JP3613508B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば複写機やプリンタやファクシミリやそれらの複合機などの画像形成装置に関する。詳しくは、用紙収納部の上に画像形成部を設けて装置本体を構成し、その装置本体の前後方向に出し入れ自在に用紙収納部に給紙トレイを設け、その給紙トレイから用紙を繰り出し、その用紙に画像形成部により画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば複写機の中に、図6に示すように、その装置本体1の底部に、前後方向に出し入れ自在に給紙トレイ3を設け、また、それら給紙トレイの上側で装置本体1の前面bに、メンテナンス用の前カバー4を開閉自在に設けたものがある。
【0003】
そのため、このような複写機では、装置本体1の前面側には、運搬するときに手で持つ把手を設けるスペースがほとんどなく、結局、装置本体1の左右側面aの前後に、把手2をそれぞれ矢示する左右方向に引き出し・収納自在に設けている。しかも、それら把手2は、装置本体1を持ち運ぶときに安定性をよくするため、装置本体1の底面に設ける不図示のベース板に近い最も下側に配設している。
【0004】
そして、常時は、不使用の把手2が邪魔にならないように、それら把手を装置本体1内に押し込んで収納し、運搬時に、把手2の先端を摘まんで図6のように引き出し、それら把手2を握って装置本体1を持ち上げていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複写機等の中には、用紙搬送方向が前面b側から見て左右ないし上下方向であるものがあり、その場合、たとえば手差し給紙ユニットや両面給紙ユニットやフィニシャ等のオプション装置を取り付けるときは、装置本体1の左右側面aに取り付けるようにしていた。
【0007】
ところが、従来、左右側面aに、そのようなオプション装置があると、運搬時に、オプション装置が邪魔で把手を持ち難くく、そのため、わざわざ装置本体1からオプション装置を取り外してから、把手2を持って装置本体1を運ぶ必要があり、面倒であった。
【0008】
また、場合によっては、そのオプション装置の取外しが面倒ゆえに、それを外さずに同オプション装置の一部を掴んで全体を一度に運ぶことがある。しかし、その場合は、装置本体1の重さでそれとオプション装置の取り付けが外れて、装置本体1が落下する事故が起こることがあり、危険であった。
【0009】
さらに、従来では、上述のように把手2を装置本体1の最も下側に設けるため、装置本体1を持ち上げるときに、把手2と、たとえば床面との間に手を挟むなどの事故が発生することがあり、その点でも危険であるという課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に記載の発明は、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、用紙収納部12の上に画像形成部11を設けて装置本体10を構成し、前記用紙収納部12内に給紙トレイ19・20を前記装置本体10の前後方向Aに出し入れ自在に備え、その給紙トレイ19・20から用紙Pを繰り出し、その用紙Pに前記画像形成部11により画像を形成する画像形成装置において、前記用紙収納部12と前記画像形成部11との間に運搬用の把手40を設け、その把手40を前記装置本体10の前後方向Aに引き出し・収納自在としてなる、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、前記全把手40を収納したときにそれら把手40の引き出し側の端部を一括して被うカバー50を、前記用紙収納部12と前記画像形成部11との間に着脱自在に設けてなる、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、個々の前記把手40に、各々の引き出し側の端部40aを被うカバー60を設けてなる、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、前記カバー60を、前記把手40を収納したときに前記装置本体10の、横長カバー65のような外装カバーと一体化する形状としてなる、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の画像形成装置において、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、前記カバー60に、前記把手40を収納したときに前記装置本体10に掛け止める掛け止め部60aを設けてなる、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、この発明による画像形成装置の一例である複写機の斜視図であり、図2は、その内部機構の全体概略構成図である。
