JP3619054B2 - 自動車の車室フロア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車室のフロアパネルが、ほぼ水平に延びる水平パネルと、この水平パネルの前端縁から前上方に向って延出する傾斜パネルとを備えた場合に、上記水平パネルの上面に対し前後に摺動自在となるよう接合させられると共に、上記水平パネル側と傾斜パネル側とに跨るように載置される乗員の足の踵部を支持させる可動プレートを設けた自動車の車室フロア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記自動車の車室フロア構造には、従来、特開平10‐310011号公報で示されたものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、車室のフロアパネルが、ほぼ水平に延びる水平パネルと、この水平パネルの前端縁から前上方に向って延出する傾斜パネル(トーボード)とを備えている。この傾斜パネルの上面に沿って前後方向に延びその後端部側が上下に揺動自在となるよう上記傾斜パネルに枢支されるアクセルペダルが設けられている。このアクセルペダルは、車室のシートに着座した乗員である運転者の足によって踏動操作が可能とされ、この場合、足は、水平パネル側と、傾斜パネル側であるアクセルペダルとに跨るように載置される。
【0004】
ところで、自動車の前進走行中に、その前方に位置する何らかの物体に衝突(以下、これを「前突」という)するなどして、車体にその前方から大きい衝撃力が与えられた場合には、上記水平パネルの前端部と傾斜パネルとが車体の後部側に対し相対的に後方移動するよう変形し、また、この傾斜プレートの前部側が後端部を中心として後方に折れ曲るよう変形してその仰角がより大きい値になることがある。
【0005】
上記の場合、特に、傾斜プレートの前部側の後方への折れ曲りにより、この傾斜パネル側であるアクセルペダルによって、乗員の足の前部が後方に押されると、この足とすね部との互いの枢支点を中心として足の前部側が後方に回動させられ、もって、すね部に対する足の曲り角が小さくなろうとする。
【0006】
ここで、上記曲り角があまりに小さくなると、上記のように変形した傾斜パネル側から上記足に対し与えられる押圧力により、すね部に対しより大きい曲げ力(以下、これを「ティビアモーメント」という)が与えられることとなり、これは乗員にとって好ましくない。
【0007】
そこで、前記従来の技術には、「前突」時など、車体にその前方から大きい衝撃力が与えられたとき、直ちに、上記足を上記フロアパネルから上方に離反させて、前記「ティビアモーメント」の生じることを防止するようにしたばね式やエアバッグ式の離反手段が設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、離反手段は、その主体がばねやエアバッグとされ、かつ、これらばね等を収納するケーシングが設けられており、よって、車室フロアの構成が複雑になっている。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、「前突」時など、車体にその前方から大きい衝撃力が与えられた場合でも、乗員に大きい「ティビアモーメント」が与えられないようにして、乗員の保護がより確実になされるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成されるようにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動車の車室フロア構造は、次の如くである。
【0011】
請求項1の発明は、車室2のフロアパネル6が、ほぼ水平に延びる水平パネル7と、この水平パネル7の前端縁から前上方に向って延出する傾斜パネル8とを備え、上記運転室3にアクセルペダル19を設け、このアクセルペダル19が、後下がりに延びてその後端部側が上下に揺動自在となるよう上記傾斜パネル8に枢支されるペダルアーム21と、このペダルアーム21の後端部に取り付けられたペダル本体22とを備えた自動車の車室フロア構造において、
【0012】
上記フロアパネル6の上面に載置される可動プレート29を設け、この可動プレート29が、ほぼ水平に延びて上記水平パネル7の上面に接合すると共にこの上面に対し前後に摺動可能とされる水平プレート30と、上記水平パネル7側とペダル本体22とに跨るよう載置させた足14aの踵部14bの前方近傍における上記水平プレート30の上面から前上方に向って突出し、上記ペダル本体22の下方域に設けられる押動部32とを備え、車体1の側面視で上記押動部32をほぼへの字形に屈曲させたものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記水平プレート30の前端縁から前上方に向って一体的に延出し上記傾斜パネル8の上面に接合する傾斜プレート31を備え、車体1の幅方向で上記傾斜プレート31の少なくとも一部と押動部32とを並設させたものである。
