JP3620915B2 - 開閉扉用ロック装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンクキャビネットや吊り戸棚或いは食器棚、書棚等に装備される観音開き型式の一対の開閉扉のうち、閉止姿勢にある一方の開閉扉を、他方の開閉扉の閉動を利用して扉取付け用固定部にロックする場合に用いられるロック装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の開閉扉用ロック装置では、図12(イ)、(ロ)に示すように、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉2A,2Bのうち、一方の開閉扉2Bに、扉内面側に突出する板状のブラケット50を取付け、このブラケット50に固着された上下方向に貫通する筒状ガイド部材51に、扉取付け用固定部に固着されたL字状の被係止部材52に対して下方から係合するロック部材53を上下方向に沿って摺動自在に挿入するとともに、前記ロック部材53とブラケット50との間に亘って、該ロック部材53をロック解除位置側である下方に移動付勢するコイルスプリング54を設け、更に、前記ロック部材53の下端部には、他方の開閉扉2Aの内面に設けられたほぼへの字状のカム板55との接当に伴ってロック部材53をコイルスプリング54の弾性付勢力に抗してロック位置に強制作動させるローラ56を枢着していた(例えば、実開昭55−35113号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロック装置によれば、両開閉扉2A,2Bが閉じ姿勢にある状態では、一方の開閉扉2B側のローラ56が他方の開閉扉2A側のカム板55に乗り上げているため、一方の開閉扉2Bを開き操作しても開動することがなく、両開閉扉2A,2Bを常に所定の操作順位で確実に開き作動させることができるものの、一方の開閉扉2Bには、ロック部材53及びコイルスプリング54を備えたブラケット50を取付け、かつ、他方の開閉扉2Aにも、ローラ56との位置を合わせながらカム板55を取付けなければならないため、開閉扉2A,2Bに対する取付け作業に多くの手間を要する。
しかも、他方の開閉扉2Aが開いている状態、つまり、他方の開閉扉2Aのカム板55が一方の開閉扉2Bのローラ56から離脱している状態では、前記コイルスプリング54によってロック部材53がロック解除位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉2Bが扉取付け用固定部に対して非係止状態となり、一方の開閉扉2Bが振動等によって不用意に開くことがあった。
このような一方の開閉扉2Bの不用意な開動を防止するためには、一方の開閉扉2Bに、前記扉取付け用固定部に設けられた第2被係止部材に対して係合及び係合解除自在で、かつ、前記扉取付け用固定部の第2被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該第2係止部材を係止解除位置に移動させるためのカム面を備えた第2係止部材と、該第2係止部材を係合位置に突出付勢するコイルスプリングとを別途取付ける必要があり、開閉扉に対する取付け部品点数の増加によってコストの高騰化と取付け作業能率の低下を招来する問題があった。
【0004】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、両開閉扉を常に所定の操作順位で確実に開き作動させることができるものでありながら、開閉扉に対する取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができ、しかも、一対の開閉扉の少なくとも一方に反り等が発生している状況下において、閉止された一方の開閉扉に地震等によって開き方向の外力が作用しても、該開閉扉がロック解除されることを抑制することのできる開閉扉用ロック装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉のうち、一方の開閉扉に取付けられるケーシングに、前記扉取付け用固定部に設けられた被係止部に対して係合及び係合解除自在な係止部材と、該係止部材を係合位置に突出付勢する突出付勢体と、前記係止部材の被接当面と接当して該係止部材の係合解除位置への移動を接当阻止する揺動自在なロック部材と、該ロック部材をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体と、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材をロック位置に揺動させる作動アームとを組み付けるとともに、前記係止部材の係合部には、前記ロック部材がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部の被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面を形成し、更に、前記係止部材の被接当面には、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端と係合可能な凹部を形成した点にある。
この特徴構成によれば、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉と接当する作動アームによってロック部材が復帰付勢体の付勢力に抗してロック位置に揺動され、係合位置にある係止部材の係合解除位置への移動を接当阻止する。
また、他方の開閉扉が開き操作されると、ロック部材が復帰付勢体の付勢力によってロック位置からロック解除位置に復帰するが、前記係止部材は突出付勢体によって係合位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉は閉止姿勢に係止保持される。
更に、他方の開閉扉が開き操作されている状態では、ロック部材が復帰付勢体の付勢力によってロック解除位置に保持されているため、閉止姿勢に係止保持されている一方の開閉扉に開き方向の操作力を加えると、係合位置にある係止部材のカム面が扉取付け用固定部側の被係止部と接当して、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるから、一方の開閉扉を自由に開閉操作することができる。
更にまた、一対の開閉扉の少なくとも一方に反り等が発生して、前記両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で開閉方向の段差が生ずると、両開閉扉を閉止しても、他方の開閉扉にて作動アームが所定位置にまで押圧移動されないため、ロック部材がロック位置まで揺動されなくなる。その結果、この状態で地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用して、係合位置にある係止部材のカム面と扉取付け用固定部側の被係止部との接当に伴って該係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、前記ロック部材がロック解除位置に揺動されるため、これに連動する作動アームによって他方の開閉扉が強制的に押し開かれる可能性がある。
しかし、本願発明では、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材が係止解除位置側に移動したとき、該係止部材の被接当面に形成された凹部が、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端に係合するから、ロック部材がロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉は閉止姿勢に保持されることになる。
従って、従来装置のように、他方の開閉扉が開き操作されている状態で一方の開閉扉を扉取付け用固定部に閉止姿勢で係止保持するための係止金具を設ける必要がなく、また、前記ケーシングには、係止部材、突出付勢体、ロック部材、作動アーム、復帰付勢体が組み付けられているから、一方の開閉扉にケーシングのみを取付けるだけで済み、従来装置に比して取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができる。
しかも、両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所に発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されていない状況下において、地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用しても、該開閉扉のロックが解除されることを抑制することができる。
【0006】
本発明の請求項2に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉のうち、一方の開閉扉に取付けられるケーシングに、前記扉取付け用固定部に設けられた被係止部に対して係合及び係合解除自在な係止部材と、該係止部材を係合位置に突出付勢する突出付勢体と、前記係止部材の被接当面と接当して該係止部材の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材と、該ロック部材をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体と、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材をロック位置に揺動させる作動アームとを組み付けるとともに、前記係止部材の係合部には、前記ロック部材がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部の被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面を形成し、更に、前記係止部材の被接当面を、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端と接当したとき、該ロック部材のロック解除位置側への揺動を阻止可能な傾斜面に形成した点にある。
この構成によれば、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材が係止解除位置側に移動して、該係止部材の傾斜姿勢の被接当面が、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端に接当したとき、このロック部材のロック解除位置側への揺動を接当阻止するから、両開閉扉は閉止姿勢に保持されることになる。
従って、第1請求項の開閉扉用ロック装置と同様に、従来装置のように、他方の開閉扉が開き操作されている状態で一方の開閉扉を扉取付け用固定部に閉止姿勢で係止保持するための係止金具を設ける必要がなく、また、前記ケーシングには、係止部材、突出付勢体、ロック部材、作動アーム、復帰付勢体が組み付けられているから、一方の開閉扉にケーシングのみを取付けるだけで済み、従来装置に比して取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができる。
しかも、両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所に発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されていない状況下において、地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用しても、該開閉扉のロックが解除されることを抑制することができる。
【0007】
本発明の請求項3に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材が、前記係止部材の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯周りで揺動自在に構成されているとともに、前記ロック部材がロック位置にあるとき、前記揺動軸芯を通る係止部材の移動方向と平行な線分上又はその線分よりもロック揺動側に越えた位置において、該ロック部材の先端と前記係止部材の被接当面とが接当するように構成されている点にある。
この特徴構成によれば、両開閉扉が閉止姿勢にある状態で一方の開閉扉に開き方向の外力(開き操作力を含む)が作用したとき、係止部材のカム面と扉取付け用固定部側の被係止部との接当に伴って該係止部材を係止解除位置へ移動させる分力が発生するが、このときの分力を、前記揺動軸芯を通る係止部材の移動方向と平行な線分上において、又はその線分よりもロック揺動側へのモーメントが発生する状態でロック部材に受止めさせることができるから、ロック位置にあるロック部材がロック解除側に揺動されることを防止又は抑制することができる。
