JP3614614B2 - テレビジョン信号受信チュ−ナ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン信号受信チュ−ナに関し、詳しくは、車載用として使用され、FM放送信号も受信できるようにしたテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビジョン信号受信チュ−ナを図5および図6に従って説明する。図5は従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部を示し、図6は図5に示す入力回路部の一部の選択度特性を示す。先ず、図5において、入力端子51とVHF高周波増幅回路52との間には、誘導M型ハイパスフィルタ53、定K型ハイパスフィルタ54、FMトラップ回路55、VHF入力同調回路56が順次直列に接続されて入力回路部が構成されている。
【0003】
誘導M型ハイパスフィルタ53は、互いに並列接続された第一のインダクタ57および第一のコンデンサ58と、シャントインダクタ59とから構成され、第一のインダクタ57、第一のコンデンサ58の一端が入力端子51に接続され、それらの他端がシャントインダクタ59で接地されている。そして、この誘導M型ハイパスフィルタ53のカットオフ周波数はほぼ90MHzに、また、第一のインダクタ57と第一のコンデンサ58とによる並列共振周波数である減衰極周波数はほぼ60MHzに設定されている。
また、定K型ハイパスフィルタ54は、シャントインダクタ59と直列コンデンサ60とから構成され、そのカットオフ周波数もほぼ90MHzに設定されている。
【0004】
FMトラップ回路55は、互いに並列接続された第二のインダクタ61と第二のコンデンサ62とで構成され、第二のインダクタ61と第二のコンデンサ62とによる並列共振周波数であるトラップ周波数はほぼ73MHzに設定されている。
そして、誘導M型ハイパスフィルタ53、定K型ハイパスフィルタ54、FMトラップ回路55とによって、図6に示すように、ほぼ90MHz以上の周波数帯を通過するとともに90MHz以下の周波数で急峻に減衰させ、特にFM放送信号の周波数帯(76MHz〜90MHz)における減衰量とテレビジョンの中間周波数帯(55MHz付近)における減衰量とが大きくなるような選択度特性を得ている。
【0005】
また、VHF入力同調回路56は、四個の同調インダクタ63、64、65、66とバラクタダイオ−ド67とで構成され、バラクタダイオ−ド67の容量値を変えることによってその同調周波数が変えられるようになっている。このVHF入力同調回路56においては、同調インダクタ63、64、65、バラクタダイオ−ド67がπ型に接続されており、同調インダクタ63の一端が直流阻止コンデンサ68で接地され、また、バラクタダイオ−ド67の一端(アノ−ド)が接地されている。そして同調インダクタ63と同調インダクタ64との接続点が、結合インダクタ69を介してFMトラップ回路55に接続され、同調インダクタ65とバラクタダイオ−ド67の他端(カソ−ド)が結合コンデンサ70を介してVHF高周波増幅回路52に接続されている。また、同調インダクタ63には、各両端にそれぞれ接続されたスイッチダイオ−ド71、72を介して同等インダクタ66が並列接続されるようになっている。
【0006】
さらに、スイッチダイオ−ド71、72のそれぞれのアノ−ドが抵抗73を介してハイバンド切り替え端子74に接続されるとともに、それぞれのカソ−ドが抵抗75を介してロ−バンド切り替え端子76に接続され、また、バラクタダイオ−ド67の他端(カソ−ド)が、同調インダクタ65、抵抗77を介して同調電圧端子78に接続されている。
【0007】
そして、ハイバンドのテレビジョン信号を受信するときは、ハイバンド切り替え端子74にハイバンド切り替え電圧を印加(この時はロ−バンド切り替え端子76にはロ−バンド切り替え電圧を印加せず)してスイッチダイオ−ド71、72を導通して同調インダクタ63と同調インダクタ66とを高周波的に並列に接続し、VHF入力同調回路56の同調周波数を高くする。また、ロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、ロ−バンド切り替え端子76にロ−バンド切り替え電圧を印加(この時はハイバンド切り換え端子74にはハイバンド切り替え電圧を印加せず)してスイッチダイオ−ド71、72を非導通として同調インダクタ63から同調インダクタ66を高周波的に切り離して、VHF入力同調回路56の同調周波数を低くする。そして、同調電圧端子78からの同調電圧によってバラクタダイオ−ド67の容量値が変えられ、90MH以上の周波数に割り当てられたロ−バンドおよびハイバンドの各チャンネルのテレビジョン信号周波数に同調可能なようになっている。
【0008】
また、図示はしないが、VHF高周波増幅器52の後段には混合回路、局部発振回路、等が接続されている。そして、VHF高周波増幅回路52から出力されるテレビジョン信号が混合回路で中間周波数に周波数変換される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のテレビジョン信号受信チュ−ナは、車載用として用いられる場合は、例えばカ−ナビゲ−ションシステムに組み込まれるが、FM放送を受信することができなかった。従って、FM放送を受信するには別途FM受信機またはFMチュ−ナ等を組み込まなければならず、そのために、カ−ナビゲ−ションシステムが複雑になり小型化と低価格化が図れなかった。
そこで、本発明の目的は、テレビジョン受信チュ−ナの受信帯域をFM放送帯域まで拡大し、さらに、テレビジョン信号あるいはFM放送信号が他の妨害信号の影響を受けること無く受信できるようにし、これによってカ−ナビゲ−ションシステムの小型化と低価格化を図るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、テレビジョン信号及びFM放送信号が入力される入力端子と前記テレビジョン信号及びFM放送信号に同調する入力同調回路との間にトラップ周波数切換型の第一のトラップ手段と第二のトラップ手段とを直列に接続し、前記テレビジョン信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第一のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第三のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFM放送帯とを減衰し、前記FM放送信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第二のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第四のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とを減衰した。
【0012】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段は少なくとも第一のインダクタと、前記第一のインダクタとともに並列共振回路を構成する第一の容量手段と、第一のスイッチダイオ−ドとを有し、前記第一のスイッチダイオ−ドは、前記テレビジョン信号を受信するときには非導通状態に切り換えられ、前記FM放送信号を受信するときには導通状態に切り換えられるようにし、前記第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第一のスイッチダイオ−ドによって前記第一の容量手段の容量値を小さな第一の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第一のトラップ周波数に切り換え、前記第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは、前記第一のスイッチダイオ−ドによって前記第一の容量手段の容量値を前記第一の容量値よりも大きな第二の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第二のトラップ周波数に切り換えるようにし、一方、前記第二のトラップ手段は第二のインダクタと、前記第二のインダクタとともに並列共振回路を構成する第二の容量手段と、第二のスイッチダイオ−ドとを有し、前記第二のスイッチダイオ−ドは、前記テレビジョン信号を受信するときは非導通状態に切り換えられ、前記FM放送信号を受信するときは導通状態に切り換えられるようにし、前記第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドによって前記第二の容量手段の容量値を小さな第三の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第三のトラップ周波数に切り換え、前記第二のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドによって前記第二の容量手段の容量値を前記第三の容量値よりも大きな第四の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第四のトラップ周波数に切り換えるようにした。
【0013】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段の前記第一の容量手段は第一のコンデンサと第二のコンデンサとを有し、前記第一のコンデンサを前記第一のインダクタに並列接続し、前記第二のコンデンサと前記第一のスイッチダイオ−ドとを、直列接続するとともに前記第一のインダクタに並列接続し、一方、前記第二のトラップ手段の前記第二の容量手段は第三のコンデンサと第四のコンデンサとを有し、前記第三のコンデンサと前記第四のコンデンサとを直列接続するとともに前記第二のインダクタに並列接続し、前記第二のスイッチダイオ−ドを前記第四のコンデンサに並列接続した。
