JP2014112805A - 画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体上に画像データに応じた露光により静電潜像を形成する画像形成装置において、ハーフトーン処理後の画像データに基づく安定したドット形成を可能とする。
【解決手段】スクリーン処理部101でハーフトーン処理された画像データについて、該処理により画質劣化が生じている画素を濃度変動判定部102で検出し、画像データ選択部103で該劣化要因画素をハーフトーン処理前の入力画素値に置き換える。得られた中間画像データ115について、ドット安定化部104でドット形成の安定化を図る。すなわち、入力画素値に置き換えられた画素を注目画素とし、その周囲画素の画素特徴量に応じて、該注目画素に対する露光量を設定する。さらに、該設定した露光量で注目画素を形成した場合に得られる印刷濃度が、基準露光量で形成した場合と同等となるよう、該注目画素の画素値を変換する。このように画素値が変換された注目画素について、設定された露光量により静電潜像の形成を行う。
【選択図】図1
【解決手段】スクリーン処理部101でハーフトーン処理された画像データについて、該処理により画質劣化が生じている画素を濃度変動判定部102で検出し、画像データ選択部103で該劣化要因画素をハーフトーン処理前の入力画素値に置き換える。得られた中間画像データ115について、ドット安定化部104でドット形成の安定化を図る。すなわち、入力画素値に置き換えられた画素を注目画素とし、その周囲画素の画素特徴量に応じて、該注目画素に対する露光量を設定する。さらに、該設定した露光量で注目画素を形成した場合に得られる印刷濃度が、基準露光量で形成した場合と同等となるよう、該注目画素の画素値を変換する。このように画素値が変換された注目画素について、設定された露光量により静電潜像の形成を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハーフトーン処理後の画像データに基づくドット形成を行う画像処理装置およびその制御方法に関する。
一般に、コンピュータ上で画像データが表現する階調数に対し、印刷装置や表示装置などの出力装置が表現可能な階調数の方が少ないことが多い。このため、コンピュータで処理した画像データを印刷する際に、画像データの階調数を出力装置で表現可能な階調数に変換するハーフトーン処理が施されることが多い。
ハーフトーン処理のひとつとして、画像データを、周期的に変動する閾値と比較することによって出力値を決定するスクリーン処理(例えば組織的ディザ法)が知られている。画像データに対してスクリーン処理を施すことによって、画像の濃淡を面積階調で表現したスクリーン画像が得られる。特に階調の変化が少ない平坦部においては、均等な間隔で同一形状の網点が形成されるため、良好な画像が得られる。
ところが、スクリーン処理した画像データには、視覚的に目立つ繰り返しパターン(モアレ)が発生し、画質が劣化する場合がある。また画像が細線やエッジを含む場合、細線やエッジの濃度や角度によってはその再現性が低下してしまうことがある。
以上のようなスクリーン処理による画像の劣化を抑制して良好なハーフトーン画像を得るために、以下のような技術が提案されている。例えば、エッジを構成する画素が所定の条件に該当する場合に、スクリーン処理後の階調値を、N(Nは1以上の整数)レベル以上の階調値に対応するドット配置パターンに置換する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、スクリーン処理結果と入力画像データの差分を抽出し、該差分をAMスクリーン処理結果に加算する技術が提案されている(特許文献2参照)。
上記特許文献1に記載された方法によれば、スクリーン処理に起因する文字や線のエッジ部の劣化を低減することができる。しかしながら、ドット配置パターンが、孤立点や細線等、安定した印字が保障されないようなドットパターンである場合には、印刷装置の劣化や環境変動の影響によりドットの欠落等が発生してしまう場合がある。
また、上記特許文献2に記載された方法によれば、モアレの低減や細線の再現性が改善される。しかしながら、スクリーン処理後の画像データに対し、該スクリーン処理結果と入力画像データとの差分を加算することにより、特に低濃度側において、ドットを安定して形成できない場合が発生する。
本発明は上記問題を鑑み、ハーフトーン処理後の画像データに基づく安定したドット形成を可能とする画像形成装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。すなわち、像担持体上を露光して静電潜像を形成する画像形成装置であって、ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記ハーフトーン処理による画質劣化が生じている注目画素を検出する画素検出手段と、前記ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記注目画素に対する露光量を前記画素特徴量に応じて設定する露光量設定手段と、前記注目画素を前記露光量設定手段で設定された露光量で形成した場合に得られる印刷濃度が、該注目画素を基準露光量で形成した場合に得られる印刷濃度と同等となるように、該注目画素の画素値を変換する画素値変換手段と、前記画素値変換手段で画素値が変換された注目画素について、前記露光量設定手段で設定された露光量により前記像担持体上に静電潜像の形成を行う画像形成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ハーフトーン処理後の画像データに基づく安定したドット形成が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1実施形態>
本発明は、像担持体上を露光して静電潜像を形成する画像形成装置において、ハーフトーン処理後の画像データに基づく安定したドット形成を可能とする。すなわち、ハーフトーン処理した画像データにおいて、まず該ハーフトーン処理による画質劣化が生じている注目画素を検出する(画素検出処理)。そして、該画像データにおいて、該検出された注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出し(特徴量検出処理)、注目画素に対する露光量を該画素特徴量に応じて設定する(露光量設定処理)。さらに、該設定された露光量で注目画素を形成した場合に得られる印刷濃度が、基準露光量で形成した場合と同等となるように、該注目画素の画素値を変換する(画素値変換処理)。そして、画素値が変換された注目画素について、設定された露光量によるドット形成を行うことで、安定したドット形成が可能となる。
本発明は、像担持体上を露光して静電潜像を形成する画像形成装置において、ハーフトーン処理後の画像データに基づく安定したドット形成を可能とする。すなわち、ハーフトーン処理した画像データにおいて、まず該ハーフトーン処理による画質劣化が生じている注目画素を検出する(画素検出処理)。そして、該画像データにおいて、該検出された注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出し(特徴量検出処理)、注目画素に対する露光量を該画素特徴量に応じて設定する(露光量設定処理)。さらに、該設定された露光量で注目画素を形成した場合に得られる印刷濃度が、基準露光量で形成した場合と同等となるように、該注目画素の画素値を変換する(画素値変換処理)。そして、画素値が変換された注目画素について、設定された露光量によるドット形成を行うことで、安定したドット形成が可能となる。
●装置構成
本実施形態におけるカラー画像形成装置は、600dpiの解像度で画像を形成する。図2に、本実施形態のカラー画像形成装置であるプリンタ10の構成を示す。プリンタ10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の現像剤(トナー)を使用して、記録媒体上にマルチカラー(多色)の画像を形成する。すなわち、後述するパルス幅変調(PWM)処理部307(図3に図示)によって生成される露光制御信号に応じた露光によって、像担持体である感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22Kの表面に、各色の静電潜像が形成される。これらの静電潜像が各色のトナーを用いて現像されることで、モノカラー(単色)のトナー像が各感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面に形成される。最終的に、これら各色のトナー像が記録媒体の表面に重ね合わせて転写されることで、当該記録媒体の表面に多色のトナー像が形成される。
