JP3616952B2 - 計器装置のプリント基板の取付構造 - Google Patents

計器装置のプリント基板の取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、船舶等の移動体に搭載される計器装置に関し、計器ケースに収容された計器ユニットなどと電気的に接続するプリント基板を計器ケースの取り付けるための計器装置のプリント基板の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、船舶などの移動体には、各種の計測ユニットが計測した複数の情報を移動体の運転者に対し表示する計器装置が搭載される。
【0003】
この種の計器装置として、例えば、移動体としての車両の速度を表示する表示計器としてのスピードメータと、エンジンの回転数を表示する表示計器としてのタコメータと、燃料の残量を表示する表示計器としてのヒューエルゲージと、エンジンの冷却水の温度を表示する表示計器としてのテンパラチャゲージなどを備えた車両用コンビネーションメータが用いられる。
【0004】
前述した各メータ及びゲージは、それぞれ、計器ユニットとしてのムーブメントと、文字板と、指針と、導光板などを備えている。それぞれのムーブメントは、回転可能な出力軸を備えている。指針は、それぞれムーブメントの出力軸に取り付けられる。
【0005】
また、前記車両用コンビネーションメータは、前述したムーブメントなどを収容する合成樹脂などからなる計器ケース102(図9に示す)と、この計器ケース102内に取り付けられるガラスエポキシ樹脂などからなるプリント基板136(図9に示す)などを備えている。
【0006】
計器ケース102は、図9に示すように、例えば運転者側に位置する対向壁102aとこの対向壁102aの縁部から運転者からみて背面側に向かって延びた周壁102jと、対向壁102aから前記背面側に向かって延在した支持壁131などを備えた箱状に形成されている。
【0007】
また、計器ケース102は、運転者側からみて背面側にプリント基板136を取り付けるための取付構造125を有する。この取付構造125は、前記周壁102jのうち互いに相対する周壁102jのそれぞれの縁部に形成された係止爪部130などを備えている。係止爪部130は、図9(A)に示すように、前記周壁102jの縁部から計器ケース102の内側に向かって突出した鉤状に形成されている。また、前記支持壁131は、前記取付構造125に取付られるプリント基板136と当接して支持する。
【0008】
プリント基板136は、各種の実装品を実装しているとともに前記各ムーブメントと電気的に接続する。プリント基板136は、それぞれのムーブメントに印加してそれぞれの出力軸を指針とともに回転させる。
【0009】
取付構造125は、図9(C)に示すように、プリント基板136を、互いに相対向する周壁に設けられた係止爪部130の相互の間に挟み込むとともに、前記支持壁131に支持した状態で前記計器ケース102の背面側に取り付ける。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
じかしながら、図9に例示した取付構造125において、前記プリント基板136を計器ケース102の背面側に取り付ける際に、図9(B)に示すように、前記係止爪部130の相互の間隔を拡げるように計器ケース102を一旦弾性変形させて、前記プリント基板136を前記係止爪部130の相互の間に挟み込ませる必要があった。
【0011】
このため、前記プリント基板136を計器ケース102の背面側に取り付ける際に、プリント基板136自体に前記係止爪部130などから図中の矢印Rなどに沿う曲げ応力などが作用して、この応力などによる歪みなどの弾性変形が生じることがある。
【0012】
すると、この弾性変形によって、前記プリント基板136に実装された実装品とプリント基板136との間の電気的な接続が剥離したり破断する恐れがあった。これらの実装品の電気的な接続の剥離や破断が生じると、前記車両用コンビネーションメータが所望の機能を発揮しきれなくなる恐れがあった。
【0013】
また、前記狭持突起130の相互の間隔を拡げるように計器ケース102を弾性変形させる際に、計器ケース102の弾性限度を超えて前記係止爪部130の相互間の間隔が拡がった状態に計器ケース102が塑性変形する恐れがあった。
【0014】
計器ケース102が係止爪部130の相互の間隔が拡がった状態に塑性変形すると、プリント基板136が計器ケース102の係止爪部130によって確実に保持されることが困難となって、計器ケース102とプリント基板136との間にがたが生じる。前述した移動体としての車両の走行中などに前記車両用コンビネーションメータに振動がくわわると、前記計器ケース102及びプリント基板136が微小に振動して互いにぶつかり合うことが考えられる。そして、異音などを生じて運転者などに不快感を与えることとなる。
【0015】
したがって、本発明の目的は、実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止できかつ異音の発生を防止することができる計器装置のプリント基板の取付構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、計器ケースと、前記計器ケースの前面側に取り付けられる前面部材と、実装品が実装されるプリント基板と、を備えた計器装置において、前記計器ケースに前記プリント基板を取り付けるための取付構造であって、前記前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、前記プリント基板を互いの間に挟み込む複数の狭持部を備え、前記プリント基板が前記計器ケースの背面側に取り付けられ、前記計器ケースに揺動自在に設けられかつ前記計器ケースの前面側から背面側に向かう方向に沿って延在した複数の揺動体を備え、これらの揺動体は、前記前面部材が計器ケースに取り付けられていない状態では、前記前面部材の近傍に位置する一端部が互いに近づきかつ前記プリント基板の近傍に位置する他端部が互いに離れた状態で配され、前記狭持部が、前記揺動体それぞれの他端部から互いに近づく方向に突出した