JP4411091B2 - 精密プレス成形用光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、低温にて精密プレス成形ができ、精密プレス成形後に研削、または、研磨を必要としない、精密プレス成形用光学ガラスに関する。
光学ガラス組成中に酸化鉛を多量に含む従来のSFタイプ(高屈折率高分散)の光学ガラスは、非常に安定で比較的低融点のため、精密プレス成形は低温度領域で実施されている。特許文献1には、ガラス組成中に酸化鉛を多量に含み、SFタイプの精密プレス成形用光学ガラスとして更に低温度化されたガラスが示されている。特許文献2及び特許文献3には酸化鉛を多量に含んだP25−PbO−Nb25−WO3−アルカリ金属酸化物系のガラス、特許文献4にはP25−B25−Nb25−WO3−アルカリ金属酸化物系のガラスなどが示されており、また、特許文献5にはP25−B23−Nb25−WO3−アルカリ金属酸化物系のガラスが、特許文献6にはP25−Nb25−Bi23−Na2O系のガラスが示されている。
しかし、精密プレスは通常、型の酸化を防ぐために還元性雰囲気下で行われており、そのため、ガラス成分中に酸化鉛が含まれていると、ガラス表面の酸化鉛が還元されプレスレンズ表面に鉛として析出する。そして、それが精密プレスするための加熱により蒸発し、一部が型材の表面に付着して凸部を形成し、それがプレスレンズの表面にそのまま転写されてしまう。そのような工程が連続的に繰り返されていくと、精密プレスされたレンズの面精度が維持できないため、設計どおりの光学性能を得ることができないばかりでなく、型に付着した鉛を取り除く作業が必要となり、量産化するには不適当である。また、酸化鉛を多量に含むため、ガラスの比重が大きくなり、それらを組み込んだ光学部品等が軽量化しにくいという問題にもなる。よって、特許文献1〜3に示されているガラスは、精密プレス用光学ガラスとしては、不適当であり実用的ではない。
一方、特許文献4に記載のガラスには、確かに酸化鉛は含まれていないが、発明の第2の態様の実施例7〜11が示す様に高屈折率高分散特性を得るために、酸化鉛の代わりに、請求項では任意成分として述べられているTiO2をすべて含ませており、その結果、できたガラスは非常に着色の強いものとなってしまう。通常の光学系では、ガラスレンズが単体で使用されるということはあまり現実的ではなく、ほとんどの光学系では多数のレンズ構成からなるのが一般的である。ゆえに、それぞれのガラスレンズの着色は極力小さいことが望まれているわけである。よって、特許文献4に記載のガラスは、そのほとんどがTiO2によって高屈折率高分散特性を持たせており、光学設計上好ましくないと言える。
また、精密プレス成形用の公知の型材等では、精密プレス成形温度が高ければ高いほど型材の酸化や劣化などの問題が生じ、型材の面精度の保持が難しくなり、精密プレス成形によるレンズの量産化は困難になる。一方、精密プレス成形は通常、ガラスの屈伏温度(At)よりおよそ15〜50℃高い温度で実施されるのが普通である。つまり、精密プレス成形される光学ガラスは、可能な限り低い温度で精密プレス成形される必要があり、そのため、ガラスの屈伏温度(At)はできるだけ低いことが望まれるのである。しかるに、前述の特許文献4には、本発明の目的とする高屈折率高分散(屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下)と低軟化特性(屈伏温度(At)が550℃以下)を併せ持つ実施例はまったく示されていない。
また、特許文献5に記載のガラスは本発明者等が発明したP25−Nb25−TeO2−アルカリ金属酸化物系の光学ガラスであり、本発明の目的とする高屈折率高分散(屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下)と低軟化特性(屈伏温度(At)が550℃以下)をほぼ達成するに至ったが、ガラス成分中に含まれるTeO2の環境、あるいは、人体に及ぼす影響を鑑みた結果、更なる改良が必要であるという結論に達した。
以上のことから、本発明者等は、屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下であり、酸化鉛、酸化テルル等のガラスの融点を容易に下げる効果を持つ一方、環境、あるいは、人体に有害となる成分をまったく含まずに、屈伏温度(At)が550℃以下であるという低軟化特性を持ち、且つ、ガラスの着色も少なく量産性に優れた高屈折率高分散の精密プレス成形用光学ガラスを提供することを目的として鋭意努力研究した結果、特許文献6に記載されているP25−Nb25−Bi23−Na2O系のガラスを発明するに至った。
しかしながら、特許文献6に記載されているP25、Nb25、Bi23及びNa2Oがある特定の組成範囲の光学ガラスでは、紫外線が照射されるとガラスが着色してしまうという問題を有していた。