【0017】
図中符号10は、該複写機の装置本体である。装置本体10は、用紙収納部12の上側に画像形成部11を設け、その画像形成部の上側に排紙スタック部13を設け、さらにその上にスキャナ部14を設けて構成する。
【0018】
画像形成部11は、感光体15上に形成した画像を転写して用紙に記録を行う記録手段16と、その記録した用紙上の転写画像を定着する定着手段17などを備える。なお、画像形成部11には、図中手前の前面に符号18で示すメンテナンス用の前カバーを開閉自在に備える。
【0019】
用紙収納部12は、給紙トレイ19・20を上下二段に備え、また、それら給紙トレイ内に収納した用紙Pを繰り出して画像形成部11へ送り込む給紙手段21・22などを備える。そして、用紙収納部12には、給紙トレイ19・20を、それぞれ装置本体10の図1中矢印Aで示す前後方向に出し入れ自在に設ける。
【0020】
排紙スタック部13には、画像形成部11から排出される記録済用紙を受ける排紙トレイ23・24を上下二段に備える。
【0021】
スキャナ部14には、図示省略するが、内部に光学読取機構を備えるとともに、上面にコピー原稿をセットするコンタクトガラスを設け、そのコンタクトガラス上のコピー原稿を押さえる圧板などを設ける。
【0022】
さて、以上のような装置本体10には、その右側面の上下にそれぞれ両面給紙ユニット25と手差し給紙ユニット26を取り付ける。左側面には、記録済用紙を綴じて製本処理するフィニッシャ27を取り付ける。
【0023】
そして、装置本体10は、給紙バンク28の上に乗せて設置する。給紙バンク28は、内部に前後方向に出し入れ自在の給紙トレイ29・30を上下二段に備えるとともに、前記用紙収納部12と同様、給紙トレイ29・30内から用紙Pを繰り出して画像形成部11へ送り込む給紙手段31・32などを備える。下面には、四隅にキャスタ33を取り付けてなる。
【0024】
さていま、図示複写機を用いてコピーを取るときは、前記圧板を開けてコンタクトガラス上にコピー原稿をセットし、圧板を閉じてコピー原稿を押さえる。そして、コピースイッチを押し、スキャナ部14の前記光学読取機構でコピー原稿の画像を読み取り、画像形成部11で帯電・書込み・現像を行って読取画像を感光体15上に形成する。
【0025】
他方、4つの給紙トレイ19・20・29・30から1つを適宜選択し、対応する給紙手段21・22・31・32で用紙Pを繰り出して画像形成部11へ搬送し、記録手段16で感光体15上に形成した読取画像を転写して用紙Pに記録し、その記録画像を定着手段17で定着する。
【0026】
そして、片面記録の場合は、定着後、そのまま用紙Pを上方の排紙スタック部13の排紙トレイ23または排紙トレイ24の上に排出する。
【0027】
一方、両面記録の場合は、定着後、用紙Pを右側の両面記録ユニット25へ入れ、再び画像形成部11へと搬送して用紙の裏面にも記録を行ってから、排紙スタック部13へ排出する。
【0028】
他方、記録済用紙を綴じて製本処理する場合は、定着後、用紙を、装置本体10内を搬送路を通して左側のフィニシャ27へと送り、複数数枚ずつ用紙束にしてから同フィニシャで綴じ、そこに備える排紙トレイ27a上に排出する。なお、定着後に、用紙をフィニシャ27へ送ってから、綴じ処理をしないで、そのまま排紙トレイ27a上へ排出することもできる。
【0029】
また、はがき等の手差し用紙にコピーを取るときは、手差し給紙ユニット26上に手差し用紙をセットし、同様に、前記コピースイッチを押して手差し用紙を画像形成部11へと送り込み、そこで読取画像を記録して排紙スタック部13へ排出する。
【0030】
ところで、上述した複写機は、図1に示すように、装置本体10の前面側における用紙収納部12と画像形成部11との間の左右に、運搬用の把手40を、それぞれ装置本体10の前後方向Aに引き出し・収納自在に設けてなる。
【0031】
そのため、把手40は、たとえば金属製で、握りやすいように杆状につくり、たとえば図示しないが、装置本体10に設けるガイド穴を通して移動自在に設ける。そして、装置本体10内に設ける適宜ストッパに当てて移動範囲を規制する構成とし、把手40を収納したとき奥に入り過ぎないように、また引き出したとき抜き過ぎないようにする。そうして、この把手40は、常時は装置本体10内に押し込んで収納してなる。