【0014】
請求項3の発明は、特に図1〜3で例示するように、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記水平プレート30の一部を折り曲げてこの水平プレート30に上記押動部32を一体成形したものである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記可動プレート29を上記フロアパネル6に仮止めし、所定以上の外力でその仮止めが解除される仮止め手段33を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
【0018】
図1から図3は、第1の実施の形態を示している。
【0019】
図中符号1は自動車の車体で、矢印Frはこの自動車の前方を示している。また、下記する左右とは上記前方に向っての車体1の幅方向をいうものとする。
【0020】
上記車体1の内部が車室2とされ、車体1の幅方向におけるこの車室2の前部の一側部が運転室3、他側部が助手室4とされている。
【0021】
上記車室2の前部の下面側に、上記車体1の一部を構成する板金製のフロアパネル6が設けられ、このフロアパネル6はほぼ水平方向に延びるほぼ平坦形状の水平パネル7と、この水平パネル7の前端縁から前上方に向って一体的に延出する傾斜パネル8とを備えている。また、上記車室2の前面側に上記車体1の一部を構成する板金製のダッシュパネル9が設けられ、このダッシュパネル9は車体1の幅方向かつほぼ鉛直方向に延びてその下端縁が上記傾斜パネル8の延出端縁(前端縁)に結合させられている。
【0022】
上記フロアパネル6の車体1の幅方向における中央部には、この中央部を上方に向って膨出させることにより前後方向に長く延びるトンネル11が形成されている。また、上記フロアパネル6の上面に結合させられて車体1の幅方向に延びるクロスメンバ12が設けられ、このクロスメンバ12によって上記フロアパネル6が補強されている。
【0023】
上記運転室3におけるフロアパネル6の水平パネル7の上面に、運転者である乗員14用のシート15が設けられ、このシート15は上記水平パネル7に支持されたシート台16と、このシート台16上に載置されて上記乗員14を着座可能とさせるシートクッション17と、このシートクッション17の後端部から上方に向って突出して上記乗員14を背もたれ可能とさせる不図示のシートバックとを備えている。
【0024】
上記シート15に着座した乗員14により、上記車室2の前部に設けられた不図示のハンドルが把持可能とされ、このハンドルへの操作で自動車が操向可能とされている。
【0025】
上記運転室3における上記傾斜パネル8の右側部の上面の上方近傍にアクセルペダル19が設けられている。このアクセルペダル19は、上記傾斜パネル8の上面に沿って後下がりの前後方向に延びその後端部側が上下に揺動自在となるよう前端部が上記傾斜パネル8に枢支軸20により枢支されるペダルアーム21と、このペダルアーム21の後端部(揺動端)の上面側に取り付けられたペダル本体22とを備えている。このペダル本体22は、上記シート15に着座した乗員14の足14aによって踏動操作が可能とされ、この踏動操作で自動車が加、減速されるようになっている。
【0026】
上記フロアパネル6の水平パネル7と傾斜パネル8の各上面には、これら各上面に面接合するように弾性かつ可撓性のあるカーペット25が敷設されている。このカーペット25は、その上面側を構成する弾性かつ可撓性のあるカーペット本体26と、下面側を構成して上記フロアパネル6とカーペット本体26との間に介設されるフェルト製で特に弾性のある緩衝敷物27とを備えている。この場合、上記カーペット本体26と緩衝敷物27とは互いに接着されて、一体ものとされている。
【0027】
上記したように、乗員14の足14aがアクセルペダル19を踏動操作するとき、上記足14aは、水平パネル7側であるこの水平パネル7上のカーペット25の上面と、傾斜パネル8側であるアクセルペダル19のペダル本体22とに跨るように載置される。この場合、上記アクセルペダル19を踏動操作する足14aの踵部14bは、上記アクセルペダル19の後下方近傍で上記水平パネル7上のカーペット25の上面に載置され、すね部14cはシート15のシートクッション17の上面側から前下方に延びている。
【0028】
