JP3616982B2 - 水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水処理されて貯水タンクに蓄えられた浄水を給水バルブから随時取り出すようにした水処理装置に関し、特に、貯水タンクの内面等にスライム(細菌の塊り)が発生することを防止する比較的小容量の貯水タンクを備えた水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、水道水の浄化処理は、人間の生命を守り活動を支えるために必要な衛生的に安全な飲料水を供給することを目的として行われるもので、通常は、塩素処理による塩素消毒が行われている。この塩素消毒の意義としては、主に、通常の浄水法(急速濾過法等)では除去しにくい細菌類を消毒すること、及び浄水場から最終部の給水バルブに至るまで消毒の効果を保持すること、の2つがある。
【0003】
このような塩素消毒には、一般に、液化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉)等の塩素剤が用いられている。これらの塩素剤を水に溶かすことによって次亜塩素酸を生じ、その一部が水温やpHによって次亜塩素酸イオンと水素イオンに解離し、この次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンとが遊離塩素又は遊離残留塩素となって細菌や微生物の殺菌消毒に供される。このような遊離残留塩素を含む水道水には残留効果があり、遊離残留塩素が水道水の中に存在している限り細菌や微生物は増殖することはないが、塩素の臭いや味が水道水に残存することになる。
【0004】
一方、近年では消費者の価値観の変化により塩素臭のないおいしい水の要求が強くなり、また、塩素処理に基づくトリハロメタン等の消毒副生成物の発生等の問題が水道水に生じている。そのため、塩素に代わる代替消毒剤や消毒方法の改善が必要になっている。かかる塩素に代わる代替技術としては、例えば、オゾンや紫外線等を用いる消毒技術が提供されるようになった。
【0005】
これらのうち、オゾン処理に用いられるオゾン(O)は塩素よりも酸化力が強く、臭気物質や各種の有機化学物質などを分解除去できると共に、ウィルスの不活化や微生物に対する高い消毒効果を有するという特徴を持っている。また、紫外線処理に用いられる紫外線(UV)は強い殺菌力を有し、その殺菌力によっても高い消毒効果を得ることができる。
【0006】
ところが、オゾンは分解が早くて残留効果がなく、また、紫外線は一過性のものであって同じく残留効果がなく、両者共に消毒効果が長く持続しないという問題点がある。従って、オゾン及び紫外線による消毒処理は、塩素に代わる代替技術として完全に塩素に取って代わることができるものではない。そのため、塩素臭のないおいしい水の使用を欲する水処理装置においては、塩素剤を加えて塩素処理することにより製造される水道水に、オゾン又は紫外線による消毒処理を施すと共に、例えば活性炭フィルタに通して水道水から塩素を抜く脱塩処理を行うことにより、塩素臭が取り除かれて無菌化された浄水を得て、この浄水を使用するようにしている。
【0007】
このような水処理を行う従来の水処理装置としては、例えば、図に示すようなものが知られている。この水処理装置1は、浄水場で浄水処理された水道水を一旦浄水タンク2に蓄えておき、この浄水タンク2に蓄えられた浄水の一部を貯水タンク3に移して貯留し、この貯水タンク3に取り付けられた給水バルブ4の開閉操作によって貯水タンク3内の浄水を飲料水等として随時取リ出して使用するようにしたものである。
【0008】
この水処理装置1は、浄水タンク2と貯水タンク3との2個の水容器を備えており、浄水タンク2の開口部2aには水道管5の末端パイプ5aが臨むように配置されている。この水道管5から浄水タンク2に供給された水道水は、浄水タンク2に設けられた脱塩殺菌装置6によって水中の塩素を抜く脱塩処理と、オゾンや紫外線等の殺菌による消毒処理とが施され、これにより得られた浄水が浄水タンク2に貯留される。この浄水タンク2には連通パイプ7が設けられており、この連通パイプ7は貯水タンク3の開口部3aに臨むように配置されている。
【0009】
この浄水タンク2に貯留された浄水は、連通パイプ7を介して開口部3aから貯水タンク3に移され、この貯水タンク3に一旦貯留される。この貯水タンク3には給水パイプ8が設けられており、この給水パイプ8の先端部に取り付けられた給水バルブ4を開閉操作することにより、貯水タンク3内に貯留された浄水が活性炭フィルタ9を通過してろ過された後、給水バルブ4から飲料水等として取り出される。
【0010】
尚、水道管5には供給バルブ10が取り付けられており、この供給バルブ10は、浄水タンク2内に設置されたフロート弁11と電気的に接続され、フロート弁11の開閉動作によって供給バルブ10が開閉されるようになっている。また、連通パイプ7には開閉バルブ12が取り付けられており、この開閉バルブ12は、貯水タンク3内に設置されたフロート弁13と電気的に接続され、フロート弁13の開閉動作によって開閉バルブ12が開閉される構成となっている。
【0011】
