JP3621369B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリに代表される不揮発性半導体記憶装置と通常のMOS型半導体装置を同一基板上に混載して形成した半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に、従来の不揮発性半導体記憶装置と半導体装置が混載された半導体装置の製造方法を、図面を参照しながら説明する。図8から図12は、従来の半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。図8から図12において、不揮発性半導体装置が形成される領域をメモリ領域Rmem、通常の半導体装置が形成される領域をロジック領域Rlogicとする。
【0003】
まず、図8(a)に示すように、P型シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2とPウエル3を形成する。次に、P型シリコン基板1の活性領域上に、第1絶縁膜4、第1ポリシリコン膜5、及び第2絶縁膜6を、順次形成することになる。
【0004】
そして、図8(b)に示すように、レジストパターン7をマスクとして、通常の半導体装置が形成されるロジック領域Rlogic上にある第2絶縁膜6と第1ポリシリコン膜5をエッチング除去する。
【0005】
さらに、図8(c)に示すように、通常の半導体装置が形成されるロジック領域Rlogicの基板表面を酸化することによって、第3絶縁膜8を形成してから、第2ポリシリコン膜9を形成する。このときの第2ポリシリコン膜9の膜厚は、例えば200nm程度である。
【0006】
なお、詳細には図示していないが、一般に第2絶縁膜6は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜(Si3N4)、及びシリコン酸化膜からなる3層構造を有しており、ロジック領域Rlogic上における第3絶縁膜8形成時の熱酸化によって、第2絶縁膜6の最上面のシリコン酸化膜が形成されることになる。
【0007】
次に、図9(a)に示すように、レジストパターン10をマスクとしてメモリ領域Rmemにおける第2ポリシリコン膜9、第2絶縁膜6、第1ポリシリコン膜5をエッチングして、それぞれ制御ゲート電極9a、容量絶縁膜6a、浮遊ゲート電極5a、及びトンネル絶縁膜4aを形成する。
【0008】
そして、図9(b)に示すように、CVD法又は熱酸化法によりシリコン酸化膜11を全面に形成する。このときのシリコン酸化膜11は、例えば20nm程度である。
【0009】
次に、図9(c)に示すように、レジストパターン12をマスクとして、不揮発性半導体記憶装置のソース形成用のイオン注入13を行なうことで、高濃度ソース領域14を形成する。
【0010】
そして、図10(a)に示すように、レジストパターン15をマスクとして、不揮発性半導体記憶装置のドレイン形成用のイオン注入16を行なうことで、高濃度ドレイン領域17を形成する。ここで、シリコン酸化膜11は、不揮発性半導体記憶装置のゲート電極側面において、不揮発性半導体記憶装置のソース・ドレイン形成用のイオン注入が、トンネル絶縁膜4aや、容量絶縁膜6aに損傷を与えないように形成される保護酸化膜である。
【0011】
そして、図10(b)に示すように、シリコン酸化膜11をエッチングで除去した後、図10(c)に示すように、ロジック領域Rlogic内に半導体装置のゲート電極を形成するためのレジストパターン18を形成する。
【0012】
次に、図11(a)に示すように、レジストパターン18をマスクとして、ロジック領域Rlogicの第2ポリシリコン膜9をエッチングし、半導体装置のゲート電極9bを形成し、その後、レジストパターン18を除去する。さらに、ロジック領域Rlogicを開口した別のレジストパターン(図示しない)を用いて、ロジック領域Rlogicに低濃度ドレイン領域となるイオン注入を行ない、その後、このレジストパターン(図示しない)を除去する。その結果、図11(b)に示す形状となる。
【0013】
次に、図12(a)に示すように、ロジック領域Rlogicの半導体装置のソース・ドレイン領域をLDD構造にするために、P型シリコン基板全面に絶縁性材料としてシリコン酸化膜21をCVD法により形成する。
【0014】
そして、図12(b)に示すように、メモリ領域Rmemの第1ゲート19の上面とロジック領域Rlogicの第2ゲート20の上面が露出するまでシリコン酸化膜21を異方性エッチングすることにより、第1ゲート19及び第2ゲート20の側壁に酸化膜からなる側壁酸化膜22を形成する。その後、ロジック領域Rlogicの半導体装置に対して、必要なイオン注入工程(高濃度ソース・ドレイン領域形成)や配線工程(図示せず)を経て、所望の半導体装置を得ることになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の半導体装置の製造方法では、素子が微細化するのに伴って、以下に示すような新たな問題点が生じている。
【0016】
