JP3611374B2 - 部品実装方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、実装機が多数配設された実装ラインにおける部品実装方法に関し、特に部品切れ回数を最小にする部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、実装ラインによる部品実装方法において実装部品を各実装機に振り分ける場合は、実装機のNCデータ作成者が今までの経験により振り分け作業を行い、その後実装ラインで各実装機のタクトをストップウォッチで計測し、その計測結果に応じて各実装機間でタクトバランスがとれるように振り分け調整を行なっている。
【0003】
また、特願平4−51427号に記した振り分け方法では、タクトバランスの平準化を主眼とした部品配列となるように実装機間のタクトバランス調整を繰り返し行なって部品配列を決定している。その結果に基づいて、さらに現場オペレータが部品切れ回数が極力少なくなるように部品供給手段の分割を行ない、数パターンの試行の後最終決定を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の振り分け方法は、振り分け作業に経験と熟練を要するとともに時間が長くかかり、その後実装ラインで計測して手作業にて振り分け調整を行なわねばならないために、さらに経験と時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、各実装機間でのタクトバランスが取れるとともに部品切れ回数を最小にできる部品実装方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の部品実装方法は、部品が実装される基板に関する情報をCADデータから得、実装情報を記録してある実装データベースを用いて実装機駆動用のNCデータを生成し、このNCデータに基づいて実装機を動作させる部品実装方法であって、取り込んだCAD情報から部品毎の使用数を算出し、実装ラインを構成する各実装機へタクトバランスが平準化するように部品を振り分け、一旦振り分けた条件で各部品毎に供給手段の部品の入り数、基板予定生産数等の条件をもとに実装機毎に部品切れ回数のシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果で部品切れ回数の多い部品品番に関して複数の供給手段に分割し、部品切れ回数を実装機間で平準化することを特徴とする。
【0007】
好適には、部品切れ回数を平準化するように所要の供給手段を複数に分割した後、タクトシミュレーションを行い、各実装機間でタクトバランスが平準化するように供給手段を他の実装機との間で入れ替える処理を繰り返し、タクト及び部品切れ回数が実装機間で平準となる供給手段の配列を決定する。
【0008】
【作用】
本発明の部品実装方法によれば、CADデータと実装データと各部品毎の供給手段の部品の入り数、生産予定枚数等の生産計画を用いて、まずタクトバランスを主とした仮想部品配列を決め、その配列下で生産計画実行の際の各実装機での部品切れ発生頻度の事前シミュレーションを行い、部品切れ回数が平準化するように所要の供給手段を複数に分割することにより、部品切れ回数を最小とすることができる。
【0009】
さらに、タクトシミュレーションを行なって各実装機間でタクトバランスがとれるように実装機間で供給手段を入れ替えることにより、タクトバランスがとれかつ部品切れ回数を最小にした効率的な部品実装を実現できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例の実装ラインにおける部品実装方法を、図1〜図6を参照して説明する。
【0011】
まず、図1により実装設備の全体構成について説明する。実装設備1には、実装機2をライン配置した実装ライン3が複数形成されている。各実装ライン3を構成する各実装機2の制御部には制御装置4が接続されている。制御装置4は各実装機2に対して実装すべき実装部品を振り分けるとともに、その振り分けた実装部品のCADデータの入力を行なう。
【0012】
このため制御装置4には、CADシステム5が接続されており、CADシステム5からは部品の実装対象である基板毎にCADデータが入力される。また、各実装機2に関するデータを格納した実装機データベース7aや各実装部品に関するデータを格納した部品データベース7b等から成る実装データベース6のデータが入力される。なお、各実装機2に対するCADデータの入力はそれぞれ別途に行なうこともできる。
