JP3619924B2 - 自動現像装置及び自動現像装置の温調完了判断方法 - Google Patents

自動現像装置及び自動現像装置の温調完了判断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の処理槽に収容された処理液中に順次感光材料を搬送して、感光材料を処理する自動現像装置に関し、特に、処理液を許容温度範囲内まで加熱する際に、許容温度範囲内に達したかどうかの判断に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動現像装置は、複数の処理槽に収容された処理液中に順次感光材料を搬送して、感光材料を処理するものである。ハロゲン化銀感光材料である写真感光材料(カラーもしくはモノクロのネガフィルムやペーパーなど)やX線感光材料や印刷用感光材料などの感光材料は、現像(発色現像を含む)、定着(漂白・定着を含む)、水洗(安定化を含む)の各処理を行うことにより、感光材料が顕像化される。これら各処理に際して、所期の処理を行うためには、複数の処理槽に収容された各処理液を所定の温度に保つ(許容温度範囲内に保つ)ことが必要である。そのため、従来の自動現像装置では、電源を切った(電源断の)状態から、各処理槽に収容された処理液を許容温度範囲内にまで上昇させて、許容温度範囲内に達したら処理可能となり、許容温度範囲内に達していなければ処理ができないようになっている。
【0003】
従来の自動現像装置は、温度を上昇させてから許容温度範囲内に達したかどうかは、各処理槽に設けられた測定手段であるセンサにより処理液の温度を直接的又は間接的に測定する判断をしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の自動現像装置においては、各処理槽にセンサを設ける必要があるため、その分コストがかかる。
【0005】
そこで、本発明では、測定手段の数を減らして低コストを図るとともに、少ない測定手段であっても、処理液を許容温度範囲内まで加熱する際に、許容温度範囲内に達したかどうかの判断が最適になされる自動現像装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
自動現像装置の処理槽に収容される処理液は、所定の温度に保つ必要があるが、この所定の温度にも許容温度範囲がある。即ち、処理液メーカーが所期の性能を得るために各処理液の所定の温度と所定の温度幅を提示し、その範囲内(許容温度範囲という)で使用するよう勧めている。例えば、ネガフィルムの自動現像装置の場合は発色現像処理槽、漂白処理槽、定着処理槽、安定処理槽の4つの処理槽を有しており、これら各処理槽に収容される処理液である発色現像液、漂白液、定着液、安定液の所定の温度と所定の温度幅は、処理液メーカー(コニカ)により、それぞれ38.0±0.3℃、38.0±3℃、38.0±3℃、38.0+5,−8℃を提示している。即ち、発色現像液、漂白液、定着液、安定液の許容温度範囲は、それぞれ37.7〜38.3℃、35.0〜41.0℃、35.0〜41.0℃、30.0〜43.0℃となり、この許容温度範囲内であれば、所期の性能を発揮することができる。これからわかるように、処理槽に収容された処理液は、複数の槽で許容温度範囲が重なる(上述のコニカのネガフィルムの現像の場合は全てが重なる)。本発明では、以下の構成をとることにより、この許容温度範囲が重なることを利用して、測定手段の数を減らすとともに、許容温度範囲内に達したかどうかの判断を最適に行うことができる。
【0007】
(1) 感光材料を処理する自動現像装置が有する複数の処理槽に収容された処理液が、許容温度範囲内に達したかどうかを判断する自動現像装置の温調完了判断方法において、ヒーターにより流体を加熱し、加熱された流体を前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽中に流すことにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱する加熱手段を有し、前記加熱手段により、前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱し、測定手段により、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液のうち1つの処理液の液温度を測定し、前記測定手段により測定された液温度が所定温度に達してから、所定の待ち時間を経過することにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液が許容温度範囲内に達したと判断することを特徴とする自動現像装置の温調完了判断方法。
【0008】
(2) 前記待ち時間は、前記自動現像装置の周囲の温度に応じて定められることを特徴とする(1)に記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
【0009】
(3) 前記測定手段は、前記加熱手段による加熱開始時に液温度の測定をし、該液温度に基づいて前記周囲の温度が決定されることを特徴とする(2)に記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
【0010】
(4) 前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、前記待ち時間は、中断されたときの状態に応じて定められることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
【0011】