まず第1に、図10(c)に示すレジストパターン18の膜厚が、微細パターンを形成するために薄膜化するようになってきている。例えば0.25μm以下のパターンを、KrFエキシマレーザを用いた光リソグラフィで形成しようとすると、そのレジストパターン18の膜厚は0.5〜0.7μmとなる。
【0017】
この場合、図10(c)に示すように、ロジック領域Rlogicではほぼ平坦なため光リソグラフィーで形成されたレジストパターン18の膜厚は0.5〜0.7μmを保持している。一方、メモリ領域Rmemでは、既に積層型のゲート電極パターンが形成されていることからレジストパターン18の膜厚は一定にはならず、特にゲート電極パターンの上部においてレジストパターン18の膜厚が薄くなってしまう。
【0018】
そして、図11(a)において、形成されたレジストパターン18をマスクとして第2のポリシリコン膜9をドライエッチングしているが、当該エッチングにおいて、一般にレジストパターンとポリシリコン膜の選択比は低いものになる。そのため、ロジック領域Rlogicでゲート電極パターンをエッチングしている間に、メモリ領域Rmemの電極パターンを被覆しているレジストパターンが先に除去されてしまい、全体のエッチングが終了していない状態であるにもかかわらず、メモリ領域Rmemの電極パターンそのものが露出してしまうことになる。その結果、メモリ領域Rmemの電極パターンを形成している制御ゲート電極9a自体がエッチングされてしまい、形状異常が生じることに起因する不良パターンが生ずるおそれがあるという問題点があった。
【0019】
第2に、図11(a)及び図11(b)に示すように、ロジック領域Rlogicにおいて、半導体装置の第2ゲート形成及び低濃度ドレイン領域となるイオン注入が行われているが、レジストパターン形成とその除去が繰り返される一連の工程において、その都度洗浄工程が繰り返されるために、不揮発性半導体記憶装置における高濃度ソース領域14の表面及びドレイン領域17の表面が、当該洗浄工程によって削られてしまうおそれがあった。これは不揮発性半導体記憶装置を流れる電流の低下や安定した電流供給が妨げられる原因となる。
【0020】
本発明は、上記問題点を解決するために、半導体装置のゲート電極パターンニング時に、既にパターンニングされている不揮発性半導体装置のゲート電極の形状異常を発生することがなく、また、不揮発性半導体記憶装置の高濃度ソース領域およびドレイン領域表面が削れてトランジスタ電流の低下やばらつきが発生することを抑制し、良好な半導体装置を得ることができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の第1領域において、トンネル絶縁膜、浮遊ゲート電極、容量絶縁膜及び制御ゲート電極で構成される第1ゲートを有する半導体記憶装置と、半導体基板上の第2領域において、ゲート絶縁膜及びゲート電極からなる第2ゲートを有する半導体装置とを備えた半導体装置の製造方法であって、第1領域において第1ゲートをパターンニングで形成する第1の工程と、第1の工程の後に少なくとも第1ゲートの上面及び側面を同一材料よりなる保護膜で覆う第2の工程と、第2の工程の後に少なくとも第1ゲートの上面及び側面を保護膜で覆った状態で第2領域において第2ゲートを、レジストパターンを用いてパターンニングで形成する第3の工程とを備え、保護膜はレジストパターンよりも耐ドライエッチング性が高いことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、半導体装置のゲート電極パターンニングを行う場合に、既にパターンニングされている不揮発性半導体装置のゲート電極が、さらにエッチングされることがないことから、不揮発性半導体記憶装置のゲート電極が形状異常を起こすことがなく、正常な形状の半導体装置を得ることが可能となる。
【0023】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、第1ゲートの高さが第2ゲートの高さより、少なくとも200nm高いことが好ましい。
【0024】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、保護膜が、硬化処理が施された感光性樹脂膜であることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、第2ゲートをパターンニングするのに使用したマスク材料を除去するときに、半導体記憶装置のソース領域上及びドレイン領域上を保護膜が覆っていることが好ましい。
【0026】
かかる構成により、不揮発性半導体記憶装置の高濃度ソース領域及びドレイン領域表面が削れてしまうことに起因するトランジスタ電流の低下やばらつきの発生を抑制することができるからである。
【0027】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、保護膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜のうちいずれか一つ、又はこれらの積層膜からなることが好ましい。
【0028】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、保護膜をCVD法で形成することが好ましい。
