JP3619686B2 - 機能可変式の布団セット - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団の改良、さらに詳しくは、布団における保温性や弾力性等の機能を要に臨んで自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成できる機能可変式の布団セットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
周知のとおり、睡眠は心身の健康を維持するうえに非常に重要な要素である。そして、頭寒足熱、平床硬枕は安眠の条件として古くより人口に膾炙されているところ、そのような安眠条件は布団にも当然に要求されるのであるが、それに止まらず、各人各様の情況と必要と好みに基いて個別的な形態と機能が求められる。
【０００３】
ところで、布団は、一般的な機能として、保温性、弾力性、清潔性等が求められる。次に、布団は、各人の好みや体質などに応じて変わる個別的機能が求められ、この個別機能の多様性が布団の品種を多様なものにする。例えば、冷え性で常人より保温性の良い布団を好む人もいれば、固目の敷き布団を好む人もいる。このため、布団の販売業者は、消費者のニーズに応じて各種機能の布団を多数揃えておかなければならず、布団販売業者にとって負担が大きい。また、夏と冬とでは、布団に求められる機能（例えば、保温性や吸湿性など）の程度が異なるため、夏布団と冬布団の双方を用意しておく必要もあった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の布団に上記の如き問題があったことに鑑みて為されたものであり、布団における保温性や弾力性等の一般的機能および各人各様の個別的機能を目的・要望に応じて自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成できる機能可変式の布団セットを提供することを技術的課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【０００６】
即ち、本発明は、連結することによって布団を構成する布団セットであって、方形で所定の深さの容積を有する複数のパッドサックと、これらのパッドサックの中に２層以上に重ねて詰込み可能な厚さを有するマット形態の複数の詰替パッドとから成り、
前記各々のパッドサックは、隣向する突合わせ縁同士が繋ぎファスナーによって着脱自在に連結可能であると共に、当該パッドサック裏面の大略全面はパッド入替口を形成して縦横の３つの縁辺に沿って連設された開閉ファスナーによって開閉可能であり、
これらのパッドサックに詰め込まれる各々の詰替パッドの各々は、パッドサックの内部サイズと大略合同サイズに成形されたマット形態の合成繊維不織布もしくは圧縮綿、または発泡合成樹脂成形体であって、通気機能、吸水機能、遠赤外線放射機能、または脱臭機能が付与されており、これら各機能を有する詰替パッドを組み合わせて詰込み可能に構成するという手段を採用することによって、上記課題を解決した点に特徴がある。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添附図面に示す実施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、図１は本発明の第１実施形態である布団セットの斜視図、図２は図１のパッドサック裏面のパッド入替口から詰替パッドを収納する状態を示す分解斜視説明図、図３は第１実施形態布団セットの断面図、図４は本発明の第２実施形態である布団セットの断面図、図５は図４の第２実施形態布団セットにおける詰替パッドの一部を取り出した状態を示す断面図、図６は本発明の第３実施形態である布団セットの断面図である。
【０００８】
まず、本発明の第１実施形態である布団セットの構造を図１〜図３に基いて説明する。図中、符号１ａ・１ｂ・１ｃで指示するものは、パッドの入替交換を簡単に行える３つのパッドサックであり、何れも同一のサイズに各々作製してある。これらパッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの間は、繋ぎファスナー２・２によって各々連結されており、これらファスナー２・２の操作によって各サック１ａ・１ｂ・１ｃを分離して所望の配置に組み替え可能となっている。そして、図２に示すように、前記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの裏面縁部には、開閉ファスナー３・３・３が取り付けてあり、これら各ファスナー３を開閉操作することによって各サック１ａ・１ｂ・１ｃ裏面のパッド入替口11・11・11から後述の詰替パッドを入替交換可能となっている。なお、本実施形態においては、洋式ベッドや畳の上に敷く敷き布団の例が示してあり、この敷き布団の上に仰臥した就寝者の頭部・胴部・足部が順に前記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃに各々対応する。また、前記ファスナー２・３としては、スライドファスナーを使用しているが、ベルベット式面ファスナーを採用してもよい。