(5) 前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、前記待ち時間は、中断されてから再加熱するまでの時間に応じて定められることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1つに記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
【0013】
) 複数の処理槽に収容された処理液中に順次感光材料を搬送して、感光材料を処理する自動現像装置において、ヒーターにより流体を加熱し、加熱された流体を前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽中に流すことにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱する加熱手段と、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液のうち1つの処理液の液温度を測定する測定手段と、所定の待ち時間を定める演算手段と、前記加熱手段により処理液を許容温度範囲内に加熱する際に、前記測定手段により測定された液温度が所定温度に達してから、前記演算手段により定められた前記待ち時間の経過を計時する計時手段と、前記計時手段により前記待ち時間の経過を検知すると、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液が許容温度範囲内に達したと判断する判断手段とを有することを特徴とする自動現像装置。
【0014】
) 前記演算手段は、前記自動現像装置の周囲の温度に応じて、所定の待ち時間を定めることを特徴とする()に記載の自動現像装置。
【0015】
) 前記周囲の温度は、前記加熱手段による加熱開始時に前記測定手段により測定された液温度に基づいて決定されることを特徴とする()に記載の自動現像装置。
【0016】
) 前記演算手段は、前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、中断されたときの状態に応じて前記待ち時間を定めることを特徴とする()〜()の何れか1つに記載の自動現像装置。
【0017】
10) 前記演算手段は、前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、中断されてから再加熱するまでの時間に応じて前記待ち時間を定めることを特徴とする()〜()の何れか1つに記載の自動現像装置。
【0018】
11) 前記少なくとも2つの処理槽は、各処理槽に収容される処理液の許容温度範囲が重なることを特徴とする()〜(10)の何れか1つに記載の自動現像装置。
【0020】
12) 前記流体は、現像液であることを特徴とする(6)〜(11)に記載の自動現像装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を適用する感光材料を処理する自動現像装置について説明する。図1は、135mmのカラーネガフィルムを処理する自動現像装置の断面構成図である。なお、以下の説明では、自動現像装置として135mmのカラーネガフィルム用の自動現像装置で行うが、本発明を適用する自動現像装置としてはこれに限られることなく、カラーペーパー用の自動現像装置、X線用フィルム自動現像装置、印刷用感光材料自動現像装置などにも適用できることはいうまでもない。
【0022】
感光材料としてのカラーネガフィルムは、パトローネ2に収納され、図示しないショートリーダに接着テープでその先端を接合され、自動現像装置1の挿入部10の止め金11を外して蓋12を開けて挿入部10のホルダー13に装填される。このとき、ショートリーダが搬送手段としてのローラ対14間に挿入される。そして、図示しない駆動源からの駆動が伝達されると、ショートリーダに引っ張られてカラーネガフィルムが挿入部から処理部20へと搬送される。
【0023】
処理部20は、発色現像部21、漂白定着部22及び安定部23からなり、発色現像部21には処理槽として発色現像処理槽(以下、N1槽ともいう)211を、漂白定着部22には処理槽として漂白処理槽(以下、N2槽ともいう)221、定着処理槽(以下、N3槽ともいう)222、223を、安定部23には処理槽として安定処理槽(以下、N4槽ともいう)231、232、233を有している。また、N1槽211には処理液として発色現像液が、N2槽221には処理液として漂白液が、N3槽222、223には処理液として定着液が、N4槽231、232、233には処理液として安定液が収容され、所定の液面まで満たされている。
【0024】
各処理槽には搬送手段としての複数の搬送ローラ241及び下ターンガイド243が配置され、各処理槽間には上ターンガイド242が配置されている。なお、搬送ローラ241の外周面には、搬送ローラ241に従動回転するローラ244と図示しないスプロケット歯が設けられており、このスプロケット歯が図示しないショートリーダのパーフォレーションにかみ合うようになっており、図示しない駆動源により搬送ローラ241が駆動され、カラーネガフィルムを各処理槽へと順次搬送(一点鎖線はフィルムの搬送経路を示している)し、処理する。
【0025】
処理されたカラーネガフィルムは乾燥部30へ搬送される。乾燥部30では、乾燥ボックス31の中を搬送手段としてのローラ32によりカラーネガフィルムが搬送されながら乾燥され、自動現像装置1外へと排出される。
【0026】
このような自動現像装置1において、所定の処理性能を保つための重要な要因として、各処理槽に収容された処理液の温度管理がある。これは、上述したように、処理槽に収容される処理液は、所定の温度に保つ必要がある。以下、上述したカラーネガフィルムの自動現像装置1の処理部20の模式図である図2に基づいて、温度管理を行うための加熱手段50の構成を説明する。