【0029】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、保護膜がシリコン酸化膜からなり、シリコン酸化膜を熱酸化法で形成することが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態1において、図1(a)に示す工程までは従来技術の図8(a)から図10(b)までの製造工程と同様の処理を行うため、特に説明は省略する。図1は本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法の工程断面図である。
【0031】
図1において、不揮発性半導体記憶装置、例えばEEPROMやフラッシュメモリが形成される第1領域をメモリ領域Rmem、通常の半導体装置、例えばNチャネル型MOSトランジスタやPチャネル型MOSトランジスタからなるロジック半導体装置が形成される第2領域をロジック領域Rlogicとしている。
【0032】
まず図1(a)は、メモリ領域Rmemに不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が形成された時点における断面図である。メモリ領域Rmemには、トンネル絶縁膜4a、浮遊ゲート電極5a、容量絶縁膜6、及び制御ゲート電極9aが順次形成されている。一方、ロジック領域Rlogicには、素子分離絶縁膜2、Pウェル3、及びP型シリコン基板1上に第3絶縁膜8、及び第2ポリシリコン膜9が形成されている。
【0033】
次に、図1(b)に示すように、ロジック領域Rlogic上を開口したレジストパターン24でメモリ領域Rmem上を覆い、図1(c)に示すように、メモリ領域Rmem上を覆うレジストパターン24に対し、例えばUVキュア法により硬化処理を施すことになる。レジストパターン24に用いる感光性樹脂としては、ノボラック系のフォトレジスト、例えばi線用フォトレジストが好ましい。これは、後述するように、この硬化したレジストパターン25がドライエッチングの際の保護膜として作用することから、耐ドライエッチング性の高いノボラック系樹脂を用いることが好ましいからである。なお、膜厚は0.7〜2μm程度であり、本実施の形態1では1μmとした。また、UVキュアは、水銀灯等によるUV光を照射しながらP型シリコン基板1を100℃〜200℃に加熱する方法であり、UVキュア処理によりレジストは硬化処理され、耐ドライエッチング性が向上する。なお、単純にレジストを加熱する加熱処理によってもレジストは硬化し、ドライエッチング耐性が向上するが、UVキュア法を用いるのがより望ましい。
【0034】
次に、図2(a)に示すように、P型シリコン基板1上にレジストパターン18を形成し、ロジック領域Rlogicにおいて第2ポリシリコン膜9上にゲート電極パターン18を形成する。このときのレジストパターン18は、例えばポジ型で膜厚は0.7μmであり、KrFエキシマレーザを用いたフォトリソグラフィー法を用いる。また、ゲート電極パターンの寸法は、例えば0.25μmである。このとき、メモリ領域Rmemにおける第1ゲート19上には、レジストパターン25とレジストパターン18とが積層されていることになる。
【0035】
そして、図2(b)に示すように、レジストパターン18をマスクとして第2ポリシリコン膜9をドライエッチングする。このとき、一般にレジストパターン18とポリシリコン膜の選択比は低いことから、メモリ領域Rmemにおける第1ゲート19上のレジストパターン18はエッチング中に削られていき、場合によっては下層のレジストパターン25が露出する。しかしながら、レジストパターン25は硬化処理されているので、レジストパターン18と比較して耐ドライエッチング性が高い。したがって、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9のエッチング中にレジストパターン25が削られる量は少なく、結果として、メモリ領域Rmemにおける第2ゲート20の上部が露出することはない。そして、図2(c)に示すように、レジストパターン18及び25を除去することになる。
【0036】
以降の製造工程は、従来の製造工程と同様の処理を行うことになることから、特に説明は省略する。
【0037】
以上のように本実施の形態1によれば、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9のエッチング中にレジストパターン25が大きく削られることがないことから、結果として、メモリ領域Rmemにおける第2ゲート20の上部が露出することがなくなり、不揮発性半導体記憶装置のゲート電極が形状異常を起こすことがなく、正常な形状の半導体装置を得ることが可能となる。
【0038】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態2においても、図3(a)に示す工程までは、従来技術の図8(a)から図10(b)までの製造工程と同様の処理を行うため、特に説明は省略する。図3は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法の工程断面図である。
【0039】
