JP3609891B2 - マイクロコンピュータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転速度に応じて生成される周期信号を受けてモータ制御を行うためのデータ処理技術に係り、特にモータの加減速制御及びモータの回転を定常状態に維持するサーボ制御に関し、例えば、ビデオテープレコーダ(VTR)のモータ制御を行うサーボ回路などを周辺回路として備えたマイクロコンピュータに適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
VTRに内蔵されたビデオテープの走行駆動用のキャプスタンモータやビデオテープの記録・再生用ヘッドを備えたドラムの駆動モータは、記録・再生等の種々の動作モードに応じて、加速、減速、間欠、又は定常状態に駆動制御さる。サーボ制御を起動する前の過渡状態ではモータの加速制御が行われ、サーボ制御が起動されている定常状態からのモータ停止ではモータの減速処理が行われる。従来の加減速処理は、モータの持つ慣性力と負荷から、規定回転数に達するまでの時間を一義的に求め、モータ起動からその一定時間を待つことでモータが規定回転に到達したとみなすような制御が行われていた。このような簡単な制御では精度が悪く、その後のサーボ制御への引き込みを円滑に行うことができない。
【0003】
加減速処理の精度を上げるためには、モータの回転速度に応じて生成される周期信号の周期をタイマ等で計測し、中央処理装置(CPU)がその計測値を参照し、それが規定の値に到達したか否かを判定して、モータの加減速制御を行うことができる。
【0004】
また、前記周期信号に基づいたモータのサーボ制御においては、その周期信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの何れか一方だけで規定される周期を計測して誤差検出を行ったのでは、周期の長い周期信号に対して高精度な制御を期待することができない。そこで、周期信号の両方のエッジに同期して誤差を検出し、夫々の誤差に対してそれを相殺させる方向にモータを制御することができる。即ち、周期信号のハイレベル期間で規定される周期を計測して誤差検出を行い、且つ周期信号のローレベル期間で規定される周期を計測して誤差検出を行い、夫々の誤差に対してそれを相殺させる方向にモータを制御する。この場合には周期信号のデューティ比が高精度でなければ、デューティ比のばらつきが新たな誤差を生むことになる。このため、例えば高精度なアナログアンプを用いると共に回路の特性のばらつきを個別的に調整してデューティ比の精度が高い周期信号を生成することが必要になってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータの回転速度に応じて生成される周期信号の周期をタイマ等で計測し、CPUがその計測値を参照し、それが規定の値に到達したか否かを判定して、モータの加減速制御を行う場合には、CPUは常にタイマの計測値を参照しなければならず、CPUの負担が大きくなって、加減速処理中にCPUはその他の処理を行うことができなくなってしまう。
【0006】
また、立ち上がり及び立ち下がり両方のエッジ間の周期を計測して誤差を検出する場合には、デューティ比の高精度な周期信号を利用しなければならず、これによって、部品コストや調整費用によってサーボ回路若しくはそれを含む回路のコストが上がり過ぎてします。さらに、小振幅から大振幅の周期信号に対するデューティ比の精度測定などのためにテストコストも増大してしまう。
【0007】
また、VTRのモータ制御用のサーボ回路をテレビ等の映像周波の逓倍の周波数を持つクロック信号に同期動作させた場合には、記録・再生用の回路などに輻射ノイズを与える虞のあることが本発明者によって明らかにされた。
【0008】
本発明の目的は、モータの回転速度に応じて生成される周期信号に基づくモータ制御に対するCPUの負担を軽減することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、モータの回転速度に応じて生成される周期信号に基づいてモータをサーボ制御する精度を比較的容易に向上させることにある。
【0010】
本発明のその他の目的は、モータの回転速度に応じて生成される周期信号に基づくモータ制御が映像信号の処理回路に影響を与えないようにする。
【0011】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0013】
すなわち、モータ(33)の回転速度に応じて生成される周期信号(CFG)を受け、これに基づくモータの加減速制御のためのデータ処理を行うマイクロコンピュータは、中央処理装置(2)と、中央処理装置によってデータがロードされるレジスタ(100)と、前記周期信号の所定の変化毎に前記レジスタに格納されている値がプリセットされプリセットされた値を起点にクロック信号(φ)の計数動作を行う計数手段(101)と、この計数手段から出力される計数値が一定の状態に到達するタイミングと前記周期信号の所定の変化のタイミングとの早遅に基づいて、加速中又は減速中のモータが規定の回転状態に到達したことを示す制御信号(IRRAB))を出力する信号形成回路(102,103,104,105)とを備えて成る。これにより、周期信号の前記所定の変化の間隔が規定の間隔に到達したか否かによって、加速又は減速の完了を通知することができる。したがって、CPUは、その通知を参照するだけで、加速又は減速処理の完了を認識でき、モータの加速又は減速処理におけるCPUの負担を軽減することができる。更にこのことにより、加減速処理中で合っても中央処理装置は、優先すべき他の処理の実行が間に合わなくなる事態を生じない。
【0014】
前記加速又は減速処理の完了を通知する制御信号(IRRAB)が中央処理装置に対する割込み信号である場合には、中央処理装置は単に割込みの発生を待てばよい。
【0015】
サーボ回路(15)を備える場合には、加速処理からサーボ制御への移行、即ちサーボ制御への引き込みを円滑に行うことができる。
【0016】
前記マイクロコンピュータは、サーボ回路(15)と前記中央処理装置(2)とに共通の動作基準クロック信号(φ)を生成するクロックパルスジェネレータ(18)を更に備え、モータ制御に特化されたところの、半導体集積回路化されたマイクロコンピュータ(1)として構成することができる。
【0017】
前記計数手段をダウンカウンタ(101)とするとき、前記信号出力回路は、前記ダウンカウンタから出力されるアンダーフロー信号(UDF)によって前記周期信号の前記所定の変化をマスクして出力するマスク手段(102,103,104)と、加速処理において前記マスク手段の出力を選択し、減速処理において前記ダウンカウンタの出力を選択し、選択した信号を前記第1の制御信号(IRRAB)として出力するセレクタ(105)とによって構成することができる。
【0018】
VTRのスロー再生やスチル再生等の特殊再生において、ビデオテープを走行駆動するキャプスタンモータは、トラック単位で起動・停止制御される必要がある。これを考慮したとき、キャプスタンモータ(33)の回転速度に応じて生成される周期信号(CFG)を受け、これに基づいて前記キャプスタンモータの加減速制御のためのデータ処理を行うマイクロコンピュータは、中央処理装置(2)と、加減速処理部(10B)と、スロートラッキング処理部(10A)とを含み、前記加減速処理部は、中央処理装置によってデータがロードされる第1のレジスタ(100)と、前記周期信号の所定の変化毎に前記第1のレジスタに格納されている値がプリセットされプリセットされた値を起点にクロック信号の計数動作を行う第1の計数手段(101)と、この第1の計数手段から出力される計数値が一定の状態に到達するタイミングと前記周期信号の所定の変化タイミングとの早遅に基づいて、加速中又は減速中のモータが規定の回転状態に到達したことを前記中央処理装置に通知する第1の制御信号(IRRAB)を出力する第1の信号形成回路(102,103,104,105)とを含み、前記スロートラッキング処理部は、前記中央処理装置によってデータがロードされる第2のレジスタ(110)と、ビデオテープ上の映像トラックの位置を示す情報に応ずる信号(DVCTL=CTL)の所定の変化毎に前記第2のレジスタに格納されている値がプリセットされプリセットされた値を起点に前記クロック信号の計数動作を行う第2の計数手段(111)と、この第2の計数手段から出力される計数値が一定の状態に到達したことを前記中央処理装置に通知する第2の制御信号(IRRST)を出力する第2の信号形成回路(112)とから成り、前記中央処理装置(2)は、キャプスタンモータ(33)を加速処理した後、前記第2の信号形成回路からの第2の制御信号(IRRST)を検出することを条件に減速処理を行って、ビデオテープの読み取りヘッドに対するビデオテープの停止位置を、所望に制御可能とする。これにより、ビデオテープの停止時にビデオヘッドが映像トラックに対してトレースする位置を所望に決定できる。したがって、複数の映像トラックに跨ったトレースにおいて、跨る位置をヘッドトレース位置の中央部からずらして端側にすることができる。端側のトレース位置は表示画面上の上又は下側の走査線位置に対応され、スチル再生時などにおける表示性能の劣化を低減することができる。
【0019】
モータの回転速度に応じて生成される周期信号(DVCFG)のデューティ比に高精度を要することなく簡単にサーボ制御を高精度化するために、前記周期信号(DVCFG)の第1の状態から第2の状態への変化毎にその周期と目的周期との誤差を検出する第1の誤差検出手段(図13の(A)の48A又は図13の(B)の480A,481A,482)と、前記周期信号の第2の状態から第1の状態への変化毎にその周期と前記目的周期との誤差を検出する第2の誤差検出手段(図13の(A)の48B又は図13の(B)の480B,481B,482)と、前記第1の誤差検出手段によって検出された誤差と前記第2の誤差検出手段によって検出された誤差とを交互に用いて、その誤差を相殺するように前記モータの回転を制御させる制御手段(2)と、を備えてマイクロコンピュータを構成する。これにより、周期信号の計測周期は1周期であっても、検出誤差によるサーボ制御は周期信号の半周期毎に可能にされる。
【0020】
周期信号(CVCFG)のデューティ比に高精度を要することなくサーボ制御を高精度化する別のマイクロコンピュータは、フリーランニングカウンタ手段(900)と、前記周期信号が第1の状態から第2の状態への変化したときの前記フリーランニングカウンタ手段の計数値を前後2回分保持する第1のレジスタ手段(902A,903A)と、前記周期信号が第2の状態から第1の状態への変化したときの前記フリーランニングカウンタ手段の計数値を前後2回分保持する第2のレジスタ手段(902B,903B)と、前記夫々のレジスタ手段に保持された前後2回分の計数値に対し、今回の計数値が前回の計数値よりも大きい場合には今回の計数値から前回の計数値を差し引いた値と目標値との誤差を取得し、今回の計数値が前回の計数値よりも小さい場合には前回の計数値の2の補数に今回の計数値を加算した値と目標値との誤差を取得し、順次取得された誤差を用いて、その誤差を相殺するように前記モータの回転を制御させる制御手段(2)と、を備えて構成できる。
【0021】
