JP3617449B2 - 自動変速機のレンジ切り換え制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機のレンジ切り換え制御装置に関し、特に運転者がリンクなどにより直接機械的にレンジを選択するのでなく、運転者のスイッチ操作により例えば電子的にレンジを選択するようにした、所謂シフトバイワイヤ式のレンジ切り換え制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は有段式自動変速機か無段式自動変速機かを問わず、希望する走行形態に応じて運転者がマニュアルバルブを前進自動変速(D)レンジや、2速エンジンブレーキ(2)レンジや、1速エンジンブレーキ(1)レンジや、後退走行(R)レンジや、駐車(P)レンジや、中立(N)レンジに対応した位置にすることにより、該マニュアルバルブによる油路切り換え制御下で希望の走行形態(駐停車を含む)を実現することができる。
【0003】
そして、マニュアルバルブを希望するレンジに対応した位置にするに当たっては通常、運転者がマニュアルバルブをリンクなどにより直接機械的に操作して選択レンジ対応の位置にするよう構成するのが普通であった。
【0004】
ところで、運転者が操作するシフトレバーとマニュアルバルブとの間を上記リンクなどで連結するには大きなスペースが必要であるし、これらシフトレバーおよびマニュアルバルブ間の相対位置の自由度も低くなることから、これに代えて、運転者のスイッチ操作によるレンジ選択指令に応動するモータ等のアクチュエータによりマニュアルバルブを電子的に選択レンジ対応の位置にするようにした、所謂シフトバイワイヤ式のレンジ切り換え制御装置が従来、例えば特開平5−18236号公報により提案されている。
【0005】
一方で、自動変速機のレンジ切り換えには慎重を要するレンジ切り換えがあり、殆どの自動変速機で採用されている一般的なPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、1レンジの順次配列になるレンジパターンについて説明すると、PレンジからRレンジへの切り換え、2レンジから1レンジへの切り換え、NレンジからRレンジへの切り換え、RレンジからPレンジへの切り換えが慎重を要するレンジ切り換えである。
【0006】
これがため前者の機械式のレンジ切り換え制御装置にあっては、これらのレンジ切り換えに際し、運転者が操作するシフトレバーに設けた押しボタンを押した状態にしなければこのシフトレバーを上記のレンジ切り換えのための操作を行い得ないようにし、これにより運転者が誤ってP→Rレンジ切り換え操作や、2→1レンジ切り換え操作や、N→Rレンジ切り換え操作や、R→Pレンジ切り換え操作を行うことのないようにする対策がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで後者のスイッチ式レンジ切り換え制御装置では、何れのレンジ切り換えも1つのスイッチ操作で一挙に、または段階的にこれが行われ得るため、慎重を要するレンジ切り換えについて上記のような誤操作の防止を行うことが困難である。
【0008】
なお、慎重を要するレンジ切り換えのためのスイッチを、ボタンの下面などに付設した機械的な手段により上記のような誤操作を回避する対策も考えられるが、この場合シフトバイワイヤ式レンジ切り換え制御装置の利点である操作システムの簡素化が損なわれしまい得策ではない。
【0009】
請求項1に記載の第1発明は、慎重を要するレンジ切り換えが複数スイッチの操作によってしか行われ得ないようにすることで当該レンジ切り換えが運転者の意に反して不用意に行われてしまう誤操作を防止し得るようにし、もって上記のような機械的な誤操作対策を一切施すことなく、従ってシフトバイワイヤ式レンジ切り換え制御装置の利点である操作システムの簡素化を損なうことなく、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を防止し得るようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
また、この第1発明は、レンジ切り換えをスイッチ操作により行うようにするといえども、運転者が操作するスイッチの数を少なくしてレンジ切り換え操作が煩わしくなることのないようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0011】
請求項2に記載の第2発明は、第1発明におけるようなスイッチを利用して、つまり、誤操作防止用のスイッチを付加することなく、安価に第1発明の作用効果を達成し得るようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0012】
請求項3に記載の第3発明は、第2発明におけるスイッチを運転者による操作が容易となるような配置とした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0013】
請求項4に記載の第4発明は、自動変速モードと手動変速モードとの間の切り換えを行うスイッチを利用して安価に、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を防止し得るようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0014】
また、この第4発明は、レンジ切り換えスイッチを、手動変速モードで変速を指令するためのシフトスイッチとしても利用可能にし、これによりスイッチ数の減少、つまりコスト低減、更には操作性の向上を実現させ得た自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0015】
請求項5に記載の第5発明は、手動変速モードでも低速段選択時には自動的にエンジンブレーキが効くようなレンジ切り換えを実現した自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0016】
請求項6に記載の第6発明は、上記したごとき慎重を要するレンジ切り換えの誤操作防止対策によっても、手動変速モードでの素早い変速操作が可能となるようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0017】
請求項7に記載の第7発明は、前記の誤操作が起きた時の違和感が大きな後退走行レンジへの誤操作が確実に防止されるようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0018】
請求項8に記載の第8発明は、前記の誤操作が起きた時の違和感が大きな駐車レンジへの誤操作が確実に防止されるようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0019】
請求項9に記載の第9発明は、前記の誤操作が起きた時の違和感が大きな低速段エンジンブレーキレンジへの誤操作が確実に防止されるようにした自動変速機のレンジ切り換え制御装置を提案することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、
運転者がスイッチを操作することにより選択したレンジに応じて変速動作を行う自動変速機において、
慎重を要するレンジ切り換えは、前記スイッチのうち複数のスイッチの操作があった時にのみ行い得るよう構成したものである。
【0021】
そして、前記運転者が操作するスイッチがレンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチであることを特徴とするものである。
【0022】
第2発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第1発明において、
前記レンジ切り換え方向指令スイッチを一対1組として複数組設け、慎重を要するレンジ切り換えは、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチが複数個操作された時に初めて該レンジ切り換えが行われるよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
第3発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第2発明において、
前記レンジ切り換え方向指令スイッチをレンジ切り換え方向が異なるもの同士一対1組として、ステアリングホイールの中立位置で該ステアリングホイールの左右に1組ずつ設けたことを特徴とするものである。
【0024】
第4発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
自動変速機をモード切り換えスイッチにより自動変速モードと手動変速モードとの間で切り換え可能とし、自動変速モードで自動変速機は運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに応じて変速動作を行い、手動変速モードで自動変速機は運転者が指令した変速段を任意に選択することができ、
自動変速モードでのレンジ切り換えのうち慎重を要するレンジ切り換えは、運転者がモード切り換えスイッチにより自動変速モードの選択を指令した時にのみ行い得るよう構成したものである。
【0025】
そして、前記運転者が操作するレンジ切り換えスイッチはレンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチとし、該レンジ切り換えスイッチを、手動変速モードで運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチとして兼用するよう構成したことを特徴とするものである。
【0026】
第5発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第4発明において、
自動変速モードで自動変速機は運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに対応する位置にマニュアルバルブを変位して該マニュアルバルブからの油圧により選択レンジに応じた変速動作を行うと共に、マニュアルバルブが低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にある時は該マニュアルバルブからの油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結して該低速段でのエンジンブレーキが可能となるようにし、手動変速モードで前記低速段が選択される時にマニュアルバルブを前記低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にするよう構成したことを特徴とするものである。
【0027】
第6発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第4発明または第5発明において、
手動変速モードでの全ての変速を、運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチの1操作のみにより行い得るよう構成したことを特徴とするものである。
【0028】
第7発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、