【0014】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段はさらにシャントインダクタを有し、前記シャントインダクタを前記第一のインダクタの一端とグラントとの間に接続し、前記第一のトラップ手段と前記シャントインダクタとによって誘導M型ハイパスフィルタを構成した。
【0015】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記誘導M型ハイパスフィルタは、第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第一の誘導M型ハイパスフィルタを構成し、前記第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記第二のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第二の誘導M型ハイパスフィルタを構成するようにした。
【0016】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記減衰手段はさらに定k型ハイパスフィルタを有し、前記第一のトラップ手段と前記第二のトラップ手段との間に前記定K型のハイパスフィルタを設けた。
【0017】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段の前記第一のトラップ周波数を60MHz〜75MHzに設定し、前記第一のトラップ手段の前記第二のトラップ周波数を40MHz〜50MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第三のトラップ周波数を70MHz〜75MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第四のトラップ周波数を15MHzから35MHzに設定した。
【0018】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドに逆バイアス電圧を印加した。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナを図1乃至図4に従って説明する。図1は本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部を示し、図2は図1に示す入力回路部の一部におけるテレビジョン信号の受信時での選択度特性を示し、図3は、図1に示す入力回路部の一部におけるFM放送の受信時での選択度特性を示す。先ず、図1において、入力端子1とVHF高周波増幅回路2との間には、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5、VHF入力同調回路6が順次直列に接続されてテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部が構成されている。ここで、誘導M型ハイパスフィルタ3と定K型ハイパスフィルタ4とFMトラップ回路5とで、所定の周波数帯を減衰する減衰手段7を構成している。
【0020】
誘導M型ハイパスフィルタ3は、第一のインダクタ8と、この第一のインダクタ8とともに並列共振回路9を構成する第一のコンデンサ10と第二のコンデンサ11とを含む第一の容量手段12と、第一のスイッチダイオ−ド13と、シャントインダクタ14とから構成されている。そして、第一のコンデンサ10は第一のインダクタ8に並列接続されており、また、第二のコンデンサ11は第一のスイッチダイオ−ド13に直列接続されるとともに、この第二のコンデンサ11と第一のスイッチダイオ−ド13とが第一のインダクタ8に並列接続されている。上記の構成のなかで、並列共振回路9と第一のスイッチダイオ−ド13とによって第一のトラップ手段15が構成される。
【0021】
そして、第一のスイッチダイオ−ド13の一端(カソ−ド)が、互いに並列接続された第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とのそれぞれの一端側に接続され、この接続点とグラントとの間にシャントインダクタ14が接続されている。また、並列接続された第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とのそれぞれの他端側が入力端子1に接続されている。さらに、第二のコンデンサ11と第一のスイッチダイオ−ド13との接続点が抵抗16を介してFM切り替え端子17に接続されている。そして、この誘導M型ハイパスフィルタ3においては、第二のコンデンサ11の容量値(およそ200pF)は第一のコンデンサ10の容量値(およそ90pF)のほぼ2倍以上に設定されている。
【0022】
そして、この誘導M型ハイパスフィルタ3は、第一のスイッチダイオ−ド13が非導通のときは、第二のコンデンサ11が第一のコンデンサ10から高周波的に切り離されて、第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とによる並列共振周波数である第一のトラップ周波数がほぼ60MHzになるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ90MHzになる第一の誘導M型ハイパスフィルタとなり、また、第一のスイッチダイオ−ド13が導通したときは、第一のコンデンサ10に第二のコンデンサ11が高周波的に並列接続されて第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10および第二のコンデンサ11とによる並列共振周波数である第二のトラップ周波数がほぼ40MHzまで低くなるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ70MHzまで低くなる第二の誘導M型ハイパスフィルタとなる。
【0023】
また、定K型ハイパスフィルタ4は、シャントインダクタ14と直列コンデンサ18とから構成され、そのカットオフ周波数はほぼ70MHzに設定されている。このことから、シャントインダクタ14は誘導M型ハイパスフィルタ3と定K型ハイパスフィルタ4とに共用されていることになる。
【0024】
さらに、FMトラップ回路5は、第二のインダクタ19と、この第二のインダクタ19とともに並列共振回路20を構成する第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22とを含む第二の容量手段23と、第二のスイッチダイオ−ド24から構成されている。そして、第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22とが直列接続されるとともに第二のインダクタ19に並列接続され、第二のスイッチダイオ−ド24が第四のコンデンサ22に並列接続されている。第二のインダクタ15と第三のコンデンサ21の各一端は定K型ハイパスフィルタ4を構成する直列コンデンサ18に接続されている。また、第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22と第二のスイッチダイオ−ド24のアノ−ドとの接続点は抵抗25を介してFM切り替え端子17に接続されている。そして、このFMトラップ回路5は第二のトラップ手段となる。
【0025】
ここで、第三のコンデンサ21の容量値(およそ1000pF)は、第四のコンデンサ22の容量値(およそ80pF)に対して充分大きく設定されている。そして、第二のスイッチダイオ−ド24が非導通のときは、第二のインダクタ19と第四のコンデンサ22とにる並列共振周波数である第三のトラップ周波数がほぼ73MHzになり(第三のコンデンサ21の容量値は充分大きいので無視する)、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通したときは、第二のインダクタ19と第三のコンデンサ21とによる並列共振周波数である第四のトラップ周波数がほぼ20MHになるように設定されている。
【0026】
また、VHF入力同調回路6は、四個の同調インダクタ26、27、28、29とバラクタダイオ−ド30とで構成され、バラクタダイオ−ド30の容量値を変えることによってその同調周波数が変えられるようになっている。このVHF入力同調回路6においては、同調インダクタ26、27、28、バラクタダイオ−ド30がπ型に接続されており、同調インダクタ26の一端が直流阻止コンデンサ31で接地され、また、バラクタダイオ−ド30の一端(アノ−ド)がグランドに接地されている。そして同調インダクタ26と同調インダクタ27との接続点が、結合インダクタ32を介してFMトラップ回路5を構成している第二のインダクタ19の他端と第四のコンデンサ22の一端と第二のスイッチダイオ−ド24の一端(カソ−ド)との接続点に接続されている。
【0027】
また、同調インダクタ28とバラクタダイオ−ド30の他端(カソ−ド)との接続点が結合コンデンサ33を介してVHF高周波増幅回路2に接続されている。さらに、同調インダクタ26には、各両端にそれぞれ接続された第三のスイッチダイオ−ド34、第四のスイッチダイオ−ド35を介して同調インダクタ29が並列接続されるようになっている。