図3において、不揮発性半導体記憶装置、例えばEEPROMやフラッシュメモリが形成される第1領域をメモリ領域Rmem、通常の半導体装置、例えばNチャネル型MOSトランジスタやPチャネル型MOSトランジスタからなるロジック半導体装置が形成される第2領域をロジック領域Rlogicで示している。
【0040】
図3(a)はメモリ領域Rmemに不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が形成された時点での断面を示す図である。メモリ領域Rmemには、トンネル絶縁膜4a、浮遊ゲート電極5a、容量絶縁膜6a、及び制御ゲート電極9aが、順次形成されている。一方、ロジック領域Rlogicには、素子分離絶縁膜2、Pウェル3、及びP型シリコン基板1上に第3絶縁膜8及び第2ポリシリコン膜9が形成されている。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、P型シリコン基板1の全面に、保護膜として、例えばシリコン酸化膜11を形成する。その膜厚は例えば20nmである。このシリコン酸化膜の形成方法としては、熱酸化法やCVD法、SOG法、スパッタ法などを用いることができる。また、シリコン酸化膜の他にシリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜といったシリコン系絶縁膜を用いることもできる。さらに、これらのいくつかを積層した膜であっても良い。
【0042】
なお、この保護膜としてのシリコン酸化膜11は、以降に行われるイオン注入工程がトンネル絶縁膜4aや、容量絶縁膜6aに及ぼす損傷を防ぐための保護膜と兼用することもできる。
【0043】
次に、図3(c)に示すように、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11を選択的に除去する。選択的にシリコン酸化膜11を除去する方法として、メモリ領域Rmemを覆うレジストパターン23を形成し、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11をドライエッチングやウェットエッチングにより除去する方法を用いることができる。ここで、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11を除去する理由は、酸化膜とポリシリコン膜の積層膜のエッチングが制御困難であることによる。
【0044】
次に、図4(a)に示すように、P型シリコン基板1上にレジストパターン18を塗布し、フォトリソグラフィー法を用いてロジック領域Rlogicにおいて第2ポリシリコン膜9上にゲート電極パターン18を形成する。このときのレジストパターン18は、例えばポジ型であり、膜厚が0.7μmであって、KrFエキシマレーザを用いたフォトリソグラフィー法を用いて形成される。また、ゲート電極パターンの寸法は、例えば0.25μmである。
【0045】
このとき、既にメモリ領域Rmemには不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が形成されている。この第1ゲート19は、ポリシリコン膜が2層積層されていることから、その高さはロジック領域Rlogic上の第3絶縁膜8と第2ポリシリコン膜9との膜厚合計による高さに比べても高くなっている。本実施の形態2においては、第1ゲート19と第2ポリシリコンの段差は約200nmである。したがって、第1ゲート19上のレジストパターン18の膜厚は0.5μm以下と薄くなっている。
【0046】
次に、図4(b)に示すように、レジストパターン18をマスクとして第2ポリシリコン膜9をドライエッチングする。このとき、一般にレジストパターン18とポリシリコン膜の選択比は低いことから、メモリ領域Rmemに形成されたレジストパターン18もエッチングにより削られていく。しかしながら、エッチング中にレジストが削られて第1ゲート19が露出したとしても、その表面にシリコン酸化膜による保護膜11が形成されているのでこの部分はエッチングされない。したがって、不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が保護された状態で、ロジック領域Rlogicの第2ゲート20を形成することができる。
【0047】
次に、図4(c)に示すように、レジストパターン18を除去する。このとき、メモリ領域RmemのP型シリコン基板1表面はシリコン酸化膜11で覆われているため、その後の洗浄工程によって、不揮発性半導体記憶装置の高濃度ソース領域及びドレイン領域表面が侵食されることを抑制できる。さらに、ロジック領域Rlogicの半導体装置をLDD構造にするために、P型シリコン基板1の全面に絶縁性材料としてシリコン酸化膜21をCVD法により形成する。
【0048】
次に、図5に示すように、メモリ領域Rmemの第1ゲート19の上面とロジック領域Rlogicの第2ゲート20の上面が露出するまでシリコン酸化膜21を異方性エッチングして、第1ゲート19及び第2ゲート20の側壁に側壁酸化膜22を形成する。その後、ロジック領域Rlogicを開口したレジストパターン(図示しない)を用いて、第2ゲート20及び側壁酸化膜22をマスクとしてロジック領域Rlogicにイオン注入を行い、高濃度ソース領域14及び高濃度ドレイン領域17を形成する。