前記慎重を要するレンジ切り換えが後退走行レンジへのレンジ切り換えであることを特徴とするものである。
【0029】
第8発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、
前記慎重を要するレンジ切り換えが駐車レンジへのレンジ切り換えであることを特徴とするものである。
【0030】
第9発明による自動変速機のレンジ切り換え制御装置は、第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、
前記慎重を要するレンジ切り換えが低速段エンジンブレーキレンジへのレンジ切り換えであることを特徴とするものである。
【0031】
【発明の効果】
自動変速機は、運転者がスイッチを操作することにより選択したレンジに応じて変速動作を行う。
ところで第1発明の場合、慎重を要するレンジ切り換えは、上記スイッチのうち複数のスイッチの操作があった時にのみ行い得るようにしたから、
当該レンジ切り換えが運転者の意に反して不用意に行われてしまう誤操作を防止することができる。
しかもこの誤操作防止をスイッチ操作ロジックへの対策で実現したから、従来のような機械的な誤操作対策を一切施すことなく、従ってシフトバイワイヤ式レンジ切り換え制御装置の利点である操作システムの簡素化を損なうことなく、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を防止することができる。
【0032】
そして、この第1発明においては、上記のごとく運転者が操作するスイッチを、レンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチとしたから、
レンジ切り換えをスイッチ操作により行うようにするとはいっても、スイッチの数がレンジの数より少なくてもレンジ切り換えを行うことができ、運転者が操作するスイッチの数を少なくしてレンジ切り換え操作が煩わしくなることのないようにし得る。
【0033】
第2発明においては、第1発明におけるレンジ切り換え方向指令スイッチを一対1組として複数組設け、慎重を要するレンジ切り換えは、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチが複数個操作された時に初めて行われるようにしたから、
第1発明におけるスイッチを利用して、つまり、誤操作防止用のスイッチを付加することなく、安価に第1発明の作用効果を達成することができる。
【0034】
第3発明においては、上記レンジ切り換え方向指令スイッチをレンジ切り換え方向が異なるもの同士一対1組として、ステアリングホイールの中立位置で該ステアリングホイールの左右に1組ずつ設けたため、
第2発明のごとく、慎重を要するレンジ切り換えに際し、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチを複数個操作する時に両手による同時操作が可能となり、スイッチの操作が容易になるとともにその操作性が向上する。
【0035】
第4発明においては、自動変速機をモード切り換えスイッチにより切り換え可能な自動変速モードと手動変速モードとで動作可能とし、自動変速モードで自動変速機は運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに応じて変速動作を行い、手動変速モードで自動変速機は運転者が指令した変速段を任意に選択することができる。
ところで自動変速モードでのレンジ切り換えのうち慎重を要するレンジ切り換えは、運転者がモード切り換えスイッチにより自動変速モードの選択を指令した時にのみ行い得るようにしたから、
自動変速モードと手動変速モードとの間の切り換えを行うスイッチを利用して安価に、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を防止することができる。
【0036】
また第4発明においては、レンジ切り換えスイッチを、レンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチとし、これを、手動変速モードで運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチとして兼用するため、
手動変速モード付きの自動変速機であってもスイッチの数を減少させることができ、コスト低減、更には操作性の向上を実現することができる。
【0037】
第5発明において自動変速機は、自動変速モードなら運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに対応する位置にマニュアルバルブを変位して該マニュアルバルブからの油圧により選択レンジに応じた変速動作を行うと共に、マニュアルバルブが低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にある時は該マニュアルバルブからの油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結して該低速段でのエンジンブレーキを可能にする。
ところで第5発明においては、手動変速モードで上記低速段が選択される時にマニュアルバルブを上記低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にするため、
手動変速モードでも低速段選択時には自動的にエンジンブレーキが効くようなレンジ切り換えを実現することができる。
【0038】
第6発明においては、手動変速モードでの全ての変速を、運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチの1操作のみにより行い得るようにしたから、
前記したごとき慎重を要するレンジ切り換えの誤操作防止対策によっても、手動変速モードでの素早い変速操作が可能となる。
【0039】
第7発明においては、前記慎重を要するレンジ切り換えが後退走行レンジへのレンジ切り換えであることとしたから、
誤操作が起きた時の違和感が大きな後退走行レンジへの誤操作を確実に防止することができる。
【0040】
第8発明においては、前記慎重を要するレンジ切り換えが駐車レンジへのレンジ切り換えであることとしたから、
誤操作が起きた時の違和感が大きな駐車レンジへの誤操作を確実に防止することができる。
【0041】
第9発明においては、前記慎重を要するレンジ切り換えが低速段エンジンブレーキレンジへのレンジ切り換えであることとしたから、
誤操作が起きた時の違和感が大きな低速段エンジンブレーキレンジへの誤操作を確実に防止することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1において1は、本発明の一実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた有段式の自動変速機を示す。
この自動変速機1は、変速制御油圧回路を内蔵したコントロールバルブボディー2を具え、該コントロールバルブボディー2は、変速制御油圧回路中の図示せざるマニュアルバルブを選択レンジ(前記したP,R,N,D,1,2レンジ)対応の位置(P,R,N,D,1,2レンジの順に配列されているものとする)にストロークさせるモータ等のアクチュエータ3を有すると共に、歯車変速機構の選択変速段(第1速〜第4速)を決定するためのシフトソレノイド4,5を有する。
【0043】
自動変速機1の変速段はシフトソレノイド4,5のON,OFFの組み合わせにより決定され、これらシフトソレノイド4,5のON,OFFを、アクチュエータ3の作動位置とともに変速機コントローラ6により制御する。
シフトソレノイド4,5のON,OFFによる変速制御のためコントローラ6には、車速VSPの情報や、スロットル開度TVOの情報や、油温などその他の変速制御のための情報を入力するほか、アクチュエータ3を介したレンジ切り換え制御のためコントローラ6には更に、レンジ切り換え方向指令スイッチである第1プラススイッチ+SW1、第1マイナススイッチ−SW1、第2プラススイッチ+SW2、および第2マイナススイッチ−SW2からの信号を入力する。
【0044】
これらレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2は常開スイッチとし、運転者が操作する時に閉じてレンジ切り換え信号を発するものとする。
ここで、第1マイナススイッチ−SW1および第2マイナススイッチ−SW2はそれぞれ、レンジ切り換え信号を発する度に現在の選択レンジから配列順P,R,N,D,1,2レンジと逆の方向へのレンジ切り換えを指令し、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2はそれぞれ、レンジ切り換え信号を発する度に現在の選択レンジから配列順P,R,N,D,1,2レンジの方向へのレンジ切り換えを指令するものとする。
【0045】
そして、対をなす第1プラススイッチ+SW1および第1マイナススイッチ−SW1は、これらを1組としてステアリングホイール7の中立位置でその右側に配置し、対をなす第2プラススイッチ+SW2および第2マイナススイッチ−SW2は、これらを1組としてステアリングホイール7の中立位置でその左側に配置し、この際、第1プラススイッチ+SW1を第1マイナススイッチ−SW1よりも上方に配置し、第2プラススイッチ+SW2を第2マイナススイッチ−SW2よりも上方に配置して、この配置とレンジ切り換え方向との間に統一性を持たせるのが良い。
【0046】
変速機コントローラ6は、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からのレンジ切り換え信号を基に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図2の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させる。
(1),(2)の論理に示すように、第2マイナススイッチ−SW2または第1マイナススイッチ−SW1を操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって、慎重を要するP→Rレンジ切り換えであることから、当該第2マイナススイッチ−SW2または第1マイナススイッチ−SW1のみの操作ではレンジ切り換えを行わせず、このPレンジを保持(KEEP)し、現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がNレンジであって誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを行わせ、現在の選択レンジがN,Dレンジであればそれぞれ、レンジ切り換え方向次段がD,2レンジであって誤操作が問題とならないN→Dレンジ切り換えまたはD→2レンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを行わせる。
また現在の選択レンジが2レンジであれば、レンジ切り換え方向次段が1レンジであって、慎重を要する2→1レンジ切り換えであることから、当該第2マイナススイッチ−SW2または第1マイナススイッチ−SW1のみの操作ではレンジ切り換えを行わせず、現在の2レンジを保持(KEEP)する。