本実施形態におけるカラー画像形成装置は、600dpiの解像度で画像を形成する。図2に、本実施形態のカラー画像形成装置であるプリンタ10の構成を示す。プリンタ10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の現像剤(トナー)を使用して、記録媒体上にマルチカラー(多色)の画像を形成する。すなわち、後述するパルス幅変調(PWM)処理部307(図3に図示)によって生成される露光制御信号に応じた露光によって、像担持体である感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22Kの表面に、各色の静電潜像が形成される。これらの静電潜像が各色のトナーを用いて現像されることで、モノカラー(単色)のトナー像が各感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面に形成される。最終的に、これら各色のトナー像が記録媒体の表面に重ね合わせて転写されることで、当該記録媒体の表面に多色のトナー像が形成される。
以下、プリンタ10において実行される画像形成動作について、より詳細に説明する。
プリンタ10は、それぞれが異なる色のトナーにより、対応する複数の感光ドラム22Y,22M,22C,22K上に単色のトナー像を形成する4個の画像形成ステーションを備える。4個の画像形成ステーションはそれぞれ、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kと、一次帯電器である注入帯電器23Y,23M,23C,23Kと、露光デバイスである露光装置24Y,24M,24C,24Kとを備える。4個の画像形成ステーションは更に、トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kと、現像器26Y,26M,26C,26Kとをそれぞれ備える。プリンタ10は、これら4個の画像形成ステーションにおいて感光ドラム22Y,22M,22C,22K上に形成されたトナー像が転写される中間転写体(中間転写ベルト)27を備える。
感光ドラム22Y,22M,22C,22Kは、それぞれ異なる駆動モータ(不図示)の駆動力によって回転する。注入帯電器23Y,23M,23C,23Kはそれぞれスリーブ(不図示)を備え、対応する感光ドラム22Y,22M,22C,22Kを帯電させる。露光装置24Y,24M,24C,24Kは、帯電した感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面をレーザ光で露光することによって、対応する感光ドラム22Y,22M,22C,22K上に静電潜像を形成する。現像器26Y,26M,26C,26Kは、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSを備え、トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kから供給される各色のトナーで、感光ドラム22Y,22M,22C,22K上の静電潜像を現像する。具体的には、現像器26Y,26M,26C,26Kは、それぞれY,M,C,K色のトナーを用いて各感光ドラム22Y,22M,22C,22K上の静電潜像を可視化することで、各感光ドラムの表面に各色のトナー像を形成する。
中間転写体27は、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kに接触する位置に配置され、駆動ローラ16の駆動力によって回転しながら、その表面に各感光ドラム22Y,22M,22C,22Kから単色のトナー像が順に重ねて転写(1次転写)される。これにより、中間転写体27の表面に多色のトナー像が形成される。なお、駆動ローラ16は、中間転写体27用の駆動モータ(不図示)によって駆動される。
中間転写体27上に形成された多色のトナー像は、中間転写体27の回転に伴って、中間転写体27と転写ローラ28との間のニップ部に搬送される。トナー像が当該ニップ部に搬送されるタイミングに合わせて、記録媒体11が給紙部21a又は21bから給紙され、搬送路上を当該ニップ部まで搬送される。転写ローラ28は、当該ニップ部において、搬送された記録媒体11を介して中間転写体27に当接する。転写ローラ28が中間転写体27に当接している間に、中間転写体27上に形成された多色のトナー像が記録媒体11上に転写(2次転写)される。これにより、記録媒体11上に多色のトナー像が形成される。中間転写体27から記録媒体11への2次転写が終了すると、転写ローラ28は中間転写体27から離間する。
多色のトナー像が転写された記録媒体11は、その後、搬送路上を定着部30へ搬送される。定着部30は、搬送されてきた記録媒体11上のトナー像を溶融させ、記録媒体11上に定着させる。定着部30は、記録媒体11を加熱するための定着ローラ31と、記録媒体11を定着ローラ31に圧接させるための加圧ローラ32とを備える。定着ローラ31及び加圧ローラ32は中空状に形成され、定着ローラ31にはヒータ33が内蔵されている。表面に多色のトナー像を保持した記録媒体11は、定着部30において、定着ローラ31及び加圧ローラ32によって搬送されながら、熱及び圧力を加えられる。これにより、記録媒体11の表面にトナーが定着する。トナーの定着後、記録媒体11は排出ローラ(不図示)によって排紙トレイ(不図示)に排出される。以上により、記録媒体11への画像形成動作が終了する。
中間転写体27の近傍に設けられたクリーニング部29は、クリーナ容器を備え、記録媒体11へのトナー像の2次転写後に中間転写体27上に残留したトナー(廃トナー)を回収することで、中間転写体27の表面をクリーニングする。クリーニング部29は、回収した廃トナーを当該クリーナ容器に蓄える。
なお本実施形態では図2に示すように、プリンタ10が中間転写体27を備えた構成であるとして説明した。さらに本発明は、感光ドラム22Y,22M,22C,22K上に形成されたトナー像を記録媒体に直接転写する一次転写方式のプリンタに対しても適用できる。この場合、図2に示す中間転写体27は、搬送ベルトに置き換えられる。また本実施形態では、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kのそれぞれについて異なる駆動を設いているが、すべての感光ドラムについて共通の(単一の)モータが用いられても良い。
●機能構成
以下、本実施形態のプリンタ10において画像処理を行うブロック構成を図3に示し、ホストPC210、並びにプリンタ10内のCPU225、ASIC226、及びレーザスキャナ系234において実行される処理について説明する。
以下、本実施形態のプリンタ10において画像処理を行うブロック構成を図3に示し、ホストPC210、並びにプリンタ10内のCPU225、ASIC226、及びレーザスキャナ系234において実行される処理について説明する。
文書作成ソフトウェアや図形描画ソフトウェア等の、ホストPC210において実行されるのアプリケーション301は、印刷用の描画データ及び制御データを生成すると、該生成したデータをプリンタドライバ上のPDL変換部302へ送信する。ここで描画データは、例えば、印刷対象の画像の画素値(階調値とも称する)及び属性情報を含むデータである。属性情報は例えば、画像の種類(文字データ、グラフィクスデータ及びイメージデータ等)を識別するための情報である。また制御データは、例えば、印刷に使用される記録媒体のサイズ設定、印刷部数等を含むデータである。PDL変換部302は、描画データを圧縮データに変換し、変換後のデータと制御データを含むPDLデータを生成するとともに、該生成したPDLデータをプリンタ10へ送信する。
プリンタ10のCPU225は、ホストPC210から送信されてきたPDLデータを、ホストIF部(不図示)を介して受信する。CPU225は、受信した当該PDLデータに対し、レンダラ303及び制御情報生成部304において所定の処理を施した後、処理後のデータをRAM222へ一時的に格納する。CPU225は、制御プログラムを実行して、レンダラ303及び制御情報生成部304の機能を実現する。具体的には、レンダラ303は、受信されたPDLデータに含まれる圧縮データを描画データへと伸張し、それをRAM222に格納する。なお、本実施形態における描画データは、RGB色空間で表現されたRGBデータである。RAM222に格納された描画データは、ASIC226へ送信される。また、制御情報生成部304は、受信されたPDLデータに含まれる制御データから、ASIC226において用いられる制御情報を生成し、該生成した制御情報をASIC226へ送信する。加えて、制御情報生成部304は、ASIC226によって実行される処理に必要となる他の制御情報をROM221から抽出して、PDLデータに含まれる制御データから生成された制御情報とともにASIC226へ送信する。なお、ROM221に格納された制御情報としては、色変換テーブル、ガンマ補正テーブル、ハーフトーンテーブル、フィルタテーブル等が含まれる。
