JP3616684B2 - 積層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層フィルムに関し、より詳しくは、フィルム製造時には押出コーティング加工性に優れ、得られたフィルムが耐熱性、低温ヒートシール性およびホットタック性等に優れる食品包装用として好適である積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品包装材料として、食品を劣化させる酸素ガスの侵入を防ぐ目的で、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリヤー性材料が使用されてきており、種々の食品の長期保存が可能となっている。一般に、ガスバリヤー性材料はヒートシールが困難なため、ガスバリヤー層に易ヒートシール性のポリエチレン樹脂を押出コーティングした積層フィルムが使われている。
従来、そのようなポリエチレン樹脂として、ドローダウン性が良好でネックインの小さい高圧法低密度ポリエチレンが使用されていたが、該高圧法低密度ポリエチレンは耐熱性が低くボイル殺菌が不可能であり、ホットタック性(熱間シール性とも呼ばれるもので、この性質が劣る場合、ヒートシールされた直後に内容物が充填されるとシール部が剥離する)が不足し、そして重量物を充填する場合にはヒートシール強度が不足する等の欠点があった。
これらの欠点を改善するために、押出コーティング樹脂として、上記高圧法低密度ポリエチレンに代えて、チーグラー系触媒またはフィリップス系触媒を使用して製造された直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の使用が検討されたが、該共重合体単独で押出コーティングすると押出負荷が極端に上昇したり、押出の際にサージング現象を起こしたり、ネックインが大きくなる等の欠点があった。このため、上記直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体と上記高圧法低密度ポリエチレンとの配合組成物を押出コーティングしているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食品包装フィルムは自動充填包装が最近ますます盛んになったり、処理の高速化が進んできたために、低温で確実にヒートシールができること、すなわち、低温ヒートシール性に優れた積層フィルムが要望されてきているが、上記直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体と上記高圧法低密度ポリエチレンとの配合組成物をガスバリヤー層に押出コーティングすることでは、その要望に応えられていない。そこで、本発明は、従来の優れた特性である良好な押出加工性、ドローダウン性、ネックイン、耐熱性、ホットタック性およびヒートシール強度等を維持しながら、従来の問題点であった低温ヒートシール性を改善したエチレン系樹脂を、ガスバリヤー層に押出コーティングした積層フィルムを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々の樹脂を選択して、実験で確認した結果、上記直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体と上記高圧法低密度ポリエチレンとの配合組成物に、さらにシングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体を配合することにより、上記課題が解決できることを見出し、さらに検討を加え、積層フィルムに要求される優れた性能を発揮し得る上記3成分の特定の配合割合を見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、チーグラー系触媒またはフィリップス系触媒を使用して製造された直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部、シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体30〜70重量部、高圧法低密度ポリエチレン50〜100重量部からなるエチレン系樹脂組成物を、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種からなる単層または複層の基材フィルム上に押出コーティングしてなる積層フィルムに関する。
【0006】
本発明において使用されるチーグラー系触媒またはフィリップス系触媒を使用して製造された直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体(以下、LLDPEとも記載する)は、上記のいずれかの触媒を用いて製造される、エチレンとα−オレフィン、例えば炭素原子数3ないし12のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることができる。
【0007】
LLDPEの製造に用いられる触媒の一つはチーグラー系触媒と呼ばれるもので、チタン化合物やバナジウム化合物等の遷移金属化合物からなる主触媒、有機アルミニウム等の有機金属化合物からなる助触媒およびケイ素、チタン、マグネシウム等の酸化物または塩化物からなる触媒担体から構成される触媒である。もう一つの触媒はフィリップス系触媒と呼ばれるもので、酸化クロムからなる主触媒およびケイ素、アルミニウム等の酸化物からなる触媒担体から構成される触媒である。
【0008】
LLDPEの重合のためには、溶液重合法、懸濁重合法、スラリー重合法、気相重合法その他の方法を使用することができる。重合の際の温度は0〜250℃であり、圧力は高圧(50MPa以上)、中圧(10〜50MPa)または低圧(常圧〜10MPa)である。
【0009】
本発明において使用されるLLDPEは以下の物性:メルトフローレート1〜20g/10分および密度0.91〜0.93g/cm3 を有するものが好ましい。
