JP3609744B2 - 屋根葺き構造及び太陽電池付き屋根材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は屋根葺き構造及び太陽電池付き屋根材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋根葺き構造として、特開2000−170325号公報に記載の如く、屋根瓦と太陽電池付き屋根材を並置して葺き設けたものがある。太陽電池付き屋根材の小間を、屋根瓦の複数枚分の小間になるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、太陽電池付き屋根材が、フラットな屋根材本体の上面のほぼ全域に太陽電池を敷き設けたものであり、相隣る一般の屋根瓦と異なる外観を呈するものになっている。このため、屋根の全体に渡って連続した瓦葺き屋根のような美しいラインを構成できない。
【0004】
本発明の課題は、屋根の一部に太陽電池付き屋根材を設けたから、屋根の全体に渡って一様に連続する瓦葺き屋根のような美しいラインを構成し、意匠的に優れた屋根の外観を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、屋根瓦と太陽電池付き屋根材を並置して葺き設けた屋根葺き構造において、太陽電池付き屋根材の小間を屋根瓦の小間の2倍以上の整数倍とし、該太陽電池付き屋根材の表面で、該屋根材の小間を該屋根瓦の小間と同等の間隔で割付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝を設けたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記凹溝が、桁方向に隣り合う該屋根瓦同士の間に生じる溝、又は桁方向に隣り合う該太陽電池付き屋根材同士の間に生じる溝、又は桁方向に隣り合う該太陽電池付き屋根材と該屋根瓦との間に生じる溝と、同じ幅であるようにしたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記凹溝が、深さ4mm以上であるようにしたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記太陽電池付き屋根材が屋根材本体に設けた電池収容凹部に太陽電池を収容し、該屋根材本体の水下側の縁部に該電池収容凹部に連なる排水溝を設けてなり、太陽電池付き屋根材の下段に葺かれた、桁方向に隣り合う屋根瓦同士の間に生じる溝、太陽電池付き屋根材同士の間に生じる溝もしくは太陽電池付き屋根材と屋根瓦との間に生じる溝、又は太陽電池付き屋根材の前記凹溝の直上に、上段の太陽電池付き屋根材の上記排水溝を配置したものである。
【0009】
請求項5の発明は、屋根瓦に隣接して配置される太陽電池付き屋根材において、太陽電池付き屋根材の小間を前記屋根瓦の小間と同様の間隔で割り付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝を設けたものである。
【0010】
ここで小間とは、屋根瓦や太陽電池付き屋根材を葺いた屋根において、流れと直角な方向(横幅方向)に現れている瓦や屋根材の幅である。
【0011】
【作用】
請求項1、5の発明によれば下記▲1▼の作用がある。
▲1▼太陽電池付き屋根材1の小間を屋根瓦の小間のn倍(nは2以上の整数)とする長尺屋根材を採用し、太陽電池付き屋根材の生産性、施工性、メンテナンス性を向上しながら、該太陽電池付き屋根材の表面に屋根瓦の小間と同等の間隔で割付けた凹溝の存在によって、該屋根材の表面を屋根瓦と同一幅に小割り化した。従って、太陽電池付き屋根材を屋根瓦に並置したとき、屋根の全体を屋根瓦で葺いた場合と同等の意匠感を得ることができる。
【0012】
尚、「屋根瓦の小間と同等の間隔」とは、小間と真に一致する寸法でなくても、視覚的に違和感がない程度に近い寸法であれば良い。
【0013】
請求項2の発明によれば下記▲2▼の作用がある。
▲2▼太陽電池付き屋根材に設ける凹溝の幅を、隣り合う屋根瓦同士、太陽電池付き屋根材同士、又は太陽電池付き屋根材と屋根瓦の間に生じる溝の幅と同じにすることにより、瓦葺き屋根のような美しいラインをより確実に得ることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば下記▲3▼の作用がある。
▲3▼太陽電池付き屋根材に設ける凹溝の深さを4mm以上にすることにより、日光が凹溝の部分に落とす影等により、凹溝をくっきりと鮮明にみせることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば下記▲4▼、▲5▼の作用がある。
▲4▼太陽電池付き屋根材において、太陽電池が収容される電池収容凹部に連なる排水溝を設けたから、太陽電池の外周から電池収容凹部に雨水が浸入することがあっても、この浸入雨水を排水溝からスムースに排水し、太陽電池の下面が常時濡れた状態になることを防ぎ、長期使用による太陽電池や屋根材本体の劣化を防止できる。
【0016】