【0008】
本発明の請求項4に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記凹部が、前記ロック部材の揺動方向に複数形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない状況下において、地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、該係止部材の被接当面に形成された複数の凹部のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材の先端に係合し易くなり、その結果、ロック部材がロック解除位置に揺動されることを一層良好に抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項5に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材が、前記係止部材の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯周りで回動する揺動軸部に、前記係止部材の被接当面に接当するロックアーム部を一体形成して構成されているとともに、前記揺動軸部の一端側に前記作動アームが一体形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記ロック部材及び作動アームを一部品として取り扱うことができるから、部品点数の減少によって組付作業の容易化を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項6に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材の揺動軸部が、前記係止部材の中心線に対して前記ケーシングの扉取付け面側に偏位して配置されている点にある。
この特徴構成によれば、ロック部材の揺動ストロークを、前記係止部材の係合位置と係合解除位置とにわたる移動代に相当する長さに構成しながらも、前記ロック部材の揺動軸部が係止部材の中心線に対して扉取付け面側に偏位した分だけ、扉取付け面に対して直交する方向でのケーシングの厚みを小さくすることができる。
【0011】
本発明の請求項7に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記作動アームの長手方向中間部が前記ロック部材の揺動軸部に連設されているとともに、前記作動アームの扉接当面とケーシングの扉取付け面とが、前記作動アームの扉接当面が他方の開閉扉に面接当した扉閉止時に面一又はほぼ面一となるように構成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記作動アームを利用して閉止操作された両開閉扉を面一又はほぼ面一状態に保持することができるから、扉の召し合わせ構造の簡素化及びコストの低廉化を図ることができる。
【0012】
本発明の請求項8に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ケーシングが、一方の開閉扉に向かって開口するケースと、該ケースの開口を閉止する蓋体とから構成されていて、前記ケースには、ロック部材の揺動軸部を回動自在に受け止める軸受け部を形成するとともに、前記蓋体には、該蓋体をケースに固定したとき、前記軸受け部に受け止められた揺動軸部の抜け出しを相対回動可能な状態で接当阻止する軸押え部が形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記ケーシングにロック部材を組み付ける際、ケースの軸受け部にロック部材の揺動軸部を載置し、この状態で蓋体をケースに固定するだけで、軸受け部に受け止められた揺動軸部の抜け出しを蓋体に設けた軸押え部にて接当阻止することができるから、組付作業の容易化、能率化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項9に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ケース内に、ケーシングの扉取付け面側に貫通する取付け孔を備えた筒状体が形成されているとともに、前記係止部材には、該係止部材の係合位置と係合解除位置とにわたる移動を許容する状態で前記筒状体が貫通する長孔を形成し、更に、前記係止部材の前記揺動軸芯方向の両側面に設けた突片と、該突片に対して係止部材の移動方向で相対向するケース内の受け面との間の各々に、前記突出付勢体を構成するコイルスプリングを介装した点にある。
この特徴構成によれば、前記ケーシングに係止部材及び突出付勢体を構成するコイルスプリングを組み付ける際、ケース内の筒状体に係止部材の長孔を嵌め込むことによって、ケースに対する移動範囲が係合位置と係合解除位置とにわたる移動範囲に規制することができるから、前記係止部材の両側面に設けた突片とケース内の受け面との間にそれぞれコイルスプリングを介装するとき、該係止部材が飛び出さないように一々保持する必要がなく、組付作業の容易化を促進することができる。しかも、ケーシングを開閉扉に固定するための取付け孔を形成する筒状体を利用することと、前記係止部材には、筒状体が係入する長孔が形成されていることとにより、ケースの構造の簡素化と係止部材の軽量化とを図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図9に示すように、扉取付け用固定部1の左右の側板(又は縦框)1A,1Bの各々に縦軸芯周りで揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉2A,2Bのうち、他方の開閉扉2Aの上下方向中央部に、一方の開閉扉2Bに設けられた第1被係止部13に水平又はほぼ水平方向から係合して両開閉扉2A,2Bを閉じ姿勢に保持するラッチ本体14と、他方の開閉扉2Aの前面側からの操作によって前記ラッチ本体14を係合解除作動させる操作軸16とを備えた鍵装置Aを設けてある。
また、前記一方の開閉扉2Bの上下両端部の各々には、扉取付け用固定部1の天板(又は上框)1C及び底板(又は下框)1Dの各々に設けられた第2被係止部3に対して上下方向から係合及び係合解除自在な係止部材4と、該係止部材4を係合位置に突出付勢するための突出付勢体8を構成する一対のコイルスプリング8A,8Bと、前記係止部材4の基端側に形成された被接当面4bと接当して該係止部材4の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材5と、該ロック部材5をロック解除位置に復帰付勢するための復帰付勢体の一例である捩じりコイルバネ6と、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aが閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉2Aとの接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材5をロック位置に揺動させる作動アーム9とをケーシング7に組み付けてなるロック装置Bが取付けられている。
更に、前記係止部材4の係合部4Aには、前記ロック部材5がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部1の第2被係止部3に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材4を一対のコイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面4aが形成されている。
【0015】
次に、前記鍵装置Aの具体的構成について説明する。
図3(イ)、(ロ)及び図4に示すように、他方の開閉扉2Aの一側面にビス等で取付けられるABS樹脂製のケーシング10に、当該ケーシング10に形成された開口12を通して一方の開閉扉2Bに設けられた第1被係止部13に係合可能な係合部14Aを備えたジュラコン樹脂製のラッチ本体14と、当該ラッチ本体14を係合側に突出付勢するための弾性付勢体の一例である一対のコイルスプリング15、及び、前記ラッチ本体14の出退方向に対して直交する方向(ほぼ直交方向を含む)に移動自在なジュラコン樹脂製の筒状の操作軸16とを設けるとともに、前記ラッチ本体14には、前記操作軸16の一端部に設けた押圧体17と接当し、かつ、その接当状態での操作軸16の開閉扉2Aの表面側への引張操作に連れて前記ラッチ本体14を両コイルスプリング15の弾性復元力に抗して係合解除位置に移動させるカム面18を形成し、更に、前記操作軸16の他端部には、当該操作軸16の一端側(開閉扉Aの裏面側)から挿入した連結ボルト19を介して摘み等の操作部材20を固定連結してある。
【0016】
前記ケーシング10は、前記操作軸16の他端側に向かって開口するケース21と、当該ケース21の開口を閉止する状態で当該ケース21の開口周縁に形成された段部に着脱自在に嵌合保持される蓋体22とから構成されているとともに、前記蓋体22には、前記操作軸16の他端部側を軸芯方向に沿って摺接移動自在に案内する円筒状のガイド筒部22Aが突出形成されている。
【0017】
前記ケース21の側壁21Aの長辺方向に沿う内面の各々には、前記ラッチ本体14のうち、該ラッチ本体14の出退方向及び操作軸16の軸芯方向に対して共に直交する方向の両側面の各々に突出形成したバネ受け部14Bが前記出退方向に沿って移動自在に係入する凹部21Bが形成されているとともに、前記各凹部21Bのうち、ラッチ本体14のバネ受け部14Bに形成した円柱状のバネ抜止用突起に相対向する端面の各々を、前記バネ受け部14Bとの間でコイルスプリング15を保持するためのバネ受け部21Cに構成してある。
また、前記ケース21の短辺方向に沿う一方の側壁21Aには、前記ラッチ本体14の先端に形成された先窄まり形状(ほぼ三角柱状)の係合部14Aが出退移動する開口12が切欠き形成されている。
【0018】
前記ケース21の天板部21Dの内面には、操作軸16に形成された四角柱状部16Aを軸芯方向にのみ摺動自在に案内する一対のガイド板23が、前記ラッチ本体14の出退方向に間隔を隔てて一体的に突出形成され、この両ガイド板23のガイド面の各々には、操作軸16の四角柱状部16Aの外面に軸芯方向に沿って形成された横断面ほぼVの字状の縦溝16aに係合するほぼ三角柱状の突条23aが一体成形されている。
【0019】
前記ラッチ本体14には、当該ラッチ本体14の係合位置と係合解除位置とにわたる出退移動を許容する状態で操作軸16の一端部及び前記両ガイド板23が入り込む矩形状の貫通孔24を形成し、この貫通孔24に臨むラッチ本体14の内面と操作軸16の外面とのうち、前記ラッチ本体14の出退方向及び操作軸16の軸芯方向に対してそれぞれ直交又はほぼ直交する方向で相対向する部位の各々に、前記カム面18を備えたほぼVの字状のカム溝25と、前記押圧体17を構成する長円柱状の押圧突起とを形成してある。
前記押圧突起17は、図3(イ)に示すように、前記ラッチ本体14が両コイルスプリング15の弾性復元力でケース21外方に最大限突出した係合位置に保持されているとき、カム溝25のカム面18の山部(頂部)側の一端部(開閉扉2Aの裏面から最も離れる側の一端部)に位置するように構成されているとともに、この係合状態では、前記操作軸16の四角柱状部16Aに形成された縦溝16aの一端部に対して、ケース21側の両突条23aの端面が軸芯方向から当接し、かつ、前記操作部材20の端面が前記蓋体22のガイド筒部22Aの端面に接触する後述のガイド筒27に対して軸芯方向から当接するように構成されている。
【0020】
しかし、前記開閉扉2Aに対するケーシング10の取付け位置誤差等によっては、押圧突起17がカム面18の山部(頂部)に移動するまでに、ラッチ本体14の係合部14Aの先端が第1被係止部13に当接して、この当接状態から押圧突起17がカム面18の山部(頂部)に位置するまでの範囲において、操作軸16がラッチ本体14側に押し込み移動自在となる。つまり、操作軸16に連結された操作部材20に前記範囲でガタ付き(遊び)が発生することになるが、当該第1実施形態では、前記蓋体22のガイド筒部22A内で、かつ、該ガイド筒部22Aの端部に形成した鍔部22bと前記操作軸16の四角柱状部16Aの他端面との間に、操作軸16を軸芯方向の一端側に移動付勢する、換言すれば、前記操作軸16の四角柱状部16Aに形成された縦溝16aの一端部に対して、ケース21側の両突条23aの端面が軸芯方向から当接し、かつ、前記操作部材20の端面がガイド筒27の端面に対して軸芯方向から当接するように、前記操作軸16を軸芯方向の一端側に移動付勢する第2弾性付勢体の一例である圧縮コイルスプリング26を介在してあるため、操作軸16に連結された操作部材20にガタ付き(遊び)が発生することがない。