特開平1−308843号公報 特開平7−247135号公報 特開平7−247136号公報 特開平8−157231号公報 特開平10−316448号公報 特開2001−058845号公報
従って本発明の目的は、屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下であり、酸化鉛、酸化テルル等のガラスの融点を容易に下げる効果を持つ一方、環境、あるいは、人体に有害となる成分をまったく含まずに、屈伏温度(At)が550℃以下であるという低軟化特性を持ち、ガラスの着色も少なく量産性に優れ、且つ、紫外線照射によるガラスの着色が少ない高屈折率高分散の精密プレス成形用光学ガラスを提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意努力研究の結果、P25−Nb25−Bi23−Na2O系のガラスで特許文献6記載の組成範囲よりもNb25の含有量の低い領域において、上記目的を達成しうる組成が存在することを見出し、この知見に基づき本発明をなすに到った。
すなわち、本発明は、P25、Nb25、Bi23、及び、Na2Oがある特定の組成範囲の光学ガラスにおいて、屈伏温度(At)が550℃以下、好ましくは540℃以下で、屈折率(nd)が1.83以上、好ましくは1.83〜1.90、アッベ数(νd)が26.0以下、好ましくは26.0〜21.0であり、低軟化の特性を持ち、ガラスの着色が少なく量産性に優れ、且つ、紫外線照射によるガラスの着色が少ない高屈折率高分散の精密プレス成形用光学ガラスに関し、その化学組成を重量%で示すと下記のとおりである。
(好ましい範囲)
25 15.0〜29.0% 16.0〜28.0%
23 0〜 2.0% 0〜 1.0%
GeO2 0〜14.0% 0〜13.5%
但し、P25+B23+GeO2の合計量
20.0〜35.0% 22.0〜33.0%
Li2 0〜 5.0% 0〜 3.0%
Na2O 3.0〜14.0% 4.0〜13.0%
2O 0〜 9.0% 0〜 8.0%
但し、Li2O+Na2O+K2Oの合計量
5.0〜15.0% 7.0〜13.0%
Nb25 2.0〜22.0%未満 2.5〜21.5%
Bi23 34.0〜60.0% 36.0〜59.0%
WO3 0〜 5.0% 0〜 3.0%
BaO 0〜 5.0% 0〜 3.0%
In23 0〜 7.0% 0〜 5.0%
本発明によれば、特開平10−316448号公報で提案したガラスを更に大幅に改善でき、酸化鉛、酸化テルル等のガラスの融点を容易に下げる効果を持つ一方で、環境、あるいは、人体に有害となる成分をまったく含まずに、屈伏温度(At)が550℃以下、屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下で、低軟化特性を持ち、着色が少なく量産性に優れ、且つ、紫外線照射によるガラスの着色も低減された高屈折率高分散の精密プレス成形用光学ガラスが得られる。
本発明の光学ガラスの各成分範囲を上記のように限定した理由は次のとおりである。
25は、本発明の光学ガラスの必須成分であり、ガラスの網目を構成する主成分であるが、29重量%を越えると高屈折率高分散性を維持できなくなり、15重量%より少ないと失透傾向が増大しガラスが不安定になる。よって、P25の含有量は15〜29重量%の範囲とする。好ましくは、16.0〜28.0重量%の範囲である。
23は、任意配合成分であり、P25と同様ガラスの網目を構成し、適量使用することによりガラスの均質化に有効な成分であるが、2重量%を越えると所期目的とする屈折率、及び、屈伏温度(At)が得難くなり、ガラスが不安定となる。よって、B23の含有量は0〜2.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜1.0重量%の範囲である。
GeO2は、任意配合成分であり、P25と同様ガラスの網目を構成し、ガラスの高屈折率化に非常に有効な成分であるが、14重量%を越えると屈伏温度(At)の上昇を招く。また、非常に高価な原料であるため、多量に使用することは量産化に際してはあまり現実的ではない。よって、GeO2の含有量は0〜14.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜13.5重量%の範囲である。
そして、P25、B23、及び、GeO2の合計量が35重量%を越えると、所期の目的とする屈折率、及び、屈伏温度(At)が得難くなり、20重量%より少ないとガラスが不安定となる。よって、P25、B23、及び、GeO2の合計の含有量は20.0〜35.0重量%の範囲とする。好ましくは22.0〜33.0重量%の範囲である。
Li2Oは、任意配合成分であり、Na2Oと同様ガラスの低融化に非常に有効な成分であり、Na2Oと合わせて適量使用することにより、所期の目的の低い屈伏温度(At)を得ることが可能となる。しかし、5重量%を越えるとガラスの膨張係数が大きくなり、精密プレス成形の際のレンズ面の正確な転写が困難になるとともに、ガラスの耐水性も悪くなる。よって、Li2Oの含有量は0〜5.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜3.0重量%の範囲である。
