JP3612878B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用紙上に画像を再現する装置として、電子写真方式やインクジェット方式等を利用したプリンタや複写機が知られている。これらのプリンタや複写機は、用紙上にトナーやインク等の着色材料を付着して画像を再現する。同じ1頁の画像であっても、文字数や文字の太さが異なったり、或いは写真のような中間調を含んでいたりするので、画像の黒白比に関する条件は様々である。従って、同じ1頁の画像を再現する場合であっても、黒白比によって着色材料の消費量が変わり、ランニングコストに影響してくる。特に黒白比の高い(黒が多い)画像を再現する場合は、たとえ試し刷りのように一時的にしか必要のない場合であっても、比較的高いコストがかかってしまう。このような無駄なコストをできるだけ削減するためにトナーセーブモードを備えた装置や回路が提案又は実用化されている(例えば、Hewlett Packard社製のプリンタであるLaser Jet4或いは、Destiney社製の回路であるEET ASIC)。
上記のトナーセーブモードでは、画像のデータを1ドットおきにドットを間引きして、印字されるドット数をおよそ半分にして着色材料の消費量を削減する。例えば、図1に示すように、「A」の文字を示す画像データを印字する場合、上記の従来装置や回路では、図2に示されるような状態で印字出力する。この場合、印字結果として全体に濃度の薄い画像となるが、試し刷りのような場合や、あまり画像品位を必要としない場合(文字として読めれば十分である場合)には有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したトナーセーブモードは、黒白比(トナーやインクの付着量)の高い画像に対してより有効に機能する。文字画像では、その黒白比は数パーセント程度である。これに対して写真のような中間調画像では、全面を印字すると黒白比が30パーセント以上になり、50パーセントを超えることも珍しくない。すなわち、トナーセーブモードは、中間調画像に対してより効果的といえる。
しかし、従来のトナーセーブモードの設定時には、単純なドットデータの間引き処理によってトナーの消費量の削減が行なわれているため、面積階調方式で表現されている中間調画像に間引き処理を施すと、階調表現の線形性が失われる。この現象を図3〜図5を用いて説明する。面積階調方式は、n×nドットのサブマトリクスを1画素として取り扱い、中間調画像の各画素の濃淡をサブマトリクス内に占める黒画素の割合を変化させることで表現する。面積階調方式を採用する画像形成装置では、各ドットの濃淡を多値データで表す中間調画像のイメージデータに対して、周知のディザ法による面積階調処理を施して2値のビットイメージデータを形成する。図3は、4×4ドットのサブマトリクスを1画素として16階調の濃淡を表現する場合の合計16個のディザパターンを示す。この各ディザパターンに1ドット毎の間引き処理を施すと、図4又は図5のようになる。各パターン内のドットデータが間引かれるため、階調数が減少するのは当然である。さらに、両者共に濃度の変化が一様でなく、同じ濃度が何度も続いたり、すぐに次の濃度に変化したりしているので、リニアな階調表現が失われていることが理解される。
【0004】
本発明の目的は、良好な画像を維持しつつ着色材料の消費量を削減するトナーセーブモードを備える画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像形成装置は、トナーセーブモードを設定する設定手段と、面積階調処理を実行して、多値画像データを2値データに変換して出力する中間調処理部であって、面積階調処理で使用する各ドットに設定するしきい値をトナーセーブモードの設定時と非設定時とで切り換え、設定時のしきい値を非設定時のしきい値に1より大きい倍率を乗算した値とし、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、当該モードの非設定時に比べて用紙上に形成されるリニアな階調表現を維持しつつ階調数を少なくする中間調処理部と、中間調処理部より出力される2値データに基づいて、用紙上に画像を形成する画像形成手段とを備える。本発明の画像形成装置は、中間調画像を面積階調方式により表現し、トナーセーブモードの設定時には、画像のドットを間引くのではなく、トナーセーブモードの非設定時に比べて用紙上に形成されるリニアな階調表現を維持しつつ階調数を少なくすることを特徴とする。これにより、リニアな階調特性を維持しつつ着色材料の消費量を削減する。