上記運転室3におけるフロアパネル6の水平パネル7および傾斜パネル8と、上記カーペット25との間に介在されて上記水平パネル7と傾斜パネル8の各上面に跨って載置される板金製もしくは樹脂製の可動プレート29が設けられている。この可動プレート29は、上記水平パネル7側とペダル本体22に跨るよう載置させた足14aの踵部14bの下方に位置してほぼ水平に延び上記水平パネル7の上面に面接合すると共にこの上面に対し前後に摺動可能とされる水平プレート30と、この水平プレート30の前端縁から前上方に向い一体的に延出して上記傾斜パネル8の上面に面接合する傾斜プレート31と、上記水平プレート30の前部上面から前上方に向って延出しその延出端(前端)が上記傾斜パネル8の前後方向の中途部の近傍(当接を含む)に位置する押動部32とを備えている。
【0029】
上記足14aは、アクセルペダル19を踏動操作するよう上記水平パネル7側である水平プレート30上のカーペット25の部分の上面と、アクセルペダル19のペダル本体22の上面とに跨るように載置されており、上記押動部32は上記ペダル本体22の下方に配設され、また、上記押動部32は、上記踵部14bの前方近傍に配設されて、これら押動部32と踵部14bとは前後方向で対向させられている。
【0030】
上記可動プレート29は一枚の薄い平板材をプレス加工により折り曲げ成形したもので、水平プレート30、傾斜プレート31はそれぞれほぼ平坦形状をなして、それぞれが全体的に上記フロアパネル6の水平パネル7と傾斜パネル8とに面接合させられている。また、上記傾斜パネル8と傾斜プレート31の延出方向の仰角はそれぞれα1とされている。また、上記押動部32は、上記水平プレート30と傾斜プレート31の各一部を折り曲げてこれら水平プレート30と傾斜プレート31とに一体成形され、つまり、上記押動部32は上記水平プレート30と傾斜プレート31とに跨って一体成形されている。また、車体1の側面視で、上記傾斜プレート31と押動部32の各延出端はほぼ同じところに位置させられている。
【0031】
上記可動プレート29をフロアパネル6に仮止めし、所定以上の外力でその仮止めが解除される仮止め手段33が設けられている。この仮止め手段33は、上記フロアパネル6と可動プレート29とを互いに係止させて仮止めさせる樹脂製の係止ピン34とされている。一方、上記可動プレート29上のカーペット25の部分と可動プレート29とは接着剤などの固着手段により互いに連結されており、この固着手段は上記両者25,29を互いに接着させる接着剤35で構成され、上記カーペット25の部分と可動プレート29とは一体的に共に前後移動することとされている。
【0032】
上記仮止め手段33と接着剤35とは、上記フロアパネル6に対しカーペット25と可動プレート29とを所定位置に位置決めさせている。また、上記仮止め手段33の係止ピン34は、「前突」時などで、この係止ピン34に対し上記傾斜パネル8側から衝撃力などの所定以上の大きい外力が与えられたときに、直ちに破断して、上記フロアパネル6に対する可動プレート29の仮止めを解除させ、上記フロアパネル6の水平プレート30に対する上記可動プレート29の摺動を許容する。
【0033】
上記水平プレート30の上方における上記カーペット25の部分の上面に、上記乗員14の踵部14bを置いた状態で、足14aによりアクセルペダル19の踏動操作がなされる。このアクセルペダル19を大きく踏み込んだとき(図1中実線)、上記乗員14のすね部14cに対する足14aの平均的な曲り角はβ1とされている。なお、アクセルペダル19に負荷を与えないようこのアクセルペダル19に足14aを載置させたときの状態は、図1中一点鎖線で示してある。
【0034】
上記自動車が、「前突」するなどして、その車体1が次のように変形する場合を想定する。
【0035】
即ち、図1,2と、図3中二点鎖線とで示した元の形状の状態から、図3中実線で示すよう、上記水平パネル7の前端部と傾斜パネル8とが車体1の後部側に対し相対的に後方移動するよう変形し、また、この傾斜パネル8の前部側がその後端部を中心として後方に折れ曲るよう変形して、その元の仰角α1がこれよりも大きい値の他の仰角α2になるとする。すると、上記のように変形した上記傾斜パネル8に、上記アクセルペダル19を介し乗員14の足14aの前部が後方に押されてその曲り角β2が小さくなろうとする。
【0036】
しかし、この際、上記「前突」の衝撃力により、係止ピン34は直ちに破断し、これと同時に、上記のように変形する傾斜パネル8が上記傾斜プレート31および/もしくは押動部32の延出端(前端)に圧接することによって可動プレート29が後方に押され、この可動プレート29は上記水平パネル7の上面を後方に摺動することとなる。すると、上記可動プレート29とこの可動プレート29に載置されて固着手段により連結されているカーペット25の部分とが共に後方移動させられ、また、このカーペット25の部分と共にこのカーペット25の部分に載置されて摩擦接合させられている上記足14aの踵部14bも後方移動させられる。
【0037】