これによって、FMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24のカソ−ドと、VHF入力同調回路6に設けられた第三のスイッチダイオ−ド34のカソ−ドおよび第四のスイッチダイオ−ド35のカソ−ドとが結合インダクタ32を介して接続されることになる。
【0028】
さらに、第三のスイッチダイオ−ド34のアノ−ドと第四のスイッチダイオ−ド35のアノ−ドが抵抗36を介してハイバンド切り替え端子37に接続されるとともに、それぞれのカソ−ドが抵抗38を介してロ−バンド切り替え端子39に接続され、また、バラクタダイオ−ド30の他端(カソ−ド)が、同調インダクタ28、抵抗40を介して同調電圧端子41に接続されている。
なお、同調インダクタ26と直流阻止コンデンサ31との接続点は抵抗42を介して接地されている。
【0029】
また、図示はしないが、VHF高周波増幅器2の後段には第一の混合回路、第一の局部発振回路等が接続されている。そして、VHF高周波増幅回路2から出力されるテレビジョン信号が第一の混合回路で50MHz帯の中間周波数に周波数変換されてテレビジョンの映像信号が得られる。なお、第一の混合回路の後段に図示しない第二の混合回路等を設けて、この中間周波数を、さらに一般のFM受信機で使用している10.7MHzのFMの中間周波数に変換すれば、FM受信機で使用されているFM検波が可能となり、周知の技術で簡単にFM放送を聞くことができる。
【0030】
そして、このテレビジョン信号受信チュ−ナでは、ハイバンドまたはロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、FM切り換え端子17にはFM切り換え電圧を印加せず、ハイバンド切り替え端子37またはロ−バンド切り替え端子39にハイバンド切り換え電圧またはロ−バンド切り換え電圧が印加される。これによって誘導M型ロ−パスフィルタ3に設けられた第一のスイッチダイオ−ド13とFMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24とがともに非道通状態となる。
【0031】
この結果、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5とによって、図2に示すように、ほぼ90MHz以上の周波数帯を通過するとともに90MHz以下の周波数で急峻に減衰させ、特にFMトラップ回路5の第三のトラップ周波数(ほぼ73MHz)と誘導M型ハイパスフィルタ3にける第一のトラップ手段15の第一のトラップ周波数(ほぼ60MHz)とによって、FM放送信号の周波数帯(76MHz〜90MHz)における減衰量とテレビジョンの中間周波数帯(55MHz付近)における減衰量とが大きくなるような選択度特性を得ている。 なお、この時、FMトラップ回路5に設けた第二のスイッチダイオ−ド24のカソ−ドには、第三のスイッチダイオ−ド34または第四のスイッチダイオ−ド35と結合インダクタ32とを介して、ハイバンドまたはロ−バンドの切り換え電圧が印加されて逆バイアス状態になるのでFMトラップ回路5の第三のトラップ周波数は安定したものとなる。
【0032】
そして、テレビジョン信号のうち、ハイバンドのテレビジョン信号を受信するときは、ハイバンド切り替え端子37にハイバンド切り替え電圧を印加(この時はロ−バンド切り替え端子39にはロ−バンド切り替え電圧を印加せず)して第三のスイッチダイオ−ド34と第四のスイッチダイオ−ド35とをともに導通状態として同調インダクタ26と同調インダクタ29とを高周波的に並列に接続し、VHF入力同調回路6の同調周波数を高くする。
【0033】
また、ロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、ロ−バンド切り替え端子39にロ−バンド切り替え電圧を印加(この時はハイバンド切り替え端子37にはハイバンド切り替え電圧を印加せず)して第三のスイッチダイオ−ド34と第四のスイッチダイオ−ド35とをともに非導通状態として同調インダクタ26から同調インダクタ29を高周波的に切り離して、VHF入力同調回路6の同調周波数を低くする。
【0034】
そして、ハイバンドのテレビジョン信号、あるいはロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときに、同調電圧端子41からの同調電圧によってバラクタダイオ−ド30の容量値が変えられ、90MH以上の周波数に割り当てられたロ−バンドあるいはハイバンドの各チャンネルのテレビジョン信号周波数に同調可能なようになっている。
【0035】
一方、FM放送を受信するときは、ハイバンド切り換え端子37にはハイバンド切り換え電圧を印加せず、ロ−バンド切り換え端子39とFM切り換え端子17とにそれぞれロ−バンド切り換え電圧とFM切り替え電圧を印加する。これによって誘導M型ハイパスフィルタ3に設けられた第一のスイッチダイオ−ド13はシャントインダクタ14を介して電流が流れて導通し、また、FMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24は結合インダクタ32、VHF入力同調回路6に設けられた同調インダクタ26、抵抗42を介して電流が流れて導通する。この結果、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5とによる総合的な選択度特性は、図3に示すように、第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10および第二のコンデンサ11とによる第二のトラップ周波数がほぼ40MHzまで低くなるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ70MHzまで低くなり、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通することで第二のインダクタ19と第三のコンデンサ21とによる第四のトラップ周波数がほぼ20MHになる。
【0036】
そして、第二のトラップ周波数と第四のトラップ周波数とによってテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とが大きく減衰するのでこれらの周波数帯の妨害信号があってもFM放送信号の受信に妨害を受けることがない。
【0037】
そして、この場合、FM切り換え端子17に印加されたFM切り換え電圧およびロ−バンド切り換え端子39に印加されたロ−バンド切り換え電圧によって、VHF入力同調回路6に設けられた第三のスイッチダイオ−ド34および第四のスイッチダイオ−ド35が逆バイアスされて非導通状態となるので、VHF入力同調回路6はロ−バンドのテレビジョン信号を受信する場合と同じ構成になる。そこで、同等電圧端子41に印加する同調電圧をテレビジョン信号を受信するときに印加する同調電圧よりも低くして印加することによってFMの放送周波帯まで受信が可能となる。
【0038】
なお、第一のトラップ手段15と第二のトラップ手段であるFMトラップ回路5としては、図4に示すような構成を用いることも可能である。即ち、第一のトラップ手段15は、第一のインダクタ8と、互いに直列接続された第五のコンデンサ45および第六のコンデンサ46を含む第一の容量手段47と、第六のコンデンサ46に並列接続された第二のスイッチダイオ−ド13とで構成してもよい。 この場合は、第一のスイッチダイオ−ド13が非導通状態のときは第五のコンデンサ45と第六のコンデンサ46とが直列となって第一のインダクタ8に並列接続されるので並列共振周波数である第一のトラップ周波数が高くなり、また、第一のスイッチダイオ−ド13が導通状態のときは第一のインダクタ8と第五のコンデンサ45による並列共振周波数である第二のトラップ周波数は低くなる。 なお、第五のコンデンサ45と第六のコンデンサ46の容量値は第一のトラップ周波数及び第二のトラップ周波数に対して再設定する必要がある。
【0039】
また、第二のトラップ手段であるFMトラップ回路5も、第二のインダクタ19と、この第二のインダクタ19に並列接続された第七のコンデンサ48と、互いに直列接続されるとともに第二のインダクタ19に並列接続された第八のコンデンサ49と第二のスイッチダイオ−ド24で構成し、第七のコンデンサ48と第八のコンデンサ49とで第二の容量手段50としてもよい。
この場合は、第二のスイッチダイオ−ド24が非導通状態のときは第二のインダクタ19と第七のコンデンサ48とによる並列共振周波数である第三のトラップ周波数が高くなり、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通状態のときは第八のコンデンサ49が加わるのでの並列共振周波数である第四のトラップ周波数を低くできる。この場合も、第三のトラップ周波数と第四のトラップ周波数に対して第七のコンデンサ48と第八のコンデンサ49の容量値を再設定する必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、テレビジョン信号及びFM放送信号が入力される入力端子とテレビジョン信号及びFM放送信号に同調する入力同調回路との間にトラップ周波数切換型の第一のトラップ手段と第二のトラップ手段とを直列に接続し、テレビジョン信号を受信するときには、第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第一のトラップ周波数に切り換えるとともに、第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第三のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFM放送帯とを減衰し、FM放送信号を受信するときには、第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第二のトラップ周波数に切り換えるとともに、第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第四のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とを減衰したので、同じトラップ手段を使用してテレビジョン信号の受信時とFM放送信号の受信時のいずれでも妨害信号を効果的に減衰でき、受信妨害を受けること無く受信できる。また、車載用としてカ−ナビゲ−ションシステムに組み込む場合に小型化と低価格化を図れる。
