JP3613661B2 - 酸素濃度検出装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸素イオン伝導性固体電解質よりなる素子を挟むようにして一対の電極を配設し、その一対の電極から出力される検出信号に基づいて、燃焼ガス或いは同燃焼ガスの構成成分(例えば窒素酸化物等)に含まれる酸素の濃度を検出するようにした酸素濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の酸素濃度検出装置としては、例えば、
[濃淡電池式]素子上に配設された一対の電極のうち、一方の電極を燃焼ガスに接触させるとともに、他方の電極をこの燃焼ガスから隔絶した状態にして酸素濃度が一定の基準ガスに接触させる。そして、燃焼ガスと基準ガスとの間の酸素濃度差(酸素分圧差)に応じて発生する各電極間の電圧を検出し、その検出電圧に基づいて燃焼ガスの酸素濃度を検出する。
【0003】
[限界電流式]素子上の各電極間に所定の電圧を印加した際に各電極間に流れる限界電流の大きさを検出し、その限界電流値に基づいて燃焼ガスの酸素濃度を検出する。或いは、燃焼ガスの構成成分中における酸素濃度を検出し、その酸素濃度に基づいて同構成成分の濃度を間接的に検出する。
といったものが従来より提案されている。
【0004】
ところで、こうした酸素濃度検出装置にあっては、素子上の各電極に酸素や燃焼ガス中に含まれる未燃成分が吸着することにより、その検出特性が変化してしまうことがある。従って、こうした検出特性の変化を防止するためには、酸素や未燃成分といった電極に吸着する吸着物質を除去する必要がある。
【0005】
その除去方法としては、
(イ)[未燃成分の除去]各電極間に所定の電圧を印加し、未燃成分が吸着している電極側に向けて他方の電極から酸素(酸素イオン)を供給することにより、未燃成分をその移動した酸素とともに燃焼させる。
【0006】
(ロ)[酸素の除去]各電極間に所定の電圧を印加し、両電極間に発生する電界の静電力によって電極に吸着している酸素(酸素イオン)を強制的に脱離させ、他方の電極側へ移動させる。
といった方法が有効であり、こうした除去操作を定期的に実行することにより、酸素濃度検出装置における所期の検出特性を長期間に亘って維持することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように吸着物質を電極から除去する際において、電極の周縁部分に吸着している吸着物質は同電極の中央部分に吸着している吸着物質と比較して除去し難いものとなっている。
【0008】
これは以下の理由によるものと考えられる。即ち、電極の周縁部近傍では電束の漏れが発生し易く、電界強度が中央部近傍と比較して相対的に低下する傾向があるため、このように電界強度が低下している電極の周縁部近傍では酸素イオンの移動速度が低下するようになる。その結果、吸着物質が吸着している電極に対して単位時間当たりに供給される酸素イオンの量、或いは同電極から他方の電極へ単位時間当たりに移動する酸素イオンの量が減少するようになるため、上記(イ)、(ロ)のいずれの方法により吸着物質を除去するにせよ、電極の周縁部分に吸着している吸着物質は除去され難いものとなる。
【0009】
従って、電極の周縁部分に吸着している吸着物質までも確実に除去しようとすると、その除去処理に要する時間が長くなってしまい、酸素濃度の検出を長期間停止させなければならなくなる。一方、各電極に印加する電圧を高く設定すれば上記除去処理時間の短縮化は可能になるが、このように印加電圧を高くすると、素子中に含まれる酸素イオン(又は原子)が欠落して同素子が黒化する現象、いわゆるブラックニングが発生するようになり、同素子の変質や強度低下が避けられないものとなる。
【0010】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は素子の変質や強度低下を抑制しつつ酸素濃度検出用の電極に吸着した吸着物質を短時間で除去することにより所期の検出特性を長期間安定して維持することのできる酸素濃度検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明では、酸素イオン伝導性の固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、各電極間に除去用電圧を印加し素子を介して各電極間で酸素イオンを移動させることにより各電極の少なくとも一方に吸着した吸着物質を除去する除去手段とを備えた酸素濃度検出装置において、第1の電極の周縁部分に近接するように同第1の電極と隣接して第3の電極を素子上に配設するとともに、除去手段は第1の電極と第2の電極との間に除去用電圧を印加するときに第3の電極を第1の電極と同極にして第2の電極と第3の電極との間にも除去用電圧を印加するものであるとしている。
【0012】
上記構成によれば、第2の電極と第3の電極との間には第1の電極と第2の電極との間の電界と同じ向きの電界が形成される。また、第3の電極が第1の電極の周縁部分に近接して配設されていることから、上記電界は第1の電極の周縁部分の近傍に形成されるようになる。そして、こうした電界が形成されることにより、第1の電極の周縁部分と第2の電極との間における電束の漏れが抑制され、両者の間には十分な強度の電界が形成されるようになる。従って、第1の電極に酸素イオンを供給し同電極に吸着している未燃成分を燃焼させて同電極から除去する場合であれ、或いは第1の電極に吸着している酸素を強制的に脱離させて同電極から除去する場合であれ、除去用電圧を極力低く抑えつつ確実な吸着物質の除去を行うことができるようになる。
【0013】
また、請求項2に記載した発明のように、上記請求項1に記載した構成において特に、
・除去手段は除去用電圧を印加する際に第1の電極及び第3の電極を陽極に第2の電極を陰極にそれぞれ設定するものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分に第2の電極から十分な量の酸素イオンを供給することができるため、同周縁部分に吸着した未燃成分をその供給される酸素イオンによって確実に燃焼させて除去することができるようになる。
【0014】
或いは、請求項3に記載した発明のように、上記請求項1に記載した構成において特に、
・除去手段は除去用電圧を印加する際に第1の電極及び第3の電極を陰極に第2の電極を陽極にそれぞれ設定するものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分から十分な量の酸素イオンを脱離させて第2の電極へ移動させることができるため、同周縁部分に吸着した酸素を確実に除去することができるようになる。
【0015】
加えて、請求項4に記載した発明のように、上記請求項1に記載した構成において、
・除去手段は、第1の電極及び第3の電極を陽極に第2の電極を陰極にそれぞれ設定して除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、第1の電極及び第3の電極を陰極に第2の電極を陽極にそれぞれ設定して除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分に吸着した未燃成分を確実に燃焼させて除去することができるとともに、同周縁部分に吸着した酸素を確実に脱離させて除去することができるようになる。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項5に記載した発明では、酸素イオン伝導性の固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、各電極間に除去用電圧を印加し素子を介して各電極間で酸素イオンを移動させることにより各電極の少なくとも一方に吸着した吸着物質を除去する除去手段とを備えた酸素濃度検出装置において、第1の電極の周縁部分に近接するように同第1の電極と隣接して第3の電極を素子上に配設するとともに、除去手段は第1の電極と第2の電極との間に除去用電圧を印加するときに第3の電極を第2の電極と同極にして第1の電極と第3の電極との間にも除去用電圧を印加するものであるとしている。
【0017】
上記構成によれば、第1の電極と第3の電極との間に電界が形成されるため、第1の電極と第2の電極との間の電界により生じる両電極間の酸素イオンの移動に加え、第1の電極と第3の電極との間においても酸素イオンが移動するようになる。ここで、第3の電極が第1の電極の周縁部分に近接して配設されていることから、これら電極間の電界は第1の電極の周縁部分の近傍に形成されるようになるため、同周縁部分近傍の電界強度を増大させることができる。従って、第1の電極に酸素イオンを供給し同電極に吸着している未燃成分を燃焼させて同電極から除去する場合であれ、或いは第1の電極に吸着している酸素を強制的に脱離させて同電極から除去する場合であれ、除去用電圧を極力低く抑えつつ確実な吸着物質の除去を行うことができるようになる。
【0018】
また、請求項6に記載した発明のように、上記請求項5に記載した構成において特に、
・除去手段は除去用電圧を印加する際に第1の電極を陽極に第2の電極及び第3の電極を陰極にそれぞれ設定するものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分に第2の電極及び第3の電極から十分な量の酸素イオンを供給することができるため、同周縁部分に吸着した未燃成分をその供給される酸素イオンによって確実に燃焼させ除去することができるようになる。