更に現在の選択レンジが1レンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、この1レンジを保持(KEEP)する。
【0047】
(3)の論理に示すように、第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の双方を操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって、慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるが、第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の双方が操作されていることから、運転者が当該レンジ切り換えを確かに希望していて誤操作ではないとし、このP→Rレンジ切り換えを行わせる。
現在の選択レンジがR,N,Dレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換え、N→Dレンジ切り換え、D→2レンジ切り換えであることから、それぞれの切り換えを行わせる。
また現在の選択レンジが2レンジであれば、レンジ切り換え方向次段が1レンジであって、慎重を要する2→1レンジ切り換えであるが、第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の双方が操作されていることから、運転者が当該レンジ切り換えを確かに希望していて誤操作ではないとし、この2→1レンジ切り換えを行わせる。
更に現在の選択レンジが1レンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、この1レンジを保持(KEEP)する。
【0048】
(4),(5)の論理に示すように、第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2を操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、このPレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がPレンジであって慎重を要するR→Pレンジ切り換えであることから、当該第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2のみの操作では当該レンジ切り換えを行わせず、現在のRレンジを保持(KEEP)する。
また現在の選択レンジがNレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって慎重を要するN→Rレンジ切り換えであることから、当該第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2のみの操作では当該レンジ切り換えを行わせず、現在のNレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがD,2,1レンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないD→N,2→D,1→2レンジ切り換えであることから、当該第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2のみの操作でも対応するレンジ切り換えを行わせる。
【0049】
(6)の論理に示すように、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の双方を操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、このPレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がPレンジであって慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるが、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の双方が操作されていることから運転者が確かに当該レンジ切り換えを希望しているとし、このR→Pレンジ切り換えを実行させる。
また現在の選択レンジがNレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるが、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の双方が操作されていることから運転者が確かに当該レンジ切り換えを希望しているとし、このN→Rレンジ切り換えを実行させる。
現在の選択レンジがD,2,1レンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないD→N,2→D,1→2レンジ切り換えであることから対応するレンジ切り換えを行わせる。
なお(7)の論理に示すように、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2のその他の操作の組み合わせでは、現在の選択レンジをそのまま保持(KEEP)する。
【0050】
図1における変速機コントローラ6は、上記のようにして選択したレンジを運転席の計器板8上におけるレンジインジケータ9に表示すると共に、車速VSPおよびスロットル開度TVOなどの情報を基に自動変速機1を選択レンジに応じシフトソレノイド4,5により変速制御する。
【0051】
ところで本実施の形態においては、P→R,2→1,N→R,R→Pレンジ切り換えのような慎重を要するレンジ切り換えを、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2のうち、対応する同じレンジ切り換え方向に係わるスイッチ−SW1および−SW2の双方、またはスイッチ+SW1および+SW2の双方が操作された時にのみ行い得る構成としたから、つまり複数のスイッチの操作があった時にのみ行い得るようにしたから、
当該レンジ切り換えが運転者の意に反して不用意に行われてしまう誤操作を防止することができる。
しかもこの誤操作防止をスイッチ操作ロジックへの対策で実現したから、従来のような機械的な誤操作対策を一切施すことなく、従ってシフトバイワイヤ式レンジ切り換え制御装置の利点である操作システムの簡素化を損なうことなく、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を防止することができる。
【0052】
更に本実施の形態においては、上記のごとく運転者が操作するスイッチを、レンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2としたから、
レンジ切り換えをスイッチ操作により行うようにするとはいっても、スイッチの数がレンジの数より少なくてもレンジ切り換えを行うことができ、運転者が操作するスイッチの数を少なくしてレンジ切り換え操作が煩わしくなることのないようにし得る。
【0053】
加えて本実施の形態においては、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2を一対1組として2組設け、慎重を要するレンジ切り換えは、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチ−SW1および−SW2の双方、またはスイッチ+SW1および+SW2の双方が操作された時に初めて行われるようにしたら、
誤操作防止用のスイッチを新たに付加することなく、安価に上記の誤操作防止作用を達成することができる。
【0054】
また本実施の形態においては図1に示すごとく、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2をレンジ切り換え方向が異なるもの同士一対1組として、ステアリングホイール7の中立位置で該ステアリングホイールの左右に1組ずつ設けたため、
慎重を要するレンジ切り換えに際し、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチを2個操作する時に両手による同時操作が可能となり、スイッチの操作が容易になると共にその操作性が向上する。
【0055】
図3および図4は本発明の他の実施の形態を示し、本実施の形態においては図3に示すように運転者が操作する自動・手動変速モード切り換えスイッチA/MSWを付加して設け、変速機コントローラ6はモード切り換えスイッチA/MSWからの信号により手動変速モードが指令されている間、自動変速機1をシフトスイッチとして兼用するレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2から変速指令に応じて手動変速させると共に、計器板8の変速段インジケータ10上に手動変速モードでの選択変速段を数字で表示するものとする。
【0056】
なお本実施の形態において自動変速機1は、例えば特開平10−292861号公報に記載のように、第2速〜第4速の選択時にエンジンブレーキが必要な場合、エンジンブレーキ用摩擦要素をソレノイドにより締結して各変速段でのエンジンブレーキが可能であるが、第1速でエンジンブレーキが必要な場合は、アクチュエータ3により前記のごとく選択レンジ対応の位置にストロークされる図示せざるマニュアルバルブを1レンジ対応の位置にストロークさせ、該マニュアルバルブからの油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結して第1速でのエンジンブレーキが可能なものとする。
ところで手動変速モードでは、マニュアルバルブがDレンジにされているため手動変速モードの第1速でエンジンブレーキが効かないのが普通である。しかし手動変速モードでは全ての変速段でエンジンブレーキが自動的に効くようにするのが好ましく、そこで本実施の形態においては後で詳述するごとく、手動変速モードの第1速選択時に上記のマニュアルバルブを1レンジに対応した位置にするレンジ切り換え制御により手動変速モードの第1速選択時でもエンジンブレーキが効くようにする。
【0057】
なお自動・手動変速モード切り換えスイッチA/MSWは、常態でOFFとなっている常開スイッチとし、図4(a)に示すように操作してONする度に、現在のモードが自動変速(A)モードなら手動変速(M)モードへの切り換わりを指令し、現在のモードが手動変速(M)モードなら自動変速(A)モードへの切り換わりを指令するものとする。
変速機コントローラ6はかかる選択モード指令に応じ、自動変速(A)モードが選択されている間、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からのレンジ切り換え方向信号を基に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図4(b)の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させ、
手動変速(M)モードが選択されている間、シフトスイッチとして兼用するレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からの変速信号を基に、シフトソレノイド4,5を介して自動変速機1を図4(c)の論理表により示すごとくに変速段制御すると同時に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図4(c)の論理表により示すごとくにレンジ切り換え制御する。
