JP3609505B2 - エアゾール容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアゾール容器として、胴部上端に上方付勢状態で上下動可能にステムを突設し、該ステムを押し下げることにより、内部の吐出弁が開弁して、収納液を吐出する如く構成したエアゾール容器体と、該ステムに嵌着固定させるとともに、前方注出孔に至る通液路を内部に設けてなる筒状ヘッドとからなるものが極一般的に知られている。
【0003】
これらは、ヘッドを押し下げることによりステムが押し下げられ、その際容器体内部に設けた押し下げ開弁式の吐出弁が開いて、収納ガス圧により液がステム上端より通液路を介してヘッドの注出孔より霧状,泡状等の形態で吐出される如く構成している。
【0004】
また、最近では、上記筒状ヘッドに代えて、上方へ起立する注出筒を備えたノズルキャップを装着したものが提案されている。これらは、容器体外周上端縁部に突設した突条部外周に支持筒内周下部を嵌合させ、この支持筒上端一部にヒンジを介して揺動板を内方へ一体に突設し、更に、該揺動板を貫通して一体に形成した注出筒の下端をステム上端に嵌着させて構成している。そして、上記ヒンジと反対側に一体に設けた押圧用突起を押し下げることにより、ステムを押し下げて容器体内の液が注出筒より外部へ注出される如く構成している。
【0005】
また、これらノズルキャップの容器体への固定は、例えば、支持筒内面上部に周方向複数突設した各リブの下面を容器体上面周縁部に当接するとともに、上記リブ下方に突周設した係合突条を容器体の上記突条部下面に強制的に乗り越え係合させて固定する。
【0006】
これらは吐出目的部位へ注出筒先端を近接させ或いは接触させて液(泡)の吐出を行えるため、毛髪化粧品を収納して使用する場合等に便利であり、使い易い優れたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの容器は、一般にエアゾール容器体の殆どの部分を金属により形成し(内部の極一部に樹脂等を使用しているが)、また、ノズルキャップは合成樹脂により形成している。一方、近年の廃棄物処理に於いて、物品のリサイクル,焼却等の問題からその分別処理が望まれており、従って、これらの容器を廃棄に当たって容器体とノズルキャップとを別々に廃棄することが望まれている。
【0008】
しかしながら、従来のこの種容器では、容器体からノズルキャップを外すことに考慮が払われておらず、上記した係合固定手段では、道具を使用しないと容易に外すことが出来ない場合が多く、分離廃棄するのが面倒で手間の掛かるものであった。
【0009】
そこで本発明では、これら金属製の容器体と、合成樹脂製のノズルキャップとを収納液の使用後には簡単に分離出来、しかも使用時には確実に両者が固定される優れた容器を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は上記課題を解決するため、胴部5上端外周を縮径して肩部6に形成するとともに、肩部6上端縁部に突条部7を突周設し、上面中央よりステム8を突設させた金属製のエアゾール容器体2と、該容器体上部に下端を嵌合させた支持筒18上端一部に薄肉ヒンジ19を介して内方へ揺動板20を突設するとともに、該揺動板を貫通して一体に形成した注出筒21の下端を上記ステム8上端に嵌着させ、且つ、上記ヒンジと反対側の注出筒側方に押圧用突部22を一体に設けてなる合成樹脂製のノズルキャップ4とを備え、上記押圧用突部22の押し下げにより容器体内の吐出機構が作用して容器体内の液を注出筒より注出する如く構成してなるエアゾール容器に於いて、上記突条部7外周に嵌合させた周壁9上端縁より容器体上面周縁部に当接させたフランジ10を延設するとともに、上記突条部7下面に係合させた係合突条11を周壁9内面に周設し、且つ、周壁9下端縁より延設した連結鍔12を介して二重筒状に外周壁13を立設してなる合成樹脂製の固定筒部材3を設け、該固定筒部材3の周壁9外周に上記支持筒18下部内周を嵌合させてノズルキャップ4を容器体2に装着させ、上記支持筒18下端に穿設し且つ周方向へ下る傾斜側縁を有する切欠き部27を設けるとともに、該切欠き部内に突出し且つ周方向へ下る傾斜面を有する山形突部16を上記連結鍔上に設け、上記固定筒部材3のフランジ10及び周壁9を縦断する切り溝15を周方向複数穿設してなることを特徴とするエアゾール容器として構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明のエアゾール容器1は、エアゾール容器体2と、固定筒部材3と、ノズルキャップ4とを備えている。
