JP3318147B2 - 磁気再生装置 - Google Patents

磁気再生装置

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JP3318147B2
JP3318147B2 JP02610295A JP2610295A JP3318147B2 JP 3318147 B2 JP3318147 B2 JP 3318147B2 JP 02610295 A JP02610295 A JP 02610295A JP 2610295 A JP2610295 A JP 2610295A JP 3318147 B2 JP3318147 B2 JP 3318147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非整数倍速(1.5 倍速
など)の特殊再生を行うためのキャプスタンモータの位
相制御に係わる磁気再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のビデオテープレコーダ(VTR)
の非整数倍速再生の位相制御方法は、例えば特公平6−
7416号公報の「磁気記録再生装置」にその一例が開
示されている。以下この従来例について簡単に説明す
る。
【0003】図9は磁気テープ1の速度制御と位相制御
に係わる従来の磁気再生装置の全体構成を示すブロック
図である。本図において、磁気テープ1の走行機構部に
は、磁気テープ1の走行駆動源としてのキャプスタンモ
ータ2と、図示しないピンチローラとが設けられてい
る。分周器3はキャプスタンモータ2の出力するFG信
号を分周(ここでは一例として分周比を2/3倍とす
る)する回路である。速度基準信号発生器4は標準再生
である1倍速再生の速度制御を行うための速度基準信号
を発生する回路である。速度比較器5は速度基準信号発
生器4の出力する速度基準信号と、分周器3によって分
周されたFG信号とを比較し、速度誤差を演算する回路
である。以上の分周器3と速度基準信号発生器4と速度
比較器5とで磁気再生装置の速度制御部を構成してい
る。
【0004】次にコントロールヘッド6は磁気テープ1
に記録されたコントロール信号を検出するヘッドであ
る。分周器7は検出されたコントロール信号を分周(こ
こでは1/3倍とする)する回路である。位相基準信号
発生器8は通常の1倍速再生の位相制御を行うための位
相基準信号を発生する回路である。位相比較器9は位相
基準信号発生器8の出力する位相基準信号と、分周器7
によって分周されたコントロール信号の位相誤差を演算
する回路である。以上の分周器7と位相基準信号発生器
8と位相比較器9とで磁気再生装置の位相制御部を構成
している。
【0005】次に加算器10は速度比較器5によって演
算された速度誤差と、位相比較器9によって演算された
位相誤差とを加算する回路である。ドライバ11は加算
器10の演算結果に基づいてキャプスタンモータ2の回
転速度と回転位相とを制御する信号を生成し、キャプス
タンモータ2に駆動信号を与える回路である。
【0006】このように構成された従来例の磁気再生装
置における1.5 倍速(3/2倍速)の再生動作について
説明する。速度制御部において、キャプスタンモータ2
の回転によるFG信号は分周器3によって2/3倍に分
周され、速度比較器5に供給される。一方、速度比較器
5に入力される速度基準信号は分周処理が行われないた
め、結果的に速度比較器5はキャプスタンモータ2の回
転速度を1.5 倍速に制御するための速度誤差データを加
算器10に出力する。これによりキャプスタンモータ2
の速度制御が行われ、磁気テープ1は通常の再生速度の
1.5 倍速で移送されることになる。
【0007】一方、位相制御部においては、再生速度が
1.5 倍となることにより、コントロールヘッド6の検出
するコントロール信号の周期は1倍速再生時の2/3倍
となる。このコントロール信号が分周器7によって1/
3倍に分周されるため、位相比較器9に供給されるコン
トロール信号の周期は1倍速再生時の2倍となる。これ
により、位相比較器9での位相誤差の検出周期は1倍速
再生のちょうど2倍となり、結果的に1.5 倍速において
再生ヘッドと磁気テープ1上の記録トラックパターンと
の位相関係が保たれる。このような位相制御によって、
磁気テープ1の再生速度が1.5 倍になっても、磁気テー
プ1上の記録トラックパターンと再生ヘッドの軌跡パタ
ーン(再生トラックパターン)との位相関係が保たれ、
1.5 倍速のノイズレス再生が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の構成では、1.5 倍速以外の速度で磁気テープ1
を再生することができず、例え1.5 倍速の再生であって
も位相誤差の検出がコントロール信号の3周期ごとにし
か行われないため、磁気再生装置としての制御の応答性
や安定性が低くなるという問題があった。
【0009】また、従来例と同様の構成で1.5 倍速以外
の再生速度での位相制御を考えた場合、0.5 倍速や2.5
倍速等のように速度がk/2(kは奇数)で表される場
合以外は、位相誤差の検出周期がさらに長くなって制御
の応答性及び安定性がますます損なわれる。このため所
望の再生速度をきめ細かく選択することが困難になると
いう問題もあった。
【0010】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、簡単な構成で非整数倍速再生時
の位相制御の応答性及び安定性を向上させ、且つ所望の
再生速度をきめ細かく設定できる磁気再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、磁気テープの走行速度制御と位相制御をして情報を
再生する磁気再生装置であって、磁気テープを駆動する
テープ駆動手段と、磁気テープに記録されたコントロー
ル信号を検出するコントロール信号出力手段と、0を除
任意の整数をm、nとし、通常再生速度に対する磁気
テープの移送速度をm/nとしたとき、任意の移送速度
m/nを設定する速度設定手段と、前記速度設定手段に
よる磁気テープの設定移送速度と前記テープ駆動手段に
よって移送される磁気テープの移送速度とを比較し、速
度誤差を検出する速度誤差演算手段と、磁気テープの1
倍速再生速度時の位相制御を行うための第1の位相基準
信号を生成し、前記第1の位相基準信号を|m/n|倍
に分周して第2の位相基準信号として出力する基準信号
出力手段と、前記テープ駆動手段の1倍速駆動時におけ
る記録トラックと再生トラックとのトラッキングシフト
量を検出するシフト量出力手段と、前記速度設定手段に
よる設定移送速度に応じて所定の目標位相を選択する目
標位相選択手段と、前記シフト量出力手段の出力するト
ラッキングシフト量をn/m倍に変換して目標位相補正
データを作成する乗算手段と、前記目標位相選択手段の
目標位相と前記乗算手段の目標位相補正データとを加算
して出力する目標位相補正手段と、前記目標位相補正手
段の出力する目標位相と前記第2の位相基準信号に対す
る前記コントロール信号の位相差とを比較し、比較結果
を位相誤差として出力する位相誤差演算手段と、前記速
度誤差演算手段の出力する速度誤差と前記位相誤差演算
手段の出力する位相誤差とに基づいて駆動信号を生成
し、前記テープ駆動手段による駆動を制御する駆動制御
手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0012】本願の請求項2の発明は、磁気テープの走
行速度制御と位相制御をして情報を再生する磁気再生装
置であって、磁気テープを駆動するテープ駆動手段と、
磁気テープに記録されたコントロール信号を検出するコ
ントロール信号出力手段と、0を除く任意の整数をm、
nとし、通常再生速度に対する磁気テープの移送速度を
m/nとしたとき、任意の移送速度m/nを設定する速
度設定手段と、前記速度設定手段による磁気テープの設
定移送速度と前記テープ駆動手段によって移送される磁
気テープの移送速度とを比較し、速度誤差を検出する速
度誤差演算手段と、磁気テープの1倍速再生速度時の位
相制御を行うための第1の位相基準信号を生成し、前記
第1の位相基準信号を|m/n|倍に分周して第2の位
相基準信号として出力する基準信号出力手段と、前記テ
ープ駆動手段の1倍速駆動時における記録トラックと再
生トラックとのトラッキングシフト量を検出するシフト
量出力手段と、前記速度設定手段の設定移送速度に応じ
て所定の遅延時間を選択する遅延時間選択手段と、前記
シフト量出力手段の出力するトラッキングシフト量をn
/m倍に変換して遅延時間補正データを作成する乗算手
段と、前記遅延時間選択手段の遅延時間と前記乗算手段
の遅延時間補正データとを加算し、加算結果を出力する
遅延時間補正手段と、前記遅延時間補正手段の出力する
遅延量データに基づいて、前記基準信号出力手段の第2
の位相基準信号を遅延させ、この信号を第3の位相基準