【0021】
前記両ガイド板23の幅方向両端面、及び、この両端面と同じ側に位置する操作軸16の外面部分の各々が、前記ラッチ本体14の貫通孔24に臨む内面との接当によって当該ラッチ本体14を出退自在に摺動案内するガイド面に構成されているとともに、前記ケース21の天板部21Dには、前記連結ボルト19を操作軸16の筒孔を通して操作部材20の雌ネジ部に螺合操作するための貫通孔21bが形成されている。
また、前記開閉扉2Aに形成された貫通孔28には、操作部材20の筒部を引張操作自在に摺動案内するABS樹脂製のガイド筒27が取付けられている。
【0022】
前記第1被係止部13は、一方の開閉扉2Bにビス29Aにて固定するための第1ビス孔13Aを備えたナイロン樹脂等の合成樹脂製の取付け基材13Bと、該取付け基材13Bにビス29Bにて固定するための第2ビス孔13Cを備えたナイロン樹脂等の合成樹脂製の被係止部材13Dとからなる受け具から構成されている。
そして、前記取付け基材13Bと被係止部材13Dとの相対向する取付け面には、取付け基材13Bに対して被係止部材13Dを取付け面方向に沿う複数位置で係合保持する波形状の係合部13b,13dを形成するとともに、前記第1ビス孔13Aを、開閉扉2Bに対する取付け基材13Bの取付け位置変更を一定範囲内で許容する長孔に形成し、更に、前記第2ビス孔13Cを、取付け基材13Bに対する被係止部材13Dの取付け位置変更を一定範囲内で許容する長孔に形成してある。
【0023】
また、前記ラッチ本体14の係合部14Aの扉背面側は、前後方向(扉厚み方向)及び左右方向に対して共に45度の角度で傾斜するカム面14aに形成されていて、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aを閉じ位置に揺動操作したとき、前記ラッチ本体14のカム面14aと第1被係止部13との接当に伴って該ラッチ本体14が一時的に両コイルスプリング15の付勢力に抗して係合解除位置側に引退移動したのち、再び両コイルスプリング15の付勢力で係合位置に突出移動して第1被係止部13の被係止部材13Dに係合するから、他方の開閉扉2Aを閉じ位置に揺動操作する度に、前記操作部材20を係合解除操作する必要がない。
更に、前記ラッチ本体14の係止面14b及び第1被係止部13の係止面13aの各々が左右方向(扉開閉方向に対して交差する方向)に沿う姿勢で形成されているため、両開閉扉2A,2Bが閉止姿勢にある状態で少なくとも何れか一方に開き方向の外力(地震による衝撃や収納物の落下等で、前記操作部材20の引張操作以外の操作力も含む)が作用したときでも、前記ロック装置Bがロック状態に保持されている限り、両開閉扉2A,2Bは閉止姿勢に保持される。
【0024】
次に、前記ロック装置Bの具体的構成について説明する。
図2(イ),(ロ)、図5〜図9に示すように、前記一方の開閉扉2Bに対する扉取付け面7aを備えたABS樹脂等の合成樹脂製のケーシング7は、前記扉取付け面7a側に向かって開口するケース31と、該ケース31の開口を閉止する状態で当該ケース31の開口周縁に形成された段部に着脱自在に嵌合保持される蓋体32とから構成されていて、該蓋体32の表面が前記の扉取付け面7aに構成されている。
【0025】
前記ロック部材5は、ABS樹脂等の合成樹脂で成形された前記係止部材4の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯X周りで回動する揺動軸部5Aの軸芯方向中間部分に、前記係止部材4の基端側の被接当面4bに接当するほぼレの字状のロックアーム部5Bを一体形成して構成されているとともに、前記揺動軸部5Aの一端部には、他方の開閉扉2Aに面接当可能な直線状の作動アーム9を一体形成してある。
つまり、前記揺動軸部5Aとロックアーム部5Bとを備えたロック部材5は、前記作動アーム9とジュラコン樹脂等の合成樹脂で一体成形されていて、前記ケーシング7に対して、前記揺動軸部5Aの一端部に位置する作動アーム9が外部に突出する状態で、かつ、前記揺動軸部5Aが係止部材4の中心線Zに対してケーシング7の扉取付け面7a側、換言すれば、蓋体32側に偏位する状態で組み付けられている。
前記作動アーム9は、その長手方向中間部が揺動軸部5Aの一端部に連設されているとともに、該作動アーム9の扉接当面Pとケーシング7の扉取付け面7aとが、前記作動アーム9の扉接当面Pが他方の開閉扉2Aに面接当した扉閉止時に面一(扉面と平行な同一平面上に位置する)又はほぼ面一状態となるように構成されている。
そして、前記作動アーム9が、閉止操作された両開閉扉2A,2Bを面一状態で接当保持するための召し合わせ部に兼用構成されている。
また、前記揺動軸部5Aの他端部には、前記捩じりコイルバネ6の一端を係止保持するバネ係止溝5aを形成するとともに、前記捩じりコイルバネ6の他端を、ケース31の内面に接当させてある。
【0026】
前記係止部材4が係合位置に保持され、かつ、ロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置にあるとき、前記ロックアーム部5Bの先鋭な先端5bに連なる外側面5c及び係止部材4の被接当面4bの各々が、係止部材4の移動方向に対して直交する方向に沿う互いに平行な偏平面に形成され、更に、前記係止部材4が係合位置に保持されている状態でロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されたとき、前記ロックアーム部5Bの外側面5cと係止部材4の被接当面4bとが、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた部位にロックアーム部5Bの先端5bが位置する状態で近接位置するように構成されている。
そして、前記係止部材4の被接当面4bには、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロックアーム部5Bの先端5bが係合可能で、かつ、その係合状態では揺動軸芯X周りでのロックアーム部5Bの先端5b移動軌跡と交差する二つ(一つ又は三つ以上であってもよい)のV溝状の凹部11が、前記ロック部材5の揺動方向に所定間隔を隔てて形成されている。
前記凹部11は、係止部材4がコイルスプリング8A,8Bの弾性付勢力で係合位置に保持されている状態では、ロック解除位置にあるロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されても、該ロックアーム部5Bの先端5bと係合することはない。
【0027】
また、前記ロックアーム部5Bの先端部は、図8の(イ)に示すように、該ロックアーム部5Bがロック解除位置にあるとき、前記係止部材4の移動方向にほぼ沿う姿勢に構成され、更に、前記係止部材4の基端部側には、該係止部材4が係合解除位置に移動したとき、ロック解除位置にあるロックアーム部5Bの先端部が入り込む凹部4Bが形成されている。
そのため、前記係止部材4を係合位置と係合解除位置とに亘って移動自在に構成しながらも、ロックアーム部5Bの先端部が係止部材4の凹部4Bに入り込む分だけケーシング7をコンパクトに構成することができる。
【0028】
前記ケース31の揺動軸芯X方向で相対向する側壁31Aには、ロック部材5の揺動軸部5Aを回動自在に受け止める軸受け部31Bを形成するとともに、前記蓋体32の内面には、該蓋体32をケース31に嵌合したとき、前記軸受け部31Bに受け止められたロック部材5の揺動軸部5Aに相対回動可能な状態で接当して該揺動軸部5Aの抜け出しを阻止する一対の軸押え部32Aが形成されている。
また、前記ケース31及び蓋体32のうち、前記揺動軸芯X方向の中央位置で、かつ、前記係止部材4の移動方向に間隔を隔てた2箇所の各々に、一方の開閉扉2Bにケーシング7をビス14にて固定するための取付け孔31a,32aを形成するとともに、前記ケース31内には、扉取付け面7a側に向かって貫通する前記取付け孔31aを備えた筒状体31Cが形成されているとともに、前記係止部材4には、該係止部材4の係合位置と係合解除位置とにわたる移動を許容する状態で前記筒状体31Cが貫通する長孔4Cを形成し、更に、前記係止部材4の前記揺動軸芯X方向の両側面に設けた突片4Dと、該突片4Dに対して係止部材4の移動方向で相対向するケース31内の受け面31Dとの間の各々に、前記コイルスプリング8A,8Bを介装してある。
【0029】
前記ケース31の内面と蓋体32の内面には、前記係止部材4の表裏両面の各二箇所に形成された移動方向に沿うV字状の係止溝4Eに摺動自在に係入する横断面三角形状のガイド突起31E,32Bが形成されているとともに、前記ケース31の一方の側壁31Aの扉取付け面7a側には、一方の開閉扉2Bのケーシング取付け面2bに対して直交する端面で、かつ、前記係止部材4の移動方向に沿う端面に接当可能な位置決め用の突条31Fが一体形成されている。
そして、前記ケーシング7を一方の開閉扉2Bに取付ける際、該ケーシング7の扉取付け面7a側に形成した前記位置決め用の突条31Fを、一方の開閉扉2Bの鉛直方向に沿う端面に当て付けることにより、該ケーシング7に組み付けられた係止部材4の鉛直精度を簡単に出すことができる。
【0030】
前記第2被係止部3は、前記扉取付け用固定部1にビス35にて固定するための取付け孔3aと、前記係止部材4の係合部4Aが係入可能なほぼVの字状に開口する凹部3bとを備えたナイロン等の合成樹脂製の被係止具から構成されている。
【0031】
尚、前記一方の開閉扉2Bは、前記扉取付け用固定部1に固定された第2被係止部3との接当によって閉止位置が決められ、また、他方の開閉扉2Aは、前記一方の開閉扉2Bに設けられたストッパー37及び前記作動アーム9との接当によって閉止位置が決められていて、その閉止位置では、両開閉扉2A,2Bが面一状態となるように構成されている。
【0032】
そして、上述の如く構成されたロック装置Bによれば、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aが閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉2Bと接当する作動アーム9によって、ロック解除位置に保持されていたロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力に抗してロック位置に揺動され、係合位置にある係止部材4の係合解除位置への移動を接当阻止する。
また、他方の開閉扉2Aが開き操作されると、ロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力によってロック位置からロック解除位置に復帰するが、前記係止部材4は両コイルスプリング8A,8Bによって係合位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉2Bは閉止姿勢に係止保持される。
更に、他方の開閉扉2Aが開き操作されている状態では、前記ロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力でロック解除位置に保持されているから、閉止姿勢に係止保持されている一方の開閉扉2Bに開き方向の操作力を加えると、係合位置にある係止部材4のカム面4aが扉取付け用固定部1側の第2被係止部3の凹部3bと接当して、該係止部材4を両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置に移動させるから、一方の開閉扉2Bを自由に開閉操作することができる。
更にまた、一対の開閉扉2A,2Bの少なくとも一方に反りが発生したり、或いは、扉取付け用固定部1に対する開閉扉2A,2Bの開閉方向(前後方向)での取付け誤差等が発生して、閉止姿勢にある両開閉扉2A,2B間のケーシング取付け相当箇所で開閉方向の段差が生ずると、両開閉扉2A,2Bを閉止しても、他方の開閉扉2Aにて作動アーム9が所定位置にまで押圧移動されないため、ロック部材5がロック位置まで完全に揺動されなくなる。