【0032】
なお、装置本体10の後面側には、図1中点線で示すとおり、手を掛けられるように凹状につくった手掛け部41を設けてなる。
【0033】
そして、図示複写機では、たとえばユーザのオフィス等に搬入して初めて設置する場合、装置本体10は、その前面側から、把手40をA方向手前に引き出して握り、後面側から、手掛け部41に手を掛けて持ち上げて設置位置へと運ぶ。
【0034】
そうして、装置本体10を、たとえば予め床の上に置いた給紙バンク28上に載せて、同給紙バンク上に設ける位置決めピン45を装置本体10の底面に設ける不図示の位置決め穴に係合して位置決めする。しかる後、把手40は、押し込んで装置本体10内に収納する。
【0035】
また、装置本体10の右側面には、前記両面給紙ユニット25と手差し給紙ユニット26を取り付け、左側面にフィニシャ27を取り付ける。
【0036】
なお、その後、たとえば設置場所を変更するために、装置本体10を移動する場合は、それら両面給紙ユニット25・手差し給紙ユニット26・フィニシャ27を取り付けたまま、同様に前面側から把手40を引き出して握り、後面側から手掛け部41に手を掛けて持ち上げる。そして、新しい設置位置へと運ぶ。
【0037】
ところで、上述した複写機では、たとえば図3に示すように、把手40が収納状態にあるとき、装置本体10の前面における用紙収納部12と画像形成部11との間に、ガバー50を着脱自在に取り付けて、2つの把手40の引き出し側の端部をともに被って見栄えをよくする構成にするとよい。
【0038】
そのため、カバー50は、用紙収納部12と画像形成部11との間の隙間dに合せて横長板状に形成し、その内側面の両端側にそれぞれ凸状のフック50aを設ける。フック50aには、各先端の互いに向き合う側に嵌合突部50bを設けてなる。
【0039】
一方、装置本体10側には、図4に示すように、2つのフック50aと対応する位置に嵌合穴55を設ける。嵌合穴55の設置間隔L1は、フック50aの嵌合突部50b間距離L2より若干長くしてなる。
【0040】
そして、常時は、カバー50を、図3中矢示するように、用紙収納部12と画像形成部11との隙間dに取り付け、フック50aを、図4に示す嵌合穴55に押し込んで嵌合突部50bを内側で嵌合穴55の穴縁に掛け止める。そうして、カバー50で2つの把手40の引き出し側の端部を、一括して外から見えないように被う。
【0041】
一方、装置本体10を持ち運ぶために把手40を引き出すときは、カバー50を手前に引いて、嵌合突部50bを嵌合穴55の穴縁から外してフック50aを嵌合穴55から抜き出す。そして、同カバー50を装置本体10から取り外す。
【0042】
ところで、上述した例では、1つのカバー50で全把手40の引き出し側の端部を一括して被うが、たとえば図5に示すように、個々の把手40に、各々の引き出し側の端部40aを被うカバー60を設ける構成とすることもできる。
【0043】
図5に示す例では、把手40は、断面コ形状に折り曲げて杆状に形成し、その一端側の収納側の端部40bに抜け止め用の突片40cを設け、中間部に入り過ぎ防止用の規制突部40dを設けてなる。そして、他端側の引き出し側の端部40aに矩形板状のカバー60をねじ止めし、そのカバーで同端部40aを被ってなる。
【0044】
カバー60には、その片側側縁に弾性変形可能な掛け止め部60aを設ける。掛け止め部60aは、手前に向けてU字形状に折り返し、その先端外面に凸部60bを設けてなる。
【0045】
一方、前記装置本体10側には、その前面における用紙収納部12と画像形成部11との間の前記隙間に、図5に示すように横長カバー65を固定して同隙間を被ってなる。
【0046】
横長カバー65は、その長手方向両端側に、カバー60の形に合せて矩形状の窓穴65aを設ける。その窓穴65aには、片側窓縁に切欠き凹部65bを設けてなる。
【0047】
そして、常時は、把手40を、この窓穴65aを通して押し込んで前記装置本体10内に収納する。しかして、掛け止め部60aの凸部60bを、窓穴65aを通過してその切欠き凹部65bの縁に掛け、把手40を抜け止めする。また、カバー60は、窓穴65aに嵌め込み、そこを塞いで横長カバー65と記装置本体10の前面側で外観上一体化する。
【0048】