狭持突起に形成され、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける動作に連動して、前記狭持突起が互いに近づく方向に前記揺動体が揺動し、それぞれの揺動体に設けられた前記狭持突起が互いの間に前記プリント基板を挟み込み、前記計器ケースが前面側に開口した貫通孔を備え、前記前面部材が前記貫通孔内に侵入可能な案内突起を備え、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体の一端部と他端部のうち一方に当接して、前記狭持突起の相互の間に前記プリント基板を挟み込ませるよう前記揺動体を揺動させることを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項1に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記案内突起が、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に前記揺動体の一端部と他端部のうち一方に当接し、かつ前記前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して前記狭持突起の相互の間隔を徐々に狭くする方向に前記揺動体を揺動させる案内面を備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項2に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体より計器ケースの内側に位置するとともに前記揺動体の一端部に当接し、前記案内面が、前記計器ケースの前面側から背面側に向かうにしたがって前記計器ケースの内側に向かって徐々に傾斜して形成されことを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項2に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体より計器ケースの外側に位置するとともに前記揺動体の他端部に当接し、前記案内面が、前記計器ケースの前面側から背面側に向かうにしたがって前記計器ケースの外側に向かって徐々に傾斜して形成されことを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記前面部材が計器ケースに取り付けられた際に、前記案内突起が貫通孔内に侵入して前記狭持突起の相互の間隔が拡がらないように前記揺動体の揺動を規制することを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記計器ケースが、前記前面部材が取り付けられる対向壁とこの対向壁から前記背面側に向かって延びた支持壁とを備え、前記プリント基板は前記狭持突起によって支持壁の端面に向かって押圧された状態で、前記狭持突起の相互の間に挟み込まれて前記計器ケースの背面側に取り付けられることを特徴としている。
【0024】
請求項7に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記前面部材が計器ケースに取り付けられていない状態において、前記前面部材の近傍に位置する一端部が互いに近づきかつ前記プリント基板の近傍に位置する他端部が互いに離れるように前記揺動体を付勢する付勢手段を備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項8に記載の本発明の計器装置のプリント基板の取付構造は、請求項1ないし請求項7のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造において、前記揺動体が、前記計器ケースの外郭を構成しかつ互いに相対向する周壁それぞれの近傍に設けられたことを特徴としている。
【0026】
請求項1に記載された本発明は、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持部が互いに間にプリント基板に挟み込むので、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、この計器ケースの一部を一旦弾性変形させる必要が生じない。このため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、プリント基板に狭持部などから曲げ応力が作用することが防止されるとともに、計器ケースが弾性限度を超えて塑性変形することが防止される。
【0027】
器ケースにこの計器ケースの前面側から背面側に向かって延在した揺動体が揺動自在に複数設けられ、この揺動体が、前記計器ケースの前面側に位置する一端部が互いに近づきかつ前記背面側に位置する他端部が互いに離れた状態で配されており、この他端部に狭持部としての狭持突起が設けられている。
【0028】
そして、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の互いの間にプリント基板を挟み込むように、揺動体が揺動するため、前面部材を取り付ける際に計器ケースの一部を弾性変形させることなく確実にプリント基板を計器ケースに取り付けることができる。
【0029】
また、計器ケースの一部を弾性変形させることなく確実にプリント基板を計器ケースに取り付けることができるので、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に狭持突起などからプリント基板に曲げ応力が作用することをより確実に防止でき、かつ計器ケースが塑性変形することをより確実に防止できる。
【0030】
面部材を計器ケースに取り付ける際に、案内突起が、狭持突起の相互の間にプリント基板を挟み込むように揺動体を揺動させる。このため、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の相互の間にプリント基板を確実に挟み込んで固定することができる。
【0031】
したがって、プリント基板を計器ケースに取り付ける際にプリント基板に曲げ応力が作用することをより確実に防止でき、かつ計器ケースが塑性変形することをより確実に防止できる。