ASIC226で受信された制御情報は、色変換処理部305および画像処理部306に供給される。また、ASIC226で受信された描画データ(R,G,B値)は、色変換処理部305へ入力信号として供給される。色変換処理部305は、入力信号であるR,G,B値をCMYK色空間で表現されたC1,M1,Y1,K1値に変換して画像処理部306に出力する。
画像処理部306は、色変換処理部305から入力されたC1,M1,Y1,K1値を、制御情報に含まれるハーフトーンテーブルやフィルタ等を用いて、PWM処理部307で表現可能な階調数であるC2,M2,Y2,K2値へ変換する。該変換されたC2,M2,Y2,K2値は、PWM処理部307に出力される。また画像処理部306では、ハーフトーン処理後の画像データについて、ドットが安定的に形成されるように補正を施すドット安定化処理を行い、その結果得られたレーザ露光量信号を、レーザスキャナ系234における露光装置24に出力する。この安定化処理のの詳細については後述する。
PWM処理部307は、入力された画像データであるC2,M2,Y2,K2値を、露光装置24Y,24M,24C,24Kのレーザ発光素子による露光を制御するための露光制御信号Tc,Tm,Ty,Tkへ変換する。この露光制御信号Tc,Tm,Ty,Tkは、後述するように1ドット当たりのレーザ発光幅に相当し、PWM処理部307は、入力される画素値に応じて当該レーザ発光幅を決定する。PWM処理部307は、決定した露光制御信号Tc,Tm,Ty,Tkを、露光用の画像データ(PWMデータ)として露光装置24Y,24M,24C,24Kに出力する。露光装置24Y,24M,24C,24Kには、画像処理部306からの安定化処理結果として得られたレーザ露光量信号も入力されており、該露光量信号と露光制御信号Tc,Tm,Ty,Tkに従って、対応するレーザ発光素子をそれぞれ発光させる。
なお、RGB色空間及びCMYK色空間における画素値(階調値)は任意のビット数で表現でき、プリンタ10の色再現範囲の調整等を行うために、各画素値のビット数は増減され得る。本実施形態では、それぞれを8ビット表現とした場合を例として、以下説明する。
●安定化処理部
本実施形態のプリンタ10は画像処理部306内において、入力された描画データ(以下、入力画像データ)をより少ない階調数のハーフトーン画像データに変換する。このハーフトーン画像データは、印刷装置など所望の画像形成装置が表現可能な階調数のデータであり、すなわち、ドット出力に直接対応している。本実施形態の画像処理部306ではハーフトーン画像データに基づくドット形成の際に、ドットの欠落等の発生を抑制してドット出力の安定化を図るための安定化処理部を有する。
本実施形態のプリンタ10は画像処理部306内において、入力された描画データ(以下、入力画像データ)をより少ない階調数のハーフトーン画像データに変換する。このハーフトーン画像データは、印刷装置など所望の画像形成装置が表現可能な階調数のデータであり、すなわち、ドット出力に直接対応している。本実施形態の画像処理部306ではハーフトーン画像データに基づくドット形成の際に、ドットの欠落等の発生を抑制してドット出力の安定化を図るための安定化処理部を有する。
図1に、安定化処理部のブロック構成を示す。図1に示すように安定化処理部は、スクリーン処理部101、濃度変動判定部102、画像データ選択部103、およびドット安定化部104を有する。以下、各構成の概要について説明する。
スクリーン処理部101は、多値の入力画像データ110に対してスクリーン処理(組織的ディザ処理)を施し、より少ない階調数である画像データ(以下、スクリーン画像データ)111に変換する。スクリーン処理部101は、画素ごとに、当該画素値と対応する閾値とを比較して量子化を行う。以下、スクリーン処理部101が量子化した各画素をスクリーン画素と称し、その値をスクリーン画素値と称する。スクリーン画像データ111は、各画素を表すスクリーン画素値によって構成される。すなわち、スクリーン処理部101は入力画像データ110を構成する各入力画素値を、スクリーン処理によってスクリーン画像データ111を構成するスクリーン画素値に変換する。以下、スクリーン処理部101では、入力画像データ110を2値化するものとする。なお、上述したようにスクリーン画素値は、印刷出力を行う画像形成装置が表現可能な階調数のデータであるから、スクリーン画像データ111は、ドットを出力するのに安定したデータであると言える。また、スクリーン画像データ111は通常、入力画像データ110よりも少ないビット数で表現されるが、ここでは入力画像データ110の階調数に換算した量子化代表値に相当する値が出力されるとする。つまり入力画像データが8ビット(0〜255)であれば、スクリーン画像データ111としては0または255のいずれかが出力される。
濃度変動判定部102は、入力画像データ110とスクリーン処理によって得られるスクリーン画像データ111の差分に基づいて、スクリーン画像データにおいて発生した濃度変動を検出する。濃度変動判定部102における処理の詳細については後述する。
画像データ選択部103は、濃度変動判定部102による検出結果に基づき、画素ごとに、スクリーン画素値と入力画素値のいずれかを選択する。詳細には、濃度変動判定部102により濃度変動が大きいと判定された画素では入力画素値を選択し、濃度変動が小さいと判定された画素ではスクリーン画素値を選択する。言い換えれば、スクリーン画像データ111において、スクリーン処理による濃度変動が大きい画素については、スクリーン画素値が入力画素値に置き換えられる。これにより、画像データ選択部103の出力として、スクリーン処理によって発生したモアレを解消した中間画像データ115が得られる。この中間画像データ115を構成する各画素値は0または正の値である。
中間画像データ115としては、スクリーン処理部101におけるスクリーン処理により得られた、ドット出力用に安定したデータ形式の画素を主とするが、一部の画素において、スクリーン画素値が入力画素値に置き換えられている。このような入力画素値に置き換えられた画素については、ドット出力には不安定なデータであると言える。ドット安定化部104では、この不安定なデータを安定化してドット出力が確実に行えるようにするドット安定化処理を行うが、その処理の詳細については後述する。以下、図1に示す安定化処理部を構成する各部の処理について詳細に説明する。
●スクリーン処理部
まず、スクリーン処理部101における動作について説明する。図4は、スクリーン処理部101で用いられるハーフトーンテーブル(閾値群)の一例を示している。このハーフトーンテーブルは予め、図3に示すROM221に制御情報として格納されている。図4において、太線で囲まれた領域がセルを示し、セル内の各数字は閾値の番号を示している。すなわち、各セルにおいて、同じ番号であれば同じ閾値を有することを示す。この例ではセル内に32個の閾値を有し、各閾値に基づいて2値化が行われる。よって2値化結果として、セル内の全スクリーン画素値が0である場合から、全スクリーン画素値が1である場合まで想定される。したがって、セルにおけるスクリーン画素値の総和は0以上32以下となるため、33階調の表現ができる。
まず、スクリーン処理部101における動作について説明する。図4は、スクリーン処理部101で用いられるハーフトーンテーブル(閾値群)の一例を示している。このハーフトーンテーブルは予め、図3に示すROM221に制御情報として格納されている。図4において、太線で囲まれた領域がセルを示し、セル内の各数字は閾値の番号を示している。すなわち、各セルにおいて、同じ番号であれば同じ閾値を有することを示す。この例ではセル内に32個の閾値を有し、各閾値に基づいて2値化が行われる。よって2値化結果として、セル内の全スクリーン画素値が0である場合から、全スクリーン画素値が1である場合まで想定される。したがって、セルにおけるスクリーン画素値の総和は0以上32以下となるため、33階調の表現ができる。
なお上述したようにスクリーン処理部101は、入力画素値を2値化するものの実際には0/1のいずれかを出力するのではなく、量子化代表値に相当する値を出力する。つまり、入力画素値が閾値以下である場合は0を、閾値より大きい場合は255を出力する。ここで図5(a)は、スクリーン処理部101に入力される入力画像データ110の例を示しており、図5(b)は、図5(a)に示す入力画像データ110に対し、スクリーン処理部101から出力されたスクリーン画像データ111の例を示す。図5(a)に示すような0〜255までの入力画像データ110に対し、図4に示したハーフトーンテーブルの対応する閾値を超えている画素は255が出力され、閾値以下の画素は0になる。図5(b)に示すスクリーン画像データ111が、スクリーン処理部101から出力される。