また、好ましくは、上記中間調処理部は、面積階調処理で使用するディザマトリクス内の各ドットに設定するしきい値を記憶するメモリを備え、トナーセーブモードの設定時には、メモリ内に記憶しているしきい値を切り替えることで、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、当該モードの非設定時に比べて画像形成手段により用紙上に形成される画像の階調数を少なくする。
本発明の第2の画像形成装置は、トナーセーブモードを設定する設定手段と、面積階調処理を実行して、多値画像データを2値データに変換して出力する中間調処理部であって、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、多値画像データに1より小さい倍率を乗算した後に2値データに変換し、トナーセーブモード設定時には当該モードの非設定時に比べて用紙上に形成される画像の階調表現の線形性を失うことなくリニアな階調表現を維持しつつ階調数を少なくする中間調処理部と、中間調処理部より出力される2値データに基づいて、用紙上に画像を形成する画像形成手段とを備える。
また、好ましくは、上記中間調処理部は、多値画像データを半分の値にするバッファを備え、トナーセーブモードの設定時に前記バッファを用いて面積階調処理を実行する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置の実施の形態であるレーザービームプリンタ100について、添付の図面を用いて説明する。
図6は、面積階調方式を採用するレーザービームプリンタ100の構成を示す。信号処理部110は、ホストコンピュータ200からホストインターフェース50を介して送られてくる8ビットのイメージデータに対して、ディザ法による面積階調処理を施して2値のビットイメージデータを形成し、形成した2値のビットイメージデータを露光部1へ出力する。露光部1は、入力される2値のビットイメージデータに基づいてレーザービームを発光する。露光部1より発光されたレーザービームは、矢印で示すように、ミラー2を介して、感光体3の表面を露光する。帯電チャージャ4により一様に帯電された感光体3は、露光部1からの露光を受けるとその表面に静電潜像を形成する。現像器5は、感光体3の表面に形成された静電潜像に着色材料としてのトナーを付着させ可視像化する。感光体3上に付着したトナーは、給紙カセット6から搬送ローラ7により搬送されてくる転写紙に転写チャージャ8によって転写される。複写紙に転写されたトナー像は定着装置9により定着された後に、排紙トレー10に排紙される。転写動作後の感光体3の表面に残った電位は、イレーサ11により除去される。電子写真式のレザービームプリンタの画像形成動作は、周知であるため、これ以上の詳細な説明は省く。
【0007】
図7は、信号処理部110のブロック図である。CPU110はホストインターフェース50を介してホストコンピュータ200から受け取った画像データに基づいて画像メモリ113に1ドットを8ビットデータで表すイメージデータを展開する。この他、CPU111は、信号処理部110全体の制御やプリンタエンジン(露光部1、感光体ドラム3を駆動するモータ(図示せず)、帯電チャージャ4、現像器5、搬送ローラ7、転写チャージャ8、定着装置9、及びイレーサ11等)との通信制御を行なう。ROM112には、CPU111が実行するプログラムが格納されている。画像メモリ113は、DRAMによって構成されており、CPU111で展開されたイメージデータを格納する他、CPU111のワークエリアとしても使用される。中間調処理部114は、画像メモリ113に展開されたイメージデータに対して、ディザ法による面積階調処理を施して2値のビットイメージを生成する。この中間調処理部114には、ホストコンピュータ200より2値のトナーセーブモード信号が入力される。トナーセーブモードの設定時、ホストコンピュータ200より入力されるトナーセーブモード信号の値は0である。後述するように、トナーセーブモードの設定時(トナーセーブモード信号の値が0の時)、中間調処理部114では、トナーセーブモードの非設定時(トナーセーブモード信号の値が1の時)に比べて用紙上に形成される画像の階調数を少なくして、トナーの消費量を削減する処理が行われる。
【0008】