信号として出力する信号遅延手段と、前記信号遅延手段
の第3の位相基準信号と前記コントロール信号の位相差
とを比較し、比較結果を位相誤差として出力する位相誤
差演算手段と、前記速度誤差演算手段の出力する速度誤
差と前記位相誤差演算手段の出力する位相誤差とに基づ
いて駆動信号を生成し、前記テープ駆動手段による駆動
を制御する駆動制御手段と、を具備することを特徴する
ものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】本願の請求項の発明によれば、通常再生のm
/n倍速で速度制御及び位相制御を行うに際し、通常再
生時のトラッキングシフト量と再生速度とに応じて位相
制御の目標誤差を変更する。こうすると、トラッキング
シフト量の異なるテープの再生時でも、再生速度変更時
に正しいトラッキング制御を行える。
【0020】さらに本願の請求項の発明によれば、通
常再生のm/n倍速で速度制御を行ったとき、通常再生
のトラッキングシフト量と再生速度とに応じて所定時間
遅延させた位相基準信号に基づいて位相制御を行う。こ
うすると、トラッキングシフト量の異なるテープの再生
時でも、再生速度変更時に正しいトラッキング制御を行
える。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例における磁気再生装置に
ついて、図面を参照しながら説明する。なお本実施例で
は、再生状態を通常の1倍速再生(標準再生)か、4/
3倍速再生かのどちらかに切り換えることができるVT
Rの構成と動作原理について説明する。
【0022】図1は本発明の第1実施例の磁気再生装置
20を構成するブロック図であり、特に磁気テープ1の
速度制御と位相制御に係わる部分の構成を示している。
従来例と同様に本実施例の磁気再生装置20には、磁気
テープ1を駆動させるキャプスタンモータ2と、磁気テ
ープ1上に記録されたコントロール信号を検出するコン
トロールヘッド6とが設けられている。速度設定スイッ
チ21は磁気テープ1の再生速度を設定し、速度データ
を出力するスイッチ回路である。この速度データは速度
誤差出力回路22と分周回路26と目標誤差設定回路2
7とに供給される。
【0023】速度誤差出力回路22は、速度設定スイッ
チ21の速度データに応じてキャプスタンモータ2の回
転速度を制御するための速度誤差を出力する回路であ
り、FG検出器23、速度比較器24、速度基準信号発
生器25を含んで構成される。FG検出器23はキャプ
スタンモータ2の回転数に比例した周波数のパルス信号
(FG信号)を検出する回路である。速度基準信号発生
器25は入力された速度データに応じて所定の速度基準
信号を発生する回路である。速度比較器24は速度基準
信号発生器25の出力する速度基準信号と、増幅器を介
して入力されるFG信号とを入力し、速度基準信号に対
するFG信号の速度誤差を検出する回路である。
【0024】位相基準信号発生器28は標準再生の位相
制御を行うための位相基準信号を出力する回路であり、
その出力信号は分周回路26に与えられる。分周回路2
6は速度設定スイッチ21の速度データに応じて位相基
準信号を4/3倍に分周する回路である。分周回路26
の出力は位相比較回路29に与えられる。目標誤差設定
回路27は速度設定スイッチ21の速度データに応じて
最適な目標位相誤差を設定する回路であり、その設定値
は位相比較回路29に与えられる。
【0025】位相比較回路29は、コントロールヘッド
6のコントロール信号を増幅器を介して入力し、目標位
相誤差に基づいてキャプスタンモータ2の回転位相を制
御するための位相誤差を生成する回路である。位相比較
回路29は生成した位相誤差をキャプスタンモータ制御
回路30に出力する。キャプスタンモータ制御回路30
は、速度比較器24の出力する速度誤差と、位相比較回
路29の出力する位相誤差とに基づいて、キャプスタン
モータ2の回転速度と回転位相とを制御する回路であ
り、加算器31とドライバ32とで構成されている。加
算器31は速度比較器24の出力する速度誤差と、位相
比較回路29の出力する位相誤差とを加算して合成誤差
を出力する回路である。ドライバ32は、加算器31か
ら入力された合成誤差をモータ制御のための電圧データ
に変換すると共に、この電圧データを駆動信号に変換し
てキャプスタンモータ2に供給する回路である。
【0026】図5は本実施例における標準再生の位相制
御に係わる各種信号の波形図である。本図において信号
Aは位相基準信号を作成するためのリファレンス信号で
あり、信号Bは位相基準信号発生器28の出力信号、信
号Zは位相比較回路29に入力されるコントロール信号
を示している。
【0027】さらに図6は本実施例における非整数倍速
再生の位相制御に係わる各種信号の波形図である。本図
において、信号Aは位相基準信号を作成するためのリフ
ァレンス信号であり、信号B1は位相基準信号発生器2
8の出力信号であり、信号B2は4/3倍速再生時の分
周回路29の出力信号である。また信号Cは4/3倍速
再生時の目標誤差設定回路27の出力信号であり、信号
B3は信号B2に対して目標位相誤差の補正を行った信
号である。また信号Zは4/3倍速再生時に位相比較回
路29に供給されるコントロール信号を示している。
【0028】このように構成された第1実施例の磁気再
生装置20の動作について説明する。まず、標準再生に
おけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御に
ついて簡単に説明する。標準再生の場合には、図1の速
度設定スイッチ21は標準再生の速度データを、速度基
準信号発生器25と分周回路26と目標誤差設定回路2
7とに出力する。速度基準信号発生器25は速度データ
が与えられると、標準再生のための速度基準信号を速度
比較器24に出力する。速度比較器24にはFG検出器
23のFG信号も入力されるため、速度比較器24はこ
れら2つの入力信号の周期を比較し、その比較結果を速
度誤差として加算器31に出力する。
【0029】分周回路26は速度データが与えられる
と、位相基準信号発生器28の出力信号をそのまま位相
比較回路29に与える。さらに目標誤差設定回路27は
標準再生を行うための所定の目標位相誤差を位相比較回
路29に出力する。位相比較回路29は、分周回路26
から入力された位相基準信号とコントロール信号との位
相差を検出し、この検出データと目標誤差設定回路27
の目標位相誤差と比較することによって位相誤差を演算
し、演算結果を位相誤差として加算器31に出力する。
【0030】なお目標誤差設定回路27の出力する目標
位相誤差は、磁気テープ1の記録トラック上を走査する
再生ヘッドの再生出力が最大となる値を選べばよいが、
本実施例の標準再生においては、簡単のために最適値が
0であるとする。さて加算器31は、入力された速度誤
差と位相誤差とを加算して合成誤差を生成する。ドライ
バ32はこの合成誤差を入力し、モータ制御のための電
圧データを生成する共に、この電圧データを駆動信号
に変換してキャプスタンモータ2に供給する。これによ
り磁気再生装置20は標準再生を行う。
【0031】なお、図5は上記のような位相制御が行わ
れているときの位相基準信号とコントロール信号との関
係を示している。位相基準信号Bにおける誤差検出区間
は斜線の波形で示される。この位相検出区間内で検出さ
れたコントロール信号Zに対して、位相誤差の演算を行
う。
【0032】次に磁気再生装置20が4/3倍速再生を
する場合にキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制
御について説明する。4/3倍速再生の場合には、図1
の速度設定スイッチ21は4/3倍速再生の速度データ
を速度基準信号発生器25と分周回路26と目標誤差設
定回路27とに出力する。速度基準信号発生器25はこ
の速度データが入力されると、標準再生時の速度基準信
号の4/3倍の周波数を持つ速度基準信号を発生する。
この速度基準信号は速度比較器24に供給される。速度
比較器24にはFG検出器23の検出したFG信号も入
力されるため、速度比較器24はこれら2つの入力信号
の周期を比較し、その比較結果を速度誤差として加算器
31に供給する。
【0033】分周回路26は速度データが入力される
と、位相基準信号発生器28の出力信号を4/3倍に分
周して出力する。すなわち、図6において信号B1で表
される位相基準信号が分周回路26を通過することによ
り、信号B2に示すような標準再生時の3/4倍の周期
を持つ信号に変換される。そしてこの信号は位相基準信
号として位相比較回路29に供給される。なお、本実施
例において分周回路26はソフトウェアによって信号処
理を行うものとする。
【0034】目標誤差設定回路27は速度データが入力
されると、4/3倍速再生を行うための所定の目標位相
誤差を位相比較回路29に供給する。位相比較回路29
