、本スキャン画像の取り込みタイミングが決定されるのであるが、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)の設定は、写真処理装置Aの初期設定時(例えば、装置Aが設置(納入)されるに先立って、或いは装置Aが設置(納入)される際)に1回だけなされてもよい。また、写真フィルムFが人の顔画像を含む画像を有するときに、写真処理の際に、当該写真フィルムの画像情報を画像データとして読み取る毎になされてもよい。この動作について図4を参照しながらさらに説明する。図4は前記処理手段94による処理フローの一例の一部を示すフローチャートである。
先ず、図4に示すように、特定パターン画像取り込み手段P3にて、前記少なくとも一つの顔画像を含む画像が記録された写真フィルムFについて、プレスキャン手段P1によって前記プレスキャン画像がそれぞれ取り込まれて前記プレスキャン画像(プレジャッジ画像)が入力され(ステップS1)、写真フィルムFのコマ画像間における非画像部分(す抜け部分)と画像部分の境界では画素データの値に差が大きいことを利用して、当該フィルムFの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界位置が検出されてコマ画像が切り出される(ステップS2)。
次いで、特定パターン画像位置検出手段P4にて、前記プレスキャン画像(プレジャッジ画像)で顔画像が従来公知の前記顔検出手段にて検出されるとともに顔画像の位置が検出され(ステップS3)、当該検出された第1の顔検出位置が記憶手段93に保存される(ステップS4)。このステップS3及びS4の動作はフィルムFの全コマについて行われ、全コマが終了すると、次のステップS6に移行する(ステップS5)。
特定パターン画像取り込み手段P3にて、前記少なくとも一つの顔画像を含む画像が記録された写真フィルムFについて、本スキャン手段P2によって顔検出コマの前記本スキャン画像がそれぞれ取り込まれて前記本スキャン画像が入力され(ステップS6)、特定パターン画像位置検出手段P4にて、前記本スキャン画像を縮小する縮小処理を行うことで、当該縮小された前記本スキャン画像と前記プレスキャン画像とのサイズが揃えられ(ステップS7)、当該縮小された本スキャン画像において顔画像が従来公知の前記顔検出手段にて検出されるとともに顔画像の位置が検出され(ステップS8)、さらに当該検出された第2の顔検出位置が記憶手段93に保存される(ステップS9)。このステップS6からS8の動作はフィルムFの全ての顔検出コマについて行われ、全ての顔検出コマが終了すると、次のステップS11に移行する(ステップS10)。
そして、記憶手段93から手段4で保存しておいた前記第1及び第2顔検出位置が読み出され、ずれ調整量算出手段P5にて、当該読み出された前記第1及び第2顔検出位置の位置情報に基づいて、手段P4にて検出された前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する顔画像の位置の差が算出され、ずれ調整量設定手段P6にて、前記顔画像が一つのときは、手段P5にて算出された前記顔画像の位置の差が前記スキャン位置補正量として自動的に設定され、前記顔画像が2以上のときは、手段P5にて算出された前記顔画像の位置の差データの分布の重心位置となる平均値が前記スキャン位置補正量として自動的に設定される(ステップS11)。
次に、図1に示す写真処理装置Aの処理工程について図5を参照しながら説明する。図5に図1に示す写真処理装置Aの処理工程を説明するための図を示す。簡単に工程の流れを追いつつ主要構成を以下に説明する。プリンタ2は、前記した露光装置63、現像処理装置61、乾燥処理部4及び回収部5の他、搬送装置43等を具備している。
画像処理装置1において、画像読取装置600がフィルムFの画像情報を走査読み取りする。このとき、前記プレスキャン時に、写真フィルムFのコマ画像間における非画像部分(す抜け部分)と画像部分の境界では画素データの値に差が大きいことを利用して、当該フィルムFの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界位置をCCD621で検出するとともに、当該フィルムFの先端及び/又は当該フィルムFのパーフォレーションPFを位置検出センサ650にて検出し、当該画像取り込みの際にCCD621で検出された当該フィルムFの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界と、当該位置検出センサ650にて検出された当該フィルムFの先端及び/又はパーフォレーションPFとの相対位置関係を求めておき、次いで、前記本スキャン時に、位置検出センサ650にて前記プレスキャン時にも検出した先端及び/又はパーフォレーションPFを検出し、当該検出された先端及び/又はパーフォレーションPFの検出位置を基準として、前記プレスキャン時に求めておいた当該フィルムFの前記プレスキャン画像でのコマ画像間の境界と先端及び/又はパーフォレーションPFとの相対位置関係から前記本スキャン時の前記本スキャン画像の取り込み開始位置及び終了位置を決定する。制御部91では、処理手段94にて画像処理されたデジタル画像が露光データとして露光装置63に入力される。プリンタ2において、感光材料40がマガジン42から引き出され、搬送装置43におけるローラ等によって搬送される。感光材料は、例えば、定寸に切断され、露光装置部41において、露光装置63によって、感光材料40が露光される。