よって、上記足14aは元の位置から後方に向いほぼ平行移動させられ、つまり、上記傾斜パネル8側に押されて足14aの前部が後方に大きく回動させられるということが回避され、上記足14aの曲り角β2が小さくなるということが抑制される。このため、大きい「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることが防止されて、乗員14の保護がより確実になされる。
【0038】
なお、上記「前突」などにより、可動プレート29が水平パネル7の上面を後方に摺動するとき、上記可動プレート29が上記カーペット25の部分に対し後方に向って摺動し、および/もしくは、上記カーペット25の部分が上記足14aの踵部14bに対し後方に向って摺動したとすると、上記可動プレート29の押動部32が上記カーペット25を介し足14aの踵部14bを後方に押動させる(図3中一点鎖線)。
【0039】
よって、この場合にも、上記足14aは元の位置から後方に向いほぼ平行移動させられ、つまり、上記傾斜パネル8側に押されて足14aの前部が後方に大きく回動させられるということが回避され、上記足14aの曲り角β2が小さくなるということが抑制される。このため、大きい「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることが防止されて、乗員14の保護が確実になされる。
【0040】
また、上記可動プレート29の前部は、水平プレート30側から前上方に向って延出する傾斜プレート31と押動部32とを備えており、このため、上記傾斜パネル8の仰角α2が大きくなるよう変形したときには、上記傾斜プレート31と押動部32とが上方に大きく延出している分、この傾斜プレート31および/もしくは押動部32の延出端(前端)が上記傾斜パネル8によって、より大きく後方に移動させられる。
【0041】
よって、上記足14aの踵部14bもより後方にまで移動させられ、つまり、足14aがより平行なまま後方移動させられて、「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることがより確実に防止され、このため、乗員14の保護が更に確実になされる。
【0042】
また、上記構成の可動プレート29によれば、フロアパネル6に対する可動プレート29の設置は、既存のフロアパネル6の形状を変更することなくでき、かつ、上記可動プレート29は板金製など板材の単なる折り曲げにより形成されるものであって、部品点数が少なく、かつ、単純な形状である。
【0043】
よって、上記した「ティビアモーメント」の発生等の防止は、極めて簡単な構成によって達成される。
【0044】
また、前記したように、水平プレート30の前端縁から前上方に向って傾斜プレート31が一体的に延出させられ、かつ、これら水平プレート30と傾斜プレート31はそれぞれほぼ平坦形状をなして、それぞれが全体的に上記フロアパネル6の水平パネル7と傾斜パネル8に面接合させられている。
【0045】
このため、上記したように、可動プレート29をフロアパネル6とカーペット25との間に介在させて、上記フロアパネル6上に設置したとき、この可動プレート29は上記フロアパネル6に対しがたつきなく設置される。
【0046】
また、上記水平プレート30と傾斜プレート31とに跨るように押動部32が一体成形されている。
【0047】
このため、上記水平プレート30と傾斜プレート31とは押動部32によって互いに強固に結合させられることとなる。
【0048】
よって、上記可動プレート29の強度と剛性とが向上するため、この可動プレート29が傾斜パネル8によって後方に押されて水平パネル7の上面を後方に摺動させられるとき、上記可動プレート29の変形が防止されて「ティビアモーメント」の発生等がより確実に防止される。
【0049】
また、前記したように、水平プレート30、傾斜プレート31、および押動部32は互いに一体成形されたものであるため、上記「ティビアモーメント」の発生等の防止は、簡単な構成によって達成される。
【0050】
また、前記したように、上記可動プレート29は上記フロアパネル6に仮止め手段33により仮止めされている。
【0051】
このため、運転室3におけるフロアパネル6の所定位置に設置された上記可動プレート29は、上記仮止め手段33によりその位置に保持され、よって、走行振動などで、上記可動プレート29が位置ずれすることは防止される。
【0052】
そして、「前突」時など、上記傾斜パネル8が変形した場合には、上記仮止め手段33は上記仮止めを直ちに解除するため、上記可動プレート29の前記した摺動に基づく作用が確実に発揮されて、乗員14が確実に保護される。
【0053】
なお、以上は図示の例によるが、上記アクセルペダル19は直接的にダッシュパネル9に枢支させ、このダッシュパネル9を介し間接的に傾斜パネル8に枢支させてもよい
【0054】