は供給された分周回路26の位相基準信号とコントロー
ル信号との位相差を検出し、この位相差を目標誤差設定
回路27の目標位相誤差と比較することによって位相誤
差を演算する。ここで位相誤差の演算結果は、設定され
た目標位相誤差分だけ位相基準信号を時間軸上でシフト
させた信号と、コントロール信号との位相誤差を検出す
る。このため図6のように目標位相誤差を位相シフト信
号Cとして表した場合、演算すべき位相誤差は、位相シ
フトを施した仮想の補正位相基準信号B3とコントロー
ル信号Zとの位相誤差に一致する。
【0035】ここで演算された位相誤差は加算器31に
与えられる。加算器31は入力された速度誤差と位相誤
差とを加算した信号を合成誤差としてドライバ32に出
力する。ドライバ32はこの合成誤差をモータ制御のた
めの駆動信号に変換して、キャプスタンモータ2に供給
する。これによりキャプスタンモータ2は標準再生の4
/3倍速で速度制御され、さらにコントロールヘッド6
の検出するコントロール信号の発生の度に位相制御され
る。こうして磁気テープ1上の記録トラックパターンと
再生ヘッドの軌跡パターンとの位相関係が保たれ、4/
3倍速の再生が可能になる。
【0036】ところで以上のような非整数倍速再生で
は、その性格上、磁気テープ上に形成されたトラックの
方向と再生ヘッドのトレース方向とが異なるため、再生
される映像信号はある一定の周期で変動する。例えば本
実施例のような4/3倍速再生の場合、4トラック分の
情報を3回のトレースで読み取ることになるため、再生
される映像信号は3フィールド周期で変動する。このた
め、実際の再生状態において映像信号中の映像情報が欠
落したり、再生ヘッドの再生出力レベルが十分に確保で
きなくなったり、さらには再生映像信号に時間軸上の歪
みが生じる可能性がある。
【0037】このような場合は、次のような方法により
再生映像を改善することができる。まず再生出力レベル
の低下に対しては、十分な再生出力レベルの得られるヘ
ッドを選択する。VTRにおいては、録画時間モードの
切換えや特殊再生用に独立した専用ヘッドを有するもの
が多いため、これらのヘッドの中で最も条件の良いヘッ
ドを選択することにより、再生出力レベルを改善するこ
とができる。
【0038】また再生映像信号の時間軸歪みに対して
は、時間軸補正等の処理を再生映像信号に施すことによ
りその歪みを解消することができる。さらに目標誤差設
定回路27の出力する目標位相誤差として、前述した最
適の再生ヘッドを選択すると共に、磁気テープ1の記録
トラック上を走査する再生ヘッドの再生出力が最大とな
る値を選ぶことにより、4/3倍速のノイズレス再生が
可能になる。
【0039】なお、本実施例においては非整数倍の再生
速度を4/3倍速のみに限定したが、例えば2/3倍、
4/3倍、5/3倍等のように、複数の非整数倍速再生
速度m/n(m、nは0でない整数)を設定し、速度設
定スイッチ21によって再生速度を任意に選択できるよ
うにしてもよい。さらに設定する再生速度は逆再生方
向、すなわちマイナスの速度でもよい。また、本実施例
におけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御
はソフトウェアによって実現してもよい。
【0040】このように第1実施例の磁気再生装置20
によれば、磁気テープを駆動させるテープ駆動手段(キ
ャプスタンモータ2)と、0を除く整数m、nを任意に
選択し、任意の移送速度m/n(速度データ)を設定す
る速度設定手段(速度設定スイッチ21)と、テープ駆
動手段による磁気テープの移送速度をm/n倍速に制御
するための速度誤差を演算する速度誤差演算手段(速度
誤差出力回路22)と、磁気テープに記録されたコント
ロール信号を検出するコントロール信号出力手段(コン
トロールヘッド6)と、テープ駆動手段の1倍速駆動時
の位相制御を行うための第1の位相基準信号を出力する
基準信号出力手段(位相基準信号発生器28)と、第1
の位相基準信号を|m/n|倍に分周し、第2の位相基
準信号として出力する分周手段(分周回路26)と、設
定移送速度に応じて所定の目標位相誤差を出力する目標
位相出力手段(目標誤差設定回路27)と、目標位相差
だけ第2の位相基準信号をずらせて補正位相基準信号を
生成ると共に、補正位相基準信号とコントロール信号
との位相差とを比較し、位相誤差を演算する位相誤差演
算手段(位相比較回路29)と、速度誤差と位相誤差と
に基づいて駆動信号を生成し、テープ駆動手段に駆動信
号を与える駆動制御手段(キャプスタンモータ制御回路
30)とを設けることにより、簡単な構成で非整数倍速
再生時の位相制御の応答性及び安定性を向上させ、さら
に所望の再生速度をきめ細かく設定することができる。
【0041】次に本発明の第2実施例における磁気再生
装置40について、図面を参照しながら説明する。なお
本実施例では、再生状態を標準再生か4/3倍速再生か
のどちらかに切り換えることができるVTRの構成と動
作原理について説明する。
【0042】図2は第2実施例の磁気再生装置40の構
成を示すブロック図であり、第1実施例と同一部分は同
一の符号を付けて説明する。本図に示す磁気再生装置4
0には、磁気テープ1を駆動するキャプスタンモータ2
と、磁気テープ1上に記録されたコントロール信号を検
出するコントロールヘッド6とが設けられている。速度
設定スイッチ21は磁気テープ1の再生速度を設定する
スイッチ回路であり、その速度データは速度誤差出力回
路22と分周回路26と遅延量設定回路41とに出力さ
れる。
【0043】速度誤差出力回路22は、速度設定スイッ
チ21の速度データに応じてキャプスタンモータ2の回
転速度を制御するための速度誤差を出力する回路であ
り、キャプスタンモータ2のFG信号を検出するFG検
出器23と、速度データに応じて所定の速度基準信号を
発生する速度基準信号発生器25と、速度基準信号に対
するFG信号の速度誤差を検出する速度比較器24とで
構成される。このような速度基準信号とFG信号とは、
速度比較器24に入力されて、速度基準信号に対するF
G信号の速度誤差が演算される。この速度誤差はキャプ
スタンモータ制御回路30に与えられる。
【0044】位相基準信号発生器28は標準再生の位相
制御を行うための位相基準信号を発生する回路である。
分周回路26は位相基準信号発生器28の位相基準信号
を速度設定スイッチ21の速度データに応じて分周(4
/3倍)する回路である。分周回路26の出力信号は遅
延回路42に与えられる。遅延量設定回路41は、速度
データに応じて最適な遅延量データを設定する回路であ
り、遅延量データは遅延回路42に与えられる。遅延回
路42は入力された遅延量データに従って、分周回路2
6からの基準位相信号を遅延させる回路であり、その出
力は位相比較回路29に与えられる。
【0045】位相比較回路29は、遅延回路42から出
力される目標位相誤差に基づいて、キャプスタンモータ
2の回転位相を制御するための位相誤差を出力する回路
である。コントロールヘッド6で検出されたコントロー
ル信号は、増幅器を介して位相比較回路29に入力され
る。位相比較回路29の出力する位相誤差はキャプスタ
ンモータ制御回路30に与えられる。キャプスタンモー
タ制御回路30は、入力された速度誤差と位相誤差とに
基づいて、キャプスタンモータ2の回転速度と回転位相
とを制御する回路であり、加算器31とドライバ32と
で構成される。加算器31は速度比較器24の出力する
速度誤差と、位相比較回路29の出力する位相誤差とを
加算する回路である。ここでの加算結果は合成誤差とし
てドライバ32に与えられる。ドライバ32は入力され
た誤差データをモータ制御のための駆動信号に変換して
キャプスタンモータ2に供給する回路である。
【0046】本実施例の磁気再生装置40における標準
再生の位相制御に用いられる各信号は図5のものと同様
である。本図において、信号Aは位相基準信号を作成す
るためのリファレンス信号であり、信号Bは位相基準信
号発生器28の出力信号である。また信号Zは位相比較
回路29に入力されるコントロール信号を表している。
【0047】さらに本実施例の非整数倍速再生の位相制
御に用いられる各信号も図6のものと同様である。本図
において、信号Aは位相基準信号を作成するためのリフ
ァレンス信号であり、信号B1は位相基準信号発生器2
8の出力信号である。信号B2は4/3倍速再生時の分
周回路26の出力信号であり、信号Cは遅延量設定回路
41の出力信号と同等である。さらに信号B3は遅延回
路42の出力信号と同等であり、信号Zは4/3倍速再
生時に位相比較回路29に入力されるコントロール信号
を表している。
【0048】このように構成された第2実施例の磁気再
生装置40の動作について説明する。まず標準再生にお
けるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御につ
いて簡単に説明する。標準再生の場合には、図2の速度