この状況下で両開閉扉2A,2Bの少なくとも一方に開き方向の外力(地震時の振動や収納物品の落下による衝撃等)が作用して、係合位置にある係止部材4のカム面4aと扉取付け用固定部1側の第2被係止部3の凹部3bとの接当に伴って該係止部材4に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材4が両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置側へ移動したとき、該係止部材4の被接当面4bに形成された複数の凹部11のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材5の先鋭な先端5bに係合する。
この係合状態では、図9に示すように、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と凹部11の内面とが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図10は、上記第1実施形態で説明したロック装置Bの係止部材4及びロック部材5の別実施形態を示し、前記係止部材4が係合位置に保持され、かつ、ロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置にあるとき、前記ロックアーム部5Bの先鋭な先端5bに連なる外側面5c及び係止部材4の被接当面4bの各々が、ロック部材5のロック揺動側(蓋体32の存在側)の端部ほど該ロック部材5の揺動軸芯X側に突出する平行又はほぼ平行な傾斜面に形成されているとともに、前記係止部材4が係合位置に保持されている状態でロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されたとき、前記ロックアーム部5Bの外側面5cと係止部材4の被接当面4bとが、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた部位にロックアーム部5Bの先端5bが位置する状態で面接当又は近接位置するように構成されている。
また、前記係止部材4の被接当面4bの全域には、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロックアーム部5Bの先端5bが係合可能で、かつ、その係合状態では揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と交差する複数のV溝状の凹部11が、前記ロック部材5の揺動方向に沿って波形状に連続形成されている。
この第2実施形態においても、前記の第1実施形態と同様に、前記移動分力によって係止部材4が両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置側へ移動したとき、該係止部材4の被接当面4bに形成された複数の凹部11のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材5の先鋭な先端5bに係合する。
この係合状態では、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と凹部11の内面とが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
その他の構成は、上述の第1実施形態と同一である。
【0034】
〔第3実施形態〕
図11は、上記第1実施形態で説明したロック装置Bの係止部材4及びロック部材5の別実施形態を示し、前記係止部材4の被接当面4bを、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bと接当したとき、該ロック部材5のロック解除位置への揺動を接当阻止可能な傾斜面、つまり、ロック部材5のロック解除揺動側(ケース31の天板側)の端部ほど該ロック部材5の揺動軸芯X側に突出する傾斜面に形成してある。
この構成によれば、前記両開閉扉2A,2Bを閉止しても、両開閉扉2A,2B間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材5がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材4に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材4が係止解除位置側に移動して、該係止部材4の傾斜姿勢の被接当面4bが、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bに接当する。この接当状態では、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と係止部材4の傾斜姿勢の被接当面4bとが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
その他の構成は、上述の第1実施形態と同一である。
尚、当該第3実施形態では、前記係止部材4の被接当面4bを一直線状の傾斜面に形成したが、少し湾曲するような傾斜面に形成してもよい。
要するに、前記係止部材4の被接当面4bを構成する傾斜面としては、前記移動分力によって係止部材4が係止解除位置側に移動して、該係止部材4の被接当面4bが、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bに接当したとき、このロック部材5のロック解除位置への揺動を接当阻止する、つまり、揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と交差する傾斜面であればよく、好ましくは、ロック部材5の先端5bをロック位置側に押圧付勢できるものであれば一層よい。
【0035】
〔その他の実施形態〕
▲1▼ 上述の各実施形態では、前記作動アーム9をロック部材5と一体形成したが、該作動アーム9を、ロック部材5の揺動軸芯Xと平行な軸芯周りで揺動自在にケーシング7に組み付けるとともに、この作動アーム9とロック部材5とをギヤやリンク等の機械的手段で連動させてもよい。
▲2▼ 上述の各実施形態では、前記突出付勢体8を一対のコイルスプリング8A,8Bから構成したが、一つのコイルスプリングから構成してもよく、また、皿バネや弾性ゴム等の他の弾性付勢体を用いて実施してもよい。
▲3▼ 上述の各実施形態では、前記復帰付勢体6を捩じりコイルバネから構成したが、コイルスプリング等の他の弾性付勢体から構成して実施してもよい。
▲4▼ 上述の各実施形態では、前記第2被係止部3を、扉取付け用固定部1とは別体の被係止具から構成したが、この第2被係止部3は、扉取付け用固定部1に切削形成された溝状のものであってもよい。
▲5▼ 上述の各実施形態では、食器棚や書棚等の家具の観音開き式開閉扉に設けられるロック装置Bについて説明したが、建具の観音開き式開閉扉に設けられるロック装置Bに対しても本発明の技術を適用することができる。
▲6▼ 上述の各実施形態では、前記一方の開閉扉2Bの上下二箇所にロック装置Bを設けたが、開閉扉2Bの上下方向のいずれか一箇所にロック装置Bを設けて実施してもよい。
▲7▼ 上述の各実施形態では、前記ロック部材5がロック位置にあるとき、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた位置において、該ロック部材5の先端5bと前記係止部材4の被接当面4aとが接当するように構成したが、前記線分Y上においてロック部材5の先端5bと前記係止部材4の被接当面4aとが接当するように構成してもよい。
【0036】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す観音開き式開閉扉を備えた家具の全体斜視図
【図2】(イ)は一方の開閉扉2Bを閉止操作したときの要部の斜視図
(ロ)は両開閉扉2A,2Bが閉じ姿勢にあるときの要部の斜視図
【図3】(イ)は鍵装置Aが係止状態にあるときの水平断面図
(ロ)は鍵装置Aが係止解除操作されたときの水平断面図
【図4】鍵装置Aの分解斜視図
【図5】ロック装置Bの分解斜視図
【図6】ロック装置Bの縦断面側面図
【図7】ロック装置Bの縦断面側正面図
【図8】(イ)は係止部材が係止位置にあるときの縦断面図
(ロ)は係止部材が係止解除位置に移動したときの縦断面図
(ニ)はロック部材がロック位置に揺動したときの縦断面図
【図9】ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材と係止部材との係合状態を示す縦断面図
【図10】第2実施形態を示すロック装置の縦断面図
【図11】第3実施形態を示すロック装置の縦断面図
【図12】(イ)は従来の開閉扉用ロック装置の係止状態を示す要部の側面図
(ロ)は係止解除状態を示す要部の側面図
【符号の説明】
X 揺動軸芯
Y 線分
Z 中心線
P 扉接当面
1 扉取付け用固定部
2A 開閉扉
2B 開閉扉
3 被係止部(第2被係止部)
4 係止部材
4A 係合部
4C 長孔
4a カム面
4b 被接当面
5 ロック部材
5A 揺動軸部
5B ロックアーム部
5b 先端
6 復帰付勢体(捩じりコイルバネ)
7 ケーシング
7a 扉取付け面
8 突出付勢体
8A コイルスプリング
8B コイルスプリング
9 作動アーム
11 凹部
31 ケース
31B 軸受け部
31C 筒状体
31D 受け面
31a 取付け孔
32 蓋体
32A 軸押え部
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンクキャビネットや吊り戸棚或いは食器棚、書棚等に装備される観音開き型式の一対の開閉扉のうち、閉止姿勢にある一方の開閉扉を、他方の開閉扉の閉動を利用して扉取付け用固定部にロックする場合に用いられるロック装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の開閉扉用ロック装置では、図12(イ)、(ロ)に示すように、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉2A,2Bのうち、一方の開閉扉2Bに、扉内面側に突出する板状のブラケット50を取付け、このブラケット50に固着された上下方向に貫通する筒状ガイド部材51に、扉取付け用固定部に固着されたL字状の被係止部材52に対して下方から係合するロック部材53を上下方向に沿って摺動自在に挿入するとともに、前記ロック部材53とブラケット50との間に亘って、該ロック部材53をロック解除位置側である下方に移動付勢するコイルスプリング54を設け、更に、前記ロック部材53の下端部には、他方の開閉扉2Aの内面に設けられたほぼへの字状のカム板55との接当に伴ってロック部材53をコイルスプリング54の弾性付勢力に抗してロック位置に強制作動させるローラ56を枢着していた(例えば、実開昭55−35113号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロック装置によれば、両開閉扉2A,2Bが閉じ姿勢にある状態では、一方の開閉扉2B側のローラ56が他方の開閉扉2A側のカム板55に乗り上げているため、一方の開閉扉2Bを開き操作しても開動することがなく、両開閉扉2A,2Bを常に所定の操作順位で確実に開き作動させることができるものの、一方の開閉扉2Bには、ロック部材53及びコイルスプリング54を備えたブラケット50を取付け、かつ、他方の開閉扉2Aにも、ローラ56との位置を合わせながらカム板55を取付けなければならないため、開閉扉2A,2Bに対する取付け作業に多くの手間を要する。
しかも、他方の開閉扉2Aが開いている状態、つまり、他方の開閉扉2Aのカム板55が一方の開閉扉2Bのローラ56から離脱している状態では、前記コイルスプリング54によってロック部材53がロック解除位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉2Bが扉取付け用固定部に対して非係止状態となり、一方の開閉扉2Bが振動等によって不用意に開くことがあった。
このような一方の開閉扉2Bの不用意な開動を防止するためには、一方の開閉扉2Bに、前記扉取付け用固定部に設けられた第2被係止部材に対して係合及び係合解除自在で、かつ、前記扉取付け用固定部の第2被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該第2係止部材を係止解除位置に移動させるためのカム面を備えた第2係止部材と、該第2係止部材を係合位置に突出付勢するコイルスプリングとを別途取付ける必要があり、開閉扉に対する取付け部品点数の増加によってコストの高騰化と取付け作業能率の低下を招来する問題があった。