【０００９】
図２および図３において、符号４ａ・４ｂ・４ｃで指示するものは、上記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの中に詰め込み可能なサイズを有する異種機能の詰替パッドである。
本実施形態においては、詰替パッド４ａとしてはポリプロピレン合成繊維から成る比較的硬質の不織布マット材の表面に籐筵を貼付した通気性の良いパッド材を採用し、詰替パッド４ｂとしてＥＶＡ（エチレン−酢酸ビニル共重合体）の発泡合成樹脂から成る軟質のマット形態のパッド材を採用し、詰替パッド４ｃとしては遠赤外線放射性物質を練り込んだポリプロピレン合成繊維から成る不織布マット形態のパッド材を採用している。そして、就寝者の頭部に対応する位置のパッドサック１ａ中の上側に詰替パッド４ａ、下側に詰替パッド４ｂを収納し、就寝者の胴部に対応する位置のパッドサック１ｂ中には詰替パッド４ｂと４ｂを収納し、就寝者の足部に対応する位置のパッドサック１ｃ中の上側に詰替パッド４ｃ、下側に詰替パッド４ｂを収納したものが、図３に示す第１実施形態例である。これにより、前記詰替パッド４ａの籐筵によって頭部は涼しく、また、足元は詰替パッド４ｃに含まれる遠赤外線放射性物質によって温かく、全身が頭寒足熱の状態となり、就寝者にとって最適の安眠条件が調う。
【００１０】
ちなみに、上記詰替パッド４ｃ中の遠赤外線放射性物質としては、三仙石（モルデナイト、コーデライト等を含有する台湾産天然石の通称名）と蛇紋石（アンチゴライト；台湾産）とを粉砕して混合した天然鉱石の粉末が採択され、この三仙石に含まれるジルコニウムが遠赤外線を放射する。もちろん、天然鉱石は遠赤外線を放射するものであれば他の天然鉱石でも良く、例えば花崗班岩、石英閃緑岩等を粉砕したものを採択することも可能である。また、前記天然鉱石の蛇紋石中に豊富に含まれるマグネシウムにより、前記詰替パッド４ｃが効果的な消臭および抗菌の機能も同時に果たす。さらに、上記詰替パッド４ａ・４ｃの不織布材として、ポリプロピレン以外の合成繊維や天然繊維を適宜採択し、また混合して用いてもよい。
【００１１】
つぎに、本発明の第２実施形態である布団セットを図４および図５に基いて説明する。第２実施形態においては、第１実施形態と同様に３つのパッドサック１ａ・１ｂ・１ｃを分離可能に構成した敷き布団の例を示してあるが、各人各様の個別的機能（例えば、布団の厚さ、硬さ等）を各サック１ａ・１ｂ・１ｃ中の詰替パッドによって変更した点が第１実施形態と異なる。
【００１２】
図４では、サイズの異なる前記サック１ａ・１ｂ・１ｃの各々に詰替パッドが３つずつ詰め込まれて３層を成しており、第１実施形態と異なる詰替パッドとしては、セルロース−ポリアクリル酸系高保水性繊維を不織布マット形態に成型した吸水性の詰替パッド４ｄと、硬質合成樹脂から成るマット形態の詰替パッド４ｅとを採用している。前記吸水性詰替パッド４ｄの代わりに、活性炭やシリカゲル等の乾燥剤を含有するパッド材を採択しても良い。そして、就寝者の頭部に位置するパッドサック１ａの中に上側から順に詰替パッド４ａ・４ｂ・４ｅを収納し、胴部に位置するパッドサック１ｂの中に上側から順に詰替パッド４ｄ・４ｂ・４ｅを収納し、足部に位置するパッドサック１ｃの中に上側から順に詰替パッド４ｃ・４ｂ・４ｅを収納してある。この収納状態から上記詰替パッド４ｂ（発泡合成樹脂から成る軟質のマット形態）を各々取り出すと、図４に示す布団よりも薄くて硬い敷き布団が得られる（図５参照）。このように各サック１ａ・１ｂ・１ｃ中の詰替パッド４ｂ・４ｂ・４ｂを取り出すだけで、各人の好みに応じて布団の厚さや硬さを自在に変更できて、寝心地の良い敷き布団を簡易に構成することができる。
【００１３】
また、夏に適した敷き布団を必要とする場合には、図４および図５の収納状態から足部のパッドサック１ｃ中の詰替パッド４ｃ（遠赤外線放射性物質によって温熱作用を発揮するパッド材）を取り出して、其処に詰替パッド４ａ（籐筵によって涼作用を発揮するパッド材）を収納すれば良い。さらに、子供用の敷き布団が必要な場合には、足部のパッドサック１ｃを胴部のパッドサック１ｂから分離させて布団の全長を短くすればよい。
【００１４】