かくして、必要に応じて給水バルブ4を開くことにより、貯水タンク3内に貯留された浄水を随時取り出して、飲料水等として使用することができる。この貯水タンク3内の浄水が所定量以下に低下すると、フロート弁13が作動して開閉バルブ12が開かれ、浄水タンク2から所定量の浄水が供給される。更に、浄水タンク2内の浄水が所定量以下に低下すると、フロート弁11が作動して供給バルブ10が開かれ、水道管5から所定量の水道水が浄水タンク2に供給されるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の水処理装置においては、水道管5から供給される水道水を浄水タンク2内において脱塩処理すると共にオゾンや紫外線等を用いて殺菌処理して浄水を作り、この浄水を一旦貯水タンク3に移して貯留した後、必要に応じて貯水タンク3から取り出して飲料水その他の用途に使用するようになっていた。そのため、給水バルブ4が開かれないことによって貯水タンク3内に浄水が長時間貯留されるような場合には、浄水内に生き残っていたり給水時に給水バルブ4から空気と共に入り込んだ細菌や微生物が浄水内で増殖するようになる。その結果、貯水タンク3内において浄水が汚染され、この汚染により水が不衛生になると共に、貯水タンク3内の壁面に細菌や微生物が付着してスライムと呼ばれる細菌の塊りができるという課題があった。
【0013】
通常、塩素処理された水道水の中に遊離残留塩素が存在している限り水中の細菌等の微生物は増殖することはないが、オゾンや紫外線による殺菌効果は一過性のものであってその殺菌力は残存されないため、塩素が抜かれた水は無防備の状態となる。そして、浄水タンク2内で脱塩殺菌処理された水が貯水タンク3に移る際に、配管網の継手等における錆こぶ等から細菌や微生物が混入することがある。更に、給水バルブ4の開閉操作に基づく給水時に、給水バルブ4から空気と共に細菌や微生物が入り込む場合もある。その結果、貯水タンク3内の浄水が細菌や微生物によって汚染され、特に、貯水タンク3内の壁面は微生物が増殖しやすい環境条件にあるため、上述したように貯水タンク3の内面にスライムが発生することになる。
【0014】
このような貯水タンク3の内面に発生するスライムの防止策としては、例えば、貯水タンク3に関連させて紫外線殺菌装置を設けることが考えられる。この場合、貯水タンクの内部に紫外線殺菌装置を設ける(いわゆる内照式の紫外線殺菌装置)ことは、貯水タンク3の容量を極端に減少させることになるため、好ましい対策であるとは言えない。従って、この種の水処理装置においては、貯水タンクの外部に紫外線殺菌装置を設ける(いわゆる外照式の紫外線殺菌装置)ことが好ましい。
【0015】
ところが、この種の貯水タンク3や内蔵されているフロート弁13等に使用されている材質としては、例えばポリエチレン等の紫外線に対して弱いものが多く、このような貯水タンク3やフロート弁13等に強い紫外線が照射されると、これら貯水タンク3やフロート弁13等の劣化が促進されて耐久性が著しく害されるという課題を生じることになる。
【0016】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、貯水タンクの少なくとも一部を微弱な紫外線又は可視光を含む光を透過させる光透過性樹脂で形成すると共に、貯水タンク内に光触媒反応を生じさせる光触媒部材を設け、光透過性樹脂部から貯水タンク内に微弱な紫外線又は可視光線を透過させて光触媒部材を照射する。これにより光触媒部材を光励起させ、この光触媒部材の光触媒作用を通じて細菌や微生物の増殖を抑制し、衛生的で安全な水を長期間供給できるようにすると共に貯水タンクやフロート弁等の劣化を促進させることのない水処理装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述したような課題等を解決し、上記目的を達成するために、供給される浄水を25リットル以下の比較的小容量貯留することができる貯水タンクと、この貯水タンクに取り付けられ且つ貯水タンク内に貯留された浄水を随時取り出すことができる給水バルブとを備え、給水バルブの開閉操作によって浄水が取り出される水処理装置において、貯水タンクは、水が注入される開口部が設けられたタンク本体と、このタンク本体の開口部を開閉自在に閉じる蓋体とを有し、蓋体及びタンク本体の少なくとも一方の全体又は一部を180nm乃至480nmの波長範囲を含む電磁波を透過させる光透過性樹脂で形成し、この貯水タンクの内部には、電磁波の照射を受けることにより光触媒反応を生じさせて浄水に含まれる細菌や微生物の増殖を抑制する光触媒部材を設けると共に、貯水タンクの光透過性樹脂部を透過させて貯水タンク内に電磁波を照射する光源を貯水タンクの外部で光触媒部材を照射可能な位置に配置して設けたことを特徴としている。
【0018】
本発明は、上述のように構成したことにより、光源から発射された180nm乃至480nmの波長範囲を含む電磁波が光透過性樹脂部を透過して貯水タンク内に導入され、貯水タンク内に設けられた光触媒部材に照射される。その結果、光触媒部材が光励起されて光触媒作用を発揮し、これにより細菌や微生物の増殖が抑制されて貯水タンク内の水の劣化が防止される。そのため、衛生的で安全な水を長期間供給できると共に、貯水タンクやフロート弁等の劣化を生ずることがなく、貯水タンク内の壁面にスライムの発生するのを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明の第1の例を示すもので、図1は第1の例に係る貯水容量が25l(リットル)以下の小型貯水容量型水処理装置の概略構成を示す説明図、図2は同じく概略構成を示す分解斜視図である。また、図3〜図6は、本発明に係る光透過性樹脂の説明に供するためのもので、それぞれ光の波長と透過率との関係を示すグラフである。更に、図7は、本発明の第2の例に係る小型貯水容量型水処理装置の概略構成を示す説明図である。