▲5▼上段に葺かれた太陽電池付き屋根材に設けた排水溝を、下段に葺かれた隣り合う屋根瓦同士、太陽電池付き屋根材同士、もしくは太陽電池付き屋根材と屋根瓦との間に生じる溝、又は太陽電池付き屋根材の凹溝の直上に配置した。従って、排水溝とそれらの溝又は凹溝とを流れ方向に沿う同一ライン上に設けるものとなり、排水溝からの排水性を向上できるし、意匠感を向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は第1実施形態の屋根葺き構造を示す斜視図、図2は第1実施形態の屋根瓦と太陽電池付き屋根材を並べて示す斜視図、図3は太陽電池付き屋根材を示し、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は凹溝を示す断面図、図4(A)〜(D)は凹溝の各種断面形状を示す斜視図、図5は第2実施形態の太陽電池付き屋根材を示す斜視図、図6は凹溝を示す断面図である。
【0018】
(第1実施形態)(図1〜図4)
図1の屋根10の葺き構造は、一般の屋根瓦1と太陽電池付き屋根材11を上下左右に並置して葺き設けたものである。また下から2段目の太陽電池付き屋根材11の下段には屋根瓦1が隣接して葺き設けられ、上から2段目の太陽電池付き屋根材11の上段には屋根瓦1が隣接して葺き設けられている。
【0019】
太陽電池付き屋根材11は、図2、図3に示す如く、屋根瓦1の小間をWとするとき、小間LをnW(nは2以上の整数)としたものである。そして、太陽電池付き屋根材11の表面には、小間Lを屋根瓦1の小間Wと同等の間隔で割付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝12を設けた。
【0020】
このとき、凹溝12の幅aは、桁方向に隣り合う屋根瓦1同士の間に生じる溝2の幅a、桁方向に隣り合う太陽電池付き屋根材11同士の間に生じる溝3の幅a、及び桁方向に隣り合う屋根瓦1と太陽電池付き屋根材11の間に生じる溝4の幅aと同じにしてある。尚、凹溝12は、太陽電池付き屋根材11の表面の流れ方向で、該太陽電池付き屋根材11の上段に葺き重ねられる上段側の屋根瓦1、太陽電池付き屋根材11との葺き重ね部の長さを除く、水下側の全域に渡って設けることができる。
【0021】
また、凹溝12の深さは、4mm以上であることが好ましい。本実施形態では、5mmとしている。
【0022】
また、凹溝12の断面形状は、台形(図4(A)又は長方形図4(B))の如くの略矩形であることが好ましい。但し、凹溝12の断面形状は、円形(図4(C)又は角をとった台形図4(D))であっても良い。
【0023】
太陽電池付き屋根材11は、金属製鋼板をプレス成形して得られる屋根材本体21に2つ並べて設けた電池収容凹部22にそれぞれ太陽電池23を収容し、屋根材本体21の水下側の縁部に該電池収容凹部22に連なる排水溝24を設けてある。排水溝24は、屋根瓦1の小間Wで割り付けたそれぞれの幅中央すなわち電池収容凹部の左右幅方向略中央に設けられている。尚、図3において、25は屋根下地材への釘等による取付部、23Aは太陽電池23の出力端子である。
【0024】
そして、太陽電池付き屋根材11の下段に葺かれた、桁方向に隣り合う屋根瓦1、1同士の間に生じる溝2、桁方向に隣り合う太陽電池付き屋根材11、11同士の間に生じる溝3もしくは桁方向に隣り合う太陽電池付き屋根材11と屋根瓦1との間に生じる溝4、又は太陽電池付き屋根材11の前記凹溝12の直上に、上段の太陽電池付き屋根材11の上記排水溝24を配置してある。
【0025】
尚、屋根瓦1、太陽電池付き屋根材11は金属製、無機材料製のいずれでも良い。
【0026】
また、太陽電池23は導電性金属基板上にシリコンを堆積しその上に透明導電層を形成、表面樹脂フィルム、繊維状無機化合物、裏面絶縁フィルムをEVA樹脂や裏面充填材(ホットメルト接着剤)などで一体化させたものでも良く、又は結晶系太陽電池セルやガラス基板に太陽電池膜を製膜した薄膜系太陽電池を用いてモジュール化したものでも良い。
【0027】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼太陽電池付き屋根材11の小間Lを屋根瓦1の小間Wのn倍(nは2以上の整数)とする長尺屋根材を採用し、太陽電池付き屋根材11の生産性、施工性、メンテナンス性を向上しながら、該太陽電池付き屋根材11の表面に屋根瓦1の小間Wと同等の間隔で割付けた凹溝12の存在によって、該屋根材の表面を屋根瓦1と同一幅に小割り化した。従って、太陽電池付き屋根材11を屋根瓦1に並置したとき、屋根の全体を屋根瓦1で葺いた場合と同等の意匠感を得ることができる。
【0028】
▲2▼太陽電池付き屋根材11に設ける凹溝12の幅aを、隣り合う屋根瓦1同士、太陽電池付き屋根材11同士、又は太陽電池付き屋根材11と屋根瓦1の間に生じる溝の幅と同じにすることにより、瓦葺き屋根のような美しいラインをより確実に得ることができる。
【0029】
▲3▼太陽電池付き屋根材11に設ける凹溝12の深さを4mm以上にすることにより、日光が凹溝12の部分に落とす影等により、凹溝12をくっきりと鮮明にみせることができる。ここで、屋根材本体は金属製であるため、プレス成形のしやすさを考慮して凹溝の深さは20mm以下にするのが好ましい。