図8は、中間調処理部114の回路の第1実施例を示す。本回路では、通常のディザマトリクスの他に、トナーセーブモード用のディザマトリクスを備える。トナーセーブモードの設定時には、トナーセーブモード用のディザマトリクスを用いて用紙上に形成される画像の階調数を少なくする。画像メモリ113から転送されてきた1ドットを8ビットで表現するイメージデータは、コンパレータ120に入力される。ホストコンピュータ200は、トナーセーブモードの設定時に0で、トナーセーブモードの非設定時に1のトナーセーブモード信号を、ホストインターフェース50を介してディザテーブルメモリ121に出力する。ディザテーブルメモリ121は、通常のディザマトリクス及びトナーセーブモード用のディザマトリクスのしきい値を記憶しており、トナーセーブモード非設定時(トナーセーブモードの信号が1の時)には、通常のディザマトリクス(図9を参照)を使用し、トナーセーブ設定時(トナーセーブモード信号が0の時)には、トナーセーブモード用のディザマトリクス(図10を参照)を使用する。主走査及び副走査の各2ビットのアドレスカウンタ122及び123は、それぞれ、ドット同期クロック及びライン同期クロックによりカウントアップする。ディザテーブルメモリ121は、トナーセーブモード信号の値に基づいて特定されるディザマトリクスの内、各カウンタ122及び123のカウント値により特定されるアドレスにあるしきい値をコンパレータ120に出力する。コンパレータ120は、イメージデータの値と、しきい値とを比較し、イメージデータの値がしきい値よりも大きいときは黒を、そうでないときは白を示す2値のビットイメージデータを出力する。
【0009】
図9及び図10は、ディザテーブルメモリ121に記憶される通常のディザマトリクス及びトナーセーブモード用のディザマトリクスの一例を示す。図9に示す通常のディザマトリクスの場合、1画素を構成する4×4の各ドットに8、24、40、56、…、216、232、248と、16単位で増加するしきい値が設定されている。これに対して、図10に示すトナーセーブモード用のディザマトリクスの場合、16、48、80、…と、上記通常のディザマトリクスに割り当てられたしきい値の2倍にした値が割り当てられる。なお、上記通常のディザマトリクスの各ドットに割り当てられたしきい値を2倍にした値が255(最大値)を超えるものについては、255のしきい値が割り当てられる。しきい値が255の場合、コンパレータ120は、全てのイメージデータに対して白を示す2値のビットイメージデータを出力する。トナーセーブモード用に図10に示すディザマトリクスを用いることで、用紙上に再現される画像の階調数(濃度)が半分になる。これにより、トナーセーブモードの設定時には、低濃度側でのリニアな階調性を維持した状態で、消費するトナーの量を半分に削減することができる。なお、トナーセーブモード用のディザマトリクスに割り当てるしきい値のトナーセーブモード非設定時に割り当てるしきい値に対する倍率は、2倍に限定されず、トナーセーブモード設定時に要求される画質によって決定すればよい。即ち、トナーの消費量の削減を重視する場合には倍率を上げればよいし、トナーセーブモードの設定時においてもある程度の画質を所望する場合には、倍率を下げればよい。何れの場合においても、リニアな階調表現は維持される。
【0010】
次に、別の実施の形態におけるレーザービームプリンタについて説明する。
図11は、本実施形態における図7の中間調処理部114の回路を示す。図11に示す中間調処理部114以外のレーザービームプリンタの構成は、既に説明したものと同じであるため、ここでの重複した説明は省く。本実施形態ではトナーセーブモードの設定時、イメージデータの半分の値のデータを用いて2値のビットイメージデータを出力する。これにより用紙上に形成される画像の階調数を少なくする。
中間調処理部114において、画像メモリ113から転送されてきたイメージデータは、2つのデータバッファ150及び151に入力される。イメージデータは、1ドットを8ビットで表現する。データバッファ150には、8ビットのイメージデータを下位方向に1ビットシフトしたデータ、即ち、下位2ビット目のデータが下位1ビット目のデータとして入力される。データバッファ150の上位1ビット目には、値0のビットデータが入力される。これにより、データバッファ150に入力されるデータの値は、イメージデータの半分の値になる。データバッファ150及び151は、その制御端子にインバータ170及び171を備え、値1の信号の入力に対応して、保持しているイメージデータをコンパレータ152に出力する。データバッファ150の制御端子には、インバータ170により反転されたトナーセーブモード信号が入力される。データバッファ151の制御端子には、インバータ172により反転され、更に、インバータ171により反転されたトナーセーブモード信号が入力される。トナーセーブモード信号が1の場合、即ちトナーセーブモード非設定時には、データバッファ151に1の信号が入力される。データバッファ151は保持しているイメージデータをコンパレータ152に出力する。