【0013】
次に、制御装置4における各実装機2に対する実装部品の振り分け動作を図2〜図6を参照して説明する。
【0014】
図2、図3において、まずステップ#1、#2、#3にて部品の実装対象となる基板機種とその生産計画を指定入力するとともに、その基板機種のCADデータを指定入力し、かつ実装ライン3を指定する。この際、実装ライン3に流す複数の基板機種についてそれぞれの生産計画とCADデータとを入力する。
【0015】
続いてステップ#4において、上記従来例と同じタクトバランス重視の振り分け方法により、タクトバランスを考慮した振り分け(1次振り分け)を実施する。一次振り分けの結果例を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
なお、表1は基板1機種1枚を対象とした場合の結果例である。
【0018】
次に、ステップ#5で入力された生産計画をもとに各部品毎に必要部品数を算出し、ステップ#6で部品データベースより各部品品番毎に供給手段の部品の入り数(例えば、部品供給カセットの部品aの収容数が100個の場合は、入り数は100である。)を取り込み、ステップ#7で生産計画に基づいて生産する場合の部品切れシミュレーションを行ない、部品切れによる実装機の部品切れ回数を評価する。以上のステップ#5、#6、#7による結果例を表2と図4に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
この例は、基板Aには部品aを3個、部品bを2個、基板Bには部品aを2個、部品bを2個、基板Cには部品aを5個、部品bを2個、それぞれ実装するとともに、これら基板Aを200枚、基板Bを50枚、基板Cを40枚連続生産する例であり、一次振り分けで部品aは実装機1に、部品bは実装機2に振り分けられたものとしている。また、表2と図4は部品aと部品bに関する部分のみ図示している。図4の理解のために一部詳しく説明すると、実装機1における部品aは33枚の基板Aへの実装が終わった時点で99個使用されたことになり、その時点で部品供給カセット(入り数100)の入れ替えが必要となる。そして200枚の基板Aへの部品aの実装を終了した時点では既に部品供給カセットの入れ替えを6回行なっており、かつその時点で部品供給カセット内には94個の部品aが残った状態となっており、引き続いて基板Bへの実装に用いる。
【0021】
表2と図4において、基板A〜Cを連続生産する場合、部品a、bについて部品切れによる停止回数は実装機1が9回、実装機2が5回になっている。基板1枚あたりでタクトバランスがとれていても、このような部品切れによる停止はライン全体の稼働停止となるために稼働率低下に直結し、極力避けることが要求される。
【0022】
そこで、ステップ#8においてステップ#7のシミュレーション結果をもとに部品切れ回数の実装機毎の平準化がなされているかどうかの判定を行なう。本実施例では、上記のように実装機間で部品切れ回数が2部品で評価しても4回の開きがあるため、ステップ#9の再振り分け(2次振り分け)を実施する。このステップ#9では、ステップ#5、#6で作成した表2をもとに、部品切れ回数が多い部品についてその部品供給手段(カセット)数を1つ増加させ、その仮想の部品配置によりステップ#7に示した部品切れ回数シミュレーションで再評価するという処理を繰り返す。
【0023】
表3と図5に、まず部品切れ回数の最大の部品aの部品供給手段(カセット)を1つ増加させ、次いでその結果次に部品切れ回数が最大となった部品bの部品供給手段(カセット)数を1つ増加させた時点の結果を示す。この時点では部品a、bについてそれぞれ9回から4回、5回から2回にそれぞれ部品切れ回数が減っている。
【0024】
【表3】
【0025】
このように、ステップ#8の判断で部品切れ回数の実装機間での平準化がなされていない場合、シミュレーション結果で部品切れ回数の多い実装機について、ステップ#9を再度実行し、ラインを構成する実装機の部品切れ回数が所望の平準状態となるまでこれを繰り返す。
【0026】
ステップ#9の繰り返しの結果、ステップ#8の判定で部品切れ回数の平準化がなされると、次いでステップ#10において、平準化された仮想の部品配置をもとに1つのCADデータを対象にしてタクトシミュレーションを実施する。その結果例を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】