モータの回転速度に応じて生成される周期信号に基づくモータ制御が映像信号の処理回路に影響を与えないようにするためには、中央処理装置(2)とサーボ回路(15)の動作基準クロック信号(φ)を共通化したマイクロコンピュータ(1)とする。換言すれば、中央処理装置の動作基準クロック信号を、サーボ回路の動作基準クロック信号とする。中央処理装置の動作基準クロック信号の周波数は、ユーザが外付けする振動子の発振周波数又は外部から供給されるシステムクロック信号の周波数によって決定されるから、映像周波数の逓倍の周波数のクロック信号でマイクロコンピュータを動作させないようにすることができる。これにより、映像周波数で同期動作されるVTRの記録・再生用の回路やテレビなどに輻射ノイズを与える虞を未然に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
《VTR制御用マイクロコンピュータ》 図1には本発明の一実施例に係るマイクロコンピュータのブロック図が示される。同図に示されるマイクロコンピュータ1は、中央処理装置(CPU)2、前記CPU2の動作プログラム及びデータが格納されたリード・オンリ・メモリ(ROM)3、前記CPU2のワーク領域又はデータの一時記憶領域とされるランダム・アクセス・メモリ(RAM)4、ウオッチドッグタイマ5、時計用タイマ6、リニアカウンタ7、リロードタイマ8、フリーランニングタイマ9、リロードタイマユニット10、パルス・ウィズス・モジュレータ(PWM)11、シリアル・コミュニケーション・インタフェース(SCI)12、アナログ/ディジタル・コンバータ(A/D)13、分周回路14、サーボ回路15、サーボ端子16、同期信号検出回路17、クロックパルスジェネレータ18、入出力ポート19A〜19Iを供え、それらは、特に制限されないが、公知の半導体集積回路製造技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板に形成されている。
【0023】
20は下位8ビットの内部データバス、21は上位8ビットの内部データバス、22は内部アドレスバスである。コントロールバスについては図示を省略してある。前記各回路モジュールと内部バス20〜22との接続状態と情報の伝達方向は、図1に矢印で示される通りである。
【0024】
本実施例のマイクロコンピュータ1は、ビデオテープレコーダ(VTR)のキャプスタンモータやドラムモータの回転制御用などとして、前記同期信号検出回路17、サーボ回路15及び分周回路14が専用的に設けられ、更に、リロードタイマユニット10やPWM11は前記VTR制御のための構成が付加されている。これらVTR制御についてその詳細を説明する前に、マイクロコンピュータ1の概要を説明する。
【0025】
前記ウオッチドッグタイマ5はシステムを監視したりするために利用される。前記リロードタイマは2本の8ビットダウンカウンタを供え、8ビット又は16ビットのリロードタイマとして機能される。それらカウンタへのプリセットはレジスタを介してCPU2が行う。リロードタイマユニット10は、複数の8ビットダウンカウンタを供え、後述するキャプスタンモータの加減速処理、スロー再生やスチル再生におけるスロートラッキング処理などに利用される。前記フリーランニングタイマ9は例えば19ビットのカウンタによって構成される。リニアカウンタ7は例えば8ビットのアップ/ダウンカウンタによって構成される。PWM11は複数チャネル分の構成を含み、特に、VTRのモータ制御用に12ビットのPWM信号発生器を備えた2チャンネル分のPWM11A,11Bを内蔵している。このPWM11A,11Bは出力パルスのピッチを変化させる方式(出力の一部を周期的に欠落させる)を採り、後述の誤差データ(規定の速度/位相の進み又は遅れ)に応じてPWM信号のピッチを補正してモータの速度を制御できるようになっている。同期信号検出回路17は外部から供給される垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncを検出する。分周回路14は、後述する再生時のコントロールパルス信号の分周回路14Aとキャプスタンモータからのパルス信号の分周回路14Bとを内蔵している。サーボ回路15は後述のキャプスタンモータやドラムモータのサーボ制御等を行うための回路であり、その動作はCPU2によって指示され、処理に必要な情報はサーボ端子16を介して外部とやりとりされる。
【0026】
前記クロックパルスジェネレータ18には振動子の自励発振を受け或いは外部から供給されるシステムクロック信号を受けて、それをクロック源として内部の動作基準クロック信号φを生成し、それが各部に供給され、各回路モジュールにおける動作はその動作基準クロック信号φに同期動作される。尚、動作基準クロック信号φは1種類の信号のように図示されているが、ノンオーバラップの2相のクロック信号であっても、或いは、分周比の異なる複数相のクロック信号であってもよい。要は、当該クロック信号φの周波数は前記クロック源の信号周波数に規定されているということである。
【0027】
前記入出力ポート19A〜19Iは、アドレス出力、データ入出力、割込み入力、タイマ出力などの機能が、CPU2による所定のレジスタ設定状態などに従って割り当てられる。尚、グランドレベル、電源電圧レベル、アナロググランドレベル、アナログ電源電圧レベルを受ける電源端子、リセット端子、スタンバイ設定端子、モード制御、クロック入力端子などは図示を省略してある。
【0028】
本実施例のマイクロコンピュータ1は、リセットされると内部を初期化し、ROM3に格納されているプログラムの先頭アドレスを起点に順次命令をフェッチしてこれを実行する。VTRの制御に特化された本実施例のマイクロコンピュータ1において、種々のVTR制御ルーチンは、特に制限されないが、メインルーチンに対してサブルーチン化され、サブルーチンの指定は各回路モジュールからの内部割込み信号又は条件分岐などによって指定されるようになっている。以下、VTR制御の内容を詳細に説明する。
【0029】
《VTR制御の概要》 本実施例のマイクロコンピュータ1が制御対象とするVTRは、所謂VHS方式、ベータ(β)方式及び8ミリビデオ方式等の映像記録方式には限定されない。図2及び図3には例えばVHS方式又はβ方式のようにコントロールトラックを有する形式のVTRに関する一般的な構成が示される。ピンチローラ30とキャプスタン31で挟まれたビデオテープ32は、キャプスタン31を駆動するキャプスタンモータ33で走行駆動される。テープ32はその短手方向の上端部が音声トラック32A、下端部がコントロールトラック32B、中央部が映像信号の記録領域32Cとされる。音声トラック及びコントロールトラックに対する記録再生は音声記録再生ヘッド37Aとコントロールヘッド37Bが行う。映像情報はテープ上に斜めに記録されており、それに応じて、映像情報の記録再生用ヘッド34A〜34Dが取り付けられたドラム35はテープの走行方向に対してその回転軸が所定角度傾けれれている。ドラム35はドラムモータ36によって回転駆動される。テープ32はドラム35に斜めに巻き付けられるように配置され、映像信号の1フィールド分の情報がテープ32上に斜めの1本のトラックに記録されるようになっている。図3において38A,38Bが映像トラックである。図3の場合、映像信号はインタレース走査に対応されるものとされており、偶数フィールドに対応される映像情報のトラックが映像トラック38A、奇数フィールドに対応される映像情報のトラックが映像トラック38Bとされている。従って、映像トラック38A,38Bによって1表示フレーム分の映像情報が構成される。前記コントロールトラック32Cには図3に例示されるようにサーボ制御用の基準信号とされるコントロールトラック情報が記憶されている。図3に従えば、そのコントロールトラック情報は、2本分毎の映像トラックの終端位置を識別できるように設けられている。このコントロールトラック情報は例えばSとNの磁気情報が所定のピッチで記録されて構成され、コントロールヘッド37Bがこれを読み取る。コントロールヘッド37Bは前記サーボ端子16に含まれる端子CTL(+),CTL(−)に接続される。
【0030】
前記コントロールトラックの情報はビデオテープ上における映像トラックの位置を示す情報とされる。ビデオ記録方式の一種である所謂VHSやβ方式はコントロールトラックを有するが、8ミリ・ビデオは備えていない。8ミリ・ビデオの場合には映像トラック内に映像情報の周波数帯域とは異なる周波数に変調された情報(トラッキングパイロット信号)が要所に含まれており、この情報がヘッドで読み取られることによって、コントロールトラック情報と同様に映像トラックの位置を示す情報として利用される。
【0031】
前記キャプスタンモータ33及びドラムモータ36は、その回転速度に応じた周波数の周期信号を出力するための構成を有する。例えばモータ軸と共に回転する回転子に多数の磁極がS,Nの順番で交互に放射状に配置され、モータと一体に回転する前記磁極の通過をセンサで検出してサインカーブ又は矩形波状の周期信号を生成する。CFGはキャプスタンモータ33で生成される周期信号、DFGはドラムモータで生成される周期信号である。更に、ドラムモータ36は、例えば1回転毎にパルス信号DPGを出力する構成を有する。
【0032】
本実施例のマイクロコンピュータ1は、キャプスタンモータ33及びドラムモータ36の位相及び速度を規定の状態に制御するためのサーボ制御、そしてモータの加減速処理等のために、当該キャプスタンモータ33及びドラムモータ36の回転に応じて生成される周期信号CFG,DFG及びパルス信号DPGを入力し、また、前記コントロールトラック32Cからの読み取り情報を端子CTL(+),CTL(−)に入力する。
【0033】
本実施例で説明するVTR制御の内容は、(1)キャプスタンモータやドラムモータの回転を定常状態に維持するためのサーボ制御、(2)サーボ制御のための誤差データのサンプリングをCFGのような周期信号の1周期に2回とする制御、(3)ビデオテープ上の映像トラックと映像情報の記録再生用ヘッドとの位相を合わせるための位相制御、(4)キャプスタンモータの加減速処理、(5)スロー再生やスチル再生などテープの間欠駆動のためのスロートラッキング処理、(6)ドラムモータからのパルス信号DPGのパルス検出方向の切換え、(7)無記録テープ再生時のテープ走行カウント制御、(8)サーボ回路の動作クロックの共通化、の夫々とされる。
【0034】
《VTR制御系》 図4には前記サーボ回路15、サーボ端子16、分周回路14、PWM11、及びリロードタイマユニット10によって構成されるVTR制御系の詳細が全体的に示される。図4において40は前記コントロールヘッド37Bにコントロールトラック情報を書き込むための書込み電流を供給する書込みアンプ、41はコントロールヘッド37Bで読み取ったコントロールトラック情報を増幅するための読み取りアンプである。49は、書込みアンプ40に書込み制御情報REC−CTLを供給するREC−CTL発生回路である。スイッチ回路42は読み取りアンプ41の入力と書込みアンプ40の出力を接続制御するスイッチ回路である。読み取りアンプ41のゲインは外付けの抵抗回路43によって決定される。再生時に、テープ上に記録されたコントロールパルス情報は、コントロールヘッド37Bを介して端子CTL(+),CTL(−)に入力される。これによって、読み取りアンプ41から図3の(B)に例示されるようなコントロールパルス信号が得られる。コントロールパルス信号は、入出力特性にヒステリシス特性を有するシュミットトリガ型のアンプ(シュミットアンプ)45で増幅され且つ波形整形された後、矩形のパルス信号とされ、これがコントロールパルス信号PB−CTLとして、CTL分周回路14Aに入力される。このCTL分周回路14Aの分周比はCPU2によって可変に設定される。CTL分周回路14Aの出力信号は、コントロール分周信号DVCTLとして、サーボ回路15のキャプスタン位相制御系の位相誤差検出回路46に供給される。また、リロードタイマユニット10のリロードタイマ(RTU−2)10Aに送られる。リロードタイマ10Aは前記コントロール分周信号DVCTLを用いた後述のスロートラッキング処理に利用される。