また、トナーセーブモード信号が0の場合、即ちトナーセーブモード設定時には、データバッファ150に値1の信号が入力される。データバッファ150は、保持しているイメージデータをコンパレータ152に出力する。ディザテーブルメモリ153には、例えば、図9に示すようなディザマトリクスのしきい値が記憶されている。ディザテーブルメモリ153には、主走査及び副走査の各2ビットのカウンタ154及び155からの出力がディザマトリクスのアドレスとして入力される。ディザテーブルメモリ153は、入力されるアドレスのしきい値をコンパレータ152に出力する。コンパレータ152は、データバッファ150又は151より入力されるイメージデータと、ディザテーブルメモリ153より入力されるしきい値のデータとを比較し、イメージデータの方がしきい値よりも大きいときは黒を、そうでないときは白を示す2値のビットイメージデータを出力する。トナーセーブモードの設定時にデータバッファ150よりコンパレータ152に入力されるデータは、イメージデータの2分の1の値(濃度)となっているため、ディザ処理の結果も全体に濃度が半分となる。これにより、リニアな階調表現を維持した状態でトナーの消費量を半分に削減することができる。
【0011】
図12は、トナーセーブモード設定時にディザテーブルメモリ153において使用されるディザパターンである。図12に示すディザパターンと、図3に示したトナーセーブモード非設定時に使用する通常のディザパターンとを比較すると、トナーセーブモードの非設定時に使用される通常のディザパターンに比べて、トナーセーブモード設定時に使用するディザパターンの数が半分に減少していることが理解される。これは、トナーセーブモードの設定時に、データバッファ150より出力されるイメージデータの値が、トナーセーブモードの非設定時の半分の値になっているためである。図13は、入力濃度(8ビットのイメージデータの値)に対する印字濃度(用紙上に再現される階調)の関係を示すグラフであり、本グラフよりトナーセーブモードの設定時においてもリニアな階調表現を維持していることが理解される。
なお、この例においては、トナーセーブモードの設定時にディザテーブルメモリ153に入力するイメージデータの値を、トナーセーブモード非設定時の半分の値にしているが、これには限定されず、トナーセーブモード設定時に要求される画質によって決定すればよい。即ち、トナーの消費量の削減を重視する場合には倍率を上げればよいし、トナーセーブモードの設定時においてもある程度の画質を所望する場合には、倍率を下げればよい。何れの場合においても、リニアな階調表現は維持される。
【0012】
次に第3の実施の形態におけるレーザービームプリンタについて説明する。本実施形態は、他の実施形態と中間調処理部114についてのみ異なる。図14は、中間調処理部114の回路を示す。本実施形態において、先に説明した部材と同じ部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本回路においては、中間調再現を行うに当たり、誤差拡散法を適用している点が上記の第1と第2の実施形態と異なる。即ち、データバッファ150,151から出力された8ビットのイメージデータは、加算器160を介してコンパレータ161に入力される。このコンパレータ161は、しきい値を格納しており、入力されたイメージデータをしきい値と比較する。本回路においてこのしきい値は127である。イメージデータがしきい値より大きい場合は黒を示す8ビットのイメージデータ(11111111)が、そうでない場合は白を示す8ビットのイメージデータ(00000000)が2値化回路162に出力される。2値化回路162は、黒を示す8ビットのイメージデータを黒を示すビットデータ(1)に変換し、白を示す8ビットのイメージデータを白を示すビットデータ(0)に変換して出力する。また、コンパレータ161から出力されたイメージデータは、加算器163に入力される。この加算器163にはコンパレータ161を介していないイメージデータも入力されており、両者の差分が誤差としてエラーフィルタ164に出力される。エラーフィルタ164は、この誤差を周りの画素に振り分ける処理を行うものである。
次に加算器160に入力された画素のイメージデータは、エラーフィルタ164から出力されるこの画素に対応するエラーデータと加算され、コンパレータ161に入力される。コンパレータ161からの出力は、上述した如く、2値化回路162及び加算回路163に入力され、前述した処理と同じ処理が行われる。本実施形態においても、トナーセーブ信号の値に応じてデータバッファ150,151を切り換えて使用することにより、通常の中間調処理と、トナーセーブを行う中間調処理と切り換えて行うことができる。そして、データバッファ150,151の何れを使用した場合であってもリニアな階調表現は維持される。