【0032】
請求項2に記載された本発明は、揺動体の案内面が、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向に揺動体を揺動させる。このため、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の相互の間にプリント基板をより確実に挟み込んで固定することができる。したがって、プリント基板に曲げ応力が作用することをより一層確実に防止でき、かつ計器ケースが塑性変形することをより一層確実に防止できる。
【0033】
請求項3に記載された本発明は、案内突起が揺動体より計器ケースの内側に位置しかつ案内面が前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に計器ケースの内側に向かって傾斜しているので、前記案内突起が前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向に確実に揺動体を揺動させる。
【0034】
請求項4に記載された本発明は、案内突起が揺動体より計器ケースの外側に位置しかつ案内面が前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に計器ケースの外側に向かって傾斜しているので、前記案内突起が前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向に確実に揺動体を揺動させる。
【0035】
請求項5に記載された本発明は、前面部材が計器ケースに取り付けられると、案内突起が狭持突起の相互の間隔が拡がらないように揺動体の揺動を規制する。このため、プリント基板を計器ケースに取り付けると、プリント基板が狭持突起の間に挟み込まれた状態から脱落することが防止される。
【0036】
請求項6に記載された本発明は、プリント基板が支持壁の端面に向かって押圧された状態で、計器ケースの背面側に取り付けられる。このため、プリント基板を取り付けた後に、プリント基板と計器ケースとが互いにがたつくことを防止できる。
【0037】
請求項7に記載された本発明は、付勢手段が、前面部材が計器ケースに取付けられていない状態において、一端部が互いに近づきかつ他端部が互いに離れる方向に揺動体を付勢する。このため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、狭持突起がプリント基板と干渉して妨げることがない。
【0038】
請求項8に記載された本発明は、揺動体が、計器ケースの互いに相対向する周壁の近傍に設けられているので、狭持突起によってプリント基板を確実に挟み込んで計器ケースに取り付けることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1ないし図6及び図8を参照して説明する。
図1などに示す本発明の第1の実施形態に係る取付構造25は、図8などに示す計器装置としての車両用コンビネーションメータ1に用いられる。
【0040】
図8に示す車両用コンビネーションメータ1は、車両などの移動体に搭載されて、この移動体の運転者に対し各種の情報を表示する装置である。前記車両用コンビネーションメータ1は、図8に示すように、ケーシング9と、表示計器4と、文字板6と、前面部材としての見返し板10と、透明カバー11と、などを備えている。
【0041】
ケーシング9は、計器ケースとしての表ケース2と、裏カバー3とを備えている。表ケース2は、合成樹脂などから成形されており、運転者に相対する対向壁2aと、この対向壁2aの周縁から運転者からみて背面側に延びた周壁2jとを備えた箱状に形成されている。前記周壁2jは、表ケース2の外郭を形成する。
【0042】
表ケース2の対向壁2aには、後述するムーブメント7a,7b,7c,7dそれぞれを収容するムーブメント収容窓2e,2f,2g,2hと、貫通孔22などが形成されている。これらの窓2e,2f,2g,2hは、それぞれ、対向壁2aを貫通して形成されており、ケーシング9の内側と外側とを互いに連通している。
【0043】
貫通孔22は、後述するプリント基板36に実装されるスイッチ38に相対向する位置に配されている。貫通孔22は、対向壁2aを貫通して形成されており、ケーシング9の内側と外側とを互いに連通している。
【0044】
表ケース2の外縁2bには、見返し板10の後述する係止爪10eが挿入可能でかつ係止可能な受け溝2cが複数形成されている。さらに、外縁2bには、透明カバー11の後述する係止爪11eが挿入可能でかつ係止可能な受け溝2dが複数形成されている。
【0045】
裏カバー3は板状に形成されており、表ケース2の周壁2jの縁部に取り付けられて、前記周縁2jが形成する開口部2kを覆った状態で前記対向壁2aとほぼ平行に配される。
【0046】
また、表ケース2と裏カバー3との間には、ガラスエポキシ樹脂などからなる比較的硬質なプリント基板36が設けられる。このプリント基板36は、板状に形成されており、前記表ケース2の対向壁2a及び裏カバー3と略平行でかつ前記対向壁2aと相対向して配される。プリント基板36は、取付構造25によって、表ケース2の背面側に取り付けられる。
【0047】
このプリント基板36には、複数の光源37と、押圧式のスイッチ38と、後述するムーブメント7a,7b,7c,7dそれぞれに駆動電力を供給する複数のコイルばね状の端子ピン39と、液晶表示パネル40などが実装されている。前記光源37、スイッチ38及び液晶表示パネル40は、本明細書に記した実装品をなしている。
【0048】
液晶表示パネル40は、車両の走行距離(オド表示による走行距離とトリップ表示による走行距離とのうち少なくとも一方の走行距離)を表示する。液晶表示パネル40は、文字板6の後述する走行距離表示窓6jを介して、運転者側に露出する。
【0049】
前述した構成によって、ケーシング9は、光源37とムーブメント7a,7b,7c,7dなどを内部に収容する。
【0050】
文字板6は、表ケース3の対向壁2a上に重ねられて配される。文字板6には、運転者に相対する表面に、各種の文字表示を行うための、車速表示用目盛6aとエンジン回転数表示用目盛6bと燃料残量表示用目盛6cと冷却水温度表示用目盛6dが形成されている。これらの目盛6a,6b,6c,6dは、本明細書に記した表示部となっている。