【0019】
或いは、請求項7に記載した発明のように、上記請求項5に記載した構成において特に、
・除去手段は除去用電圧を印加する際に第1の電極を陰極に第2の電極及び第3の電極を陽極にそれぞれ設定するものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分から十分な量の酸素イオンを脱離させて第2の電極及び第3の電極へ移動させることができるため、同周縁部分に吸着した酸素を確実に除去することができるようになる。
【0020】
加えて、請求項8に記載した発明のように、上記請求項5に記載した構成において、
・除去手段は、第1の電極を陽極に第2の電極及び第3の電極を陰極にそれぞれ設定して除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、第1の電極を陰極に第2の電極及び第3の電極を陽極にそれぞれ設定して除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極の周縁部分に吸着した未燃成分を確実に燃焼させて除去することができるとともに、同周縁部分に吸着した酸素を確実に脱離させて除去することができるようになる。
【0021】
また、請求項9に記載した発明のように、上記請求項1乃至8のいずれかに記載した構成において更に、
・第3の電極は第1の電極の周縁部分を略全周に亘り囲むようにして素子上に配設されるものである、
といった構成を採用すれば、吸着物質の除去を第1の電極全体に亘って確実に行うことができるようになる。
【0022】
更に、上記目的を達成するために、請求項10に記載した発明では、酸素イオン伝導性固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素の濃度を検出する酸素濃度検出手段とを備えた酸素濃度検出装置において、第1の電極を櫛歯状に形成するとともに、第1の電極と噛み合うようにして素子上に配設された櫛歯状をなす第3の電極と、第1の電極と第3の電極との間に除去用電圧を印加し素子を介して各電極間で酸素イオンを移動させることにより第1の電極に吸着した吸着物質を除去する除去手段とを更に備えるようにしている。
【0023】
上記構成によれば、第1の電極と第3の電極との間に除去用電圧が印加されることによって両電極の間には電界が形成されるようになる。ここで、これら第1の電極及び第3の電極はいずれも櫛歯状に形成され、互いに噛み合うようにして素子上に配設されているため、これら両電極の噛み合う部分を極めて近接した状態にすることができる。従って、除去用電圧を極めて低く設定した場合であっても両電極の間には十分な強さの電界が形成されるようになる。その結果、第1の電極に酸素イオンを供給し同電極に吸着している未燃成分を燃焼させて同電極から除去する場合であれ、或いは第1の電極に吸着している酸素を脱離させて同電極から除去する場合であれ、除去用電圧を極めて低く抑えつつ確実な吸着物質の除去を行うことができるようになる。
【0024】
更に、請求項11に記載した発明のように、請求項10に記載した構成に加えて、
・除去手段は、第1の電極を陽極に第3の電極を陰極にそれぞれ設定して当該各電極間に除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、第1の電極を陰極に第3の電極を陽極にそれぞれ設定して当該各電極間に除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極及び第3の電極に吸着した未燃成分及び酸素のいずれをも確実に除去することができるようになる。
【0025】
また、請求項12に記載した発明のように、請求項11に記載した発明において更に、
・第3の電極は第1の電極及び第2の電極からの検出信号に基づいて燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度が検出される際に第1の電極と電気的に接続されるものである、
といった構成を採用すれば、燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する際には第3の電極を第1の電極と同様、酸素濃度検出用の電極として利用することができるようになる。
【0026】
また、請求項13に記載した発明のように、請求項4、8、11のいずれかに記載した構成において更に、
・除去手段は第1の電圧印加態様と第2の電圧印加態様とを交互に連続して切り替えるものである、
といった構成を採用すれば、同じ向きの除去用電圧が素子に連続して印加される時間を極力短く設定して吸着物質の除去を行うことができるようになる。
【0027】
また、請求項14に記載した発明のように、請求項1乃至13のいずれかに記載した構成において、
・第1の電極は燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物の還元触媒として機能する還元触媒材料により形成されるものであり、
・酸素濃度検出手段は第1の電極の還元作用に基づき窒素酸化物から分解される酸素が同第1の電極から素子を介して第2の電極に移動するときに各電極との間に流れる電流値に基づいて燃焼ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するものである、
といった構成を採用すれば、第1の電極と第2の電極間に流れる電流値に基づいて燃焼ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出する酸素濃度検出装置において上記請求項1乃至13のいずれかに記載した発明の作用を奏することができるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る酸素濃度検出装置を窒素酸化物(以下、「NOx 」という)の濃度を検出するNOx 濃度検出装置として具体化した第1の実施形態について説明する。
【0029】
図1はNOx 濃度検出装置を構成するセンサ本体500の先端側断面を示し、図2はセンサ本体500が取り付けられるエンジン10の排気管20等を示している。また、図3は図1の3−3線に沿った断面を示し、図4は図1の4−4線に沿った断面を示している。
【0030】
図2に示すように、センサ本体500はその先端側部分が排気管20を通過する排出ガスに接触するようにして同排気管20に取り付けらている。このセンサ本体500はエンジン10の各種制御を実行する電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)30により通電制御されるようになっている。
【0031】
センサ本体500は全体が矩形板状をなしており、ヒータ部510と同ヒータ部510上に積層された検出部550とを有して構成されている。
ヒータ部510は検出部550を所定温度にまで加熱するためのものである。このヒータ部510は第1の基板層511、この第1の基板層511に積層された第2の基板層512、これら両基板層511,512の間に介在された発熱体513、同発熱体513を両基板層511,512から隔絶するように被覆する絶縁層514によって構成されている。上記各基板層511,512はいずれもジルコニア(ZrO2 )等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質材料によって形成されており、発熱体513は白金(Pt)等の電導性材料によって形成されている。また、絶縁層514はアルミナ(Al2 O3 )等の絶縁性セラミック材料により形成されている。
【0032】
一方、検出部550は第1のスペーサ層551、第1の固体電解質層552、第2のスペーサ層553、第2の固体電解質層554が上記第2の基板層512に順に積層されることにより構成されている。これら各層551〜554はいずれも、ヒータ部510の各基板層511,512と同様の固体電解質材料によって形成されている。
【0033】
図3に示すように、第2のスペーサ層553には第1の矩形孔553a及び第2の矩形孔553bが形成されている。また、この第2のスペーサ層553において第1の矩形孔553aよりも先端側(同図の左側)の部分と、両矩形孔553a,553bに挟まれる部分とにはそれぞれ切欠き553c,553dが形成されている。更に、図4に示すように、第1のスペーサ層551には矩形状の切欠き551aが形成されている。
【0034】
第2の基板層512と第1の固体電解質層552との間には基準ガス導入空間560が形成されている。この基準ガス導入空間560は第2の基板層512の上面、切欠き551aの内壁面、第1の固体電解質層552の下面によって区画されており、その基端側部分(図1の右側部分)が開放されることにより、酸素分圧が一定の大気が基準ガスとしてその内部に導入されるようになっている。
【0035】
第2のスペーサ層553を挟んで第1の固体電解質層552と第2の固体電解質層554との間には、第1室561、第2室562、第1の拡散律速孔563、及び第2の拡散律速孔564がそれぞれ形成されている。
【0036】
第1の拡散律速孔563は第1室561と排出ガスが存在する外部とを連通することにより、排出ガスを所定の拡散抵抗のもとで第1室561内に導入させるためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、切欠き553cの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画形成されている。
【0037】
