JP3804424B2 - 自動車のペダル支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のダッシュパネル後方に配設された操作ペダルの支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車が前方障害物に衝突するときは、車体前部が衝突エネルギーを吸収しながら潰れていき、エンジンルーム内に配置されているエンジンが、その後側に位置するブレーキ装置のマスタシリンダを押しながら後退する。このマスタシリンダには、ダッシュパネル後方に位置するブレーキペダルがロッドを介して連結されているので、マスタシリンダの後退に伴いプレーキペダルも押されて後退することとなる。従って、この衝突の際にブレーキペダルを踏んでいるドライバの足に衝突荷重が作用して大きなキックバックが生じ、そのドライバーの膝に衝撃がかかるという問題がある。
【0003】
これに対して、特開平11−43073号公報には、吊下式車両用ペダルよりも後方に配置されているインストルメントパネルの補強部材(車体構成部材)からストッパ部材(押圧部材)を前方へ突出させておき、衝突によって後退してくる車両用ペダルを当該ストッパ部材に当てることが記載されている。車両用ペダルがストッパ部材に当たる位置はその枢支点よりも下側である。従って、車両用ペダルはストッパ部材に当たると、枢支点を中心に回転して先端ペダル部が前方へ移動し、ドライバの足に作用する衝突荷重を軽減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ストッパ部材を設けるインストルメントパネル補強部材は操作ペダルの枢支点と同じ程度の高さかそれよりも高位置に配設されているのが通常である。従って、ストッパ部材を操作ペダルの枢支点よりも下側に当てるようにするにはストッパ部材を当該補強部材から前方へ下向きに傾斜させて突出させなければならない。しかし、この下向き傾斜角度が大きくなると、それだけストッパ部材の後方への衝突荷重に対する突張り力(抵抗力)が弱くなるから、突張り力を確保しようとすれば、どうしてもストッパ部材の傾斜角度を小さくして操作ペダルの枢支点近傍にストッパ部材を当てざるを得ない。
【0005】
ストッパ部材を操作ペダルの枢支点近傍に当てるようにすると、該枢支点が後退するときの操作ペダルの前方への揺動量が大きくなる。その場合、自動車衝突により後退してくるダッシュパネル下部に操作ペダルが当たり、このダッシュパネル下部の後退自体が操作ペダル及びストッパ部材を介してインストルメントパネル補強部材に入力する荷重となるおそれがある。そのため、この補強部材が衝突荷重に耐えられなくなって、ドライバ上半身部に対するインストルメントパネルの後退を招く不具合がある。
【0006】
また、操作ペダルにはロッド(例えばブレーキペダルにあってはマスタシリンダのプッシュロッド)が連結されているのが通常であるが、自動車の衝突時にこのロッドを介して操作ペダルに衝突荷重が入ることがある。その場合、操作ペダルに対するストッパ部材の当接位置がロッドからの荷重入力点よりも枢支点側にあると、操作ペダルはストッパ部材に当接してもロッドが抵抗となって前方への揺動が妨げられることになる。
【0007】
また、ストッパ部材を操作ペダルの枢支点から比較的離れた部位に当てるために、ストッパ部材を支持する車体構成部材を低位置に設けることも考えられるが、車体のレイアウトの大きな変更を招くとともに、ドライバの足下の空間が狭くなる。
【0008】
そこで、本発明は、操作ペダル周辺のレイアウトに大きな影響を与えることなく、自動車の衝突時に操作ペダルが過度に後退してドライバの足に大きな荷重が作用すること、あるいは操作ペダルが過度に前方へ揺動してダッシュパネルからストッパ部材の支持部材に大きな衝突荷重が入力することを防止できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、操作ペダルとストッパ部材との間に中間部材を設け、この中間部材によってストッパ部材による操作ペダルの後退阻止点を適切な位置に選ぶことができるようにしたものである。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、自動車のダッシュパネルに固定されて該ダッシュパネルの後方に配設されたペダルブラケットと、
上記ペダルブラケットに前後揺動自在に支持された操作ペダルと、
上記操作ペダルに連結され、該操作ペダルによって操作されるロッドと、
上記操作ペダルの後方に配置され、該操作ペダルが上記ペダルブラケットと共に所定量以上に後退してきたときに該操作ペダルのペダルブラケットに対する支持点と先端ペダル部との中間点の後退を阻止するストッパ部材とを備えている自動車のペダル支持装置であって、
上記操作ペダルとストッパ部材との間に配設された中間部材を備え、
上記中間部材は、上記操作ペダルが上記ペダルブラケットと共に所定量後退したときに上記ストッパ部材に当接するストッパ当接部と、上記ストッパ部材を支えとして上記操作ペダルの上記中間点を後退しないように受け止めるペダル受け部とを備え、
上記ペダル受け部は、上記操作ペダルの支持点からみて上記ストッパ当接部よりも遠方に配設されていて、
上記中間部材は、上記ペダル受け部が上記ストッパ部材を支えとして上記操作ペダル中間点の後退を阻止した状態からさらに、上記ペダルブラケットが後退するときに、上記ペダル受け部が上記操作ペダル中間点の後退阻止位置となって、該操作ペダルの先端ペダル部が相対的に前方へ移動するように上記ペダルブラケットに設けられていることを特徴とする。
【0011】
従って、この発明によれば、操作ペダルは、自動車の衝突時にダッシュパネル及びペダルブラケットと共に車室側に後退してくるが、所定量後退すると、中間部材のストッパ当接部がストッパ部材に当接する一方、この中間部材のペダル受け部に操作ペダルの中間点が受け止められる。この状態からさらにペダルブラケットが後退すると、上記ストッパ当接部及びペダル受け部がペダルブラケットに対して相対的に前方へ移動し、操作ペダルはペダル部が前方へ移動するように変位する。
【0012】