【0027】
ところで、この所定の温度にも許容温度範囲がある。即ち、処理液メーカーが所期の性能を得るために各処理液の所定の温度と所定の温度幅を提示し、その範囲内(許容温度範囲という)で使用するよう勧めている。例えば、上述したカラーネガフィルムの自動現像装置1の場合はN1槽211、N2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233を有しており、これら各処理槽に収容される処理液である発色現像液、漂白液、定着液、安定液の所定の温度と所定の温度幅は、処理液メーカー(コニカ)により、それぞれ38.0±0.3℃、38.0±3℃、38.0±3℃、38.0+5,−8℃を提示している。即ち、発色現像液、漂白液、定着液、安定液の許容温度範囲は、それぞれ37.7〜38.3℃、35.0〜41.0℃、35.0〜41.0℃、30.0〜43.0℃となり、この許容温度範囲内であれば、所期の性能を発揮することができる。これからわかるように、処理槽に収容された処理液は、複数の槽で許容温度範囲が重なる(上述したカラーネガフィルムの自動現像装置の場合は全てが重なる)。そこで、本実施の形態では、この許容温度範囲が重なることを利用して、以下に説明(図2参照)する如く、加熱手段の数を減らし、省スペース化を図っている。
【0028】
この加熱手段50は、伝熱管51、連結管52、接続管53、送出手段(ポンプ)54、ヒーター55などから構成されており、1つの加熱手段50で複数の処理槽(本実施の形態ではすべての処理槽)に収容される処理液を加熱する手段である。
【0029】
各処理槽に収容される処理液の許容温度範囲が重なるN1槽211、N2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233各々に中空の伝熱管51が浸漬されている。この伝熱管51は、Uの字状のパイプであって、内部の中空部に後述する流体が流れるようになるとともに、この流体からの熱を伝熱管51を通して各処理槽内に収容されている処理液に伝達して処理液の温度調整や加熱がなされる。この伝熱管51としては、熱伝導度が優れているものがよく、特にそれぞれの処理液に対して耐食性の材質のものがよく、例えば、処理槽221、222に浸漬される伝熱管51はチタン合金、処理槽211、223、231、232、233に浸漬される伝熱管51は耐食性ステンレス(SUS316)が用いられる。
【0030】
また、各処理槽に浸漬された伝熱管51は、処理槽の上部(処理液外)で互いに連結管52により連結され、全体として直列に接続されている。この連結管52は、中空のビニールパイプで構成することにより、配管がしやすくなっているが、これに限られることはない。
【0031】
直列に接続された伝熱管51と連結管52とは、その両端で更に中空の接続管53に接続されている。この接続管53は、更に伝熱管51、連結管52及び送出手段であるポンプ54とヒータ55とに接続されている。ポンプ54は、管(伝熱管51、連結管52、接続管53を総称する)の中に流体を流すものである。また、ヒータ55は、伝熱管51内に流す流体の温度制御を行うための手段であって、本実施の形態においては、一定容量の流体を収容できる密閉された容器551の中に挿入されている。
【0032】
こうして、伝熱管51、連結管52、接続管53、ポンプ54及びヒータ55などにより、全てが連通して、管(伝熱管51、接続管52及び接続管53)の中に流れる流体が循環する如く循環経路が構成される。よって、ポンプ54により循環経路内に流された流体は、ヒータ55により流体が後述する如く所定の温度になるように温度(温調)制御され、各処理槽内の伝熱管51を介して各処理液に伝播されて所定の温度に維持される。従って、許容温度範囲が重なる複数の処理槽に収納された処理液(本実施の形態においては全ての処理液)が1つの加熱手段50で温度制御を行うことが可能となり、低コストとなり、省スペースを実現できる。
【0033】
更に、本実施の形態では、流体を循環させているので、乾燥部30に近い処理槽であるN4槽231、232、233に収容されている安定液の温度が高くなる傾向にあるが、この熱が流体へ伝播され、そしてN3槽223、222、N2槽221、現像処理槽211内の伝熱管51より各処理液へと伝播されることになり、乾燥部30の熱を利用して熱の効率化を図るとともに、伝熱管51が浸漬された処理槽内に収容された処理液の温度の均一化を図ることができる。
【0034】
また、循環経路に流れる流体としては、伝熱管51などが破損し流体が処理槽内に流出した場合にコンタミの心配がないように水が用いられるが、その他の液や気体であっても、或いは、処理液(この場合、許容温度範囲の狭い現像液が好ましい)であってもよい。
【0035】
次に、加熱手段50の変形例をカラーネガフィルムの自動現像装置1の処理部20の模式図である図3に基づいて説明する。なお、この変形例は、流体を許容温度範囲の最も狭い処理液である発色現像液としたものであって、図2で示した加熱手段50と同様の機能・構成・部材には、同じ番号を付与し、その説明を省略する。
【0036】
収容される処理液の許容温度範囲が重なる複数の処理槽(N1槽211、N2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233)のうち1つの処理槽(本実施の形態においては、現像液を流体として用いるためN1槽)に収容した処理液を流体として流す送出手段としてポンプ54を用いている。そして、N1槽211以外の処理槽(N2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233)内に、伝熱管51が浸漬されている。
【0037】