【0058】
自動変速(A)モード選択時の図4(b)に示すレンジ切り換え制御は図2につき前述したと同じもので、上記実施の形態におけると同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
手動変速(M)モード選択時の図4(c)に示す変速段制御は以下の通りである。
(1),(2),(3)の論理に示すように、第2マイナススイッチ−SW2または第1マイナススイッチ−SW1、或いはこれら双方を操作した場合、現在の変速段が第1速であれば、既にシフト方向限界変速段(最低速変速段)であることから当該第1速を保持(KEEP)する。
現在の変速段が第2速、第3速、または第4速であれば、シフト指令方向次段がそれぞれ第1速、第2速、または第3速であることから、手動による2→1、3→2、4→3ダウンシフトを行わせる。
(4),(5),(6)の論理に示すように、第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2、或いはこれら双方を操作した場合、現在の変速段が第1速、第2速、または第3速であれば、シフト指令方向次段がそれぞれ第2速、第3速、または第4速であることから、手動による1→2、2→3、3→4アップシフトを行わせる。
しかして現在の変速段が第4速であれば、既にシフト方向限界変速段(最高速変速段)であることから当該第4速を保持(KEEP)する。
なお(7)の論理に示すように、スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2のその他の操作の組み合わせでは、現在の選択変速段をそのまま保持(KEEP)する。
【0060】
次に、手動変速(M)モード選択時の図4(c)に示すレンジ切り換え制御を説明するに、上記のごとく第1速への手動変速が行われる状態のもとでは、つまり、現在の変速段が第2速で、(1)〜(3)の論理に示すように第2マイナススイッチ−SW2または第1マイナススイッチ−SW1、或いはこれら双方を操作した結果2→1ダウンシフトが行われる場合、選択レンジを1レンジに切り換えるべくアクチュエータ3はマニュアルバルブを対応位置にストロークさせる。この位置になる時マニュアルバルブから出力される油圧で自動変速機1のエンジンブレーキ用摩擦要素が締結され、手動変速(M)モードの第1速においてエンジンブレーキを効かせることができる。
【0061】
ところで、第1速からのアップシフトが行われる状態のもとでは、つまり、現在の変速段が第1速で、(4)〜(6)の論理に示すように第1プラススイッチ+SW1または第2プラススイッチ+SW2、或いはこれら双方を操作した結果1→2アップシフトが行われて第1速でなくなる場合、選択レンジをDレンジに戻すべくアクチュエータ3はマニュアルバルブを対応位置にストロークさせる。
この位置になる時マニュアルバルブから、自動変速機1のエンジンブレーキ用摩擦要素を締結するための油圧が出力されなくなるが、第2速〜第4速ではソレノイド油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結し得ることから、手動変速(M)モードの第2速〜第4速でもエンジンブレーキを効かせることができる。
なお、手動変速(M)モード選択時で上記以外の状況のもとでは図4(c)に示すように、現在の選択レンジを保持(KEEP)し、マニュアルバルブを現在のストローク位置に保つ。
【0062】
ところで本実施の形態においては上記したごとく、手動変速(M)モードで第1速が選択される時にマニュアルバルブを第1速エンジンブレーキ(1)レンジ対応の位置にして手動変速(M)モードでの第1速選択時に自動的にエンジンブレーキが効くようなレンジ切り換え制御としたから、手動で第1速を選択する場合においてもエンジンブレーキを効かせることができる。
他方で手動で第2速〜第4速を選択する場合は、マニュアルバルブがDレンジ位置のままでもソレノイド油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結してエンジンブレーキを効かせることができる。
従って、手動変速(M)モードでは第1速を含めて全ての変速段でエンジンブレーキを効かせることができ、当該モードでのエンジンブレーキに関する要求を十分に満足させることができる。
【0063】
また本実施の形態においては、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2を、手動変速(M)モードで運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチとして兼用するため、手動変速(M)モード付きの自動変速機であってもスイッチの数を減少させることができ、コスト低減、更には操作性の向上を実現することができる。
しかも、手動変速(M)モードでの全ての変速を、運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2の1操作のみにより行い得るようにしたから、
前記したごとき慎重を要するレンジ切り換えの誤操作防止対策によっても、手動変速(M)モードでの素早い変速操作が可能となる。
【0064】
図5および図6は本発明の更に他の実施の形態を示し、本実施の形態においては図5に示すように、図3における自動・手動変速モード切り換えスイッチA/MSWの代わりに自動変速モードスイッチASWおよび手動変速モードスイッチMSWを設けたものである。
これらモード選択スイッチASW,MSWは、常態でOFFとなっている常開スイッチとし、以下に説明するようにモード切り換え指令を発するものとする。
つまり変速機コントローラ6は図6(a)に示すように、運転者が自動変速モードスイッチASWを操作してONする時、現在のモードが自動変速(A)モードならこのモードを保持(KEEP)し、現在のモードが手動変速(M)モードなら当該モードへの切り換わりを受け付け、
また運転者が手動変速モードスイッチMSWを操作してONする時、現在のモードが自動変速(A)モードなら手動変速(M)モードへの切り換わりを受け付け、手動変速(M)モードならこのモードを保持(KEEP)し、
モード選択スイッチASW,MSWのその他の操作の組み合わせ時は現在のモードを保持(KEEP)するものとする。
【0065】
変速機コントローラ6はかかる選択モード指令に応じ、自動変速(A)モードが選択されている間、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からのレンジ切り換え方向信号を基に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図6(b)の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させ、
手動変速(M)モードが選択されている間、シフトスイッチとして兼用するレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からの変速信号を基に、シフトソレノイド4,5を介して自動変速機1を図6(c)の論理表により示すごとくに変速段制御すると同時に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図6(c)の論理表により示すごとくにレンジ切り換え制御する。
【0066】
自動変速(A)モード選択時の図6(b)に示すレンジ切り換え制御は、(2),(4),(7),(9)の論理以外を図2および図4につき前述したと同じにしたもので、上記実施の形態におけると同様の防止効果を奏することができる。
本実施の形態においては、(2),(4)の論理に示すように自動変速モードスイッチASWを操作してONしていれば、第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の一方を操作しただけでも、(5)の論理に示すように第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の双方を操作した場合と同様に、慎重を要するP→R,2→1レンジ切り換えを許可することとし、
また(7),(9)の論理に示すように、自動変速モードスイッチASWを操作してONしていれば、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の一方を操作しただけでも、(10)の論理に示すように第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の双方を操作した場合と同様に、慎重を要するN→R,R→Pレンジ切り換えを許可することとする。
【0067】
この場合、既存の自動変速モードスイッチASWを利用して安価に、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作防止、および当該レンジ切り換えの許可を行うことができる。
しかも本実施の形態においては、上記慎重を要するレンジ切り換えの許可を第2マイナススイッチ−SW2および第1マイナススイッチ−SW1の双方を操作した時とか、第1プラススイッチ+SW1および第2プラススイッチ+SW2の双方を操作した時に限らず、当該許可を別の2操作でも行うことができることとなって操作性が向上する。
【0068】
なお、手動変速(M)モード選択時の図6(c)に示す変速段制御およびレンジ切り換え制御は、自動変速モードスイッチASWと関係なく図4(c)につき前述したと同じに行われ、同様の作用効果を達成することができる。
【0069】
図7及び図8は、図7に示すようにマイナススイッチ−SWおよびプラススイッチ+SWからなる1組のレンジ切り換え方向指令スイッチを設け、これらをシフトレバー11により操作するものとし、その他を図5におけると同様に構成する。
シフトレバー11は図示の中立位置に弾支され、マイナススイッチ−SWおよびプラススイッチ+SWは常態でOFFになっている常開スイッチとする。
そして運転者がシフトレバー11を一方向へ傾倒する時マイナススイッチ−SWが操作されてONになり、シフトレバー11を逆方向へ傾倒する時プラススイッチ+SWが操作されてONになるものとする。
【0070】
モード選択スイッチASW,MSWは図8(a)に示すが、図6(a)につき前述したと同様にモード切り換え指令を発する。つまり、運転者が自動変速モードスイッチASWを操作してONする時、現在のモードが自動変速(A)モードならこのモードを保持(KEEP)し、現在のモードが手動変速(M)モードなら当該モードへの切り換えを指令し、また運転者が手動変速モードスイッチMSWを操作してONする時、現在のモードが自動変速(A)モードなら手動変速(M)モードへの切り換わえを指令し、手動変速(M)モードならこのモードを保持(KEEP)する。
【0071】
変速機コントローラ6はかかる選択モード指令に応じ、自動変速(A)モードが選択されている間、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW,−SWからのレンジ切り換え方向信号および自動変速モードスイッチASWからのON,OFF信号を基に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図8(b)の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させ、