そうして、本発明の場合、操作ペダルの中間点の後退をストッパ部材によって直接阻止するのではなく、中間部材を介して阻止するようにしているから、ストッパ部材を操作ペダルの枢支点近傍に配置しながら、該ストッパ部材による操作ペダルの後退阻止位置を当該枢支点から遠くに離すことができ、ペダルブラケットが後退してくるときに操作ペダルが前方へ過度に揺動することを避けることができるものである。このため、後退してくるダッシュパネルに操作ペダルが当たって該ダッシュパネルから操作ペダル及び中間部材を介してストッパ部材に大きな衝突荷重が入力することが避けられ、このストッパ部材を支持する車体構成部材がドライバに向かって後退することを防止する上で有利になる。
【0013】
また、上述の如く中間部材を設けて操作ペダルの後退阻止点を設定するようにしているから、この後退阻止点を操作ペダルに対するロッドの連結点よりも枢支点からみて遠方にすることができ、操作ペダルに対してロッドから衝突荷重が伝わる場合でも、該操作ペダルのペダル部側を中間部材及びストッパ部材によって前方へ移動させることができるようになる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動車のペダル支持装置において、
上記中間部材のペダル受け部は、上記操作ペダルが上記ペダルブラケットに対する支持点を中心に前後に揺動するときの、後方への揺動量を規制するストッパであることを特徴とする。
【0015】
すなわち、上記中間部材は、自動車の衝突時にはストッパ部材と相俟って操作ペダルの中間点の後退を阻止する働きをするが、この発明はさらに中間部材が自動車の非衝突時には操作ペダルが後方へ揺動するときの戻りストッパとして働くようにしたものである。従って、この発明によれば、別に戻りストッパを設ける必要がなくなり、部品点数の増大防止に有利になる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する相対する一対の側壁と、この両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
上記中間部材は、相対する側壁と、この両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備えてなる断面コ字状の部材であって、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設されていて、
上記中間部材の連結壁に、上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられているとともに、上記ストッパ当接部が上記ストッパ部材に当接する際に該ストッパ部材の一部が嵌合する嵌合部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、上述の如く中間部材を戻りストッパに兼用する場合は、自動車の非衝突時に操作ペダルから中間部材に後方へ向かって荷重が加わるときは、この後方への荷重に対して中間部材が変形ないしは移動しないようにし、自動車の衝突時に中間部材がストッパ部材に当接して前方へ反力を受けるときは、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させることができるように中間部材が前方へ変形ないしは移動するようにする必要がある。つまり、中間部材は、後方へ力を受けるときは強く前方へ力を受けるときは弱くなるようにペダルブラケットに設ける必要がある。
【0018】
そこで、この発明では、中間部材を断面コ字状の形状とすることによってその剛性を高めるとともに、その背部をペダルブラケットの後壁に当接させることによって、自動車の非衝突時において操作ペダルから後方へ力を受けるときは、これをペダルブラケットで支えて後方へ変形ないしは移動することを防止し、自動車の衝突時においてストッパ部材から前方へ力を受けるときは、ペダルブラケットで遮られることなく前方へ変形ないしは移動できるようにしたものである。
【0019】
また、この発明では中間部材の連結壁に、ストッパ当接部がストッパ部材に当接する際に該ストッパ部材の一部が嵌合する嵌合部が設けられているから、自動車の衝突時に中間部材がストッパ部材から外れることが当該嵌合によって防止され、このストッパ部材及び中間部材によって操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する車体左右方向に相対する一対の側壁と、この両側壁の上縁同士を結ぶ上壁と、この上壁の後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
上記中間部材は、車体左右方向に相対する側壁と、この両側壁の上側に配置された上壁と、この上壁の前縁又は後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備え、この連結壁に上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられていて、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設され、
上記中間部材の上壁が上記ペダルブラケットの上壁に結合されている一方、上記中間部材の両側壁が上記ペダルブラケットの両側壁に前方へ所定値以上の荷重が働いたときに外れるように結合されていることを特徴とする。
【0021】
従って、この発明の場合は、請求項2に係る発明と同様に、中間部材は、自動車の非衝突時において操作ペダルから後方へ力を受けるときは、ペダルブラケットの後壁で支えられるために、後方への変形ないしは移動が防止される一方、自動車の衝突時にストッパ部材によって相対的に前方へ押圧されるときは、この中間部材の側壁とペダルブラケットの側壁との結合が外れるから、前方へ変形ないしは移動し易くなり、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の自動車のペダル支持装置において、
上記中間部材の側壁の、上記ペダルブラケットの側壁に対する結合部よりも上側の部位に、当該側壁同士の結合が外れるように該中間部材の連結壁が相対的に前方へ押圧された際に該中間部材の当該部位よりも下側部分が前方に折れ曲がるようにするための脆弱部が設けられていることを特徴とする。
【0023】
従って、この発明の場合は、中間部材は自動車の衝突時にストッパ部材によって相対的に前方へ押圧されたとき、脆弱部によってその下側部分が前方へ簡単に折れ曲がるようになるから、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する車体左右方向に相対する一対の側壁と、この両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