第1室561は第1の拡散律速孔563を通じて導入される排出ガスの酸素分圧を所定圧に調節するためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、第1の矩形孔553aの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画されている。
【0038】
また、第2の拡散律速孔564は第1室561と第2室562とを連通することにより、第1室561内の排出ガスを所定の拡散抵抗のもとで第2室562に移動させるためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、切欠き553dの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画されている。
【0039】
第2室562は第1室561から導入される排出ガスのNOx 濃度を検出するためのものであり、第1の固体電解質層552の上面、第2の矩形孔553bの内壁面、第2の固体電解質層554の下面によって区画されている。
【0040】
第2の固体電解質層554の下面において第1室561の内部に位置する部分にはPt等の金属とZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料により略矩形状に形成された内側ポンプ電極570が設けられている。また、第2の固体電解質層554の上面において内側ポンプ電極570と対応する位置には同内側ポンプ電極570と同様の多孔質サーメット材料により略矩形状に形成された外側ポンプ電極571が設けられている。
【0041】
これら内側ポンプ電極570及び外側ポンプ電極571と、第2の固体電解質層554において両電極570,571に挟まれた部分とにより、第1室561と外部との間で酸素を移動(ポンピング)させるための主ポンプセル572が構成されている。
【0042】
この主ポンプセル572において、内側ポンプ電極570と外側ポンプ電極571との間に制御電圧(ポンプ電圧)Vp1が印加されると、その制御電圧Vp1の大きさに応じた量の酸素が第2の固体電解質層554を介して第1室561から外部に、或いは外部から第1室561にポンピングされる。従って、この制御電圧Vp1を制御することにより、第1室561内における酸素分圧(酸素濃度)を所望の値に調節することができる。
【0043】
また、第1の固体電解質層552の上面において第2室562の内部に位置する部分には検出電極580が設けられている。一方、第1の固体電解質層552の下面において同層552を挟んで検出電極580と対応する位置には基準ガス導入空間560内の大気と接触する基準電極581が設けられている。
【0044】
検出電極580は基準電極581とともにポンピング電極として機能する他、NOx 還元触媒としての機能を併せ有するものであり、ロジウム(Rh)に対して所定重量比のPtが添加された金属と、ZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料とによって略矩形状に形成されている。一方、基準電極581は前記各ポンプ電極570,571と同様、Pt等の金属とZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料によって略矩形状に形成されている。
【0045】
これら検出電極580及び基準電極581と、第1の固体電解質層552において両電極580,581に挟まれた部分とにより、第2室562と基準ガス導入空間560との間で酸素をポンピングするための測定用ポンプセル582が構成されている。
【0046】
前述したように、第1室561において酸素分圧が所定圧に調節された排出ガスは第2の拡散律速孔564を通じて所定の拡散抵抗のもとで第2室562に導入され、検出電極580に接触する。そして、排出ガスに含まれるNOx が検出電極580の還元作用によって窒素(N2 )と酸素(O2 )とに分解されることにより、検出電極580の近傍における酸素濃度は同NOx の濃度に応じた濃度になる。
【0047】
更に、測定用ポンプセル582において、検出電極580と基準電極581との間に一定の検出用電圧(ポンプ電圧)Vp2が印加されると、検出電極580近傍のO2 が酸素イオン(陰イオン)となって検出電極580から基準電極581にポンピングされる。その結果、検出電極580及び基準電極581間にはNOx の還元分解によって生成されたO2 の濃度に応じたポンプ電流(限界電流)Ip2が流れるようになる。従って、このポンプ電流Ip2の値に基づいてNOx 濃度を検出することができる。
【0048】
因みに、この場合、検出電極580近傍の酸素イオンを基準電極581にポンピングするため、検出用電圧Vp2は検出電極580を陰極、基準電極581を陽極として両電極580,581間に印加される(図1参照)。
【0049】
また、図3に示すように、第1の固体電解質層552の上面において第2室562の内部に位置する部分には検出電極580と隣接して補助電極583が設けられている。この補助電極583は後述するように検出電極580に吸着した炭化水素等の燃料の未燃成分を効果的に除去するためのものである。
【0050】
補助電極583は検出電極580と同様の多孔質サーメット材料により帯状(線幅:例えば0.3〜0.7mm)に形成されており、検出電極580を略全周に亘り囲むようにして設けられている。更に、この補助電極583は検出電極580の周縁部から極めて短い間隔(例えば100〜150μm)を隔てて配置されており、これら両者の間隔は第1の固体電解質層552の厚さ(例えば600〜800μm)よりも十分に狭く設定されている。
【0051】
更に、内側ポンプ電極570及び基準電極581と、第2の固体電解質層554、第2のスペーサ層553、第1の固体電解質層552の各層552,553,554とにより、第1室561内の酸素分圧を検出するための酸素分圧検出セル590が構成されている。
【0052】
この酸素分圧検出セル590において、第1室561の排出ガスが内側ポンプ電極570に接触するとともに、基準ガス導入空間560の大気が基準電極581に接触することにより、両電極570,581間には、これら排出ガスと大気との間の酸素分圧差に基づいた起電力V1が発生する。従って、この起電力V1の大きさに基づいて第1室561内の酸素分圧を検出することができる。
【0053】
次に、上記NOx 濃度検出装置によるNOx 濃度の検出手順について説明する。
まず、NOx 濃度の検出を開始するのに先立ち、ECU30は駆動回路(図示略)を通じてヒータ部510の発熱体513を通電制御することにより、同発熱体513を発熱させ、その熱により検出部550を所定温度(例えば、400〜900℃)にまで加熱する。その結果、検出部550の各層551〜554は酸素イオンが移動可能な状態、即ち、活性化された状態になる。
【0054】
次に、ECU30は駆動回路を通じて主ポンプセル572の内側ポンプ電極570及び外側ポンプ電極571間に制御電圧Vp1を印加するとともに、その制御電圧Vp1の大きさを酸素分圧検出セル590の起電力V1に基づいて制御する。
【0055】
より詳細に説明すると、ECU30は第1室561内の酸素分圧が極めて低い所定値(例えば、1×10^−8 〜1.7×10^−4 atm)となるときの起電力V1の値と等しくなるように、制御電圧Vp1の大きさをフィードバック制御する。こうしたフィードバック制御が実行される結果、第1室561における排出ガスの酸素分圧は低下し、同第1室561から第2の拡散律速孔564を通じて第2室562に導入される排出ガスは分子単体としての酸素を殆ど含まない状態になる。
【0056】
更に、ECU30は駆動回路を通じて測定用ポンプセル582の検出電極580及び基準電極581間に検出用電圧Vp2を印加するとともに、これら両電極間580,581に流れるポンプ電流Ip2を入力回路(図示略)を通じて読み込む。前述したように、このポンプ電流Ip2はNOx の還元分解によって生成されたO2 の濃度に応じて変化するものであるため、ECU30はこのポンプ電流Ip2の大きさに基づいてNOx 濃度を検出することができる。
【0057】
ECU30は上記のようにしてNOx 濃度の検出処理を実行する他、所定の実行条件が満たされた場合に検出電極580に吸着している燃料の未燃成分を除去するための処理を実行する。
【0058】
因みに、この除去処理の実行条件が満たされる場合としては、前回の除去処理が行われてからの機関始動回数が所定回数を超えたときや、前回の除去処理が行われてからの機関運転時間が所定時間を超えたとき等を挙げることができる。即ち、この除去処理は検出電極580に所定量以上の未燃成分が吸着し、この未燃成分の吸着による検出特性の変化が無視できないと判断される場合に実行される。
【0059】
以下、こうした未燃成分の除去処理に関する処理手順について説明する。
まず、ECU30はこの除去処理の実行に先立ち、NOx 濃度の検出を一時的に停止する。即ち、ECU30は主ポンプセル572に対する制御電圧Vp1の印加、測定用ポンプセル582に対する検出用電圧Vp2の印加、酸素分圧検出セル590における起電力V1の検出、及び測定用ポンプセル582におけるポンプ電流Ip2の検出をいずれも停止する。尚、この場合でも、ヒータ部510への通電制御は引き続き実行され、検出部550は活性化された状態に維持される。
【0060】