最後に、本発明の第３実施形態である布団セットを図６に基いて説明する。第３実施形態においては、圧縮綿にエンボス加工を施して凹凸成形したつぼ刺激用の詰替パッド４ｆと、シート状電熱ヒーターを内蔵させた詰替パッド（以下、電熱式パッドと称す）４ｇとを採用した点が第１実施形態と異なる。前記つぼ刺激用詰替パッド４ｆは、就寝者の胴部に位置するパッドサック１ｂ中の上側に収納されており、前記電熱式パッド４ｇは、足部に位置するパッドサック１ｃ中の上側に収納されている。また、詰替パッド４ｇとして、電熱式パッドの代わりに化学発熱剤を内蔵させたパッド材を採択しても良い。
【００１５】
これにより、下半身が冷え性の人や腰痛の人にとって局部的に効果のある高機能の敷き布団が得られる。しかも、前記つぼ刺激用詰替パッド４ｆや電熱式パッド４ｇ等の特別な機能を有するパッド材が布団全体にではなくて、その機能が必要とされる位置のパッドサックにのみ配置されているので、かゝる高機能布団を安価に作製することができる。
【００１６】
本発明の実施形態は概ね上記のとおりであるが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、第３実施形態においては、就寝者の胴部に対して指圧機能を発揮し、かつ、就寝者の足部に対して温熱機能を発揮する敷き布団の例が示してあるけれども、これら指圧機能と温熱機能とを発揮する位置を各人の体質に応じて、各パッドサックの中の各種詰替パッドをそのままにしてパッドサック１ｂと１ｃの順番を代えることも可能であり、また、本実施形態の布団セットにおいては、敷き布団に適用した例を示してあるが、掛け布団やその他布団に適用することも可能であり、これら何れの変更態様も本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【００１７】
【発明の効果】
以上実施形態を挙げて説明したとおり、本発明布団セットにあっては、連結することによって布団を構成する布団セットであって、方形で所定の深さの容積を有する複数のパッドサックと、これらのパッドサックの中に２層以上に重ねて詰込み可能な厚さを有するマット形態の複数の詰替パッドとから成り、前記各々のパッドサックは、隣向する突合わせ縁同士が繋ぎファスナーによって着脱自在に連結可能であると共に、当該パッドサック裏面の大略全面はパッド入替口を形成して縦横の３つの縁辺に沿って連設された開閉ファスナーによって開閉可能であり、これらのパッドサックに詰め込まれる各々の詰替パッドの各々は、パッドサックの内部サイズと大略合同サイズに成形されたマット形態の合成繊維不織布もしくは圧縮綿、または発泡合成樹脂成形体であって、通気機能、吸水機能、遠赤外線放射機能、または脱臭機能が付与されており、これら各機能を有する詰替パッドを組み合わせて詰込み可能に構成するという方式を採用したので、布団における保温性や弾力性等の一般的機能および各人各様の個別的機能を目的・要望に応じて自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成することが可能となる。よって、布団分野における実用価値は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態である布団セットの斜視図である。
【図２】図１のパッドサック裏面のパッド入替口から詰替パッドを収納する状態を示す分解斜視説明図である。
【図３】第１実施形態布団セットの断面図である。
【図４】本発明の第２実施形態である布団セットの断面図である。
【図５】図４の第２実施形態布団セットにおける詰替パッドの一部を取り出した状態を示す断面図である。
【図６】本発明の第３実施形態である布団セットの断面図である。
【符号の説明】
１ａ・１ｂ・１ｃ パッドサック
11 パッド入替口
２ 繋ぎファスナー
３ 開閉ファスナー
４ａ・４ｂ・…４ｇ 詰替パッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団の改良、さらに詳しくは、布団における保温性や弾力性等の機能を要に臨んで自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成できる機能可変式の布団セットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
周知のとおり、睡眠は心身の健康を維持するうえに非常に重要な要素である。そして、頭寒足熱、平床硬枕は安眠の条件として古くより人口に膾炙されているところ、そのような安眠条件は布団にも当然に要求されるのであるが、それに止まらず、各人各様の情況と必要と好みに基いて個別的な形態と機能が求められる。
