JP3608744B2 - 低融点光学ガラス - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、低温度でプレスすることができ、非球面精密プレス用として有用な低融点光学ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高屈折率、高分散を示す光学ガラスとしては、例えばP−Nb−アルカリ金属酸化物系ガラス(特公昭56−40094号公報)がある。さらに、SiO−TiO−Nb−アルカリ金属酸化物系ガラス(特開昭63−265840号公報)も高屈折率、高分散を示す光学ガラスである。しかし、これらのガラスの屈伏温度(Ts)は600℃以上と高い。通常、精密プレス成形は、屈伏温度(Ts)より30℃〜50℃高い温度で行なわれる。よって、上記のガラスを精密プレス成形する場合、プレス温度は650℃〜700℃の範囲となる。ところが、このような高温でプレスを繰り返し行うと、型材の劣化が著しく、プレス開始後、比較的短時間の内に精密なガラス面が得られなくなってしまう。そこで、精密なガラス面を得るためには型の交換を頻繁に行う必要があるが、それでは精密レンズを量産することは非常に困難である。
【0003】
このような観点から、精密プレスレンズ製造における型の寿命を延長するための1つの策として、屈伏温度(Ts)の低いガラスを用いることが挙げられる。例えば、特開平1−308843号公報には、高屈折率、高分散を示す低融点光学ガラスであるSiO−PbO−アルカリ金属酸化物系のガラスが開示されている。さらに、特開平5−51233号公報には、高屈折率、高分散を示す低融点光学ガラスであるSiO− GeO−TiO−Nb−アルカリ金属酸化物系のガラスが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの特許公報に記載のガラスにはいくつかの問題点があった。例えば、特開平1−308843号記載のガラスは多量の酸化鉛を含んでいる。一方、ガラスのプレスは、通常、型の酸化を防ぐために還元性雰囲気で行われる。そのため、上記酸化鉛含有ガラスの場合、ガラス中の酸化鉛が還元性雰囲気中で還元されて金属鉛が表面に折出する。析出した金属鉛は、型表面に付着して、ガラスをプレスする際にガラス表面に凸凹をつくり、面精度が悪くなってしまう。それに対して特開平5−51233号に記載のガラスは、ガラス成分中にPbOを含まない低融点光学ガラスである。しかし、このガラスは液相温度が高く、軟化温度付近での失透傾向も強い。そのため、ガラスプリフォームを昇温して軟化させ、精密プレス成形をするのは困難であり、プレスレンズの製造には適さない。
【0005】
そこで本発明の目的は、高屈折率及び高分散特性を有するとともに、低い温度でガラスが失透せずに軟化してプレス成形することが可能であり、かつ液相温度が低く安定性に優れた光学ガラスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様の光学ガラスは、重量%で表示して、Pを2〜29%、NaOを2〜25%、Nbを4以上22%未満、WOを20〜52%含むことを特徴とする低融点光学ガラスに関する。
【0007】
本発明の第2の態様の光学ガラスは、重量%で表示して、Pを12〜32%、Bを0.5〜16%、LiOを0.3〜6%、NaOを2〜22%、Nbを8〜52%含むことを特徴とする低融点光学ガラスに関する。
【0008】
以下、まず、本発明の第1の態様の光学ガラスについて、各成分およびその含量の限定理由を説明する。
は燐酸塩ガラスにおいてガラス形成成分として欠かせない成分である。燐酸塩ガラスは珪酸塩ガラスと比べて低い温度でガラスを溶融することができ、可視域の透過率が高いという特徴をもつ。また同じガラス形成酸化物成分であるSiOやBに比べてPは高分散側に位置する成分のため、アッベ数35以下の光学特性を得るには、Pは少なくとも2%は必要である。逆に29%を越えると失透性が強くなり、安定なガラスが得られなくなる。そのため、Pの含量は2〜29%に限定される。好ましいPの含量は4〜26%の範囲である。
【0009】
NaOはガラスの屈伏温度(Ts)を下げ、液相温度を下げる成分として欠かせない成分である。またガラスの粘性を下げることができるので低温で溶解が可能となり、白金るつぼの浸食による着色を抑えることができる。NaOが2%未満では失透性が強く上記の効果が得られない。また25%を越えると、耐失透性、化学的耐久性が悪くなる。従ってNaOの含量は2〜25%に限定され、好ましくは4〜22%である。
【0010】