ここで、メルトフローレートはJIS K7210に準拠して測定され、1g/10分未満であると押出コーティングする際に押出機のモーター負荷がかかり過ぎるので好ましくなく、また20g/10分を越えるとヒートシール性が劣るので好ましくない。
また、密度はJIS K7112に準拠して測定され、0.91g/cm3 未満であると耐熱性が劣るので好ましくなく、0.93g/cm3 を越えるとヒートシール性が劣るので好ましくない。
【0010】
本発明において使用されるシングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(以下、SSC−PEとも記載する)は、上記触媒を用いて製造される、エチレンとα−オレフィン、例えば炭素原子数3ないし12のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることができる。これらの中で、機械的特性および加工性等の点からオクテン−1が特に好ましい。
【0011】
上記SSC−PEは以下の物性:メルトフローレート1〜20g/10分、密度0.88〜0.93g/cm3 および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)3.0以下を有するものが好ましい。
ここで、メルトフローレートはJIS K7210に準拠して測定され、1g/10分未満であると押出加工性が劣るので好ましくなく、20g/10分を越えると機械的特性が劣るので好ましくない。
また、密度はJIS K7112に準拠して測定され、0.88g/cm3 未満であると耐熱性が劣るので好ましくなく、0.93g/cm3 を越えると、ヒートシール性が劣るので好ましくない。
さらに、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定され、3.0以下であることが好ましく、特に2.5以下であることが好ましい。Mw/Mnが3.0を越えると機械的特性が劣るので好ましくない。このMw/Mnは分子量分布の指標となる値であり、小さい程、分子量分布が小さい。
【0012】
SSC−PEの製造の際に使用されるシングルサイト触媒は、活性点が同種(シングルサイト)であり、エチレンに対して高い重合活性を有するものである。このシングルサイト触媒はメタロセン触媒、また、発明者の名前からカミンスキー触媒とも呼ばれている。本発明に用いられる触媒としてはこれをさらに改良したもの、例えば、適当に拘束された幾何形状を有する触媒(Constrained Geometry Catalysts)で、周期表第3〜10族またはランタノイド(ランタン系列)の金属原子と、拘束を誘起する原子団で置換された非局在化されたπ(パイ)結合を有する原子団とを含む金属配位錯体を含有するものが好ましい。好ましい触媒錯体は、次式:
【化1】
(式中、Mは周期表第3〜10族またはランタノイドの金属原子であり、
Cp*はMにη5 結合様式で結合しているシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であり、
Zはホウ素または周期表第14族の元素、そして場合に応じて硫黄原子または酸素原子を含有する原子団であり、該原子団は20個までの水素原子以外の原子を有するか、または
Cp*およびZは一緒になって縮合環系を形成し、
Xは互いに独立してアニオン性配位子または30個までの水素原子以外の原子を有する中性ルイス塩基配位子であり、
nは0、1、2、3または4であり、かつ、Mの原子価より2少ない数であり、そして
Yは、ZおよびMと結合するアニオン性または非アニオン性配位子で、窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子を含んでおり、そして20個までの水素原子以外の原子を有するか、または必要に応じてYとZは一緒になって縮合環系を形成する)で表されるものである。
【0013】
上記触媒錯体の具体的な化合物としては、(第三ブチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(第三ブチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)メチレンチタンジクロライド、(第三ブチルアミド)ジベンジル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(第三ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジメチル等が例示される。
【0014】
上記触媒は、さらに活性化共触媒を含有する。該共触媒としては、高重合度または低重合度のアルミノキサン、特にメチルアルミノキサンが適当でる。いわゆる変性メチルアルミノキサンもまた上記共触媒としての使用に適している。
【0015】
本発明におけるSSC−PEの重合は、好ましくは溶液重合法により行われ、通常の溶液重合法に対する条件がそのまま採用できる。すなわち、重合温度は0〜250℃であり、重合圧力は常圧から100MPaである。必要ならば、懸濁法、スラリー法、気相法またはそれ以外の方法に従って重合は行われ得る。担体を用いることができるが、好ましくは触媒は均一(例えば可溶性)状態で用いられる。もちろん、触媒成分およびその共触媒成分が重合プロセスに直接添加され、適当な溶剤または希釈剤(濃縮モノマーも含む)がその重合プロセスに用いられた場合に、活性触媒系が反応器中で形成されることは好ましいことである。しかしながら、活性触媒は、それを重合混合物に添加する前に、適当な溶剤中、別の工程で形成されてもよく、この方法もまた好ましい。なお、このSSC−PEの製法の詳細は、特開平6−306121号公報や特表平7−500622号公報等に記載されている。
【0016】