【0042】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段は少なくとも第一のインダクタと、第一のインダクタとともに並列共振回路を構成する第一の容量手段と、第一のスイッチダイオ−ドとを有し、第一のスイッチダイオ−ドによって第一の容量手段の容量値を切り換えるようにし、一方、第二のトラップ手段は第二のインダクタと、第二のインダクタとともに並列共振回路を構成する第二の容量手段と、第二のスイッチダイオ−ドとを有し、第二のスイッチダイオ−ドによって第二の容量手段の容量値を切り換えるようにしたので第一のトラップ手段の二つのトラップ周波数と第二のトラップ手段の二つのトラップ周波数とを同時に簡単に切り換えることができる。
【0043】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一の容量手段は第一のコンデンサと第二のコンデンサとを有し、第二のコンデンサを第一のスイッチダイオ−ドによって第一のコンデンサに並列に接続するか接続しないでトラップ周波数を切り換えるようにし、また、第二の容量手段は第三のコンデンサと第四のコンデンサとを有し、第二のスイッチダイオ−ドによって第四のコンデンサを第三のコンデンサに直列に接続するか接続しないかでトラップ周波数を切り換えるようにしたので第一のトラップ手段と第二のトラップ手段の回路を簡単に構成できる。
【0044】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段はさらにシャントインダクタを有し、このシャントインダクタを第一のインダクタの一端とグラントとの間に接続し、第一のトラップ手段とシャントインダクタとによって誘導M型ハイパスフィルタを構成したので、トラップ周波数を減衰するのみならずカットオフ周波数に近傍までも大きな減衰を得ることができる。
【0045】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、誘導M型ハイパスフィルタは、第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは第一の誘導M型ハイパスフィルタを構成し、第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは第二の誘導M型ハイパスフィルタを構成するようにしたので、トラップ周波数の切り換えに対応してカットオフ周波数の切り換えを連動させることができ、減衰すべき周波数帯を効果的に減衰できる。
【0046】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、減衰手段はさらに定k型ハイパスフィルタを有し、第一のトラップ手段と第二のトラップ手段との間にこの定K型のハイパスフィルタを設けたので、減衰量を一層大きくすることができる
。
【0047】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段の第一のトラップ周波数を60MHz〜75MHzに設定し、第二のトラップ周波数を40MHz〜50MHzに設定し、また、第二のトラップ手段の第三のトラップ周波数を70MHz〜75MHzに設定し、第四のトラップ周波数を15MHzから35MHzに設定したので、日本仕様に基づくテレビジョン信号とFM放送信号との受信に対して妨害となる信号を効果的に減衰できる。
【0048】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、第二のスイッチダイオ−ドに逆バイアス電圧を印加したので、第二のスイッチダイオ−ドの両端子間の残留容量値が固定され、第二のトラップ手段の第一のトラップ周波数のバラツキ少なくなるのでテレビジョン信号の受信時にFM放送信号から大きな妨害を受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部の構成を示す回路図である。
【図2】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるテレビジョン信号の受信時の選択度特性図である。
【図3】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるFM放送信号の受信時の選択度特性図である。
【図4】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部における減衰手段の他の回路図である。
【図5】従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部の構成を示す回路図である。
【図6】従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるテレビジョン信号の受信時の選択度特性図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 VHF高周波増幅回路
3 誘導M型ハイパスフィルタ
4 定K型ハイパスフィルタ
5 FMトラップ回路(第二のトラップ手段)
6 VHF入力同調回路
7 減衰手段
8 第一のインダクタ
9、20 並列共振回路
10 第一のコンデンサ
11 第二のコンデンサ
12、47 第一の容量手段
13 第一のスイッチダイオ−ド
14 シャントインダクタ
15 第一のトラップ手段
16、25、36、38、40、42 抵抗
17 FM切り換え端子
18 直列コンデンサ
19 第二のインダクタ
21 第三のコンデンサ
22 第四のコンデンサ
23、50 第二の容量手段
24 第二のスイッチダイオ−ド
26、27、28、29 同調インダクタ
30 バラクタダイオ−ド
31 直流阻止コンデンサ
32 結合インダクタ
33 結合容量
34 第三のスイッチダイオ−ド
35 第四のスイッチダイオ−ド
37 ハイバンド切り換え端子
39 ロ−バンド切り換え端子
41 同調電圧端子
45 第五のコンデンサ
46 第六のコンデンサ
48 第七のコンデンサ
49 第八のコンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン信号受信チュ−ナに関し、詳しくは、車載用として使用され、FM放送信号も受信できるようにしたテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビジョン信号受信チュ−ナを図5および図6に従って説明する。図5は従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部を示し、図6は図5に示す入力回路部の一部の選択度特性を示す。先ず、図5において、入力端子51とVHF高周波増幅回路52との間には、誘導M型ハイパスフィルタ53、定K型ハイパスフィルタ54、FMトラップ回路55、VHF入力同調回路56が順次直列に接続されて入力回路部が構成されている。
【0003】
誘導M型ハイパスフィルタ53は、互いに並列接続された第一のインダクタ57および第一のコンデンサ58と、シャントインダクタ59とから構成され、第一のインダクタ57、第一のコンデンサ58の一端が入力端子51に接続され、それらの他端がシャントインダクタ59で接地されている。そして、この誘導M型ハイパスフィルタ53のカットオフ周波数はほぼ90MHzに、また、第一のインダクタ57と第一のコンデンサ58とによる並列共振周波数である減衰極周波数はほぼ60MHzに設定されている。
また、定K型ハイパスフィルタ54は、シャントインダクタ59と直列コンデンサ60とから構成され、そのカットオフ周波数もほぼ90MHzに設定されている。
【0004】
FMトラップ回路55は、互いに並列接続された第二のインダクタ61と第二のコンデンサ62とで構成され、第二のインダクタ61と第二のコンデンサ62とによる並列共振周波数であるトラップ周波数はほぼ73MHzに設定されている。
そして、誘導M型ハイパスフィルタ53、定K型ハイパスフィルタ54、FMトラップ回路55とによって、図6に示すように、ほぼ90MHz以上の周波数帯を通過するとともに90MHz以下の周波数で急峻に減衰させ、特にFM放送信号の周波数帯(76MHz〜90MHz)における減衰量とテレビジョンの中間周波数帯(55MHz付近)における減衰量とが大きくなるような選択度特性を得ている。
【0005】
また、VHF入力同調回路56は、四個の同調インダクタ63、64、65、66とバラクタダイオ−ド67とで構成され、バラクタダイオ−ド67の容量値を変えることによってその同調周波数が変えられるようになっている。このVHF入力同調回路56においては、同調インダクタ63、64、65、バラクタダイオ−ド67がπ型に接続されており、同調インダクタ63の一端が直流阻止コンデンサ68で接地され、また、バラクタダイオ−ド67の一端(アノ−ド)が接地されている。そして同調インダクタ63と同調インダクタ64との接続点が、結合インダクタ69を介してFMトラップ回路55に接続され、同調インダクタ65とバラクタダイオ−ド67の他端(カソ−ド)が結合コンデンサ70を介してVHF高周波増幅回路52に接続されている。また、同調インダクタ63には、各両端にそれぞれ接続されたスイッチダイオ−ド71、72を介して同等インダクタ66が並列接続されるようになっている。