次に、ステップ#11で、タクトシミュレーションの結果タクトバランスがとれているか否かの判定を行なう。表4の結果では、下線で示した実装機1の実装タクト(19.54sec)が他と比べて特に大きくなっているので、これがネックとなってラインのタクトバランスがとれていないという判定がなされる。その場合ステップ#12で、ステップ#9の結果部品切れの平準化された仮想の部品配置をもとに、ライン上の実装機間で部品供給手段(カセット)の入れ換え作業を行う(3次振り分け)。このステップ#10、#11、#12の処理・判定をタクトバランスが許容範囲内に入るまで繰り返す。タクトバランスが許容範囲に入ると、部品切れ発生を最小とし、かつタクトバランスがとれた部品供給手段(カセット)の配列が実現されたことになり、ステップ#13でそのように部品供給手段(カセット)の配列を決定する。
【0029】
最終結果の部品配列とその場合の部品切れの発生状態を表5と図6に、またその部品配列によるタクトシミュレーション結果を表6に示す。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
最終結果の例は、部品切れ回数、タクト共に、実装機間で平準化されるように以上のステップを繰り返し処理した結果である。本例では、1次振り分け結果から2次振り分けにより部品aについては1つの部品供給手段から3つの部品供給手段、部品bについては2つの部品供給手段に分割し、かつ3次振り分けにより部品aについて1つの部品供給手段を実装機1から実装機2に入れ換えを行なっている。
【0033】
【発明の効果】
本発明の部品実装方法によれば、以上の説明から明らかなように、CADデータと実装データと各部品毎の供給手段の部品の入り数、生産予定枚数等の生産計画を用いて、タクトバランスを主とした仮想部品配列を決め、その配列下で生産計画実行の際の各実装機での部品切れ発生頻度の事前シミュレーションを行い、部品切れ回数が平準化するように所要の供給手段を複数に分割することにより、部品切れ回数を最小とすることができ、タクトバランスを主とした部品配列では部品切れ回数が多くなって稼働率が低下する点が改善され、ライン稼働率向上を図ることができる。。
【0034】
さらに、タクトシミュレーションを行なって各実装機間でタクトバランスがとれるように実装機間で供給手段を入れ替えることにより、タクトバランスがとれかつ部品切れ回数を最小にした効率的な部品実装を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における部品実装設備の全体概略構成図である。
【図2】同実施例の部品振り分け動作のフローチャートの第1の部分図である。
【図3】同実施例の部品振り分け動作のフローチャートの第2の部分図である。
【図4】同実施例の1次振り分け後の部品切れ状態の説明図である。
【図5】同実施例の2次振り分け中の部品切れ状態の説明図である。
【図6】同実施例の3次振り分け後の部品切れ状態の説明図である。
【符号の説明】
2 実装機
3 実装ライン
4 制御装置
5 CADシステム
6 実装データベース
Claims (2)
- 部品が実装される基板に関する情報をCADデータから得、実装情報を記録してある実装データベースを用いて実装機駆動用のNCデータを生成し、このNCデータに基づいて実装機を動作させる部品実装方法であって、取り込んだCAD情報から部品毎の使用数を算出し、実装ラインを構成する各実装機へタクトバランスが平準化するように部品を振り分け、一旦振り分けた条件で各部品毎に供給手段の部品の入り数、基板予定生産数等の条件をもとに実装機毎に部品切れ回数のシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果で部品切れ回数の多い部品品番に関して複数の供給手段に分割し、部品切れ回数を実装機間で平準化することを特徴とする部品実装方法。
- 部品切れ回数を平準化するように所要の供給手段を複数に分割した後、タクトシミュレーションを行い、各実装機間でタクトバランスが平準化するように供給手段を他の実装機との間で入れ替える処理を繰り返し、タクト及び部品切れ回数が実装機間で平準となる供給手段の配列を決定することを特徴とする請求項1記載の部品実装方法。
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