手動変速(M)モードが選択されている間、シフトスイッチとして兼用するレンジ切り換え方向指令スイッチ+SW,−SW1からの変速信号を基に、シフトソレノイド4,5を介して自動変速機1を図8(c)の論理表により示すごとくに変速段制御すると同時に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図8(c)の論理表により示すごとくにレンジ切り換え制御する。
【0072】
自動変速(A)モード選択時の図8(b)に示すレンジ切り換え制御は、以下のごときものである。
(1)の論理に示すように、自動変速モードスイッチASWがOFFの状態でマイナススイッチ−SWを操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって、慎重を要するP→Rレンジ切り換えであることから、当該マイナススイッチ−SWのみの操作ではレンジ切り換えを行わせず、このPレンジを保持(KEEP)し、現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がNレンジであって誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを行わせ、現在の選択レンジがN,Dレンジであればそれぞれ、レンジ切り換え方向次段がD,2レンジであって誤操作が問題とならないN→Dレンジ切り換えまたはD→2レンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを行わせる。
また現在の選択レンジが2レンジであれば、レンジ切り換え方向次段が1レンジであって、慎重を要する2→1レンジ切り換えであることから、当該マイナススイッチ−SWのみの操作ではレンジ切り換えを行わせず、現在の2レンジを保持(KEEP)する。
更に現在の選択レンジが1レンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、この1レンジを保持(KEEP)する。
【0073】
(2)の論理に示すように、自動変速モードスイッチASWがONの状態でマイナススイッチ−SWを操作した場合、つまり、自動変速モードスイッチASWおよびマイナススイッチ−SWが共に操作された場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって、慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、運転者が当該レンジ切り換えを確かに希望していて誤操作ではないとし、このP→Rレンジ切り換えを行わせる。
現在の選択レンジがR,N,Dレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換え、N→Dレンジ切り換え、D→2レンジ切り換えであることから、それぞれの切り換えを行わせる。
また現在の選択レンジが2レンジであれば、レンジ切り換え方向次段が1レンジであって、慎重を要する2→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、運転者が当該レンジ切り換えを確かに希望していて誤操作ではないとし、この2→1レンジ切り換えを行わせる。
更に現在の選択レンジが1レンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、この1レンジを保持(KEEP)する。
【0074】
(3)の論理に示すように、自動変速モードスイッチASWがOFFの状態でプラススイッチ+SWを操作した場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、このPレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がPレンジであって慎重を要するR→Pレンジ切り換えであることから、当該プラススイッチ+SWのみの操作では当該レンジ切り換えを行わせず、現在のRレンジを保持(KEEP)する。
また現在の選択レンジがNレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって慎重を要するN→Rレンジ切り換えであることから、当該プラススイッチ+SWのみの操作では当該レンジ切り換えを行わせず、現在のNレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがD,2,1レンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないD→N,2→D,1→2レンジ切り換えであることから、当該プラススイッチ+SWのみの操作でも対応するレンジ切り換えを行わせる。
【0075】
(4)の論理に示すように、自動変速モードスイッチASWがONの状態でプラススイッチ+SWを操作した場合、つまり、自動変速モードスイッチASWおよびプラススイッチ+SWが共に操作された場合、現在の選択レンジがPレンジであれば、既にレンジ切り換え方向限界位置であることから、このPレンジを保持(KEEP)する。
現在の選択レンジがRレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がPレンジであって慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから運転者が確かに当該レンジ切り換えを希望しているとし、このR→Pレンジ切り換えを実行させる。
また現在の選択レンジがNレンジであれば、レンジ切り換え方向次段がRレンジであって慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから運転者が確かに当該レンジ切り換えを希望しているとし、このN→Rレンジ切り換えを実行させる。
現在の選択レンジがD,2,1レンジであれば、レンジ切り換え方向次段がN,D,2レンジであって、誤操作が問題とならないD→N,2→D,1→2レンジ切り換えであることから対応するレンジ切り換えを行わせる。
なお(5)の論理に示すように、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW,−SWおよび自動変速モードスイッチASWのその他の操作の組み合わせでは、現在の選択レンジをそのまま保持(KEEP)する。
本実施の形態においても、慎重を要するレンジ切り換えを、2個のスイッチが操作されている時にのみ許可するから、前記各実施の形態におけると同様の誤操作防止を実現することができる。
【0076】
手動変速(M)モード選択時の図8(c)に示す変速段制御は以下の通りである。
(1)の論理に示すように、マイナススイッチ−SWを操作した場合、現在の変速段が第1速であれば、既にシフト方向限界変速段(最低速変速段)であることから当該第1速を保持(KEEP)し、現在の変速段が第2速、第3速、または第4速であれば、シフト指令方向次段がそれぞれ第1速、第2速、または第3速であることから、手動による2→1、3→2、4→3ダウンシフトを行わせる。
(2)の論理に示すように、プラススイッチ+SWを操作した場合、現在の変速段が第1速、第2速、または第3速であれば、シフト指令方向次段がそれぞれ第2速、第3速、または第4速であることから、手動による1→2、2→3、3→4アップシフトを行わせ、現在の変速段が第4速であれば、既にシフト方向限界変速段(最高速変速段)であることから当該第4速を保持(KEEP)する。
なお(3)の論理に示すように、スイッチ+SW,−SWのその他の操作の組み合わせでは、現在の選択変速段をそのまま保持(KEEP)する。
【0077】
次に、手動変速(M)モード選択時の図8(c)に示すレンジ切り換え制御を説明するに、上記のごとく第1速への手動変速が行われる状態のもとでは、つまり、現在の変速段が第2速で、(1)の論理に示すようにマイナススイッチ−SWを操作した結果2→1ダウンシフトが行われる場合、選択レンジを1レンジに切り換えるべくアクチュエータ3はマニュアルバルブを対応位置にストロークさせる。
この位置になる時マニュアルバルブから出力される油圧で自動変速機1のエンジンブレーキ用摩擦要素が締結され、手動変速(M)モードの第1速においてエンジンブレーキを効かせることができる。
【0078】
ところで、第1速からのアップシフトが行われる状態のもとでは、つまり、現在の変速段が第1速で、(2)の論理に示すようにプラススイッチ+SWを操作した結果1→2アップシフトが行われて第1速でなくなる場合、選択レンジをDレンジに戻すべくアクチュエータ3はマニュアルバルブを対応位置にストロークさせる。
この位置になる時マニュアルバルブから、自動変速機1のエンジンブレーキ用摩擦要素を締結するための油圧が出力されなくなるが、第2速〜第4速ではソレノイド油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結し得ることから、手動変速(M)モードの第2速〜第4速でもエンジンブレーキを効かせることができる。
なお、手動変速(M)モード選択時で上記以外の状況のもとでは図8(c)に示すように、現在の選択レンジを保持(KEEP)し、マニュアルバルブを現在のストローク位置に保つ。
【0079】
本実施の形態においては、レンジ切り換え方向指令スイッチ+SW,−SWを、手動変速(M)モードで運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチとして兼用するため、手動変速(M)モード付きの自動変速機であってもスイッチの数を減少させることができ、コスト低減、更には操作性の向上を実現することができる。
しかも、手動変速(M)モードでの全ての変速を、運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチ+SW,−SWの1操作のみにより行い得るようにしたから、上記した慎重を要するレンジ切り換えの誤操作防止対策によっても、手動変速(M)モードでの素早い変速操作が可能となる。
【0080】
図9および図10は本発明の更に別の実施の形態を示し、本実施の形態においては図9に示すごとく、レンジ切り換えを前記したレンジ切り換え方向指令スイッチではなく、レンジごとに設けたレンジ選択スイッチ、つまりPレンジスイッチPSW、RレンジスイッチRSW、NレンジスイッチNSW、DレンジスイッチDSW、2レンジスイッチ2SW、および1レンジスイッチ1SWで直接的に選択するようにし、更に慎重を要するレンジ切り換えを許可するための専用の解除スイッチRLSWを設け、これらスイッチからの信号を基に変速機コントローラ6がアクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図10の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させるものとする。
【0081】