【0006】
さらに、スイッチダイオ−ド71、72のそれぞれのアノ−ドが抵抗73を介してハイバンド切り替え端子74に接続されるとともに、それぞれのカソ−ドが抵抗75を介してロ−バンド切り替え端子76に接続され、また、バラクタダイオ−ド67の他端(カソ−ド)が、同調インダクタ65、抵抗77を介して同調電圧端子78に接続されている。
【0007】
そして、ハイバンドのテレビジョン信号を受信するときは、ハイバンド切り替え端子74にハイバンド切り替え電圧を印加(この時はロ−バンド切り替え端子76にはロ−バンド切り替え電圧を印加せず)してスイッチダイオ−ド71、72を導通して同調インダクタ63と同調インダクタ66とを高周波的に並列に接続し、VHF入力同調回路56の同調周波数を高くする。また、ロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、ロ−バンド切り替え端子76にロ−バンド切り替え電圧を印加(この時はハイバンド切り換え端子74にはハイバンド切り替え電圧を印加せず)してスイッチダイオ−ド71、72を非導通として同調インダクタ63から同調インダクタ66を高周波的に切り離して、VHF入力同調回路56の同調周波数を低くする。そして、同調電圧端子78からの同調電圧によってバラクタダイオ−ド67の容量値が変えられ、90MH以上の周波数に割り当てられたロ−バンドおよびハイバンドの各チャンネルのテレビジョン信号周波数に同調可能なようになっている。
【0008】
また、図示はしないが、VHF高周波増幅器52の後段には混合回路、局部発振回路、等が接続されている。そして、VHF高周波増幅回路52から出力されるテレビジョン信号が混合回路で中間周波数に周波数変換される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のテレビジョン信号受信チュ−ナは、車載用として用いられる場合は、例えばカ−ナビゲ−ションシステムに組み込まれるが、FM放送を受信することができなかった。従って、FM放送を受信するには別途FM受信機またはFMチュ−ナ等を組み込まなければならず、そのために、カ−ナビゲ−ションシステムが複雑になり小型化と低価格化が図れなかった。
そこで、本発明の目的は、テレビジョン受信チュ−ナの受信帯域をFM放送帯域まで拡大し、さらに、テレビジョン信号あるいはFM放送信号が他の妨害信号の影響を受けること無く受信できるようにし、これによってカ−ナビゲ−ションシステムの小型化と低価格化を図るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、テレビジョン信号及びFM放送信号が入力される入力端子と前記テレビジョン信号及びFM放送信号に同調する入力同調回路との間にトラップ周波数切換型の第一のトラップ手段と第二のトラップ手段とを直列に接続し、前記テレビジョン信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第一のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第三のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFM放送帯とを減衰し、前記FM放送信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第二のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第四のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とを減衰した。
【0012】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段は少なくとも第一のインダクタと、前記第一のインダクタとともに並列共振回路を構成する第一の容量手段と、第一のスイッチダイオ−ドとを有し、前記第一のスイッチダイオ−ドは、前記テレビジョン信号を受信するときには非導通状態に切り換えられ、前記FM放送信号を受信するときには導通状態に切り換えられるようにし、前記第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第一のスイッチダイオ−ドによって前記第一の容量手段の容量値を小さな第一の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第一のトラップ周波数に切り換え、前記第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは、前記第一のスイッチダイオ−ドによって前記第一の容量手段の容量値を前記第一の容量値よりも大きな第二の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第二のトラップ周波数に切り換えるようにし、一方、前記第二のトラップ手段は第二のインダクタと、前記第二のインダクタとともに並列共振回路を構成する第二の容量手段と、第二のスイッチダイオ−ドとを有し、前記第二のスイッチダイオ−ドは、前記テレビジョン信号を受信するときは非導通状態に切り換えられ、前記FM放送信号を受信するときは導通状態に切り換えられるようにし、前記第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドによって前記第二の容量手段の容量値を小さな第三の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第三のトラップ周波数に切り換え、前記第二のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドによって前記第二の容量手段の容量値を前記第三の容量値よりも大きな第四の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第四のトラップ周波数に切り換えるようにした。
【0013】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段の前記第一の容量手段は第一のコンデンサと第二のコンデンサとを有し、前記第一のコンデンサを前記第一のインダクタに並列接続し、前記第二のコンデンサと前記第一のスイッチダイオ−ドとを、直列接続するとともに前記第一のインダクタに並列接続し、一方、前記第二のトラップ手段の前記第二の容量手段は第三のコンデンサと第四のコンデンサとを有し、前記第三のコンデンサと前記第四のコンデンサとを直列接続するとともに前記第二のインダクタに並列接続し、前記第二のスイッチダイオ−ドを前記第四のコンデンサに並列接続した。
【0014】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段はさらにシャントインダクタを有し、前記シャントインダクタを前記第一のインダクタの一端とグラントとの間に接続し、前記第一のトラップ手段と前記シャントインダクタとによって誘導M型ハイパスフィルタを構成した。
【0015】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記誘導M型ハイパスフィルタは、第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第一の誘導M型ハイパスフィルタを構成し、前記第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記第二のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第二の誘導M型ハイパスフィルタを構成するようにした。
【0016】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記減衰手段はさらに定k型ハイパスフィルタを有し、前記第一のトラップ手段と前記第二のトラップ手段との間に前記定K型のハイパスフィルタを設けた。
【0017】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第一のトラップ手段の前記第一のトラップ周波数を60MHz〜75MHzに設定し、前記第一のトラップ手段の前記第二のトラップ周波数を40MHz〜50MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第三のトラップ周波数を70MHz〜75MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第四のトラップ周波数を15MHzから35MHzに設定した。