●濃度変動判定処理
次に、濃度変動判定部102における動作について、図6を用いて詳細に説明する。濃度変動判定部102においては、ハーフトーン処理後の画像データにおいて、該ハーフトーン処理前後の濃度変動から、該ハーフトーン処理による画質劣化が生じている画素を検出する。図6(a)に、濃度変動判定部102のブロック構成を示す。同図に示すように濃度変動判定部102は、減算部601、フィルタ処理部602、および比較部603によって構成される。減算部601は画素ごとに、入力画像データ110の入力画素値と、スクリーン処理部101から得られるスクリーン画像データ111のスクリーン画素値との差分値を算出し、差分データとして出力する。フィルタ処理部602は、差分データに対して図6(b)に示すフィルタによるフィルタ処理を施し、注目画素を中心とする局所的な領域における差分値の総和を、注目画素における濃度変動量として算出する。なお、図6(b)において中央付近の太線で囲った1画素が、注目画素位置である。ここで算出される濃度変動量はすなわち、入力画像データ110とスクリーン画像データ111との差分の低周波成分に相当する。図6(b)に示すフィルタは、図4に示したハーフトーンテーブルにおける閾値群のセルの大きさに対応しており、セル内の画素値の総和を求めるようになっている。なお、フィルタ処理部602では、スクリーン処理における同一閾値の係数の総和が全閾値で等しくなるように、フィルタを設定する。
次に、濃度変動判定部102における動作について、図6を用いて詳細に説明する。濃度変動判定部102においては、ハーフトーン処理後の画像データにおいて、該ハーフトーン処理前後の濃度変動から、該ハーフトーン処理による画質劣化が生じている画素を検出する。図6(a)に、濃度変動判定部102のブロック構成を示す。同図に示すように濃度変動判定部102は、減算部601、フィルタ処理部602、および比較部603によって構成される。減算部601は画素ごとに、入力画像データ110の入力画素値と、スクリーン処理部101から得られるスクリーン画像データ111のスクリーン画素値との差分値を算出し、差分データとして出力する。フィルタ処理部602は、差分データに対して図6(b)に示すフィルタによるフィルタ処理を施し、注目画素を中心とする局所的な領域における差分値の総和を、注目画素における濃度変動量として算出する。なお、図6(b)において中央付近の太線で囲った1画素が、注目画素位置である。ここで算出される濃度変動量はすなわち、入力画像データ110とスクリーン画像データ111との差分の低周波成分に相当する。図6(b)に示すフィルタは、図4に示したハーフトーンテーブルにおける閾値群のセルの大きさに対応しており、セル内の画素値の総和を求めるようになっている。なお、フィルタ処理部602では、スクリーン処理における同一閾値の係数の総和が全閾値で等しくなるように、フィルタを設定する。
ここで図4のハーフトーンテーブルに示す閾値群おいて、セルの設定を右方向に1画素分ずつ平行移動したとしても、セル内の全ての閾値は1つも重複することなく、32種類存在する。よって、入力画像データ110が一様であるとき、セル内に対応する各入力画素値とそのスクリーン画素値との差分の総和(濃度変動量)としては、量子化誤差(ここでは−128〜127)以上の値は発生しないはずである。しかしながら、入力画像データ110にはない濃度変動がスクリーン画像データ111上で発生しているような場合には、量子化誤差を上回る濃度変動量が得られることがある。スクリーン画像データ111上で発生したこのような濃度変動が、印刷後の画像において視覚的に好ましくない模様(モアレ)の発生の要因となる。
そして比較部603では、注目画素における濃度変動量と所定の閾値TH1とを比較し、濃度変動量がTH1よりも大きい場合に、当該注目画素はスクリーン処理によってモアレ発生要因となる画素(以下、劣化要因画素)であると判定する。一方、濃度変動量がTH1以下である場合には、当該注目画素は劣化要因画素ではないと判定する。該判定結果は、判定データ114として画像データ選択部103へ出力される。また、同様に該判定結果は、判定データ116としてドット安定化部104へも出力される。
上述したように、ハーフトーンテーブルにおいてセルを平行移動しても全ての閾値がセル内に存在するため、濃度変動検出および判定処理は1画素ごとに行うことができる。なお、入力画像がグラデーション画像であった場合、セルに対応する入力画像データ110が一様でないため、セル内の濃度変動量として量子化誤差以上の差分が発生することが考えられる。しかしながら、グラデーション画像には高周波成分がないので、モアレは発生しない。従ってグラデーション画像については、量子化誤差以上の濃度変動量が算出された場合であっても、スクリーン処理部101の出力を選択すべきである。このようなグラデーション画像の特性を鑑み、本実施形態においてモアレが生じているか否かを判定するための閾値TH1としては、量子化誤差の1.5〜2倍程度の値を設定することが望ましい。
●画像データ選択処理
次に、画像データ選択部103における処理について説明する。画像データ選択部103は、濃度変動判定部102から送られてきた判定データ114から、入力画素が劣化要因画素であるか否かを判断する。劣化要因画素であると判断すると、注目画素の中間画素値として、スクリーン処理前の入力画像データ110における入力画素値を選択し、出力する。一方、劣化要因画素でないと判断すると、注目画素の中間画素値として、スクリーン処理部101から得られるスクリーン画像データ111におけるスクリーン画素値を選択し、出力する。
次に、画像データ選択部103における処理について説明する。画像データ選択部103は、濃度変動判定部102から送られてきた判定データ114から、入力画素が劣化要因画素であるか否かを判断する。劣化要因画素であると判断すると、注目画素の中間画素値として、スクリーン処理前の入力画像データ110における入力画素値を選択し、出力する。一方、劣化要因画素でないと判断すると、注目画素の中間画素値として、スクリーン処理部101から得られるスクリーン画像データ111におけるスクリーン画素値を選択し、出力する。
図7に、上記図5(a),(b)に示した入力画像データ110およびスクリーン画像データ111に対し、画像データ選択部103から選択出力された中間画像データ115の例を示す。図7の太線で囲まれた領域は、注目画素における濃度変動量が閾値TH1より大きい劣化要因画素であったために、図5(b)に示すスクリーン画素値が図5(a)に示す入力画素値127に戻っていることが分かる。
このように本実施形態では、スクリーン画像に対して濃度変動判定および画像データ選択処理を行うことによって、モアレ除去補正が施される。なお、上記補正はモアレ除去の他、エッジ補正や細線の欠落補正としても機能する。
●ドット安定化処理
次に、ドット安定化部104における処理について詳細に説明する。ドット安定化部104には、入力画像データ110(第1の画像データ)をハーフトーン処理したスクリーン画像データ111(第2の画像データ)の劣化要因画素を第1の画像データの画素に戻した中間画像データ115(第3の画像データ)が入力される。上述したように中間画像データ115には、スクリーン処理が行われていない入力画素(図7の太線で囲まれた画素)が含まれており、これら入力画素はドット出力用に安定したデータではない。したがって、画像形成装置でこれら入力画素に応じたドット出力を行った場合、一部の画素についてはドットが欠落してしまう等、正確な再現がなされず、全体として元の入力画像データ110よりも濃度が低下してしまう。ドット安定化部104ではこのようなドット出力の安定化を図ることで、出力画像における濃度低下を抑制する。
次に、ドット安定化部104における処理について詳細に説明する。ドット安定化部104には、入力画像データ110(第1の画像データ)をハーフトーン処理したスクリーン画像データ111(第2の画像データ)の劣化要因画素を第1の画像データの画素に戻した中間画像データ115(第3の画像データ)が入力される。上述したように中間画像データ115には、スクリーン処理が行われていない入力画素(図7の太線で囲まれた画素)が含まれており、これら入力画素はドット出力用に安定したデータではない。したがって、画像形成装置でこれら入力画素に応じたドット出力を行った場合、一部の画素についてはドットが欠落してしまう等、正確な再現がなされず、全体として元の入力画像データ110よりも濃度が低下してしまう。ドット安定化部104ではこのようなドット出力の安定化を図ることで、出力画像における濃度低下を抑制する。