【0012】
エアゾール容器体2は、内部の極一部を除いて金属により形成されたもので、胴部5の上端部をテーパ状に順次縮径した肩部6に形成するとともに、肩部6の上端外周に突条部7を突周設し、また、上面中央に上方付勢状態で押し込み可能にステム8を突設させ、該ステムを押し下げることにより内蔵吐出弁が開き、ガス圧で収納液をステム上端より吐出する如く構成した公知の吐出機構を有するものである。
【0013】
固定筒部材3は合成樹脂により形成されたもので、図1に示す如く、上記突条部7外周に嵌合させた周壁9上端縁より容器体上面周縁部に下面を当接するフランジ10を延設し、また、周壁9内面下部に周設した係合突条11を上記突条部7下面に係合させて容器体2に固定している。また、周壁9下端縁より連結鍔12を延設し、該鍔外周縁より二重筒状に外周壁13を立設している。更に、周壁9外周上端部にはノズルキャップを係止させるための係止突条14を突周設している。
【0014】
本発明に於ける固定筒部材3は、そのフランジ10及び周壁9を縦断する切り溝15を周方向複数穿設し、各切り溝15により分割されたフランジ及び周壁が内外方向へ若干揺動する如く構成している。
【0015】
また、連結鍔12には、嵌着したノズルキャップを容易に取り外すための機構の一部として、周方向に下る傾斜面を有する山形突部16を突設している。図示例では、山形突部16は周方向等間隔に四箇所突設しているが、四箇所に限らない。
【0016】
ノズルキャップ4も合成樹脂により形成されたもので、下部内周に係合突条17を周設し、該突条を上記固定筒部材3の係止突条14下面に乗り越え係止させて下部を嵌合させるとともに、上部を上記外周壁13上方へ突出させた支持筒18を有し、該支持筒の上端一部に薄肉ヒンジ19を介して内方へ揺動板20を揺動可能に突設し、また、この揺動板20を貫通して一体に設けた注出筒21の下端部を上記ステム8上端に液密に嵌合させている。更に、上記ヒンジ19と反対側の注出筒21側方に押圧用突部22を一体に設けている。そして、この押圧用突部22を押し下げることにより、下降する注出筒21によりステム8を押し下げ、容器体2内の液をステム8から注出筒21を介して吐出する如く構成している。また、押圧用突部22の押圧を解除すると、ステム8の上方付勢力により注出筒21が元の状態に復帰する如く構成している。尚、この押圧用突部22の押し下げの際に注出筒21は厳密にはヒンジ19を中心として回動することとなるが、ステム8の注出に要する押し下げストロークが小さいため、また、注出筒は合成樹脂製で若干の弾力性を保持するため、ステム嵌合部分の液密性は充分に維持出来る如く構成している。
【0017】
図示例では、支持筒18上端より内方へフランジ23を延設し、該フランジ内側一端部にヒンジ19を介して揺動板20を連結している。また、支持筒18内面上部に周方向複数の縦リブ24を縦設している。また、支持筒18外周上端部に周壁25下端縁を着脱可能に嵌合させてカバーキャップ26を装着させている。
【0018】
本発明では、ノズルキャップ4の支持筒18下端縁に、周方向へ下る傾斜側縁を有する切欠き部27を設け、該切欠き部内に上記山形突部16が突出する如く構成している。従って、ノズルキャップを固定筒部材に対して回動させれば、切欠き部27の傾斜側縁が山形突部16上に乗り上げ、上記各係止突条14及び係合突条17の係合力に抗してノズルキャップを上方へ容易に持ち上げることが出来る如く構成している。尚、この切欠き部27も山形突部16の数に合わせて四箇所設けているが、これに限らずその数は山形突部の数等により適宜選択すれば良い。
【0019】