【0004】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、両開閉扉を常に所定の操作順位で確実に開き作動させることができるものでありながら、開閉扉に対する取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができ、しかも、一対の開閉扉の少なくとも一方に反り等が発生している状況下において、閉止された一方の開閉扉に地震等によって開き方向の外力が作用しても、該開閉扉がロック解除されることを抑制することのできる開閉扉用ロック装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉のうち、一方の開閉扉に取付けられるケーシングに、前記扉取付け用固定部に設けられた被係止部に対して係合及び係合解除自在な係止部材と、該係止部材を係合位置に突出付勢する突出付勢体と、前記係止部材の被接当面と接当して該係止部材の係合解除位置への移動を接当阻止する揺動自在なロック部材と、該ロック部材をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体と、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材をロック位置に揺動させる作動アームとを組み付けるとともに、前記係止部材の係合部には、前記ロック部材がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部の被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面を形成し、更に、前記係止部材の被接当面には、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端と係合可能な凹部を形成した点にある。
この特徴構成によれば、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉と接当する作動アームによってロック部材が復帰付勢体の付勢力に抗してロック位置に揺動され、係合位置にある係止部材の係合解除位置への移動を接当阻止する。
また、他方の開閉扉が開き操作されると、ロック部材が復帰付勢体の付勢力によってロック位置からロック解除位置に復帰するが、前記係止部材は突出付勢体によって係合位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉は閉止姿勢に係止保持される。
更に、他方の開閉扉が開き操作されている状態では、ロック部材が復帰付勢体の付勢力によってロック解除位置に保持されているため、閉止姿勢に係止保持されている一方の開閉扉に開き方向の操作力を加えると、係合位置にある係止部材のカム面が扉取付け用固定部側の被係止部と接当して、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるから、一方の開閉扉を自由に開閉操作することができる。
更にまた、一対の開閉扉の少なくとも一方に反り等が発生して、前記両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で開閉方向の段差が生ずると、両開閉扉を閉止しても、他方の開閉扉にて作動アームが所定位置にまで押圧移動されないため、ロック部材がロック位置まで揺動されなくなる。その結果、この状態で地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用して、係合位置にある係止部材のカム面と扉取付け用固定部側の被係止部との接当に伴って該係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、前記ロック部材がロック解除位置に揺動されるため、これに連動する作動アームによって他方の開閉扉が強制的に押し開かれる可能性がある。
しかし、本願発明では、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材が係止解除位置側に移動したとき、該係止部材の被接当面に形成された凹部が、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端に係合するから、ロック部材がロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉は閉止姿勢に保持されることになる。
従って、従来装置のように、他方の開閉扉が開き操作されている状態で一方の開閉扉を扉取付け用固定部に閉止姿勢で係止保持するための係止金具を設ける必要がなく、また、前記ケーシングには、係止部材、突出付勢体、ロック部材、作動アーム、復帰付勢体が組み付けられているから、一方の開閉扉にケーシングのみを取付けるだけで済み、従来装置に比して取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができる。
しかも、両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所に発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されていない状況下において、地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用しても、該開閉扉のロックが解除されることを抑制することができる。
【0006】
本発明の請求項2に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、扉取付け用固定部に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉のうち、一方の開閉扉に取付けられるケーシングに、前記扉取付け用固定部に設けられた被係止部に対して係合及び係合解除自在な係止部材と、該係止部材を係合位置に突出付勢する突出付勢体と、前記係止部材の被接当面と接当して該係止部材の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材と、該ロック部材をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体と、一方の開閉扉が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材をロック位置に揺動させる作動アームとを組み付けるとともに、前記係止部材の係合部には、前記ロック部材がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部の被係止部に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材を突出付勢体の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面を形成し、更に、前記係止部材の被接当面を、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端と接当したとき、該ロック部材のロック解除位置側への揺動を阻止可能な傾斜面に形成した点にある。
この構成によれば、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材が係止解除位置側に移動して、該係止部材の傾斜姿勢の被接当面が、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材の先端に接当したとき、このロック部材のロック解除位置側への揺動を接当阻止するから、両開閉扉は閉止姿勢に保持されることになる。
従って、第1請求項の開閉扉用ロック装置と同様に、従来装置のように、他方の開閉扉が開き操作されている状態で一方の開閉扉を扉取付け用固定部に閉止姿勢で係止保持するための係止金具を設ける必要がなく、また、前記ケーシングには、係止部材、突出付勢体、ロック部材、作動アーム、復帰付勢体が組み付けられているから、一方の開閉扉にケーシングのみを取付けるだけで済み、従来装置に比して取付け作業の容易化、能率化、コストの低廉化を図ることができる。
しかも、両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所に発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されていない状況下において、地震等によって開閉扉に開き方向の外力が作用しても、該開閉扉のロックが解除されることを抑制することができる。
【0007】
本発明の請求項3に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材が、前記係止部材の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯周りで揺動自在に構成されているとともに、前記ロック部材がロック位置にあるとき、前記揺動軸芯を通る係止部材の移動方向と平行な線分上又はその線分よりもロック揺動側に越えた位置において、該ロック部材の先端と前記係止部材の被接当面とが接当するように構成されている点にある。
この特徴構成によれば、両開閉扉が閉止姿勢にある状態で一方の開閉扉に開き方向の外力(開き操作力を含む)が作用したとき、係止部材のカム面と扉取付け用固定部側の被係止部との接当に伴って該係止部材を係止解除位置へ移動させる分力が発生するが、このときの分力を、前記揺動軸芯を通る係止部材の移動方向と平行な線分上において、又はその線分よりもロック揺動側へのモーメントが発生する状態でロック部材に受止めさせることができるから、ロック位置にあるロック部材がロック解除側に揺動されることを防止又は抑制することができる。
【0008】
本発明の請求項4に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記凹部が、前記ロック部材の揺動方向に複数形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記両開閉扉を閉止しても、両開閉扉間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材がロック位置にまで揺動されない状況下において、地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、該係止部材の被接当面に形成された複数の凹部のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材の先端に係合し易くなり、その結果、ロック部材がロック解除位置に揺動されることを一層良好に抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項5に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材が、前記係止部材の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯周りで回動する揺動軸部に、前記係止部材の被接当面に接当するロックアーム部を一体形成して構成されているとともに、前記揺動軸部の一端側に前記作動アームが一体形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記ロック部材及び作動アームを一部品として取り扱うことができるから、部品点数の減少によって組付作業の容易化を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項6に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ロック部材の揺動軸部が、前記係止部材の中心線に対して前記ケーシングの扉取付け面側に偏位して配置されている点にある。
この特徴構成によれば、ロック部材の揺動ストロークを、前記係止部材の係合位置と係合解除位置とにわたる移動代に相当する長さに構成しながらも、前記ロック部材の揺動軸部が係止部材の中心線に対して扉取付け面側に偏位した分だけ、扉取付け面に対して直交する方向でのケーシングの厚みを小さくすることができる。
【0011】
本発明の請求項7に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記作動アームの長手方向中間部が前記ロック部材の揺動軸部に連設されているとともに、前記作動アームの扉接当面とケーシングの扉取付け面とが、前記作動アームの扉接当面が他方の開閉扉に面接当した扉閉止時に面一又はほぼ面一となるように構成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記作動アームを利用して閉止操作された両開閉扉を面一又はほぼ面一状態に保持することができるから、扉の召し合わせ構造の簡素化及びコストの低廉化を図ることができる。