【０００３】
ところで、布団は、一般的な機能として、保温性、弾力性、清潔性等が求められる。次に、布団は、各人の好みや体質などに応じて変わる個別的機能が求められ、この個別機能の多様性が布団の品種を多様なものにする。例えば、冷え性で常人より保温性の良い布団を好む人もいれば、固目の敷き布団を好む人もいる。このため、布団の販売業者は、消費者のニーズに応じて各種機能の布団を多数揃えておかなければならず、布団販売業者にとって負担が大きい。また、夏と冬とでは、布団に求められる機能（例えば、保温性や吸湿性など）の程度が異なるため、夏布団と冬布団の双方を用意しておく必要もあった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の布団に上記の如き問題があったことに鑑みて為されたものであり、布団における保温性や弾力性等の一般的機能および各人各様の個別的機能を目的・要望に応じて自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成できる機能可変式の布団セットを提供することを技術的課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【０００６】
即ち、本発明は、連結することによって布団を構成する布団セットであって、方形で所定の深さの容積を有する複数のパッドサックと、これらのパッドサックの中に２層以上に重ねて詰込み可能な厚さを有するマット形態の複数の詰替パッドとから成り、
前記各々のパッドサックは、隣向する突合わせ縁同士が繋ぎファスナーによって着脱自在に連結可能であると共に、当該パッドサック裏面の大略全面はパッド入替口を形成して縦横の３つの縁辺に沿って連設された開閉ファスナーによって開閉可能であり、
これらのパッドサックに詰め込まれる各々の詰替パッドの各々は、パッドサックの内部サイズと大略合同サイズに成形されたマット形態の合成繊維不織布もしくは圧縮綿、または発泡合成樹脂成形体であって、通気機能、吸水機能、遠赤外線放射機能、または脱臭機能が付与されており、これら各機能を有する詰替パッドを組み合わせて詰込み可能に構成するという手段を採用することによって、上記課題を解決した点に特徴がある。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添附図面に示す実施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、図１は本発明の第１実施形態である布団セットの斜視図、図２は図１のパッドサック裏面のパッド入替口から詰替パッドを収納する状態を示す分解斜視説明図、図３は第１実施形態布団セットの断面図、図４は本発明の第２実施形態である布団セットの断面図、図５は図４の第２実施形態布団セットにおける詰替パッドの一部を取り出した状態を示す断面図、図６は本発明の第３実施形態である布団セットの断面図である。
【０００８】
まず、本発明の第１実施形態である布団セットの構造を図１〜図３に基いて説明する。図中、符号１ａ・１ｂ・１ｃで指示するものは、パッドの入替交換を簡単に行える３つのパッドサックであり、何れも同一のサイズに各々作製してある。これらパッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの間は、繋ぎファスナー２・２によって各々連結されており、これらファスナー２・２の操作によって各サック１ａ・１ｂ・１ｃを分離して所望の配置に組み替え可能となっている。そして、図２に示すように、前記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの裏面縁部には、開閉ファスナー３・３・３が取り付けてあり、これら各ファスナー３を開閉操作することによって各サック１ａ・１ｂ・１ｃ裏面のパッド入替口11・11・11から後述の詰替パッドを入替交換可能となっている。なお、本実施形態においては、洋式ベッドや畳の上に敷く敷き布団の例が示してあり、この敷き布団の上に仰臥した就寝者の頭部・胴部・足部が順に前記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃに各々対応する。また、前記ファスナー２・３としては、スライドファスナーを使用しているが、ベルベット式面ファスナーを採用してもよい。
【０００９】
図２および図３において、符号４ａ・４ｂ・４ｃで指示するものは、上記パッドサック１ａ・１ｂ・１ｃの中に詰め込み可能なサイズを有する異種機能の詰替パッドである。