Nbは、目的とする高屈折率、高分散特性を得るために不可欠な成分であり、また耐久性を上げる効果のある成分でもある。Nbが4%未満であると目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなり、22%以上では耐失透性が悪くなり、ガラスの屈伏点(Ts)が上昇する。このためNbは4%以上22%未満に限定される。好ましいNbの含量は6〜21.5%である。
【0011】
WOは目的とする高屈折率・高分散特性を得るために不可欠な成分であり、またガラスの屈伏点(Ts)を下げるのに非常に有効な成分である。WOが20%未満であると目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなり、ガラスの屈伏点も上昇する。また52%を越えると耐失透性が悪くなり、かつガラスが強く着色することになる。このためWOは20〜52%に限定される。好ましいWOの含量は23〜49%である。
【0012】
本発明の第1の態様の低融点光学ガラスは、後述の実施例からも明らかなように高屈折率で高分散特性を有し、かつ低融点特性を有している。例えば屈折率は1.70〜1.86の範囲にあり、アッベ数は35〜21の範囲でガラス屈伏点(Ts)は570℃以下の範囲である。また液相温度(L・T)を下げることができ、かつガラス塊をプレスする際のガラス軟化点での失透性も従来品よりも優れている。
【0013】
本発明の第1の態様の低融点光学ガラスは、前記成分以外に任意成分として更に、B、GeO、LiO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO、Ta、As、Sb等の成分を含むことができる。これら任意成分の含量は、重量%で表示して、Bが0〜15%、GeOが0〜27%、LiOが0〜4%、KOが0〜15%、CsOが0〜5%、MgOが0〜5%、CaOが0〜5%、SrOが0〜5%、BaOが0〜15%、ZnOが0〜7%、TiOが0〜16%、Taが0〜7%、Asが0〜2%、Sbが0〜2%の範囲である。以下にその理由を説明する。
【0014】
及びGeOは、ガラスの安定性を上げる効果が非常に大きな成分である。しかし、Bは15%を越え、GeOは27%を越えると、目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなり、またガラスの屈伏点も上昇する。そのためBの含量は0〜15%の範囲に、GeOは0〜27%の範囲に限定される。好ましくは、Bは0〜13%の範囲であり、GeOは0〜25%の範囲である。
【0015】
LiO、KO及びCsOは、ガラスの屈伏温度(Ts)を下げる効果が非常に大きな成分である。しかし、LiOは4%を越え、KOは15%を越え、CsOは5%を越えると、それぞれ耐失透性、化学的耐久性が悪化する。そのためLiOは0〜4%の範囲、KOは0〜15%の範囲、CsOは0〜5%の範囲に限定される。好ましくは、LiOは0〜2%の範囲、KOは0〜13%の範囲、CsOは0〜3%の範囲である。
【0016】
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO及びBaOはガラスの液相温度を下げ、安定性を増す効果が大きな成分である。しかし、MgOは5%を越え、CaOは5%を越え、SrOは5%を越え、BaOは15%を越えると、目的とする高屈折率・高分散特性が得られず、かつ耐失透性が悪くなる。このためMgO、CaO及びSrOの含量は、それぞれ0〜5%の範囲に限定され、BaOは0〜15%の範囲に限定される。好ましくは、MgO、CaO及びSrOはそれぞれ0〜3%の範囲であり、BaOは0〜13%の範囲である。
【0017】
TiOは高屈折率・高分散特性を得る効果が大きい成分である。しかし、16%を越えると耐失透性が悪くなり、ガラスの屈伏点が上昇し、強く着色することがある。そのため、TiOの含量は、0〜16%の範囲である。
【0018】
ZnO及びTaは、耐失透性を損なわずに少量添加により屈折率の調整をすることが可能である。しかし、それぞれ7%を越えると耐失透性が悪くなる。そのため、ZnO及びTaの含量は、いずれも0〜7%の範囲に限定され、好ましくは0〜5%の範囲である。
【0019】
As及びSbは消色剤および清澄剤として有効である。しかし、いずれも2%を越えて添加すると耐失透性を悪くする。そのため、As及びSbの含量は、それぞれ0〜2%の範囲に限定される。
尚、本発明の第1の態様の光学ガラスは、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の成分以外の成分を含有することもできる。
【0020】
次に、本発明の第2の態様の光学ガラスについて、各成分およびその含量の限定理由を説明する。