【0020】
本発明は、小型で比較的小容量(25l以下)の貯水タンクを備えた給水器、給茶器、自動飲料販売機、加湿器等に用いて好適な水処理装置に関するものである。図1に示すように、本発明の第1の実施の例に係る水処理装置21は、貯水容量が25l以下の比較的小型の浄水タンク22と貯水タンク23との2個の水容器を備えており、水道水を浄水して貯留しておくための浄水タンク22の上部には水道管24が配置されている。浄水タンク22は、上面の略全面を開口させた開口部25aを有する四角形の筐体からなるタンク本体25と、このタンク本体25の開口部25aを開閉自在に閉じることができる平板状の蓋体26とを備えている。
【0021】
蓋体26には上下に貫通する挿入穴26aが設けられており、この挿入穴26aには水道管24の先端部24aが挿入されている。この水道管24には、その管路を開閉するための供給バルブ27が取り付けられており、供給バルブ27はハンドルの手動操作によっても開閉されるが、制御信号の入力によって自動的に開閉動作することもできる。この供給バルブ27を開くことにより、遊離残留塩素を含む水道水が浄水タンク22に供給される。
【0022】
この浄水タンク22の外部には、タンク本体25に貯留された水道水に残留する塩素を取り除くと共に、この脱塩された水道水にオゾン化された空気を接触させてオゾン処理するか又は紫外線を照射して紫外線により殺菌処理する脱塩殺菌装置28が配設されている。この脱塩殺菌装置28により、タンク本体25内に貯留された水道水は残留塩素を取り除く脱塩処理がなされると共にオゾン又は紫外線により殺菌処理されて無菌状態の衛生的で安全な浄水にされる。
【0023】
このタンク本体25の内部には、供給される水道水の容量を調節するためのフロート弁29が取り付けられている。このフロート弁29は、図示しないが、弁室内に収納された浮きの役目をなす弁体と、この弁体の上下動によってオン・オフ動作されるスイッチ部とを有し、スイッチ部は供給バルブ27と電気的に接続されている。このフロート弁29は、浄水タンク22内の水が所定量以下に減少したときにオンとされ、これにより制御信号を出力して供給バルブ27を自動的に開放し、水道水を浄水タンク22に供給する。そして、浄水タンク22内の水が所定量以上に上昇したところで、フロート弁29がオフとされて制御信号の出力が停止され、これにより供給バルブ27が自動的に閉じられて水道水の供給が停止される。
【0024】
この浄水タンク22のタンク本体25の下部には、タンク内に貯留された浄水を貯水タンク23に移すための連通パイプ30が設けられている。そして、連通パイプ30には、その管路を開閉するための開閉バルブ31が取り付けられており、開閉バルブ31はハンドルの手動操作によっても開閉されるが、制御信号の入力によって自動的に開閉動作することができる。この開閉バルブ31を開くことにより、遊離残留塩素が除かれて殺菌処理された浄水が貯水タンク23に供給される。
【0025】
貯水タンク23は、図2に分解して示すように、上面の略全面を開口させた開口部32aを有する四角形の筐体からなるタンク本体32と、このタンク本体32の開口部32aを開閉自在に閉じることができる蓋体33とを備えている。この貯水タンク23のタンク本体32と、浄水タンク22のタンク本体25及び蓋体26の材質としては、光透過性を持たない一般的な水タンクの材料として用いられる合成樹脂、例えばポリエチレン(PE)等で十分であるが、その他の合成樹脂を用いることができることは勿論のこと、合成樹脂以外にも金属その他の材料を適用することもできる。
【0026】
これに対して、貯水タンク23の蓋体33の材質としては、180nm乃至480nmの波長範囲を含む電磁波(紫外線及び可視光線の領域)を透過させる光透過性樹脂として、例えば紫外線透過性フッ素樹脂を適用する。この紫外線透過性フッ素樹脂の具体例としては、パーフルオロ〜アルコキシ樹脂(PFA)(以下「PFA樹脂」という。)や四フッ化エチレン〜六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)(以下「FEP樹脂」という。)等を挙げることができる。
【0027】
ここに挙げたPFA樹脂及びFEP樹脂は、各種プラスチックの中でも特に卓越した諸性質を持っており、耐熱・耐低温性、耐薬品性、電気絶縁性、高周波特性等が非常に優れ、しかも特異な非粘着性と低摩擦特性を兼ね備えている。特に、光の透過率については、図3〜図6に示すような特性を有している。
【0028】
図3及び図4はPFA樹脂の光透過性を示し、図5及び図6はFEP樹脂の光透過性を示すもので、それぞれ横軸には光の波長(μm)をとり、縦軸には光の透過率(%)をとっている。即ち、図3は、厚さ25μmのフィルムとしたPFA樹脂の光透過率を示しており、波長0μmから18μmまでの光透過率を表している。そして、図4には、図3における波長0μmから波長1.0μmまでの範囲Aを拡大して示している。また、図5は、厚さ25μmのフィルムとしたFEP樹脂の光透過率を示しており、波長0μmから18μmまでの光透過率を表している。そして、図6には、図5における波長0μmから波長1.0μmまでの範囲Bを拡大して示している。
【0029】