また、上記押動部32は水平プレート30の上面から前上方に向って延出するが、これは、一旦、ほぼ垂直など上方に向って延出した後、前方に向って延出するものを含むものとする。
【0055】
また、上記仮止め手段33は接着面積を小さくした接着剤であってもよく、仮止め手段33は設けなくてもよい。更に、上記可動プレート29に載置されたカーペット25の部分は上記可動プレート29と共に後方移動するようこの可動プレート29に連結されるが、この場合、接着剤35に代えて、ねじなどの連結具を設けてもよく、また、上記可動プレート29にカーペット25を大きい摩擦力で接合させてもよく、更に、図1,3で示すように上記可動プレート29の水平プレート30後端面にカーペット25の下面の一部を圧接状に係止させてもよい。また、カーペット25は設けなくてもよい。
【0056】
(第2の実施の形態)
【0057】
図4,5は、第2の実施の形態を示している。
【0058】
これによれば、上記可動プレート29は、互いに一体成形された水平プレート30および傾斜プレート31と、これらプレート30,31とは別体に設けられこれらの各上面に跨るようにして溶接により取り付けられる押動部32とを備えている。
【0059】
このため、上記可動プレート29は、その側面断面視で(図4)、強度と剛性を確保し易い閉断面形状となり、よって、この可動プレート29による「ティビアモーメント」の発生等の防止は、より確実に達成される。
【0060】
他の構成や作用効果については、前記の実施の形態と同様であるため、図面に共通の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0062】
請求項1の発明は、車室のフロアパネルが、ほぼ水平に延びる水平パネルと、この水平パネルの前端縁から前上方に向って延出する傾斜パネルとを備え、上記運転室にアクセルペダルを設け、このアクセルペダルが、後下がりに延びてその後端部側が上下に揺動自在となるよう上記傾斜パネルに枢支されるペダルアームと、このペダルアームの後端部に取り付けられたペダル本体とを備えた自動車の車室フロア構造において、
【0063】
上記フロアパネルの上面に載置される可動プレートを設け、この可動プレートが、ほぼ水平に延びて上記水平パネルの上面に接合すると共にこの上面に対し前後に摺動可能とされる水平プレートと、上記水平パネル側とペダル本体とに跨るよう載置させた足の踵部の前方近傍における上記水平プレートの上面から前上方に向って突出し、上記ペダル本体の下方域に設けられる押動部とを備え、車体の側面視で上記押動部をほぼへの字形に屈曲させており、次の効果が生じる。
【0064】
即ち、自動車が、「前突」するなどして、上記水平パネルの前端部と傾斜パネルとが車体の後部側に対し相対的に後方移動するよう変形し、また、この傾斜パネルの前部側がその後端部を中心として後方に折れ曲るよう変形して、その元の仰角がこれよりも大きい値の他の仰角になるとする。すると、上記のように変形した上記傾斜パネルに、上記アクセルペダルを介し乗員の足の前部が後方に押されてその曲り角が小さくなろうとする。
【0065】
しかし、この際、上記のように変形する傾斜パネルが上記押動部の延出端(前端)に圧接することによって可動プレートが後方に押され、この可動プレートは上記水平パネルの上面を後方に摺動し、この可動プレートと共に上記足の踵部も後方移動させられる。
【0066】
よって、上記足は元の位置から後方に向いほぼ平行移動させられ、つまり、上記傾斜パネル側に押されて足の前部が後方に大きく回動させられるということが回避され、上記足の曲り角が小さくなるということが抑制される。このため、大きい「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることが防止されて、乗員の保護がより確実になされる。
【0067】
なお、上記「前突」などにより、可動プレートが水平パネルの上面を後方に摺動するとき、上記可動プレートが上記足の踵部に対し後方に向って摺動したとしても、上記可動プレートの押動部が上記足の踵部を後方に押動させる。
【0068】
よって、この場合にも、上記足は元の位置から後方に向いほぼ平行移動させられ、つまり、上記ペダル本体に押されて足の前部が後方に大きく回動させられるということが回避され、上記足の曲り角が小さくなるということが抑制される。このため、大きい「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることが防止されて、乗員の保護が確実になされる。
【0069】
また、上記可動プレートの前部は、水平プレート側から前上方に向って延出する押動部を備えており、このため、上記傾斜パネルの仰角が大きくなるよう変形したときには、上記押動部が上方に大きく延出している分、この押動部の延出端(前端)が上記傾斜パネルによって、より大きく後方に移動させられる。