以下、ドット安定化部104におけるドット安定化処理について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、ドット安定化部104はその内部に、複数ライン分の画素値を保持するためのメモリ(不図示)を有している。このメモリはまた、該複数ラインについて、濃度変動判定部102における判定結果情報も保持する。
ドット安定化部104は、上記メモリに保持された複数ライン分の画素を順次処理していく。まずS802において、処理対象である画素がスクリーン画像データ111の画素(スクリーン画素)であるか否かを、濃度変動判定部102による判定結果を示す判定データ116に基づいて判定する。スクリーン画素値であった場合はS809に進む。S809では、当該画素に対応したレーザ露光量を第1の露光量であるデフォルト値に設定するために、レーザ露光量信号を00(bin;バイナリ値)に設定し、レーザスキャナ系234内のレーザ駆動回路(不図示)へ出力する。その後S810に進み、該スクリーン画素値を画像データ112として、後段のPWM処理部307へと出力する。
一方、S802で注目画素が入力画像データ110の画素(入力画素値)であった場合、すなわち、例えば図7において太線で囲まれた領域内の劣化要因画素であった場合には、これを安定化対象となる注目画素として、S803以降の処理を行う。
S803では、注目画素とその周囲の8画素(以下、周囲画素)の値を、上記メモリから取得する。ここで図9(a)に、注目画素と周囲画素の例を示す。同図においてiとjはそれぞれ、画像データの主走査方向および副走査方向における注目画素の位置を示している。すなわち、図9(a)においてv(i,j)が注目画素を示しており、その上下左右斜めに位置する8画素が周囲画素である。以下、注目画素v(i,j)の画素値を注目画素値d(i,j)とする。S803では8つの周囲画素v(i-1,j-1)、v(i,j-1)、v(i+1,j-1)、v(i-1,j)、v(i+1,j)、v(i-1,j+1)、v(i,j+1)、v(i+1,j+1)のそれぞれについての画素値を上記メモリから取得する。すなわち、周辺画素値d(i-1,j-1)、d(i,j-1)、d(i+1,j-1)、d(i-1,j)、d(i+1,j)、d(i-1,j+1)、d(i,j+1)、d(i+1,j+1)を取得する。
次にS804において、周囲画素値の加重平均値を算出する。ここで図9(b)に、加重平均値の算出例を示す。図9(b)に示す例では、注目画素v(i,j)に隣接するv(i,j-1)、v(i-1,j)、v(i+1,j)、v(i,j+1)については、注目画素との距離が近いため画素値を2倍にする。また、注目画素に対し斜め方向に位置するv(i-1,j-1)、v(i+1,j-1)、v(i-1,j+1)、v(i+1,j+1)については、注目画素との距離が隣接画素の√2倍であるため、画素値を1倍にする。このような重み付けにより、各画素値の加算結果Dsは以下の(1)式で示される。
Ds=d(i-1,j-1)×1+d(i,j-1)×2+d(i+1,j-1)×1+d(i-1,j)×2
+d(i+1,j)×2+d(i-1,j+1)×1+d(i,j+1)×2+d(i+1,j+1)×1 ・・・(1)
そして以下の(2)式のように、重み付け加算結果Dsを12で除算することで、周辺画素値の加重平均値Vave(i,j)が算出される。
+d(i+1,j)×2+d(i-1,j+1)×1+d(i,j+1)×2+d(i+1,j+1)×1 ・・・(1)
そして以下の(2)式のように、重み付け加算結果Dsを12で除算することで、周辺画素値の加重平均値Vave(i,j)が算出される。
Vave(i,j)=Ds/12 ・・・(2)
次にS805において、注目画素値と、周囲画素値の加重平均値との差分値Suを、以下の(3)式により算出する。
次にS805において、注目画素値と、周囲画素値の加重平均値との差分値Suを、以下の(3)式により算出する。
Su=d(i,j)−Vave(i,j) ・・・(3)
例えば、注目画素値が128であり、8つの周辺画素の各画素値が全て50であった場合、周辺画素値の加重平均値Vave(i,j)=50となり、差分値Su=128−50=78となる。S806以降ではこの差分値Suによって、注目画素と周囲画素の関係、すなわち注目画素の状態を判別する。詳細は後述するが本実施形態では、注目画素の状態として、以下の3つの状態を判別する。まず、注目画素値に対して周囲画素の全画素値が大きく異なる、すなわち注目画素が孤立点であると推測される状態(孤立点状態)。そして、注目画素値に対して周囲画素の全画素値がほぼ同じである、すなわち注目画素がベタ画像の一部である状態(ベタ画像状態)。そして、注目画素値に対して周囲画素の全てではなく一部の画素値がほぼ同じである、すなわち注目画素が孤立点でもベタ画像でもなく、一部の画素が同値で隣接する状態(画素隣接状態)、である。これら各状態の判別方法については、S806以降において詳細に説明する。
例えば、注目画素値が128であり、8つの周辺画素の各画素値が全て50であった場合、周辺画素値の加重平均値Vave(i,j)=50となり、差分値Su=128−50=78となる。S806以降ではこの差分値Suによって、注目画素と周囲画素の関係、すなわち注目画素の状態を判別する。詳細は後述するが本実施形態では、注目画素の状態として、以下の3つの状態を判別する。まず、注目画素値に対して周囲画素の全画素値が大きく異なる、すなわち注目画素が孤立点であると推測される状態(孤立点状態)。そして、注目画素値に対して周囲画素の全画素値がほぼ同じである、すなわち注目画素がベタ画像の一部である状態(ベタ画像状態)。そして、注目画素値に対して周囲画素の全てではなく一部の画素値がほぼ同じである、すなわち注目画素が孤立点でもベタ画像でもなく、一部の画素が同値で隣接する状態(画素隣接状態)、である。これら各状態の判別方法については、S806以降において詳細に説明する。
本実施形態の安定化処理においては、注目画素についての上記状態判別結果に応じて、レーザ露光量の設定を行う。このように、ドット安定化部104においてレーザ露光量信号を制御することで、注目画素におけるドット形成の安定化を図る。以下、このレーザ露光量の設定処理について説明する。
本実施形態におけるレーザ露光量信号としては、露光量に応じたバイナリ値が設定される。例えば、デフォルト(第1の露光量)の2倍である第3の露光量を指示するときは10(bin)、デフォルトの1.5倍である第2の露光量を指示するときは01(bin)、デフォルト(第1の露光量;1.0倍)を指示するときは00(bin)を設定する。ドット安定化部104では、注目画素の状態に応じて、以下のようにレーザ露光量信号を生成する。例えば、注目画素が孤立点状態である場合には該注目画素に対するレーザ露光量がデフォルトの2倍(第3の露光量)となるようにレーザ露光量信号を設定し、ベタ画像状態である場合にはデフォルトの1.0倍(第1の露光量)に設定する。また、それ以外の状態、すなわち注目画素の左右上下斜めの全てではなく、いずれかがドットを形成する画素隣接状態である場合には、レーザ露光量がデフォルトの1.5倍(第2の露光量)となるように、レーザ露光量信号を設定する。
本実施形態では、注目画素の状態がドット出力に不安定であるほどレーザ露光量を大きくすることで、ドット形成の安定化を図っている。これは、図2に示す構成からなる画像形成装置において、帯電した感光ドラムを走査するレーザ露光量を大きくすれば、該ドラム上で該レーザ露光に応じた静電潜像がより安定して形成できるためである。また、レーザスキャナ系234内のレーザ駆動回路が、ドット安定化部104からの画素単位のレーザ露光量信号に応じてレーザ露光量の切り替えを行うことで、周囲画素には影響を及ぼすことなく、注目画素についてのドット形成の安定化を図ることができる。
以下、図8に戻ってS806以降のレーザ露光量制御について詳細に説明する。
上述したように、ドット安定化部104ではS805において、注目画素と周囲画素の加重平均値との差分値Suを、上記(3)式により算出した。次にS806では差分値Suを判定値Aと比較することで、注目画素が孤立点状態であるか否かを判別する。すなわち、差分値Suが判定値Aよりも大きければ、注目画素は孤立点状態であると判定する。例えば、図7に示す中間画像データ115において、主走査方向と副走査方向の位置x,yにより各画素位置v(x,y)を示し、その画素値をd(x,y)とすると、d(8,5)=127である。そして、v(8,5)に対する8つの周囲画素v(7,4)、v(8,4)、v(9,4)、v(7,5)、v(9,5)、v(7,6)、v(8,6)、v(9,6)の画素値が全て0であるので、Vave(8,5)=0となる。したがって、(3)式より差分値Su=127−0=127となる。ここで、判定値Aを100とした場合、差分値Suは判定値Aよりも大きい値であるため、v(8,5)は孤立点状態であると判定される。よって、レーザ露光量を2.0倍に設定するために、S8061へ進んでレーザ露光量信号を10(bin)に設定し、レーザ駆動回路へ出力する。