【0049】
それ以降は、特に図示してはいないが、配線形成工程及び表面保護膜形成工程を経て、所望の半導体装置を得ることになる。
【0050】
ここで、図3に示す工程断面図からわかるように、ロジック領域Rlogicの第2ゲート20の側壁酸化膜は、シリコン酸化膜22のみの1層であるが、メモリ領域Rmemの第1ゲート19の側壁酸化膜は保護膜であるシリコン酸化膜11とLDD形成用のシリコン酸化膜22との積層膜になっている。
【0051】
なお、本実施の形態2においては、メモリ領域Rmemが2層、ロジック領域Rlogicが1層の場合について説明しているが、ロジック領域Rlogicの第2ゲート20の側壁酸化膜が複数層で形成されていても構わない。この場合、メモリ領域Rmemの第1ゲート19の側壁酸化膜は、ロジック領域Rlogicの第2ゲート20の側壁酸化膜の層数以上の層数で形成されることになる。
【0052】
以上のように本実施の形態2によれば、ロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9をドライエッチングするとき、メモリ領域Rmemに形成されたレジストパターン18もエッチングにより削られていくが、エッチング中にレジストパターンが削り取られて第1ゲート19が露出したとしても、その表面にはシリコン酸化膜による保護膜11が形成されていることから、露出された部分についてはエッチングされることがない。したがって、不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が保護された状態で、ロジック領域Rlogicの第2ゲート20を形成することができ、不揮発性半導体記憶装置のゲート電極は形状異常を起こすことがなく、正常な形状の半導体装置を得ることが可能となる。また、不揮発性半導体記憶装置の高濃度ソース・ドレイン領域表面が削り取られることに起因するトランジスタ電流の低下やばらつきの発生を抑制することも可能となる。
【0053】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態3においては、図6(a)に示す工程までは実施の形態2における図3(b)までの製造工程と同様の処理を行うため、特に説明は省略する。図6は、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法の工程断面図である。
【0054】
図6において、不揮発性半導体記憶装置、例えばEEPROMやフラッシュメモリが形成される第1領域をメモリ領域Rmem、通常の半導体装置、例えばNチャネル型MOSトランジスタやPチャネル型MOSトランジスタからなるロジック半導体装置が形成される第2領域をロジック領域Rlogicとしている。
【0055】
図6(a)はメモリ領域Rmemに不揮発性半導体記憶装置の第1ゲート19が形成され、P型シリコン基板1上に保護膜11を形成した時点における断面図である。メモリ領域Rmemには、トンネル絶縁膜4a、浮遊ゲート電極5a、容量絶縁膜6、及び制御ゲート電極9aが、順次形成されている。一方、ロジック領域Rlogicには、素子分離絶縁膜2、Pウェル3、及びP型シリコン基板1上に第3絶縁膜8a及び第2ポリシリコン膜9が形成されている。
【0056】
なお、本実施の形態3においては、第2ポリシリコン膜9はこの時点で不純物がドープされていないものである。
【0057】
次に、図6(b)に示すように、ロジック領域Rlogicにおいて、Nチャネル型半導体装置が形成される領域を開口したレジストパターン26を形成する。次に、このレジストパターン26をマスクとして第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11を選択的に除去する。除去はドライエッチングでもウェットエッチングでも良い。
【0058】
次に、図6(c)に示すように、Nチャネル型半導体装置が形成される領域の第2ポリシリコン膜9にイオン注入27を行い、N型ポリシリコン28を形成する。イオン注入には、例えばPイオンを用いる。なお、シリコン酸化膜11を除去する工程と、イオン注入工程はどちらが先であってもかまわない。
【0059】
次に、図7(a)に示すように、レジストパターン26を除去した後、ロジック領域Rlogicにおいて、Pチャネル型半導体装置が形成される領域を開口したレジストパターン29を形成する。次に、このレジストパターン29をマスクとして第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11を選択的に除去する。除去はドライエッチングでもウェットエッチングでも良い。
【0060】
次に、図7(b)に示すように、Pチャネル型半導体装置が形成される領域の第2ポリシリコン膜9にイオン注入30を行い、P型ポリシリコン31を形成する。イオン注入には例えばBイオンを用いる。なお、シリコン酸化膜11を除去する工程と、イオン注入工程はどちらが先であってもかまわない。そして、図7(c)に示すように、レジストパターン29を除去することになる。
【0061】