【0012】
本発明の請求項8に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ケーシングが、一方の開閉扉に向かって開口するケースと、該ケースの開口を閉止する蓋体とから構成されていて、前記ケースには、ロック部材の揺動軸部を回動自在に受け止める軸受け部を形成するとともに、前記蓋体には、該蓋体をケースに固定したとき、前記軸受け部に受け止められた揺動軸部の抜け出しを相対回動可能な状態で接当阻止する軸押え部が形成されている点にある。
この特徴構成によれば、前記ケーシングにロック部材を組み付ける際、ケースの軸受け部にロック部材の揺動軸部を載置し、この状態で蓋体をケースに固定するだけで、軸受け部に受け止められた揺動軸部の抜け出しを蓋体に設けた軸押え部にて接当阻止することができるから、組付作業の容易化、能率化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項9に記載した開閉扉用ロック装置の特徴構成は、前記ケース内に、ケーシングの扉取付け面側に貫通する取付け孔を備えた筒状体が形成されているとともに、前記係止部材には、該係止部材の係合位置と係合解除位置とにわたる移動を許容する状態で前記筒状体が貫通する長孔を形成し、更に、前記係止部材の前記揺動軸芯方向の両側面に設けた突片と、該突片に対して係止部材の移動方向で相対向するケース内の受け面との間の各々に、前記突出付勢体を構成するコイルスプリングを介装した点にある。
この特徴構成によれば、前記ケーシングに係止部材及び突出付勢体を構成するコイルスプリングを組み付ける際、ケース内の筒状体に係止部材の長孔を嵌め込むことによって、ケースに対する移動範囲が係合位置と係合解除位置とにわたる移動範囲に規制することができるから、前記係止部材の両側面に設けた突片とケース内の受け面との間にそれぞれコイルスプリングを介装するとき、該係止部材が飛び出さないように一々保持する必要がなく、組付作業の容易化を促進することができる。しかも、ケーシングを開閉扉に固定するための取付け孔を形成する筒状体を利用することと、前記係止部材には、筒状体が係入する長孔が形成されていることとにより、ケースの構造の簡素化と係止部材の軽量化とを図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図9に示すように、扉取付け用固定部1の左右の側板(又は縦框)1A,1Bの各々に縦軸芯周りで揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉2A,2Bのうち、他方の開閉扉2Aの上下方向中央部に、一方の開閉扉2Bに設けられた第1被係止部13に水平又はほぼ水平方向から係合して両開閉扉2A,2Bを閉じ姿勢に保持するラッチ本体14と、他方の開閉扉2Aの前面側からの操作によって前記ラッチ本体14を係合解除作動させる操作軸16とを備えた鍵装置Aを設けてある。
また、前記一方の開閉扉2Bの上下両端部の各々には、扉取付け用固定部1の天板(又は上框)1C及び底板(又は下框)1Dの各々に設けられた第2被係止部3に対して上下方向から係合及び係合解除自在な係止部材4と、該係止部材4を係合位置に突出付勢するための突出付勢体8を構成する一対のコイルスプリング8A,8Bと、前記係止部材4の基端側に形成された被接当面4bと接当して該係止部材4の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材5と、該ロック部材5をロック解除位置に復帰付勢するための復帰付勢体の一例である捩じりコイルバネ6と、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aが閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉2Aとの接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材5をロック位置に揺動させる作動アーム9とをケーシング7に組み付けてなるロック装置Bが取付けられている。
更に、前記係止部材4の係合部4Aには、前記ロック部材5がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部1の第2被係止部3に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材4を一対のコイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面4aが形成されている。
【0015】
次に、前記鍵装置Aの具体的構成について説明する。
図3(イ)、(ロ)及び図4に示すように、他方の開閉扉2Aの一側面にビス等で取付けられるABS樹脂製のケーシング10に、当該ケーシング10に形成された開口12を通して一方の開閉扉2Bに設けられた第1被係止部13に係合可能な係合部14Aを備えたジュラコン樹脂製のラッチ本体14と、当該ラッチ本体14を係合側に突出付勢するための弾性付勢体の一例である一対のコイルスプリング15、及び、前記ラッチ本体14の出退方向に対して直交する方向(ほぼ直交方向を含む)に移動自在なジュラコン樹脂製の筒状の操作軸16とを設けるとともに、前記ラッチ本体14には、前記操作軸16の一端部に設けた押圧体17と接当し、かつ、その接当状態での操作軸16の開閉扉2Aの表面側への引張操作に連れて前記ラッチ本体14を両コイルスプリング15の弾性復元力に抗して係合解除位置に移動させるカム面18を形成し、更に、前記操作軸16の他端部には、当該操作軸16の一端側(開閉扉Aの裏面側)から挿入した連結ボルト19を介して摘み等の操作部材20を固定連結してある。
【0016】
前記ケーシング10は、前記操作軸16の他端側に向かって開口するケース21と、当該ケース21の開口を閉止する状態で当該ケース21の開口周縁に形成された段部に着脱自在に嵌合保持される蓋体22とから構成されているとともに、前記蓋体22には、前記操作軸16の他端部側を軸芯方向に沿って摺接移動自在に案内する円筒状のガイド筒部22Aが突出形成されている。
【0017】
前記ケース21の側壁21Aの長辺方向に沿う内面の各々には、前記ラッチ本体14のうち、該ラッチ本体14の出退方向及び操作軸16の軸芯方向に対して共に直交する方向の両側面の各々に突出形成したバネ受け部14Bが前記出退方向に沿って移動自在に係入する凹部21Bが形成されているとともに、前記各凹部21Bのうち、ラッチ本体14のバネ受け部14Bに形成した円柱状のバネ抜止用突起に相対向する端面の各々を、前記バネ受け部14Bとの間でコイルスプリング15を保持するためのバネ受け部21Cに構成してある。
また、前記ケース21の短辺方向に沿う一方の側壁21Aには、前記ラッチ本体14の先端に形成された先窄まり形状(ほぼ三角柱状)の係合部14Aが出退移動する開口12が切欠き形成されている。
【0018】
前記ケース21の天板部21Dの内面には、操作軸16に形成された四角柱状部16Aを軸芯方向にのみ摺動自在に案内する一対のガイド板23が、前記ラッチ本体14の出退方向に間隔を隔てて一体的に突出形成され、この両ガイド板23のガイド面の各々には、操作軸16の四角柱状部16Aの外面に軸芯方向に沿って形成された横断面ほぼVの字状の縦溝16aに係合するほぼ三角柱状の突条23aが一体成形されている。
【0019】
前記ラッチ本体14には、当該ラッチ本体14の係合位置と係合解除位置とにわたる出退移動を許容する状態で操作軸16の一端部及び前記両ガイド板23が入り込む矩形状の貫通孔24を形成し、この貫通孔24に臨むラッチ本体14の内面と操作軸16の外面とのうち、前記ラッチ本体14の出退方向及び操作軸16の軸芯方向に対してそれぞれ直交又はほぼ直交する方向で相対向する部位の各々に、前記カム面18を備えたほぼVの字状のカム溝25と、前記押圧体17を構成する長円柱状の押圧突起とを形成してある。
前記押圧突起17は、図3(イ)に示すように、前記ラッチ本体14が両コイルスプリング15の弾性復元力でケース21外方に最大限突出した係合位置に保持されているとき、カム溝25のカム面18の山部(頂部)側の一端部(開閉扉2Aの裏面から最も離れる側の一端部)に位置するように構成されているとともに、この係合状態では、前記操作軸16の四角柱状部16Aに形成された縦溝16aの一端部に対して、ケース21側の両突条23aの端面が軸芯方向から当接し、かつ、前記操作部材20の端面が前記蓋体22のガイド筒部22Aの端面に接触する後述のガイド筒27に対して軸芯方向から当接するように構成されている。
【0020】
しかし、前記開閉扉2Aに対するケーシング10の取付け位置誤差等によっては、押圧突起17がカム面18の山部(頂部)に移動するまでに、ラッチ本体14の係合部14Aの先端が第1被係止部13に当接して、この当接状態から押圧突起17がカム面18の山部(頂部)に位置するまでの範囲において、操作軸16がラッチ本体14側に押し込み移動自在となる。つまり、操作軸16に連結された操作部材20に前記範囲でガタ付き(遊び)が発生することになるが、当該第1実施形態では、前記蓋体22のガイド筒部22A内で、かつ、該ガイド筒部22Aの端部に形成した鍔部22bと前記操作軸16の四角柱状部16Aの他端面との間に、操作軸16を軸芯方向の一端側に移動付勢する、換言すれば、前記操作軸16の四角柱状部16Aに形成された縦溝16aの一端部に対して、ケース21側の両突条23aの端面が軸芯方向から当接し、かつ、前記操作部材20の端面がガイド筒27の端面に対して軸芯方向から当接するように、前記操作軸16を軸芯方向の一端側に移動付勢する第2弾性付勢体の一例である圧縮コイルスプリング26を介在してあるため、操作軸16に連結された操作部材20にガタ付き(遊び)が発生することがない。
【0021】
前記両ガイド板23の幅方向両端面、及び、この両端面と同じ側に位置する操作軸16の外面部分の各々が、前記ラッチ本体14の貫通孔24に臨む内面との接当によって当該ラッチ本体14を出退自在に摺動案内するガイド面に構成されているとともに、前記ケース21の天板部21Dには、前記連結ボルト19を操作軸16の筒孔を通して操作部材20の雌ネジ部に螺合操作するための貫通孔21bが形成されている。
また、前記開閉扉2Aに形成された貫通孔28には、操作部材20の筒部を引張操作自在に摺動案内するABS樹脂製のガイド筒27が取付けられている。
【0022】
前記第1被係止部13は、一方の開閉扉2Bにビス29Aにて固定するための第1ビス孔13Aを備えたナイロン樹脂等の合成樹脂製の取付け基材13Bと、該取付け基材13Bにビス29Bにて固定するための第2ビス孔13Cを備えたナイロン樹脂等の合成樹脂製の被係止部材13Dとからなる受け具から構成されている。
そして、前記取付け基材13Bと被係止部材13Dとの相対向する取付け面には、取付け基材13Bに対して被係止部材13Dを取付け面方向に沿う複数位置で係合保持する波形状の係合部13b,13dを形成するとともに、前記第1ビス孔13Aを、開閉扉2Bに対する取付け基材13Bの取付け位置変更を一定範囲内で許容する長孔に形成し、更に、前記第2ビス孔13Cを、取付け基材13Bに対する被係止部材13Dの取付け位置変更を一定範囲内で許容する長孔に形成してある。
【0023】
また、前記ラッチ本体14の係合部14Aの扉背面側は、前後方向(扉厚み方向)及び左右方向に対して共に45度の角度で傾斜するカム面14aに形成されていて、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aを閉じ位置に揺動操作したとき、前記ラッチ本体14のカム面14aと第1被係止部13との接当に伴って該ラッチ本体14が一時的に両コイルスプリング15の付勢力に抗して係合解除位置側に引退移動したのち、再び両コイルスプリング15の付勢力で係合位置に突出移動して第1被係止部13の被係止部材13Dに係合するから、他方の開閉扉2Aを閉じ位置に揺動操作する度に、前記操作部材20を係合解除操作する必要がない。
更に、前記ラッチ本体14の係止面14b及び第1被係止部13の係止面13aの各々が左右方向(扉開閉方向に対して交差する方向)に沿う姿勢で形成されているため、両開閉扉2A,2Bが閉止姿勢にある状態で少なくとも何れか一方に開き方向の外力(地震による衝撃や収納物の落下等で、前記操作部材20の引張操作以外の操作力も含む)が作用したときでも、前記ロック装置Bがロック状態に保持されている限り、両開閉扉2A,2Bは閉止姿勢に保持される。
【0024】
次に、前記ロック装置Bの具体的構成について説明する。