次に、図5に示すように、ECU30は駆動回路を通じて測定用ポンプセル582の各電極580,581間に、検出用電圧Vp2とはその極性が反転された除去用電圧Vrを印加する。即ちこの場合、除去用電圧Vrは検出電極580を陽極、基準電極581を陰極にそれぞれ設定して両電極間580,581に印加される。尚、この除去用電圧Vrは第1の固体電解質層552にブラックニングを発生させない程度の大きさ(例えば0.5〜1.0V)に設定されている。
【0061】
更にECU30は、補助電極583を検出電極580と同様、陽極に設定し、この補助電極583と陰極に設定された基準電極581との間にも除去用電圧Vrを印加する。
【0062】
このように各電極580,581,583の間に除去用電圧Vrが印加される結果、補助電極583と基準電極581との間には検出電極580と基準電極581との間の電界E1と同じ向きの電界E2が形成される。そして、これら各電極580,581,583間に形成される電界E1,E2により基準電極581から検出電極580及び補助電極583に向け酸素イオンが移動するようになる。
【0063】
ここで、補助電極583は検出電極580の周縁部分に近接して配設されていることから、補助電極583と基準電極581との間に形成される電界E2は検出電極580の周縁部分の近傍に形成されるようになる。従って、この電界E2により検出電極580の周縁部分と基準電極581との間における電束の漏れが抑制されるようになる。このため、第1の固体電解質層552にブラックニングが発生しない程度に除去用電圧Vrを低く設定していても、検出電極580の周縁部分と基準電極581との間に十分な強度の電界を形成することができるようになる。
【0064】
その結果、検出電極580の中央部分のみならず、その周縁部分に対しても基準電極581側から十分な量の酸素イオンが供給されるようになるため、検出電極580に吸着している未燃成分をこの酸素イオンによって確実に燃焼させて除去することができる。
【0065】
このように本実施形態によれば、
(1)除去用電圧Vrを極力低く抑えてブラックニングに起因した第1の固体電解質層552の変質や強度低下を抑制しつつ、同層552に吸着した未燃成分を確実に除去することができ、NOx 濃度検出装置における所期の検出特性を長期間安定して維持することができるようになる。
【0066】
(2)また、上記補助電極583により検出電極580を略全周に亘り囲むようにしているため、未燃成分の除去を検出電極580全体に亘って確実に行うことができ、これら未燃成分が検出電極580に吸着することに起因した検出特性の変化をより確実に抑制することができるようになる。
【0067】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0068】
上記第1の実施形態では検出電極580に吸着した未燃成分を効果的に除去するために、補助電極583と検出電極580とを同極(陽極)に設定し、これら各電極580,583と基準電極581(陰極)との間に除去用電圧Vrを印加するようにしたが、本実施形態ではこの除去用電圧Vrの印加態様が上記第1の実施形態と相異している。
【0069】
即ち、本実施形態では、図6に示すように、前述した未燃成分の除去処理を実行する際に、補助電極583を基準電極581と同様、陰極に設定し、これら各電極581,583と検出電極580(陽極)との間に除去用電圧Vrを印加するようにしている。
【0070】
従って、検出電極580と補助電極583との間に電界E3が形成され、検出電極580と基準電極581との間の電界E1によって生じる両電極580,581間の酸素イオンの移動に加えて検出電極580と補助電極583との間においても酸素イオンが移動するようになるため、検出電極580の周縁部分に十分な量の酸素イオンを供給することができるようになる。その結果、除去用電圧Vrを極力低く抑えたつつ、検出電極580の周縁部分に吸着した未燃成分を確実に燃焼させて除去することができ、本実施形態においても上記第1の実施形態に記載した(1)及び(2)と同等の作用効果を奏することができるようになる。
【0071】
更に、こうした電界E3が形成される補助電極583と基準電極581との間の距離は第1の固体電解質層552の厚さ、換言すれば検出電極580と基準電極581との間の間隔よりも十分に狭く設定されていることから、この電界E3の強度を検出電極580と基準電極581との間における電界E1の強度よりも更に増大させることができるようになる。
【0072】
従って、本実施形態によれば、
(3)この電界E3によって生じる酸素イオンの移動により検出電極580の周縁部分に吸着した未燃成分をより確実に除去することができ、また、その除去処理に要する時間の短縮化を図ることもできるようになる。
【0073】
また、このように上記除去時間の短縮化を図るうえでは、発熱体513の発熱量を増大させて検出部550の温度を更に上昇させることにより、酸素イオンが移動する際の第1の固体電解質層552内における抵抗を減少させて酸素イオンの移動量を増大させるといった方法も有効である。しかしながら、この方法ではNOx 濃度検出装置における消費電力量の増大が避けられないものとなる。
【0074】
この点、本実施形態によれば、
(4)こうしたNOx 濃度検出装置における消費電力量の増大を招くことなく上記除去処理に要する時間の短縮化を図ることができるようになる。
【0075】
[第3の実施形態]
次に、本発明に係る第3の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0076】
本実施形態では検出電極間に流れる限界電流の大きさに基づいて排出ガスの酸素濃度を検出し、その酸素濃度からエンジン10に供給される混合気の空燃比を間接的に検出するようにした空燃比検出装置として本発明を具体化するようにしている。
【0077】
この空燃比検出装置は上記NOx 濃度検出装置におけるセンサ本体500と同様、その先端側部分が排出ガスに接触するように排気管20に取り付けられたセンサ本体600と、同センサ本体600を通電制御するECU30とによって構成されている。
【0078】
図7は上記センサ本体600の先端側部分を示す斜視図であり、図8は図7の8−8線に沿った断面図である。
センサ本体600は全体が矩形板状をなしており、ヒータ部610と同ヒータ部610上に積層された検出部650とを有して構成されている。
【0079】
ヒータ部610は第1の基板層611、この第1の基板層611に積層された第2の基板層612、これら両基板層611,612の間に介在された発熱体613、同発熱体613を被覆する絶縁層614によって構成されている。上記各基板層611,612はいずれも、ZrO2 等の酸素イオン伝導性を有した固体電解質材料によって形成されており、発熱体613はPt等の電導性材料によって形成されている。また、絶縁層614はAl2 O3 等の絶縁性セラミック材料により形成されている。
【0080】
一方、検出部650は全体がコ字形状をなすスペーサ層651と固体電解質層652とが前記第2の基板層612上に順に積層されることにより構成されている。これら各層651,652はいずれも、ヒータ部610の各基板層611,612と同様の固体電解質材料によって形成されている。
【0081】
スペーサ層651を挟んで第2の基板層612と固体電解質層652との間には大気導入空間660が設けられている。この大気導入空間660は第2の基板層612の上面、スペーサ層651の内壁面、固体電解質層652の下面によって区画されており、その基端側部分(図7の右側部分)が開放されることにより、その内部に大気が導入されるようになっている。
【0082】
固体電解質層652の上面には排出ガスに接触する第1の検出電極680が設けられている。また、固体電解質層652の下面において同層652を挟んで第1の検出電極680と対応する位置には第2の検出電極681が設けられている。これら各電極680,681はいずれもPt等の金属とZrO2 等のセラミックスとからなる多孔質サーメット材料によって略矩形状に形成されている。
【0083】
これら各検出電極680,681と、固体電解質層652において両検出電極680,681に挟まれた部分とにより、限界電流値測定用セル682が構成されている。
【0084】
また、固体電解質層652の上面において第1の検出電極680の周囲には補助電極683が隣接して設けられている。この補助電極683は後述するように第1の検出電極680に吸着した炭化水素等の燃料の未燃成分や酸素といった吸着物質を効果的に除去するためのものである。
【0085】
補助電極683は各検出電極680,681と同様の多孔質サーメット材料により帯状(線幅:例えば0.3〜0.7mm)に形成されており、図7に示すように、上記第1の検出電極680を略全周に亘り囲むようにして設けられている。更に、補助電極683は第1の検出電極680の周縁部から極めて短い間隔(例えば100〜150μm)を隔てて配置されており、これら両者の間隔は固体電解質層652の厚さ(例えば600〜800μm)よりも十分に狭く設定されている。
【0086】
更に、固体電解質層652上には、第1の検出電極680を覆うようにしてAl2 O3 等の多孔質材料からなる拡散律速層690と、補助電極683を覆うようにして同じくAl2 O3 等の多孔質材料からなる保護層691とがそれぞれ設けられている。拡散律速層690は第1の検出電極680に接触する排出ガスを拡散律速させる機能を有するものである。また、保護層691は補助電極683に未燃成分や酸素が吸着するのを抑制する機能を有するものであり、上記拡散律速層690よりも緻密な多孔質材料によって形成されている。