【0013】
次に第4の実施形態におけるレーザービームプリンタについて説明する。本実施形態は、他の実施形態と中間調処理部114についてのみ異なる。図15は、中間調処理部114の回路を示す。本回路も誤差拡散法にて中間調再現するものである。本回路において、コンパレータ165は通常の中間調処理用のしきい値と、トナーセーブを行う中間調処理用のしきい値とを格納している。また、コンパレータ165は、トナーセーブモード信号を入力し、これら2つのしきい値を切り換えて使用する。これらしきい値は、本実施例においては、通常のモードが127であり、トナーセーブモード用が200である。本回路における誤差拡散法の中間調処理に関しては第3実施形態と同じであるため詳細な説明を省略する。本実施形態においても、コンパレータ165で使用されるしきい値を切り換えることによって、通常の中間調処理と、トナーセーブを行う中間調処理とを切り換えて行うことができる。そして、2つのしきい値の何れかを使用した場合であってもリニアな階調表現は維持される。
【0014】
以上ではレーザービームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等、着色材料を消費して画像を形成する装置であれば画像形成の形態を問わない。特に、中間調画像を面積階調方式で表現する画像形成装置には、上述の中間調処理を有効に適用することができる。
インクジェットプリンタやサーマルプリンタに適用した場合、トナーセーブモード(インクセーブモード)設定時において、リニアな階調表現を維持したままで着色材料としてのインクの消費量を削減することができる。また、インクジェットヘッドやサーマルヘッドの駆動回数を少なくすることができるため、ヘッドの長寿命化を図ることもできる。
また、反転現像を行うレーザービームプリンタに関していえば、トナーセーブモード設定時にレーザの発光回数を少なくすることができ、レーザ光源、例えば半導体レーザの長寿命化を図ることもできる。
また、上述のレーザビームプリンタでは、ディザ法を用いた面積階調処理、及び、トナーセーブモード設定時に使用するディザマトリクスやイメージの切り替えをハードウェアを用いて行っているが、CPU111におけるソフトウェア処理によっても行うことができる。
更に、上述の実施形態では、面積階調処理として、単純なディザ処理や誤差拡散法のディザ処理を例にとって説明したが、これに限られるわけではなく、濃度パターン法を利用した面積階調処理であっても良い。
また、上述の実施形態では、トナーセーブモードの設定をホストコンピュータ側で行ったが、プリンタ側で行なっても良い。例えば、プリンタにトナーセーブモード設定用のスイッチを設け、使用者によってこのスイッチが操作されることに応答してトナーセーブモードの設定を切り換えればよい。
【0015】
また、プリンタ内の着色材料の残量を検出する手段を設け、この手段が着色材料が少なくなったことを検出すると自動的にトナーセーブモードに切り替わるようにしても良い。具体的には、レーザビームプリンタの場合、現像装置内にトナーの残量を検出するセンサを設け、このセンサからの出力によってトナーの残量が所定量より少ないと判明した場合にトナーセーブモードを実行する。トナーの残量検出用のセンサとしては、重量センサ、フォトセンサ等が適用可能である。また、現像器が2成分現像材を収容している場合、この現像材の透磁率を検出して残量の検知を行っても良い。より具体的な残量検出の方法は周知であるためここでの説明は省略する。また、インクジェットプリンタやサーマルプリンタの場合、インクタンク内にインク残量を検出するセンサを設ければよい。
このように着色材料の残量に応じて自動的にトナーセーブモードに移行するように構成した場合、たとえ着色材料の残量が所定量より少なくなった場合であっても使用者が高品位な画像出力を要求することがあり得る。このため、トナーセーブモードの設定の解除を使用者が行えるように構成することが望ましい。具体的には、トナーセーブモード解除用のスイッチを設け、このスイッチがオンされたことに応答してトナーセーブモードの解除を行えばよい。また、プリンタにスイッチを設けず、ホストコンピュータからの指令によってトナーセーブモードを解除するように構成しても良い。上述した実施形態の例でいうと、使用者からの解除命令に応じてトナーセーブモード信号を1とするようにすればよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、中間調処理部が、面積階調処理で使用するディザマトリクス内の各ドットに設定するしきい値を切り換えたり、多値表現された画像データの半分の値のデータを用いて面積階調処理を実行し、トナーセーブモードの設定時に非設定時の場合に比べて用紙上に再現する画像の階調数を少なくする。これにより、リニアな階調表現を維持したままで、トナーの消費量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】文字画像のデータに基づいて展開されるビットマップデータを示す図である。