(1)の論理により示すように、PレンジスイッチPSWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Rレンジであれば慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行し、現在Nレンジなら慎重を要するN→Pレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行する。
しかして現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが走行レンジであることから、そして走行中にPレンジへの切り換えが行われるとパークロック機構を破損させるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0082】
(2)の論理により示すように、PレンジスイッチPSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Rレンジであれば慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるから、PレンジスイッチPSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないいで現在のレンジを保持し、現在Nレンジであれば慎重を要するN→Pレンジ切り換えであるから、PレンジスイッチPSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないで現在のレンジを保持する。
現在D,2,1レンジである場合も、走行中にPレンジへの切り換えが行われるとパークロック機構を破損させるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0083】
(3)の論理により示すように、RレンジスイッチRSWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行し、現在Rレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Nレンジなら慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行する。
しかして現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが前進走行レンジであって、前進走行中にRレンジへの切り換えが行われると変速機出力回転を逆転させることになるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0084】
(4)の論理により示すように、RレンジスイッチRSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるからRレンジスイッチRSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Nレンジであれば慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるから、RレンジスイッチRSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないで現在のレンジを保持する。
現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが前進走行レンジであって、前進走行中にRレンジへの切り換えが行われると変速機出力回転を逆転させることになるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0085】
(5)の論理により示すように、NレンジスイッチNSWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、慎重を要するレンジ切り換えを含めてNレンジへの全てのレンジ切り換えを許可し、勿論、現在Nレンジなら当然にこのレンジを保持する。
しかして、(6)の論理により示すようにNレンジスイッチNSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Nレンジ切り換えであるからNレンジスイッチNSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを実行し、現在Nレンジであれば当然このレンジを保持し、現在Dレンジであれば誤操作が問題とならないD→Nレンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを実行する。
ところで現在2,1レンジであれば、これらレンジがエンジンブレーキレンジであって、Nレンジへの切り換えが行われるとエンジンブレーキ不能になる虞があることから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0086】
(7)の論理により示すように、DレンジスイッチDSWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Dレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前にDレンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→Dの順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→Dレンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在R,N,2レンジであれば誤操作が問題にならないR→D、N→D、2→Dレンジ切り換えであるからこれらのレンジ切り換えを実行し、現在Dレンジなら当然にこのレンジを保持する。
現在1レンジであれば、慎重を要する1→Dレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、当該レンジ切り換えを実行する。
【0087】
(8)の論理により示すように、DレンジスイッチDSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(7)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→Dレンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→Dレンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在N,2レンジであれば誤操作が問題とならないN→D、2→Dレンジ切り換えであるから、DレンジスイッチDSWのみの操作で当該レンジ切り換えを実行し、現在Dレンジなら当然に現在のレンジを保持する。
しかし現在1レンジであれば、誤操作が問題とならない1→Dレンジ切り換えであるが、大きなエンジンブレーキ状態が一挙に解消される弊害があるからDレンジスイッチDSWのみの操作だけでは当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0088】
(9)の論理により示すように、2レンジスイッチ2SWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→2レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前に2レンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→2の順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→2レンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在Rレンジであれば、変速機出力回転を逆転させるR→2レンジ切り換えであることから、当該直接的なR→2レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在N,D,2レンジであれば誤操作が問題にならないN→2、D→2、1→2レンジ切り換えであるからこれらのレンジ切り換えを実行し、現在2レンジなら当然にこのレンジを保持する。
【0089】
(10)の論理により示すように、2レンジスイッチ2SWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(9)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→2レンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→2レンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在Nレンジであれば、誤操作が問題とならないN→2レンジ切り換えであるが、N→D→2の順のレンジ切り換えが好ましいから直接的なN→2レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在D,1レンジであれば誤操作が問題とならないD→2、1→2レンジ切り換えであるから、2レンジスイッチ2SWのみの操作で当該レンジ切り換えを実行し、現在2レンジなら当然に現在のレンジを保持する。
【0090】
(11)の論理により示すように、1レンジスイッチ1SWおよび解除スイッチRLSWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前に1レンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→1の順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→1レンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在Rレンジであれば、変速機出力回転を逆転させるR→1レンジ切り換えであることから、当該直接的なR→1レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在N,Dレンジであれば、慎重を要するN→1、D→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、N→D→1、D→2→1の順のレンジ切り換えが好ましいことからここでは直接的なN→1、D→1レンジ切り換えを禁止し、現在のレンジを保持する。
現在2レンジであれば慎重を要する2→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、このレンジ切り換えを実行し、現在1レンジなら当然にこのレンジを保持する。
【0091】
(12)の論理により示すように、1レンジスイッチ1SWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(9)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→1レンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→1レンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在N,D,2レンジであれば、慎重を要するN→1、D→1,2→1レンジ切り換えであるから、1レンジスイッチ1SWのみの操作では当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持し、現在1レンジであれば当然に現在のレンジを保持する。