【0035】
キャプスタンモータ33からの周期信号CFGは、シュミットアンプ47により増幅及び波形整形されて矩形の周期信号CFGとして内部に送られる。波形整形回路により矩形波に整形された周期信号CFGは、CFG分周回路14Bで分周され、サーボ制御に利用される。CFG分周回路14Bでは、周期信号CFGの立ち上がりエッジ又は両エッジを選択して分周することができる。分周比はCPU2によって可変に設定可能にされる。CFG分周回路14Bは、キャプスタン速度制御用のDVCFG信号を生成してキャプスタン速度誤差検出回路48に送る。また、CFG分周回路14Bは、DVCFG2信号を生成してリニアカウンタ(LTC)7に送る。前記リニアカウンタ7はオアゲート50を介して前記PB−CTL信号も供給される。これによってリニアカウンタ(LTC)7は、後述のテープの走行カウント処理などを行う。
【0036】
前記シュミットアンプ47から出力される周期信号CFGはリロードタイマユニット(RTU−2)10Bにも供給される。これを受けるリロードタイマユニット(RTU−2)10Bは、後述の加減速処理に利用される。
【0037】
キャプスタンモータ33の前記位相誤差検出回路46は、記録時には信号DVCFG2が供給され、再生時にはDVCTLが供給される。その切換えはセレクタ51で行われる。位相誤差検出の基準信号はセレクタ56を介して供給されるREF30P又はREF30Xとされる。位相誤差検出回路46から出力される誤差データはディジタルフィルタ52で演算されて位相誤差データが取得される。キャプスタンモータ33の前記速度誤差検出回路48は信号DVCFGの周期に基づいて速度誤差データを取得する。ディジタルフィルタ53はこの速度誤差データと前記位相誤差データとを加算し、キャプスタンモータ系の誤差データを演算してPWM11Bに与える。PWM11Bはその誤差を相殺するようにキャプスタンモータ33の回転速度と位相を制御するようにPWM信号CPWMのピッチを補正する。PWM信号CPWMは外付けされたローパスフィルタ及び駆動回路を介してキャプスタンモータ33を制御する。ディジタルフィルタ52,53は、符号付きの整数(誤差データ)と係数の積和演算をハードウェアによって実現するためのフィルタ演算回路を内蔵している。キャプスタンモータ33の位相制御系は、キャプスタンモータ33がその速度制御系によって規定の速度に到達した後に動作が開始されることになる。
【0038】
ドラムモータ36からの周期信号DFGは入力アンプ60で増幅され且つ波形整形され、矩形の周期信号DFGとして速度誤差検出回路61に供給される。速度誤差検出回路61は周期信号DFGの周期を測定し、規定回転数との誤差を生成する。その誤差に対しては、FG取付け誤差補正回路62にてその誤差が補正される。FG取付け誤差補正回路62は、ドラムモータからの周期信号DFGを生成するための磁極の配列ピッチのばらつき状態を学習し、そのばらつきによって生ずる誤差を前記速度誤差検出回路61からの誤差データから相殺する。
【0039】
ドラムモータ36からのパルス信号DPGはパルス入力アンプ63で増幅され且つ矩形に波形整形され、矩形のパルス信号DPGとしてヘッドスイッチ回路64に供給される。ヘッドスイッチ回路64はパルス信号DPGに基づいて、ヘッドスイッチ信号HSWを生成する。ヘッドスイッチ信号HSWは、表示フレームの偶数フィールドと奇数フィールドの走査タイミングを示すための信号であり、記録再生ヘッドの切換えに利用されると共に、位相誤差検出回路65に供給され、基準信号REF30Pとの位相比較の対象とされる。位相誤差検出の詳細については後述する。位相誤差検出回路65の出力はディジタルフィルタ66で演算されて誤差データが取得される。ディジタルフィルタ67はFG取付け誤差補正回路62からの速度誤差データと前記位相誤差データとを加算し、ドラムモータ系の誤差データを演算してPWM11Aに与える。PWM11Aはその誤差を相殺するようにドラムの回転速度と位相を制御するようにPWM信号DPWMのピッチを補正する。PWM信号DPWMは外付けされたローパスフィルタ及び駆動回路を介してドラムモータ36を制御する。ディジタルフィルタ66,67は、符号付きの整数(誤差データ)と係数の積和演算をハードウェアによって実現するためのフィルタ演算回路を内蔵している。ドラムモータ36の位相制御系は、ドラムモータ36がその速度制御系によって規定の速度に到達した後に動作が開始される。尚、図4において速度誤差検出回路61やパルス入力アンプ63などの回路ブロックはCPU2との接続状態が省略されているが、実際には、CPU2から制御データがロードされ、さらには演算結果の読出し等が可能にCPU2に接続されている。
【0040】
《キャプスタンモータの速度誤差検出》 図5及び図6を参照しながらキャプスタンモータの速度誤差検出回路48につて詳述する。図5に例示されるように、速度誤差検出回路48は、CPU2によって規定のプリセットデータがロードされるプリセットデータレジスタ480、このレジスタ480の値がプリセットされ前記動作基準クロック信号φを計数する16ビットのカウンタ481、このカウンタ481の計数値に基づいて誤差データをラッチする誤差データレジスタ482、及び誤差データをラッチしたことをCPU2に通知するための内部割込み信号IRRCPSを出力するオアゲート483、前記分周信号DVCFGの立ち上がりエッジを検出するエッジ検出回路485、及びオーバーフローフラグ484を備えて成る。図6のタイミング図に示されるように、カウンタ481に対するプリセット動作とレジスタ482の誤差データラッチ動作は分周信号DVCFGの立ち上がりエッジ検出パルスに同期される。カウンタ481へのプリセットデータのロード完了は、特に制限されないが、分周信号DVCFGの立ち上がりからカウンタ481の2カウント動作後のタイミングとされる。
【0041】
この実施例に従えば、プリセットデータレジスタ480へのプリセットデータは、H’8000(記号H’は16進数であることを意味する)を基準とし、H’8000−{(φ/DVCFGの目標周波数)−2}とされる。従って、分周信号DVCFGの周波数が目的周波数に一致すれば、換言すると、キャプスタンモータ33の速度が目標速度に一致すれば、誤差データラッチタイミングにおいてカウンタ481の計数値はH’8000(2進数では最上位ビットだけが”1”)とされる。誤差データレジスタ482は、カウンタ481の計数値をH’0000基準に変換してラッチする。そのような変換のためには、カウンタ481から誤差データレジスタ482へのデータ転送経路に当該カウンタ481の最上位ビットの論理値を反転させるインバータのような論理ゲートを設けることによって実現することができる。誤差データレジスタ482にラッチされた誤差データは符号付きの2進数とされ、速度誤差0を中心に、キャプスタンモータ33の速度が規定速度よりも遅いときは正(+)の値にされ、速度が規定の速度よりも速いときは負(−)の値にされる。
【0042】
誤差データレジスタ482にラッチされた誤差データは、前記ディジタルフィルタ53に与えられ、サーボ制御に利用される。
【0043】
また、前記割込み信号IRRCPSは分周信号DVCFGの立ち上がり又はカウンタ481のオーバーフロによって活性化される。CPU2は割込み信号IRRCPSによる通知を受けることにより、レジスタ482から誤差データを読み出すことができる。CPU2は、この誤差データを、サーボ制御中に外乱によってモータ速度が著しく変化した状態の検出等に利用することができる。その場合には、例えば、サーボ制御を停止させて、外乱による速度変化を速やかに修正するためのモータ加速や減速を行うことができる。また、CPU2は、割込み信号IRRCPSの割込み発生回数を計数する事により、後述する位相誤差データをレジスタ462からサンプリングするタイミングを取得することができる。
【0044】
尚、速度誤差検出回路48において周期信号CFGを直接用いないのは、VTRのモータによって周期信号CFGの周波数が相違されているからであり、その相違を分周回路14Bへの分周比の設定で吸収することにより、プリセットデータの設定を一義的に決定できるようにする(換言すれば、誤差データのサンプリング周期を一定にする)ためである。また、高速サーチなどの動作モードでは周期信号CFGの周波数が通常の数倍にされるので、このときにも、周期信号CFGを所望に分周して用いることにより、誤差データのサンプリング周期を一定にすることができる。
【0045】
《キャプスタンモータの位相誤差検出》 図4に示されるように、キャプスタンモータ33の前記位相誤差検出回路46は、記録時には分周信号DVCFG2が供給され、再生時には分周信号DVCTLが供給される。その切換えはセレクタ51で行われる。キャプスタンモータ33に対する位相誤差検出の基準信号はREF30X又はREF30Pとされる。REF30Pは基準信号発生回路54で生成され、再生時は動作基準クロック信号φに基づいて生成される30Hz又は25Hzの周波数を持つ信号とされ、記録時はVsyncの周波数の1/2に相当する信号周波数とされる。上記30HzはNTSC(National Television System Committee)のカラーテレビ標準方式に対応する場合における1表示フレームの期間を規定する信号周波数(本実施例ではインターレース表示を想定しているので垂直同期信号の半分の周波数に相当される)であり、25HzはPAL(Phase Alternation Line)及びSECAM(Sequential memory Color Television System)のカラーテレビ標準方式に対応する場合における1表示フレームの期間を規定する信号周波数である。REF30XはX値補正回路55で生成される。X値補正回路55は、ビデオヘッドとコントロールヘッドの物理的な距離が、異なるVTRで記録されたテープを再生する場合、それに内蔵されたレジスタに補正値を設定することにより、REF30Pの位相を調整する回路であり、調整された信号がREF30Xとされる。REF30P又はREF30Xはセレクタ56で選択されて位相誤差検出回路46に与えられる。
【0046】
位相誤差検出回路46は、前記基準信号(REF30P,REF30X)の位相と映像トラックの位置の位相との誤差を検出する。換言すれば、再生時は基準信号(REF30P,REF30X)と分周信号DVCTLとの位相が規定の位相からどれだけずれているかを検出する。記録時は、コントロールパルスCTLの読み取りを行わないのでCFG信号を分周した信号DVCFG2を用い、基準信号(REF30P,REF30X)と分周信号DVCFG2との位相が規定の位相からどれだけずれているかを検出する。