上記中間部材は、車体左右方向に相対する側壁と、この両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備え、この連結壁に上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられていて、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設され、
上記中間部材の両側壁は、上記ペダルブラケットの両側壁に上下に配設された複数点で結合されているとともに、最も上側に配置された結合点を除く他の結合点はこの中間部材が所定値以上の力で相対的に前方へ押圧された際にペダルブラケットから外れるように弱く結合されていることを特徴とする。
【0025】
従って、この発明の場合は、請求項2に係る発明と同様に、中間部材は、自動車の非衝突時において操作ペダルから後方へ力を受けるときは、ペダルブラケットの後壁で支えられるために、後方への変形ないしは移動が防止される一方、自動車の衝突時にストッパ部材によって相対的に前方へ押圧されるときは、この中間部材の側壁とペダルブラケットの側壁との弱い結合部分が外れるから、最も上側に配置された強い結合部分で中間部材をペダルブラケットに支持した状態で、該中間部材を前方へ変形ないしは揺動させ易くなり、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、操作ペダルとストッパ部材との間に、ストッパ部材に当接するストッパ当接部と、操作ペダルの中間点を受け止めるペダル受け部とを有する中間部材を設け、ペダル受け部がストッパ部材を支えとして操作ペダル中間点の後退を阻止した状態からさらにペダルブラケットが後退するときに、上記ペダル受け部が上記操作ペダル中間点の後退阻止位置となって、該操作ペダルの先端ペダル部が前方へ移動するようにし、さらにこのペダル受け部をストッパ当接部よりも操作ペダルの支持点からみて遠方に配設したから、操作ペダル及びその周辺部材のレイアウトを難しくすることなく、自動車の衝突時に操作ペダルの先端ペダル部を前方へ確実に且つ適度に移動させることができ、ドライバの足に大きな衝突荷重が作用することを防止することができる。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、上記中間部材のペダル受け部が、操作ペダルがペダルブラケットに対する支持点を中心に前後に揺動するときの後方への揺動量を規制する戻りストッパを兼ねているから、部品点数の増大防止に有利になる。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、上記中間部材の形状を断面コ字状としてペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設し、さらにこの中間部材に、上記ストッパ当接部がストッパ部材に当接する際に該ストッパ部材の一部が嵌合する嵌合部を設けたから、中間部材は自動車の非衝突時に操作ペダルから後方へ力を受けるときは強く、自動車の衝突時にストッパ部材から相対的に前方へ力を受けるときは弱いものになり、上記戻りストッパとしての機能を損なうことなく、自動車衝突時にはストッパ部材と相俟って操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させることができるようになり、しかも自動車の衝突時に中間部材がストッパ部材から外れることが防止されるから、操作ペダルのペダル部側を前方へ揺動させる上で有利になる。
【0029】
請求項4に係る発明によれば、中間部材をペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設し、該中間部材の上壁をペダルブラケットの上壁に結合する一方、該中間部材の両側壁をペダルブラケットの両側壁にこの中間部材が所定値以上の力で相対的に前方へ押圧された際に外れるように結合したから、自動車の非衝突時には中間部材を操作ペダルの戻りストッパとして有効に働かせながら、自動車の衝突時には中間部材の前方への変形ないしは移動を容易なものとして、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0030】
請求項5に係る発明によれば、中間部材に脆弱部を設けることによって、該中間部材がストッパ部材によって相対的に前方へ押圧された際に該中間部材の脆弱部よりも下側部分が前方に折れ曲がるようにしたから、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0031】
請求項6に係る発明によれば、中間部材をペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設し、該中間部材の両側壁とペダルブラケットの両側壁との上下に配設された複数の結合点のうち、最も上側に配置された結合点を除く他の結合点の結合力を弱くしたから、自動車の非衝突時には中間部材を操作ペダルの戻りストッパとして有効に働かせながら、自動車の衝突時には中間部材の前方への変形ないしは移動を容易なものとして、操作ペダルのペダル部側を前方へ移動させる上で有利になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
<実施形態1>
図1は本実施形態の全体構成を示すものである。同図において、1は自動車前部のエンジンルーム2と車室3とを仕切るダッシュパネルである。このダッシュパネル1の後方、つまり車室3の下部前端部に運転席(図示せず)に着座したドライバによって踏込み操作される操作ペダルとしてのブレーキペダル4が配設されている。
【0034】
ブレーキペダル4は、ダッシュパネル1の上部に固定されたペダルブラケット5に支持され、このブレーキペダル4の背部には自動車の衝突時にブレーキペダル4に対して働くストッパ部材6が設けられている。また、このペダルブラケット5には、自動車の衝突時にブレーキペダル4とストッパ部材6との間で働く可動部材7が支持されている。可動部材7は自動車の非衝突時にはブレーキスイッチ9を支持するブラケット及びブレーキペダル4の後方への揺動量を規制する戻りストッパとして働くものである。以下、具体的に説明する。
【0035】
上記ダッシュパネル1の前面側にはマスタバック10が設けられ、後面側には上記ペダルブラケット5が設けられ、このペダルブラケット5とマスタバック10とはダッシュパネル1に締結部材11により固定されている。このペダルブラケット5は車体後方へ向かって斜め上方に延び、上端が車体を構成するカウルパネル12に可動部材7と共に離脱可能に締結されている。この可動部材7及び締結構造は後に詳述する。