設定スイッチ21は標準再生の速度データを速度基準信
号発生器25と分周回路26と遅延量設定回路41とに
与える。速度基準信号発生器25は速度データが与えら
れると、標準再生のための速度基準信号を速度比較器2
4に与える。速度比較器24はFG検出器23が検出し
たFG信号も入力されるため、これら2つの入力信号の
周期を比較し、その比較結果を速度誤差として加算器3
1に出力する。
【0049】分周回路7は、速度データが与えられると
位相基準信号発生器28の出力信号をそのまま遅延回路
42に与える。さらに遅延量設定回路41は標準再生を
行うための所定の遅延量データを遅延回路42に与え
る。遅延回路42は、遅延量データに従って入力信号を
遅延させ、これを目標位相誤差として位相比較回路29
に供給する。位相比較回路9は入力された目標位相誤差
とコントロール信号との位相差を検出し、この検出デー
タを位相誤差として加算器31に出力する。
【0050】前述した目標位相誤差は速度データに関係
なく固定値であり、本実施例においては簡単のため最適
値が0であるとしている。また、遅延量設定回路41の
出力する遅延量データは、磁気テープ1の記録トラック
上を走査する再生ヘッドの再生出力が最大となる値を選
べばよいが、本実施例の標準再生においては、簡単のた
めに最適値が0であるとする。
【0051】加算器31は入力された速度誤差と位相誤
差とを加算した合成誤差をドライバ32に出力する。ド
ライバ32は入力された合成誤差をモータ制御のための
駆動信号に変換してキャプスタンモータ2に供給する。
これにより磁気再生装置40は標準再生を行う。前述し
た図5は上記ような位相制御が行われている際の位相
基準信号とコントロール信号との関係を示している。位
相基準信号Bにおける位相誤差検出区間は斜線の波形で
示される。この位相検出区間内で検出されたコントロー
ル信号に対して、位相誤差の演算が行われる。
【0052】次に、磁気再生装置40における4/3倍
速再生におけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位
相制御について説明する。4/3倍速再生の場合には、
図2の速度設定スイッチ21は4/3倍速再生の速度デ
ータを速度基準信号発生器25と分周回路26と遅延量
設定回路41とに出力する。速度基準信号発生器25は
速度データが与えられると、標準再生時の速度基準信号
の4/3倍の周波数を持つ信号を速度基準信号として速
度比較器24に与える。速度比較器24には、FG検出
器23が検出したFG信号も入力されるため、速度比較
器24はこれら2つの入力信号の周期を比較し、その比
較結果を速度誤差として加算器24に出力する。
【0053】分周回路26は速度データが与えられる
と、位相基準信号発生器28の出力信号を4/3倍に分
周して遅延回路42に出力する。すなわち図6の信号B
1で示す位相基準信号は、分周回路26を通過すること
により信号B2のようになる。信号B2は標準再生時の
3/4倍の周期を持つ信号となり、信号B2は遅延回路
42に与えられる。なお、本実施例においても分周回路
26はソフトウェアによって信号処理を行なっている。
【0054】遅延量設定回路41の出力する遅延量デー
タは、図6の遅延信号Cで表される。この信号CがHレ
ベルの時間だけ、遅延回路42は入力信号を遅延させ
る。従って分周された位相基準信号B2は、遅延回路4
2を通過することによって信号B3で示すような信号と
なり、位相比較回路29に入力される。位相比較回路2
9は、遅延回路42の出力する位相基準信号とコントロ
ール信号との位相差を検出し、その位相差を目標位相誤
差と比較することによって位相誤差を演算する。なお、
目標位相誤差は速度データに関係なく固定値であり、本
実施例においては簡単のため0として考える。
【0055】位相比較回路29における位相誤差は、遅
延処理を施した図6の位相基準信号B3とコントロール
信号Zとの位相誤差で表される。この位相誤差は加算器
31に与えられる。加算器31は入力された速度誤差と
位相誤差とを加算して、これを合成誤差としてドライバ
32に出力する。ドライバ32はこの合成誤差をモータ
制御のための駆動信号に変換してキャプスタンモータ2
に供給する。これにより、キャプスタンモータ2は標準
再生の4/3倍速で速度制御され、さらにコントロール
ヘッド6の検出するコントロール信号の発生の度に位相
制御される。こうして磁気テープ1上の記録トラックパ
ターンと再生ヘッドの軌跡パターンとの位相関係が保た
れて、4/3倍速の再生が可能になる。
【0056】ところで前述した非整数倍速再生では、そ
の性格上、磁気テープ上に形成されたトラックの方向と
再生ヘッドのトレース方向とが異なるため、再生される
映像信号はある一定の周期で変動する。例えば本実施例
のような4/3倍速再生の場合、4トラック分の情報を
3回のトレースで読み取るため、再生される映像信号は
3フィールド周期で変動する。このため、実際の再生状
態において映像信号中の映像情報が欠落したり、再生ヘ
ッドの再生出力レベルが十分に確保できなくなったり、
さらには再生映像信号に時間軸上の歪みが生じる可能性
がある。
【0057】このような場合は、第1実施例と同様に次
のような方法を採ることにより、再生映像を改善するこ
とができる。まず再生出力レベルの低下に対しては、十
分な再生出力レベルの得られるヘッドを選択する。VT
Rにおいては録画時間モードの切換えや、特殊再生用に
独立した専用ヘッドを有するものが多いため、これらの
ヘッドの中で最も条件の良いヘッドを選択することによ
り、再生出力レベルを改善することができる。
【0058】また再生映像信号の時間軸歪みに対して
は、時間軸補正等の処理を再生映像信号に施すことによ
り、その歪みを解消することができる。さらに遅延量設
定回路41の出力する遅延量データは、前述した再生ヘ
ッドの最適選択と共に、磁気テープ1の記録トラック上
を走査する再生ヘッドの再生出力が最大となる値を選ぶ
ことにより、4/3倍速のノイズレス再生が可能にな
る。
【0059】なお、本実施例においては非整数倍の再生
速度を4/3倍速のみに限定したが、例えば2/3倍、
4/3倍、5/3倍等のように、複数の非整数倍速再生
速度m/n(m、nは0でない整数)を設定し、速度設
定スイッチ21によって再生速度を任意に選択できるよ
うにしてもよい。さらに設定する再生速度は逆再生方
向、すなわちマイナスの速度でもよい。また本実施例に
おけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御は
ソフトウェアによって実現してもよい。
【0060】このように第2実施例によれば、磁気テー
プを駆動させる駆動手段(キャプスタンモータ2)と、
0を除く整数m、nを任意に選択し、速度データm/n
を出力する速度設定手段(速度設定スイッチ21)と、
駆動手段による磁気テープの駆動速度を、m/n倍速に
制御するための速度誤差を演算する速度誤差演算手段
(速度誤差出力回路22)と、磁気テープに記録された
コントロール信号を検出するコントロール信号出力手段
(コントロールヘッド6)と、駆動手段の1倍速駆動時
の位相制御を行うための第1の位相基準信号を出力する
基準信号出力手段(位相基準信号発生器28)と、第1
の位相基準信号を|m/n|倍に分周し、第2の位相基
準信号として出力する分周手段(分周回路26)と、速
度データに応じて、所定の遅延データを出力する遅延デ
ータ出力手段(遅延量設定回路41)と、遅延データに
応じて、第2の位相基準信号を遅延させて第3の位相基
準信号として出力する信号遅延手段(遅延回路42)
と、第3の位相基準信号に対するコントロール信号の位
相差を演算し、位相誤差として出力する位相誤差演算手
段(位相比較回路29)と、速度誤差と位相誤差とに基
づいて駆動手段による磁気テープの駆動を制御する駆動
制御手段(キャプスタンモータ制御回路30)とを設け
ることにより、簡単な構成で非整数倍速再生時の位相制
御の応答性及び安定性を向上させ、さらに所望の再生速
度をきめ細かく設定することができる。
【0061】また、目標位相誤差データを複数設定する
必要がないため、位相比較回路9の回路構成が簡単にな
り、より安定性の高い位相制御を行うことができる。
【0062】次に本発明の第3実施例における磁気再生
装置50について、図面を参照しながら説明する。本実
施例では、再生状態を標準再生か4/3倍速再生かのど
ちらかに切り換えることができるVTRについて説明す
る。
【0063】図3は第3実施例における磁気再生装置5
0の構成を示すブロック図であり、第1及び第2実施例
と同一部分は同一の符号を付けて説明する。本図におい
て磁気再生装置50には、磁気テープ1を駆動させるキ
ャプスタンモータ2と、磁気テープ1上に記録されたコ
ントロール信号を検出するコントロールヘッド6とが設
けられている。速度設定スイッチ21は磁気テープ1の