【0047】
図7にはキャプスタンモータ33の位相誤差検出回路46の一例が示される。位相誤差検出回路46は、CPU2によって規定のプリセットデータがロードされるプリセットデータレジスタ460、このデータレジスタ460の値がプリセットされ前記動作基準クロック信号φを計数する20ビットのカウンタ461、このカウンタ461の計数値に基づいて誤差データをラッチする誤差データレジスタ462、及び誤動作検出用のフリップフロップ463を備えて構成される。信号REF30P又はREF30Xを選択するセレクタ56と、分周信号DVCTL又はDVCFG2を選択するセレクタ51は、記録又は再生に応じてCPU2がレジスタ246に設定する制御ビットの論理値に従って選択動作を行う。即ち、記録時にはその制御ビットが論理値”1”にされ、これによってDVCFG2とREP30Pが選択される。再生時にはその制御ビットが論理値”0”にされ、これによってDVCTLとREP30Xが選択される。
【0048】
図8の(A),(B)にも示されるように、カウンタ461に対するプリセット動作はセレクタ56から出力される信号REF30P又はREF30Xの立ち上がりに同期され、誤差データレジスタ462による誤差データのラッチ動作はセレクタ51から出力される信号DVCTL又はDVCFG2の立ち上がりに同期される。したがって、カウンタ461による計数動作期間は、再生時においては基準信号REF30XとPB−CTLとの位相関係によって決まり(この例において、PB−CTLに対するDVCTLの分周比は1とされる)、記録時は基準信号REF30PとDVCFG2との位相関係によって決まりる。このときDVCFG2はPB−CTLを代替するためにCFGを分周して生成された信号であるから、何れの場合にも、カウンタ461による計数動作期間は、基準信号(REF30P,REF30X)とキャプスタンモータ33若しくはコントロールトラックとの位相関係によって決定される。したがって、その期間を一定に規定すれば、キャプスタンモータ33の位相を所望に制御することができる。この実施例に従えば、プリセットデータは、特に制限されないが、H’8000を基準とし、H’8000−(φ/目標周波数)とされる。目標周波数とは、再生時は分周信号DVCTLの目標周波数、記録時は分周信号DVCFG2の目標周波数とされる。従って、分周信号DVCTL又はDVCFG2の周波数が目的周波数に一致すれば、換言すると、キャプスタンモータ33の位相が目標位相に一致すれば、データラッチタイミングにおいてカウンタ461の計数値はH’8000とされる。誤差データレジスタ462は、上記同様に、カウンタ461の計数値をH’0000基準に変換してラッチする。ラッチされた誤差データは符号付きの2進数とされ、位相誤差0を中心に、キャプスタンモータの位相が規定位相よりも遅れているときは正(+)の値にされ、位相が規定の位相よりも進んだときは負(−)の値にされる。
【0049】
前記フリップフロップ463はカウンタ461のプリセットに同期してリセット状態にされ、誤差データレジスタ462による誤差データのラッチタイミングに同期してセット状態にされる。キャプスタンモータ33が回転していれば、フリップフロップ463は交互にセット/リセット状態を繰り返す。テープ等が詰まったりしてキャプスタンモータ33の回転が阻害されると、フリップフロップ463はリセット状態にされたままとなる。CPU2は適宜そのフリップフロップ463の状態を監視し、それがリセット状態に固定されているか否かによりキャプスタンモータ33の誤動作を検出することができる。
【0050】
前記誤差データレジスタ462にロードされた位相誤差データは、前記ディジタルフィルタ52に与えられ、サーボ制御に利用される。
【0051】
また、CPU2は、前述のように、割込み信号IRRCPSを計数する事によって、分周信号DVCTLやDVCFG2に同期して誤差データが誤差データレジスタ462にロードされるタイミングを知ることができる。そのタイミングに基づいてレジスタ462の位相誤差データをサンプリングできるCPU2は、この誤差データを、サーボ制御中に外乱によってキャプスタンモータの位相が著しく変化した状態の検出等に利用することができる。その場合には、例えば、サーボ制御を停止させて、外乱による位相変化を速やかに修正するためのモータ加速や減速を行うことができる。
【0052】
《ドラムモータの速度誤差検出》 次に図9及び図10を参照しながらドラムモータ36の速度誤差検出回路61につて詳述する。図9に例示されるように、速度誤差検出回路61は、CPU2によって規定のプリセットデータがロードされるプリセットデータレジスタ610、このデータレジスタ610の値がプリセットされ前記動作基準クロック信号φを計数する16ビットのカウンタ611、このカウンタ611の計数値に基づいて誤差データをラッチする誤差データレジスタ612、誤差データをラッチしたことをCPU2に通知するための内部割込み信号IRRDRMを出力するオアゲート613、オーバーフローフラグ614、及び周期信号DFGのエッジ検出回路615を備えて成る。エッジ検出回路61には、それが検出すべきエッジが立ち上がり又は立ち下がりの何れであるかをCPU2などによって指示される。
【0053】
図10のタイミング図(周期信号DFGの立ち上がりを選択した場合)に示されるように、カウンタ611に対するプリセット動作とレジスタ612の誤差データラッチ動作は周期信号DFGに同期される。カウンタ611へのプリセットデータのロード完了はDFGの立ち上がりからカウンタ611が2カウントを行った後のタイミングとされる。この実施例に従えば、プリセットデータは、特に制限されないが、H’8000を基準とし、H’8000−{(φ/DFGの目標周波数)−2}とされる。従って、DFGの周波数が目的周波数に一致すれば、換言すると、ドラムモータ36の速度が目標速度に一致すれば、データラッチタイミングにおいてカウンタ611の計数値はH’8000とされる。誤差データレジスタ612は、上記同様に、カウンタ611の計数値をH’0000基準に変換してラッチする。ラッチされた誤差データは符号付きの2進数とされ、速度誤差0を中心に、ドラムモータ36の速度が規定速度よりも遅いときは正(+)の値にされ、速度が規定の速度よりも速いときは負(−)の値にされる。
【0054】
誤差データレジスタ612にラッチされた誤差データは、前記FG取付け誤差補正回路62に与えられ、サーボ制御に利用される。
【0055】
また、前記割込み信号IRRDRMは周期信号DFG信号の立ち上がり(エッジ検出回路615で選択されているエッジ変化)又はカウンタ611のオーバーフロによって活性化される。CPU2は割込み信号IRRDRMによる通知を受けることにより、レジスタ612から誤差データを読み出すことができる。CPU2は、この誤差データを、サーボ制御中に外乱によってモータ速度が著しく変化した状態の検出等に利用することができる。その場合には、例えば、サーボ制御を停止させて、外乱による速度変化を速やかに修正するためのモータ加速や減速を行うことができる。また、CPU2は、割込み信号IRRDRMの割込み発生回数を計数する事により、後述する位相誤差データをレジスタ652からサンプリングするタイミングを取得することができる。
【0056】
《ドラムモータの位相誤差検出》 位相誤差検出回路65は、記録時には、記録する映像信号中の垂直ブランキング期間がビデオテープの下側に揃うようにドラムの位相を制御し、再生時には、記録された映像トラックを正確にトレースするようにドラムの位相を制御する。そのために、ドラムモータ36の位相誤差検出回路65において、誤差検出の基準信号はREF30Pとされ、誤差検出対象信号はヘッドスイッチ信号HSWとされる。REF30Pは再生時において例えば30Hzの周波数を持ち、記録時にはVsync/2の周波数を持つ。ヘッドスイッチ信号HSWのエッジ変化タイミングは、垂直ブランキング期間に対応するタイミングを持つ。位相誤差検出回路65は、前記基準信号REF30Pの変化タイミングとヘッドスイッチ信号HSWの所定のエッジ変化タイミングとの位相関係に基づいて、ドラムの位相が規定の位相からどれだけずれているかを検出する。
【0057】
図11にはドラムモータの位相誤差検出回路65の一例が示される。位相誤差検出回路65は、CPU2によって規定のプリセットデータがロードされるプリセットデータレジスタ650、このデータレジスタ650の値がプリセットされプリセットされた値を起点に前記動作基準クロック信号φを計数する20ビットのカウンタ651、このカウンタ651の計数値に基づいて誤差データをラッチする誤差データレジスタ652、誤動作検出用のフリップフロップ653、及びエッジ検出回路654を備えて構成される。エッジ検出回路654はヘッドスイッチ信号HSWの立ち上がりエッジを検出する。
【0058】
図12の(A),(B)にも示されるように、カウンタ651に対するプリセット動作は信号REF30Pの立ち上がりに同期され、誤差データレジスタ652による誤差データのラッチ動作はヘッドスイッチ信号HSWの立ち上がりに同期される。したがって、カウンタ651による計数動作期間は、REF30Pとヘッドスイッチ信号HSWとの位相関係によって決まる。したがって、その期間を一定に規定すれば、ドラムの位相を所望に制御することができる。この実施例に従えば、プリセットデータは、特に制限されないが、H’8000を基準とし、H’8000−(φ/DPGの目標周波数)とされる。前記ヘッドスイッチ信号HSWは前述のようにパルス信号DPGに基づいて生成され、その信号周波数はパルス信号DPGの信号周波数と同じである。従って、パルス信号DPGの周波数が目的周波数に一致すれば、換言すると、ドラムの位相が目標位相に一致すれば、データラッチタイミングにおいてカウンタ651の計数値はH’8000とされる。誤差データレジスタ652は、上記同様に、カウンタ651の計数値をH’0000基準に変換してラッチする。ラッチされた誤差データは符号付きの2進数とされ、位相誤差0を中心に、ドラムモータ36の位相が規定位相よりも遅れているときは正(+)の値にされ、位相が規定の位相よりも進んでいるときは負(−)の値にされる。
【0059】
前記フリップフロップ653はカウンタ651のプリセットに同期してリセット状態にされ、誤差データレジスタ652による誤差データのラッチタイミングに同期してセット状態にされる。ドラムモータ36が回転していれば、フリップフロップ653は交互にセット/リセット状態を繰り返す。テープ等が詰まったりしてドラムモータ36の回転が阻害されると、フリップフロップ653はリセット状態にされたままとなる。CPU2は適宜そのフリップフロップ653の状態を監視し、それがリセット状態に固定されているか否かによりドラムモータ36の誤動作を検出することができる。
【0060】
前記誤差データレジスタ652にロードされた位相誤差データは、前記ディジタルフィルタ66に与えられ、サーボ制御に利用される。
【0061】
また、CPU2は、前述のように、割込み信号IRRDRMを計数する事によって、HSW(=DPG)に同期して誤差データが誤差データレジスタ652にロードされるタイミングを知ることができる。そのタイミングに基づいてレジスタ652の位相誤差データをサンプリングできるCPU2は、この誤差データを、サーボ制御中に外乱によってドラムモータの位相が著しく変化した状態の検出等に利用することができる。その場合には、例えば、サーボ制御を停止させて、外乱による位相変化を速やかに修正するためのモータ加速や減速を行うことができる。