そして、伝熱管51は連結管52により直列に接続され、その一端(N1槽から離れた側)に接続管53に接続され、この接続管53は、ヒータ55に接続される。よって、N1槽211内に収容された現像液は、ポンプ54により伝熱管51、連結管52内をN2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233へと流され、密閉構造となっている容器551内へと導かれる。ここでヒータ55により熱せられた現像液の温度ムラを無くすために撹拌部56において撹拌され、N1槽211に設けられた噴射パイプ511へと流される。この噴射パイプ511は、現像部21の前半部分に設けられ、搬送されるネガフィルムに向けて現像液を噴射する。噴射された現像液は、更にポンプ54により伝熱管51へと送り出される。
【0038】
なお、ポンプ58は、設けられた処理槽(本実施の形態においては、N2槽221、N3槽222、223、N4槽233)内の処理液を循環させるものである。
【0039】
従って、この変形例においては、許容温度範囲が重なる複数の処理槽に伝熱管51を浸漬し、許容温度範囲が重なる複数の処理液のうち1つの処理液を流体として、許容温度範囲が重なる他の処理液の温度制御に用いるので、加熱手段50が1つで行うことができ、低コスト、省スペースを実現できる。また、流体として用いた処理液は、許容温度範囲が最も狭い処理液、特に発色現像液を用いることによりヒータ55が直接制御できるので、許容温度範囲から外れることがなくなり安全でかつ確実な処理が可能となる。しかも、例においては、ヒータ55から出た流体の流れ方向下流側に最も近い処理槽として、流体として用いた処理液を収容するN1槽を配置したので、温度制御された処理液が直ぐに処理槽に到達するので、許容温度範囲の狭い処理液にとって確実な温度制御が可能になる。更に、流体としての現像液は循環させているので、熱の効率化を図るとともに処理液の温度の均一化を図ることができる。
【0040】
更に、加熱手段50の変形例を、上述したカラーネガフィルムの自動現像装置1の処理部20の模式図である図4に基づいて説明する。なお、この変形例は、図3に示した変形例において流体の流れる順路を最適に設けたものであり、図2及び図3で示した加熱手段50と同様の機能・構成・部材には、同じ番号を付与し、その説明を省略する。
【0041】
この変形例においては、現像液を流体として用い、加熱手段50の容器552をN1槽211と連通部553で連通させ、この容器552内に現像液を収容し、この現像液をヒータ55で温度(温調)制御を行う。
【0042】
この変形例においても、N1槽211に収容される現像液の許容温度範囲と重なる処理液を収容した複数の処理槽(本実施の形態においてはN2槽221、N3槽222、223、N4槽231、232、233)内に、伝熱管51が浸漬されている。各処理槽内に浸漬された伝熱管51は連結管52により直列に接続されている。また、容器552に収容され、ヒータ55により温度制御された現像液は流体として、送出手段であるポンプ541によって、伝熱管51内に流される。この流体は、ヒータ55→N4槽233→N3槽223→N3槽222→N2槽221→N4槽232→N4槽231→ヒータ55と、この順に流れて循環するよう構成している。
【0043】
これは、N4槽233は、最も乾燥部30の近くにあり、乾燥部30からの熱により加熱されやすく、この熱を他の処理槽の加熱に利用するためであり、また、N4槽233の熱を他の処理槽を使って放熱させるためでもある。また、N4槽233内の伝熱管51からN3槽223→N3槽222→N2槽221と流すのは、一般的に、この順に温度が高い方が処理性能が良好なためである。また、この後に、N4槽232→N4槽231としたのは、N4槽232の方が、乾燥部30の熱の影響を受けやすいために、このN4槽232の熱をN4槽231に分散させ、現像液の温度上昇をおさえるためである。
【0044】
一方、N1槽211へは、噴射ポンプ542によって、N1槽211に設けられた噴射パイプ511から噴射される。この噴射パイプ511は、現像部21の前半部分に設けられ、搬送されるネガフィルムに向けて現像液を噴射する。噴射された現像液は、連通部553を通って容器552へと戻る構成になっている。このように、伝熱管51の経路とは別の経路で、ヒータ55により温度制御された現像液を、N1槽211内で噴射させることにより、一般的に、最も許容温度範囲が狭い現像液の温度制御を的確に行うことができる。
【0045】
なお、この変形例では、N2槽〜N4槽の経路側にはフィルター57を設けて、余分なゴミなどが伝熱管51内に入らないようにしているが、N1槽211へ噴射する経路にはフィルターを設けないで(フィルターを通さずに)噴射している。これは、一般的にフィルターを使用することにより目詰まりが生じ、流量が減る可能性があり、目詰まりしたフィルターを通すと、噴射パイプ511から噴射される現像液の勢いが減少し、現像性に影響がでるからである。
【0046】
上述した図2〜図4で示したような加熱手段50は、複数の処理槽に収容されている処理液を温度(温調)制御する手段であるが、この温度(温調)制御は、処理液の温度を測定するための測定手段である温度センサ70に基づいてなされる。温度センサ70は、伝熱管51が浸漬された複数の処理槽のうち、それぞれ収容される処理液の許容温度範囲が最も狭い処理液(本実施の形態においては発色現像液)の温度を測定することにより正確な温度(温調)制御が可能となる。そのために、温度センサ70は、図2の加熱手段50においてはN1槽211近傍の連結管52(伝熱管51であってもよい)に設けて管の温度(或いは、管内に流れる流体の温度でもよい)で以て、間接的に、処理液の温度を測定し、図3及び図4の加熱手段50においては容器551、552内に設けて流体である現像処理液の液温度を直接測定している。なお、N1槽211内に温度センサ70を設けて直接処理液の液温度を測定してもよい。