再生速度を設定し、速度データを出力するスイッチ回路
であり、その速度データは速度誤差出力回路22と基準
信号出力回路51と目標誤差設定回路54とに与えられ
る。
【0064】速度誤差出力回路22は、速度データに応
じてキャプスタンモータ2の回転速度を制御するための
速度誤差を出力する回路であり、キャプスタンモータ2
の回転数に比例したFG信号を検出するFG検出器23
と、速度データに応じて所定の速度基準信号を発生する
速度基準信号発生器25と、速度基準信号に対するFG
信号の速度誤差を検出する速度比較器24とにより構成
される。速度基準信号発生器25の出力する速度基準信
号とFG検出器23の出力するFG信号は、共に速度比
較器24に与えられる。速度比較器24は速度基準信号
に対するFG信号の速度誤差を演算して、その速度誤差
をキャプスタンモータ制御回路30に出力する回路であ
る。
【0065】基準信号出力回路51は、位相制御を行う
ための位相基準信号を出力する回路であり、1倍速再生
時の位相制御を行うための位相基準信号を発生する位相
基準信号発生器52と、速度データに応じて位相基準信
号を4/3倍に分周する分周回路53とで構成される。
位相基準信号発生器52の出力する位相基準信号は分周
回路53に与えられ、分周回路53で分周された位相基
準信号は位相比較回路29に入力される。
【0066】トラッキングシフト量検出回路58は、V
TRを1倍速で再生した場合の位相基準信号に対するト
ラッキングシフト量を検出する回路であり、その検出デ
ータは目標値設定回路54に与えられる。目標値設定回
路54は、最適な目標位相誤差を設定する回路であり、
速度データに応じて目標位相誤差を選択する目標誤差選
択回路55(目標位相選択手段)と、トラッキングシフ
ト量に速度データの逆数を乗じ、目標位相補正データと
して出力する乗算器56(乗算手段)と、目標位相補正
データと選択された目標位相誤差とを加算する加算器5
7(目標位相補正手段)とで構成される。速度設定スイ
ッチ21の速度データは、目標誤差選択回路55と乗算
器56とに与えられる。また加算器57の出力データは
目標位相誤差として位相比較回路29に与えられる。
【0067】位相比較回路29は、入力された目標位相
誤差に基づいてキャプスタンモータ2の回転位相を制御
するための位相誤差を出力する回路である。コントロー
ルヘッド6が検出したコントロール信号は増幅器を介し
て位相比較回路29に出力され、位相比較回路29は生
成した位相誤差をキャプスタンモータ制御回路30に出
力する。キャプスタンモータ制御回路30は、速度誤差
と位相誤差とに基づいてキャプスタンモータ2の回転速
度と回転位相とを制御する回路であり、加算器31とド
ライバ32とで構成されている。加算器31は速度比較
器24の出力する速度誤差と、位相比較回路29の出力
する位相誤差とを入力し、それらの加算結果を合成誤差
としてドライバ32に出力する回路である。ドライバ3
2は、入力された合成誤差をモータ制御のための駆動信
号に変換してキャプスタンモータ2に供給する回路であ
る。
【0068】図7は本実施例の標準再生の位相制御に用
いられる各種信号の波形図である。本図において、信号
Aは位相基準信号を作成するためのリファレンス信号で
あり、信号B1は位相基準信号発生器52の出力信号で
ある。また信号Cはトラッキングシフト量検出回路58
の出力信号であり、信号B2は信号B1に対して目標位
相誤差の補正を行った信号である。そして信号Zは位相
比較回路29に入力されるコントロール信号を表してい
る。
【0069】さらに、図8は本実施例の非整数倍速再生
の位相制御に用いられる各種信号の波形図である。本図
において、信号Aは位相基準信号を作成するためのリフ
ァレンス信号であり、信号B1は位相基準信号発生器5
2の出力信号である。信号B2は4/3倍速再生時の分
周回路53の出力信号であり、信号C1は4/3倍速再
生時の目標誤差選択回路55の出力信号である。また信
号C2は乗算器56の出力信号であり、信号C3は加算
器57の出力信号である。さらに信号B3は信号B2に
対して目標位相誤差の補正を行った信号であり、信号Z
は4/3倍速再生時に位相比較回路29に入力されるコ
ントロール信号を表している。
【0070】このように構成された第3実施例における
磁気再生装置50の動作について説明する。まず標準再
生におけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制
御について簡単に説明する。標準再生の場合には、図3
の速度設定スイッチ21は標準再生の速度データを速度
基準信号発生器25と分周回路53と目標誤差選択回路
55とに出力する。速度基準信号発生器25は速度デー
タが与えられると、標準再生のための速度基準信号を速
度比較器24に与える。速度比較器24には、FG検出
器23が検出したFG信号も入力されるため、速度比較
器24はこれら2つの入力信号の周期を比較し、その比
較結果を速度誤差として加算器31に出力する。
【0071】分周回路53は速度データが与えられる
と、位相基準信号発生器52の出力信号をそのまま位相
比較回路29に出力する。さらに目標誤差選択回路55
は標準再生を行うための所定の目標位相誤差を加算器5
7に出力する。ここで、目標誤差選択回路55の選択す
る目標位相誤差は、磁気テープ1の記録トラック上を走
査する再生ヘッドの再生出力が最大となる値を選べばよ
いが、本実施例の標準再生においては簡単のために最適
値が0であるとする。
【0072】なお目標値設定回路54の出力する目標位
相誤差は、目標誤差選択回路55の出力する目標位相誤
差に対して、トラッキングシフト量検出回路58の出力
するトラッキングシフト量に応じた補正を施している。
これはトラッキングのセンター値からのずれ量であるト
ラッキングシフト量を目標位相誤差に反映させるためで
ある。こうすると標準再生の場合に、選択された目標位
相誤差にトラッキングシフト量をそのまま加算すること
で、例えば他社のVTRで録画を行った互換テープの再
生時でも、トラッキングずれのない映像を再生できるよ
うにしている。
【0073】位相比較回路29は分周回路53から入力
された位相基準信号とコントロール信号との位相差を検
出し、この検出データを加算器57の出力する目標位相
誤差と比較することによって位相誤差を生成する。ここ
で生成された位相誤差は加算器31に与えられる。加算
器31は入力された速度誤差と位相誤差とを加算し、こ
れを合成誤差としてドライバ32に出力する。ドライバ
32はこの合成誤差をモータ制御のための駆動信号に変
換してキャプスタンモータ2に供給する。これにより磁
気再生装置50は標準再生を行う。
【0074】図7は上記のような位相制御が行われてい
るときの位相基準信号とコントロール信号との関係を示
している。トラッキングシフト処理が施された位相基準
信号B2における位相誤差検出区間は、斜線部分で表さ
れている。この位相検出区間内で検出されたコントロー
ル信号に対して、その位相誤差の演算が行われる。
【0075】次に磁気再生装置50の4/3倍速再生に
おけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御に
ついて説明する。4/3倍速再生の場合には、図3の速
度設定スイッチ21は4/3倍速再生の速度データを出
力し、速度基準信号発生器25と分周回路53と目標誤
差選択回路55とに与える。速度基準信号発生器25は
速度データが与えられると、標準再生時の速度基準信号
の4/3倍の周波数を持つ信号を速度基準信号として速
度比較器24に与える。速度比較器24には、FG検出
器23が検出するFG信号が入力されるため、速度比較
器24はこれら2つの入力信号の周期を比較し、その比
較結果を速度誤差として加算器31に出力する。
【0076】また分周回路53は速度データが入力され
ると、位相基準信号発生器52の出力信号を4/3倍に
分周して位相比較回路29に与える。すなわち図8の信
号B1で表される位相基準信号は、分周回路53を通過
することにより信号B2のように変換され、標準再生時
の3/4倍の周期を持つ信号となる。この出力信号は位
相比較回路29に与えられる。なお、本実施例において
も分周回路53はソフトウェアによって信号処理を行っ
ている。
【0077】目標値設定回路54は速度データが入力さ
れると、4/3倍速再生を行うための所定の目標位相誤
差を位相比較回路29に出力する。ここで目標値設定回
路54の出力する目標位相誤差は、目標誤差選択回路5
5の出力する目標位相誤差に対して、トラッキングシフ
ト量検出回路58の出力するトラッキングシフト量に応
じた補正を施している。これは、トラッキングのセンタ
ー値からのずれ量であるトラッキングシフト量を目標位
相誤差に反映させるためで、トラッキングシフト量に再
生速度の逆数を乗算する。そしてこの乗算結果を加算器
57に与え、選択された目標位相誤差に加算する。こう