【0062】
《両エッジでの誤差データサンプリング》 DVCFGなどの周期信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方のエッジ変化に同期してサーボ制御のための誤差データをサンプリングするための構成について説明する。ここでは、キャプスタンモータの速度誤差検出に適用した場合を一例として説明する。図13には両方のエッジで誤差データをサンプリングするための実施例が示される。図13の(A)において48A,48Bは速度誤差検出回路であり、図5に基づいて説明した速度誤差検出回路48と同じ回路構成を有する。一方の速度誤差検出回路48Aには、前記分周信号DVCFGに代えて、当該信号DVCFGの立ち上がりエッジを検出して検出パルスを出力するエッジ検出回路70Aの出力が供給される。他方の速度誤差検出回路48Bには、前記分周信号DVCFGに代えて、当該信号DVCFGの立ち下がりエッジを検出して検出パルスを出力するエッジ検出回路70Bの出力が供給される。したがって、図14に示されるように、DVCFGに対し、その立ち上がりエッジに同期した速度誤差データの検出周期と、その立ち下がりエッジに同期した速度誤差データの検出周期とは、分周信号DVCFGの大凡半周期ずれることになる。速度誤差検出回路48A,48Bにおける誤差データの検出動作は図5で説明した通り分周信号DVCFGの1周期単位で行われる。したがって、夫々の速度誤差検出回路48A,48Bのプリセットデータレジスタ480にセットすべきデータは双方の速度誤差検出回路48A,48Bで共に同じである。さらに、速度誤差検出回路48Aと48Bにおける誤差データの取得タイミングは相互にDVCFGの大凡半周期ずらされることになる。夫々の誤差検出回路48A,48Bは、誤差データ取得タイミングに同期して夫々に固有の内部割込み信号IRRCPSA,IRRCPSBをCPU2に向けて出力する。ディジタルフィルタ53はDVCFGの大凡半周期毎にキャプスタンモータ33の速度誤差データを誤差データレジスタから取得することができる。これにより、キャプスタンモータ33の速度サーボ制御をDVCFGの一方のエッジに同期して行う場合に比べてその実行回数を2倍にできる。
【0063】
サーボの実行回数を2倍にするには、図5の構成においてDVCFGの立ち上がり及び立ち下がりの双方のエッジを検出するエッジ検出回路を設け、図15に示されるように、検出されたエッジ毎に誤差データを取得することによっても実現できる。しかしながら、その場合には、分周信号DVCFGのデューティー比が50%からずれると、それによる誤差がプリセットデータには反映されずに、誤差データレジスタの誤差データに含まれるようになって、サーボ制御の精度が低下される。これに対し、図13の(A)に示される構成では、夫々の誤差データの取得サイクルは、図14の(1)〜(4)のそれぞれに例示されるように分周信号DVCFGの1周期の期間であるから、分周信号DVCFGのデューティー比にばらつきがあっても、取得される誤差データには何等影響を与えず、その結果として、より高精度なサーボ制御を簡単に実現できる。更に、各サンプリングは交互に行われ、実際のサンプリング周期は一方のエッジだけでサンプリングする場合と変わらないため、ゲインが上がる。図15のような手法ではDVCFGのデューティー比を高精度化するために高価なアンプを用いたりしなければならず、コストアップにつながる。
【0064】
図13の(B)に示される構成は、一つの誤差データレジスタ482に、立ち上がり及び立ち下がりの夫々のエッジ変化に同期して誤差データを取得する場合の実施例である。分周信号DVCFGの立ち上がりエッジ検出系には前記エッジ検出回路70A,カウンタ481A、プリセットデータレジスタ480Aが設けられ、DVCFGの立ち下がりエッジ検出系には前記エッジ検出回路70B,カウンタ481B、プリセットデータレジスタ480Bが設けられている。カウンタ481A,481Bに対するデータプリセットのタイミングは、70A,70Bからのエッジ検出パルスに同期され、図5の場合と同様に2カウント後のタイミングでプリセットが完了される。誤差データレジスタ482のラッチタイミングは、オアゲート71を介することにより70A,70Bからのエッジ検出パルスの何れにも同期される。このとき、カウンタ481A又は481Bのどちらの出力をラッチするかは、70A,70Bからのエッジ検出パルスによってスイッチ制御されるスイッチ72A,72Bで選択される。この構成においても(A)の場合と同様の効果を得ることができる。
【0065】
図16には周期信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方のエッジ変化に同期してサーボ制御のための誤差データをサンプリングするための更に別の実施例が示される。この実施例もキャプスタンモータ33の速度誤差検出を一例とする。この実施例はフリーランニングタイマ9を用いるものであり、フリーランニングカウンタ900の出力を、分周信号DVCFGの立ち上がり及び立ち下がりの夫々に同期して前後2回サンプリングし、そのサンプリングデータを例えばCPU2で演算して誤差データを取得するものである。901Aは分周信号DVCFGの立ち上がりエッジを検出してパルス信号を出力するエッジ検出回路、901Bは分周信号DVCFGの立ち下がりエッジを検出してパルス信号を出力するエッジ検出回路である。直列接続された2段のレジスタ902A,903Aは、それぞれマスタ段とスレーブ段を備えたマスタ・スレーブの構成を有するラッチで構成され、前記エッジ検出回路901Aから出力されるパルス信号に同期して入力のラッチ動作を行う。従って、レジスタ902Aは分周信号DVCFGが立ち上がり変化したときの前記フリーランニングカウンタ900の今回の計数値をラッチし、レジスタ903Aはレジスタ902Aがラッチしていた計数値を保持する。同様に、直列接続された2段のレジスタ902B,903Bは、それぞれマスタ段とスレーブ段を備えたマスタ・スレーブの構成を有するラッチで構成され、前記エッジ検出回路901Bから出力されるパルス信号に同期して入力のラッチ動作を行う。従って、レジスタ902Bは分周信号DVCFGが立ち下がり変化したときの前記フリーランニングカウンタ900の今回の計数値をラッチし、レジスタ903Bはレジスタ902Bがラッチしていた計数値を保持する。
【0066】
図17において、立ち上がりエッジ検出系において、時刻t1ではレジスタ902A←計数データC、レジスタ903A←計数データA、時刻t3ではレジスタ902A←計数データE、レジスタ903A←計数データC、のようにしてデータを順次ラッチする。同様に、立ち下がりエッジ検出系において、時刻t2ではレジスタ902B←計数データD、レジスタ903B←計数データB、時刻t4ではレジスタ902B←計数データF、レジスタ903B←計数データD、のようにしてデータを順次ラッチする。
【0067】
CPU2は前記レジスタ902A,902B,903A,903Bの値を任意に読み出すことができる。CPU2は前記レジスタ902A,902B,903A,903Bに格納されているデータを用いて誤差データの演算を行う。その演算手法は、前記直列2段の夫々のレジスタに保持された前後2回分の計数値に対し、今回の計数値が前回の計数値よりも大きい(今回のカウント値>前回のカウント値)場合、例えば図17のデータCとE、データDとFであるような場合には、今回の計数値から前回の計数値を差し引いた値と目標計数値との差(今回のカウント値−前回のカウント値−目標計数値)を誤差データとして取得する。今回の計数値が前回の計数値よりも小さい(今回のカウント値<前回のカウント値)場合、例えば図17のデータAとC、データBとDであるような場合には、前回の計数値の2の補数に今回の計数値を加算した値と目標値との差を誤差データとして取得する。その演算手法はCPU2の動作プログラムによって規定される。ハードウェアロジックによってそのような演算回路を構成することも可能である。そのようにして演算された誤差データは、図17にも示されるように、分周信号DVCFGの大凡半周期毎に取得される。したがって、上記実施例と同様に、DVCFGのデューティー比にばらつきがあっても、取得される誤差データには何等影響を受けずに、DVCFGの両方のエッジ変化毎に誤差データを簡単に得ることができ、これによってより高精度なサーボ制御を簡単に実現できる。
【0068】
《FGモータの加減速処理》 スロー再生やスチル再生などの間欠動作では、キャプスタンモータ33の急加速、急停止を行う必要がある。キャプスタンモータ33に代表されるようなFGモータ(回転に応じた周期信号を出力する構成を有するモータ)の回転速度が、加速又は減速時に、規定速度に達したことを確認するための加減速処理について、キャプスタンモータ33の制御を一例として説明する。
【0069】
図18にはキャプスタンモータ33の加減速処理回路の一実施例が示される。この加減速処理回路は、前記リロードタイマユニット(RTU−2)10Bに含まれる。100はCPU2によってデータが設定されるリロードレジスタ、101はリロードレジスタ100に格納されている値がプリセットされプロセットされた値を起点として前記動作基準クロック信号φを計数するダウンカウンタである。ダウンカウンタ101のプリセットタイミングは周期信号CFGの立ち上がりエッジの検出パルスに同期される。即ち周期信号CFGの立ち上がりエッジがダウンカウンタ101に対するデータのリロード信号とされる。周期信号CFGのエッジ検出パルスは周期信号CFGの立ち上がりエッジの検出回路107で生成される。102はセット・リセット型のフリップフロップであり、ダウンカウンタ101のアンダーフロー信号UDF(ハイレベル)によってセット状態にされ、周期信号CFGがディレイ回路104によって遅延された信号によってリセット状態にされる。セット状態においてハイレベルを出力する前記フリップフロップ102の出力Qは反転されてアンドゲート103の一方の入力とされ、その他方の入力はCFGとされる。アンドゲート103のハイレベル出力は加速処理においてはその終了を、前記ダウンカウンタ101のハイレベルのアンダーフロー信号UDFは減速処理においてその終了を意味する。双方の信号はセレクタ105で選択され、選択された信号がCPU2への内部割込み信号IRRABとされる。セレクタ105の選択は、CPU2から与えられる加速/減速の制御ビット106の論理値によって決定される。
【0070】