【0087】
次に、上記空燃比検出装置による空燃比の検出手順について説明する。
まず、空燃比の検出を開始するのに先立ち、ECU30は駆動回路(図示略)を通じてヒータ部610の発熱体613を通電制御することにより検出部650の各層651,652を酸素イオンの移動可能な活性化された状態になるまで加熱する。
【0088】
次に、ECU30は限界電流値測定用セル682の第1の検出電極680を陰極に設定するとともに、第2の検出電極681を陽極に設定して両検出電極680,681間に検出用電圧(例えば1.0V)を印加する。この検出用電圧が印加されることにより、両検出電極680,681間には第1の検出電極680に接触する排出ガスの酸素濃度に応じた限界電流が流れるようになる。ECU30はこの限界電流の大きさを入力回路(図示略)を通じて読み込む。
【0089】
因みに、排出ガス中における酸素濃度はエンジン10に供給される混合気の空燃比に応じて変化するものであり、例えば空燃比がリーンになるほど酸素濃度は増大し、逆に空燃比がリッチになるほど酸素濃度は減少するようになる。従って、ECU30はこの酸素濃度に応じて変化する限界電流に基づいて混合気の空燃比を検出することができる。
【0090】
ECU30は上記のようにして空燃比の検出処理を実行する他、所定の実行条件が満たされた場合に第1の検出電極680に吸着している燃料の未燃成分や酸素を除去するための処理を実行する。この除去処理は第1の検出電極680に所定量以上の未燃成分や酸素が吸着することにより、第1の実施形態における除去処理の実行条件と同様、検出特性の変化が無視できないと判断される場合に実行される。
【0091】
まず、ECU30はこの除去処理の実行に先立ち、空燃比の検出を一時的に停止する。即ち、ECU30は限界電流値測定用セル682における各検出電極680,681間の検出用電圧の印加、限界電流の検出をいずれも停止する。尚、この場合でも、ヒータ部610への通電制御は引き続き実行され、検出部650は活性化された状態に維持される。
【0092】
次に、図9(拡散律速層690及び保護層691の図示は省略する)に示すように、ECU30は駆動回路を通じて限界電流値測定用セル682の各電極680,681間に、検出用電圧とはその極性が反転された除去用電圧Vrを印加する。即ちこの場合、除去用電圧Vrは第1の検出電極680を陽極、第2の検出電極681を陰極にそれぞれ設定して両電極間680,681に印加される。尚、この除去用電圧Vrは第1の固体電解質層552にブラックニングを発生させない程度の大きさ(例えば0.5〜1.0V)に設定されている。
【0093】
更にECU30は、補助電極683を第2の検出電極681と同様、陰極に設定し、この補助電極683と陽極に設定された第1の検出電極680との間にも除去用電圧Vrを印加する。
【0094】
従って、第1の検出電極680と補助電極683との間に電界が形成され、第1の検出電極680と第2の検出電極681との間の電界によって生じる両電極680,681間の酸素イオンの移動に加え、第1の検出電極680と補助電極683との間においても酸素イオンが移動するようになるため、第1の検出電極680の周縁部分に十分な量のO2 を供給することができるようになる。その結果、除去用電圧Vrを極力低く抑えつつ、第1の検出電極680の周縁部分に吸着した未燃成分を確実に燃焼させて除去することができるため、本実施形態においても第1及び第2の実施形態にて記載した上記(1)〜(4)と同等の作用効果を奏することができる。
【0095】
更に、ECU30はこうした未燃成分の除去処理を所定時間実行した後、引き続き第1の検出電極680に吸着した酸素を除去するための処理を実行する。
即ち、図10(拡散律速層690及び保護層691の図示は省略する)に示すように、ECU30は除去用電圧Vrの極性を反転し、第1の検出電極680を陰極に、第2の検出電極681及び補助電極683を陽極にそれぞれ設定して除去用電圧Vrをこれら各電極680,681,683に印加する。またこの場合、ECU30は除去用電圧Vrの大きさを検出用電圧よりも大きく、且つ、固体電解質層652にブラックニングが発生しない程度の大きさ(例えば1.2〜1.3V)に設定する。
【0096】
そして、このように未燃成分の除去処理を行うときと極性が反転した除去用電圧Vrが各電極680,681,683間に印加されることにより、第1の検出電極680から第2の検出電極681及び補助電極683側に向けて酸素イオンを移動させる電界が形成されるようになる。その結果、第1の検出電極680に吸着している酸素はこの電界により同電極680から脱離し、酸素イオンとして第2の検出電極681及び補助電極683側に移動するようになるため、同電極680から酸素を除去することができるようになる。
【0097】
ここで、補助電極683は第1の検出電極680の周縁部分に近接して配設されていることから、これら各電極680,683間に形成される電界は第1の検出電極680の周縁部近傍においても十分な強度を有して形成されるようになる。
【0098】
従って、本実施形態によれば、
(5)除去用電圧Vrをブラックニングが発生しない程度に除去用電圧Vrを低く設定していても、第1の検出電極680と補助電極683との間に形成される電界により第1の検出電極680の周縁部分から十分な量の酸素を脱離させて確実に除去することができるため、空燃比検出装置における所期の検出特性を長期間安定して維持することができるようになる
(6)更に、未燃成分の除去処理と酸素の除去処理とを連続して実行するようにしているため、これら除去処理の実行に伴って空燃比の検出処理が頻繁に停止されてしまうのを回避しつつ、未燃成分及び酸素の双方を第1の検出電極680から除去することができるようになる。
【0099】
[第4の実施形態]
次に、本発明に係る第4の実施形態について上記第3の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第3の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0100】
上記第3の実施形態では未燃成分の除去処理を所定時間実行した後、除去用電圧Vrの極性を反転して酸素の除去処理を実行するようにし、これら各除去処理が実行される時間については特に規定していないが、本実施形態ではこれら各除去処理が連続して実行される時間を極力短く設定するとともに、これら各除去処理を交互に繰り返して実行するようにしている。従って、第1の検出電極680と第2の検出電極681及び補助電極683との間にはその極性が周期的に反転する除去用電圧Vrが印加されるようになる。因みに、これら各除去処理のそれぞれの継続時間としては例えば0.05〜0.5sec.(除去用電圧Vrの反転周期にすれば1〜10Hz)を選択することができる。
【0101】
一般に、固体電解質層652におけるブラックニングの発生は両検出電極680,681に印加される除去用電圧Vrの大きさのみならず、その除去用電圧Vrが連続して印加される時間によっても影響を受ける。例えば、除去用電圧Vrを相対的に低く設定した場合でも、除去用電圧Vrの連続印加時間が長くなればブラックニングは発生し易くなり、逆に除去用電圧Vrを相対的に高く設定した場合でも、同連続印加時間が短ければブラックニングは発生し難くなる。
【0102】
この点、本実施形態にあっては、極性が周期的に反転する除去用電圧Vrを両検出電極680,681間に印加するようにしているため、各除去処理が実行される総時間を変えることなく、両検出電極680,681間に同じ向きの電圧が連続して印加される時間を大幅に短縮することができる。
【0103】
(7)従って、本実施形態によれば、固体電解質層652におけるブラックニングの発生を確実に抑制することができ、同ブラックニングに起因した固体電解質層652の変質や強度低下を更に確実に抑制することができるようになる。
【0104】
[第5の実施形態]
次に、本発明に係る第5の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0105】
本実施形態では排出ガスと大気との酸素分圧差(酸素濃度差)に応じて各検出電極間に発生する起電力を検出し、その起電力に基づいて混合気の空燃比を間接的に検出するようにした空燃比検出装置として本発明を具体化するようにしている。
【0106】
この空燃比検出装置は上記NOx 濃度検出装置におけるセンサ本体500と同様、その先端側部分が排出ガスに接触するように排気管20に取り付けられたセンサ本体700と、同センサ本体700を通電制御するECU30とによって構成されている。
【0107】
図11はセンサ本体700の先端側部分を示す斜視図であり、図12は同先端側部分の縦断面図である。
センサ本体700は略有底円筒状に形成された固体電解質体752を含む検出部750と、同検出部750の内部に挿入され、発熱体713を内蔵するたヒータ部710とを有して構成されている。固体電解質体752はZrO2 等の酸素イオン伝導性を有した固体電解質材料によって形成されている。また、ヒータ部710はAl2 O3 等の絶縁性セラミック材料により形成されており、発熱体713はPt等の電導性材料によって形成されている。
【0108】
固体電解質体752の外周面にはその一部を覆うようにして検出電極780が設けらている。図13は検出電極780を平面上に展開して示す展開図である。検出電極780は略矩形状の展開形状を有しており、固体電解質体752の外周面に巻き付けられるようにして同外周面上に設けられている。排気管20内を通過する排出ガスはこの検出電極780に接触する。