すると例えば他社のVTRで録画を行った互換テープの
再生時でも、再生速度切換時にトラッキングずれのない
映像を再生することができる。
【0078】位相比較回路29は、分周回路53から入
力された位相基準信号とコントロール信号との位相差を
検出し、その位相差を加算器57から出力される目標位
相誤差と比較することにより位相誤差を演算する。この
位相誤差は、設定された目標位相誤差分だけ位相基準信
号を時間軸上でシフトさせた信号とコントロール信号と
の位相誤差を演算した結果と同値になる。図8に示すよ
うに、目標位相誤差を位相シフト信号C3として表した
場合、演算すべき位相誤差は位相シフトを施した仮想位
相基準信号B3とコントロール信号Zとの位相誤差に一
致する。
【0079】ここで演算された位相誤差は加算器31に
与えられる。加算器31は入力された速度誤差と位相誤
差とを加算し、これを合成誤差としてドライバ32に出
力する。ドライバ32はこの合成誤差をモータ制御のた
めの駆動信号に変換してキャプスタンモータ2に供給す
る。これにより、キャプスタンモータ2は標準再生の4
/3倍速で速度制御される。さらにコントロールヘッド
6の検出するコントロール信号の発生の度に位相制御さ
れるために、磁気テープ1上の記録トラックパターンと
再生ヘッドの軌跡パターンとの位相関係が保たれ、4/
3倍速の再生が可能になる。
【0080】ところで非整数倍速再生では、その性格
上、磁気テープ上に形成されたトラックの方向と再生ヘ
ッドのトレース方向とが異なるため、再生される映像信
号はある一定の周期で変動する。例えば本実施例のよう
な4/3倍速再生の場合、4トラック分の情報を3回の
トレースで読み取るため、再生される映像信号は3フィ
ールド周期で変動することになる。このため、実際の再
生状態において映像信号中の映像情報が欠落したり、再
生ヘッドの再生出力レベルが十分に確保できなくなる。
さらには再生映像信号に時間軸上の歪みが生じる可能性
がある。
【0081】このような場合は、次のような方法を採る
ことにより再生映像を改善することができる。まず再生
出力レベルの低下に対しては、十分な再生出力レベルの
得られるヘッドを選択する。VTRにおいては録画時間
モードの切換えや特殊再生用に独立した専用ヘッドを有
するものが多いため、これらのヘッドの中で最も条件の
良いヘッドを選択することにより、再生出力レベルを改
善することができる。
【0082】また再生映像信号の時間軸歪みに対して
は、時間軸補正等の処理を再生映像信号に施すことによ
り、その歪みを解消することができる。さらに、目標誤
差選択回路55の出力する目標位相誤差は、前述した再
生ヘッドの最適選択と共に、磁気テープ1の記録トラッ
ク上を走査する再生ヘッドの再生出力が最大となる値を
選ぶことにより、4/3倍速のノイズレス再生が可能に
なる。
【0083】なお、本実施例においては非整数倍の再生
速度を4/3倍速のみに限定したが、例えば2/3倍、
4/3倍、5/3倍等のように、複数の非整数倍速再生
速度m/n(m、nは0でない整数)を設定し、速度設
定スイッチ21によって再生速度を任意に選択できるよ
うにしてもよい。さらに設定する再生速度は逆再生方
向、すなわちマイナスの速度でもよい。また、本実施例
におけるキャプスタンモータの速度制御及び位相制御は
ソフトウェアによって実現してもよい。
【0084】このように第3実施例によれば、磁気テー
プ1を駆動させる駆動手段(キャプスタンモータ2)
と、0を除く整数m、nを任意に選択し、速度データm
/nを出力する速度設定手段(速度設定スイッチ21)
と、駆動手段による磁気テープの駆動速度を、m/n倍
速に制御するための速度誤差を演算する速度誤差演算手
段(速度誤差出力回路22)と、磁気テープ1に記録さ
れたコントロール信号を検出するコントロール信号出力
手段(コントロールヘッド6)と、駆動手段のm/n倍
速駆動時の位相制御を行うための第2の位相基準信号を
出力する基準信号出力手段(基準信号出力回路51)
と、駆動手段の1倍速駆動時の第1の位相基準信号に対
するトラッキングシフト量を出力するシフト量出力手段
(トラッキングシフト量検出回路58)と、速度データ
とトラッキングシフト量とに応じて、所定の目標位相を
出力する目標位相出力手段(目標値設定回路54)と、
目標位相と、第2の位相基準信号に対するコントロール
信号の位相差とを比較し、位相誤差として出力する位相
誤差演算手段(位相比較回路29)と、速度誤差と位相
誤差とに基づいて駆動手段による磁気テープの駆動を制
御する駆動制御手段(キャプスタンモータ制御回路3
0)とを設けることにより、簡単な構成で非整数倍速再
生時の位相制御の応答性及び安定性を向上させ、さらに
所望の再生速度をきめ細かく設定することができる。ま
た、最適なトラッキングシフト量の異なるテープの再生
時でも、再生速度変更時に正しいトラッキング制御を行
うことができる。
【0085】次に本発明の第4実施例の磁気再生装置6
0について、図面を参照しながら説明する。なお本実施
例では、再生状態を標準再生か4/3倍速再生かのどち
らかに切り換えることができるVTRについて説明す
る。
【0086】図4は第4実施例における磁気再生装置6
0の構成を示すブロック図であり、第1〜第3実施例と
同一部分は同一の符号を付けて説明する。本図において
磁気再生装置60には、磁気テープ1を駆動させるキャ
プスタンモータ2と、磁気テープ1上に記録されたコン
トロール信号を検出するコントロールヘッド6とが設け
られている。速度設定スイッチ21は磁気テープ1の再
生速度を設定し、速度データを出力するスイッチ回路で
あり、その速度データは速度誤差出力回路22と基準信
号出力回路51と遅延制御回路61とに与えられる。
【0087】速度誤差出力回路22は、速度データに応
じてキャプスタンモータ2の回転速度を制御するための
速度誤差を出力する回路であり、キャプスタンモータ2
の回転数に比例したFG信号を検出するFG検出器23
と、速度データに応じて所定の速度基準信号を発生する
速度基準信号発生器25と、速度基準信号に対するFG
信号の速度誤差を検出する速度比較器24とで構成され
る。速度基準信号発生器25の出力する速度基準信号
と、FG検出器23の出力するFG信号は、共に速度比
較器24に与えられる。速度比較器24は、速度基準信
号に対するFG信号の速度誤差を演算して、速度誤差を
キャプスタンモータ制御回路30に出力する。
【0088】基準信号出力回路51は、位相制御を行う
ための位相基準信号を出力する回路であり、1倍速再生
時の位相制御を行うための位相基準信号を発生する位相
基準信号発生器52と、速度データに応じて位相基準信
号を4/3倍に分周する分周回路53とで構成される。
位相基準信号発生器52の発生する位相基準信号は分周
回路53に入力されると、分周回路53は分周された位
相基準信号を生成し、位相比較回路29に出力する。
【0089】トラッキングシフト量検出回路58は、V
TRを1倍速で再生した場合の位相基準信号に対するト
ラッキングシフト量を検出する回路であり、その検出デ
ータは遅延制御回路61に与えられる。遅延制御回路6
1は遅延回路42の最適な遅延量データを設定する回路
であり、速度データに応じて遅延量データを選択する遅
延量選択回路62(遅延時間選択手段)と、トラッキン
グシフト量に速度データの逆数を乗じ、遅延量補正デー
タとして出力する乗算器63(乗算手段)と、遅延量補
正データと選択された遅延量データとを加算する加算器
64(遅延時間補正手段)とで構成される。
【0090】速度設定スイッチ21の速度データは遅延
量選択回路62と乗算器63とに与えられる。加算器6
4の出力データは遅延量データとして遅延回路42に与
えられる。遅延回路42は入力された遅延量データに従
って分周回路53からの入力信号を遅延させる回路であ
り、その出力信号は位相比較回路29に与えられる。位
相比較回路29は、目標位相誤差に基づいてキャプスタ
ンモータ2の回転位相を制御するための位相誤差を出力
する回路である。コントロールヘッド6が検出するコン
トロール信号は、増幅器を介して位相比較回路29に与
えられ、位相比較回路29は位相誤差をキャプスタンモ
ータ制御回路30に出力する。
【0091】キャプスタンモータ制御回路30は、速度
誤差と位相誤差とに基づいてキャプスタンモータ2の回
転速度と回転位相とを制御する回路であり、加算器31
とドライバ32とで構成されている。加算器31には、
速度比較器24の出力する速度誤差と位相比較回路29
の出力する位相誤差とが夫々入力され、加算器31はこ
れらの信号を加算した合成誤差をドライバ32に出力す
る。ドライバ32は入力された合成誤差をモータ制御の
ための駆動信号に変換してキャプスタンモータ2に供給
する。
【0092】本実施例の標準再生の位相制御に係わる信
号波形は図7に示すものと同様である。本図において、
信号Aは位相基準信号を作成するためのリファレンス信