【0018】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、前記第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドに逆バイアス電圧を印加した。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナを図1乃至図4に従って説明する。図1は本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部を示し、図2は図1に示す入力回路部の一部におけるテレビジョン信号の受信時での選択度特性を示し、図3は、図1に示す入力回路部の一部におけるFM放送の受信時での選択度特性を示す。先ず、図1において、入力端子1とVHF高周波増幅回路2との間には、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5、VHF入力同調回路6が順次直列に接続されてテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部が構成されている。ここで、誘導M型ハイパスフィルタ3と定K型ハイパスフィルタ4とFMトラップ回路5とで、所定の周波数帯を減衰する減衰手段7を構成している。
【0020】
誘導M型ハイパスフィルタ3は、第一のインダクタ8と、この第一のインダクタ8とともに並列共振回路9を構成する第一のコンデンサ10と第二のコンデンサ11とを含む第一の容量手段12と、第一のスイッチダイオ−ド13と、シャントインダクタ14とから構成されている。そして、第一のコンデンサ10は第一のインダクタ8に並列接続されており、また、第二のコンデンサ11は第一のスイッチダイオ−ド13に直列接続されるとともに、この第二のコンデンサ11と第一のスイッチダイオ−ド13とが第一のインダクタ8に並列接続されている。上記の構成のなかで、並列共振回路9と第一のスイッチダイオ−ド13とによって第一のトラップ手段15が構成される。
【0021】
そして、第一のスイッチダイオ−ド13の一端(カソ−ド)が、互いに並列接続された第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とのそれぞれの一端側に接続され、この接続点とグラントとの間にシャントインダクタ14が接続されている。また、並列接続された第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とのそれぞれの他端側が入力端子1に接続されている。さらに、第二のコンデンサ11と第一のスイッチダイオ−ド13との接続点が抵抗16を介してFM切り替え端子17に接続されている。そして、この誘導M型ハイパスフィルタ3においては、第二のコンデンサ11の容量値(およそ200pF)は第一のコンデンサ10の容量値(およそ90pF)のほぼ2倍以上に設定されている。
【0022】
そして、この誘導M型ハイパスフィルタ3は、第一のスイッチダイオ−ド13が非導通のときは、第二のコンデンサ11が第一のコンデンサ10から高周波的に切り離されて、第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10とによる並列共振周波数である第一のトラップ周波数がほぼ60MHzになるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ90MHzになる第一の誘導M型ハイパスフィルタとなり、また、第一のスイッチダイオ−ド13が導通したときは、第一のコンデンサ10に第二のコンデンサ11が高周波的に並列接続されて第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10および第二のコンデンサ11とによる並列共振周波数である第二のトラップ周波数がほぼ40MHzまで低くなるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ70MHzまで低くなる第二の誘導M型ハイパスフィルタとなる。
【0023】
また、定K型ハイパスフィルタ4は、シャントインダクタ14と直列コンデンサ18とから構成され、そのカットオフ周波数はほぼ70MHzに設定されている。このことから、シャントインダクタ14は誘導M型ハイパスフィルタ3と定K型ハイパスフィルタ4とに共用されていることになる。
【0024】
さらに、FMトラップ回路5は、第二のインダクタ19と、この第二のインダクタ19とともに並列共振回路20を構成する第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22とを含む第二の容量手段23と、第二のスイッチダイオ−ド24から構成されている。そして、第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22とが直列接続されるとともに第二のインダクタ19に並列接続され、第二のスイッチダイオ−ド24が第四のコンデンサ22に並列接続されている。第二のインダクタ15と第三のコンデンサ21の各一端は定K型ハイパスフィルタ4を構成する直列コンデンサ18に接続されている。また、第三のコンデンサ21と第四のコンデンサ22と第二のスイッチダイオ−ド24のアノ−ドとの接続点は抵抗25を介してFM切り替え端子17に接続されている。そして、このFMトラップ回路5は第二のトラップ手段となる。
【0025】
ここで、第三のコンデンサ21の容量値(およそ1000pF)は、第四のコンデンサ22の容量値(およそ80pF)に対して充分大きく設定されている。そして、第二のスイッチダイオ−ド24が非導通のときは、第二のインダクタ19と第四のコンデンサ22とにる並列共振周波数である第三のトラップ周波数がほぼ73MHzになり(第三のコンデンサ21の容量値は充分大きいので無視する)、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通したときは、第二のインダクタ19と第三のコンデンサ21とによる並列共振周波数である第四のトラップ周波数がほぼ20MHになるように設定されている。
【0026】
また、VHF入力同調回路6は、四個の同調インダクタ26、27、28、29とバラクタダイオ−ド30とで構成され、バラクタダイオ−ド30の容量値を変えることによってその同調周波数が変えられるようになっている。このVHF入力同調回路6においては、同調インダクタ26、27、28、バラクタダイオ−ド30がπ型に接続されており、同調インダクタ26の一端が直流阻止コンデンサ31で接地され、また、バラクタダイオ−ド30の一端(アノ−ド)がグランドに接地されている。そして同調インダクタ26と同調インダクタ27との接続点が、結合インダクタ32を介してFMトラップ回路5を構成している第二のインダクタ19の他端と第四のコンデンサ22の一端と第二のスイッチダイオ−ド24の一端(カソ−ド)との接続点に接続されている。
【0027】
また、同調インダクタ28とバラクタダイオ−ド30の他端(カソ−ド)との接続点が結合コンデンサ33を介してVHF高周波増幅回路2に接続されている。さらに、同調インダクタ26には、各両端にそれぞれ接続された第三のスイッチダイオ−ド34、第四のスイッチダイオ−ド35を介して同調インダクタ29が並列接続されるようになっている。
これによって、FMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24のカソ−ドと、VHF入力同調回路6に設けられた第三のスイッチダイオ−ド34のカソ−ドおよび第四のスイッチダイオ−ド35のカソ−ドとが結合インダクタ32を介して接続されることになる。
【0028】
さらに、第三のスイッチダイオ−ド34のアノ−ドと第四のスイッチダイオ−ド35のアノ−ドが抵抗36を介してハイバンド切り替え端子37に接続されるとともに、それぞれのカソ−ドが抵抗38を介してロ−バンド切り替え端子39に接続され、また、バラクタダイオ−ド30の他端(カソ−ド)が、同調インダクタ28、抵抗40を介して同調電圧端子41に接続されている。
なお、同調インダクタ26と直流阻止コンデンサ31との接続点は抵抗42を介して接地されている。
【0029】
また、図示はしないが、VHF高周波増幅器2の後段には第一の混合回路、第一の局部発振回路等が接続されている。そして、VHF高周波増幅回路2から出力されるテレビジョン信号が第一の混合回路で50MHz帯の中間周波数に周波数変換されてテレビジョンの映像信号が得られる。なお、第一の混合回路の後段に図示しない第二の混合回路等を設けて、この中間周波数を、さらに一般のFM受信機で使用している10.7MHzのFMの中間周波数に変換すれば、FM受信機で使用されているFM検波が可能となり、周知の技術で簡単にFM放送を聞くことができる。
【0030】
そして、このテレビジョン信号受信チュ−ナでは、ハイバンドまたはロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、FM切り換え端子17にはFM切り換え電圧を印加せず、ハイバンド切り替え端子37またはロ−バンド切り替え端子39にハイバンド切り換え電圧またはロ−バンド切り換え電圧が印加される。これによって誘導M型ロ−パスフィルタ3に設けられた第一のスイッチダイオ−ド13とFMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24とがともに非道通状態となる。
【0031】
この結果、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5とによって、図2に示すように、ほぼ90MHz以上の周波数帯を通過するとともに90MHz以下の周波数で急峻に減衰させ、特にFMトラップ回路5の第三のトラップ周波数(ほぼ73MHz)と誘導M型ハイパスフィルタ3にける第一のトラップ手段15の第一のトラップ周波数(ほぼ60MHz)とによって、FM放送信号の周波数帯(76MHz〜90MHz)における減衰量とテレビジョンの中間周波数帯(55MHz付近)における減衰量とが大きくなるような選択度特性を得ている。 なお、この時、FMトラップ回路5に設けた第二のスイッチダイオ−ド24のカソ−ドには、第三のスイッチダイオ−ド34または第四のスイッチダイオ−ド35と結合インダクタ32とを介して、ハイバンドまたはロ−バンドの切り換え電圧が印加されて逆バイアス状態になるのでFMトラップ回路5の第三のトラップ周波数は安定したものとなる。