【0070】
よって、上記足の踵部もより後方にまで移動させられ、つまり、足がより平行なままで後方移動させられて、「ティビアモーメント」の発生や、これが大きくなることがより確実に防止され、このため、乗員の保護が更に確実になされる。
【0071】
また、上記構成の可動プレートによれば、フロアパネルに対する可動プレートの設置は、既存のフロアパネルの形状を変更することなくでき、かつ、上記可動プレートは板金製など板材の単なる折り曲げにより形成されるものであって、部品点数が少なく、かつ、単純な形状である。
【0072】
よって、上記した「ティビアモーメント」の発生等の防止は、極めて簡単な構成によって達成される。
【0073】
請求項2の発明は、上記水平プレートの前端縁から前上方に向って一体的に延出し上記傾斜パネルの上面に接合する傾斜プレートを備え、車体の幅方向で上記傾斜プレートの少なくとも一部と押動部とを並設させている。
【0074】
このため、上記したように、可動プレートを上記フロアパネル上に設置したとき、この可動プレートは上記フロアパネルに対しがたつきなく設置される。
【0075】
また、上記傾斜プレートは、上記押動部が踵部を後方に移動させるという作用を除いて、上記押動部と同様の作用を奏するため、上記「ティビアモーメント」の発生等の防止は、より効果的に達成される。
【0076】
請求項3の発明は、上記水平プレートの一部を折り曲げてこの水平プレートに上記押動部を一体成形してある。
【0077】
このため、上記「ティビアモーメント」の発生等の防止は、簡単な構成によって達成される。
【0078】
請求項4の発明は、上記可動プレートを上記フロアパネルに仮止めし、所定以上の外力でその仮止めが解除される仮止め手段を設けてある。
【0079】
このため、車室におけるフロアパネルの所定位置に設置された上記可動プレートは、上記仮止め手段によりその位置に保持され、よって、走行振動などで、上記可動プレートが位置ずれすることは防止される。
【0080】
そして、「前突」時など、上記傾斜パネルが変形した場合には、上記仮止め手段は上記仮止めを直ちに解除するため、上記可動プレートの前記した摺動に基づく作用が確実に発揮されて、乗員が確実に保護される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で、車室の部分側面図である。
【図2】第1の実施の形態で、車室前部の斜視図である。
【図3】第1の実施の形態で、図1に相当する図で作用説明図である。
【図4】第2の実施の形態で、図1に相当する図である。
【図5】第2の実施の形態で、図2に相当する図である。
【符号の説明】
1 車体
2 車室
3 運転室
6 フロアパネル
7 水平パネル
8 傾斜パネル
14 乗員
14a 足
14b 踵部
14c すね部
15 シート
19 アクセルペダル
21 ペダルアーム
22 ペダル本体
25 カーペット
26 カーペット本体
27 緩衝敷物
29 可動プレート
30 水平プレート
31 傾斜プレート
32 押動部
33 仮止め手段
α1 仰角
α2 仰角
β1 曲り角
β2 曲り角

Claims (4)

  1. 車室のフロアパネルが、ほぼ水平に延びる水平パネルと、この水平パネルの前端縁から前上方に向って延出する傾斜パネルとを備え、上記運転室にアクセルペダルを設け、このアクセルペダルが、後下がりに延びてその後端部側が上下に揺動自在となるよう上記傾斜パネルに枢支されるペダルアームと、このペダルアームの後端部に取り付けられたペダル本体とを備えた自動車の車室フロア構造において、
    上記フロアパネルの上面に載置される可動プレートを設け、この可動プレートが、ほぼ水平に延びて上記水平パネルの上面に接合すると共にこの上面に対し前後に摺動可能とされる水平プレートと、上記水平パネル側とペダル本体とに跨るよう載置させた足の踵部の前方近傍における上記水平プレートの上面から前上方に向って突出し、上記ペダル本体の下方域に設けられる押動部とを備え、車体の側面視で上記押動部をほぼへの字形に屈曲させた自動車の車室フロア構造。
  2. 上記水平プレートの前端縁から前上方に向って一体的に延出し上記傾斜パネルの上面に接合する傾斜プレートを備え、車体の幅方向で上記傾斜プレートの少なくとも一部と押動部とを並設させた請求項1に記載の自動車の車室フロア構造。
  3. 上記水平プレートの一部を折り曲げてこの水平プレートに上記押動部を一体成形した請求項1、もしくは2に記載の自動車の車室フロア構造。
  4. 上記可動プレートを上記フロアパネルに仮止めし、所定以上の外力でその仮止めが解除される仮止め手段を設けた請求項1から3のうちいずれか1つに記載の自動車の車室フロア構造。
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