この図3に示すグラフによれば、光の透過率(%)は、波長0μmの付近から波長の増加に伴って急激に立ち上がり、波長0.3μm程度において光透過率は最大の略95%に達している。そして、波長の増加に伴い光の透過率は横ばいに変化し、波長4μm程度にて若干低下し(光透過率は略78%)、波長6μmの手前で最大値95%の近くまで上昇した後、急激に低下して波長7μmを超えたところで透過率0%になっている。そして、光の透過率は波長8μmを超えたところで再び立ち上がり、波長10μm程度にて光透過率は略60%まで上昇し、直ちに略40%まで低下した後、再び立ち上がって略70%まで上昇している。その後、光の透過率は波長の増加とは反対に減少し、波長16μm程度において略10%まで低下した後、再び上昇して波長18μm程度では略50%まで回復している。
【0030】
特に、図4に示すグラフから明らかなように、波長0μmの付近から波長の増加に伴って急激に立ち上がった光の透過率(%)は、紫外線の殺菌力が最も強くなる波長253.7nmの部分において略最高点に達している。そして、PFA樹脂の光透過率は、波長の増加に伴いそのまま最高点を保持するように変化し、紫外線の領域から可視光線の領域を経て赤外線の領域を超えてまで最高の光透過率略95%を保持するような特性を有している。
【0031】
また、図5及び図6から明らかなように、FEP樹脂の光透過率は、上述したPFA樹脂の光透過性と略同様の特性を示しており、両者の値も略一致している。従って、PFA樹脂及びFEP樹脂のどちらの紫外線透過性フッ素樹脂であっても、フィルムの厚みが25μmである場合には、紫外線及び可視光線いずれの電磁波についても略95%を透過させることができる。この光の透過率(%)は、フィルムの厚みその他の条件によって変化するもので、必要により積極的に光透過率を低く設定するようにする。
【0032】
即ち、後述する光源が、波長180nm〜400nmが発光域の紫外線ランプの場合には、PFA樹脂又はFEP樹脂のフィルムの厚みを厚くする等して光透過率を低下させ、紫外線の一部をカットして貯水タンク23内に照射される紫外線の光量を制限するようにする。一方、可視光領域(波長400nm〜480nm)が主な発光域である白色蛍光灯等を光源として使用する場合には、紫外線の光量を制限する必要がないため、紫外線のカットを考慮する必要はない。
【0033】
このような紫外線透過性フッ素樹脂によって形成される貯水タンク23の蓋体33には、上下に貫通する挿入穴33aが設けられており、この挿入穴33aには連通パイプ30の先端部30aが挿入されている。更に、蓋体33には、タンク本体32に装着された状態において開口部32a内に入り込む膨出部34aが形成され、この膨出部34aの膨出側と反対側には凹陥部34bが設定されている。そして、凹陥部34b内には、光源の一具体例を示す紫外線ランプ35が収納されている。
【0034】
この紫外線ランプ35は、一端に口金部を有する棒状体(両端に口金部を設ける構成としてもよい。)からなり、その口金部にはリード線35aが接続されている。図示しないが、このリード線35aには発光源ユニットが接続され、この発光源ユニットから引き出されたリード線の先端部にはソケットが接続されている。このソケットを建物等のコンセントの電源に接続することにより、紫外線ランプ35に通電されて波長180nm〜400nmの紫外線を主な発光域とする電磁波が放射される。
【0035】
この紫外線ランプ35の上面には、表面が鏡面のように仕上げられた反射板36が配置されている。このような反射板36を設けた理由は、紫外線ランプ35の発光した紫外線を含む光がタンク外部に洩れ出すのを抑制すると共に、その光をタンク本体32側に反射させて照射効率を高めるためである。
【0036】
この蓋体33に装着される光源の他の例としては、波長300nm〜400nm領域が発光域のブラックライト、可視光領域のうち波長400nmから480nmまでが主な発光域の通常蛍光灯(白色蛍光灯)等を挙げることができる。更に、波長範囲が180nmから480nmまでの電磁波を発生するものであれば上述した例の他にも、例えば水銀灯、キセノンランプ、桃色蛍光灯、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス等各種の電磁波発生器を適用することができる。
【0037】
この場合、発光ダイオードやエレクトロルミネッセンスのように発生する紫外線の光量が比較的弱い光源であるときには、その紫外線が十分にタンク内に照射されるように、蓋体33の紫外線透過性を十分に高く設定する。その一方、紫外線ランプや水銀灯等のように発生する紫外線が十分に強い光源であるときには、その紫外線が必要以上タンク内に照射されることを防止するため、例えば蓋体33の厚みを調節する等して紫外線の透過量を制限するようにする。
【0038】
具体的には、例えばPFA樹脂又はFEP樹脂のフィルムの厚みを約0.5mmとすることにより、その紫外線透過率は50%〜60%に減少した。また、PFA樹脂又はFEP樹脂のフィルムの厚みを約2mm〜2.5mmとした場合には、その紫外線透過率は20%〜15%に減少した。
【0039】
このように紫外線透過率を減少させる理由は、紫外線が強すぎると、貯水タンク23内に収納される部品、例えば後述するフロート弁等が紫外線によって劣化され、その耐久性等が著しく害されるおそれがあることから、これを防止するためである。かかる紫外線の基準照射量としては、消費電力0.4W〜4W、好ましくは1W〜3Wの紫外線ランプが発生する程度の紫外線量が好適である。従って、例えば消費電力が4Wの紫外線ランプを使用する場合には、1Wの消費電力に相当する紫外線量だけ、蓋体33によって透過量をカットする必要がある。この紫外線量の調整は、消費電力4W以上の紫外線ランプを適当な時間間隔でオン・オフさせ、間欠的に点灯させて紫外線の照射量をコントロールすることもできる。