号であり、信号B1は位相基準信号発生器52の出力信
号である。また信号Cはトラッキングシフト量検出回路
58の出力信号であり、信号B2は遅延回路42の出力
信号である。さらに信号Zは位相比較回路29に供給さ
れるコントロール信号を表している。
【0093】さらに非整数倍速再生の位相制御に係わる
信号波形も図8に示すものと同様である。本図におい
て、信号Aは位相基準信号を作成するためのリファレン
ス信号であり、信号B1は位相基準信号発生器52の出
力信号である。信号B2は4/3倍速再生時の分周回路
53の出力信号であり、信号C1は4/3倍速再生時の
遅延量選択回路62の出力信号である。また信号C2は
乗算器63の出力信号であり、信号C3は加算器64の
出力信号である。さらに信号B3は信号B2に対して遅
延補正を行なった信号であり、信号Zは4/3倍速再生
時に位相比較回路29に入力されるコントロール信号を
表している。
【0094】このように構成された第4実施例の磁気再
生装置60の動作について説明する。まず、標準再生に
おけるキャプスタンモータ2の速度制御及び位相制御に
ついて簡単に説明する。標準再生の場合には、図4の速
度設定スイッチ21は、標準再生の速度データを速度基
準信号発生器25と分周回路53と遅延量選択回路62
とに出力する。速度基準信号発生器25は速度データが
与えられると、標準再生のための速度基準信号を速度比
較器24に出力する。速度比較器24には、FG検出器
23が検出したFG信号が入力されており、速度比較器
24はこれら2つの入力信号の周期を比較し、その比較
結果を速度誤差として加算器31に供給する。
【0095】また分周回路53は速度データが与えられ
ると、位相基準信号発生器52の出力信号をそのまま遅
延回路42に供給する。そして遅延量選択回路62は標
準再生を行うための所定の遅延量データを加算器64に
与える。ここで、遅延量選択回路62の選択する遅延量
データは、磁気テープ1の記録トラック上を走査する再
生ヘッドの再生出力が最大となる値を選べばよいが、本
実施例の標準再生においては、簡単のために最適値が0
であるとしている。なお、遅延制御回路61の出力する
遅延量データは、遅延量選択回路62の出力する遅延量
データに対して、トラッキングシフト量検出回路58の
出力するトラッキングシフト量に応じた補正を施してい
る。これは、トラッキングのセンター値からのずれ量で
あるトラッキングシフト量を遅延量データに反映させる
ためで、標準再生の場合、選択された遅延量データにト
ラッキングシフト量をそのまま加算する。こうすると例
えば他社のVTRで録画を行った互換テープの再生時で
も、トラッキングずれのない映像を再生することができ
る。
【0096】さて、遅延回路42は遅延量データに従っ
て分周回路53の出力信号を遅延させ、この信号を位相
基準信号として位相比較回路29に出力する。位相比較
回路29は、遅延回路42から入力された位相基準信号
とコントロール信号との位相差を検出し、検出データを
目標位相誤差と比較することによって位相誤差を演算す
る。そして位相比較回路29は、この位相誤差を加算器
31に出力する。加算器31は、入力された速度誤差と
位相誤差とを加算した信号を合成誤差としてドライバ3
0に与える。ドライバ30は入力された合成誤差をモー
タ制御のための駆動信号に変換してキャプスタンモータ
2に供給する。このようにして、磁気再生装置60は標
準再生を行う。
【0097】図7は上記のような位相制御が行われてい
るときの位相基準信号とコントロール信号との関係を示
している。トラッキングシフト処理を施された位相基準
信号B2における位相誤差検出区間は斜線部分で表して
おり、この位相検出区間内で検出されたコントロール信
号に対して、その位相誤差の演算が行われる。
【0098】次に4/3倍速再生におけるキャプスタン
モータ2の速度制御及び位相制御について説明する。4
/3倍速再生の場合には、図4の速度設定スイッチ21
は4/3倍速再生の速度データを速度基準信号発生器2
5と分周回路53と遅延制御回路61とに出力する。速
度基準信号発生器25は速度データが与えられると、標
準再生時の速度基準信号の4/3倍の周波数を持つ信号
を速度基準信号として速度比較器24に供給する。速度
比較器24には、FG検出器23が検出したFG信号が
入力されるため、速度比較器24はこれら2つの入力信
号の周期を比較し、その比較結果を速度誤差として加算
器31に出力する。
【0099】また分周回路53は速度データが与えられ
ると、位相基準信号発生器52の出力信号を4/3倍に
分周して出力する。すなわち、図8の信号B1で示す位
相基準信号は分周回路53を通過することにより、信号
B2に示すように、標準再生時の3/4倍の周期を持つ
信号となる。この信号は遅延回路42に与えられる。な
お本実施例においても分周回路53はソフトウェアによ
って信号処理を行っている。ここで遅延制御回路61の
出力する遅延量データは、遅延量選択回路62の出力す
る遅延量データに対して、トラッキングシフト量検出回
路58の出力するトラッキングシフト量に応じた補正を
施している。これは、トラッキングのセンター値からの
ずれ量であるトラッキングシフト量を遅延量データに反
映させるためで、トラッキングシフト量に再生速度の逆
数を乗算し、選択された遅延量データに加算する。こう
すると例えば他社のVTRで録画を行った互換テープの
再生時でも、再生速度切換時にトラッキングずれのない
映像を再生することができる。
【0100】遅延制御回路61の出力する遅延量データ
は、図8の遅延信号C3で表されるように、この信号が
Hレベルの時間だけ遅延回路42は入力信号を遅延させ
る。従って分周された位相基準信号B2は、遅延回路4
2を通過することによって信号B3に示すような信号と
なって位相比較回路29に入力される。位相比較回路2
9は、入力された位相基準信号とコントロール信号との
位相差を検出し、その位相差を目標位相誤差と比較する
ことによって位相誤差を演算する。なお、目標位相誤差
は速度データに関係なく固定値であり、本実施例におい
ては簡単のため最適値が0であるとして考える。
【0101】位相誤差の演算結果は、図8に示すように
遅延処理を施した位相基準信号B3と、コントロール信
号Zとの位相差で表され、この位相誤差が加算器31に
与えられる。加算器31は入力された速度誤差と位相誤
差とを加算した合成誤差をドライバ30に与える。ドラ
イバ30は合成誤差をモータ制御のための駆動信号に変
換してキャプスタンモータ2に供給する。これによりキ
ャプスタンモータ2は標準再生の4/3倍速で速度制御
され、さらにコントロールヘッド4の検出するコントロ
ール信号の発生の度に位相制御される。こうして磁気テ
ープ1上の記録トラックパターンと再生ヘッドの軌跡パ
ターンとの位相関係が保たれ、4/3倍速の再生が可能
になる。
【0102】ところで非整数倍速再生では、その性格
上、磁気テープ上に形成されたトラックの方向と再生ヘ
ッドのトレース方向とが異なるため、再生される映像信
号はある一定の周期で変動する。例えば本実施例のよう
な4/3倍速再生の場合、4トラック分の情報を3回の
トレースで読み取るため、再生される映像信号は3フィ
ールド周期で変動する。このため、実際の再生状態にお
いて映像信号中の映像情報が欠落したり、再生ヘッドの
再生出力レベルが十分に確保できなくなったり、さらに
は再生映像信号に時間軸上の歪みが生じる可能性があ
る。
【0103】このような場合は、次のような方法を採る
ことにより再生映像を改善することができる。まず再生
出力レベルの低下に対しては、十分な再生出力レベルの
得られるヘッドを選択する。VTRにおいては、録画時
間モードの切換えや特殊再生用に独立した専用ヘッドを
有するものが多いため、これらのヘッドの中で最も条件
の良いヘッドを選択することにより、再生出力レベルを
改善することができる。
【0104】また再生映像信号の時間軸歪みに対して
は、時間軸補正等の処理を再生映像信号に施すことによ
り、その歪みを解消することができる。さらに、遅延制
御回路61の出力する遅延量データは、前述した再生ヘ
ッドの最適選択と共に、磁気テープ1の記録トラック上
を走査する再生ヘッドの再生出力が最大となる値を選ぶ
ことにより、4/3倍速のノイズレス再生が可能にな
る。
【0105】なお、本実施例においては非整数倍の再生
速度を4/3倍速のみに限定したが、例えば2/3倍、
4/3倍、5/3倍等のように、複数の非整数倍速再生
速度m/n(m、nは0でない整数)を設定し、速度設
定スイッチ21によって再生速度を任意に選択できるよ
うにしてもよい。さらに設定する再生速度は逆再生方
向、すなわちマイナスの速度でもよい。また、本実施例
におけるキャプスタンモータの速度制御及び位相制御は
ソフトウェアによって実現してもよい。
【0106】このように第4実施例によれば、磁気テー
プを駆動させる駆動手段(キャプスタンモータ2)と、