【0032】
そして、テレビジョン信号のうち、ハイバンドのテレビジョン信号を受信するときは、ハイバンド切り替え端子37にハイバンド切り替え電圧を印加(この時はロ−バンド切り替え端子39にはロ−バンド切り替え電圧を印加せず)して第三のスイッチダイオ−ド34と第四のスイッチダイオ−ド35とをともに導通状態として同調インダクタ26と同調インダクタ29とを高周波的に並列に接続し、VHF入力同調回路6の同調周波数を高くする。
【0033】
また、ロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときは、ロ−バンド切り替え端子39にロ−バンド切り替え電圧を印加(この時はハイバンド切り替え端子37にはハイバンド切り替え電圧を印加せず)して第三のスイッチダイオ−ド34と第四のスイッチダイオ−ド35とをともに非導通状態として同調インダクタ26から同調インダクタ29を高周波的に切り離して、VHF入力同調回路6の同調周波数を低くする。
【0034】
そして、ハイバンドのテレビジョン信号、あるいはロ−バンドのテレビジョン信号を受信するときに、同調電圧端子41からの同調電圧によってバラクタダイオ−ド30の容量値が変えられ、90MH以上の周波数に割り当てられたロ−バンドあるいはハイバンドの各チャンネルのテレビジョン信号周波数に同調可能なようになっている。
【0035】
一方、FM放送を受信するときは、ハイバンド切り換え端子37にはハイバンド切り換え電圧を印加せず、ロ−バンド切り換え端子39とFM切り換え端子17とにそれぞれロ−バンド切り換え電圧とFM切り替え電圧を印加する。これによって誘導M型ハイパスフィルタ3に設けられた第一のスイッチダイオ−ド13はシャントインダクタ14を介して電流が流れて導通し、また、FMトラップ回路5に設けられた第二のスイッチダイオ−ド24は結合インダクタ32、VHF入力同調回路6に設けられた同調インダクタ26、抵抗42を介して電流が流れて導通する。この結果、誘導M型ハイパスフィルタ3、定K型ハイパスフィルタ4、FMトラップ回路5とによる総合的な選択度特性は、図3に示すように、第一のインダクタ8と第一のコンデンサ10および第二のコンデンサ11とによる第二のトラップ周波数がほぼ40MHzまで低くなるとともに、そのカットオフ周波数がほぼ70MHzまで低くなり、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通することで第二のインダクタ19と第三のコンデンサ21とによる第四のトラップ周波数がほぼ20MHになる。
【0036】
そして、第二のトラップ周波数と第四のトラップ周波数とによってテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とが大きく減衰するのでこれらの周波数帯の妨害信号があってもFM放送信号の受信に妨害を受けることがない。
【0037】
そして、この場合、FM切り換え端子17に印加されたFM切り換え電圧およびロ−バンド切り換え端子39に印加されたロ−バンド切り換え電圧によって、VHF入力同調回路6に設けられた第三のスイッチダイオ−ド34および第四のスイッチダイオ−ド35が逆バイアスされて非導通状態となるので、VHF入力同調回路6はロ−バンドのテレビジョン信号を受信する場合と同じ構成になる。そこで、同等電圧端子41に印加する同調電圧をテレビジョン信号を受信するときに印加する同調電圧よりも低くして印加することによってFMの放送周波帯まで受信が可能となる。
【0038】
なお、第一のトラップ手段15と第二のトラップ手段であるFMトラップ回路5としては、図4に示すような構成を用いることも可能である。即ち、第一のトラップ手段15は、第一のインダクタ8と、互いに直列接続された第五のコンデンサ45および第六のコンデンサ46を含む第一の容量手段47と、第六のコンデンサ46に並列接続された第二のスイッチダイオ−ド13とで構成してもよい。 この場合は、第一のスイッチダイオ−ド13が非導通状態のときは第五のコンデンサ45と第六のコンデンサ46とが直列となって第一のインダクタ8に並列接続されるので並列共振周波数である第一のトラップ周波数が高くなり、また、第一のスイッチダイオ−ド13が導通状態のときは第一のインダクタ8と第五のコンデンサ45による並列共振周波数である第二のトラップ周波数は低くなる。 なお、第五のコンデンサ45と第六のコンデンサ46の容量値は第一のトラップ周波数及び第二のトラップ周波数に対して再設定する必要がある。
【0039】
また、第二のトラップ手段であるFMトラップ回路5も、第二のインダクタ19と、この第二のインダクタ19に並列接続された第七のコンデンサ48と、互いに直列接続されるとともに第二のインダクタ19に並列接続された第八のコンデンサ49と第二のスイッチダイオ−ド24で構成し、第七のコンデンサ48と第八のコンデンサ49とで第二の容量手段50としてもよい。
この場合は、第二のスイッチダイオ−ド24が非導通状態のときは第二のインダクタ19と第七のコンデンサ48とによる並列共振周波数である第三のトラップ周波数が高くなり、また、第二のスイッチダイオ−ド24が導通状態のときは第八のコンデンサ49が加わるのでの並列共振周波数である第四のトラップ周波数を低くできる。この場合も、第三のトラップ周波数と第四のトラップ周波数に対して第七のコンデンサ48と第八のコンデンサ49の容量値を再設定する必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、テレビジョン信号及びFM放送信号が入力される入力端子とテレビジョン信号及びFM放送信号に同調する入力同調回路との間にトラップ周波数切換型の第一のトラップ手段と第二のトラップ手段とを直列に接続し、テレビジョン信号を受信するときには、第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第一のトラップ周波数に切り換えるとともに、第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第三のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFM放送帯とを減衰し、FM放送信号を受信するときには、第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第二のトラップ周波数に切り換えるとともに、第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第四のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とを減衰したので、同じトラップ手段を使用してテレビジョン信号の受信時とFM放送信号の受信時のいずれでも妨害信号を効果的に減衰でき、受信妨害を受けること無く受信できる。また、車載用としてカ−ナビゲ−ションシステムに組み込む場合に小型化と低価格化を図れる。
【0042】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段は少なくとも第一のインダクタと、第一のインダクタとともに並列共振回路を構成する第一の容量手段と、第一のスイッチダイオ−ドとを有し、第一のスイッチダイオ−ドによって第一の容量手段の容量値を切り換えるようにし、一方、第二のトラップ手段は第二のインダクタと、第二のインダクタとともに並列共振回路を構成する第二の容量手段と、第二のスイッチダイオ−ドとを有し、第二のスイッチダイオ−ドによって第二の容量手段の容量値を切り換えるようにしたので第一のトラップ手段の二つのトラップ周波数と第二のトラップ手段の二つのトラップ周波数とを同時に簡単に切り換えることができる。
【0043】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一の容量手段は第一のコンデンサと第二のコンデンサとを有し、第二のコンデンサを第一のスイッチダイオ−ドによって第一のコンデンサに並列に接続するか接続しないでトラップ周波数を切り換えるようにし、また、第二の容量手段は第三のコンデンサと第四のコンデンサとを有し、第二のスイッチダイオ−ドによって第四のコンデンサを第三のコンデンサに直列に接続するか接続しないかでトラップ周波数を切り換えるようにしたので第一のトラップ手段と第二のトラップ手段の回路を簡単に構成できる。
【0044】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段はさらにシャントインダクタを有し、このシャントインダクタを第一のインダクタの一端とグラントとの間に接続し、第一のトラップ手段とシャントインダクタとによって誘導M型ハイパスフィルタを構成したので、トラップ周波数を減衰するのみならずカットオフ周波数に近傍までも大きな減衰を得ることができる。
【0045】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、誘導M型ハイパスフィルタは、第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは第一の誘導M型ハイパスフィルタを構成し、第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは第二の誘導M型ハイパスフィルタを構成するようにしたので、トラップ周波数の切り換えに対応してカットオフ周波数の切り換えを連動させることができ、減衰すべき周波数帯を効果的に減衰できる。