本発明における上記SSC−PEは、主鎖の炭素原子1000個あたり0.01〜3個の長鎖分岐を含有している。SSC−PEは、この長鎖分岐を含有しているが故に、分子量分布が小さいにもかかわらず、押出加工性および低温ヒートシール性が良好である。分子量分布が小さいということは、機械的特性が優れていることを意味する。従来の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの配合組成物では良好な機械的特性と、良好な加工性および低温ヒートシール性が両立できなかったが、本発明においてSSC−PEをさらに加えることにより、これらの両立が可能となったものである。
【0017】
本発明において使用される高圧法低密度ポリエチレン(以下、HP−LDPEとも記載する)は、反応温度150〜350℃、反応圧力100〜300MPaの条件下、有機過酸化物等のラジカル重合触媒を用いてエチレンを重合させたものである。
【0018】
このHP−LDPEは以下の物性:メルトフローレート1〜20g/10分および密度0.91〜0.93g/cm3 を有するものが好ましい。
ここで、メルトフローレートはJIS K7210に準拠して測定され、1g/10分未満であるとドローダウン性が劣るので好ましくなく、また20g/10分を越えるとネックインおよびヒートシール性が劣るので好ましくない。
また、密度はJIS K7112に準拠して測定され、0.91g/cm3 未満であると耐熱性が劣るので好ましくなく、0.93g/cm3 を越えるとヒートシール性が劣るので好ましくない。
【0019】
本発明において、エチレン系樹脂組成物を構成するLLDPE、SSC−PEおよびHP−LDPEの各々の配合量は、LLDPE100重量部に対して、SSC−PEは30〜70重量部であり、そしてHP−LDPEは50〜100重量部である。
SSC−PEの配合量が30重量部未満であると、低温ヒートシール性およびホットタック性が劣るので好ましくなく、70重量部を越えて配合すると、ネックインが劣るので好ましくない。
HP−LDPEの配合量が50重量部未満であると、押出コーティング加工が困難になるので好ましくなく、100重量部を越えて配合するとヒートシール性およびホットタック性が劣るので好ましくない。
【0020】
本発明に使用される基材フィルムは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種からなる単層または複層フィルムであり、食品包装用フィルムの場合、ガスバリヤー層を形成するものである。ポリアミド樹脂としては、ラクタムの開環重合によるもの、ジアミンとジカルボン酸との重縮合によるもの、アミノカルボン酸の重縮合によるもの、および各種ポリアミドの原料モノマーの共重合によるもの等があり、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン2,6、ナイロン4,6、ナイロン8,6、ナイロン10,6、ナイロン6/9、ナイロン6/12、ナイロン6/6,6、ナイロンMXD6等が例示される。
ポリエステル樹脂としては、カチレングリコール等のジオールとテレフタル酸等のジカルボン酸との重縮合によるものであり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/テレフタレート)等が例示される。
ポリ塩化ビニリデン樹脂としては、塩化ビニリデンを主成分とし、これと共重合するモノマー、例えば塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸アルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン等との共重合体が例示される。
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化物が例示され、エチレン単位を20〜60モル%含有しているものが好ましく、ビニルエステルのケン化度は90%以上のものが好ましい。
アルミニウムからなるフィルムとしては、アルミニウム箔の他に、上記のガスバリヤー性樹脂からなるフィルムに蒸着処理をしたアルミニウム蒸着フィルム等が例示される。
【0021】
また、本発明に使用する基材フィルムのうち、樹脂からなるものは、無延伸のもの、一軸延伸のもの、二軸延伸のもの等、いずれのものでも使用できる。さらに、必要に応じて基材フィルムは他の基材やフィルム等を積層して使用することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の押出コーティング用材料であるLLDPE、SSC−PEおよびHP−LDPEからなるエチレン系樹脂組成物は、各々個別に製造した樹脂を、慣用の混合機を用いてドライブレンドする方法、または、バンバリーミキサー、コンティニュアスミキサー、二軸混練機または押出機のような溶融混合混練機を用いて溶融混練した後、造粒する方法等により製造され得る。
【0023】
上記押出コーティング用エチレン系樹脂組成物の基材フィルムへの押出コーティングはそれ自体公知の方法、例えば上記エチレン系樹脂組成物を、Tダイを設けた押出機で、成形加工温度280〜340℃でTダイからフィルム状に溶融押出し、繰り出されてくる基材フィルムの上に流されて、加圧ロールと冷却ロールとの間で圧着、冷却され引き取ることにより行われる。この際、押出コーティング層と基材フィルムとの接着力を高めるために、基材フィルムにアンカーコート剤を塗布した後に押出コーティングを行ってもよい。アンカーコート剤としては、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系およびポリブタジエン系等のものが有用である。通常、押出コーティング層の厚さは5〜100μmである。
【0024】
本発明はまた、基材フィルムに押出コーティングするための、LLDPE100重量部、SSC−PE30〜70重量部およびHP−LDPE50〜100重量部からなるエチレン系樹脂組成物を提供する。