【0040】
また、貯水タンク23のタンク本体32の内面には、側面部の略全面に亘って光触媒部材からなる光触媒層37が設けられている。この光触媒層37は、光源から光を照射されることによって光触媒反応を生じさせることができるもので、この光励起に基づく光触媒反応によって浄水中に残存する細菌や微生物の増殖を抑制すると共に、タンク本体32の内壁面にスライムが発生することを防止する。この光触媒層37を形成する光触媒としては、酸化物半導体、金属錯体又は光電子発生部材を適用することができ、これらの一又は二以上を薄膜にして触媒基板となるタンク本体32の内面に担持して用いる。この光触媒層37は、タンク本体32の底面に設けるようにしてもよく、また側面と底面の双方に設けるようにしてもよい。
【0041】
この光触媒部材のうち、酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化チタンと酸化タングステンとの混合金属酸化物等を挙げることができる。また、金属錯体としては、例えば、ポルフィリン、フタロシアニン、ルテニウム錯体等を挙げることができる。更に、光電子発生部材は金属であっても非金属であってもよく、この金属又は非金属の光電子発生部材としては、銀イオンを発生する銀、セシウム、バリウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、ニッケル、白金、シリコンカーバイト、シリコン等を挙げることができる。
【0042】
更に、酸化物半導体、金属錯体及び光電子発生部材としては、これら酸化チタン、ポルフィリン、銀等が混練された合成樹脂や混合セラミックス、これら銀等が焼き付けられたセラミックス、或いは他の抗菌性材料が混ぜ合わされた抗菌性樹脂、抗菌性セラミックス等を用いることができる。そして、これら抗菌性樹脂や抗菌性セラミックス等で貯水タンクの全体又は一部を形成し、或いは触媒基板を形成してタンク内に収納するようにしてもよい。
【0043】
また、タンク本体32の内部には、供給される浄水の容量を調節するためのフロート弁38が取り付けられている。このフロート弁38は、上述したフロート弁29と同様に、弁室内に収納された浮きの役目をなす弁体と、この弁体の上下動によってオン・オフ動作されるスイッチ部とを有し、スイッチ部は開閉バルブ31と電気的に接続されている。このフロート弁38は、貯水タンク23内の浄水が所定量以下に減少したときにオンとされ、これにより制御信号を出力して開閉バルブ31を自動的に開放し、浄水を貯水タンク23に供給する。そして、貯水タンク23内の浄水が所定量以上に上昇したところで、フロート弁38がオフとされて制御信号の出力が停止され、これにより開閉バルブ31が自動的に閉じられて浄水の供給が停止される。
【0044】
更に、タンク本体32の内部には、光触媒部材の他の使用例を示す触媒基板40が収納されている。この触媒基板40は、図2に示すように、3枚の板材をそれぞれの長辺部で結合することによって形成された矢羽根のような形状をなしており、その表面全体には、上述した光触媒部材の薄膜からなる光触媒層41が形成されている。この触媒基板40に形成された光触媒層41は、タンク本体32の内面に形成された光触媒層37と同様の作用をなすもので、光源から光を照射されることによって光励起され、これにより光触媒反応が生じて浄水中に残存する細菌や微生物の増殖を抑制すると共に、タンク本体32の内壁面にスライムが発生することを防止することができる。
【0045】
この貯水タンク23のタンク本体32の下部には、タンク内に貯留された浄水を取り出すための給水パイプ42が設けられている。この給水パイプ42の中途部には、浄水内に残留しているカルキや窒素酸化物等を取り除くための活性炭フィルタ43が取り付けられている。そして、給水パイプ42の先端部には、貯水タンク23内の浄水を随時取り出すための給水バルブ44が取り付けられている。この給水バルブ44を手動操作又は自動操作にて開くことにより、貯水タンク23内に貯留された浄水が活性炭フィルタ43によって更にろ過された衛生的で安全な水が給水される。
【0046】
また、図2に二点鎖線で示すように、上述した紫外線ランプ35の取付位置に代えて、或いは当該紫外線ランプ35と併用してタンク本体32に光源を設けることもできる。この場合、タンク本体32の全体又は少なくとも光源が取り付けられる部分であってタンク内の光触媒層37,41を照射できる場所には、紫外線透過性フッ素樹脂等の光透過性部材を配置し、光源の光がタンク内に十分に照射できるように構成する。
【0047】
この図2に示す実施の例では、タンク本体32の側面に開口窓45を設けるようにしている。この開口窓45は横方向に長い長方形とされており、その両側の側縁には光源を保持するためのソケット46が固定され、両ソケット46によって光源としての、例えば棒状の白色蛍光灯47が両端支持される。48は、白色蛍光灯47及び開口窓45の全体を覆うことができるカバー部材である。
【0048】