【0092】
本実施の形態においては、レンジ切り換えを指令するレンジ選択スイッチPSW,RSW,NSW,DSW,2SW,1SWの他に解除スイッチRLSWを設け、慎重を要するレンジ切り換えは、解除スイッチRLSWの操作があった時のみ行い得るようにしたから、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を専用スイッチRLSWの付加により防止することとなり、その分操作性を向上させることができる。
【0093】
図11および図12は本発明の更に他の実施の形態を示し、本実施の形態は図9および図10に示す実施の形態に手動変速(M)モードを付加したもので、これがため図10のごとく、図9における解除スイッチRLSWに代えて自動変速モードスイッチASWおよび手動変速モードスイッチMSWを設け、手動変速(M)モードで変速指令を発するためのシフトスイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2をステアリングホイール7に設ける。
なお、モード選択スイッチASW,MSWは図12(a)に示すが、図6(a)につき前述したと同様にモード切り換え指令を発するもので、またシフトスイッチ+SW1,+SW2はアップシフトスイッチ、シフトスイッチ−SW1,−SW2はダウンシフトスイッチである。
【0094】
変速機コントローラ6は上記した選択モード指令に応じ、自動変速(A)モードが選択されている間、レンジ選択スイッチPSW,RSW,NSW,DSW,2SW,1SWからの信号、および自動変速モードスイッチASWからの信号を基に、アクチュエータ3を介してマニュアルバルブを図12(b)の論理表により示すごとく選択レンジ位置へと変位させるものとする。
【0095】
(1)の論理により示すように、PレンジスイッチPSWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Rレンジであれば慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行し、現在Nレンジなら慎重を要するN→Pレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行する。
しかして現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが走行レンジであることから、そして走行中にPレンジへの切り換えが行われるとパークロック機構を破損させるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0096】
(2)の論理により示すように、PレンジスイッチPSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Rレンジであれば慎重を要するR→Pレンジ切り換えであるから、PレンジスイッチPSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないいで現在のレンジを保持し、現在Nレンジであれば慎重を要するN→Pレンジ切り換えであるから、PレンジスイッチPSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないで現在のレンジを保持する。現在D,2,1レンジである場合も、走行中にPレンジへの切り換えが行われるとパークロック機構を破損させるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0097】
(3)の論理により示すように、RレンジスイッチRSWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行し、現在Rレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Nレンジなら慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行する。
しかして現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが前進走行レンジであって、前進走行中にRレンジへの切り換えが行われると変速機出力回転を逆転させることになるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0098】
(4)の論理により示すように、RレンジスイッチRSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Rレンジ切り換えであるからRレンジスイッチRSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば当然にこのレンジを保持し、現在Nレンジであれば慎重を要するN→Rレンジ切り換えであるから、RレンジスイッチRSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行しないで現在のレンジを保持する。
現在D,2,1レンジであれば、これらレンジが前進走行レンジであって、前進走行中にRレンジへの切り換えが行われると変速機出力回転を逆転させることになるから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0099】
(5)の論理により示すように、NレンジスイッチNSWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、慎重を要するレンジ切り換えを含めてNレンジへの全てのレンジ切り換えを許可し、勿論、現在Nレンジなら当然にこのレンジを保持する。
しかして、(6)の論理により示すようにNレンジスイッチNSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Nレンジ切り換えであるからNレンジスイッチNSWのみの操作では当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば誤操作が問題とならないR→Nレンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを実行し、現在Nレンジであれば当然このレンジを保持し、現在Dレンジであれば誤操作が問題とならないD→Nレンジ切り換えであることから当該レンジ切り換えを実行する。
ところで現在2,1レンジであれば、これらレンジがエンジンブレーキレンジであって、Nレンジへの切り換えが行われるとエンジンブレーキ不能になる虞があることから、当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0100】
(7)の論理により示すように、DレンジスイッチDSWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→Dレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前にDレンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→Dの順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→Dレンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在R,N,2レンジであれば誤操作が問題にならないR→D、N→D、2→Dレンジ切り換えであるからこれらのレンジ切り換えを実行し、現在Dレンジなら当然にこのレンジを保持する。
現在1レンジであれば、慎重を要する1→Dレンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、当該レンジ切り換えを実行する。
【0101】
(8)の論理により示すように、DレンジスイッチDSWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(7)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→Dレンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→Dレンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在N,2レンジであれば誤操作が問題とならないN→D、2→Dレンジ切り換えであるから、DレンジスイッチDSWのみの操作で当該レンジ切り換えを実行し、現在Dレンジなら当然に現在のレンジを保持する。
しかし現在1レンジであれば、誤操作が問題とならない1→Dレンジ切り換えであるが、大きなエンジンブレーキ状態が一挙に解消される弊害があるからDレンジスイッチDSWのみの操作だけでは当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
【0102】
(9)の論理により示すように、2レンジスイッチ2SWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→2レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前に2レンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→2の順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→2レンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在Rレンジであれば、変速機出力回転を逆転させるR→2レンジ切り換えであることから、当該直接的なR→2レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在N,D,2レンジであれば誤操作が問題にならないN→2、D→2、1→2レンジ切り換えであるからこれらのレンジ切り換えを実行し、現在2レンジなら当然にこのレンジを保持する。
【0103】
(10)の論理により示すように、2レンジスイッチ2SWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(9)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→2レンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→2レンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在Nレンジであれば、誤操作が問題とならないN→2レンジ切り換えであるが、N→D→2の順のレンジ切り換えが好ましいから直接的なN→2レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在D,1レンジであれば誤操作が問題とならないD→2、1→2レンジ切り換えであるから、2レンジスイッチ2SWのみの操作で当該レンジ切り換えを実行し、現在2レンジなら当然に現在のレンジを保持する。