【0036】
ブレーキペダル4は、ペダルアーム4aの下端にドライバによって踏まれるペダル部4bが設けられたものであり、ペダルアーム4aの上端部が上記ペダルブラケット5に車幅方向に延びる支軸13によって枢着されて、前後に揺動可能になっている。このペダルアーム4aには、マスタバック10からダッシュパネル1を貫通して後方へ延びるプッシュロッド15が後述する連結部材16を介して連結されている。また、ブレーキペダル4の上端部後方には車体構成部材としての車幅方向に延びるインストルメントパネルのフレーム14が配設されていて、このフレーム14から上記ストッパ部材6が車体前方へ向かって少し下降傾斜気味に延びている。
【0037】
上記ペダルブラケット5のカウルパネル12に締結される上端部は、図2に示すように上壁5aと左右の側壁5bとによって断面形状が略逆U字状に形成されている。一方、上記可動部材7は、上壁7aと、前壁7bと、この上壁7aと前壁7bとを結ぶ左右の側壁7cと、側壁7cに固定されてペダルアーム4aとストッパ部材6との間を少し後側へ斜めになって下方に延びる中間部材7dとを備えている。従って、可動部材7の上端部もペダルブラケット5と同様に上壁7aと左右の側壁7cとによって断面形状が略逆U字状になっている。また、中間部材7dと上記ストッパ部材6とは互いに略直交する関係にあり、ストッパ部材6の先端は中間部材7dの背面に対向している。
【0038】
そうして、ペダルブラケット5の上壁5a及び可動部材7の上壁7aの各々には前方へ向かって開口した上下に対応するスリット17が形成されていて、このスリット17に通したボルト19によってペダルブラケット5及び可動部材7とカウルパネル12とが締結されている。従って、ペダルブラケット5及び可動部材7は、後方へ向かって所定値以上の押圧力を受けると、スリット17からボルト19が抜けることによってカウルパネル12に対する締結が外れることになる。また、可動部材7の側壁7cはペダルブラケット5の側壁5bにブレーキペダル4の支軸13によって枢支されている。従って、この可動部材7は、上記カウルパネル12に対する締結が外れると、支軸13を中心に前後揺動自在となる。
【0039】
上記可動部材7は、自動車の衝突時に上記ストッパ部材6に当接するストッパ当接部21と、上記連結部材16に当たって上記ブレーキペダル4とプッシュロッド15との連結を切り離す連結切り離し部22と、ストッパ部材6を支えとしてブレーキペダル4の中間点を後退しないように受け止めるペダル受け部23とを備えている。
【0040】
すなわち、可動部材7の中間部材7dのストッパ部材6に対向する背面部が上記ストッパ当接部21を形成している。この中間部材7dのストッパ当接部21よりも下側の部位、換言すれば、ブレーキペダル4の支軸13からみてストッパ当接部21よりも離れた部位に上記ブレーキスイッチ9が取付けられている。さらに、このブレーキスイッチ取付位置はブレーキペダル4に対するプッシュロッド15の連結位置よりも支軸13からみて離れた位置になっている。そうして、このブレーキスイッチ9に対向するように上記ブレーキペダル4のペダルアーム4aにスイッチ用部材24がブラケット25を介して取付けられている。この実施形態では中間部材7dのブレーキスイッチ取付部が上記ペダル受け部23を形成している。
【0041】
また、可動部材7の前壁7bに連結切り離し部22が形成されている。先にブレーキペダル4とプッシュロッド15との連結構造について説明すると、図3に示すようにプッシュロッド15の後端部には大径のフランジ状連結部15aが一体に形成されている。一方、ブレーキペダル11の中間部にはペダル側ロッド26の後端のジョイント部27が左右水平方向の連結ピン29により連結されている。このペダル側ロッド26の前端部には上記連結部15aと同径のフランジ状の連結部26aが一体に形成されている。そして、この両連結部15a,26aは互いに同心状に突き合わされて連結部材16により保持されている。
【0042】
上記連結部材16は、図4に示すように、突合わせ状態にある連結部15a,26a同士を直径方向両側から挟むように覆う樹脂製等からなる半割形状の1対のカラー30,30と、この両カラー30,30に外嵌合されて両カラー30,30を連結部15a,26aに締め付ける拘束部材31とからなる。各カラー30の長さ方向の両端部には対応する連結部15a,26aの背面に被さって両連結部15a,26aの離脱を阻止する内向きフランジ部30aが形成されている。
【0043】
上記拘束部材31は、両カラー30,30に外嵌合される円筒部31aと、この円筒部31aの前端より外側へ張り出したフランジ部31bとからなる。円筒部31aは、軸方向前方へ所定以上の力が加わったときに両カラー30,30からスライドして抜けるように両カラー30,30に外嵌合されており、この抜けによって両カラー30,30は拘束が解除されて連結部15a,26aから外れ、両ロッド15,26の連結が外れるようになっている。
【0044】
これに対して、上記可動部材7の前壁7bは、図5に示すように、下方に向かって開口した逆U字状の切り抜き部7eが形成されていて、この切り抜き部7eの周囲が連結切り離し部22を構成している。すなわち、切り抜き部7eは、その幅Dが上記拘束部材31の円筒部31aの外径より大きく、且つフランジ部31bの外径よりも小さくなるように形成されており、円筒部31aに遊嵌されて連結切り離し部22がフランジ部31bの背部に配設されている。従って、可動部材7の連結切り離し部22が拘束部材31のフランジ部31bに当たり、該拘束部材31がカラー30,30から前方へ抜けると、当該連結部材16によるブレーキペダル4とプッシュロッド15との連結が外れることになる。
【0045】
自動車の衝突時には上記可動部材7がカウルパネル12に対して相対的に後退して該カウルパネル12から外れるが、これに要する可動部材7の相対的な後退距離よりも、中間部材7d背面のストッパ当接部21とストッパ部材6の先端面との距離の方が少し大きくなるように、この中間部材7dとストッパ部材6との位置関係が設定されている。すなわち、自動車の衝突時には、可動部材7がカウルパネル12から外れた後にストッパ当接部21がストッパ部材6に当接するようになっている。
【0046】