本実施形態ではさらに、レーザ露光量を変更した場合に印字濃度が変わってしまうことを防ぐために、S8061でレーザ露光量信号を設定した後、S8062において注目画素の値を変更する。S8062における注目画素値の変更制御について、図13を用いて説明する。図13は、レーザ露光量と、該露光によってドット形成される画素値ごとの印刷濃度との対応を示す印刷濃度テーブル例を示す図であり、該テーブルはドット安定化部104内の不図示のメモリに保持されている。すなわち、同図に示すように露光量1.0倍の画素値0〜255に対する印字濃度データと、変更される露光量(この例では2.0倍)の画素値0〜255に対する印字濃度データを予め取得し、印刷濃度テーブルを作成しておく。露光量1.5倍の場合についても同様に、画素値0〜255までの印刷濃度テーブルを作成・保持しておく。一旦作成された印刷濃度テーブルの内容を変更することも可能である。例えば、図2に示す中間転写体27上のトナー像の印刷濃度を濃度検出センサで測定し、該測定値に基づいてテーブル内容を動的に変更しても良い。
S8062では、上記印刷濃度テーブルを用いて注目画素値を変更する。例えば、注目画素値が180である場合、図13に示す印刷濃度テーブルによれば露光量1.0倍であればその印字濃度はAであり、対して露光量2.0倍のとき、印字濃度がAに最も近い画素値は100である。したがってこの場合、S8062で注目画素の画素値を180から100に変更した後、S810で該変更後の注目画素値を、画像データ112としてPWM処理部307へ出力する。このように注目画素について画素値を低減させることで、PWMによりレーザ露光時間が短くなるものの、レーザ露光量は増大しているため、ドット形成は安定化する。
一方、S806で差分値Suが判定値A以下であり、注目画素が孤立点状態でないと判定された場合、S807で差分値Suを判定値Bと比較することで、注目画素がベタ画像状態であるか否かを判別する。すなわち、差分値Suが判定値B以下であれば、注目画素はベタ画像状態であると判定する。例えば、図7に示す中間画像データ115において、画素位置v(10,10)の画素値はd(10,10)=255である。そして、その8つの周辺画素v(9,9)、v(10,9)、v(11,9)、v(9,10)、v(11,10)、v(9,11)、v(10,11)、v(11,11)の画素値が全て255である。したがって、Vave(10,10)=255となるから、(3)式より差分値Su=255−255=0となる。ここで、判定値Bを5とした場合、差分値Suは判定値B以下の値であるため、v(10,10)はベタ画像状態であると判定される。判定後はS8071において上記S8061と同様に、レーザ露光量を1.0倍とするためにレーザ露光量信号を00(bin)に設定して、レーザ駆動回路へ出力する。その後、S810で注目画素値を画像データ112としてPWM処理部307へ出力する。
一方、S807で差分値Suが判定値Bより大きいと判定された場合、当該注目画素は孤立点状態でもなくベタ画像状態でもない、画素隣接状態であると判定される。したがってS8081でレーザ露光量信号を露光量1.5倍を示す01(bin)に設定してレーザ駆動回路へ出力した後、S8082で上記S8062と同様に注目画素値を変更して、出力する。
ここで図12に、図7に示す中間画像データ115に対して、図8に示す処理により画素ごとに設定されたレーザ露光量の倍率を示す。同図によれば、全ての周囲画素が0である孤立点には2.0倍が設定され、周囲画素の一部が0でない点には1.5倍が設定され、全ての周囲画素が0でないベタ画像点には1.0倍が設定されていることが分かる。
なお、図8に示すフローチャートにおいては、注目画素値が0であっても、それが入力画素値に置換された画素であれば、S803以降で周囲画素に応じた状態判別等の処理が施され、周囲画素に応じたレーザ露光量信号が設定される。しかしながらその場合、VDO信号が0であるから、PWM処理部307以降においてドットは形成されない。
●レーザ露光量制御
本実施形態では上述したように、ドット安定化部において、スクリーン処理後にモアレ除去等の補正を施した画像データに対して、注目画素に対するレーザ露光量を、周囲画素値から判別される注目画素状態に応じて切り替える。本実施形態では、画素単位のレーザ露光量信号に応じてレーザ露光量を切り替えることで、周囲画素には影響を及ぼすことなく、注目画素についてのドット形成の安定化を図っている。以下、本実施形態におけるレーザ露光量制御について、詳細に説明する。
本実施形態では上述したように、ドット安定化部において、スクリーン処理後にモアレ除去等の補正を施した画像データに対して、注目画素に対するレーザ露光量を、周囲画素値から判別される注目画素状態に応じて切り替える。本実施形態では、画素単位のレーザ露光量信号に応じてレーザ露光量を切り替えることで、周囲画素には影響を及ぼすことなく、注目画素についてのドット形成の安定化を図っている。以下、本実施形態におけるレーザ露光量制御について、詳細に説明する。
図10は、図3に示すレーザスキャナ系234に含まれる、レーザ駆動回路の構成を示す図である。同図に示すようにレーザ駆動回路は、スイッチング回路と定電流回路を備え、PWM処理部307から入力されたビデオ信号(以下、VDO信号)1101と、VDO信号1101に対応したレーザ露光量信号1102に応じて、レーザ駆動用の電流を制御する。図11(a)は、図10に示すレーザ駆動回路が、レーザ露光量信号に応じて定電流回路を制御してレーザ露光量を切り替える例を示すタイミング図である。また図11(b)は、レーザに流れる電流とレーザ露光量の関係を示す図であり、第1,第2,第3の露光量である1.0L,1.5L,2.0Lと、それを実現する電流IL1,IL2,IL3の関係を示している。
図10に示すようにレーザ駆動回路には、PWM処理部307から送られてくるVDO信号1101に対応して、ドット安定化部104で生成されたレーザ露光量信号1102が送られてくる。本実施形態では、注目画素が孤立点状態である場合、該注目画素に対するレーザ露光量をデフォルトの2.0倍に設定する。すなわち図11(a)に示すように、タイミング(1)でレーザ駆動回路に入力するレーザ露光量信号1102を10(bin)に設定することで、定電流回路に流れる電流Icがデフォルト値であるIC1からIC3へ変更される。図11(a)によれば、レーザ露光量信号を10(bin)にしてレーザ露光量を2倍にする場合、定電流回路の設定電流ICは、所定の時定数をもってIC1からIC3へ安定化していく。そのため、図11(a)において、VDO信号1101が1になり、スイッチング回路がレーザ側にONするタイミング(2)よりも前に、定電流回路Icの切り替え動作を行っておく必要がある。これにより、タイミング(2)から(3)の間、定電流回路IcにはIC3が設定され、レーザを流れる電流ILは、図11(b)に示すようにレーザ露光量を2.0倍とする電流IL3となる。なお本実施形態では、レーザ露光量がデフォルトの2.0倍となるような電流IL3を予め決めておく必要がある。
そして、図11(a)におけるタイミング(3)で、レーザ露光量信号を10(bin)からデフォルトの00(bin)に変更し、それに応じて定電流回路Icの設定電流がタイミング(4)でデフォルト値であるIC1に安定化する。
ここでレーザ駆動回路においては、VDO信号1101が1になる前(タイミング(1))からレーザ露光量信号を変更する必要があるため、そのまま画像形成を行うと、注目画素について大きくなるように切り替えたレーザ露光量が周囲画素に影響する。特に、注目画素に対してレーザ走査方向、すなわち左右に隣接する画素について、想定される出力濃度とは異なる濃度の画像が印字されてしまう。よって本実施形態では、ドット安定化部104で判定された注目画素の状態に応じて、以下のようにレーザ露光量を変更する。
例えば注目画素が孤立点状態であれば、注目画素に隣接するドットがなく、孤立した点であることによるドット形成の不安定さが他の同濃度の画素に比べて大きい。したがって、上記タイミング(1)〜(4)のようにレーザ露光量が2.0倍になるように制御する。
次に、注目画素が孤立点状態、ベタ画像状態のいずれでもない状態、すなわち注目画素の左右上下斜めの全てではなくいずれかにドットが形成される画素がある画素隣接状態である場合の制御について説明する。