【0104】
(11)の論理により示すように、1レンジスイッチ1SWおよび自動変速モードスイッチASWを共に操作した場合、現在Pレンジであれば慎重を要するP→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、パークロック機構が解除する前に1レンジになるとパークロック機構が破損するため、これを防止すべくP→R→1の順にのみレンジ切り換えを許可する目的でここでは直接的なP→1レンジ切り換えを禁止してPレンジを保持する。
現在Rレンジであれば、変速機出力回転を逆転させるR→1レンジ切り換えであることから、当該直接的なR→1レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持する。
現在N,Dレンジであれば、慎重を要するN→1、D→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから当該レンジ切り換えを実行してもよいところながら、N→D→1、D→2→1の順のレンジ切り換えが好ましいことからここでは直接的なN→1、D→1レンジ切り換えを禁止し、現在のレンジを保持する。
現在2レンジであれば慎重を要する2→1レンジ切り換えであるが、2個のスイッチが操作されていることから、このレンジ切り換えを実行し、現在1レンジなら当然にこのレンジを保持する。
【0105】
(12)の論理により示すように、1レンジスイッチ1SWのみを操作した場合、現在Pレンジであれば(9)の論理における上記と同じ理由から、また慎重を要するP→1レンジ切り換えであるから、当該レンジ切り換えを実行せずに現在のレンジを保持し、現在Rレンジであれば変速機出力回転を逆転させるR→1レンジ切り換えであるから当該レンジ切り換えを禁止してRレンジを保持する。
現在N,D,2レンジであれば、慎重を要するN→1、D→1,2→1レンジ切り換えであるから、1レンジスイッチ1SWのみの操作では当該レンジ切り換えを禁止して現在のレンジを保持し、現在1レンジであれば当然に現在のレンジを保持する。
【0106】
本実施の形態においては、レンジ切り換えを指令するレンジ選択スイッチPSW,RSW,NSW,DSW,2SW,1SWの他に自動変速モードスイッチASWを用いて、慎重を要するレンジ切り換えは、自動変速モードスイッチASWの操作があった時のみ行い得るようにしたから、慎重を要するレンジ切り換えの誤操作を既存の自動変速モードスイッチASWの利用により安価に防止することができる。
【0107】
変速機コントローラ6は、手動変速(M)モードが選択されている間、シフトスイッチ+SW1,−SW1,+SW2,−SW2からの変速指令を基に図12(c)の論理表により示すごとく、シフトソレノイド4,5を介して自動変速機1を変速段制御すると同時にアクチュエータ3を介してマニュアルバルブのレンジ切り換え制御を行う。
ところで、手動変速(M)モード選択時の図12(c)に示す変速段制御およびレンジ切り換え制御は、自動変速モードスイッチASWと関係なく図4(c)につき前述したと同じに行われ、同様の作用効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行するレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図4】同実施の形態においてコントローラが行う判断論理で、
(a)は、自動・手動変速モード切り換えスイッチからの信号に基づく変速モード判断論理の説明図、
(b)は、自動変速モードにおけるレンジ切り換え制御の論理説明図、
(c)は、手動変速モードにおける変速段制御およびレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【図5】本発明の更に他の実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図6】同実施の形態においてコントローラが行う判断論理で、
(a)は、自動変速モードスイッチおよび手動変速モードスイッチからの信号に基づく変速モード判断論理の説明図、
(b)は、自動変速モードにおけるレンジ切り換え制御の論理説明図、
(c)は、手動変速モードにおける変速段制御およびレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【図7】本発明の更に別の実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図8】同実施の形態においてコントローラが行う判断論理で、
(a)は、自動変速モードスイッチおよび手動変速モードスイッチからの信号に基づく変速モード判断論理の説明図、
(b)は、自動変速モードにおけるレンジ切り換え制御の論理説明図、
(c)は、手動変速モードにおける変速段制御およびレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図10】同実施の形態においてコントローラが実行するレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【図11】本発明の更に別の実施の形態になるレンジ切り換え制御装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図12】同実施の形態においてコントローラが行う判断論理で、
(a)は、自動変速モードスイッチおよび手動変速モードスイッチからの信号に基づく変速モード判断論理の説明図、
(b)は、自動変速モードにおけるレンジ切り換え制御の論理説明図、
(c)は、手動変速モードにおける変速段制御およびレンジ切り換え制御の論理説明図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
2 コントロールバルブボディー
3 マニュアルバルブアクチュエータ
4 シフトソレノイド
5 シフトソレノイド
6 変速機コントローラ
7 ステアリングホイール
8 計器板
9 レンジインジケータ
10 変速段インジケータ
11 シフトレバー
−SW レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
+SW レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
−SW1 レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
+SW1 レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
−SW2 レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
+SW2 レンジ切り換え方向指令スイッチ(シフトスイッチ)
A/MSW 自動・手動変速モード切り換えスイッチ
ASW 自動変速モードスイッチ
MSW 手動変速モードスイッチ
PSW Pレンジスイッチ
RSW Rレンジスイッチ
NSW Nレンジスイッチ
DSW Dレンジスイッチ
2SW 2レンジスイッチ
1SW 1レンジスイッチ
RLSW 解除スイッチ
Claims (9)
- 運転者がスイッチを操作することにより選択したレンジに応じて変速動作を行う自動変速機において、
慎重を要するレンジ切り換えは、前記スイッチのうち複数のスイッチの操作があった時にのみ行い得るよう構成し、
前記運転者が操作するスイッチはレンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチであることを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。 - 請求項1において、前記レンジ切り換え方向指令スイッチを一対1組として複数組設け、慎重を要するレンジ切り換えは、同じ方向のレンジ切り換え方向指令スイッチが複数個操作された時に初めて該レンジ切り換えが行われるよう構成したことを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項2において、前記レンジ切り換え方向指令スイッチをレンジ切り換え方向が異なるもの同士一対1組として、ステアリングホイールの中立位置で該ステアリングホイールの左右に1組ずつ設けたことを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、自動変速機をモード切り換えスイッチにより自動変速モードと手動変速モードとの間で切り換え可能とし、自動変速モードで自動変速機は運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに応じて変速動作を行い、手動変速モードで自動変速機は運転者が指令した変速段を任意に選択することができ、
自動変速モードでのレンジ切り換えのうち慎重を要するレンジ切り換えは、運転者がモード切り換えスイッチにより自動変速モードの選択を指令した時にのみ行い得るよう構成し、
前記運転者が操作するレンジ切り換えスイッチはレンジ切り換えの方向を指令するレンジ切り換え方向指令スイッチとし、該レンジ切り換えスイッチを、手動変速モードで運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチとして兼用するよう構成したことを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。 - 請求項4において、自動変速モードで自動変速機は運転者がレンジ切り換えスイッチにより選択したレンジに対応する位置にマニュアルバルブを変位して該マニュアルバルブからの油圧により選択レンジに応じた変速動作を行うと共に、マニュアルバルブが低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にある時は該マニュアルバルブからの油圧によりエンジンブレーキ用摩擦要素を締結して該低速段でのエンジンブレーキが可能となるようにし、手動変速モードで前記低速段が選択される時にマニュアルバルブを前記低速段エンジンブレーキレンジ対応の位置にするよう構成したことを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項4または5において、手動変速モードでの全ての変速を、運転者が変速を指令する時のためのシフトスイッチの1操作のみにより行い得るよう構成したことを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項において、前記慎重を要するレンジ切り換えが後退走行レンジへのレンジ切り換えであることを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項1乃至7のいずれか1項において、前記慎重を要するレンジ切り換えが駐車レンジへのレンジ切り換えであることを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
- 請求項1乃至8のいずれか1項において、前記慎重を要するレンジ切り換えが低速段エンジンブレーキレンジへのレンジ切り換えであることを特徴とする自動変速機のレンジ切り換え制御装置。
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