前記ディレイ回路104のディレイ時間は周期信号CFGのエッジ検出パルスのハイレベルパルス期間よりも長い期間とされるので、CFGのエッジ検出パルスによってフリップフロップ102がリセット状態にされたときはアンドゲート103に入力されるCFGエッジ検出パルスは最早ローレベルにされている。従って、次にCFGエッジ検出パルスがハイレベルにパルス変化されたとき、フリップフロップ102の状態がそのままリセット状態を維持していれば、アンドゲート103はハイレベルを出力し(加速完了)、既にセット状態に反転されていればローレベル出力のままにされる(加速未完)。前記リロードレジスタ100には、加速又は減速時に、加速又は減速完了とするCFG周波数に応ずる規定のデータ(φの計数値)が設定さる。加速処理において、リロードレジスタ100に設定される規定のデータは例えば、周期信号CFGの目標とする規定周波数よりも25%程度低い周波数に相当するデータとされる。加速が完了していないときは、図19の(A)に示されるように、ダウンカウンタ101は、次のCFGエッジ検出パルスが発生する前にアンダーフローし、アンダーフロー信号UDFによってフリップフロップ102をセット状態に反転する。その結果、加速が完了していない状態ではアンドゲート103の出力はローレベルに維持される。一方、周期信号CFGが規定の周波数に到達すると、図19の(A)に示されるように、ダウンカウンタ101は、次のCFGエッジ検出パルスが発生した時点においてアンダーフローしておらず、これによってフリップフロップ102はリセット状態を維持し、当該次のCFGエッジ検出パルスが発生した時点においてアンドゲート103の出力がハイレベルに反転される。加速処理ではセレクタは制御ビット106によりアンドゲート103の出力を選択しており、アンドゲート103のハイレベルへの変化が内部割込み信号IRRABとしてCPU2に与えられる。これによってCPU2は加速処理においてキャプスタンモータ33が規定の速度に到達したこと検出する。加速処理中においてCPU2は、特に制限されないが、図4に示されるPWM11Bに、キャプスタンモータ33の急加速に必要なデータを設定してキャプスタンモータ33を駆動する制御を行っている。前記内部割込み信号IRRABにてキャプスタンモータ33が規定の速度に到達したことが通知されると、CPU2は、そのキャプスタンモータ33の速度を今度は一定に保つための前述したサーボ制御に移行したり、或いは、後述の間欠動作のための処理を行う。
【0071】
減速処理において、リロードレジスタ100に設定される規定のデータは例えば、周期信号CFGの目的とする規定周波数よりも25%程度高い周波数に相当するデータとされる。減速が完了していないときは、図19の(B)に示されるように、ダウンカウンタ101は、アンダーフロする前に次のCFGエッジ検出パルスによってリロードされる。キャプスタンモータ33が規定の速度に減速完了されれば、次のCFG検出パルスが発生される前にダウンカウンタ101がアンダーフロする。減速処理ではセレクタ105は制御ビット106によりアンダーフロー信号UDFの出力を選択しており、当該アンダーフロー信号UDFのハイレベルへの変化が内部割込み信号IRRABとしてCPU2に与えられる。これによってCPU2は減速処理においてキャプスタンモータ33が規定の速度に到達したこと検出する。減速処理中においてCPU2は、特に制限されないが、図4に示されるPWM11Bに、キャプスタンモータ33を逆転させるのに必要なデータを設定してキャプスタンモータ33を制動駆動している。前記内部割込み信号IRRABにてキャプスタンモータ33が規定の速度に到達したことが通知されると、CPU2は、例えばそのキャプスタンモータを停止させるための制御を行ったり、ビデオテープの速度を標準速度から1/3の速度に減速した後のサーボ制御への移行等の処理を行う。
【0072】
上記加減速処理によれば、CFGの周期が規定の周期(リロードレジスタ100に設定される値によって特定される周期)よりも長いか短いかによって、加速又は減速の完了を内部割込み信号IRRABで通知することができる。したがって、CPU2は、その通知を参照するだけで、換言すれば、カウンタの計数値を毎回参照する手間を要することなく、加速又は減速処理の完了を認識でき、キャプスタンモータ33の加速又は減速処理におけるCPU2の負担を軽減することができる。更に、CPU2は優先すべき他の処理が間に合わなくなる事態を生じない。このような加減速処理の対象はCFGを発生するキャプスタンモータ33に限らず、DFGに基づくドラムモータ36の加減速処理はもとより、その他各種FGモータの加減速制御に適用することができる。
【0073】
《スロートラッキング処理》 VTRのスロー再生やスチル再生等の特殊再生において、ビデオテープを走行駆動するキャプスタンモータ33は、トラック単位で起動・停止制御される必要がある。このときのキャプスタンモータ33の加減速処理は図18及び図19で説明した制御を用いることができる。このとき、キャプスタンモータ33の起動・停止位置を制御するために、前記減速処理によるキャプスタンモータ33の逆転制動の開始タイミングを決定する処理がスロートラッキング処理である。
【0074】
図20にはスロートラッキング回路の一実施例が示される。このスロートラッキング回路は、前記リロードタイマユニット(RTU−1)10Aに含まれる。110は内部バスを介してCPU2によってデータが設定されるリロードレジスタである。111はリロードレジスタ110に格納されている値がプリセットされプロセットされた値を起点として前記動作基準クロック信号φを計数するダウンカウンタである。ダウンカウンタ111のプリセットタイミング(ダウンカウンタの計数動作開始タイミング)は、分周信号DVCTLの立ち上がりエッジの検出パルスに同期される。即ち分周信号DVCTLの立ち上がりエッジがダウンカウンタ111に対するデータのリロード信号とされる。分周信号DVCTLのエッジ検出パルスはDVCTLの立ち上がりエッジの検出回路113で生成される。スロートラッキング処理において前記CTL分周回路14Aの分周比はCPU2によって1に設定されるので、この処理で利用されるDVCTLはCTLと実質的に同じである。112はセット・リセット型のフリップフロップであり、ダウンカウンタ111のアンダーフロー信号UDF(ハイレベル)によってリセット状態にされ、DVCTLのエッジ検出パルス(ハイレベルパルス)によってセット状態にされる。前記フリップフロップ112の出力Qは、CPU2への内部割込み信号IRRSTとされる。CPU2は、DVCTLの立ち上がり変化を基準にスロートラッキングのための減速処理を開始するための時間に応ずる規定のデータ(φの計数値)を前記リロードレジスタ111に設定する。その後、DVCTLの立ち上がり変化によってレジスタ110の値がダウンカウンタ111にロードされて当該ダウンカウンタ111が計数動作を開始する。計数動作開始から規定の時間が経過すると、ダウンカウンタ111のアンダーフロー信号UDFが活性化され、フリップフロップ112がリセット状態にされる。CPU2は、フリップフロップ112のリセット状態に応じて内部割込み信号IRRSTがハイレベルからローレベルへ変化するのを検出して前記キャプスタンモータ33の減速処理を開始する。
【0075】
図21にはスロー再生時におけるキャプスタンモータ33の加速処理、スロートラッキング処理、及び減速処理の一連のタイミング例が示されている。加速減速による規定の速度への到達の検出は前記加減速処理回路(RTU−2)10Bを用い、減速処理開始までのスロートラッキングの時間はスロートラッキング回路(RTU−1)10Aで計測する。前述のようにCPU2がリロードレジスタ100に加速処理の規定データをロードして加速処理を開始し(時刻t0)、それによってキャプスタンモータ33の速度が規定の速度に到達すると(時刻t1)、CPU2が割込み信号IRRABにてそれを検出し、キャプスタンモータ33に対する駆動電流の供給を停止(Hi−Z)させる。この状態でキャプスタンモータは慣性で回転し続ける。その後、CPU2はリロードレジスタ110のスロートラッキングディレイの規定時間に応ずる規定のデータをロードする。そしてDVCTL(=CTL)の立ち上がりエッジが検出されるとレジスタ110の規定データがダウンカウンタ111にリロードされて計数動作が開始され、それによって規定の時間が経過すると(時刻t3)、CPU2は割込み信号IRRSTにてそれを検出し、キャプスタンモータ33の減速処理を開始する。減速処理においてCPU2は、キャプスタンモータ33を逆転(制動)させる極性をもって駆動電流を供給させると共に、リロードレジスタ100に減速処理の規定データをロードする。これによってキャプスタンモータ33の速度が規定の速度に減速されると(時刻t4)、CPU2が割込み信号IRRABにてそれを検出し、キャプスタンモータ33に対する駆動電流の供給を停止(Hi−Z)させる。
【0076】
例えばビデオテープの走行制御が停止されたとき、ビデオヘッドは図3の(A)に例示されるように、2本分の映像トラックに跨ってトレースを行う。図3の(A)においてハッチングを付して示されたトレース領域の中央部が2本の映像トラックの間に領域に跨る場合には、再生表示画面の中央の走査線領域部分の画像が乱れることになる。キャプスタンモータ33が停止したとき、ドラム36に対する映像トラックの位置は、スロートラッキングディレイを決定する規定データ(リロードレジスタ110にロードされる規定データ)と減速処理においてリロードレジスタ100にロードされる規定データによって、所望に制御することができる。そして、スロートラッキングディレイにおけるディレイ計測の起点はコントロールパルスに応ずる信号DVCTL(=CTL)の立ち上がり変化に同期されるタイミングであり、それによって得られるディレイ時間はビデオテープ上の映像トラックの位置を示す情報(コントロールトラック情報若しくはコントロールパルス)と関連付けられている。これにより、ビデオテープの停止時にビデオヘッドが映像トラックに対してトレースする位置を所望に決定できる。したがって、複数の映像トラックに跨ったトレースにおいて、跨る位置をヘッドトレース位置の中央部からずらして端側にすることができる。端側のトレース位置は表示画面上の上又は下側の走査線位置に対応され、スロー再生やスチル再生時などにおける表示性能の劣化を低減することができる。
【0077】
《無記録テープに対するテープ走行カウント制御》 VHS又はβ方式のVTRにおいてテープ走行カウントはコントロールトラックから読み取ったCTLのようなコントロールパルスを計数して行う。8ミリビデオ方式の場合には、前記トラッキングパイロット信号から得られる信号を計数して行うことができる。コントロールトラック情報やトラッキングパイロット信号が記録されていない無記録テープに対しては、再生動作時にそれらを利用したテープ走行カウントを行うことができない。ここでは、無記録テープに対してもテープ走行カウントを可能にする実施例を説明する。
【0078】
本実施例においてテープ走行カウント(テープカウントとも称する)は前記リニアカウンタ(LTC)7を用いて行う。図22にはリニアカウンタ7の一例ブロック図が示される。図において700はリニアタイムカウンタ(LTM)であり、モードレジスタ(LMR)701の設定データに従ってダウンカウンタ又はアップカウンタとして機能される。このリニアタイムカウンタ700は、プリスケーラ(PSS)704の出力クロック信号、前記DVCFG2又はPB−CTLを計数する。その何れを計数クロックとするかは、モードレジスタ701から指示を受けるセレクタ705が選択する。702はリロード/コンペアマッチレジスタ(RCR)であり、前記リニアカウンタ700へのプリセットデータのリロード、又は比較器703によるリニアカウンタ700の計数値との比較対象データの保持に利用される。プリスケーラ704は前記動作基準クロック信号φを分周してφ/32,φ/64を出力する。
【0079】