【0109】
また、図12に示すように、固体電解質体752の内周面において同固体電解質体752を挟んで上記検出電極780と対応する部分には基準電極781が設けられている。固体電解質体752はその基端側部分(図12の上側部分)が開放されることにより、内部に酸素分圧が一定の大気が基準ガスとして導入されている。基準電極781はこのように固体電解質体752の内部に導入される大気に接触する。
【0110】
これら各検出電極780及び基準電極781と、固体電解質体752において検出電極780と基準電極781とに挟まれた部分とにより、起電力測定用セル782が構成されている。
【0111】
また、図11及び図13に示すように、固体電解質体752の外周面上において検出電極780の周囲には補助電極783が隣接して設けられている。この補助電極783は後述するように検出電極780に吸着した炭化水素等の燃料の未燃成分や酸素といった吸着物質を効果的に除去するためのものである。
【0112】
補助電極783は各電極780,781と同様の多孔質サーメット材料により帯状(線幅:例えば0.5〜1mm)に形成されており、検出電極780を略全周に亘り囲むようにして設けられている。更に、補助電極783は検出電極780の周縁部から極めて短い間隔(例えば100〜150μm)を隔てて配置されており、これら両者の間隔は固体電解質体752の厚さ(例えば600〜800μm)よりも十分に狭く設定されている。
【0113】
次に、上記空燃比検出装置による空燃比の検出手順について説明する。
まず、空燃比の検出を開始するのに先立ち、ECU30は駆動回路(図示略)を通じてヒータ部710の発熱体713を通電制御することにより、同発熱体を発熱させ、その熱により固体電解質体752を所定温度(例えば400〜900℃)にまで加熱する。その結果、固体電解質体752は酸素イオンが移動可能な活性化された状態になる。
【0114】
次に、ECU30は起電力測定用セル782の両電極780,781間に発生する起電力を入力回路を通じて読み込む。前述したように、検出電極780と基準電極781との間には排出ガスと大気との酸素分圧差に応じた起電力が発生するようになる。また、この起電力の大きさは大気の酸素分圧が一定であることから、排出ガスの酸素分圧に応じて変化するようになる。更に、この酸素濃度は空燃比の大きさに応じて変化するため、この起電力の大きさに基づいて空燃比を検出することができる。
【0115】
因みに、ECU30はこの起電力が所定値(例えば0.45V)以上である場合には空燃比を理論空燃比よりもリッチとして検出し、同起電力が所定値未満である場合には空燃比を理論空燃比よりもリーンとして検出する。
【0116】
ECU30は上記のようにして空燃比の検出処理を実行する他、所定の実行条件が満たされた場合に検出電極780に吸着している燃料未燃成分や酸素を除去するための処理を実行する。この除去処理は第1の実施形態における除去処理と同様、未燃成分や酸素が検出電極780に吸着することに起因した検出特性の変化が無視できないと判断される場合に実行される。
【0117】
まず、ECU30はこの除去処理の実行に先立ち、空燃比の検出を一時的に停止する。即ち、ECU30は起電力測定用セル782の各電極780,781間における起電力の読み込みを停止する。尚、この場合でも、ヒータ部710への通電制御は引き続き実行され、固体電解質体752は活性化された状態に維持される。
【0118】
次に、ECU30は駆動回路を通じて起電力測定用セル782の各電極780,781間にブラックニングを発生させない程度(例えば0.5〜1.0V)の除去用電圧Vrを印加する。この際、ECU30は、第4の実施形態と同様、除去用電圧Vrを交番的に両電極780,781間に印加する。
【0119】
即ち、ECU30は、
・検出電極780及び補助電極783を陽極、基準電極781を陰極にそれぞれ設定して両電極間780,781に除去用電圧Vrを印加する。
【0120】
・検出電極780及び補助電極783を陰極、基準電極781を陽極にそれぞれ設定して両電極間780,781に除去用電圧Vrを印加する。
といった2つの除去用電圧Vrの印加態様を所定周期で交互に切り替える。
【0121】
従って、第1の実施形態と同様、検出電極780の周縁部分と基準電極781との間には十分な強度の電界が形成されるようになり、同周縁部分に十分な量の酸素イオンを基準電極781から供給して未燃成分を燃焼させることができるとともに、同周縁部分に吸着している酸素を確実に脱離させることができるようになる。その結果、本実施形態によれば、第1の実施形態において記載した(1),(2)と同等の作用効果を奏することができるのに加え、
(8)検出電極780の周縁部分に吸着した未燃成分及び酸素の双方を除去することができ、これら吸着物質が検出電極780に吸着することに起因した空燃比の検出特性変化を確実に抑制することができるようになる。
【0122】
更に、除去用電圧Vrを交番的に印加するようにしているため、第4の実施形態において記載した(7)と同等の作用効果を奏することもできる。
[第6の実施形態]
次に、本発明に係る第6の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0123】
図14は本実施形態におけるNOx 濃度検出装置のセンサ本体500の先端側部分を示す斜視図であり、図15は図14の15−15線に沿った断面図である。これら各図に示すように、本実施形態では検出電極580を櫛歯状に形成するとともに、補助電極583も同様に櫛歯状に形成し、これら検出電極580と基準電極581とを噛み合わせるようにして第2の固体電解質層554上に配設している。これら各電極580,581において噛み合わされる各部分は互いに極めて短い間隔(例えば100〜150μm)を隔てて隣接しており、両者の間隔は第2の固体電解質層554の厚さよりも十分に狭く設定されている。
【0124】
そして、図15に示すように、NOx 濃度を検出する場合、ECU30は検出電極580及び補助電極583を電気的に接続し、これら電極580,583と基準電極581との間に検出用電圧Vp2を印加する。従って、補助電極583は実質的に検出電極580と同様、NOx 還元触媒の機能を有したポンピング電極として機能するようになる。そして、前述したように、ECU30はこれら各電極580,583と基準電極581との間に流れるポンプ電流Ip2に基づいてNOx 濃度を検出する。
【0125】
一方、検出電極580に吸着している未燃成分や酸素を除去する場合、ECU30は検出電極580と補助電極583との電気的な接続を解除するとともに、駆動回路を通じてこれら検出電極580と補助電極583との間に除去用電圧Vrを印加する。
【0126】
ここで、ECU30は除去用電圧Vrの印加態様を図16(a)に示すように、検出電極580を陽極に、補助電極583を陰極に設定した態様と、同図(b)に示すように、検出電極580を陰極に、補助電極583を陽極に設定した態様との間で交互に切り替え、同除去用電圧Vrの極性を例えば1〜10Hzといった周期で反転させる。
【0127】
こうした印加態様にて除去用電圧Vrが印加されることにより、検出電極580と補助電極583との間の第2の固体電解質層554には、同図(a),(b)に矢印で示すように、その向きが周期的に変化する電界が形成される。その結果、検出電極580及び補助電極583に吸着している未燃成分や酸素をこの電界によって生じる酸素イオンの移動に基づいて除去することができる。
【0128】
ここで、本実施形態では、これら検出電極580及び補助電極583をいずれも櫛歯状に形成し、互いに噛み合うようにして第2の固体電解質層554上に配設している。従って、これら両電極580,583の噛み合う部分を極めて近接した状態に配置することができ、両電極580,583の間に十分な強さの電界を形成することができるようになる。
【0129】
従って、本実施形態によれば、
(9)除去用電圧Vrを極めて低く抑えつつ、検出電極580及び補助電極583の双方に吸着している未燃成分及び酸素を確実に除去することができ、また、その除去処理に要する時間の短縮化を図ることもできるようになる。
【0130】
更に、除去用電圧Vrを交番的に印加するようにしているため、第4の実施形態において記載した(7)と同等の作用効果を奏することもできる。
以上、本発明を具体化した各実施形態について説明したが、これら各実施形態は以下のように構成を変更して実施することもできる。
【0131】
・第3の実施形態において、補助電極683を被覆するように設けられた保護層691は第1の検出電極680を被覆するように設けられた拡散律速層690よりも緻密な多孔質材料によって形成されているため、補助電極683は第1の検出電極680よりも吸着物質が吸着し難くいものとなっている。このため、この補助電極683を第1の検出電極680における吸着物質の吸着量を推定するために利用することができる。
【0132】
即ち、第1の検出電極680及び補助電極683を陰極に設定するとともに、第2の検出電極681を陽極に設定してこれら電極680,681,683間に検出用電圧を印加する。この際、第1の検出電極680と第2の検出電極681との間に流れる限界電流に加え、補助電極683と第2の検出電極681との間に流れる限界電流をも同時に検出する。
【0133】