本実施形態においては、詰替パッド４ａとしてはポリプロピレン合成繊維から成る比較的硬質の不織布マット材の表面に籐筵を貼付した通気性の良いパッド材を採用し、詰替パッド４ｂとしてＥＶＡ（エチレン−酢酸ビニル共重合体）の発泡合成樹脂から成る軟質のマット形態のパッド材を採用し、詰替パッド４ｃとしては遠赤外線放射性物質を練り込んだポリプロピレン合成繊維から成る不織布マット形態のパッド材を採用している。そして、就寝者の頭部に対応する位置のパッドサック１ａ中の上側に詰替パッド４ａ、下側に詰替パッド４ｂを収納し、就寝者の胴部に対応する位置のパッドサック１ｂ中には詰替パッド４ｂと４ｂを収納し、就寝者の足部に対応する位置のパッドサック１ｃ中の上側に詰替パッド４ｃ、下側に詰替パッド４ｂを収納したものが、図３に示す第１実施形態例である。これにより、前記詰替パッド４ａの籐筵によって頭部は涼しく、また、足元は詰替パッド４ｃに含まれる遠赤外線放射性物質によって温かく、全身が頭寒足熱の状態となり、就寝者にとって最適の安眠条件が調う。
【００１０】
ちなみに、上記詰替パッド４ｃ中の遠赤外線放射性物質としては、三仙石（モルデナイト、コーデライト等を含有する台湾産天然石の通称名）と蛇紋石（アンチゴライト；台湾産）とを粉砕して混合した天然鉱石の粉末が採択され、この三仙石に含まれるジルコニウムが遠赤外線を放射する。もちろん、天然鉱石は遠赤外線を放射するものであれば他の天然鉱石でも良く、例えば花崗班岩、石英閃緑岩等を粉砕したものを採択することも可能である。また、前記天然鉱石の蛇紋石中に豊富に含まれるマグネシウムにより、前記詰替パッド４ｃが効果的な消臭および抗菌の機能も同時に果たす。さらに、上記詰替パッド４ａ・４ｃの不織布材として、ポリプロピレン以外の合成繊維や天然繊維を適宜採択し、また混合して用いてもよい。
【００１１】
つぎに、本発明の第２実施形態である布団セットを図４および図５に基いて説明する。第２実施形態においては、第１実施形態と同様に３つのパッドサック１ａ・１ｂ・１ｃを分離可能に構成した敷き布団の例を示してあるが、各人各様の個別的機能（例えば、布団の厚さ、硬さ等）を各サック１ａ・１ｂ・１ｃ中の詰替パッドによって変更した点が第１実施形態と異なる。
【００１２】
図４では、サイズの異なる前記サック１ａ・１ｂ・１ｃの各々に詰替パッドが３つずつ詰め込まれて３層を成しており、第１実施形態と異なる詰替パッドとしては、セルロース−ポリアクリル酸系高保水性繊維を不織布マット形態に成型した吸水性の詰替パッド４ｄと、硬質合成樹脂から成るマット形態の詰替パッド４ｅとを採用している。前記吸水性詰替パッド４ｄの代わりに、活性炭やシリカゲル等の乾燥剤を含有するパッド材を採択しても良い。そして、就寝者の頭部に位置するパッドサック１ａの中に上側から順に詰替パッド４ａ・４ｂ・４ｅを収納し、胴部に位置するパッドサック１ｂの中に上側から順に詰替パッド４ｄ・４ｂ・４ｅを収納し、足部に位置するパッドサック１ｃの中に上側から順に詰替パッド４ｃ・４ｂ・４ｅを収納してある。この収納状態から上記詰替パッド４ｂ（発泡合成樹脂から成る軟質のマット形態）を各々取り出すと、図４に示す布団よりも薄くて硬い敷き布団が得られる（図５参照）。このように各サック１ａ・１ｂ・１ｃ中の詰替パッド４ｂ・４ｂ・４ｂを取り出すだけで、各人の好みに応じて布団の厚さや硬さを自在に変更できて、寝心地の良い敷き布団を簡易に構成することができる。
【００１３】
また、夏に適した敷き布団を必要とする場合には、図４および図５の収納状態から足部のパッドサック１ｃ中の詰替パッド４ｃ（遠赤外線放射性物質によって温熱作用を発揮するパッド材）を取り出して、其処に詰替パッド４ａ（籐筵によって涼作用を発揮するパッド材）を収納すれば良い。さらに、子供用の敷き布団が必要な場合には、足部のパッドサック１ｃを胴部のパッドサック１ｂから分離させて布団の全長を短くすればよい。
【００１４】
最後に、本発明の第３実施形態である布団セットを図６に基いて説明する。第３実施形態においては、圧縮綿にエンボス加工を施して凹凸成形したつぼ刺激用の詰替パッド４ｆと、シート状電熱ヒーターを内蔵させた詰替パッド（以下、電熱式パッドと称す）４ｇとを採用した点が第１実施形態と異なる。前記つぼ刺激用詰替パッド４ｆは、就寝者の胴部に位置するパッドサック１ｂ中の上側に収納されており、前記電熱式パッド４ｇは、足部に位置するパッドサック１ｃ中の上側に収納されている。また、詰替パッド４ｇとして、電熱式パッドの代わりに化学発熱剤を内蔵させたパッド材を採択しても良い。
【００１５】
これにより、下半身が冷え性の人や腰痛の人にとって局部的に効果のある高機能の敷き布団が得られる。しかも、前記つぼ刺激用詰替パッド４ｆや電熱式パッド４ｇ等の特別な機能を有するパッド材が布団全体にではなくて、その機能が必要とされる位置のパッドサックにのみ配置されているので、かゝる高機能布団を安価に作製することができる。
