JP3620934B2

JP3620934B2 - フィルタ装置

Info

Publication number: JP3620934B2
Application number: JP24070396A
Authority: JP
Inventors: 成由波田
Original assignee: ヤマトヨ産業株式会社
Priority date: 1996-09-11
Filing date: 1996-09-11
Publication date: 2005-02-16
Anticipated expiration: 2016-09-11
Also published as: JPH1089737A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手取付面に取付固定される取付枠に、フィルタ材を脱着可能に装着したフィルタ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
建築物の壁や天井等に形成された換気口に吸引される空気中の塵芥類や油分を除去するフィルタ装置として、取付枠にグラスウール等のフレキシブルなフィルタ材を装着したものがある。この種フィルタ装置は、取付枠にフィルタ材を接着、加締等の手段で一体化し、フィルタ交換の際は、取付枠とフィルタ材とを一体として交換・破棄するようになっているものが多い。また、取付相手面となる壁や天井面には、取付枠を装着するための取付体を別途施工するものが多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフィルタ装置は、取付枠とフィルタ材とを一体として交換・破棄する構造であること、フィルタ材を取付枠に装着する作業に手間がかかること、相手取付面に取付体を別途施工する必要があることから、コスト面で不利であった。
【０００４】
また、取付枠を取付体から脱着する際の作業が面倒であり、特に高所での作業が危険を伴って難しい問題があった。
【０００５】
本発明の目的は、交換作業が容易で、かつ、低コストなフィルタ装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取付枠の周縁部に、表面側に折返し可能な折返し部と、この折返し部が折返されて重なる固定座部とを設け、折返し部の表面の所定箇所に磁石を固定すると共に、磁石が嵌入される貫通穴を固定座部に形成し、取付枠の表面に被せたフィルタ材の周縁部を、固定座部の表面とこれに折返された折返し部の表面とで挾持すると共に、取付枠の周縁部の裏面を、固定座部の貫通穴に嵌入されて裏面側に露出した磁石によって相手取付面に吸着固定する構成を有する。
【０００７】
ここで、取付枠体はアルミニウム等の金属や樹脂の薄板状製品で、これの薄い周辺部に折返し線を形成して、この折返し線外側の折返し部を折返し線内側の固定座部に手で折返すようにする。取付枠の表面にグラスウール等のフィルタ材を被せ、その周縁部を固定座部の表面に載せ、さらに折返し部を折返して挟持する。この時、折返し部の表面の所定箇所に固定された磁石が固定座部の貫通穴に嵌入され、固定座部の裏面側に露出する。このようにしてフィルタ材の周縁部を固定座部と折返し部とで挾持した状態で、取付枠の周縁部の裏面を相手取付面にあてがうと、固定座部の裏面側に露出した磁石によって取付枠が相手取付面に吸着固定されると同時に、固定座部と折返し部とによるフィルタ材の周縁部の挟持状態が維持される。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図１〜図６を参照しながら説明する。
【０００９】
図１は、フィルタ装置３を構成する取付枠４とフィルタ材１１の組付前の斜視図を示す。取付枠４はアルミニウム製の薄板製品で、矩形箱型の本体部５と矩形枠状の周縁部６を有する。本体部５は、矩形板５ａとその４辺に直交する矩形筒板５ｂで一体構成され、矩形板５ａに空気通路となる複数の透孔７が形成され、筒板５ｂの開口端から外側直交方向に周縁部６が一体に延在する。
【００１０】
取付枠４の周縁部６は、図３の平面図における左右一対と上下一対の４薄板部６ａ、６ｂから成り、各薄板部６ａ、６ｂが折返し線８で外側と内側に２区分化される。折返し線８は、例えば図２に示すように周縁部６をプレスで部分的に肉薄とした直線部分である。周縁部６の４つの各薄板部６ａ、６ｂの折返し線８の外側半分が折返し部６ｍ、折返し線８の内側半分が固定座部６ｎである。折返し部６ｍを折返し線８から周縁部６の表面側に約１８０゜折返すと固定座部６ｎの表面に重なる。
【００１１】
図３における周縁部６の左右一対の薄板部６ａの折返し部６ｍの表面中央に磁石（永久磁石）９が接着等で固定され、固定座部６ｎの中央に磁石９が嵌入される貫通穴１０が形成される。磁石９は固定座部６ｎの板厚と同程度の板厚の矩形板磁石で、折返し部６ｍを折返して固定座部６ｎに重ねたときに貫通穴１０に嵌入される。貫通穴１０は磁石９より少し大きな矩形サイズの穴で、図５に示すように、折返し部６ｍを折返して磁石９を貫通穴１０に嵌入させると、磁石９が固定座部６ｎの裏面側に露呈する。
【００１２】
フィルタ材１１は、取付枠４の本体部５を覆うフレキシブルなグラスウール、不織布等の矩形シートで、その４周縁部１１’が取付枠周縁部６の固定座部６ｎに当接した状態で本体部５を覆う。フィルタ材１１は取付枠４に、図４及び図５に示すように脱着可能に装着される。
【００１３】