なお、N型ポリシリコン28を形成する工程と、P型ポリシリコン31を形成する工程とはどちらが先であってもかまわない。
【0062】
以降の工程は、実施の形態1における図3(c)以降の工程と同様であるので説明は省略する。
【0063】
以上のように本実施の形態3によれば、デュアルゲートを形成するためのイオン注入用マスクを用いてロジック領域Rlogicにおける第2ポリシリコン膜9上のシリコン酸化膜11を除去しているので、フォトリソグラフィー工程を追加する必要が無く、低コストで良好な半導体装置を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、通常の半導体装置のゲート電極パターンニング時に、既にパターンニングされている不揮発性半導体装置のゲート電極の形状異常を発生することがなく、また、不揮発性半導体記憶装置の高濃度ソース・ドレイン領域表面が削れてトランジスタ電流の低下やばらつきが発生することを抑制し、良好な半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図3】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図5】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図6】本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図7】本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図8】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図9】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図10】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図11】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図12】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【符号の説明】
1 P型シリコン基板
2 素子分離絶縁膜
3 Pウェル
4 第1絶縁膜
4a トンネル酸化膜
5 第1ポリシリコン
5a 浮遊ゲート電極
6 第2絶縁膜
6a 容量絶縁膜
7、10、15、18、23、24、26、29 レジストパターン
8 第3絶縁膜
8a ゲート酸化膜
9 第2ポリシリコン
9a 制御ゲート電極
9b ゲート電極
11、21 シリコン酸化膜
12 レジスト
13、16、27、30 イオン注入
14 高濃度ソース領域
17 高濃度ドレイン領域
19 第1ゲート
20 第2ゲート
22 側壁酸化膜
25 硬化レジスト膜
28 N型ポリシリコン
31 P型ポリシリコン
Claims (7)
- 半導体基板上の第1領域において、トンネル絶縁膜、浮遊ゲート電極、容量絶縁膜及び制御ゲート電極で構成される第1ゲートを有する半導体記憶装置と、前記半導体基板上の第2領域において、ゲート絶縁膜及びゲート電極からなる第2ゲートを有する半導体装置とを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記第1領域において前記第1ゲートをパターンニングで形成する第1の工程と、
前記第1の工程の後に少なくとも前記第1ゲートの上面及び側面を同一材料よりなる保護膜で覆う第2の工程と、
前記第2の工程の後に少なくとも前記第1ゲートの上面及び側面を前記保護膜で覆った状態で前記第2領域において前記第2ゲートを、レジストパターンを用いてパターンニングで形成する第3の工程と
を備え、
前記保護膜は前記レジストパターンよりも耐ドライエッチング性が高いこと
を特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1ゲートの高さが前記第2ゲートの高さより、少なくとも200nm高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2ゲートをパターンニングするのに使用したマスク材料を除去するときに、前記半導体記憶装置のソース領域上及びドレイン領域上を前記保護膜が覆っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護膜は、硬化処理が施された感光性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜のうちいずれか一つ、又はこれらの積層膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護膜をCVD法で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護膜がシリコン酸化膜からなり、前記シリコン酸化膜を熱酸化法で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
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