ここで、補助電極683は第1の検出電極680よりも吸着物質が吸着し難くいため、補助電極683と第2の検出電極681との間に流れる限界電流は、第1の検出電極680と第2の検出電極681との間に流れる限界電流と比較して吸着物質による影響を受け難いものとなる。
【0134】
従って、吸着物質が吸着していないときに、第1の検出電極680と第2の検出電極681との間に流れる限界電流の大きさを補助電極683と第2の検出電極681との間に流れる限界電流の大きさと関連付けて予め記憶しておけば、この記憶されている関係と検出される各限界電流の大きさに基づいて第1の検出電極680における吸着物質の吸着量を推定することができるようになる。
【0135】
・第1の実施形態では検出電極580及び補助電極583を陽極に、基準電極581を陰極に設定して除去用電圧を印加することにより検出電極580に吸着した未燃成分を燃焼させて除去するようにしたが、検出電極580及び補助電極583を陰極に、基準電極581を陽極に設定して除去用電圧を印加することにより検出電極580に吸着した酸素を脱離させて除去するようにしてもよい。
【0136】
・第2の実施形態では基準電極581及び補助電極583を陰極に、検出電極580を陽極に設定して除去用電圧を印加することにより検出電極580に吸着した未燃成分を燃焼させて除去するようにしたが、基準電極581及び補助電極583を陽極に、検出電極580を陰極に設定して除去用電圧を印加することにより検出電極580に吸着した酸素を脱離させて除去するようにしてもよい。
【0137】
・第3の実施形態では補助電極683及び第2の検出電極681を陰極に第1の検出電極680を陽極に設定して除去用電圧を印加した後、その極性を反転して除去用電圧を印加するようにしたが、最初に補助電極683及び第2の検出電極681を陽極に第1の検出電極680を陰極に設定して除去用電圧を印加した後、その極性を反転して除去用電圧を印加するようにしてもよい。
【0138】
・第4の実施形態において、第1の検出電極680及び補助電極683を陰極に第2の検出電極681を陽極に設定して除去用電圧を印加する印加態様と、第1の検出電極680及び補助電極683を陽極に第2の検出電極681を陰極に設定して除去用電圧を印加する印加態様とを周期的に切り替えるようにしてもよい。
【0139】
・第5の実施形態において、検出電極780及び基準電極781を陽極に補助電極783を陰極に設定して除去用電圧を印加する印加態様と、その極性を反転して検出電極780及び基準電極781を陰極に補助電極783を陽極に設定して除去用電圧を印加する印加態様とを周期的に切り替えるようにしてもよい。
【0140】
・第6の実施形態では除去用電圧を上記各電極580,583間に印加する際にその極性を周期的に反転させるようにしたが、こうした極性の反転を行わないようにしてもよい。
【0141】
・第6の実施形態では検出電極580と補助電極583との間にのみ除去用電圧を印加するようにしたが、これに加え、基準電極581を補助電極583と同極に設定し同基準電極581と検出電極580との間にも除去用電圧を印加するようにしてもよい。
【0142】
・上記第1〜5の実施形態では、補助電極583,683,783と他の電極(580,581,680,681,780,781)との間に印加される除去用電圧の大きさと、各検出電極580,780(或いは第1の検出電極680)及び基準電極581,781(或いは第2の検出電極681)間に印加される除去用電圧の大きさとを等しく設定するようにしたが、これら除去用電圧の大きさを異なるように設定することもできる。
【0143】
・第1、2、5の実施形態において補助電極583,783を基準電極581,783の周囲に、第3及び第4の実施形態において補助電極683を第2の検出電極681の周囲に設けるようにしてもよい。
【0144】
・第6の実施形態では検出電極580及び補助電極583を櫛歯状に形成してこれら各電極580,583を噛み合わせるようにしたが、同補助電極583と基準電極581とを櫛歯状に形成してこれら各電極581,583を噛み合わせる構成を採用することもできる。
【0145】
・第1、2、6の実施形態ではNOx 濃度検出装置、第3及び第4の実施形態では限界電流式の空燃比検出装置、また、第5の実施形態では濃淡電池式の空燃比検出装置についてそれぞれ説明したが、これら各実施形態や上記各変更例において示した構成はこうしたNOx 濃度検出装置、限界電流式の空燃比検出装置、濃淡電池式の空燃比検出装置のいずれにも適用することができる。
【0146】
以上の各実施形態から把握できる技術的思想についてその効果とともに記載する。
・請求項1乃至14のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、前記第3の電極と前記第1の電極との間の間隔を前記第1の電極と前記第2の電極との間の間隔よりも狭く設定したことを特徴とする酸素濃度検出装置。
【0147】
上記構成によれば、第1の電極の周縁近傍に形成される電界の強度を更に増大させることができ、第1の電極の吸着物質をより確実に除去することができるようになる。
【0148】
【発明の効果】
請求項1乃至14に記載した発明によれば、第1の電極に酸素イオンを供給し同電極に吸着している未燃成分を燃焼させて同電極から除去する場合であれ、或いは第1の電極に吸着している酸素を脱離させて同電極から除去する場合であれ、除去用電圧を極力低く抑えつつ確実な吸着物質の除去を行うことができるようになる。その結果、素子の変質や強度低下を抑制しつつ第1の電極に吸着した吸着物質を短時間で除去することができ、酸素濃度検出装置における所期の検出特性を長期間安定して維持することができるようになる。
【0149】
特に請求項2又は6に記載した発明によれば、第1の電極の周縁部分に十分な量の酸素イオンを供給することができるため、同周縁部分に吸着した未燃成分をその供給される酸素イオンによって確実に燃焼させて除去することができるようになる。
【0150】
また、請求項3又は7に記載した発明によれば、第1の電極の周縁部分から十分な量の酸素イオンを脱離させて第2の電極へ移動させることができるため、同周縁部分に吸着した酸素を確実に脱離させ除去することができるようになる。
【0151】
更に、請求項4又は8に記載した発明によれば、第1の電極の周縁部分に吸着した未燃成分及び酸素の双方を除去することができ、これら吸着物質が第1の電極に吸着することに起因した検出特性の変化を確実に抑制することができるようになる。
【0152】
加えて、請求項9に記載した発明によれば、吸着物質の除去を第1の電極全体に亘って確実に行うことができ、これら吸着物質が第1の電極に吸着することに起因した検出特性の変化をより確実に抑制することができるようになる。
【0153】
更に、請求項10乃至12に記載した発明によれば、第1の電極及び第3の電極の噛み合う部分を極めて近接した状態にすることができるため、除去用電圧を極めて低く設定した場合であっても両電極の間には十分な強さの電界が形成されるようになる。従って、第1の電極に酸素イオンを供給し同電極に吸着している未燃成分を燃焼させて同電極から除去する場合であれ、或いは第1の電極に吸着している酸素を脱離させて同電極から除去する場合であれ、除去用電圧を極めて低く抑えつつ確実な吸着物質の除去を行うことができるようになる。その結果、素子の変質や強度低下を抑制しつつ第1の電極に吸着した吸着物質を短時間で除去することができ、酸素濃度検出装置における所期の検出特性を長期間安定して維持することができるようになる。
【0154】
特に、請求項11に記載した発明によれば、第1の電極及び第3の電極に吸着した未燃成分及び酸素の双方を確実に除去することができ、酸素濃度検出装置の検出特性を長期間より安定して維持することができるようになる。
【0155】
加えて、請求項12に記載した発明によれば、燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する際には第3の電極を第1の電極と同様、酸素濃度検出用の電極として利用することができるようになるため、第3の電極を素子上に配設することによる同素子の大型化、ひいては検出装置全体の大型化を抑制することができるようになる。
【0156】
更に、請求項13に記載した発明によれば、同じ向きの除去用電圧が素子に連続して印加される時間を極力短く設定して吸着物質の除去を行うことができるため、素子の変質や強度低下を更に確実に抑制することができるようになる。
【0157】
また、請求項14に記載した発明によれば、燃焼ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出する酸素濃度検出装置において上記作用効果を奏することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるNOx 濃度検出装置のセンサ本体を示す断面図。
【図2】同センサ本体の取付状態を示す概略構成図。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図。
【図4】図1の4−4線に沿った断面図。
【図5】除去用電圧の印加態様を示す断面図。
【図6】第2の実施形態における除去用電圧の印加態様を示す回路図。
【図7】第3の実施形態における空燃比検出装置のセンサ本体を示す斜視図。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図。
【図9】第3の実施形態における除去用電圧の印加態様を示す回路図。
【図10】同じく除去用電圧の印加態様を示す回路図。