【0051】
また、文字板6には、運転者に相対する表面に、シフトポジションの表示や各種のウォーニングの表示を行うための各種の文字などからなる表示部6kと、前記液晶表示パネル40を運転者に対して露出させる走行距離表示窓6jと、が形成されている。
【0052】
表示計器4は、車両の速度を表示するためのスピードメータ4aと、エンジンの回転数を表示するためのタコメータ4bと、燃料の残量を表示するためのヒューエルゲージ4cと、エンジンの冷却水の温度を表示するテンパラチャゲージ4dとを備えている。
【0053】
これらのスピードメータ4a、タコメータ4b、ヒューエルゲージ4c及びテンパラチャゲージ4dは、それぞれ、計器ユニットとしてのムーブメント7a,7b,7c,7dと、指針12a,12b,12c,12dと、前述した目盛6a,6b,6c,6dと、導光板5a,5b,5c,5d等によって構成されている。
【0054】
ムーブメント7a,7b,7c,7dは、それぞれ、車両に搭載された図示しない車速検出手段、エンジン回転数検出手段、燃料残量検出手段及び冷却水温度検出手段などと接続している。ムーブメント7a,7b,7c,7dは、それぞれ、これらの検出手段が検出した計測量等に応じて回転する出力軸8a,8b,8c,8dを備えている。
【0055】
ムーブメント7a,7b,7c,7dは、それぞれ、前述した窓2e,2f,2g,2h内に収容されている。ムーブメント7a,7b,7c,7dは、それぞれ、前述した端子ピン39と電気的に接続する。ムーブメント7a,7b,7c,7dは、それぞれ、端子ピン39などを介して印加されることによって出力軸8a,8b,8c,8dを回転させる。
【0056】
指針12a,12b,12c,12dは、それぞれ、ムーブメント7a,7b,7c,7dそれそれの出力軸8a,8b,8c,8dと一体となって回転するよう配されている。指針12a,12b,12c,12dは、文字板6に付された目盛6a,6b,6c,6dなどと協働して計測量を表示する。
【0057】
導光板5a,5b,5c,5dは、文字板6の背面側に設けられている。導光板5a,5b,5c,5dは、それぞれ対応する目盛6a,6b,6c,6dの背面側に設けられている。導光板5a,5b,5c,5dは、それぞれ光源37が発した光を、前記指針12a,12b,12c,12dまで導いて、これらの指針12a,12b,12c,12dを光輝させる。
【0058】
見返し板10は、文字板6の運転者側すなわち前面側に配され、表ケース2の前面側に取り付けられるようになっている。見返し板10は、前記目盛6a,6b,6c,6d及び表示部6kをそれぞれ運転者に対して露出させるスピードメータ露出窓10aと、タコメータ露出窓10bと、ゲージ露出窓10cと、表示部露出窓10hと、を備えている。
【0059】
また、見返し板10は、その外縁から表ケース2に向かって延びて形成された係止爪10eを備えている。係止爪10eは、表ケース2の受け溝2c内に挿入されて係止する。見返し板10は、係止爪10eが受け溝2c内に係止すると、文字板6の各目盛6a,6b,6c,6d及び表示部6k以外の表示不要部分を運転者に対して遮蔽する。
【0060】
透明カバー11は、板状に形成されかつ透明性を有する樹脂などから形成されている。透明カバー11は、見返し板10の運転者側すなわち前面側に配される。透明カバー11は、その外縁から表ケース2に向かって延びて形成された係止爪11eを備えている。係止爪11eは、表ケース2の受け溝2d内に挿入されて係止する。
【0061】
透明カバー11は、係止爪11eが受け溝2d内に係止すると、前記開口部2aを閉じるように覆う。透明カバー11は、文字板6の目盛6a,6b,6c,6d、表示部6k及び見返し板10を覆って、車両用コンビネーションメータ1内へ埃等が侵入しないようにする。
【0062】
前記文字板6、見返し板10及び透明カバー11には、それそれ、前述した表ケース2の貫通孔22とそれぞれ対向合致するトリップバー露出孔6m,10m,11mが形成されている。トリップバー露出孔6m,10m,11mは、それぞれ文字板6、見返し板10及び透明カバー11を貫通している。
【0063】
また、前記プリント基板36に実装されたスイッチ38には、棒状の操作棒としてのトリップバー42が接続される。トリップバー42は、見返し板10及び透明カバー11を貫通して運転者側に向かって突出する。
【0064】
トリップバー42は、運転者によって押圧操作されると、スイッチ38を介して、液晶表示パネル40が表示する走行距離をオド表示による走行距離とトリップ表示による走行距離とを切り替えたり、トリップ表示よる走行距離をリセットしたりする。
【0065】
前記プリント基板36を表ケース2に取付けるための取付構造25は、図1などに示すように、表ケース2の前面側に開口した貫通孔26と、見返し板10に設けられた案内突起27と、前記表ケース2に設けられた揺動体としての揺動板28などを備えている。
【0066】
貫通孔26は、本実施形態において、図8に示すように、表ケース2の幅方向に沿った両端部それぞれに設けられている。貫通孔26は、図2などに示すように、対向壁2aを貫通して形成されている。
【0067】
案内突起27は、見返し板10の背面から表ケース2に向かって延びて形成されている。案内突起27は、見返し板10の幅方向に沿った両端部それぞれに設けられている。案内突起27は、それぞれ、前記係止爪10eが受け溝2cに係止すると、前記貫通孔26を通して表ケース2内に侵入可能な位置に配されている。それぞれの案内突起27は、表ケース2内に侵入すると、揺動板28より表ケース2の幅方向に沿った内側に位置する。
【0068】
それぞれの案内突起27は、表ケース2内に侵入すると、前記揺動板28と当接する案内面27aを備えている。案内面27aは、表ケース2の前面側から背面側に向かうにしたがって、表ケース2の幅方向に沿った内側に向かって徐々に傾斜して形成されている。
【0069】