しかして、前記装置本体10を持ち運ぶべく把手40を取り出すときは、掛け止め部60aの先端を押して撓ませ、凸部60bを切欠き凹部65bの縁から外し、窓穴65aを通して把手40を引き出す。
【0049】
【発明の効果】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、運搬用の把手を装置本体の前後方向に引き出し・収納自在に設ける構成とするから、従来のように装置本体の左右側面にオプション装置が組み付けられていても、運搬時に、いちいち装置本体からオプション装置を取り外す必要がなく、そのまま簡単に把手を持って画像形成装置を持ち運ぶことができる。また、オプション装置の一部を掴んで運ぶようなこともなく、そのため、従来のようにオプション装置の取り付けが外れて装置本体が落下する危険もなく、安全に画像形成装置を持ち運ぶことができる。
【0050】
さらに、請求項1に記載の発明では、その運搬用の把手を、用紙収納部と画像形成部との間の高さ位置に設けるため、運搬時に、把手と床面との間に手を挟むなどの事故が発生することを防止し、安全性をアップさせることができる。
【0051】
請求項2および3に記載の発明によれば、加えて、把手の引き出し側端部をカバーで被うため、画像形成装置の見栄えをよくすることができる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、全把手の引き出し側の端部を一括して被うカバーを着脱自在に設け、把手を引き出すときは必ずカバーを外す必要があり、そのため、画像形成装置の使用時に、不用意に把手が引き出されることを防止することができる。
【0053】
請求項4に記載の発明によれば、個々の把手の引き出し側端部を被うカバーを、把手を収納したときに装置本体の外装カバーと一体化する形状とすることにより、画像形成装置の前面側を凹凸の少ないスッキリした外観にして一層見栄えをよくすることができる。また、個々の把手を引き出すときに、装置本体の外装カバーをいちいち外す必要をなくすこともできる。
【0054】
請求項5に記載の発明によれば、そのカバーに、把手を収納したときに装置本体に掛け止める掛け止め部を設けることにより、画像形成装置の使用時に、誤って同把手が引き出されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による複写機の装置本体を給紙バンク上に設置する状態を示す斜視図である。
【図2】その複写機のオプション装置を含む全体の内部機構を示す全体概略構成図である。
【図3】その複写機の装置本体に把手を被うカバーを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図4】そのカバーの取付状態を示す縦断面図である。
【図5】カバーで把手の引き出し側の端部を被う他の例を示す斜視図である。
【図6】従来の複写機の斜視図である。
【符号の説明】
10 装置本体
11 画像形成部
12 用紙収納部
19・20 給紙トレイ
40 把手
40a 把手の引き出し側端部
50・60 カバー
60a 掛け止め部
P 用紙

Claims (5)

  1. 用紙収納部の上に画像形成部を設けて装置本体を構成し、前記用紙収納部内に給紙トレイを前記装置本体の前後方向に出し入れ自在に備え、その給紙トレイから用紙を繰り出し、その用紙に前記画像形成部により画像を形成する画像形成装置において、
    前記用紙収納部と前記画像形成部との間に運搬用の把手を設け、その把手を前記装置本体の前後方向に引き出し・収納自在としてなる、画像形成装置。
  2. 前記全把手を収納したときにそれら把手の引き出し側の端部を一括して被うカバーを、前記用紙収納部と前記画像形成部との間に着脱自在に設けてなる、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 個々の前記把手に、各々の引き出し側の端部を被うカバーを設けてなる、請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記カバーを、前記把手を収納したときに前記装置本体の外装カバーと一体化する形状としてなる、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記カバーに、前記把手を収納したときに前記装置本体に掛け止める掛け止め部を設けてなる、請求項3または4に記載の画像形成装置。
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