は燐酸塩ガラスにおいて、ガラス形成成分として欠かせない成分である。燐酸塩ガラスは珪酸塩ガラスと比べて低い温度でガラスを溶融することができ、可視域の透過率が高いという特徴をもつ。また同じガラス形成酸化物成分である、SiOやBに比べてPは高分散側に位置する成分のためアッベ数32以下の光学特性を得るにはPは少なくとも12%は必要である。逆に32%を越えると失透性が強くなり、安定なガラスが得られなくなるためPの含量は12〜32%の範囲に限定される。好ましいPの含量は14〜30%の範囲である。
【0021】
は燐酸塩ガラスにおいて適量添加により耐失透性が極めて良くなり、かつ、P、SiOといった他のガラス形成酸化物成分に比べてガラス屈伏点(Ts)を下げる効果が大きい。そのため、本発明には欠かせない成分である。Bが0.5%未満であると上記のごとく耐失透性が悪くなり、ガラスの屈伏点(Ts)が上昇し、16%を越えると目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなる。このためBは0.5〜16%の範囲に限定される。好ましいBの含量は1〜14%の範囲である。
【0022】
LiOは、目的とするガラス屈伏点(Ts)が570℃以下の低融点特性を得るために不可欠な成分である。LiOが0.3%未満であると目的とする低融点特性が得られなくなり、6%を越えると耐失透性が悪くなる。このためLiOは0.3〜6%の範囲に限定される。好ましいLiOの含量は0.3〜4%の範囲である。
【0023】
NaOはガラスの屈伏温度(Ts)を下げ、液相温度を下げる成分として欠かせない成分である。またガラスの粘性を下げることができるので低温で溶解が可能となり、白金るつぼの浸食による着色を抑えることができる。NaOが2%未満では失透性が強く上記の効果が得られない。また22%を越えると、耐失透性、化学的耐久性が悪くなる。従ってNaOの含量は2〜22%の範囲に限定され、好ましくは4〜20%の範囲である。
【0024】
Nbは、目的とする高屈折率・高分散特性を得るために不可欠な成分であり、また耐久性を上げる効果のある成分である。Nbが8%未満であると目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなり、52%を越えると耐失透性が悪くなり、かつガラスの屈伏点(Ts)が上昇する。このためNbは8〜52%の範囲に限定される。好ましいNbの含量は10〜50%の範囲である。
【0025】
本発明の第2の態様の低融点光学ガラスは、後記の実施例からも明らかなように高屈折率で高分散特性を有し、かつ低融点特性を有している。例えば、屈折率は1.69〜1.83の範囲にあり、アッベ数は32〜21の範囲でガラス屈伏点(Ts)は570℃以下の範囲である。また、液相温度(L・T)を下げることができ、かつガラス塊をプレスする際のガラス軟化点での失透性も従来品よりも優れている。
【0026】
本発明の第2の態様の低融点光学ガラスは、前記成分以外に任意成分として更に、SiO、GeO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al、TiO、Ta、WO、As、Sb等の成分を含むことができる。これら任意成分の含量は、重量%で表示して、SiOが0%〜5%、GeOが0〜12%、KOが0〜12%、KOが0〜12%、MgOが0〜5%、CaOが0〜5%、SrOが0〜5%、BaOが0〜12%、ZnOが0〜5%、Alが0〜5%、TiOが0〜12%、Taが0〜5%、WOが0%以上20%未満、Asが0〜2%、Sbが0〜2%である。
【0027】
SiO及びGeOは、ガラスの安定性を上げる効果が非常に大きな成分である。しかし、SiOが5%を越え、GeOが12%を越えると目的とする高屈折率・高分散特性が得られなくなり、またガラスの屈伏点も上昇する。このためSiOの含量は0%〜5%、GeOは0〜12%の範囲に限定される。好ましくは、SiOは0〜4.5%の範囲、GeOは0〜10%の範囲である。
【0028】
Oはガラスの屈伏点(Ts)を下げる効果が非常に大きな成分である。しかし、KOが12%を越えると耐失透性、化学的耐久性が悪化する。そのためKOは0〜12%の範囲に限定される。好ましいKOの含量は0〜10%の範囲である。
【0029】
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO及びBaOはガラスの液相温度を下げ安定性を増す効果が大きな成分である。しかし、MgOは5%を越え、CaOは5%を越え、SrOは5%を越え、BaOは12%を越えると、目的とする高屈折率・高分散特性が得られず、かつ耐失透性が悪くなる。このためMgO、CaO及びSrOの含量は、いずれも0〜5%の範囲に限定され、BaOは0〜12%の範囲に限定される。好ましくは、MgO、CaO及びSrOはそれぞれ0〜3%の範囲であり、BaOは0〜10%の範囲である。
【0030】