揺動板28は、表ケース2の幅方向に沿った両端部それぞれに設けられている。それぞれの揺動板28は、前記貫通孔26を通して表ケース2内に侵入する案内突起27と当接する位置に配されている。それぞれの揺動板28は、前記案内突起27と当接する際に、この案内突起27より表ケース2の幅方向に沿った外側に位置する。
【0070】
それぞれの揺動板28は、図1ないし図3に示すように、表ケース2の前面側から背面側に向かって延在した板状に形成されている。揺動板28は、前記周壁2jの内互いに相対向する周壁2jの近傍に設けられている。
【0071】
ぞれぞれの揺動板28は、図3に示すように、長手方向に沿った中央部が枢軸29に沿って枢支されている。この枢軸29は、表ケース2の上下方向に沿って配されている。揺動板28は、見返し板10の近傍即ち表ケース2の前面側に位置する一端部28aが互いに接離し、かつ前記プリント基板36の近傍即ち前記表ケース2の背面側に位置する他端部28bが接離する方向に、前記枢軸29によって揺動自在に設けられている。
【0072】
それぞれの揺動板28は、前記案内突起27が貫通孔26を通して表ケース2内に侵入していない状態において、図1、図2及び図5(A)などに示すように、前記一端部28aが互いに近づきかつ前記他端部28bが互いに離れた状態で配されている。
【0073】
ぞれぞれの揺動板28は、表ケース2の前面側から背面側に向かう方向に対し、前記一端部28aが互いに近づきかつ前記他端部28bが互いに離れるように、傾斜した状態で配される。なお、このとき、他端部28bの相互の間隔は、プリント基盤36の幅より大きくなっている。
【0074】
また、それぞれの揺動板28は、前記一端部28aが互いに近づきかつ前記他端部28bが互いに離れる方向に、ばねなどの付勢手段によって付勢されるのが望ましい。
【0075】
揺動板28のそれぞれ他端部28bには、図1ないし図4に示すように、狭持部としての狭持突起30が設けられている。狭持突起30は、互いに近づく方向に前記揺動板28の他端部28bから突出して形成されている。狭持突起30は、他端部28bが互いに近づく方向に揺動板28が揺動すると、互いに間にプリント基板36を挟み込む位置に設けられている。また、狭持突起30は、プリント基板36を挟み込む際に、プリント基板36と接する当接面30aを、それぞれ備えている。
【0076】
また、表ケース2には、図5に示すように、支持壁31が複数設けられている。支持壁31は、それぞれ表ケース2の対向壁2aの背面側から表ケース2の背面側に向かって延在して形成されている。支持壁31は、表ケース2の幅方向に沿って互いに間隔を存して配されている。
【0077】
支持壁31は、本実施形態において、二つ設けられており、前記揺動板28の間に配されている。支持壁31は、その端面31aが、前記狭持突起30によって挟み込まれたプリント基板36と当接して、このプリント基板36を支持する。
【0078】
さらに、前記狭持突起30は、互いの間にプリント基板36を挟み込む際に、前記対向壁2aから当接面30aまでの距離が、前記対向壁2aから支持壁31の端面31aまでの距離とプリント基板36の厚みとの和より若干小さく形成されている。
【0079】
このため、狭持突起30は、互いの間にプリント基板36を挟み込むと、このプリント基板36を支持壁31の端面31aに向かって押圧するように形成されている。すなわち、プリント基板36を挟み込む際に、狭持突起30の当接面30aとプリント基板36とは互いに隙間なく当接するとともに、支持壁31の端面31aとプリント基板36とは互いに隙間なく当接する。
【0080】
前述した構成の取付構造25を用いて、プリント基盤36を表ケース2に取り付ける際には、まず、図5(A)に示すように、案内突起27を貫通孔25に相対向させ、プリント基盤36を狭持突起30の間に位置させた状態で、見返し板10を表ケース2の前面側に配し、プリント基板36を表ケース2の背面側に配する。
【0081】
そして、図5(B)に示すように、プリント基板36を前記狭持突起30の間に配した状態で、支持壁31の端面31aに当接させる。このとき狭持突起30の相互の間隔は、プリント基板36の幅より大きくなっているので、狭持突起30が、プリント基板36を支持壁31の端面31aに当接させる際に妨げることがない。
【0082】
案内突起27を貫通孔22を通して表ケース2内に徐々に挿入していく。案内突起27の案内面27aが揺動板28の一端部28aに当接する。さらに、案内突起27を表ケース2内に挿入するように、見返し板10を表ケース2の対向壁2aに向かって近づけていくと、案内突起27が揺動板28の内側に位置しかつ案内面27aが前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に内側に向かって傾斜しているので、揺動板28が、一端部28aが互いに離れかつ他端部28bが互いに近づく方向に回転する。
【0083】
すると、狭持突起30の相互の間隔が徐々に狭くなっていき、図5(C)に示すように、狭持突起30によって、プリント基板36が支持壁31の端面31aに向かって押圧された状態で、挟み込まれる。
【0084】
このとき、狭持突起30の対向壁2aからの距離が、対向壁2aから支持壁31の端面31aまでの距離とプリント基板36の厚みとの和、より若干小さく形成されているので、揺動板28が、図6に示すように、その両端部28a,28bが表ケース2の幅方向に沿った内側に位置しかつ中央部が前記幅方向に沿った外側に位置するように、弓状に反ることとなる。このとき、狭持突起30の当接面30aとプリント基板36とは互いに隙間なく密に接するとともに、支持壁31の端面31aとプリント基板36とは互いに隙間なく密に接する。
【0085】
このように、前記取付構造25によれば、見返し板10を表ケース2に取り付ける動作に連動して、狭持突起30の相互の間隔が狭くなる方向に揺動板28が回転して、狭持突起30の間にプリント基板36を挟み込んで固定する。
【0086】
また、見返し板10を表ケース2に取付後に、貫通孔26を通して表ケース2内に侵入した案内突起27が、揺動板28と当接して、狭持突起30の相互の間隔が拡がらないように揺動板28の揺動を規制する。
【0087】