図１の状態の取付枠４の本体部５にフィルタ材１１を被せ、フィルタ材１１の左右周縁部１１’を取付枠周縁部６の左右一対の薄板部６ａの固定座部６ｎに載せる。このとき、フィルタ周縁部１１’が固定座部６ｎの貫通穴１０を塞がないようにする。次に、図５の矢印で示すように折返し部６ｍを固定座部６ｎに向けて折返して、折返し部６ｍと固定座部６ｎでフィルタ周縁部１１’を挾持し、同時に折返し部６ｍの磁石９を固定座部６ｎの貫通穴１０に嵌入する。次に、取付枠周縁部６の残り一対の薄板部６ｂの固定座部６ｎにフィルタ周縁部１１’を載せ、折返し部６ｍを折返してフィルタ周縁部１１’を挾持する。
【００１４】
尚、取付枠４の４辺の周縁部６でフィルタ材１１の周縁部１１’を挾持させる順序は、上記例に限らず任意の順序で行うことが可能である。また、図５に示すように、フィルタ材１１の周縁部１１’が取付枠周縁部６の固定座部６ｎの貫通穴１０から内側の部分で挾持されるようにして、フィルタ材１１の周縁部１１’を貫通穴１０から逃がすようにしているが、この例に限らず、例えば図示しないがフィルタ周縁部が取付枠の固定座部全面に当接するサイズに設定して、このフィルタ周縁部の中央部に取付枠の固定座部の貫通穴を逃がすような逃がし穴や切り欠きを形成してもよい。
【００１５】
以上のように取付枠４にフィルタ材１１を取付けてフィルタ装置３を組立ると、フィルタ装置３を持ち上げて建築物の壁面や天井面等の相手取付面、例えば図６に示すような壁１にワンタッチで直付けする。壁１には換気口２が形成され、換気口２の中には換気扇等が設置されて換気口２から室内の空気が吸引される。この壁１の換気口２の周縁部に取付枠４の固定座部６ｎの裏面を押し当てると、この裏面に露呈している磁石９が壁１に磁気吸着して、壁１にフィルタ付き取付枠４がワンタッチで簡単迅速に取付けられる。
【００１６】
壁１にフィルタ装置３を磁石９で取付けたとき、磁石９は取付枠４の折返し部６ｍを固定座部６ｎ側に押圧してフィルタ材１１を強固に挾持する。つまり、磁石９はフィルタ材１１を取付枠４に安定した状態で保持させる機能と、フィルタ装置３の全体を建築物にワンタッチで安定させて固定する機能を兼備する。換言すると、磁石９の使用によって、取付枠４にフィルタ材１１を脱着可能に保持するための別途手段と、取付枠４を建築物に固定する別途手段が不要となって、フィルタ装置全体の構成部品点数が少なくでき、その分、コストダウン化が可能となる。
【００１７】
壁１に取付けたフィルタ装置３は、フィルタ材１１が換気口２を通じて吸引される空気から塵芥類や油分を除去する。フィルタ材１１が汚れたり機能低下を起こすと、フィルタ材１１だけを交換する。取付枠４は再利用することができる。このフィルタ交換は、壁１からフィルタ装置３の全体を取り外して行えばよい。即ち、壁１にフィルタ装置３は磁石９だけで取り付けられているので、フィルタ装置３の壁１からの取り外しもワンタッチで簡単迅速に行え、この取り外しで壁１が傷付いたり汚れる心配は無い。壁１から取り外したフィルタ装置３を作業のし易い場所に運んでフィルタ材１１の交換を行うと、安全に簡単迅速にフィルタ交換ができる。フィルタ交換は、取付枠４の折返した折返し部６ｍを元に折り戻してフィルタ材１１を取り外し、新しいフィルタを再度装着するだけの簡単な作業で行われる。
【００１８】
尚、本発明は上記実施例に限らず、例えば上記取付枠４の矩形枠状の周縁部６の各４辺の薄板部６ａ、６ｂの各々に一対、或いは複数対の磁石９と貫通穴１０を設けてもよい。また、図示しないが取付枠は全体が平坦な薄板で、これに平坦なままのフレキシブルなフィルタを、或いは、剛性のある平坦なフィルタを装着するようにしたフィルタ装置であってもよい。さらに、取付枠の材質はアルミに限らず、その他の金属または樹脂からなる薄板を用いても良い。
【００１９】
【発明の効果】
本発明によれば、取付枠の磁石が取付枠を相手取付面にワンタッチで取付ける機能と、取付枠にフィルタを安定に支持する機能を兼備するので、フィルタ装置全体の構成が簡略化されてコストダウン化が図れると共に、相手取付面にワンタッチで簡単迅速に着脱できて、フィルタ交換が安全に簡単迅速にできるユーザにとって便利なフィルタ装置が提供できる。また、フィルタ交換は、取付枠を再利用し、フィルタ材のみを交換すれば良いので、ランニングコストも低減する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示すフィルタ装置の分解斜視図である。
【図２】図１Ａ−Ａ線部分の拡大断面図である。
【図３】図１の取付枠の平面図である。
【図４】図１の取付枠にフィルタを装着したフィルタ装置の一部省略部分を含む斜視図である。
【図５】図４Ｂ−Ｂ線部分の拡大断面図である。
【図６】図５のフィルタ装置を建築物に取付けたときの部分断面図である。
【符号の説明】
１建築物（壁）
３フィルタ装置
４取付枠
６取付枠の周縁部
６ｍ折返し部
６ｎ固定座部
９磁石
１０貫通穴
１１フィルタ

Claims

取付枠にフィルタ材を脱着可能に装着したフィルタ装置であって、
前記取付枠の周縁部に、表面側に折返し可能な折返し部と、この折返し部が折返されて重なる固定座部とを設け、前記折返し部の表面の所定箇所に磁石を固定すると共に、前記磁石が嵌入される貫通穴を前記固定座部に形成し、
前記取付枠の表面に被せたフィルタ材の周縁部を、前記固定座部の表面とこれに折返された前記折返し部の表面とで挾持すると共に、前記取付枠の周縁部の裏面を、前記固定座部の貫通穴に嵌入されて裏面側に露出した前記磁石によって相手取付面に吸着固定することを特徴とするフィルタ装置。