0を除く整数m、nを任意に選択し、速度データm/n
を出力する速度設定手段(速度設定スイッチ21)と、
駆動手段による磁気テープの駆動速度を、m/n倍速に
制御するための速度誤差を演算する速度誤差演算手段
(速度誤差出力回路22)と、磁気テープに記録された
コントロール信号を検出するコントロール信号出力手段
(コントロールヘッド6)と、駆動手段のm/n倍速駆
動時の位相制御を行うための第1の位相基準信号を出力
する基準信号出力手段(基準信号出力回路51)と、駆
動手段の1倍速駆動時の、位相基準信号に対するトラッ
キングシフト量を出力するシフト量出力手段(トラッキ
ングシフト量検出回路58)と、速度データとトラッキ
ングシフト量とに応じて、所定の遅延データを出力する
遅延データ出力手段(遅延制御回路61)と、遅延デー
タに応じて、第2の位相基準信号を遅延させて第3の位
相基準信号として出力する信号遅延手段(遅延回路4
2)と、第3の位相基準信号に対するコントロール信号
の位相差を演算し、位相誤差として出力する位相誤差演
算手段(位相比較回路29)と、速度誤差と位相誤差と
に基づいて駆動手段による磁気テープの駆動を制御する
駆動制御手段(キャプスタンモータ制御回路30)とを
設けることにより、簡単な構成で非整数倍速再生時の位
相制御の応答性及び安定性を向上させ、さらに所望の再
生速度をきめ細かく設定することができる。
【0107】また、最適なトラッキングシフト量の異な
るテープの再生時でも、再生速度変更時に正しいトラッ
キング制御を行うことができ、さらに目標位相誤差デー
タを複数設定する必要がないため、位相比較回路29の
回路構成が簡単になり、より安定性の高い位相制御を行
うことができる。
【0108】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本願の請求項
1、2記載の発明によれば、磁気テープの駆動速度を標
準再生のm/n倍に制御するための速度誤差を演算する
速度誤差演算手段と、標準再生の位相基準信号を|m/
n|倍に分周する分周手段とを設けることにより、簡単
な構成で所望の再生速度をきめ細かく設定して非整数倍
速再生を行うことができ、その実用効果はきわめて大き
い。
【0109】また、磁気テープの駆動速度を標準再生の
m/n倍に制御するための速度誤差を演算する速度誤差
演算手段と、標準再生のm/n倍の周波数を持つ位相基
準信号を出力する位相基準信号出力手段とを設けること
により、簡単な構成で所望の再生速度をきめ細かく設定
して非整数倍速再生を行うことができ、その実用効果は
きわめて大きい。特に記録と再生が異なる磁気記録再生
装置の場合でも、非整数倍の特殊再生においてトラッキ
ング制御が高精度に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における磁気再生装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例における磁気再生装置の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施例における磁気再生装置の構
成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4実施例における磁気再生装置の構
成を示すブロック図である。
【図5】第1及び第2実施例の磁気再生装置の位相制御
(その1)の説明図である。
【図6】第1及び第2実施例の磁気再生装置の位相制御
(その2)の説明図である。
【図7】第3及び第4実施例の磁気再生装置の位相制御
(その1)の説明図である。
【図8】第3及び第4実施例の磁気再生装置の位相制御
(その2)の説明図である。
【図9】従来の磁気再生装置の構成例を示すブロック図
である。
【符号の説明】 1 磁気テープ 2 キャプスタンモータ 6 コントロールヘッド 20,40,50,60 磁気再生装置 21 速度設定スイッチ 22 速度誤差出力回路 23 FG検出器 24 速度比較器 25 速度基準信号発生器 26,53 分周回路 27 目標誤差設定回路 28,52 位相基準信号発生器 29 位相比較回路 30 キャプスタンモータ制御回路 31,57,64 加算器 32 ドライバ 41 遅延量設定回路 42 遅延回路 51 基準信号出力回路 54 目標値設定回路 55 目標誤差選択回路 56,63 乗算器 58 トラッキングシフト量検出回路 61 遅延制御回路 62 遅延量選択回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/467

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気テープの走行速度制御と位相制御を
    して情報を再生する磁気再生装置であって、 磁気テープを駆動するテープ駆動手段と、 磁気テープに記録されたコントロール信号を検出するコ
    ントロール信号出力手段と、 0を除く任意の整数をm、nとし、通常再生速度に対す
    る磁気テープの移送速度をm/nとしたとき、任意の移
    送速度m/nを設定する速度設定手段と、 前記速度設定手段による磁気テープの設定移送速度と前
    記テープ駆動手段によって移送される磁気テープの移送
    速度とを比較し、速度誤差を検出する速度誤差演算手段
    と、 磁気テープの1倍速再生速度時の位相制御を行うための
    第1の位相基準信号を生成し、前記第1の位相基準信号
    を|m/n|倍に分周して第2の位相基準信号として出
    力する基準信号出力手段と、 前記テープ駆動手段の1倍速駆動時における記録トラッ
    クと再生トラックとのトラッキングシフト量を検出する
    シフト量出力手段と、前記速度設定手段による設定移送速度に応じて所定の目
    標位相を選択する目標位相選択手段と、 前記シフト量出力手段の出力するトラッキングシフト量
    をn/m倍に変換して目標位相補正データを作成する乗
    算手段と、 前記目標位相選択手段の目標位相と前記乗算手段の目標
    位相補正データとを加算して出力する目標位相補正手段
    と、 前記目標位相補正手段の出力する目標位相と前記第2の
    位相基準信号に対する前記コントロール信号の位相差と
    を比較し、比較結果を位相誤差として出力する位相誤差
    演算手段と、 前記速度誤差演算手段の出力する速度誤差と前記位相誤
    差演算手段の出力する位相誤差とに基づいて駆動信号を
    生成し、前記テープ駆動手段による駆動を制御する駆動
    制御手段と、を具備することを特徴とする磁気再生装
    置。
  2. 【請求項2】 磁気テープの走行速度制御と位相制御を
    して情報を再生する磁気再生装置であって、 磁気テープを駆動するテープ駆動手段と、 磁気テープに記録されたコントロール信号を検出するコ
    ントロール信号出力手段と、 0を除く任意の整数をm、nとし、通常再生速度に対す
    る磁気テープの移送速度をm/nとしたとき、任意の移
    送速度m/nを設定する速度設定手段と、 前記速度設定手段による磁気テープの設定移送速度と前
    記テープ駆動手段によって移送される磁気テープの移送
    速度とを比較し、速度誤差を検出する速度誤差演算手段
    と、 磁気テープの1倍速再生速度時の位相制御を行うための
    第1の位相基準信号を生成し、前記第1の位相基準信号
    を|m/n|倍に分周して第2の位相基準信号として出
    力する基準信号出力手段と、 前記テープ駆動手段の1倍速駆動時における記録トラッ
    クと再生トラックとのトラッキングシフト量を検出する
    シフト量出力手段と、前記速度設定手段の設定移送速度に応じて所定の遅延時
    間を選択する遅延時間選択手段と、 前記シフト量出力手段の出力するトラッキングシフト量
    をn/m倍に変換して遅延時間補正データを作成する乗
    算手段と、 前記遅延時間選択手段の遅延時間と前記乗算手段の遅延
    時間補正データとを加算し、加算結果を出力する遅延時
    間補正手段と、 前記遅延時間補正手段の出力する遅延量データに基づい
    て、前記基準信号出力手段の第2の位相基準信号を遅延
    させ、この信号を第3の位相基準信号として出力する信
    号遅延手段と、 前記信号遅延手段の第3の位相基準信号と前記コントロ
    ール信号の位相差とを比較し、比較結果を位相誤差とし
    て出力する位相誤差演算手段と、 前記速度誤差演算手段の出力する速度誤差と前記位相誤
    差演算手段の出力する位相誤差とに基づいて駆動信号を
    生成し、前記テープ駆動手段による駆動を制御する駆動
    制御手段と、を具備することを特徴とする磁気再生装
    置。
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