本実施形態のプリント基板36の取付構造25によれば、案内突起27が揺動板28と当接して、見返し板10を表ケース2に取り付ける動作に連動して、揺動板28が回転する。そして、狭持突起30の間にプリント基板36を挟み込んで固定する。このため、プリント基板36を表ケース2に取り付ける際に、この表ケース2の一部を一旦弾性変形させる必要が生じない。
【0088】
したがって、プリント基板36を表ケース2に取り付ける際に、プリント基板36に狭持突起30などから曲げ応力が作用することを防止できる。プリント基板36に実装された前述したスイッチ38及び液晶表示パネル40などの実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止できる。
【0089】
また、表ケース2を弾性変形する必要がないので、この表ケース2が、弾性限度を超えて塑性変形することを防止できる。このため、車両などの移動体の移動中に、表ケース2とプリント基板36とが微小に振動して互いにぶつかりあうことを防止できる。したがって、異音の発生を防止できる。
【0090】
また、案内突起27が揺動板28より表ケース2の内側に位置しかつ案内突起27の案内面27aが前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に表ケース2の内側に向かって傾斜しているので、見返し板10を表ケース2に取り付ける動作に連動して、狭持突起30の相互の間隔が徐々に狭くなる方向により確実に揺動板28を揺動させることができる。
【0091】
さらに、見返し10を表ケース2に取り付けた後に、案内突起27が、狭持突起30の相互の間隔が拡がる方向に揺動板28が揺動するのを規制するので、プリント基板36が狭持突起30の間に挟み込まれた状態から脱落することを防止できる。
【0092】
プリント基板36が支持壁31の端面31aに向かって押圧された状態で取り付けられるため、プリント基板36と表ケース2とが互いにがたつくことを防止できる。したがって、異音の発生をより一層確実に防止することができる。
【0093】
前記揺動板28が、ばねなどの付勢手段によって、一端部28aが互いに近づきかつ他端部28bが互いに離れる方向に付勢された場合には、プリント基板36を表ケース2に取り付ける際に、狭持突起30とプリント基板36とが干渉することがない。このため、容易にプリント基板36を表ケース2に取り付けることができる。
【0094】
さらに、揺動板28が表ケース2の互いに相対向する周壁2jの近傍に設けられているので、プリント基板36を狭持突起30によって確実に挟み込んで表ケース2に取り付けることができる。
【0095】
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0096】
本実施形態において、案内突起27は、貫通孔26を通して表ケース2内に侵入した際に、揺動板28より表ケース2の幅方向に沿った外側に位置する。案内突起27の案内面27aは、表ケース2の前面側から背面側に向かうにしたがって、表ケース2の幅方向に沿った外側に向かって徐々に傾斜して形成されている。
【0097】
案内突起27の案内面27aは、貫通孔26を通して表ケース2内に侵入した際に、揺動板28の枢軸29より他端部28b寄りの部分に当接する。案内面27aは、揺動板28の他端部28b寄りの部分に当接することによって、見返し板10を対向壁2aに近づける動作に連動して、狭持突起30の相互の間隔が狭くなるように揺動板28を回転させる。
【0098】
本実施形態によれば、案内突起27が揺動板28より表ケース2の外側に位置しかつ案内面27aが前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に表ケース2の外側に向かって傾斜しているので、見返し板10を表ケース2に取り付ける動作に連動して、狭持突起30の相互の間隔が徐々に狭くなる方向に揺動体28を揺動させる。そして、狭持突起30の相互の間にプリント基板36を挟み込んで固定する。
【0099】
このように、本実施形態の取付構造25によれば、前記第1の実施形態と同様に、見返し板10を表ケース2に取り付ける動作に連動して、狭持突起30の間にプリント基板36を挟み込んで固定する。プリント基板36を表ケース2に取り付ける際に、この表ケース2の弾性変形させる必要が生じない。このため、プリント基板36を表ケース2に取り付ける際に、プリント基板36に狭持突起30などから曲げ応力が作用することを防止できる。
【0100】
したがって、プリント基板36に実装された前述したスイッチ38及び液晶表示パネル40などの実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止できる。また、表ケース2を弾性変形する必要がないので、この表ケース2が、弾性限度を超えて塑性変形することを防止できる。したがって、異音の発生を防止できる。
【0101】
さらに、見返し10を表ケース2に取り付けた後に、案内突起47が、狭持突起30の相互の間隔が拡がる方向に揺動板28が揺動するのを規制するので、プリント基板36が狭持突起30の間に挟み込まれた状態から脱落することを防止できる。
【0102】
プリント基板36が支持壁31の端面31aに向かって押圧された状態で取り付けられるため、プリント基板36と表ケース2とが互いにがたつくことを防止できる。したがって、異音の発生をより一層確実に防止することができる。
【0103】
前述した第1及び第2の実施形態においては、前面部材として見返し板10を用いた場合を示しているが、前記表ケース2の前面に配される部材であれば、前面部材として文字板6を用いても良い。この場合、文字板6に前述した案内突起27を設ける。
【0104】
また、前記揺動板28を表ケース2の幅方向に沿った両端部に設けた場合を示しているが、前記揺動板28を表ケース2の上下方向に沿った両端部に設け、案内突起27を見返し板10の上下方向に沿った両端部に設けても良い。
【0105】
この場合、案内突起27が揺動板28より上下方向に沿った表ケース2の内側に位置した際には、案内面27aは表ケース2の前面側から背面側に向かうにしたがって表ケース2の上下方向に沿った内側に向かって徐々に傾斜して形成される。
【0106】