【図11】第5の実施形態における空燃比検出装置のセンサ本体を示す斜視図。
【図12】同センサ本体の縦断面構造を示す断面図。
【図13】検出電極及び補助電極を平面上に展開して示す展開図。
【図14】第6の実施形態における空燃比検出装置のセンサ本体を示す斜視図。
【図15】検出電圧の印加態様を示す回路図。
【図16】除去用電圧の印加態様を示す回路図。
【符号の説明】
10…エンジン、20…排気管、30…ECU、500,600,700…センサ本体、510,610,710…ヒータ部、511…第1の基板層、512…第2の基板層、513,613…発熱体、514…絶縁層、550,650,750…検出部、551…第1のスペーサ層、551a…切欠部、552…第1の固体電解質層、553…第2のスペーサ層、553a…第1の矩形孔、553b…第2の矩形孔、553c…第1の連通部、553d…第2の連通部、554…第2の固体電解質層、560…基準ガス導入空間、561…第1室、562…第2室、563…第1の拡散律速孔、564…第2の拡散律速孔、570…内側ポンプ電極、571…外側ポンプ電極、572…主ポンプセル、580,780…検出電極、581,781…基準電極、582…測定用ポンプセル、583,683,783…補助電極、590…酸素分圧検出セル、611…第1の基板層、612…第2の基板層、614…絶縁層、651…スペーサ層、652…固体電解質層、660…大気導入空間、680…第1の検出電極、681…第2の検出電極、682…限界電流値測定用セル、684…第2の補助電極、690…拡散律速層、691…保護層、782…起電力測定用セル。

Claims (14)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて前記素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、前記各電極間に除去用電圧を印加し前記素子を介して前記各電極間で酸素イオンを移動させることにより前記各電極の少なくとも一方に吸着した吸着物質を除去する除去手段とを備えた酸素濃度検出装置において、
    前記第1の電極の周縁部分に近接するように同第1の電極と隣接して第3の電極を前記素子上に配設するとともに、
    前記除去手段は前記第1の電極と前記第2の電極との間に除去用電圧を印加するときに前記第3の電極を前記第1の電極と同極にして前記第2の電極と前記第3の電極との間にも除去用電圧を印加するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  2. 請求項1に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は前記除去用電圧を印加する際に前記第1の電極及び前記第3の電極を陽極に前記第2の電極を陰極にそれぞれ設定するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  3. 請求項1に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は前記除去用電圧を印加する際に前記第1の電極及び前記第3の電極を陰極に前記第2の電極を陽極にそれぞれ設定するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  4. 請求項1に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は、前記第1の電極及び前記第3の電極を陽極に前記第2の電極を陰極にそれぞれ設定して前記除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、前記第1の電極及び前記第3の電極を陰極に前記第2の電極を陽極にそれぞれ設定して前記除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  5. 酸素イオン伝導性の固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて前記素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、前記各電極間に除去用電圧を印加し前記素子を介して前記各電極間で酸素イオンを移動させることにより前記各電極の少なくとも一方に吸着した吸着物質を除去する除去手段とを備えた酸素濃度検出装置において、
    前記第1の電極の周縁部分に近接するように同第1の電極と隣接して第3の電極を前記素子上に配設するとともに、
    前記除去手段は前記第1の電極と前記第2の電極との間に除去用電圧を印加するときに前記第3の電極を前記第2の電極と同極にして前記第1の電極と前記第3の電極との間にも除去用電圧を印加するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  6. 請求項5に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は前記除去用電圧を印加する際に前記第1の電極を陽極に前記第2の電極及び前記第3の電極を陰極にそれぞれ設定するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  7. 請求項5に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は前記除去用電圧を印加する際に前記第1の電極を陰極に前記第2の電極及び前記第3の電極を陽極にそれぞれ設定するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  8. 請求項5に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は、前記第1の電極を陽極に前記第2の電極及び前記第3の電極を陰極にそれぞれ設定して前記除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、前記第1の電極を陰極に前記第2の電極及び前記第3の電極を陽極にそれぞれ設定して前記除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
    前記第3の電極は前記第1の電極の周縁部分を略全周に亘り囲むようにして前記素子上に配設されるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  10. 酸素イオン伝導性固体電解質よりなる素子を挟んで対向するように当該素子上に配設された第1の電極及び第2の電極と、当該各電極から出力される検出信号に基づいて前記素子が配置される燃焼ガス雰囲気中の酸素の濃度を検出する酸素濃度検出手段とを備えた酸素濃度検出装置において、
    前記第1の電極を櫛歯状に形成するとともに、
    前記第1の電極と噛み合うようにして前記素子上に配設された櫛歯状をなす第3の電極と、
    前記第1の電極と前記第3の電極との間に除去用電圧を印加し前記素子を介して前記各電極間で酸素イオンを移動させることにより前記第1の電極に吸着した吸着物質を除去する除去手段と
    を更に備える
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  11. 請求項10に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は、前記第1の電極を陽極に前記第3の電極を陰極にそれぞれ設定して当該各電極間に除去用電圧を印加する第1の電圧印加態様と、前記第1の電極を陰極に前記第3の電極を陽極にそれぞれ設定して当該各電極間に除去用電圧を印加する第2の電圧印加態様とを選択的に切り替えるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  12. 請求項11に記載した酸素濃度検出装置において、
    前記第3の電極は前記第1の電極及び前記第2の電極からの検出信号に基づいて前記燃焼ガス雰囲気中の酸素濃度が検出される際に前記第1の電極と電気的に接続されるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  13. 請求項4、8、11のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
    前記除去手段は前記第1の電圧印加態様と前記第2の電圧印加態様とを交互に連続して切り替えるものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載した酸素濃度検出装置において、
    前記第1の電極は前記燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物の還元触媒として機能する還元触媒材料により形成されるものであり、
    前記酸素濃度検出手段は前記第1の電極の還元作用に基づき前記窒素酸化物から分解される酸素が同第1の電極から前記素子を介して前記第2の電極に移動するときに前記各電極間に流れる電流値に基づいて前記燃焼ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するものである
    ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
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