図11(a)のタイミング(5)で、レーザ露光量信号を01(bin)に切り替えることで、定電流回路Icの設定電流をIC2に設定し、レーザ露光量がデフォルトの1.5倍となるように制御する。そしてタイミング(6)において、定電流回路Icの設定電流がIC2に安定化され、同じタイミングでVDO信号1101が1になる。なおこの場合、定電流回路Icに設定する電流の時定数はレーザ露光量を2.0倍にする場合と同じであるため、電流の変化量が小さいほど、切り替え時間を短縮することが可能である。すなわち、タイミング(1)〜(2)間よりもタイミング(5)〜(6)間の方が短くて済む。そしてタイミング(6)〜(7)において定電流回路IcにはIC2が設定され、レーザを流れる電流ILは、図11(b)に示すようにレーザ露光量が1.5倍となるような電流IL2となる。そして、タイミング(7)でVDO信号1101が0になるのと同じタイミングで、レーザ露光量信号をデフォルトの00(bin)に切り替え、タイミング(8)で定電流回路Icの設定電流がデフォルト値IC1となる。
このように、注目画素が画素隣接状態である場合は、レーザ露光量を1.5倍に切り替えることで、2.0倍に切り替えた場合と比べて、該切り替えの影響が周囲画素に及ぶことが低減される。また、周囲画素のいずれかにドットが形成されるため、注目画素が孤立点である場合よりもドット安定化が図れるため、孤立点である場合よりも小さい露光量であっても、安定したドット出力が可能となる。
また、注目画素がベタ画像状態である場合、レーザ露光量信号は00(bin)のままであるため、タイミング(9)〜(10)でVDO信号1101が1になった際にも定電流回路IcにはデフォルトのIC1が設定されたままである。したがって、レーザにはデフォルト(露光量1.0倍)の電流IL1が流れ、通常のドット出力がなされる。ベタ画像であればドット出力は十分に安定しているため、このようにデフォルト設定によるドット形成を行う。
このようにドット安定化部104でのレーザ露光量制御により、周囲画素に影響を及ぼすことなく、注目画素のドット形成の安定化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態ではレーザ露光量を3段階で制御する例を示したが、それ以上の制御レベルを適用しても良い。また、注目画素の周囲画素を上下左右斜めの8画素として説明したが、周囲画素の画素数をさらに増やして、注目画素状態の判別を行っても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、スクリーン処理後にモアレ除去等の補正を施した画像データに対し、注目画素に対するレーザ露光量を、周囲画素値から判別される注目画素状態に応じて制御する。これにより、ドット形成が不安定な注目画素に対し、周囲画素へ影響を及ぼすことなく、該注目画素のみについてドット形成の安定化を図ることができる。
したがって、スクリーン処理後の画像データを補正したハーフトーン画像について、安定したスクリーン構造を保ちながらモアレ等を抑制し、細線の欠落などの無い良好な印刷出力を行うことが可能となる。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。一般にスクリーン処理された画像においては、モアレの発生や細線の欠落、エッジ部におけるシャギーの発生等の画質欠陥が生じる場合がある。そこで第2実施形態では、スクリーン処理前にこれらスクリーン処理によって発生するであろう画質欠陥を補正し、該補正情報に基づいて、ドット安定化処理を行うことを特徴とする。
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。一般にスクリーン処理された画像においては、モアレの発生や細線の欠落、エッジ部におけるシャギーの発生等の画質欠陥が生じる場合がある。そこで第2実施形態では、スクリーン処理前にこれらスクリーン処理によって発生するであろう画質欠陥を補正し、該補正情報に基づいて、ドット安定化処理を行うことを特徴とする。
第2実施形態では、スクリーン処理よりも上流側で、モアレ除去補正、細線の欠落補正、エッジ補正等の画質補正処理が行われる。そして、該画質補正が施された画素を分類するための補正属性を示すアトリビュート信号を画素ごとに付加し、該アトリビュート信号に基づいて、ドット安定化処理を行う。
図14に、第2実施形態における安定化処理部のブロック構成を示す。図14において、第1実施形態の図1と同様の構成には同一番号を付し、説明を省略する。図14においては、ドット安定化部1404に対し、画素ごとのスクリーン画像データ111と、スクリーン処理部101の上流側で画素ごとに付されたアトリビュート信号1414が入力される。ここでアトリビュート信号1414としては、スクリーン画素値に対する補正の有無および補正が有る場合にはその補正内容を示すものであるため、想定する補正の種類を分類可能なビット数からなる。例えばアトリビュート信号1414が、エッジ補正画素、細線の欠落補正画素、モアレ除去画素、それ以外の画素(補正されていない画素)の4分類の情報を示す必要があれば、少なくとも2ビット以上の信号が必要である。または、これら補正が施されているか否かを示すものであれば、1ビットフラグで十分である。
そしてドット安定化部1404では、スクリーン画像データ111のうち、上記いずれかの補正がなされている画素を安定化対象となる注目画素として、第1実施形態と同様にドット形成を安定化させるためのレーザ露光量設定、および画素値変換を行う。すなわち第1実施形態では図8のS802に示すように、中間画像データ115において入力画素値である画素を注目画素としてドット安定化処理を行ったが、第2実施形態ではスクリーン画像データ111において補正済みである画素を注目画素として設定する。例えば、ドット安定化部1404にスクリーン画素が入力された際に、その画素に対するアトリビュート信号1414がエッジ補正画素を表していたとする。この場合、ドット安定化部1404では、第1実施形態と同様に当該スクリーン画素を注目画素として、その画素状態に応じてレーザ露光量信号1413を切り替える。細線欠落補正画素やモアレ除去画素についても同様に、これらを安定化対象となる注目画素として選択する。もちろん、アトリビュート信号1414が補正の有無のみを示しているのであれば、補正ありの画素を、安定化対象となる注目画素として設定すれば良い。
以上説明したように第2実施形態によれば、画素が補正済みであるか否かを示すアトリビュート信号1414を用いて注目画素を決定する。そして第1実施形態と同様に、該注目画素についてのレーザ露光量信号1413を切り替えることで、ドット形成に不安定なデータであってもドット再現性を良くすることができる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上述した第1実施形態と第2実施形態と組み合わせた構成をなす。すなわち、既に画質補正処理が施されている画像データを入力画像データとして、アトリビュート信号とともに安定化処理部に入力する。
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上述した第1実施形態と第2実施形態と組み合わせた構成をなす。すなわち、既に画質補正処理が施されている画像データを入力画像データとして、アトリビュート信号とともに安定化処理部に入力する。
図15に、第3実施形態における安定化処理部のブロック構成を示す。図15によれば、第3実施形態における安定化処理部の構成は、図1に示した第1実施形態の構成に、図14に示した第2実施形態のアトリビュート信号1414が付加されたものである。図15において、ドット安定化部1504には、画像データ選択部103から送られてくる中間画像データ115と、濃度変動判定部からの判定データ116、およびアトリビュート信号1414が入力される。すなわちドット安定化部1504は中間画像データ115において、まず第1実施形態と同様に判定データ116からスクリーン画素値でない画素を安定化対象となる注目画素として選択する。そしてさらに、スクリーン画素値であっても、アトリビュート信号1414により何らかの画質補正が施されている画素であれば、これを安定化対象となる注目画素として選択する。以降は第1実施形態と同様に、注目画素の状態に応じてレーザ露光量信号1513を切り替える。