また、案内突起27が揺動板28より上下方向に沿った表ケース2の外側に位置した際には、案内面27aは表ケース2の前面側から背面側に向かうにしたがって表ケース2の上下方向に沿った外側に向かって徐々に傾斜して形成される。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明によれば、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持部が互いに間にプリント基板に挟み込むので、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、この計器ケースの一部を一旦弾性変形させる必要が生じない。
【0108】
このため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、プリント基板に狭持部などから曲げ応力が作用することが防止できる。したがって、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止することができる。また、計器ケースを弾性限度を超えて塑性変形することを防止できるので、移動体の移動中に計器ケースとプリント基板とが微小に振動して互いにぶつかりあうことを防止して、異音の発生を防止できる。
【0109】
面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の互いの間にプリント基板を挟み込むように、揺動体が揺動するため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に狭持突起などからプリント基板に曲げ応力が作用することをより確実に防止できる。
【0110】
したがって、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断をより確実に防止することができる。また、揺動体が前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して揺動してプリント基板を取り付けるので、計器ケースを弾性限度を超えて塑性変形することを防止でき、移動体の移動中に計器ケースとプリント基板とが微小に振動して互いにぶつかりあうことを防止して、異音の発生をより確実に防止できる。
【0111】
面部材を計器ケースに取り付ける際に、案内突起が、狭持突起の相互の間にプリント基板を挟み込むように揺動体を揺動させるため、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、プリント基板を確実に取付けることができる。
【0112】
このため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際にプリント基板に曲げ応力が作用することをより確実に防止でき、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断をより一層確実に防止することができる。また、計器ケースが塑性変形することをより確実に防止でき、異音の発生をより一層確実に防止できる。
【0113】
請求項2に記載された本発明によれば、案内突起の案内面が、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向に揺動体を揺動させる。このため、プリント基板に曲げ応力が作用することをより一層確実に防止できプリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断をより一層確実に防止することができる。また、計器ケースが塑性変形することを防止して、異音の発生をより一層確実に防止できる。
【0114】
請求項3に記載された本発明によれば、請求項2の効果にくわえて、案内突起が揺動体より計器ケースの内側に位置しかつ案内面が前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に計器ケースの内側に向かって傾斜しているので、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向により一層確実に揺動体を揺動させることができる。
【0115】
請求項4に記載された本発明によれば、請求項2の効果にくわえて、案内突起が揺動体より計器ケースの外側に位置しかつ案内面が前面側から背面側に向かうにしたがって徐々に計器ケースの外側に向かって傾斜しているので、前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して狭持突起の相互の間隔が徐々に狭くなる方向により一層確実に揺動体を揺動させることができる
【0116】
請求項5に記載された本発明によれば、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止し、異音の発生を防止できることにくわえて、プリント基板が狭持突起の間に挟み込まれた状態から脱落することが防止される。
【0117】
請求項6に記載された本発明によれば、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止できることにくわえて、プリント基板が支持壁の端面に向かって押圧された状態で取り付けられるため、プリント基板と計器ケースとが互いにがたつくことを防止できる。したがって、異音の発生をより一層確実に防止することができる。
【0118】
請求項7に記載された本発明によれば、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止し異音の発生を防止できることにくわえて、付勢手段が一端部が互いに近づきかつ他端部が互いに離れる方向に揺動体を付勢するため、プリント基板を計器ケースに取り付ける際に、狭持突起がプリント基板と干渉することがない。このため、容易にプリント基板を計器ケースに取り付けることができる。
【0119】
請求項8に記載された本発明によれば、プリント基板に実装された実装品の電気的な接続の剥離や破断を防止し異音の発生を防止できることにくわえて、揺動体が計器ケースの互いに相対向する周壁の近傍に設けられているので、狭持突起によってプリント基板を確実に挟み込んで計器ケースに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリント基板の取付構造を示す断面図である。