【0047】
このような温度センサ70を用いた、このヒータ55による温度(温調)制御について、図5に基づいて説明する。図5は、温度(温調)制御を行うヒータ55の通電のデューティ比を示したグラフである。なお、図5において、Tjは、設定温度(保ちたい温度であり、本実施の形態では、発色現像液の38.0℃である)であり、Ttは、ヒータ55の通電のON/OFF制御温度幅(この幅は、発色現像液の許容温度範囲である37.7〜38.3℃より狭い幅であり、例えば、37.85〜38.15℃の温度幅であり、かつ、設定温度Tjを含む温度幅である)を示している。
【0048】
ヒータ55による温度(温調)制御は、温度センサ70により測定された液温度に基づいて、図5に示すグラフからデューティ比を決定し、この決定されたデューティ比でヒータ55のON/OFF制御を行う。例えば、温度センサ70によって測定された温度がTj(38.0℃)に等しい場合は、デューティ比50%でヒータ55のON/OFF制御が行われる。また、温度センサ70によって測定された温度がON/OFF制御温度幅の下限より低い場合はデューティ比100%で、温度センサ70によって測定された温度がON/OFF制御温度幅の上限より高い場合はデューティ比0%で、ヒータ55のON/OFF制御が行われる。このように制御することにより、複数の処理槽に収容された各処理液を所定の温度に保つ(許容温度範囲内に保つ)ことができる。
【0049】
次に、上述の図2〜図4で示したような加熱手段50により、複数の処理槽に収容されている処理液を1つの温度センサ70で温度(温調)制御する自動現像装置1においては、電源を切った(ヒータ55の電源断)の状態から立ち上げる(各処理槽に収容された処理液を許容温度範囲内にまで上昇させる)ときについて、電源投入から各処理槽内に収容された処理液の液温度(温度センサ70により測定された温度であり、以下、処理槽の液温度の如く説明する場合がある)の上昇を模式的に示した図6に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、上述の図2〜図4で示す如く、温度センサ70はN1槽211の液温度を測定するものとする。また、図6において、図4の加熱手段50を例にしており、実線はN1槽の液温度、破線はN2・3槽の液温度、一点鎖線はN4槽の液温度を示している。また、図6において、各線(実線、破線、一点鎖線)が交わっている水平方向の細線(それぞれ、37.7℃、35.0℃、30.0℃)は、各処理液の許容温度範囲の下限値である。
【0050】
図6から分かるように、自動現像装置1のヒータ55の電源を切った状態から、ヒータ55に通電(図5で示したようなデューティー比の制御によって)を始めると、各処理槽は、温度上昇が始まるが、それぞれの温度上昇率は処理槽の表面積や収容される処理液量や流体の順路の相違などの要因により異なる。そして、N1槽の処理液(現像液)が許容温度範囲の下限値である37.7℃に達したとき(従来では、この時点を温調完了と判断している)であっても、N2・N3槽の処理液やN4槽の処理液は、それぞれの許容温度範囲の下限値には達していない。即ち、このN1槽の処理液が許容温度範囲になったからといって、自動現像装置1によるカラーネガフィルムの処理を開始すると、N2〜N4槽の処理液は許容温度範囲に達していないので、所望の性能を発揮することができず、処理が不十分になる。
【0051】
そのため、本実施の形態では、温度センサ70により測定されている処理液の液温度が所定の値(好ましくは、該処理液の許容温度範囲内であり、更に好ましくは、許容温度範囲内の下限値)に達してから、タイマーなどの計時手段による計時を開始し、加熱手段50により加熱されている処理液全てが許容温度範囲内に達するのに必要な所定の待ち時間tdを経過すると、加熱手段50で加熱されている処理液(本実施の形態では全ての処理液)が許容温度範囲内に達したものと判断(温調が完了したと判断)する。このように構成することにより、1つの温度センサ70で、加熱手段50で加熱されている処理液(本実施の形態では全ての処理液)が許容温度範囲内に達したものは正確に温調の完了を判断することができ、自動現像装置1によるカラーネガフィルムの処理を、各処理液が所望の性能を発揮し、十分な処理を行うことができる。
【0052】
更に、この場合、前記待ち時間tdは、自動現像装置の周囲の温度Tsによって定められるようにすることが好ましい。これは、周囲の温度Tsによって、各処理槽から放熱される熱量が定めるため、これを因子として待ち時間tdを設定することにより、緻密な温調完了を判断できる。
【0053】
次に、この温調完了判断の具体的な実施の形態を、温調完了判断のフローチャート図である図7及び待ち時間と周囲の温度Tsとの関係を示す図である図8に基づいて説明する。
【0054】
まず、自動現像装置の電源を投入する(S1)と、各種設定などをイニシャライズし(S2)、流体の循環・温調をスタートさせる(S3)。ここで、流体の循環とは、ポンプ541、噴射ポンプ542による流体の循環であり、図2、3においてはポンプ54による流体の循環である。また、温調とは、図5に示す如くの制御が行われるヒータ55の加熱開始であり、ヒータ55への通電開始である。
【0055】
そして、温度センサ70による液温度の測定を開始し(S4)、2分経過するまで待機する(S5)。この2分経過している間に、測定された液温度を記憶させておき、2分経過後に、記憶された液温度で以て平均温度を演算し(S6)、図示しない記憶手段に記憶する。本実施の形態では、測定した液温度から平均温度を演算することにより、より一般化された液温度を検出することが可能となり好ましいが、2分経過後の液温度でもよい。なお、この平均温度は、後述するように、周囲の温度として認識する(S9)。