このような構成を有する水処理装置21の供給バルブ27を手動操作又は自動操作によって開くと、水道管24から水道水が浄水タンク22に供給される。この水道水には塩素処理による遊離残留塩素が残存しており、塩素臭やかび臭等の異臭味があり、また、塩素処理後にもウィルス等の細菌やアメーバ等の微生物が生き残っている場合がある。そのため、浄水タンク22に設けた脱塩殺菌装置28によって水道水に残留する塩素を取り除くと共に、オゾンや紫外線等を用いて水道水を殺菌消毒し、衛生的に安全な浄水を製造して貯留する。
【0049】
次に、水処理装置21の開閉バルブ31を手動操作又は自動操作によって開くことにより、連通パイプ30及び開閉バルブ31を介して浄水タンク22内に貯留されている浄水が貯水タンク23に供給される。そして、貯水タンク23に移された浄水は、この貯水タンク23に一旦貯留され、その後の給水バルブ44の開閉操作によって随時に適当量の浄水が給水パイプ42及び活性炭フィルタ43を介して給水バルブ44から取り出される。
【0050】
この給水バルブ44から給水される水は、浄水が貯水タンク23に供給されてから比較的短時間に給水されるときには汚染される前の衛生的に安全な浄水である。従って、この場合には、塩素臭その他の異臭味のない衛生的に安全な水が給水され、飲料水や医療水等として好適に使用することができる。
【0051】
一方、浄水タンク22から貯水タンク23に移される浄水は、浄水タンク22内においてオゾンや紫外線による殺菌処理を受けるが、完全には殺菌されずに一部の細菌や微生物が生き残ることがある。また、浄水タンク22内で衛生的に安全な水とされた浄水であっても、連通パイプ30や開閉バルブ31等の配管内に錆こぶ等が発生していたりすると、これに付着している細菌や微生物が浄水内に入り込み、細菌等を含む浄水が貯水タンク23に供給されるおそれがある。更に、貯水タンク23に貯留された後、給水時に細菌や微生物が空気と共に給水バルブ44内に入り込み、活性炭フィルタ43及び給水パイプ42を経て貯水タンク23内に入り込むおそれもある。
【0052】
このような場合に、貯水タンク23に貯留された浄水には残留塩素による細菌や微生物の消毒効果を期待することはできず、また、オゾン及び紫外線にも残留効果がないため、貯水タンク23に貯留される時間が長くなると、浄水の劣化を招くおそれがある。
【0053】
しかしながら、この実施の例においては、貯水タンク23等を上述したような構成としたため、貯水タンク23内に貯留された浄水に含まれる細菌や微生物の増殖を抑制し、その浄水の汚染を抑制すると共に、貯水タンク23内の壁面にスライムと呼ばれる細菌の塊りができるのを防止することができる。
【0054】
即ち、紫外線透過性フッ素樹脂で形成された蓋体33には紫外線ランプ35が設置されており、この紫外線ランプ35から発生する電磁波が常時タンク本体32内に照射されている。この電磁波は、波長範囲180nm〜400nmが発光域の紫外線であるが、微量の紫外線がタンク本体32内に透過されるように蓋体33の紫外線透過量が制限されているため、余分な紫外線がタンク本体32内に照射されることがない。そのため、タンク本体32内に入っているフロート弁38やタンク本体32が紫外線によって劣化してしまうおそれがなく、これらフロート弁38その他の部品が紫外線によって耐久性が害されるのを防止することができる。
【0055】
更に、タンク本体32内に入射された紫外線の一部は、タンク本体32内の壁面に形成された光触媒部材による光触媒層37に照射され、紫外線の残りの一部は、タンク本体32内の底に沈められた触媒基板40の表面に形成された同じく光触媒部材による光触媒層41に照射される。このように微弱な紫外線が光触媒層37,41に照射されることにより、それぞれの光触媒層37,41において光触媒反応が生じ、これにより細菌や微生物の増殖が抑制される。
【0056】
即ち、光触媒部材が酸化チタン等の酸化物半導体やポルフィリン等の金属錯体である場合には、紫外線ランプ35からの光線に照射されて酸化チタン等が光励起され、非常に強い酸化力を発揮する。この酸化チタンの薄膜による光触媒作用により、浄水内に残存する細菌や微生物の増殖が抑制され、タンク本体32内の壁面にスライムが発生するのを防止することができると共に、かび臭や生ぐさ臭等の異臭味が消臭される。
【0057】
また、光触媒部材が銀やセシウムやカリウム等の光電子発生部材である場合には、紫外線ランプ35からの光線に照射されてセシウム等が光電子を発生し、この光電子によって同様に、浄水内に残存する細菌や微生物の増殖が抑制され、タンク本体32内の壁面にスライムが発生するのを防止することができると共に、かび臭や生ぐさ臭等の異臭味が消臭される。これらの材料が抗菌樹脂や抗菌セラミックス等であっても同様である。
【0058】
その結果、貯水タンク23に移された後の浄水に細菌や微生物が残存していたり、その後に細菌や微生物が浄水内に浸入してきたような場合においても、その細菌や微生物の増殖を抑制して浄水の汚染を防ぐことができる。従って、例えば夜間等のように人が長時間給水しないような場合においても、貯水タンク23内に貯留された浄水が汚染されるのを抑制し、タンク本体32内の壁面にスライムが発生するのを防止することができ、衛生的で安全な水を長時間供給することができる。
【0059】
これらの作用及び効果は、光源として可視光領域が主な発光域である白色蛍光灯を用いた場合も同様であるが、紫外線ランプ35の発光によって生ずる紫外線の場合には、それ自体に細菌や微生物に対する殺菌作用があるため、その分一層効率的な殺菌作用を得ることができる。
【0060】