リニアカウンタ7においてモードレジスタ701に設定可能な動作モードは、第1乃至第3動作モードとされ、夫々においてリニアタイムカウンタ700の計数対象クロック信号をセレクタで選択することが可能にされる。それらの指定はCPU2がモードレジスタ701に指定する。前記第1の動作モードは、リニアタイムカウンタ700のアップカウント時にコンペアマッチ(リニアタイムカウンタ700の計数値とリロード/コンペアマッチレジスタ702の設定値との比較器703による一致検出=Match Clear)によってリニアタイムカウンタ700をクリアし、信号IRRLICにてCPU2に内部割込みを発生する動作を指定する。第2の動作モードは、リニアタイムカウンタ700のアップカウント時に前記リロード/コンペアマッチレジスタ702の値が初期値(H’00)とされている場合にはリニアタイムカウンタ700のオーバーフロー(OVF)で、信号IRRLICにてCPU2に内部割込みを発生する動作を指定する。第3動作モードは、リニアタイムカウンタ700のダウンカウント時に当該カウンタ700のアンダーフロー(UDF)でリロード/コンペアマッチレジスタ702の設定値をリニアタイムカウンタ700にリロードすると共に、信号IRRLICにてCPU2に内部割込みを発生する動作を指定する。各動作モードにおけるリニアカウンタの動作例は図23に示される。
【0080】
前記割込み信号IRRLICは、リニアタイムカウンタ700から出力されるオーバフロー信号OVF/アンダーフロー信号UDFと、一致検出信号Match Clearとを2入力とするオアゲート706より出力される。
【0081】
テープカウントには前記第3の動作モードを利用する。記録済みテープの場合にはコントロールトラックが存在するので、リニアタイムカウンタ700による計数対象クロック信号として再生時のコントロールパルス信号PB−CTLを指定する。この動作モードにおいてCPU2はリロード/コンペアマッチレジスタ702に所定の規定値データを設定し、その規定値データに応ずる長さ分だけテープが走行される毎にCPU2は信号IRRICによる割込みを受け付け、割込みを受け付ける毎にテープの走行距離又は時間を演算してテープカウントを行う。無記録テープに対するテープカウントの場合は、テープからコントロールパルスを検出できないので、リニアタイムカウンタ700による計数対象クロック信号としてDVCFG2を指定する。この動作モードにおいてCPU2はリロード/コンペアマッチレジスタ702に所定の規定値データを設定し、その規定値データに応ずる量だけキャプスタンモータ33が回転される毎にCPU2は信号IRRICによる割込みを受け付け、割込みを受け付ける毎にテープの走行距離又は時間を演算してテープカウントを行うことができる。
【0082】
本実施例では分周比可変の分周回路14Bにより周期信号DVCFG2は周期信号PB−CTLの周期に一致されている。したがって、記録テープ又は無記録テープの何れを再生する場合にも、CPU2がレジスタ702にロードする規定値データを同じデータとすることができる。したがって、記録テープ又は無記録テープの何れに対しても、カウンタ700の計数状態に基づいてテープカウントを行うCPU2の処理を共通化することができる。
【0083】
無記録テープであるか否かは、映像トラックからの読み取り信号の周波数が実質的にノイズとみなされる帯域であるか否かをCPU2が判定して認識できる。或いは、コントロールパルスの有無を検出して判定することも可能である。例えば後者の場合には、図22のリニアカウンタ7にコンペアマッチを行う第1の動作モードを設定してコントロールパルスの有無を検出できる。例えばCPU2は、リロード/コンペアマッチレジスタ702に適当な値を設定した後、モードレジスタ701によってPB−CTLを用いた第1の動作モードによる動作を開始させ、これに並行して別のタイマを用いて計時動作を行い、それによって把握される所定時間が経過するまでに、コンペアマッチ(リニアタイムカウンタ700の計数値とリロード/コンペアマッチレジスタ702の設定値との比較器703による一致検出=Match Clear)による割込みが発生されない場合には、コントロールパルスが発生されていない、即ち、そのビデオテープは無記録であると判定する。このような判定結果を用いることにより、CPU2はテープカウント動作において、上記DVCFG2を用いるかPB−CTLを用いるかを決定してコントロールレジスタ701を設定する。
【0084】
《DPGのパルス検出方向の切換え》 前記パルス信号DPGの波形としては、図25の(A)に示されるような立ち下がりパルスとされるもの、又は図25の(B)に示されるような立ち上がりパルスとされるものがある。何れの波形が用いられるかはVTRの機種などによってまちまちである。その何れに対しても図25の(C)に示されるような内部パルスを生成して前述の位相制御などに利用できるようにすることが、マイクロコンピュータ1のVTRに対する汎用性に優れる。
【0085】
図24にはDPGのパルス検出方向を切換え可能にする実施例が示される。パルス入力アンプ63は、パルス入力端子(DPG端子)638に反転入力端子(−)が結合され、非反転入力端子(+)には参照電位Vrefが供給される反転増幅回路630を主体に、入出力特性にヒステリシス特性を持ったシュミットアンプ631を前記反転増幅回路630の出力に直列接続した回路を備える。前記反転増幅回路630は増幅回路の一例であるオペアンプを用いて構成されている。パルス入力端子638には入力容量632を介してドラムモータ36からのパルス信号DPGが供給される。参照電位Vrefは、特に制限されないが、パルス信号DPGの立ち上がり変化を検出するための3V又はパルス信号DPGの立ち下がり変化を検出するための2Vとされる。参照電位の2V,3Vの具体的な値は、DPGの振幅とパルス入力アンプ63の電源電圧Vcc,Vssとに応じて決定された一例とされる。参照電位Vrefは抵抗分圧回路又はオペアンプを用いた帰還回路等を利用した回路637によって生成される。参照電位Vrefのレベル選択は相補スイッチ回路635で選択される。参照電位Vrefの選択に対応して、前記シュミットアンプ631の出力を非反転又は反転して出力させる相補スイッチ回路636が設けられている。前記シュミットアンプ631は波形整形作用を有する。前記相補スイッチ回路635,636のスイッチ状態はCPU2によって設定される制御ビットN/Pによって決定される。制御ビットN/P=0のときは、相補スイッチ回路635は立ち下がりエッジ検出のための2Vを参照電位として選択し、これ応じ、出力側の相補スイッチ回路636は非反転出力を選択する。制御ビットN/P=1のときは、相補スイッチ回路635は立ち上がりエッジ検出のための3Vを参照電位として選択し、これ応じ、出力側の相補スイッチ回路636は反転出力を選択する。これにより、入力アンプ63は、ドラムモータ36から出力されるパルス信号DPGのパルス波形が立ち上がりであっても立ち下がりであっても、DPGのパルスに同期して、矩形の立ち上がりパルスDPGを生成して出力することができる。
【0086】
このようにパルス信号の検出方向を切り換え可能なパルス入力アンプ63を搭載したマイクロコンピュータ1は、出力パルスの方向が相互に異なったドラムモータを採用する種々のVTRに対する当該モータのサーボ制御等を、一種類の半導体チップで対応することができる。尚、パルス入力アンプ63は非反転増幅回路を用いて構成することも可能である。
【0087】
《サーボ回路の動作クロックの共通化》 図4に示されるサーボ系回路、即ち、ヘッドスイッチ作成回路64、位相誤差検出回路65、ディジタルフィルタ66、速度誤差検出回路61、FG取付け誤差補正回路62、ディジタルフィルタ67、PWM11A、PWM11B、ディジタルフィルタ53、速度誤差検出回路48、位相誤差検出回路46、ディジタルフィルタ52、X補正回路55などは全て動作基準クロック信号φに同期動作される。図1に従えば、サーボ回路15も動作基準クロック信号φに同期動作される。このように、マイクロコンピュータ1は、CPU2とサーボ回路15の動作基準クロック信号φが共通化されている。CPU2の動作基準クロック信号の周波数は、ユーザが外付けする振動子の発振周波数又は外部から供給されるシステムクロック信号の周波数によって決定されるから、映像周波数の逓倍の周波数のクロック信号でマイクロコンピュータを動作させないようにすることができる。これにより、映像周波数で同期動作されるVTRの記録・再生用の回路やテレビなどに輻射ノイズを与える虞を未然に防止することができる。
【0088】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0089】
例えばFGモータの加減速処理はキャプスタンモータやドラムモータに対する制御に限定されず、またVTRのスロー再生やスチル再生制御に適用されるだけでなく、レンズの焦点距離の自動調整用モータや工作機械のテーブル若しくはワークヘッド位置決め用モータの制御にも適用することができる。また、モータ制御のためのデータ処理を行うマイクロコンピュータの内蔵回路モジュールは上記実施例に限定されず適宜変更可能である。また、周期信号の両方のエッジ変化に同期してサーボ制御のための誤差データを取得する上記実施例の手法は周期信号が相対的に長く、例えばキャプスタンモータのように低速回転のモータの回転速度のサーボ制御に広く適用することができる。
【0090】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるVTRのモータ制御に適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、種々のFGモータの制御に適用することができる。また、本明細書において周波数信号は上記実施例のDPGのようなパルス信号をも含む概念として把握するものとする。
【0091】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0092】
すなわち、周期信号の所定の変化の間隔が規定の間隔に到達したか否かによって、加速又は減速処理の完了を通知するから、その通知を参照するだけで、加速又は減速処理の完了を認識でき、モータの加速又は減速処理における中央処理装置の負担を軽減することができる。更にこのことにより、加減速処理中であっても中央処理装置は、優先すべき他の処理の実行が間に合わなくなる事態を生じない。
【0093】
VTRのスロー再生やスチル再生等の特殊再生において、ビデオテープを走行駆動するキャプスタンモータは、トラック単位で起動・停止制御される必要がある。これを考慮したとき、ビデオテープの読み取りヘッドに対するビデオテープの停止位置を、所望に制御可能とすることにより、ビデオテープの停止時にビデオヘッドが映像トラックに対してトレースする位置を所望に決定できる。したがって、複数の映像トラックに跨ったトレースにおいて、跨る位置をヘッドトレース位置の中央部からずらして端側にすることができる。端側のトレース位置は表示画面上の上又は下側の走査線位置に対応され、スチル再生時などにおける表示性能の劣化を低減することができる。
【0094】