また、ブレーキペダル4が後方へ揺動しブレーキスイッチ9がスイッチ用部材24に接触してオン(又はオフ)になるときに、拘束部材31のフランジ部31bが可動部材7の連結切り離し部22に対して若干の隙間を存して対向した状態(図1参照)になるように、このブレーキペダル4、可動部材7及び連結部材16の相対的な位置関係が定められている。
【0047】
そうして、ブレーキペダル4のスイッチ用部材24が支持されたブラケット25は図6に示すようにL字状の部材であって、ブレーキペダル4から側方へ突出した部分にスイッチ用部材24が取付けられている。このブラケット25の側方突出部の前方への曲げ強度は、ブレーキペダル4が支軸13を中心に後方へ揺動してブレーキスイッチ9がオン(又はオフ)となるときのブレーキスイッチ9とスイッチ用部材24との当接荷重よりも大きく、拘束部材31をカラー30から離脱させるに要する力よりも小さくなるように設定されている。
【0048】
次に上記ペダル支持装置の働きについて説明する。
【0049】
自動車の非衝突時には、ブレーキペダル4を踏むとこれが支軸13を中心に前方へ揺動し、それに伴ってプッシュロッド15が前進しマスタバック10で踏み力が倍加されてマスタシリンダに伝えられ、このマスタシリンダからブレーキ圧が自動車の車輪のホイールシリンダに伝達されて車輪に制動力が働く。ブレーキペダル4に対する踏み力を解除すると、ブレーキペダル4が戻ってスイッチ用部材24が中間部材7dのブレーキスイッチ9に接触することにより、非ブレーキ状態であることが検出されるとともに、ブレーキペダル4がさらに後方へ揺動することが中間部材7dのペダル受け部23で阻止される。
【0050】
ブレーキペダル4を踏み込んだ状態で自動車が前方障害物に衝突すると、車体前部が潰れ、それに伴ってエンジンが後退し、このエンジンに押されてマスタシリンダ、マスタバック10、ペダルブラケット5及び可動部材7がダッシュパネル1と共に車室側へ後退してくる。ペダルブラケット5と可動部材7とはカウルパネル12に対して後方へ離脱可能に締結されているため、上記後退によってカウルパネル12から外れる。可動部材7は、カウルパネル12から外れると、支軸13を中心に前後揺動可能になる。
【0051】
ペダルブラケット5及び可動部材7がブレーキペダル4と共にさらに後退してくると、中間部材7dのストッパ当接部21がストッパ部材6に当接する。マスタバック10の後退に伴ってプッシュロッド15が後方へ押され、ブレーキペダル4が後方へ揺動している場合には、ブレーキペダル4のスイッチ用部材24が中間部材7dのブレーキスイッチ9に接触した状態でストッパ当接部21がストッパ部材6に当接する。ブレーキペダル4がプッシュロッド15によって後方へ押されていない場合でも、可動部材7はストッパ当接部21がストッパ部材6に当たると支軸13を中心に前方へ揺動するから、ブレーキペダル4のスイッチ用部材24と中間部材7dのブレーキスイッチ9とが接触した状態になる。
【0052】
中間部材7dのストッパ当接部21がストッパ部材6に当接し且つブレーキペダル4のスイッチ用部材24と中間部材7dのブレーキスイッチ9とが接触した状態で、ペダルブラケット5がさらに後退すると、すなわち、支軸13がさらに後退すると、スイッチ用部材24のブラケット25が図6に矢符で示すように前方へ曲がる。これにより、図7に示すように、可動部材7がブレーキペダル4に対して前方へ回動し、つまり、可動部材7の連結切り離し部22が前方へ移動し、連結部材16の拘束部材31のフランジ部31bに当たる。その結果、拘束部材31はブレーキペダル4に追従して後退することが阻止されるため、相対的に前方へスライドしてカラー30から外れ、連結部材16によるブレーキペダル4とプッシュロッド15との連結が外れる。
【0053】
従って、ペダルブラケット5、すなわち、支軸13がさらに後退するときは、ブレーキペダル4は、その中間点の後退が中間部材7dを介してストッパ部材6によって阻止されているから、支軸13を中心としてペダル部4bが前方へ移動するように揺動し、ドライバの足に大きな衝突荷重が作用することが避けられる。
【0054】
この場合、中間部材7dのストッパ当接部21とストッパ部材6とが当接するのはブレーキペダル4の支軸13に近い比較的高い位置であるが、ブレーキペダル4との中間部材7dのペダル受け部23とが当接するのは上記ストッパ当接位置よりも支軸13から下方へ離れた比較的低い位置である。従って、支軸13が所定距離後退するときのブレーキペダル4の前方への揺動量は、ブレーキペダル4をストッパ部材6に直接当接する場合に比べて小さくなる。
【0055】
このため、衝突時に後退してくるダッシュパネル1の下部にブレーキペダル4の下端が当たることが避けられ、従って、ダッシュパネル1の下部からブレーキペダル4、中間部材7d及びストッパ部材6を介してインストルメントパネルのフレーム14に大きな衝突荷重が入力することが避けられ、このインストルメントパネルがドライバに向かって後退することを防止される。
【0056】
一方、上述の如くストッパ部材6を比較的高い位置に配置することができるから、ストッパ部材6のインストルメントパネルフレーム14からの前方への突出方向を水平に近い状態にすることができ、つまり、ストッパ部材6の前方への下降傾斜角度を小さくすることができ、中間部材7d及びブレーキペダル4の後退を阻止するための突張り力を確保する上で有利になっている。
【0057】
なお、上記実施形態では、スイッチ用部材24のL型ブラケット25が曲がることによって、ブレーキペダル4のスイッチ用部材24と中間部材7dのブレーキスイッチ9とが接触した状態で、可動部材7が前方へ揺動すること、換言すればブレーキペダル4が可動部材7に対して相対的に後方へ揺動することを許容するようにしたが、そのような揺動許容手段としては図8に示すものを採用することもできる。
【0058】
これは、ブレーキペダル4のペダルアーム4aの側面にスイッチ用部材24を弾性体(コイルスプリング)33により後方へ突出する方向に付勢して支持してなるものである。すなわち、スイッチ用部材24は前後方向に延びるロッド35の後端に設けられ、ロッド35は、ペダルアーム4aの側面にウェブが固定されたコ字状ブラケット36の前後のフランジを前後動可能に貫通している。このブラケット36の前後のフランジ間において、ロッド35に固定したスプリング受け37とブラケット36の前側フランジとの間に弾性体33としてのコイルスプリングが圧縮状態で介装されている。
【0059】