【００１６】
本発明の実施形態は概ね上記のとおりであるが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、第３実施形態においては、就寝者の胴部に対して指圧機能を発揮し、かつ、就寝者の足部に対して温熱機能を発揮する敷き布団の例が示してあるけれども、これら指圧機能と温熱機能とを発揮する位置を各人の体質に応じて、各パッドサックの中の各種詰替パッドをそのままにしてパッドサック１ｂと１ｃの順番を代えることも可能であり、また、本実施形態の布団セットにおいては、敷き布団に適用した例を示してあるが、掛け布団やその他布団に適用することも可能であり、これら何れの変更態様も本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【００１７】
【発明の効果】
以上実施形態を挙げて説明したとおり、本発明布団セットにあっては、連結することによって布団を構成する布団セットであって、方形で所定の深さの容積を有する複数のパッドサックと、これらのパッドサックの中に２層以上に重ねて詰込み可能な厚さを有するマット形態の複数の詰替パッドとから成り、前記各々のパッドサックは、隣向する突合わせ縁同士が繋ぎファスナーによって着脱自在に連結可能であると共に、当該パッドサック裏面の大略全面はパッド入替口を形成して縦横の３つの縁辺に沿って連設された開閉ファスナーによって開閉可能であり、これらのパッドサックに詰め込まれる各々の詰替パッドの各々は、パッドサックの内部サイズと大略合同サイズに成形されたマット形態の合成繊維不織布もしくは圧縮綿、または発泡合成樹脂成形体であって、通気機能、吸水機能、遠赤外線放射機能、または脱臭機能が付与されており、これら各機能を有する詰替パッドを組み合わせて詰込み可能に構成するという方式を採用したので、布団における保温性や弾力性等の一般的機能および各人各様の個別的機能を目的・要望に応じて自在に組み替え変更することができて、寝心地の良い布団を簡易かつ安価に構成することが可能となる。よって、布団分野における実用価値は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態である布団セットの斜視図である。
【図２】図１のパッドサック裏面のパッド入替口から詰替パッドを収納する状態を示す分解斜視説明図である。
【図３】第１実施形態布団セットの断面図である。
【図４】本発明の第２実施形態である布団セットの断面図である。
【図５】図４の第２実施形態布団セットにおける詰替パッドの一部を取り出した状態を示す断面図である。
【図６】本発明の第３実施形態である布団セットの断面図である。
【符号の説明】
１ａ・１ｂ・１ｃ パッドサック
11 パッド入替口
２ 繋ぎファスナー
３ 開閉ファスナー
４ａ・４ｂ・…４ｇ 詰替パッド
Claims (3)
- 連結することによって布団を構成する布団セットであって、方形で所定の深さの容積を有する複数のパッドサックと、これらのパッドサックの中に２層以上に重ねて詰込み可能な厚さを有するマット形態の複数の詰替パッドとから成り、
前記各々のパッドサックは、隣向する突合わせ縁同士が繋ぎファスナーによって着脱自在に連結可能であると共に、当該パッドサック裏面の大略全面はパッド入替口を形成して縦横の３つの縁辺に沿って連設された開閉ファスナーによって開閉可能であり、
これらのパッドサックに詰め込まれる各々の詰替パッドの各々は、パッドサックの内部サイズと大略合同サイズに成形されたマット形態の合成繊維不織布もしくは圧縮綿、または発泡合成樹脂成形体であって、通気機能、吸水機能、遠赤外線放射機能、または脱臭機能が付与されており、これら各機能を有する詰替パッドを組み合わせて詰込み可能に構成したこと特徴とする機能可変式の布団セット。 - 比較的硬質の合成繊維不織布の表面に藤筵を貼付したマット形態の通気性パッドと、マッド形態をなす軟質の発泡合成樹脂の軟性パッドと、遠赤外線放射性物質を練り込んだ合成繊維をマット形態にした温熱性パッド、高保水性の合成繊維不織布をマット形態にした吸水性パッドとが詰替パッドのセットを成し、
頭部、胴部、および足部の順に連結されるパッドサックの連結位置に応じて、前記詰替パッドセットの中から必要な機能の詰替パッドを選択組み合わせて詰込み積層できるようにしたことを特徴とする請求項１記載の、機能可変式の布団セット。 - パッドサックの中に詰込みパッドが２層または３層に積み重ねて詰込み可能であることを特徴とする請求項１または２記載の、機能可変式の布団セット。
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