【0046】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、減衰手段はさらに定k型ハイパスフィルタを有し、第一のトラップ手段と第二のトラップ手段との間にこの定K型のハイパスフィルタを設けたので、減衰量を一層大きくすることができる
。
【0047】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第一のトラップ手段の第一のトラップ周波数を60MHz〜75MHzに設定し、第二のトラップ周波数を40MHz〜50MHzに設定し、また、第二のトラップ手段の第三のトラップ周波数を70MHz〜75MHzに設定し、第四のトラップ周波数を15MHzから35MHzに設定したので、日本仕様に基づくテレビジョン信号とFM放送信号との受信に対して妨害となる信号を効果的に減衰できる。
【0048】
また、本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナは、第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、第二のスイッチダイオ−ドに逆バイアス電圧を印加したので、第二のスイッチダイオ−ドの両端子間の残留容量値が固定され、第二のトラップ手段の第一のトラップ周波数のバラツキ少なくなるのでテレビジョン信号の受信時にFM放送信号から大きな妨害を受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部の構成を示す回路図である。
【図2】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるテレビジョン信号の受信時の選択度特性図である。
【図3】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるFM放送信号の受信時の選択度特性図である。
【図4】本発明のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部における減衰手段の他の回路図である。
【図5】従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部の構成を示す回路図である。
【図6】従来のテレビジョン信号受信チュ−ナの入力回路部におけるテレビジョン信号の受信時の選択度特性図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 VHF高周波増幅回路
3 誘導M型ハイパスフィルタ
4 定K型ハイパスフィルタ
5 FMトラップ回路(第二のトラップ手段)
6 VHF入力同調回路
7 減衰手段
8 第一のインダクタ
9、20 並列共振回路
10 第一のコンデンサ
11 第二のコンデンサ
12、47 第一の容量手段
13 第一のスイッチダイオ−ド
14 シャントインダクタ
15 第一のトラップ手段
16、25、36、38、40、42 抵抗
17 FM切り換え端子
18 直列コンデンサ
19 第二のインダクタ
21 第三のコンデンサ
22 第四のコンデンサ
23、50 第二の容量手段
24 第二のスイッチダイオ−ド
26、27、28、29 同調インダクタ
30 バラクタダイオ−ド
31 直流阻止コンデンサ
32 結合インダクタ
33 結合容量
34 第三のスイッチダイオ−ド
35 第四のスイッチダイオ−ド
37 ハイバンド切り換え端子
39 ロ−バンド切り換え端子
41 同調電圧端子
45 第五のコンデンサ
46 第六のコンデンサ
48 第七のコンデンサ
49 第八のコンデンサ
Claims (8)
- テレビジョン信号及びFM放送信号が入力される入力端子と前記テレビジョン信号及びFM放送信号に同調する入力同調回路との間にトラップ周波数切換型の第一のトラップ手段と第二のトラップ手段とを直列に接続し、前記テレビジョン信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第一のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の高い第三のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFM放送帯とを減衰し、前記FM放送信号を受信するときには、前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第二のトラップ周波数に切り換えるとともに、前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を周波数の低い第四のトラップ周波数に切り換えてテレビジョンの中間周波数帯とFMの中間周波数帯とを減衰したことを特徴とするテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記第一のトラップ手段は第一のインダクタと、前記第一のインダクタとともに並列共振回路を構成する第一の容量手段と、前記第一の容量手段の容量値を大小に切り替える第一のスイッチダイオ−ドとを有し、前記テレビジョン信号を受信するときには前記第一のスイッチダイオードを非導通状態にして前記第一の容量手段の容量値を小さな第一の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第一のトラップ周波数に切り換え、前記FM放送信号を受信するときには前記第一のスイッチダイオ−ドを導通状態にして前記第一の容量手段の容量値を大きな第二の容量値にするとともに前記第一のトラップ手段のトラップ周波数を前記第二のトラップ周波数に切り換え、一方、前記第二のトラップ手段は第二のインダクタと、前記第二のインダクタとともに並列共振回路を構成する第二の容量手段と、前記第二の容量手段の容量値を大小に切り替える第二のスイッチダイオードとを有し、前記テレビジョン信号を受信するときには前記第二のスイッチダイオードを非導通状態にして前記第二の容量手段の容量値を小さな第三の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第三のトラップ周波数に切り換え、前記FM放送信号を受信するときには前記第二のスイッチダイオードを導通状態にして前記第二の容量手段の容量値を大きな第四の容量値にするとともに前記第二のトラップ手段のトラップ周波数を前記第四のトラップ周波数に切り替えたことを特徴とする請求項1記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記第一のトラップ手段の前記第一の容量手段は第一のコンデンサと第二のコンデンサとを有し、前記第一のコンデンサを前記第一のインダクタに並列接続し、前記第二のコンデンサと前記第一のスイッチダイオ−ドとを、直列接続するとともに前記第一のインダクタに並列接続し、一方、前記第二のトラップ手段の前記第二の容量手段は第三のコンデンサと第四のコンデンサとを有し、前記第三のコンデンサと前記第四のコンデンサとを直列接続するとともに前記第二のインダクタに並列接続し、前記第二のスイッチダイオ−ドを前記第四のコンデンサに並列接続したことを特徴とする請求項2記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記第一のトラップ手段はさらにシャントインダクタを有し、前記シャントインダクタを前記第一のインダクタの一端とグラントとの間に接続し、前記第一のトラップ手段と前記シャントインダクタとによって誘導M型ハイパスフィルタを構成したことを特徴とする請求項2または3記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記誘導M型ハイパスフィルタは、第一のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第一の誘導M型ハイパスフィルタを構成し、前記第一のスイッチダイオ−ドが導通状態に切り換えられたときは前記第一のインダクタと前記第一のコンデンサと前記第二のコンデンサと前記シャントインダクタとによって第二の誘導M型ハイパスフィルタを構成することを特徴とする請求項4記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記減衰手段はさらに定k型ハイパスフィルタを有し、前記第一のトラップ手段と前記第二のトラップ手段との間に前記定K型のハイパスフィルタを設けたこ とを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記第一のトラップ手段の前記第一のトラップ周波数を60MHz〜75MHzに設定し、前記第一のトラップ手段の前記第二のトラップ周波数を40MHz〜50MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第三のトラップ周波数を70MHz〜75MHzに設定し、前記第二のトラップ手段の前記第四のトラップ周波数を15MHzから35MHzに設定したことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
- 前記第二のスイッチダイオ−ドが非導通状態に切り換えられたときは、前記第二のスイッチダイオ−ドに逆バイアス電圧を印加したことを特徴とする請求項2から7までのいずれかに記載のテレビジョン信号受信チュ−ナ。
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