上記の如く構成した固定筒部材3及びノズルキャップ4を容器体2に装着する場合は、例えば、まず、固定筒部材を容器体上方より押し下げ、その係合突条11を容器体2の突条部7を強制的に乗り越えさせてその下面に係止させて周壁9を突条部7外周に嵌合固定させ、次いで、上方よりノズルキャップ4を、その係合突条17を固定筒部材周壁9外周の係止突条14に強制的に乗り越えさせてその下面に係止させ、支持筒18下部を周壁9外周に嵌合固定させる。この際、山形突部16を切欠き部27内に突出させる。
【0020】
一方、容器体内液を使い切った際には、ノズルキャップ4を固定筒部材3に対して回動させると、上記山形突部16及び切欠き部27によりノズルキャップが容易に押し上げられ、簡単に上記各係止突条14から係合突条17が外れて、容易にノズルキャップを外すことができる如く構成している。
【0021】
また、固定筒部材3は、例えば外周壁13を持って上方へ引き上げることにより、各切り溝15で分割された周壁9が外方に広がり、容易に外すことが出来る如く構成している。
【0022】
尚、容器体は、上記した押し下げ開弁式のものに代えて、従来公知のステムを側方に倒すことにより開弁する方式(所謂ティルトタイプ)のものを使用することも可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明容器は、既述構成としたことにより、容器体内液を使い切った際に、簡単にノズルキャップ、固定筒部材等の合成樹脂材を取り外すことができ、従来のこの種容器と比較して、道具を必要とせずに極めて容易に金属と合成樹脂の分別廃棄を行うことができる。
【0024】
また、容器体へのノズルキャップの取り付けに当たっても固定筒部材、ノズルキャップを順次押し下げ嵌合させるという極めて簡単な方法により行える。
更に、装着された固定筒部材は、その周壁外面に嵌合した支持筒により外方へ開く虞はなく、従って、しっかりと確実に固定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部縦断面図である。
【図2】同実施例の分解状態の断面図である。
【図3】同実施例の固定筒部材の斜視図である。
【符号の説明】
2…エアゾール容器体,3…固定筒部材,4…ノズルキャップ,5…胴部,
6…肩部,7…突条部,8…ステム,9…周壁,10…フランジ,
11…係合突条,12…連結鍔,13…外周壁,15…切り溝,18…支持筒,
19…薄肉ヒンジ,20…揺動板,21…注出筒,22…押圧用突部,27…切欠き部

Claims (1)

  1. 胴部5上端外周を縮径して肩部6に形成するとともに、肩部6上端縁部に突条部7を突周設し、上面中央よりステム8を突設させた金属製のエアゾール容器体2と、該容器体上部に下端を嵌合させた支持筒18上端一部に薄肉ヒンジ19を介して内方へ揺動板20を突設するとともに、該揺動板を貫通して一体に形成した注出筒21の下端を上記ステム8上端に嵌着させ、且つ、上記ヒンジと反対側の注出筒側方に押圧用突部22を一体に設けてなる合成樹脂製のノズルキャップ4とを備え、上記押圧用突部22の押し下げにより容器体内の吐出機構が作用して容器体内の液を注出筒より注出する如く構成してなるエアゾール容器に於いて、上記突条部7外周に嵌合させた周壁9上端縁より容器体上面周縁部に当接させたフランジ10を延設するとともに、上記突条部7下面に係合させた係合突条11を周壁9内面に周設し、且つ、周壁9下端縁より延設した連結鍔12を介して二重筒状に外周壁13を立設してなる合成樹脂製の固定筒部材3を設け、該固定筒部材3の周壁9外周に上記支持筒18下部内周を嵌合させてノズルキャップ4を容器体2に装着させ、上記支持筒18下端に穿設し且つ周方向へ下る傾斜側縁を有する切欠き部27を設けるとともに、該切欠き部内に突出し且つ周方向へ下る傾斜面を有する山形突部16を上記連結鍔上に設け、上記固定筒部材3のフランジ10及び周壁9を縦断する切り溝15を周方向複数穿設してなることを特徴とするエアゾール容器。
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