また、本発明における上記エチレン系樹脂組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で、その使用目的に応じて、各種添加剤や補助資材を配合することができる。それら各種添加剤や補助資材としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、中和剤、加工助剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤または顔料等を挙げることができる。また、上記エチレン系樹脂組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の高分子化合物を少量配合することもできる。
【0025】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
下記の実施例および比較例における物性は次の方法で測定した。
1)ドローダウン性
押出機90mmφ、Tダイ幅570mm、スクリュー回転数105rpmの条件で、押出コーティング膜が膜切れするか、サージングする最高引取り速度を測定し、ドローダウン性の尺度とする。
2)ネックイン
押出機90mmφ、Tダイ幅570mm、スクリュー回転数105rpmの条件で、引取り速度140m/分、エアーギャップ120mmの時の両耳ネックインを測定する。
3)ヒートシール強度
ヒートシーラーで、圧力1.0kg/cm2 、シール時間1.0秒、シール温度150℃の条件でヒートシールした試料を幅15mmの短冊状に切り取った試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室でコンディショニングした後、引張強度500mm/分で引張った際の強度を測定し、ヒートシール強度の尺度とする。
4)低温ヒートシール性
シール温度を変えてヒートシール強度を測定し、ヒートシール強度が2.0kg/15mmを示す温度を測定し、低温ヒートシール性の尺度とする。
5)ホットタック性
幅30mm、長さ650mmの試験片を二つ折りにして、一端をヒートシーラーの上部つかみ具に固定し、他端を下にして引剥がし荷重をかける。折り目に近い箇所を長さ300mmのヒートシールバー間に挿入して、圧力1.0kg/cm2 、シール時間1.0秒、引剥がし荷重90g/10mmの条件下、各シール温度(120℃,140℃,160℃,180℃)でヒートシールした際の剥離長さを測定し、ホットタック性の尺度とする。
【0027】
また、下記の実施例および比較例では次の樹脂を使用した。
LLDPE:ユニポール法によりチーグラー系触媒を用いて製造したエチレン−ブテン−1共重合体。メルトフローレート8.5g/10分、密度0.922g/cm3 〔NUCポリエチレン−LL(商品名),日本ユニカー社製〕
SSC−PE:シングルサイト触媒を用いて製造したエチレン−オクテン−1共重合体。メルトフローレート7.0g/10分、密度0.900g/cm3 ,Mw/Mn=2.4〔アフィニティー(商品名),ザ・ダウケミカル社製〕
HP−LDPE:メルトフローレート6.0g/10分、密度0.918g/cm3 〔NUCポリエチレン(商品名),日本ユニカー社製〕
【0028】
実施例1
LLDPE100重量部、SSC−PE50重量部およびHP−LDPE70重量部からなるエチレン系樹脂組成物をバンバリーミキサーにて180℃で10分間混練した後、造粒してペレットを得た。得られたペレットを90mmφの押出ラミネーターを用い、Tダイ幅570mm、ダイスリット0.8mm、スクリュー回転数68rpm、引取り速度80m/分、成形温度310℃の条件で、イソシアネート系のアンカーコート剤を塗布した延伸ナイロン6フィルム(厚さ20μm)に押出コーティングして積層フィルムとし、この積層フィルムの各物性を測定した。測定結果を表1に示す。なお、押出コーティング層の厚さは30μmであった。
【0029】
実施例2〜5および比較例1〜4
実施例1におけるエチレン系樹脂組成物を表1に記載の組成に代えた以外は実施例1と同様の方法を行い、評価結果を同じく表1に記載した。
【0030】
これらの評価結果から、本発明に係る実施例は全て、測定した諸物性が良好であることがわかる。これに対し、比較例1はSSC−PEを配合していない樹脂組成物を用いたものであり、低温ヒートシール性およびホットタック性が不十分であった。比較例2はSSC−PEを配合しているものの、その量が本発明の範囲を越えており、ネックインが不十分であった。比較例3はHP−LDPEの配合量が本発明の範囲未満であり、ドローダウン性およびネックインが不十分であった。比較例4は逆に、HP−LDPEの配合量が本発明の範囲を越えており、ヒートシール強度およびホットタック性が不十分であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは、ガスバリヤー性材料層にエチレン系樹脂を押出コーティングしてなり、エチレン系樹脂として、LLDPEとHP−LDPEに加え、さらにSSC−PEを配合したことにより、従来の優れた特性である押出加工性、ドローダウン性、ネックイン、耐熱性、ホットタック性およびヒートシール強度を維持し、しかも、従来の問題点であった低温ヒートシール性を大幅に改善したものである。このため、本発明の積層フィルムは低温で確実にヒートシールが可能であり、食品包装用フィルム等として好適に使用される。
Claims (2)
- チーグラー系触媒またはフィリップス系触媒を使用して製造された直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部、シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体30〜70重量部、高圧法低密度ポリエチレン50〜100重量部からなるエチレン系樹脂組成物を、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種からなる単層または複層の基材フィルム上に押出コーティングしてなる積層フィルム。
- 食品包装用フィルムとして使用される請求項1記載の積層フィルム。
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