【0030】
▲4▼太陽電池付き屋根材11に設ける凹溝12の断面形状を、台形、長方形等の略矩形にすることにより、日光が凹溝12の部分に落とす影等により、凹溝12をくっきりと鮮明にみせることができる。
【0031】
▲5▼太陽電池付き屋根材11において、太陽電池23が収容される電池収容凹部22に連なる排水溝24を設けたから、太陽電池23の外周から電池収容凹部22に雨水が浸入することがあっても、この浸入雨水を排水溝24からスムースに排水し、太陽電池23の下面が常時濡れた状態になることを防ぎ、長期使用による太陽電池23や屋根材本体21の劣化を防止できる。
【0032】
▲6▼上段に葺かれた太陽電池付き屋根材11に設けた排水溝24を、下段に葺かれた隣り合う屋根瓦1同士、太陽電池付き屋根材11同士、もしくは太陽電池付き屋根材11と屋根瓦1との間に生じる溝2、3、4、又は太陽電池付き屋根材11の凹溝12の直上に配置した。従って、排水溝24とそれらの溝2、3、4又は凹溝12とを流れ方向に沿う同一ライン上に設けるものとなり、排水溝24からの排水性を向上できるし、意匠感を向上できる。
【0033】
▲7▼太陽電池付き屋根材11に凹溝12を設け、更には排水溝24を設けることにより、この太陽電池付き屋根材11を用いた屋根において、上述▲1▼〜▲6▼を実現できる。
【0034】
(第2実施形態)(図5、図6)
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、太陽電池付き屋根材11に代わる太陽電池付き屋根材30を用いたことにある。
【0035】
太陽電池付き屋根材30は、金属製等の屋根材本体31の表面に、薄膜系太陽電池32、表面保護フィルム33を積層し、これらをEVA樹脂等の充填材で固定化したものである。そして、太陽電池付き屋根材30にあっても、太陽電池付き屋根材11と同様に、小間を屋根瓦1の小間の2倍以上の整数倍とし、該太陽電池付き屋根材30の表面で、該屋根材30の小間を該屋根瓦1の小間と同等の間隔で割付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝34を設けたことにある。
【0036】
第2実施形態にあっても、第1実施形態で前述した作用▲1▼〜▲4▼、▲7▼と同一の作用を奏する。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、屋根の一部に太陽電池付き屋根材を設けたから、屋根の全体に渡って一様に連続する瓦葺き屋根のような美しいラインを構成し、意匠的に優れた屋根の外観を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の屋根葺き構造を示す斜視図である。
【図2】図2は第1実施形態の屋根瓦と太陽電池付き屋根材を並べて示す斜視図である。
【図3】図3は太陽電池付き屋根材を示し、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は凹溝を示す断面図である。
【図4】図4(A)〜(D)は凹溝の各種断面形状を示す斜視図である。
【図5】図5は第2実施形態の太陽電池付き屋根材を示す斜視図である。
【図6】図6は凹溝を示す断面図である。
【符号の説明】
1 屋根瓦
2、3、4 溝
10 屋根
11、30 太陽電池付き屋根材
12、34 凹溝
21 屋根材本体
22 電池収容凹部
23 太陽電池
24 排水溝
Claims (5)
- 屋根瓦と太陽電池付き屋根材を並置して葺き設けた屋根葺き構造において、
太陽電池付き屋根材の小間を屋根瓦の小間の2倍以上の整数倍とし、該太陽電池付き屋根材の表面で、該屋根材の小間を該屋根瓦の小間と同等の間隔で割付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝を設けたことを特徴とする屋根葺き構造。 - 前記凹溝が、桁方向に隣り合う該屋根瓦同士の間に生じる溝、又は桁方向に隣り合う該太陽電池付き屋根材同士の間に生じる溝、又は桁方向に隣り合う該太陽電池付き屋根材と該屋根瓦との間に生じる溝と、同じ幅である請求項1に記載の屋根葺き構造。
- 前記凹溝が、深さ4mm以上である請求項1又は2に記載の屋根葺き構造。
- 前記太陽電池付き屋根材が屋根材本体に設けた電池収容凹部に太陽電池を収容し、該屋根材本体の水下側の縁部に該電池収容凹部に連なる排水溝を設けてなり、
太陽電池付き屋根材の下段に葺かれた、桁方向に隣り合う屋根瓦同士の間に生じる溝、太陽電池付き屋根材同士の間に生じる溝もしくは太陽電池付き屋根材と屋根瓦との間に生じる溝、又は太陽電池付き屋根材の前記凹溝の直上に、上段の太陽電池付き屋根材の上記排水溝を配置した請求項1〜3のいずれかに記載の屋根葺き構造.。 - 屋根瓦に隣接して配置される太陽電池付き屋根材において、太陽電池付き屋根材の小間を前記屋根瓦の小間と同様の間隔で割り付けた位置に、流れ方向に沿う凹溝を設けたことを特徴とする太陽電池付き屋根材。
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