以上説明したように第3実施形態によれば、スクリーン画像データにおいて濃度変動に応じた補正がなされなかった画素についても、入力段階で既に画質補正済みであれば、これをドット安定化対象となる注目画素として設定する。そして第1実施形態と同様に、該注目画素についてのレーザ露光量信号1413を切り替えることで、ドット形成に不安定なデータであってもドット再現性を良くすることができる。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはプロセッサ等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはプロセッサ等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (14)
- 像担持体上を露光して静電潜像を形成する画像形成装置であって、
ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記ハーフトーン処理による画質劣化が生じている注目画素を検出する画素検出手段と、
前記ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出する特徴量検出手段と、
前記注目画素に対する露光量を前記画素特徴量に応じて設定する露光量設定手段と、
前記注目画素を前記露光量設定手段で設定された露光量で形成した場合に得られる印刷濃度が、該注目画素を基準露光量で形成した場合に得られる印刷濃度と同等となるように、該注目画素の画素値を変換する画素値変換手段と、
前記画素値変換手段で画素値が変換された注目画素について、前記露光量設定手段で設定された露光量により前記像担持体上に静電潜像の形成を行う画像形成手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - さらに、第1の画像データにハーフトーン処理を施して第2の画像データに変換するハーフトーン処理手段と、
前記第2の画像データの画素ごとに、該画素を中心とした局所的な領域における前記第1の画像データの画素との差分値の総和を濃度変動量として検出する濃度変動検出手段と、
前記濃度変動量に応じて、画素ごとに前記第1の画像データを構成する画素と前記第2の画像データを構成する画素のいずれかを選択して第3の画像データを生成する選択手段と、を有し、
前記画素検出手段は、前記第3の画像データにおいて前記選択手段で前記第1の画像データが選択された画素を前記注目画素として検出し、
前記特徴量検出手段は、前記第3の画像データにおいて前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記選択手段は画素ごとに、前記濃度変動量が所定の閾値より大きければ前記第1の画像データを構成する画素を選択し、前記濃度変動量が前記閾値以下であれば前記第2の画像データを構成する画素を選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記露光量設定手段は、前記画素特徴量に応じて前記注目画素と該注目画素の周囲にある周囲画素との関係を示す注目画素状態を判別し、該判別された注目画素状態に応じて、前記注目画素に対する露光量を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記露光量設定手段は、前記注目画素状態として、前記周囲画素の全画素値が前記注目画素の画素値と大きく異なっている孤立点状態と、前記周囲画素の全画素値が前記注目画素の画素値とほぼ同じであるベタ画像状態と、前記周囲画素の一部の画素値が前記注目画素の画素値とほぼ同じである画素隣接状態、のいずれであるかを判別することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記露光量設定手段は、前記注目画素状態が前記ベタ画像状態であれば第1の露光量を設定し、前記画素隣接状態であれば前記第1の露光量よりも大きい第2の露光量を設定し、前記孤立点状態であれば前記第2の露光量よりも大きい第3の露光量を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記第1の露光量は、前記基準露光量とほぼ同じであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記特徴量検出手段は、前記所定領域内において前記周囲画素の加重平均値を算出し、該加重平均値と前記注目画素の画素値との差分を、前記画素特徴量として検出することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画素値変換手段は、露光量と画素値ごとの印刷濃度との対応を示す印刷濃度テーブルを予め保持し、該印刷濃度テーブルに基づいて、前記注目画素の画素値を変換することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、パルス幅変調による画像形成を行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- さらに、既に画質補正が施された第1の画像データを、該第1の画像データにおける画素単位の補正内容を示す補正情報とともに入力する入力手段と、
前記第1の画像データにハーフトーン処理を施して第2の画像データに変換するハーフトーン処理手段と、を有し、
前記画素検出手段は、前記第2の画像データにおいて前記補正情報により画質補正済みであると判定される画素を前記注目画素として検出し、
前記特徴量検出手段は、前記第2の画像データにおいて前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - さらに、既に画質補正が施された第1の画像データを、該第1の画像データにおける画素単位の補正内容を示す補正情報とともに入力する入力手段と、
前記第1の画像データにハーフトーン処理を施して第2の画像データに変換するハーフトーン処理手段と、
前記第2の画像データの画素ごとに、該画素を中心とした局所的な領域における前記第1の画像データの画素との差分値の総和を濃度変動量として検出する濃度変動検出手段と、
前記濃度変動量に応じて、画素ごとに前記第1の画像データを構成する画素と前記第2の画像データを構成する画素のいずれかを選択して第3の画像データを生成する選択手段と、を有し、
前記画素検出手段は、前記第3の画像データにおいて、前記選択手段で前記第1の画像データが選択された画素、および前記補正情報により画質補正済みであると判定される画素を前記注目画素として検出し、
前記特徴量検出手段は、前記第3の画像データにおいて前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 画素検出手段、特徴量検出手段、露光量設定手段、画素値変換手段、画像形成手段、を有し、像担持体上を露光して静電潜像を形成する画像形成装置の制御方法であって、
前記画素検出手段が、ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記ハーフトーン処理による画質劣化が生じている注目画素を検出し、
前記特徴量検出手段が、前記ハーフトーン処理した画像データにおいて、前記注目画素を中心とした所定領域内での画素特徴量を検出し、
前記露光量設定手段が、前記注目画素に対する露光量を前記画素特徴量に応じて設定し、
前記画素値変換手段が、前記注目画素を前記露光量設定手段で設定された露光量で形成した場合に得られる印刷濃度が、該注目画素を基準露光量で形成した場合に得られる印刷濃度と同等となるように、該注目画素の画素値を変換し、
前記画像形成手段が、前記画素値変換手段で画素値が変換された注目画素について、前記露光量設定手段で設定された露光量により前記像担持体上に静電潜像の形成を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法。 - 画像形成装置のプロセッサで実行されることにより、該プロセッサを請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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JP2012266738A JP2014112805A (ja) | 2012-12-05 | 2012-12-05 | 画像形成装置およびその制御方法 |
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JP2015007917A (ja) * | 2013-06-25 | 2015-01-15 | オリンパス株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム |
-
2012
- 2012-12-05 JP JP2012266738A patent/JP2014112805A/ja active Pending
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