従って、スイッチ用部材24は、前方へ向かって所定値以上の力が作用すると、弾性体33の付勢に抗して前方へ移動する。よって、上記L型ブラケット25の場合と同様に、ブレーキペダル4のスイッチ用部材24と可動部材7のブレーキスイッチ9とが接触した状態で、ブレーキペダル4が可動部材7に対して相対的に後方へ揺動することが許容される。
【0060】
上記弾性体33の付勢力は、ブレーキペダル4が支軸13を中心に後方へ揺動してブレーキスイッチ9がオン(又はオフ)となるときのブレーキスイッチ9とスイッチ用部材24との当接荷重よりも大きく、拘束部材31をカラー30から離脱させるに要する力よりも小さくなるように設定されている。
【0061】
<実施形態2>
本実施形態については図9及び図10に示す。先の実施形態では中間部材7dを可動部材7の本体部に結合して設けたが、この実施形態2では中間部材35をペダルブラケット5に結合してブレーキペダル4とストッパ部材6との間に配設している。以下、具体的に説明する。
【0062】
ペダルブラケット5は、図9に示すようにブレーキペダル4の支軸13の両端を支持する車体左右方向に相対する一対の側壁5b,5bと、この両側壁5b,5bの上縁同士を結ぶ上壁5aと、この上壁5aの後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁5b,5bの後縁同士を結ぶ後壁5cとを備えている。ペダルブラケット5の両側壁5b,5bの前面側は開放されている。上壁5aにはカウルパネル12に後方へ離脱可能に結合するための実施形態1と同様のスリット17が形成されている。図10に示すように、ペダルブラケット5の側壁5bより前方に延びた延設部が実施形態1と同様にダッシュパネル1の上部に固定されている。
【0063】
中間部材35は、車体左右方向に相対する側壁35b,35bと、この両側壁35b,35bの上側に配置された上壁35aと、この上壁35aの後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁35b,35bの後縁同士を結ぶ後壁(連結壁)35cとを備え、両側壁35b,35b及び後壁35cの部分が断面コ字状になっている。上壁35aにはペダルブラケット5のスリット17に対応する同様のスリット17が形成されている。
【0064】
上記中間部材35は、その上壁35aをペダルブラケット5の上壁5aの下面に当接し、その後壁35cをペダルブラケット5の後壁5cの前面に当接した状態に配設されている。そして、このペダルブラケット5と中間部材35とは、互いの上壁5a,35a同士が溶接によって強く結合されているとともに、左右の各側壁5b,35bは1点35fがスポット溶接により弱く結合されている。この結合点35fでのスポット溶接による側壁5b,35b同士の弱い結合は、前方へ所定値以上の荷重が働いたときに中間部材35の側壁35bがペダルブラケット5の側壁5bから外れるようにするためのものである。
【0065】
また、中間部材35の側壁35b,35bは上壁35aに繋がっておらず、この上壁35aの側縁と側壁35b,35bとの間には、上壁35aと後壁35cとの境界屈曲部の端に達する三角状の切欠き35d,35dが形成されている。この切欠き35d,35dが、上記側壁5b,35b同士の結合が外れるように中間部材35の後壁35cが相対的に前方へ押圧された際に、上記屈曲部を支点としてその下側、すなわち、中間部材35の側壁35b,35b及び後壁35cの部分を前方へ折れ曲がり易くする脆弱部を形成している。
【0066】
そうして、中間部材35の後壁35cはペダルブラケット5の後壁5cよりも下方へ延びており、この下方へ延びた部分にブレーキペダル4がペダルブラケット5と共に所定量後退したときにストッパ部材6に当接するストッパ当接部21と、該ストッパ部材6を支えとしてブレーキペダル4の中間点を後退しないように受け止めるペダル受け部23とが設けられている。
【0067】
上記ストッパ当接部21及びペダル受け部23の配置は実施形態1のそれと同じであるが、図9に示すように中間部材35の後壁35cには嵌合部(孔)35eが形成されていて、その周囲(この実施形態では嵌合部35eの左右両側の後面部分)がストッパ当接部21になっている点が実施形態1とは相違する。すなわち、ストッパ部材6は、実施形態1と同様にインストルメントパネルのフレーム14から前方へ延設されているが、その先端に前方へ突出した突部6aを備えている。自動車の衝突時には、ストッパ部材6の突部6aが中間部材35の嵌合部35eに嵌合して、突部6aの周囲部分がストッパ当接部21に当接するものである。なお、図9において、36はブレーキスイッチ9の取付孔である。
【0068】
従って、本実施形態の場合も、実施形態1と同様に自動車の非衝突時にブレーキペダル4に対する踏み力を解除したときは、ブレーキペダル4が戻って中間部材35のブレーキスイッチ9が非ブレーキ状態であることを検出するとともに、中間部材35のペダル受け部23がブレーキペダル4の戻りストッパとして働くことになる。
【0069】
このとき、中間部材35はその後壁35cがペダルブラケット5の後壁5cに当接しているから、ブレーキペダル4の戻り力は中間部材35の後壁35cを介してペダルブラケット5の後壁5cで受けられる。すなわち、中間部材35は、その上部に切欠き35dによる脆弱部を有するが、ブレーキペダル4の戻り力によって後方へ変形ないしは移動することがペダルブラケット5の後壁5cによって防止されるものである。
【0070】
自動車の衝突時に、中間部材35がダッシュパネル1、ペダルブラケット5及びブレーキペダル4と共に後退すると、中間部材35の後壁35cの嵌合部35eにストッパ部材6の突部6aが嵌まって該中間部材35のストッパ当接部21がストッパ部材6に当接する。従って、中間部材35がストッパ部材6から外れることが当該嵌合によって防止される。
【0071】
そうして、衝突時に中間部材35がストッパ部材6に当接すると、この中間部材35には相対的に前方へ向かう押圧力(反力)が働くが、ペダルブラケット5の側壁5bと中間部材35の側壁35bとの弱い結合点35fに所定値以上の荷重が作用すると、この中間部材35の側壁35bがペダルブラケット5の側壁5bから外れる。また、中間部材35の側壁35bの上端部には切欠き35dによる脆弱部が形成され、しかも中間部材35の前面側はペダルブラケット5で塞がれていないから、上記側壁35bの外れに伴って中間部材35の側壁35b及び後壁35cは後壁上端の屈曲部を折れ線として前方へ比較的弱い力で曲がることになる。これにより、ブレーキペダル4のペダル部4bを前方へ移動させることができる。