TiO及びWOは高屈折率・高分散特性を得る効果が大きい成分である。しかし、TiOは12%を越え、WOは20%以上になると、耐失透性が悪くなり、ガラスの屈伏点が上昇し、強く着色するようになる。このためTiOは0〜12%の範囲に限定され、WOは0%以上20%未満に限定される。好ましくは、TiOは0〜10%の範囲で、WOは0〜19.5%範囲である。
【0031】
ZnO、Ta及びAlは、耐失透性を損なわずに少量添加により、屈折率の調整をすることが可能な成分である。しかし、それぞれ5%を越えると耐失透性が悪くなる。そのため、それぞれの含量は0〜5%の範囲に限定され、好ましくは0〜3%の範囲である。
【0032】
As及びSbは、消色剤および清澄剤として有効である。しかし、2%を越える量の添加は耐失透性を悪くする。そのため、As及びSbの含量はそれぞれ0〜2%の範囲に限定される。
尚、本発明の第2の態様の光学ガラスは、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の成分以外の成分を含有することもできる。
【0033】
本発明の低融点光学ガラスは、第1の態様及び第2の態様いずれの場合も、原料として、Pは正燐酸(HPO)、メタリン酸塩、五酸化二燐等、他の成分については炭酸塩、硝酸塩、酸化物等を適宜用いることが可能である。これらの原料を所望の割合に秤取し、混合して調合原料とし、これを1000℃〜1200℃に加熱した熔解炉に投入し、熔解、清澄後、攪拌し、均一化してから鋳型に鋳込み徐冷することにより、本発明の低融点光学ガラスを得ることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例によりさらに本発明について説明する。
実施例1〜14
本発明の低融点光学ガラス(第1の態様)の調合組成(重量%)及び光学的性能を表1及び2に示す。各ガラスの原料は、Pの場合HPOであり、NaOの場合NaCOであり、KOの場合KNOであり、LiOの場合LiCOであり、CsOの場合CsCOであり、MgOの場合MgCOであり、CaOの場合CaCOであり、SrOの場合Sr(NOであり、BaOの場合BaCOであり、Bの場合HBOであり、その他の成分については、表1及び2に示した酸化物をそのまま使用した。表1及び2の実施例1〜14に示した各ガラスは、定められた組成に調合した後、白金坩堝を用いて1000℃〜1200℃で熔解した。30〜40分熔解し均質化した後、金型に鋳込み徐冷することによりガラスを得た。
【0035】
表中の屈折率(n)、アッベ数(ν)は徐冷降温速度−30℃/hrにした場合の結果である。ガラス転移点Tg、ガラス屈伏点(Ts)は熱膨張測定機を用いて8℃/minで昇温した場合の測定結果である。液相温度(L・T)は400℃〜1050℃の温度勾配のついた失透試験炉に30分保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の有無を観察し、軟化点付近の失透性も液相温度測定の際同時に目視により観察した結果である。
【0036】
【表1】
Figure 0003608744
【0037】
【表2】
Figure 0003608744
【0038】
比較例1〜11
特公昭56−40094号公報に記載の実施例7と14のガラスを比較用ガラスとして、その屈折率、アッベ数、液相温度、ガラス屈伏点(Ts)を測定した。結果を表3(比較例1、比較例2)に示す。この比較ガラスはNbを多く含んでいるため、耐失透性が悪くガラス屈伏点も600℃以上と精密プレス成形用ガラスとしては実用的でないことがわかる。比較例3のガラスは、特開昭63−265840号公報に記載の実施例4のガラスの屈折率、アッベ数、液相温度(L・T)、ガラス屈伏点(Ts)を測定した結果である(表3)。このガラスもガラス屈伏点が622℃と高く、軟化点付近で30分間保持するとガラスが失透してしまうため、実用的でないことがわかる。比較例4のガラスは、特開平1−308843号公報に記載の実施例29のガラスの屈折率、アッベ数、ガラス屈伏点(Ts)を測定した結果である(表3)。このガラスはガラス屈伏点が428℃と非常に低いが、PbOを多量に含むため還元性雰囲気でガラスをプレスするとPbOが還元され型に付着し、その後精密プレスが不可能となり実用的でないことがわかる。
【0039】
比較例5〜11(表3及び4)のガラスは、特開平5−51233号公報に記載の実施例1、2、3、4、5、6、8のガラスの屈折率、アッベ数、ガラス屈伏点(Ts)を測定した結果である。これらのガラスはガラス熔解中にガラスが失透したり、熔解後キャストしてガラスになったものでも液相温度は1000℃以上と高く、軟化点付近で30分間保持するとガラスが失透してしまうため、いずれも実用的でないことが分かる。
【0040】
【表3】
Figure 0003608744