周期信号に基づくモータ速度のサーボ制御において当該周期信号の立ち上がり及び立ち下がりの各エッジ変化に同期した誤差データの取得を周期信号の1周期単位で取得することにより、夫々の誤差の検出周期は1周期単位であっても検出誤差によるサーボ制御は周期信号の半周期毎に行うことができ、モータの回転速度に応じて生成される周期信号のデューティ比に高精度を要することなく簡単にサーボ制御を高精度化することができる。
【0095】
中央処理装置とサーボ回路の動作基準クロック信号を共通化したマイクロコンピュータとすることにより、中央処理装置の動作基準クロック信号の周波数は、ユーザが外付けする振動子の発振周波数又は外部から供給されるシステムクロック信号の周波数によって決定されるから、映像周波数の逓倍の周波数のクロック信号でマイクロコンピュータを動作させないようにすることができる。これにより、映像周波数で同期動作されるVTRの記録・再生用の回路やテレビなどに輻射ノイズを与える虞を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマイクロコンピュータのブロック図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータが制御対象とする一般的なVTRの説明図である。
【図3】映像トラックとコントロールトラック情報との対応関係について示す説明図である。
【図4】図1のマイクロコンピュータに含まれる前記サーボ回路、サーボ端子、分周回路、PWM、及びリロードタイマユニットによって構成されるVTR制御系の詳細な一例ブロック図である。
【図5】キャプスタンモータの速度誤差検出回路の一実施例ブロック図である。
【図6】キャプスタンモータの速度誤差検出動作の一例タイミング図である。
【図7】キャプスタンモータの位相誤差検出回路の一実施例ブロック図である。
【図8】キャプスタンモータの位相誤差検出動作の一例タイミング図である。
【図9】ドラムモータの速度誤差検出回路の一実施例ブロック図である。
【図10】ドラムモータの速度誤差検出動作の一例タイミング図である。
【図11】ドラムモータの位相誤差検出回路の一実施例ブロック図である。
【図12】ドラムモータの位相誤差検出動作の一例タイミング図である。
【図13】周期信号の1周期を誤差データの検出期間として当該周期信号の両方のエッジでサーボ制御のための誤差データをサンプリング可能にする一実施例ブロック図である。
【図14】両方のエッジでサーボ制御のための誤差データをサンプリングする動作の一例タイミング図である。
【図15】周期信号の半周期を誤差データの検出期間として当該周期信号の両方のエッジでサーボ制御のための誤差データをサンプリングする手法の動作タイミング図である。
【図16】周期信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方のエッジ変化に同期してサーボ制御のための誤差データをサンプリングするための更に別の実施例ブロック図である。
【図17】図16の構成における一例動作タイミング図である。
【図18】キャプスタンモータの加減速処理回路の一実施例ブロック図である。
【図19】加減速処理の一例動作タイミングチャートである。
【図20】スロートラッキング回路の一実施例ブロック図である。
【図21】スロー再生時におけるキャプスタンモータの加速処理、スロートラッキング処理、及び減速処理の一連のタイミング図である。
【図22】無記録テープに対してもテープ走行カウントを可能にするリニアカウンタの一実施例ブロック図である。
【図23】図22のリニアカウンタの一例動作タイミング図である。
【図24】外部パルス信号のパルス検出方向を切換え可能にするパルス入力アンプの一実施例回路図である。
【図25】外部パルス信号の波形とそれによって生成される矩形パルス波形の一例波形説明図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
2 中央処理装置(CPU)
7 リニアカウンタ
700 リニアタイムカウンタ
701 モードレジスタ
702 リロード/コンペアマッチレジスタ
703 比較器
9 フリーランニングタイマ
900 フリーランニングカウンタ
8901A,901B エッジ検出回路
902A,903A レジスタ
903A,903B レジスタ
10 リロードタイマユニット
100 リロードレジスタ
101 ダウンカウンタ
102 フリップフロップ
103 アンドゲート
104 ディレイ回路
105 セレクタ
IRRAB 内部割込み信号
110 リロードレジスタ
111 ダウンカウンタ
112 フリップフロップ
IRRST 内部割込み信号
11 PWM
14 分周回路
15 サーボ回路
18 クロックパルスジェネレータ
φ 動作基準クロック信号
33 キャプスタンモータ
36 ドラムモータ
38A,38B 映像トラック
DPG ドラムモータからのパルス信号(周期信号)
DFG ドラムモータからの周期信号
CFG キャプスタンモータからの周期信号
PB−CTL コントロールパルス
DVCTL 分周信号(周期信号)
DVCFG 周期信号
DVCFG2 周期信号
46 位相誤差検出回路
460 プロセットデータレジスタ
461 カウンタ
462 誤差データレジスタ
48 速度誤差検出回路
48A,48B 誤差検出回路
70A,70B エッジ検出回路
480 プリセットデータレジスタ
480A,480B プリセットデータレジスタ
481 カウンタ
481A,481B カウンタ
482 誤差データレジスタ
IRRCPS 内部割込み信号
61 速度誤差検出回路
610 プリセットデータレジスタ
611 カウンタ
612 誤差データレジスタ
IRRDRM 内部割込み信号
63 入力アンプ
630 非反転増幅器
635,636 相補スイッチ回路
65 位相誤差検出回路
650 プリセットデータレジスタ
651 カウンタ
652 誤差データレジスタ

Claims (8)

  1. モータの回転速度に応じて生成される周期信号を受け、これに基づくモータの加減速制御のためのデータ処理を行うマイクロコンピュータであって、
    中央処理装置と、中央処理装置によってデータがロードされるレジスタと、前記周期信号の所定の変化毎に前記レジスタに格納されている値がプリセットされ、このプリセットされた値を起点にクロック信号により計数動作を行う計数手段と、この計数手段から出力される計数値が定の状態に到達するタイミングと前記周期信号の所定の変化のタイミングとの早遅に基づいて、加速中又は減速中のモータが規定の回転速度状態に到達したことを示す制御信号を出力する信号形成回路とを備えて成るものであることを特徴とするマイクロコンピュータ。
  2. 前記制御信号は前記中央処理装置に対する割込み信号であることを特徴とする請求項1記載のマイクロコンピュータ。
  3. 規定の回転速度に到達したモータの回転速度を前記制御信号に基づいて定常状態に制御するサーボ回路を更に備えて成るものであることを特徴とする請求項2記載のマイクロコンピュータ。
  4. 前記サーボ回路と前記中央処理装置とに共通の動作クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータを更に備え、一個の半導体基板に形成されて成るものであることを特徴とする請求項3記載のマイクロコンピュータ。
  5. 前記計数手段はダウンカウンタであり、前記信号形成回路は、前記ダウンカウンタから出力されるアンダーフロー信号によって前記周期信号の前記所定の変化をマスクして出力するマスク手段と、加速処理において前記マスク手段の出力を選択し、減速処理において前記ダウンカウンタの出力を選択し、選択した信号を前記制御信号として出力するセレクタとから成るものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のマイクロコンピュータ。
  6. ビデオテープを走行駆動するキャプスタンモータの回転速度に応じて生成される周期信号を受け、これに基づいて前記キャプスタンモータの加減速制御のためのデータ処理を行うマイクロコンピュータであって、
    中央処理装置と、加減速処理部と、スロートラッキング処理部とを含み、
    前記加減速処理部は、中央処理装置によってデータがロードされる第1のレジスタと、前記周期信号の所定の変化毎に前記第1のレジスタに格納されている値がプリセットされ、このプリセットされた値を起点にクロック信号により計数動作を行う第1の計数手段と、この第1の計数手段から出力される計数値が定の状態に到達するタイミングと前記周期信号の所定の変化のタイミングとの早遅に基づいて、加速中又は減速中のモータが規定の回転速度状態に到達したことを前記中央処理装置に通知する第1の制御信号を出力する第1の信号形成回路とを含み、
    前記スロートラッキング処理部は、前記中央処理装置によってデータがロードされる第2のレジスタと、ビデオテープ上の映像トラックの位置を示す情報に応ずる信号の所定の変化毎に前記第2のレジスタに格納されている値がプリセットされ、このプリセットされた値を起点に前記クロック信号により計数動作を行う第2の計数手段と、この第2の計数手段から出力される計数値が定の状態に到達したことを前記中央処理装置に通知する第2の制御信号を出力する第2の信号形成回路とから成り、
    前記中央処理装置は、キャプスタンモータを加速処理した後、前記第2の信号形成回路からの第2の制御信号を検出することを条件に減速処理を行って、ビデオテープの読み取りヘッドに対するビデオテープの停止位置を、所望に制御可能であることを特徴とするマイクロコンピュータ。
  7. モータの回転速度に応じて生成される周期信号を受け、これに基づいてモータの回転を定常状態に制御するためのデータ処理を行うマイクロコンピュータであって、
    前記周期信号の第1の状態から第2の状態への変化毎にその周期と目的周期との誤差を検出する第1の誤差検出手段と、
    前記周期信号の第2の状態から第1の状態への変化毎にその周期と前記目的周期との誤差を検出する第2の誤差検出手段と、
    前記第1の誤差検出手段によって検出された誤差と前記第2の誤差検出手段によって検出された誤差とを交互に用いて、その誤差を相殺するように前記モータの回転を制御させる制御手段と、を備えて成るものであることを特徴とするマイクロコンピュータ。
  8. モータの回転速度に応じて生成される周期信号を受け、これに基づいてモータの回転を定常状態に制御するためのデータ処理を行うマイクロコンピュータであって、
    フリーランニングカウンタ手段と、
    前記周期信号が第1の状態から第2の状態への変化したときの前記フリーランニングカウンタ手段の計数値を前後2回分保持する第1のレジスタ手段と、
    前記周期信号が第2の状態から第1の状態への変化したときの前記フリーランニングカウンタ手段の計数値を前後2回分保持する第2のレジスタ手段と、
    前記夫々のレジスタ手段に保持された前後2回分の計数値に対し、今回の計数値が前回の計数値よりも大きい場合には今回の計数値から前回の計数値を差し引いた値と目標値との誤差を取得し、今回の計数値が前回の計数値よりも小さい場合には前回の計数値の2の補数に今回の計数値を加算した値と目標値との誤差を取得し、順次取得された誤差を用いて、その誤差を相殺するように前記モータの回転を制御させる制御手段と、を備えて成るものであることを特徴とするマイクロコンピュータ。
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