【0072】
また、ブレーキペダル4の前方への揺動に対してプッシュロッド15が抵抗になった場合でも、中間部材35のペダル受け部23によるブレーキペダル4の受け位置は、ブレーキペダル4に対するプッシュロッド15の連結位置よりも支軸13からみて遠方にあるから、ブレーキペダル4をプッシュロッド15に抗して前方へ揺動させる上で有利になっている。また仮にプッシュロッド15の突張り力が大きく、ダッシュパネル1の上部とペダルブラケット5とブレーキペダル4とが実質的に剛体を形成した状態になった場合でも、中間部材35のペダル受け部23によるブレーキペダル4の受け位置がブレーキペダル4に対するプッシュロッド15の連結位置よりも下側にあるから、ブレーキペダル4の上部がペダルブラケット5等と共に後退することがあっても、ブレーキペダル4の下部、すなわち、ペダル部4b側が後退することを阻止して、前方へ移動させることができる。
【0073】
なお、この実施形態では中間部材35に連結壁として後壁35cを設けたが、この後壁35cに代えて、次の実施形態3のように左右の側壁35b,35bの前縁同士を結ぶ前壁を設け、この前壁の上縁を上壁35aに続けるようにしてもよい。
【0074】
<実施形態3>
本実施形態については図11及び図12に示されており、中間部材35の形態及びそのペダルブラケット5に対する支持構造が実施形態2と相違し、他は基本的には実施形態2と同じである。
【0075】
すなわち、中間部材35は、車体左右方向に相対する側壁35b,35bと、この両側壁35b,35bの前縁同士を結ぶ前壁(連結壁)35cとを備え、両側壁35b,35b及び前壁35cの部分が断面コ字状になっている。この中間部材35は、側壁35b,35bの上部後縁をペダルブラケット5の後壁5cの前面に当接した状態に配設されている。
【0076】
そうして、中間部材35は、側壁35b,35bの上端部が車体左右方向に延びる支軸37,37によってペダルブラケット5の側壁5b,5bの上端部に揺動可能に結合されている。また、側壁35b,35bの中間部には後方に向かって開口したU字スリット35g,35gが形成されていて、中間部材35は、このU字スリット35g,35gに通した車体左右方向に延びる止めネジ38,38により、ペダルブラケット5の側壁5b,5bの下端部に前方へ離脱可能に結合されている。
【0077】
すなわち、中間部材35は、所定値以上のモーメントで前方へ押圧力が加わると、止めネジ38がU字スリット35gから抜けることによって、この止めネジ38によるペダルブラケット5の側壁5bに対する結合が外れ、上端の支軸37を中心に前後揺動自在となる。
【0078】
中間部材35の前壁35cはペダルブラケット5の後壁5cよりも下方へ延びており、実施形態2と同様に、この下方へ延びた部分に、ブレーキペダル4がペダルブラケット5と共に所定量後退したときにストッパ部材6に当接するストッパ当接部21と、該ストッパ部材6を支えとしてブレーキペダル4の中間点を後退しないように受け止めるペダル受け部23と、ストッパ部材6の突部6aを嵌合させる嵌合部(孔)35eと、ブレーキスイッチ9の取付孔36とが設けられている。
【0079】
従って、本実施形態の場合も、実施形態2と同様に自動車の非衝突時には中間部材35のペダル受け部23がブレーキペダル4の戻りストッパとして働くが、この戻り力は中間部材35の側壁35bを介してペダルブラケット5の後壁5cで受けられて、中間部材35が当該戻り力によって後方へ変形することが防止される。
【0080】
また、自動車の衝突時に中間部材35がストッパ部材6に当接して相対的に前方へ向かう押圧力(反力)を受けると、中間部材35の側壁35bとペダルブラケット5の側壁5bとの止めネジ38による結合が外れる。これにより、中間部材35は、側壁35bの上端部の支軸37を中心に前方へ揺動するようになるため、ストッパ部材6による押圧力をペダル受け部23からブレーキペダル4の中間点に伝えて、該ブレーキペダル4のペダル部4bを前方へ移動させることができることになる。
【0081】
なお、この実施形態では中間部材35の側壁35bの上端部をブレーキペダル5の側壁5bの上端部に枢支したが、この上端部同士をリジット(剛)に結合してその下側に脆弱部を設けることにより、中間部材35にストッパ部材6から前方に力が働いたときに、その脆弱部で中間部材35が前方へ折れ曲がるようにしてもよい。
【0082】
また、この実施形態では中間部材35に連結壁として前壁35cを設けたが、これに代えて、左右の側壁35b,35bの後縁同士を結ぶ後壁を設けるようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態2,3においても、実施形態1と同様にブレーキペダル4とプッシュロッド15とを連結部材16によって切り離し可能に連結し、上記中間部材35より連結切り離し部を延設して、ブレーキペダル4とプッシュロッド15との連結が外れた後に、ストッパ部材6から中間部材35を介してブレーキペダル4に前方への押圧力が働くようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る自動車のペダル支持装置の非衝突時の状態を示す一部断面にした側面図。
【図2】 同実施形態のペダルブラケット及び可動部材のカウルパネルへの締結部を示す平面図。
【図3】 同実施形態のブレーキペダルとプッシュロッドとの連結部の構造を示す縦断面図。
【図4】 同実施形態の連結部材の分解斜視図。
【図5】 同実施形態の連結部材と可動部材の連結切り離し部との関係を示す横断面図。
【図6】 同実施形態のスイッチ用部材のブレーキペダルへの支持構造を示す断面図。
【図7】 同実施形態のペダル支持装置の自動車衝突時の状態を示す一部断面にした側面図。
【図8】 スイッチ用部材のブレーキペダルへの支持構造の他の例を示す側面図。
【図9】 本発明の実施形態2に係る自動車のペダル支持装置の一部を非衝突時の状態で示す斜視図。
【図10】 同ペダル支持装置の一部を示す側面図。
【図11】 本発明の実施形態3に係る自動車のペダル支持装置の一部を非衝突時の状態で示す斜視図。
【図12】 同ペダル支持装置の一部を示す側面図。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2 エンジンルーム
3 車室
4 ブレーキペダル(操作ペダル)
4a ペダルアーム
4b ペダル部
5 ペダルブラケット
5a 上壁