図2(イ),(ロ)、図5〜図9に示すように、前記一方の開閉扉2Bに対する扉取付け面7aを備えたABS樹脂等の合成樹脂製のケーシング7は、前記扉取付け面7a側に向かって開口するケース31と、該ケース31の開口を閉止する状態で当該ケース31の開口周縁に形成された段部に着脱自在に嵌合保持される蓋体32とから構成されていて、該蓋体32の表面が前記の扉取付け面7aに構成されている。
【0025】
前記ロック部材5は、ABS樹脂等の合成樹脂で成形された前記係止部材4の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯X周りで回動する揺動軸部5Aの軸芯方向中間部分に、前記係止部材4の基端側の被接当面4bに接当するほぼレの字状のロックアーム部5Bを一体形成して構成されているとともに、前記揺動軸部5Aの一端部には、他方の開閉扉2Aに面接当可能な直線状の作動アーム9を一体形成してある。
つまり、前記揺動軸部5Aとロックアーム部5Bとを備えたロック部材5は、前記作動アーム9とジュラコン樹脂等の合成樹脂で一体成形されていて、前記ケーシング7に対して、前記揺動軸部5Aの一端部に位置する作動アーム9が外部に突出する状態で、かつ、前記揺動軸部5Aが係止部材4の中心線Zに対してケーシング7の扉取付け面7a側、換言すれば、蓋体32側に偏位する状態で組み付けられている。
前記作動アーム9は、その長手方向中間部が揺動軸部5Aの一端部に連設されているとともに、該作動アーム9の扉接当面Pとケーシング7の扉取付け面7aとが、前記作動アーム9の扉接当面Pが他方の開閉扉2Aに面接当した扉閉止時に面一(扉面と平行な同一平面上に位置する)又はほぼ面一状態となるように構成されている。
そして、前記作動アーム9が、閉止操作された両開閉扉2A,2Bを面一状態で接当保持するための召し合わせ部に兼用構成されている。
また、前記揺動軸部5Aの他端部には、前記捩じりコイルバネ6の一端を係止保持するバネ係止溝5aを形成するとともに、前記捩じりコイルバネ6の他端を、ケース31の内面に接当させてある。
【0026】
前記係止部材4が係合位置に保持され、かつ、ロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置にあるとき、前記ロックアーム部5Bの先鋭な先端5bに連なる外側面5c及び係止部材4の被接当面4bの各々が、係止部材4の移動方向に対して直交する方向に沿う互いに平行な偏平面に形成され、更に、前記係止部材4が係合位置に保持されている状態でロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されたとき、前記ロックアーム部5Bの外側面5cと係止部材4の被接当面4bとが、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた部位にロックアーム部5Bの先端5bが位置する状態で近接位置するように構成されている。
そして、前記係止部材4の被接当面4bには、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロックアーム部5Bの先端5bが係合可能で、かつ、その係合状態では揺動軸芯X周りでのロックアーム部5Bの先端5b移動軌跡と交差する二つ(一つ又は三つ以上であってもよい)のV溝状の凹部11が、前記ロック部材5の揺動方向に所定間隔を隔てて形成されている。
前記凹部11は、係止部材4がコイルスプリング8A,8Bの弾性付勢力で係合位置に保持されている状態では、ロック解除位置にあるロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されても、該ロックアーム部5Bの先端5bと係合することはない。
【0027】
また、前記ロックアーム部5Bの先端部は、図8の(イ)に示すように、該ロックアーム部5Bがロック解除位置にあるとき、前記係止部材4の移動方向にほぼ沿う姿勢に構成され、更に、前記係止部材4の基端部側には、該係止部材4が係合解除位置に移動したとき、ロック解除位置にあるロックアーム部5Bの先端部が入り込む凹部4Bが形成されている。
そのため、前記係止部材4を係合位置と係合解除位置とに亘って移動自在に構成しながらも、ロックアーム部5Bの先端部が係止部材4の凹部4Bに入り込む分だけケーシング7をコンパクトに構成することができる。
【0028】
前記ケース31の揺動軸芯X方向で相対向する側壁31Aには、ロック部材5の揺動軸部5Aを回動自在に受け止める軸受け部31Bを形成するとともに、前記蓋体32の内面には、該蓋体32をケース31に嵌合したとき、前記軸受け部31Bに受け止められたロック部材5の揺動軸部5Aに相対回動可能な状態で接当して該揺動軸部5Aの抜け出しを阻止する一対の軸押え部32Aが形成されている。
また、前記ケース31及び蓋体32のうち、前記揺動軸芯X方向の中央位置で、かつ、前記係止部材4の移動方向に間隔を隔てた2箇所の各々に、一方の開閉扉2Bにケーシング7をビス14にて固定するための取付け孔31a,32aを形成するとともに、前記ケース31内には、扉取付け面7a側に向かって貫通する前記取付け孔31aを備えた筒状体31Cが形成されているとともに、前記係止部材4には、該係止部材4の係合位置と係合解除位置とにわたる移動を許容する状態で前記筒状体31Cが貫通する長孔4Cを形成し、更に、前記係止部材4の前記揺動軸芯X方向の両側面に設けた突片4Dと、該突片4Dに対して係止部材4の移動方向で相対向するケース31内の受け面31Dとの間の各々に、前記コイルスプリング8A,8Bを介装してある。
【0029】
前記ケース31の内面と蓋体32の内面には、前記係止部材4の表裏両面の各二箇所に形成された移動方向に沿うV字状の係止溝4Eに摺動自在に係入する横断面三角形状のガイド突起31E,32Bが形成されているとともに、前記ケース31の一方の側壁31Aの扉取付け面7a側には、一方の開閉扉2Bのケーシング取付け面2bに対して直交する端面で、かつ、前記係止部材4の移動方向に沿う端面に接当可能な位置決め用の突条31Fが一体形成されている。
そして、前記ケーシング7を一方の開閉扉2Bに取付ける際、該ケーシング7の扉取付け面7a側に形成した前記位置決め用の突条31Fを、一方の開閉扉2Bの鉛直方向に沿う端面に当て付けることにより、該ケーシング7に組み付けられた係止部材4の鉛直精度を簡単に出すことができる。
【0030】
前記第2被係止部3は、前記扉取付け用固定部1にビス35にて固定するための取付け孔3aと、前記係止部材4の係合部4Aが係入可能なほぼVの字状に開口する凹部3bとを備えたナイロン等の合成樹脂製の被係止具から構成されている。
【0031】
尚、前記一方の開閉扉2Bは、前記扉取付け用固定部1に固定された第2被係止部3との接当によって閉止位置が決められ、また、他方の開閉扉2Aは、前記一方の開閉扉2Bに設けられたストッパー37及び前記作動アーム9との接当によって閉止位置が決められていて、その閉止位置では、両開閉扉2A,2Bが面一状態となるように構成されている。
【0032】
そして、上述の如く構成されたロック装置Bによれば、一方の開閉扉2Bが閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉2Aが閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉2Bと接当する作動アーム9によって、ロック解除位置に保持されていたロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力に抗してロック位置に揺動され、係合位置にある係止部材4の係合解除位置への移動を接当阻止する。
また、他方の開閉扉2Aが開き操作されると、ロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力によってロック位置からロック解除位置に復帰するが、前記係止部材4は両コイルスプリング8A,8Bによって係合位置に付勢保持されているため、一方の開閉扉2Bは閉止姿勢に係止保持される。
更に、他方の開閉扉2Aが開き操作されている状態では、前記ロック部材5が捩じりコイルバネ6の付勢力でロック解除位置に保持されているから、閉止姿勢に係止保持されている一方の開閉扉2Bに開き方向の操作力を加えると、係合位置にある係止部材4のカム面4aが扉取付け用固定部1側の第2被係止部3の凹部3bと接当して、該係止部材4を両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置に移動させるから、一方の開閉扉2Bを自由に開閉操作することができる。
更にまた、一対の開閉扉2A,2Bの少なくとも一方に反りが発生したり、或いは、扉取付け用固定部1に対する開閉扉2A,2Bの開閉方向(前後方向)での取付け誤差等が発生して、閉止姿勢にある両開閉扉2A,2B間のケーシング取付け相当箇所で開閉方向の段差が生ずると、両開閉扉2A,2Bを閉止しても、他方の開閉扉2Aにて作動アーム9が所定位置にまで押圧移動されないため、ロック部材5がロック位置まで完全に揺動されなくなる。
この状況下で両開閉扉2A,2Bの少なくとも一方に開き方向の外力(地震時の振動や収納物品の落下による衝撃等)が作用して、係合位置にある係止部材4のカム面4aと扉取付け用固定部1側の第2被係止部3の凹部3bとの接当に伴って該係止部材4に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材4が両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置側へ移動したとき、該係止部材4の被接当面4bに形成された複数の凹部11のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材5の先鋭な先端5bに係合する。
この係合状態では、図9に示すように、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と凹部11の内面とが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図10は、上記第1実施形態で説明したロック装置Bの係止部材4及びロック部材5の別実施形態を示し、前記係止部材4が係合位置に保持され、かつ、ロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置にあるとき、前記ロックアーム部5Bの先鋭な先端5bに連なる外側面5c及び係止部材4の被接当面4bの各々が、ロック部材5のロック揺動側(蓋体32の存在側)の端部ほど該ロック部材5の揺動軸芯X側に突出する平行又はほぼ平行な傾斜面に形成されているとともに、前記係止部材4が係合位置に保持されている状態でロック部材5のロックアーム部5Bがロック位置に揺動されたとき、前記ロックアーム部5Bの外側面5cと係止部材4の被接当面4bとが、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた部位にロックアーム部5Bの先端5bが位置する状態で面接当又は近接位置するように構成されている。
また、前記係止部材4の被接当面4bの全域には、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロックアーム部5Bの先端5bが係合可能で、かつ、その係合状態では揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と交差する複数のV溝状の凹部11が、前記ロック部材5の揺動方向に沿って波形状に連続形成されている。
この第2実施形態においても、前記の第1実施形態と同様に、前記移動分力によって係止部材4が両コイルスプリング8A,8Bの付勢力に抗して係止解除位置側へ移動したとき、該係止部材4の被接当面4bに形成された複数の凹部11のいずれかが、ロック位置よりも係合解除位置側にあるロック部材5の先鋭な先端5bに係合する。
この係合状態では、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と凹部11の内面とが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
その他の構成は、上述の第1実施形態と同一である。
【0034】
〔第3実施形態〕
図11は、上記第1実施形態で説明したロック装置Bの係止部材4及びロック部材5の別実施形態を示し、前記係止部材4の被接当面4bを、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bと接当したとき、該ロック部材5のロック解除位置への揺動を接当阻止可能な傾斜面、つまり、ロック部材5のロック解除揺動側(ケース31の天板側)の端部ほど該ロック部材5の揺動軸芯X側に突出する傾斜面に形成してある。