【図2】同実施形態の取付構造の表ケースの要部を示す斜視図である。
【図3】図2中のIII―III線に沿う断面図である。
【図4】図3中の矢印IV方向からみた平面図である。
【図5】同実施形態の取付構造がプリント基板を表ケースに固定する過程を示す模式図である。
【図6】図5(C)のVI部分を拡大して示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るプリント基板の取付構造を示す断面図である。
【図8】本発明の取付構造を備えた車両用コンビネーションメータを分解して示す斜視図である。
【図9】従来の取付構造がプリント基板を表ケースに固定する過程を示す模式図である。
【符号の説明】
1 車両用コンビネーションメータ(計器装置)
2 表ケース(計器ケース)
2a 対向壁
2j 周壁
10 見返し板(前面部材)
25 取付構造
26 貫通孔
27 案内突起
27a 案内面
28 揺動板(揺動体)
28a 一端部
28b 他端部
30 狭持突起(狭持部)
31 支持壁
31a 端面
36 プリント基板
37 光源(実装品)
38 スイッチ(実装品)
40 液晶表示パネル(実装品)

Claims (8)

  1. 計器ケースと、前記計器ケースの前面側に取り付けられる前面部材と、実装品が実装されるプリント基板と、を備えた計器装置において、前記計器ケースに前記プリント基板を取り付けるための取付構造であって、
    前記前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して、前記プリント基板を互いの間に挟み込む複数の狭持部を備え、
    記プリント基板が前記計器ケースの背面側に取り付けられ、
    前記計器ケースに揺動自在に設けられかつ前記計器ケースの前面側から背面側に向かう方向に沿って延在した複数の揺動体を備え、これらの揺動体は、前記前面部材が計器ケースに取り付けられていない状態では、前記前面部材の近傍に位置する一端部が互いに近づきかつ前記プリント基板の近傍に位置する他端部が互いに離れた状態で配され、
    前記狭持部が、前記揺動体それぞれの他端部から互いに近づく方向に突出した狭持突起に形成され、
    前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける動作に連動して、前記狭持突起が互いに近づく方向に前記揺動体が揺動し、それぞれの揺動体に設けられた前記狭持突起が互いの間に前記プリント基板を挟み込み、
    記計器ケースが前面側に開口した貫通孔を備え、
    前記前面部材が前記貫通孔内に侵入可能な案内突起を備え、
    前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体の一端部と他端部のうち一方に当接して、前記狭持突起の相互の間に前記プリント基板を挟み込ませるよう前記揺動体を揺動させることを特徴とする計器装置のプリント基板の取付構造。
  2. 前記案内突起が、前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に前記揺動体の一端部と他端部のうち一方に当接し、かつ前記前面部材を計器ケースに取り付ける動作に連動して前記狭持突起の相互の間隔を徐々に狭くする方向に前記揺動体を揺動させる案内面を備えたことを特徴とする請求項1記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
  3. 前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体より計器ケースの内側に位置するとともに前記揺動体の一端部に当接し、
    前記案内面が、前記計器ケースの前面側から背面側に向かうにしたがって前記計器ケースの内側に向かって徐々に傾斜して形成されことを特徴とする請求項2記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
  4. 前記前面部材を計器ケースの前面側に取り付ける際に、前記案内突起が前記揺動体より計器ケースの外側に位置するとともに前記揺動体の他端部に当接し、
    前記案内面が、前記計器ケースの前面側から背面側に向かうにしたがって前記計器ケースの外側に向かって徐々に傾斜して形成されことを特徴とする請求項2記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
  5. 前記前面部材が計器ケースに取り付けられた際に、前記案内突起が貫通孔内に侵入して前記狭持突起の相互の間隔が拡がらないように前記揺動体の揺動を規制することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
  6. 前記計器ケースが、前記前面部材が取り付けられる対向壁とこの対向壁から前記背面側に向かって延びた支持壁とを備え、
    前記プリント基板は前記狭持突起によって支持壁の端面に向かって押圧された状態で、前記狭持突起の相互の間に挟み込まれて前記計器ケースの背面側に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
  7. 前記前面部材が計器ケースに取り付けられていない状態において、前記前面部材の近傍に位置する一端部が互いに近づきかつ前記プリント基板の近傍に位置する他端部が互いに離れるように前記揺動体を付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載の計器装置1のプリント基板の取付構造。
  8. 前記揺動体が、前記計器ケースの外郭を構成しかつ互いに相対向する周壁それぞれの近傍に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか一項に記載の計器装置のプリント基板の取付構造。
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