【0041】
【表4】
Figure 0003608744
【0042】
比較例の各ガラスと比較して、表1及び2に示すように、実施例1〜14の本発明のガラスは、高屈折率かつ高分散の低融点ガラスである。さらに、実施例1〜14の本発明のガラスは、ガラス屈伏点(Ts)が570℃以下で、ガラスの液相温度(L・T)はすべて950℃以下であり、軟化点付近でガラスを30分間保持してもガラスは失透することがなかった。従って、いずれのガラスも精密プレスによるレンズを大量に生産することが可能な安定性を有することが分かる。
【0043】
実施例21〜30
本発明の低融点光学ガラス(第2の態様)の調合組成(重量%)及び光学的性能を表5及び6に示す。各ガラスの原料は、Pの場合HPOであり、NaOの場合NaCOであり、KOの場合KNOであり、LiOの場合LiCOであり、Alの場合Al(OH)であり、MgOの場合MgCOであり、CaOの場合CaCOであり、SrOの場合Sr(NOであり、BaOの場合BaCOであり、Bの場合HBOである。その他の成分については、表5及び6に示した酸化物をそのまま使用した。表5及び6の実施例21〜30に示した各ガラスは、定められた組成によって調合した後、白金坩堝を用いて1000℃〜1200℃で熔解した。30〜40分熔解し均質化した後、金型に鋳込み徐冷することによりガラスを得た。
【0044】
表中の屈折率(n)、アッベ数(ν)は徐冷降温速度−30℃/hrにした場合の結果である。ガラス転移点(Tg)、ガラス屈伏点(Ts)熱膨張測定機を用いて8℃/minで昇温した場合の結果である。又、液相温度(L・T)は400℃〜1050℃の温度勾配のついた失透試験炉に30分保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の有無を観察し、軟化点付近の失透性も液相温度測定の際同時に目視により観察した結果である。
【0045】
【表5】
Figure 0003608744
【0046】
【表6】
Figure 0003608744
【0047】
前記表3の比較例1、2の特公昭56−40094号公報に記載の比較ガラスはガラス形成酸化物として、Pだけを用いているため耐失透性が悪く、ガラス屈伏点(Ts)も高い。またガラスの屈伏点を下げるのに最も効果の高いアルカリ金属酸化物としてKOのみを用いているためガラス屈伏点が高く、精密プレス成形用ガラスとしては実用的でない。さらに表3及び4の比較例3〜11のガラスは前記のようにそれぞれ問題点がある。
【0048】
それに対して実施例21〜30の本発明のガラスは、高屈折率・高分散の低融点ガラスであり、ガラス屈伏点(Ts)が570℃以下で、ガラスの液相温度(L・T)はすべて950℃以下である。実施例21〜30のガラスは、軟化点付近でガラスを30分間保持してもガラスは失透することがなかった。従って、いづれのガラスも精密プレスによるレンズを大量に生産することが可能な安定性を有することが分かる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、高屈折率・高分散特性を有するとともに、ガラス屈伏点が570℃以下で耐失透性を有し安定であり、かつ、成形性にすぐれた低融点光学ガラスを提供することができる。本発明の低融点光学ガラスを用いることにより、精密プレス用の成形型の寿命を延ばしてレンズを生産することが可能である。

Claims (6)

  1. 重量%で表示して、P25を2〜29%、Na2Oを2〜25%、Nb25を4%以上22%未満、WO3を20〜52%、TiO2を0〜6%含むことを特徴とする光学ガラス。
  2. 重量%で表示して、B23を0〜15%、GeO2を0〜27%、Li2Oを0〜4%、K2Oを0〜15%、Cs2Oを0〜5%、MgOを0〜5%、CaOを0〜5%、SrOを0〜5%、BaOを0〜15%、ZnOを0〜7%、Ta25を0〜7%、As23を0〜2%、Sb23を0〜2%をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 屈折率ndが1.70〜1.86の範囲であり、分散率νdが35〜21の範囲であり、かつガラス屈伏点(Ts)が570℃以下である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 液相温度(LT)が950℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. 精密プレス成形用光学ガラスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光学ガラスよりなるレンズ。
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