また、この実施の例においては、蓋体33に膨出部34aを設けてその反対側に形成された凹陥部34b内に紫外線ランプ35を収納する構成としたため、貯水タンク23に余分な出っ張り部分ができるのを防止できると共に、紫外線ランプ35の電磁波をタンク本体32内に効率よく照射することができる。
【0061】
図7に示す本発明の第2の実施の例に係る水処理装置51は、上記第1の実施の例に係る水処理装置21の浄水タンク22を廃止し、水道管24の先端部24aを貯水タンク23の蓋体33に設けた挿入穴33aに挿入し、水道管24からの水道水を直接貯水タンク23に供給するようにしたものである。この水処理装置51を構成する貯水タンク23において、上述した水処理装置21と異なる点は、光源としての紫外線ランプ52と触媒基板53の2つであり、他の部分の構成は同一であるため、ここでは同一部分には同一符号を付して変更部分についてのみ説明する。
【0062】
紫外線ランプ52は、面方向に平らな板状体とされていて、広い範囲を照射できるようになされている。また、触媒基板53は、中央の水抜き穴と周方向に連続する波形の凹凸とを有するドーナッツ状の円板体からなり、波形凹凸によって紫外線ランプ52からの光を放射状に放散できるように構成している。この触媒基板53の表裏両面には、触媒基板40と同様に光触媒部材からなる光触媒層54が形成されており、タンク本体32の内面とは別に、この触媒基板53の表裏両面においても光触媒反応が生じるようにしている。尚、タンク本体32の光触媒層37は、側面のみならず底面にも形成されている。
【0063】
このような構成を有する水処理装置51の供給バルブ27を手動操作又は自動操作によって開くと、水道管24から水道水が貯水タンク23に供給される。この水道水には塩素処理による遊離残留塩素が残存しており、塩素臭やかび臭等の異臭味があり、また、塩素処理後にもウィルス等の細菌やアメーバ等の微生物が生き残っている場合があるが、そのまま貯水タンク23に貯留する。この貯水タンク23に一旦貯留された浄水は、その後の給水バルブ44の開閉操作によって随時に適当量が給水パイプ42及び活性炭フィルタ43を介して給水バルブ44から取り出される。
【0064】
この給水バルブ44から給水される水には塩素処理による遊離残留塩素が残存しており、塩素臭やかび臭等の異臭味や、塩素処理後にもかかわらずウィルス等の細菌やアメーバ等の微生物が生き残っている場合がある。この場合、水道水の中に遊離残留塩素が存在しているため、細菌や微生物が増殖することはない。
【0065】
一方、この実施の例においては、貯水タンク23を上述したような構成としたため、貯水タンク23内に貯留された水道水に含まれる細菌や微生物の増殖を抑制し、その浄水の汚染を抑制すると共に、貯水タンク23内の壁面にスライムと呼ばれる細菌の塊りができるのを防止することができる。
【0066】
即ち、光触媒部材である酸化チタン等の酸化物半導体、ポルフィリン等の金属錯体或いは光電子発生部材が紫外線ランプ52からの光線に照射され、これにより酸化チタン等が光励起されて非常に強い酸化力を発揮する。この酸化チタン等の薄膜による光触媒作用によって浄水内に残存する細菌や微生物の増殖が抑制され、タンク本体32内の壁面にスライムが発生するのを防止することができると共に、かび臭や生ぐさ臭等の異臭味が消臭される。
【0067】
その結果、貯水タンク23に供給された水道水に細菌や微生物が残存していたり、その後に細菌や微生物が水道水内に浸入してきたような場合においても、その細菌や微生物の増殖を抑制して水道水の汚染を防ぐことができる。従って、例えば夜間等のように人が長時間給水しないような場合においても、貯水タンク23内に貯留された水道水が汚染されるのを抑制し、タンク本体32内の壁面にスライムが発生するのを防止することができ、衛生的で安全な水を長時間供給することができる。
【0068】
尚、触媒基板40,53に形成される光触媒層41,54は、光触媒部材を含む塗料を表面に塗布して焼付け固定してもよく、また光触媒部材の塗料が塗布された紫外線透過性のテープを触媒基板40,53に表面に巻き付けて固定させるようにしてもよい。
【0069】
以上説明したが、本発明は上述した実施の例に限定されるものではなく、上記例においてはタンク本体32の内面に光触媒層37を設け、これと併用して光触媒層41,54を有する触媒基板40,53を貯水タンク23内に収納した例について説明したが、例えば、表面に光触媒層が形成された粒状の触媒基板を多数個設け、この粒状触媒基板をタンク本体32の底に敷き詰めるように構成してもよい。貯水タンク23は、その一部又は全体を無色透明な部材で形成することが好ましい。このように貯水タンク23を無色透明な部材で形成することにより、タンクの外から内部を目視して浄水等の状態を目で認識することができる。
【0070】