【図2】図1に示すビットマップデータを1ドット毎に間引いてプリンタエンジンに出力した場合に、用紙上に形成される画像の状態を示す図である。
【図3】4×4ドットのサブマトリクスを1画素として16階調の濃淡を表現する場合の合計16パターンのサブマトリクスを示す図である。
【図4】図3の各パターンのデータに対して1ドット毎の間引き処理を施した場合の結果を示す図である。
【図5】図3の各パターンのデータに対して1ドット毎の間引き処理を施した場合の結果を示す図である。
【図6】面積階調方式を採用するレーザービームプリンタの断面図である。
【図7】信号処理部のブロック図である。
【図8】中間調処理部の一例の回路図である。
【図9】通常のディザマトリクスを示す図である。
【図10】トナーセーブモード用のディザマトリクスを示す図である。
【図11】第2実施形態の中間調処理部の回路図である。
【図12】トナーセーブモード設定時に使用するディザパターンの図である。
【図13】入力濃度(8ビットのイメージデータの値)に対する印字濃度(用紙上に再現される階調)の関係を示すグラフである。
【図14】第3実施形態の中間調処理部の回路図である。
【図15】第4実施形態の中間調処理部の回路図である。
【符号の説明】
100…レーザービームプリンタ
110…信号処理部
111…CPU
112…ROM
113…画像メモリ
114…中間調処理部
120、152…コンパレータ
121、153…ディザテーブルメモリ
122、123、154、155…カウンタ
150、151…データバッファ
170、171、172…インバータ
200…ホストコンピュータ

Claims (4)

  1. トナーセーブモードを設定する設定手段と、
    面積階調処理を実行して、多値画像データを2値データに変換して出力する中間調処理部であって、面積階調処理で使用する各ドットに設定するしきい値をトナーセーブモードの設定時と非設定時とで切り換え、設定時のしきい値を非設定時のしきい値に1より大きい倍率を乗算した値とし、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、当該モードの非設定時に比べて用紙上に形成されるリニアな階調表現を維持しつつ階調数を少なくする中間調処理部と、
    中間調処理部より出力される2値データに基づいて、用紙上に画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記中間調処理部は、面積階調処理で使用するディザマトリクス内の各ドットに設定するしきい値を記憶するメモリを備え、トナーセーブモードの設定時には、メモリ内に記憶しているしきい値を切り替えることで、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、当該モードの非設定時に比べて画像形成手段により用紙上に形成される画像の階調数を少なくすることを特徴とする画像形成装置。
  3. トナーセーブモードを設定する設定手段と、
    面積階調処理を実行して、多値画像データを2値データに変換して出力する中間調処理部であって、設定手段によるトナーセーブモードの設定時に、多値画像データに1より小さい倍率を乗算した後に2値データに変換し、トナーセーブモード設定時には当該モードの非設定時に比べて用紙上に形成されるリニアな階調表現を維持しつつ階調数を少なくする中間調処理部と、
    中間調処理部より出力される2値データに基づいて、用紙上に画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載された画像形成装置において、
    上記中間調処理部は、多値画像データを半分の値にするバッファを備え、トナーセーブモードの設定時に前記バッファを用いて面積階調処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
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