この構成によれば、前記両開閉扉2A,2Bを閉止しても、両開閉扉2A,2B間のケーシング取付け相当箇所で発生した開閉方向の段差によって、ロック部材5がロック位置にまで揺動されない場合でも、この状態で地震や人為操作等によって一方の開閉扉に開き方向の外力が作用して、前記係止部材4に係止解除位置側への移動分力が作用したとき、つまり、前記移動分力によって係止部材4が係止解除位置側に移動して、該係止部材4の傾斜姿勢の被接当面4bが、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bに接当する。この接当状態では、前記揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と係止部材4の傾斜姿勢の被接当面4bとが交差するため、前記係止部材4に作用している移動分力に抗して該係止部材4を係合位置側に移動させるだけの力が作用しない限り、ロック部材5はロック解除位置に揺動されることがなく、両開閉扉2A,2Bは共に閉止姿勢に保持されることになる。
その他の構成は、上述の第1実施形態と同一である。
尚、当該第3実施形態では、前記係止部材4の被接当面4bを一直線状の傾斜面に形成したが、少し湾曲するような傾斜面に形成してもよい。
要するに、前記係止部材4の被接当面4bを構成する傾斜面としては、前記移動分力によって係止部材4が係止解除位置側に移動して、該係止部材4の被接当面4bが、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材5の先端5bに接当したとき、このロック部材5のロック解除位置への揺動を接当阻止する、つまり、揺動軸芯X周りでのロック部材5の先端5b移動軌跡と交差する傾斜面であればよく、好ましくは、ロック部材5の先端5bをロック位置側に押圧付勢できるものであれば一層よい。
【0035】
〔その他の実施形態〕
▲1▼ 上述の各実施形態では、前記作動アーム9をロック部材5と一体形成したが、該作動アーム9を、ロック部材5の揺動軸芯Xと平行な軸芯周りで揺動自在にケーシング7に組み付けるとともに、この作動アーム9とロック部材5とをギヤやリンク等の機械的手段で連動させてもよい。
▲2▼ 上述の各実施形態では、前記突出付勢体8を一対のコイルスプリング8A,8Bから構成したが、一つのコイルスプリングから構成してもよく、また、皿バネや弾性ゴム等の他の弾性付勢体を用いて実施してもよい。
▲3▼ 上述の各実施形態では、前記復帰付勢体6を捩じりコイルバネから構成したが、コイルスプリング等の他の弾性付勢体から構成して実施してもよい。
▲4▼ 上述の各実施形態では、前記第2被係止部3を、扉取付け用固定部1とは別体の被係止具から構成したが、この第2被係止部3は、扉取付け用固定部1に切削形成された溝状のものであってもよい。
▲5▼ 上述の各実施形態では、食器棚や書棚等の家具の観音開き式開閉扉に設けられるロック装置Bについて説明したが、建具の観音開き式開閉扉に設けられるロック装置Bに対しても本発明の技術を適用することができる。
▲6▼ 上述の各実施形態では、前記一方の開閉扉2Bの上下二箇所にロック装置Bを設けたが、開閉扉2Bの上下方向のいずれか一箇所にロック装置Bを設けて実施してもよい。
▲7▼ 上述の各実施形態では、前記ロック部材5がロック位置にあるとき、前記揺動軸芯Xを通る係止部材4の移動方向と平行な線分Yよりもロック揺動側に越えた位置において、該ロック部材5の先端5bと前記係止部材4の被接当面4aとが接当するように構成したが、前記線分Y上においてロック部材5の先端5bと前記係止部材4の被接当面4aとが接当するように構成してもよい。
【0036】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す観音開き式開閉扉を備えた家具の全体斜視図
【図2】(イ)は一方の開閉扉2Bを閉止操作したときの要部の斜視図
(ロ)は両開閉扉2A,2Bが閉じ姿勢にあるときの要部の斜視図
【図3】(イ)は鍵装置Aが係止状態にあるときの水平断面図
(ロ)は鍵装置Aが係止解除操作されたときの水平断面図
【図4】鍵装置Aの分解斜視図
【図5】ロック装置Bの分解斜視図
【図6】ロック装置Bの縦断面側面図
【図7】ロック装置Bの縦断面側正面図
【図8】(イ)は係止部材が係止位置にあるときの縦断面図
(ロ)は係止部材が係止解除位置に移動したときの縦断面図
(ニ)はロック部材がロック位置に揺動したときの縦断面図
【図9】ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材と係止部材との係合状態を示す縦断面図
【図10】第2実施形態を示すロック装置の縦断面図
【図11】第3実施形態を示すロック装置の縦断面図
【図12】(イ)は従来の開閉扉用ロック装置の係止状態を示す要部の側面図
(ロ)は係止解除状態を示す要部の側面図
【符号の説明】
X 揺動軸芯
Y 線分
Z 中心線
P 扉接当面
1 扉取付け用固定部
2A 開閉扉
2B 開閉扉
3 被係止部(第2被係止部)
4 係止部材
4A 係合部
4C 長孔
4a カム面
4b 被接当面
5 ロック部材
5A 揺動軸部
5B ロックアーム部
5b 先端
6 復帰付勢体(捩じりコイルバネ)
7 ケーシング
7a 扉取付け面
8 突出付勢体
8A コイルスプリング
8B コイルスプリング
9 作動アーム
11 凹部
31 ケース
31B 軸受け部
31C 筒状体
31D 受け面
31a 取付け孔
32 蓋体
32A 軸押え部
Claims (9)
- 扉取付け用固定部(1)に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉(2A,2B)のうち、一方の開閉扉(2B)に取付けられるケーシング(7)に、前記扉取付け用固定部(1)に設けられた被係止部(3)に対して係合及び係合解除自在な係止部材(4)と、該係止部材(4)を係合位置に突出付勢する突出付勢体(8)と、前記係止部材(4)の被接当面(4b)と接当して該係止部材(4)の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材(5)と、該ロック部材(5)をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体(6)と、一方の開閉扉(2B)が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉(2A)が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉(2A)との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材(5)をロック位置に揺動させる作動アーム(9)とを組み付けるとともに、前記係止部材(4)の係合部(4A)には、前記ロック部材(5)がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部(1)の被係止部(3)に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材(4)を突出付勢体(8)の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面(4a)を形成し、更に、前記係止部材(4)の被接当面(4b)には、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材(5)の先端(5b)と係合可能な凹部(11)を形成してある開閉扉用ロック装置。
- 扉取付け用固定部(1)に揺動開閉自在に取付けられる一対の開閉扉(2A,2B)のうち、一方の開閉扉(2B)に取付けられるケーシング(7)に、前記扉取付け用固定部(1)に設けられた被係止部(3)に対して係合及び係合解除自在な係止部材(4)と、該係止部材(4)を係合位置に突出付勢する突出付勢体(8)と、前記係止部材(4)の被接当面(4b)と接当して該係止部材(4)の係合解除位置への移動を阻止する揺動自在なロック部材(5)と、該ロック部材(5)をロック解除位置に復帰付勢する復帰付勢体(6)と、一方の開閉扉(2B)が閉じ姿勢にある状態で他方の開閉扉(2A)が閉じ位置に揺動操作されたとき、この他方の開閉扉(2A)との接当に伴ってロック解除位置にあるロック部材(5)をロック位置に揺動させる作動アーム(9)とを組み付けるとともに、前記係止部材(4)の係合部(4A)には、前記ロック部材(5)がロック解除位置に付勢保持されている状態で扉取付け用固定部(1)の被係止部(3)に対して扉開閉方向から接当したとき、該係止部材(4)を突出付勢体(8)の付勢力に抗して係止解除位置に移動させるカム面(4a)を形成し、更に、前記係止部材(4)の被接当面(4b)を、ロック位置よりもロック解除位置側にあるロック部材(5)の先端(5b)と接当したとき、該ロック部材(5)のロック解除位置側への揺動を阻止可能な傾斜面に形成してある開閉扉用ロック装置。
- 前記ロック部材(5)が、前記係止部材(4)の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯(X)周りで揺動自在に構成されているとともに、前記ロック部材(5)がロック位置にあるとき、前記揺動軸芯(X)を通る係止部材(4)の移動方向と平行な線分(Y)上又はその線分(Y)よりもロック揺動側に越えた位置において、該ロック部材(5)の先端(5b)と前記係止部材(4)の被接当面(4a)とが接当するように構成されている請求項1又は2記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記凹部(11)が、前記ロック部材(5)の揺動方向に複数形成されている請求項1記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記ロック部材(5)が、前記係止部材(4)の移動方向に対して直交又はほぼ直交する軸芯(X)周りで回動する揺動軸部(5A)に、前記係止部材(4)の被接当面(4b)に接当するロックアーム部(5B)を一体形成して構成されているとともに、前記揺動軸部(5A)の一端側に前記作動アーム(9)が一体形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記ロック部材(5)の揺動軸部(5A)が、前記係止部材(4)の中心線(Z)に対して前記ケーシング(7)の扉取付け面(7a)側に偏位して配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記作動アーム(9)の長手方向中間部が揺動軸部(5A)に連設されているとともに、前記作動アーム(9)の扉接当面(P)とケーシング(7)の扉取付け面(7a)とが、前記作動アーム(9)の扉接当面(P)が他方の開閉扉(2A)に面接当した扉閉止時に面一又はほぼ面一状態となるように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記ケーシング(7)が、一方の開閉扉(2B)に向かって開口するケース(31)と、該ケース(31)の開口を閉止する蓋体(32)とから構成されていて、前記ケース(31)には、ロック部材(5)の揺動軸部(5A)を回動自在に受け止める軸受け部(31B)を形成するとともに、前記蓋体(32)には、該蓋体(32)をケース(31)に固定したとき、前記軸受け部(31B)に受け止められた揺動軸部(5A)の抜け出しを相対回動可能な状態で接当阻止する軸押え部(32A)が形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の開閉扉用ロック装置。
- 前記ケース(31)内には、ケーシング(7)の扉取付け面(7a)側に向かって貫通する取付け孔(31a)を備えた筒状体(31C)が形成されているとともに、前記係止部材(4)には、該係止部材(4)の係合位置と係合解除位置とにわたる移動を許容する状態で前記筒状体(31C)が貫通する長孔(4C)を形成し、更に、前記係止部材(4)の前記揺動軸芯(X)方向の両側面に設けた突片(4D)と、該突片(4D)に対して係止部材(4)の移動方向で相対向するケース(31)内の受け面(31D)との間の各々に、前記突出付勢体(8)を構成するコイルスプリング(8A,8B)を介装してある請求項8記載の開閉扉用ロック装置。
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