また、上述した実施の例では、貯水タンク23をタンク本体32と蓋体33との二部材で構成し、蓋体33の全体又はタンク本体32の一部を光透過性樹脂とした例について説明したが、蓋体33の一部又はタンク本体32の全体を光透過性樹脂で形成してもよく、両者を共に光透過性樹脂で形成することもできる。更に、貯水タンクの全体をタンク本体の一部材で構成することもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、25リットル以下の比較的小容量の浄水を貯留することができる貯水タンクをタンク本体と蓋体とで形成すると共に、当該貯水タンクの少なくとも一部を180nm乃至480nmの波長範囲を含む電磁波を透過させる光透過性樹脂で形成し、この貯水タンクの内部には、電磁波の照射を受けることにより光触媒反応を生じさせて浄水に含まれる細菌や微生物の増殖を抑制する光触媒部材を設けると共に、貯水タンクの光透過性樹脂部を透過させて貯水タンク内に電磁波を照射する光源を貯水タンクの外部で光触媒部材を照射可能な位置に配置して設け、給水バルブの開閉操作によって浄水が取り出される構成としたため、微弱な紫外線或いは可視光線で光触媒部材を光励起させ、この光触媒部材の光触媒作用を通じて細菌や微生物の増殖を抑制し、衛生的で安全な水を長期間供給することができると共に、貯水タンクやフロート弁等の劣化を促進させることがなく、耐久性の高い水処理装置を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の第1の例の概略構成を断面して示す説明図である。
【図2】本発明の第1の例の水処理装置に係る貯水タンクの概略構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る光透過性樹脂の第1の例を示すPFA樹脂に関する光の波長と透過率との関係を示すグラフである。
【図4】図3に示すPFA樹脂の光透過率の要部Aを拡大して示すグラフである。
【図5】本発明に係る光透過性樹脂の第2の例を示すFEP樹脂に関する光の波長と透過率との関係を示すグラフである。
【図6】図5に示すFEP樹脂の光透過率の要部Bを拡大して示すグラフである。
【図7】本発明の水処理装置の第2の例の概略構成を断面して示す説明図である。
【図8】従来の水処理装置の概略構成を断面して示す説明図である。
【符号の説明】
21,51 水処理装置
22 浄水タンク
23 貯水タンク
24 水道管
30 連通パイプ
31 開閉バルブ
32 タンク本体
33 蓋体
34a 膨出部
34b 凹陥部
35,52 紫外線ランプ(光源)
36 反射板
37,41,54 光触媒層
38 フロート弁
40,53 触媒基板
43 活性炭フィルタ
44 給水バルブ
47 白色蛍光灯(光源)

Claims (7)

  1. 供給される浄水を25リットル以下の比較的小容量貯留することができる貯水タンクと、
    上記貯水タンクに取り付けられ且つ当該貯水タンク内に貯留された浄水を随時取り出すことができる給水バルブとを備え、上記給水バルブの開閉操作によって浄水が取り出される水処理装置において、
    上記貯水タンクは、水が注入される開口部が設けられたタンク本体と、上記タンク本体の上記開口部を開閉自在に閉じる蓋体とを有し、上記蓋体及び上記タンク本体の少なくとも一方の全体又は一部を180nm乃至480nmの波長範囲を含む電磁波を透過させる光透過性樹脂で形成し、当該貯水タンクの内部には、電磁波の照射を受けることにより光触媒反応を生じさせて浄水に含まれる細菌や微生物の増殖を抑制する光触媒部材を設けると共に、当該貯水タンクの上記光透過性樹脂部を透過させて貯水タンク内に上記電磁波を照射する光源を貯水タンクの外部で上記光触媒部材を照射可能な位置に配置して設けたことを特徴とする水処理装置。
  2. 請求項1記載の水処理装置において、
    上記貯水タンクの蓋体は、上記タンク本体の開口部内に入り込む膨出部を有し、当該膨出部の外側に設定された凹陥部内に上記光源を収納したことを特徴とする水処理装置。
  3. 請求項1記載の水処理装置において、
    上記光触媒部材は、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物半導体、ポルフィリン、フタロシアニン等の金属錯体又はセシウム、カリウム等の光電子発生部材を薄膜に形成した光触媒層からなり、当該光触媒層を上記貯水タンクの内面に形成したことを特徴とする水処理装置。
  4. 請求項1記載の水処理装置において、
    上記光触媒部材は、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物半導体、ポルフィリン、フタロシアニン等の金属錯体又はセシウム、カリウム等の光電子発生部材を薄膜に形成した光触媒層からなり、当該光触媒層を上記貯水タンク内に収納される触媒基板の表面に形成したことを特徴とする水処理装置。
  5. 請求項1,2又は4記載の水処理装置において、
    上記貯水タンク又は上記触媒基板の少なくとも一部を、銀イオンを発生する銀若しくは銀化合物、抗菌性樹脂又は抗菌性セラミックで形成したことを特徴とする水処理装置。
  6. 請求項1記載の水処理装置において、
    上記光源は、180nm乃至400nmの波長範囲が主な発光域の紫外線ランプ、400nm乃至480nmの波長範囲が主な発光域の白色蛍光灯又は350nm乃至480nmの波長範囲が主な発光域の光電変換素子であることを特徴とする水処理装置。
  7. 請求項1記載の水処理装置において、
    上記光透過性樹脂は、180nm乃至400nmの波長範囲を含む電磁波を透過させる紫外線透過性フッ素樹脂とし、
    上記光源は、180nm乃至400nmの波長範囲が主な発光域の紫外線ランプとして、当該紫外線透過性フッ素樹脂の厚みを0.5mm乃至2.5mmとして当該紫外線ランプが発光する紫外線の透過率を60%乃至15%に減少させたことを特徴とする水処理装置。
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