Na2Oは、本発明の必須成分であり、本発明の組成系においてガラスの低融化、及び、安定性に大きく寄与する非常に重要な成分である。しかしながら、3重量%より少ないとその効果は少なく、14重量%を越えると、ガラスの耐水性が悪くなる。よって、Na2Oの含有量は3.0〜14.0重量%の範囲とする。好ましくは4.0〜13.0重量%の範囲である。
2Oは、任意配合成分であり、Na2Oと同様ガラスの低融化に非常に有効な成分であり、Na2Oと合わせて適量使用することにより、所期の目的の低い屈伏温度(At)を得ることが可能となる。しかし、9重量%を越えるとガラスの耐水性が悪くなる。よって、K2Oの含有量は0〜9.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜8.0重量%の範囲である。
そして、Li2O、Na2O及びK2Oの合計量が15重量%を越えると、ガラスが不安定となる傾向にあり、ガラスの耐水性も悪くなる。5重量%より少ないと、目的とする低い屈伏温度(At)が得られなくなる。よって、Li2O、Na2O及びK2Oの合計の含有量は5.0〜15.0重量%の範囲とする。好ましくは7.0〜13.0重量%の範囲である。
Nb25は、本発明の必須配合成分であり、目的の高屈折率高分散を得るのに有効な成分である。しかし、2重量%より少ないとその効果は少ない。また、ガラス中のNbは還元されやすい成分であり、22重量%を越えると、紫外光にさらされた場合ガラスの着色が濃くなってしまう。よって、Nb25の含有量は2.0〜22.0重量%未満の範囲とする。好ましくは2.5〜21.8重量%の範囲である。
Bi23は、本発明の必須成分であり、本発明において、アルカリ金属酸化物と同様にガラスの屈伏温度(At)を下げる効果と、Nb25と同様にガラスの屈折率を上げる効果を併せ持つ非常に重要な成分である。しかし、34重量%より少ないとその効果が少なく、60重量%を越えるとガラスが非常に不安定になる。よって、Bi23の含有量は34.0〜60.0重量%の範囲とする。好ましくは36.0〜59.0重量%の範囲である。
WO3は、本発明の任意配合成分であり、Nb25と同様、高屈折率高分散特性を得るのに有効な成分であるが、ガラス中のWは還元されやすい成分でもあり、5重量%を越えると、紫外光にさらされた場合ガラスの着色が濃くなってしまう。よって、WO3の含有量は0〜5.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜3.0重量%の範囲である。
BaOは、任意配合成分であり、ガラスの溶解性及び安定性を向上させるのに有効な成分であるが、5重量%を越えると所期目的の低い屈伏温度(At)得ることが困難になる。よって、BaOの含有量は0〜5.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜3.0重量%の範囲である。
In23は、任意配合成分であり、屈折率の調整に有効な成分であるが、7重量%を越えると所期目的の低い屈伏温度(At)得ることが困難となり、ガラスも不安定になる。よって、In23の含有量は0〜7.0重量%の範囲とする。好ましくは0〜5重量%の範囲である。
なお、本発明の光学ガラスには、上記成分のほかに、光学恒数の調整、溶融性の改善、ガラスの安定性拡大のために、本発明の目的を外れない限り、ZrO2、Ta25、Ga23、MgO、ZnO、CaO、SrO等を含有させることができるが、より上記目的に合致した良質なガラスを得る上では、上記成分を含有させないことが望ましい。
本発明の光学ガラスは各成分の原料として、それぞれ相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、及び、リン酸塩などを使用し、所望の組成の割合となるように秤量し、十分混合した後白金るつぼに投入して、電気炉で900〜1200℃で溶融し、適時攪拌して均質化を図り、清澄化してから適当な温度に予熱した金型内に鋳込んだ後、徐冷して製造することができる。なお、脱泡のために少量のSb23等を加えても良い。
以下実施例をあげて本発明の光学ガラスを具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜8)
本発明の光学ガラスの実施例の成分組成(重量%)、及び、その特性値として屈折率(nd)、アッベ数(νd)、屈伏温度(At)を表1に示す。屈伏温度(At)は熱膨張測定器を用いて、毎分5℃で昇温した場合の結果である。
本実施例の光学ガラスは各成分の原料として、それぞれ相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、及び、リン酸塩などを使用し、表1の各実施例の組成の割合となるように秤量し、十分混合した後白金るつぼに投入して、電気炉で900〜1200℃で溶融し、適時攪拌して均質化を図り、清澄してから適当な温度に予熱した金型内に鋳込んだ後、徐冷して製造した。