【0056】
次に、この平均温度が所定温度(平均上限温度)以上であるかどうかを判断し(S7)、所定の温度以上なら、この所定の温度を平均温度として記憶させる(S8)。同様に、この平均温度が所定温度(平均下限温度)以下であるかどうかを判断し(S7)、平均下限温度以下なら、この所定の温度を平均温度として記憶させる(S8)。例えば、平均上限温度が30℃と予め設定されている場合、S6で演算された平均温度が30℃を越えたとき、平均温度を30℃として記憶し、或いは、平均下限温度が0℃と予め設定されている場合、S6で演算された平均温度が0℃を下回ったとき、平均温度を0℃として記憶する。これは、後段において説明する待ち時間が0とならないように、また、必要以上の待ち時間とならないようにするためである。
【0057】
そして、記憶された平均温度を、周囲の温度Tsとして認識する(S9)。このように、本実施の形態では、処理液の液温度を測定する温度センサ70で以て、周囲の温度を測定するようにしたので、周囲の温度を測定するセンサなどを不要として、低コスト化を図ることができる。
【0058】
そして、認識(記憶)された周囲の温度Tsに基づいて、待ち時間tdを演算する(S10)。この演算は、図8に示すような、周囲の温度Tsと待ち時間tdとの関係を示すテーブルに基づいて演算されてもよく、また、このテーブルを数式化して演算によって求めてもよい。このように、本実施の形態では、周囲の温度Tsに応じた待ち時間tdが設定されるので、緻密な温調が可能となる。
【0059】
一方、S3において、温調がスタートした以降、ヒータ55による温度制御は、図5に示す如く図7のフローとは独立してなされており、この間も、液温度は上昇を続けている。そして、温度センサ70により測定された液温度が許容温度範囲内に入ると(本実施の形態では、許容温度範囲の下限値である、図6参照)(S11)、計時手段であるタイマーによる計時を開始する(S12)。そして、S10で演算された待ち時間tdを経過すると(S13)、全ての処理液が許容温度範囲内に達したとして温調完了を判断する(S14)。これ以降、自動現像装置のレディー状態を解除して、処理可能状態となし、カラーネガフィルムの処理が所望の性能を有する処理液により最適な処理ができる。このとき、図示しない表示手段に「処理可能」と表示を行い(これまでは「準備中」と表示していた)、ユーザーに処理が可能であることを知らしめる。なお、準備中(レディー状態)のときには、処理が可能になるまでの時間を前記タイマーによる計時を用いて、表示手段に表示するとよい。
【0060】
このように、本実施の形態では、処理液が許容温度範囲内に達したか否かを判断する際に、温度センサ70が所定の温度を検出してから、待ち時間td経過後に温調完了と判断するので、温度センサ70で、加熱手段50により加熱される処理液全てを判断することが可能となり、温度センサ70の数を減らすことができ低コスト化を図るとともに、温調完了の判断を最適に行うことができる。しかも、待ち時間tdを周囲の温度に応じて定めることにより、より緻密な判断を可能とする。更に、周囲の温度を液温度を測定する温度センサ70が兼ねることにより、更に低コスト化を図ることができる。また、温度センサ70により測定する液温度は、許容温度範囲が最も狭い現像液とすることで、温調完了後にも、良好に液温度の維持が可能となる。
【0061】
以上の説明においては、自動現像装置の電源投入(S1)から説明したが、ヒータ55による加熱(通電)の制御を中断させた後の再加熱について、以下説明する。この中断は、例えば、昼休みなど自動現像装置を一時的に使用しない場合、ユーザが自動現像装置の電源を落とすのではなく、一時的にヒータ55による制御を中断した後に、再度、ヒータ55による加熱を開始、再加熱をする場合などである。このような場合であっても、上述したように、温度センサ70により測定された液温度が許容温度範囲内に達してから、待ち時間td経過後に、温調完了として判断する。
【0062】
この場合、中断されたときの自動現像装置の状態に応じて、待ち時間tdを定めるようにする。即ち、中断するときの自動現像装置の状態が、図6に示す如く、N1槽の温調完了前、温調完了待ち、全体の温調完了後の3つの状態によって待ち時間tdを変更する。
【0063】
まず、N1槽の温調完了前に中断した場合は、中断がなかったものとする。即ち、待ち時間tdは、図8に示すように、周囲の温度Tsに基づいて演算される時間とする。なお、周囲の温度Tsは、自動現像装置に電源が投入されている間は、記憶維持されている。
【0064】
次に、温調完了待ちの間に中断した場合は、中断した時間に応じて待ち時間tdを演算するようにする。具体的には、図7のS12でN1槽の温調完了からスタートしたタイマにより計時され中断するまでの経過時間に、図9に示すような中断した時間(図示しない計時手段により計時されている)に応じた係数を乗じた時間に、中断が入った時の残りの待ち時間を足したものを待ち時間tdとする。
【0065】
より具体的にいうと、図7のS10において最初の加熱時に演算された待ち時間tdが20分であったとして、N1槽の液温度が所定の温度に達したあと(S13)15分経過した時に、20分間温調を中断した(この中断時間による係数を1/6とする)場合、中断後の再加熱時の待ち時間tdは、
td=(経過時間)×(係数)+(残り時間)
td=15(分)×(1/6)+(20−15(分))≒8(分)
となる。
【0066】
次に、全体の温調完了後に中断した場合は、中断した時間に応じて待ち時間tdを演算するようにする。具体的には、中断している時間をタイマなどの計時手段で計時しておき、図10に示すような中断した時間に応じた係数を、中断前の待ち時間に乗じた時間を待ち時間tdとする。