5b 側壁
5c 後壁
6 ストッパ部材
7 可動部材
7d 中間部材
9 ブレーキスイッチ(操作ペダルスイッチ)
12 カウルパネル(車体構成部材)
13 支軸
14 フレーム(車体構成部材)
15 プッシュロッド
16 連結部材
21 ストッパ当接部
22 連結切り離し部
23 ペダル受け部
35 中間部材
35a 上壁
35b 側壁
35c 連結壁
35d 切欠き(脆弱部)
35e 嵌合部

Claims (6)

  1. 自動車のダッシュパネルに固定されて該ダッシュパネルの後方に配設されたペダルブラケットと、
    上記ペダルブラケットに前後揺動自在に支持された操作ペダルと、
    上記操作ペダルに連結され、該操作ペダルによって操作されるロッドと、
    上記操作ペダルの後方に配置され、該操作ペダルが上記ペダルブラケットと共に所定量以上に後退してきたときに該操作ペダルのペダルブラケットに対する支持点と先端ペダル部との中間点の後退を阻止するストッパ部材とを備えている自動車のペダル支持装置であって、
    上記操作ペダルとストッパ部材との間に配設された中間部材を備え、
    上記中間部材は、上記操作ペダルが上記ペダルブラケットと共に所定量後退したときに上記ストッパ部材に当接するストッパ当接部と、上記ストッパ部材を支えとして上記操作ペダルの上記中間点を後退しないように受け止めるペダル受け部とを備え、
    上記ペダル受け部は、上記操作ペダルの支持点からみて上記ストッパ当接部よりも遠方に配設されていて、
    上記中間部材は、上記ペダル受け部が上記ストッパ部材を支えとして上記操作ペダル中間点の後退を阻止した状態からさらに、上記ペダルブラケットが後退するときに、上記ペダル受け部が上記操作ペダル中間点の後退阻止位置となって、該操作ペダルの先端ペダル部が相対的に前方へ移動するように上記ペダルブラケットに設けられていることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
  2. 請求項1に記載の自動車のペダル支持装置において、
    上記中間部材のペダル受け部は、上記操作ペダルが上記ペダルブラケットに対する支持点を中心に前後に揺動するときの、後方への揺動量を規制するストッパであることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
  3. 請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
    上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する相対する一対の側壁と、この両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
    上記中間部材は、相対する側壁と、この両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備えてなる断面コ字状の部材であって、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設されていて、
    上記中間部材の連結壁に、上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられているとともに、上記ストッパ当接部が上記ストッパ部材に当接する際に該ストッパ部材の一部が嵌合する嵌合部が設けられていることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
  4. 請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
    上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する車体左右方向に相対する一対の側壁と、この両側壁の上縁同士を結ぶ上壁と、この上壁の後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
    上記中間部材は、車体左右方向に相対する側壁と、この両側壁の上側に配置された上壁と、この上壁の前縁又は後縁より屈曲して下方へ延び且つ前記両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備え、この連結壁に上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられていて、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設され、
    上記中間部材の上壁が上記ペダルブラケットの上壁に結合されている一方、上記中間部材の両側壁が上記ペダルブラケットの両側壁に前方へ所定値以上の荷重が働いたときに外れるように結合されていることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
  5. 請求項4に記載の自動車のペダル支持装置において、
    上記中間部材の側壁の、上記ペダルブラケットの側壁に対する結合部よりも上側の部位に、当該側壁同士の結合が外れるように該中間部材の連結壁が相対的に前方へ押圧された際に該中間部材の当該部位よりも下側部分が前方に折れ曲がるようにするための脆弱部が設けられていることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
  6. 請求項2に記載の自動車のペダル支持装置において、
    上記ペダルブラケットは、上記操作ペダルの支軸の両端を支持する車体左右方向に相対する一対の側壁と、この両側壁の後縁同士を結ぶ後壁とを備え、この両側壁の前面側を開放しており、
    上記中間部材は、車体左右方向に相対する側壁と、この両側壁の前縁同士又は後縁同士を結ぶ連結壁とを備え、この連結壁に上記ストッパ当接部及びペダル受け部が設けられていて、上記ペダルブラケットの後壁の前面に当接した状態に配設され、
    上記中間部材の両側壁は、上記ペダルブラケットの両側壁に上下に配設された複数点で結合されているとともに、最も上側に配置された結合点を除く他の結合点はこの中間部材が所定値以上の力で相対的に前方へ押圧された際にペダルブラケットから外れるように弱く結合されていることを特徴とする自動車のペダル支持装置。
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