現像処理装置61では、感光材料40に対して、現像、定着、水洗等の種々の化学的処理(薬液S等)が行われ、さらに乾燥処理部4では、乾燥処理が行われ、かかる一連の工程が自動的になされる。そして搬送装置43は、これらの工程において感光材料40を搬送する。回収部5では、図1に示すように、大判の感光材料40はトレー52に回収され、小判の感光材料40は仕分部54にてオーダー毎に仕分けられ、回収される。仕分部54は、小判感光材料の排出方向に対して直交方向に移動するコンベア55と、該コンベア55によって運ばれてくる小判感光材料をオーダー毎に仕分ける仕分装置56とで構成されている。仕分装置56は、上下方向に移動可能に配設された複数の受け皿57を備えており、該受け皿57が上下方向に移動することで、コンベア55によって搬送されてくる小判感光材料を各受け皿57へオーダー毎に振り分けるように構成されている。以上のような写真処理装置A全体としての処理は主制御装置90によって制御される。
以上説明した画像処理装置1を備えた写真処理装置Aでは、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をスキャン位置補正量として設定するにあたり、写真フィルムFとして少なくとも一つの人の顔画像を含む画像を有するものが用いられ、当該フィルムFについて、前記プレスキャン及び前記本スキャンによって前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像がそれぞれ取り込まれ、当該取り込まれた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの顔画像の位置が検出され、当該検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量(オフセット)が求められ、さらに、当該求められた前記ずれ調整量がスキャン位置補正量として自動的に設定される。一方、こうして自動設定された写真処理装置Aでは、写真処理を行うにあたり、プレスキャン手段P1にて取り込まれたプレスキャン画像がモニタ20に表示されることで、主としてオペレータによる各種画像処理操作のための画像(プレジャッジ画像)において画像判定され、例えば、濃度・色・コントラスト等の画像補正量が設定される一方、本スキャン手段P2にて取り込まれた本スキャン画像が、当該設定されたスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データ、例えば、濃度・色・コントラスト等の画像補正量に基づいて画像処理され、プリンタ2にてプリント画像としてプリントされる。なお、当該画像処理された画像データは、情報記録再生装置92にて記録媒体Mに保存されてもよい。
このように画像処理装置1を備えた写真処理装置Aによると、写真フィルムFとして少なくとも一つの人の顔画像を含む画像を有するものを用い、当該フィルムFについて、前記プレスキャン画像及び前記本スキャン取り込み画像をそれぞれ取り込み、当該取り込まれた前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する前記少なくとも一つの顔画像の位置を検出し、さらに、当該検出された位置情報に基づいて、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像との画像位置のずれ調整量(オフセット)を求めるので、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができ、また、当該求められた前記ずれ調整量をスキャン位置補正量として自動的に設定するので、前記プレスキャン画像に対する前記本スキャン画像の画像位置調整のための調整量(オフセット)をオペレータが入力操作することなくスキャン位置補正量として設定することができ、それだけオペレータによる作業負担を軽減できる。従って、写真処理装置Aでは、モニタ20に表示される画像範囲とプリンタ2にプリントされる画像範囲との一致精度を向上させることができる。なお、本例では、プレスキャン後、画像読取装置600に対して写真フィルムFをフィルム搬送方向Yとは逆方向Y’に移動させて、写真フィルムFを元の所定位置に戻し、当該元の所定位置からフィルム搬送方向Yに移動させつつ本スキャンを行うが、例えば、プレスキャン後、画像読取装置600に対して写真フィルムFをフィルム搬送方向Yとは逆方向Y’に移動させつつ本スキャンを行う場合には、位置検出センサ650によるプレスキャンと本スキャンとでスキャンの速度及び方向が異なった状態で位置検出がなされるものの、この場合においても、前記プレスキャン画像と前記本スキャン画像とで画像位置を精度よく一致させることができるので、好ましい。
また、前記特定パターン画像を人の顔画像とし、特定パターン画像位置検出手段P4における前記顔検出手段にて、手段P3にて取り込んだ前記プレスキャン画像及び前記本スキャン画像においてそれぞれ対応する人の顔画像の位置検出を行うので、特別に作成され、提供されるチャートのようなものを用いることなく、本例のように、客の写真フィルムであって人の顔画像が記録された写真フィルムFを用いることができ、前記ずれ調整量設定のための利便性が向上する。
さらに、ずれ調整量設定手段P6では、手段P5にて算出された顔画像の位置の差データの分布の重心位置となる平均値を前記スキャン位置補正量として自動的に設定するので、写真処理装置Aにおいて、前記本スキャン画像を、当該設定された一つのスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データに基づいて画像処理でき、プリンタ42にてプリント画像としてプリント出力できる。こうすることで、ずれ調整量補正処理を簡素化することができる。なお、ずれ調整量設定手段P6において、手段P5にて算出された顔画像毎に、当該算出された顔画像の位置の差をそれぞれ前記スキャン位置補正量として自動的に設定してもよい。この場合、写真処理装置Aでは、前記本スキャン画像を、当該設定された顔画像毎のスキャン位置補正量にて位置調整された状態で、当該プレスキャン画像のプレジャッジ画像データに基づいて画像処理でき、プリンタ2にてプリント画像としてプリント出力できる。こうすることで、ずれ調整精度を向上させることができる。