【0067】
より具体的にいうと、中断前の待ち時間tdが20分として全体の温調が完了した後に任意の時間に、1時間中断した(この中断時間による係数は1/2とする)場合、中断後の再加熱時の待ち時間tdは、
td=(中断前の待ち時間)×(係数)=20(分)×1/2=10(分)
となる。
【0068】
このように演算された待ち時間tdに基づいて、温調完了を判断する。即ち、ヒータ55による加熱を再開してから、温度センサ70によって測定された液温度が所定温度範囲に達してから(図7のS11と同様であるので詳述は省略する)、上記で演算された待ち時間tdを経過すると、温調完了として判断する。
【0069】
このように、本実施の形態では、中断されたときの状態及び/又は中断時間に応じて待ち時間tdが定められるので、加熱が中断した場合においても、温度センサ70で、加熱手段50により加熱される処理液全てを判断することが可能となり、温度センサ70の数を減らすことができ低コスト化を図るとともに、温調完了の判断を最適に行うことができる。
【0070】
なお、本実施の形態においては、全ての処理槽に収容される処理液の許容温度範囲が重なっているために、図2の加熱手段50では全ての処理槽内に、図3、4の加熱手段50ではN1槽211を除く全ての処理槽内に伝熱管51を設け、伝熱管51内を流れる流体によって全ての処理槽の温度制御をしたが、これに限られず、許容温度範囲が重なる処理液が2つの場合は、図2の加熱手段50では2つに、図3、4の加熱手段50では1つに伝熱管51を設ければよい。また、許容温度範囲が重なる処理液を収容した処理槽うち、図2の加熱手段50では全ての処理槽に、図3、4の加熱手段50ではN1槽211を除いた他全てに伝熱管51を設け、低コスト化を促進させたが、一部のみに伝熱管51を設けても低コスト、省スペースは実現できる。本明細書で言う、許容温度範囲の「重なる」とは、上述したように許容温度範囲が狭い方が広い方に完全に重なる(上述した例では、発色現像液の許容温度範囲が、漂白液の許容温度範囲内に完全に重なる)だけでなく、一部重なったものでもよい。
【0071】
また、本実施の形態の加熱手段50によると、収容される処理液の許容温度範囲が重なる現像処理槽を含む複数の処理槽に浸漬された中空の伝熱管を配設するとともに、伝熱管の中に流体を流す送出手段を設け、加熱手段により流体の温度制御を行うことにより、1つの加熱手段により処理液の許容温度範囲が重なる現像液を含む複数の処理液の温度制御が行われるために、加熱手段の共有化が図れ、加熱手段の数が減り低コストとなり、しかも、省スペースを実現できる。
【0072】
更に、流体を許容温度範囲が最も狭い処理液、特に、現像液とすることにより、許容温度範囲が最も狭い処理液、特に現像液が温度制御されることとなり、この流体が許容温度範囲から外れることが少なくなり安全な処理が可能となる。この場合、前記伝熱管の経路とは別の経路で、前記加熱手段により温度制御された現像液を、現像処理槽内で噴射させることにより、一般的に、最も許容温度範囲が狭い現像処理槽内の現像液の温度制御を的確に行うことができる。
【0073】
更に、流体を循環させることにより、例えば、処理済みの感光材料を乾燥させる乾燥手段に近い処理槽は乾燥手段からの熱により温度が高くなる傾向にあるが、この高い温度の熱が伝熱管内の流体、低い温度の処理槽内の処理液へと伝わり、処理液の温度制御の効率化を図ることができる。更に、伝熱管を浸漬した処理槽は複数あり、複数の処理槽に浸漬された複数の伝熱管を直列に接続することにより、配管を容易とし低コスト化、処理液の温度の効率化を図ることができる。更に、流体により、全ての処理槽の温度制御がなされることにより、最も低コストな自動現像装置となる。
【0074】
また、上述した図2〜図4の加熱手段50において、処理槽に浸漬された伝熱管51はUの字状に構成したが、これに限られることなく、例えば螺旋状であってもよいことはいうまでもない。
【0075】
また、上述した図2〜図4の加熱手段50において、浸漬された伝熱管51は連結管52により直列に接続することにより、配管を容易とし低コスト化、処理液の温度の効率化の点で好ましいが、これに限られず、各伝熱管51が直接ポンプ54やヒータ55に接続(即ち並列に接続)してもよい。
【0076】
また、上述した図2〜図4の加熱手段50において、浸漬された伝熱管51の熱抵抗(処理液中の伝熱管51の熱抵抗)は、収容される処理液の液量に反比例するように設定する。これにより、単位体積あたりの処理液への伝熱が同じになり、制御の簡便化を図ることができる。これを具体的に構成するには、伝熱管51の材質及び板厚が同じ場合、浸漬された伝熱管51の表面積(処理液中の伝熱管51の表面積)は、収容される処理液の液量に比例するように構成する。本実施の形態においては、収容している液量が、N1槽(211)、N2・N3槽(221、222、223)、N4槽(231、232、233)の順で少なくなっているので、この順で各処理槽に伝熱管51が浸漬されている表面積が少なくなるように設定することにより、単位体積あたりの処理液への伝熱が同じになり、制御の簡便化を図ることができる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によると、測定手段の数を減らして低コストを図るとともに、少ない測定手段であっても、処理液を許容温度範囲内まで加熱する際に、許容温度範囲内に達したかどうかの判断が最適になされる自動現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像装置の断面構成図である。
【図2】加熱手段の一例を示した自動現像装置の処理部の模式図である。