次に、得られたガラスから所定重量のガラス塊を切り出し、従来の研磨法により円柱状に研磨し、これをプリフォームとして精密プレスを行うことにより、数種類のレンズ製品を得た。これらのレンズは良好な転写性を示し、型材へのガラスの付着、揮発物の付着などは認められなかった。
Figure 0004411091
(比較例1〜5)
比較例1〜5は、特開平8−157231号公報に記載の発明の第2の態様の実施例7〜11のガラスである。これらのガラスの屈折率(nd)、アッベ数(νd)、及び発明者等が実際に測定したガラス屈伏点(At)、及び、着色度(透過率70%及び5%を示す波長を、それぞれ整数第1位を四捨五入し、10nmを単位として表示する)もあわせて表2に示す。なお、着色度の測定方法、及び、表示方法は日本光学硝子工業会規格(Japanese Optical Glass Industrial Standards)の光学ガラスの着色度の測定方法(JOGIS 02−1975)に準ずるものである。
一般に高屈折率のガラスほど、光に対する反射率も大きくなり肉眼では黄色く着色して見えるが、その上ガラス成分中にTiO2が導入されると、短波長域に鋭い吸収を持つことになり、できたガラスは結果的に更に強い着色を持つことになってしまう。表2に示すように、比較例1〜5のガラスはすべてTiO2を含んでいるため、それらの着色度は、実施例中一番高屈折率高分散で一番着色の強い実施例8よりも、すべて大きい値を示している。図1に例を示すと、実施例8及び比較例3の着色度はそれぞれ、42/36、及び、50/38であり、比較例3は実施例8に比べて非常に着色が強く、光学ガラスとしては使用上好ましくないことがわかる。
また、ガラス成分中にTiO2を導入すれば、高屈折率高分散特性を得ることは比較的容易であることがよく知られている。しかし、TiO2を含むガラスは、ガラス屈伏点(At)が高くなる傾向にあり、比較例のガラス屈伏点(At)は、各実施例に比べてすべて高く、特に、本発明の目的とする特性と同様の高屈折率高分散特性を持つ比較例5のガラス屈伏点(At)は、595℃と非常に高温になってしまっている。これは比較例1〜5の組成系(P25−B23−Nb25−WO3−アルカリ金属酸化物系)で高屈折率高分散を容易に得ようとした場合、高屈折率化に非常に有効な成分であるはずのGeO2の導入が難しいため、必須成分以外にTiO2を加えざるをえなかったからであると考えられる。つまり、特開平8−157231号公報で示されているP25−B23−Nb25−WO3−アルカリ金属酸化物の組成系では、TiO2を加えない限り高屈折率高分散特性を維持することが難しい、ということを示している。しかし、本発明の提示するP25−Nb25−Bi23−Na2O系のガラスでは、実施例の示す通り、低軟化特性を維持したままGeO2を導入することが可能で、さらに高屈折率化を達成することが容易になる。
以上の理由から、これら比較例1〜5のガラスはいずれも、精密プレス成形用ガラスとしては実用的ではないことがわかる。
(比較例6)
比較例6は特開2001−58845号公報に記載の発明の実施例14のガラスである。実施例8のガラスと比較例6のガラスに紫外線を照射する前後のガラスの着色度(透過率)を測定し、結果を図2に示した。なお、紫外線は波長365nmで、1000mW/cm2の強度で1時間照射した。
図2の(a)は実施例8のガラスの紫外線照射前、(b)は実施例8のガラスの紫外線照射後、(c)は比較例6のガラスの紫外線照射前、(d)は比較例6のガラスの紫外線照射後の着色度(透過率)である。これより、実施例8のガラスでは、紫外線が照射されても透過率の変化は小さいが、比較例6のガラスでは、紫外線照射後に透過率が大きく変化しており、着色度が大きいことがわかる。
Figure 0004411091
実施例8と比較例3の光学ガラスの着色度(透過率)を比較するためのグラフで、波長(nm)と透過率(%)の関係を示す。 実施例8と比較例6の光学ガラスの紫外線照射前後の着色度(透過率)を比較するためのグラフで、波長(nm)と透過率(%)の関係を示す。

Claims (1)

  1. 25 15〜29重量%、B23 0〜2重量%、GeO2 0〜14重量%、且つ、P25、B23及び、GeO2の合計量が20〜35重量%、Li2O 0〜5重量%、Na2O 3〜14重量%、K2O 0〜9重量%、且つ、Li2O、Na2O及びK2Oの合計量が5〜15重量%、Nb25 2〜22重量%未満、Bi23 34〜60重量%、WO3 0〜5重量%、BaO 0〜5重量%、In23 0〜7重量%の組成からなり、屈伏温度(At)が550℃以下、屈折率(nd)が1.83以上、アッベ数(νd)が26.0以下である高屈折率高分散の精密プレス成形用光学ガラス。

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