【図3】加熱手段の他の例を示した自動現像装置の処理部の模式図である。
【図4】加熱手段の他の例を示した自動現像装置の処理部の模式図である。
【図5】温調制御を行うヒータの通電のデューティ比を示したグラフである。
【図6】電源投入から各処理槽内に収容された処理液の液温度の上昇を模式的に示した図である。
【図7】温調完了判断のフローチャート図である。
【図8】待ち時間と周囲の温度Tsとの関係を示す図である。
【図9】中断した時間に応じた係数を示す図である。
【図10】中断した時間に応じた係数を示す図である。
【符号の説明】
1 自動現像装置
20 処理部
21 発色現像部
22 漂白定着部
23 安定部
50 加熱手段
51 伝熱管
54,541,542 ポンプ(送出手段)
55 ヒータ
70 温度センサ(測定手段)
211 発色現像処理槽
221 漂白処理槽
222,223 定着処理槽
231,232,233 安定処理槽

Claims (12)

  1. 感光材料を処理する自動現像装置が有する複数の処理槽に収容された処理液が、許容温度範囲内に達したかどうかを判断する自動現像装置の温調完了判断方法において、
    ヒーターにより流体を加熱し、加熱された流体を前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽中に流すことにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱する加熱手段を有し、
    前記加熱手段により、前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱し、
    測定手段により、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液のうち1つの処理液の液温度を測定し、
    前記測定手段により測定された液温度が所定温度に達してから、所定の待ち時間を経過することにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液が許容温度範囲内に達したと判断することを特徴とする自動現像装置の温調完了判断方法。
  2. 前記待ち時間は、前記自動現像装置の周囲の温度に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
  3. 前記測定手段は、前記加熱手段による加熱開始時に液温度の測定をし、該液温度に基づいて前記周囲の温度が決定されることを特徴とする請求項2に記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
  4. 前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、前記待ち時間は、中断されたときの状態に応じて定められることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
  5. 前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、前記待ち時間は、中断されてから再加熱するまでの時間に応じて定められることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の自動現像装置の温調完了判断方法。
  6. 複数の処理槽に収容された処理液中に順次感光材料を搬送して、感光材料を処理する自動現像装置において、
    ヒーターにより流体を加熱し、加熱された流体を前記複数の処理槽のうち少なくとも2つの処理槽中に流すことにより、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液を加熱する加熱手段と、
    前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液のうち1つの処理液の液温度を測定する測定手段と
    所定の待ち時間を定める演算手段と、
    前記加熱手段により処理液を許容温度範囲内に加熱する際に、前記測定手段により測定された液温度が所定温度に達してから、前記演算手段により定められた前記待ち時間の経過を計時する計時手段と、
    前記計時手段により前記待ち時間の経過を検知すると、前記少なくとも2つの処理槽に収容される処理液が許容温度範囲内に達したと判断する判断手段と
    を有することを特徴とする自動現像装置。
  7. 前記演算手段は、前記自動現像装置の周囲の温度に応じて、所定の待ち時間を定めることを特徴とする請求項6に記載の自動現像装置。
  8. 前記周囲の温度は、前記加熱手段による加熱開始時に前記測定手段により測定された液温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項7に記載の自動現像装置。
  9. 前記演算手段は、前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、中断されたときの状態に応じて前記待ち時間を定めることを特徴とする請求項6〜8の何れか1つに記載の自動現像装置。
  10. 前記演算手段は、前記加熱手段による処理液の加熱が中断された後、再加熱する場合、中断されてから再加熱するまでの時間に応じて前記待ち時間を定めることを特徴とする請求項〜9の何れか1つに記載の自動現像装置。
  11. 前記少なくとも2つの処理槽は、各処理槽に収容される処理液の許容温度範囲が重なることを特徴とする請求項〜10の何れか1つに記載の自動現像装置。
  12. 前記流体は、現像液であることを特徴とする請求項〜11の何れか1つに記載の自動現像装置。
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