JPH07247136A - 低融点光学ガラス及び光学製品 - Google Patents

低融点光学ガラス及び光学製品

Info

Publication number
JPH07247136A
JPH07247136A JP6042761A JP4276194A JPH07247136A JP H07247136 A JPH07247136 A JP H07247136A JP 6042761 A JP6042761 A JP 6042761A JP 4276194 A JP4276194 A JP 4276194A JP H07247136 A JPH07247136 A JP H07247136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
low melting
optical
melting point
optical glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6042761A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3252152B2 (ja
Inventor
Koichi Sato
浩一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP04276194A priority Critical patent/JP3252152B2/ja
Publication of JPH07247136A publication Critical patent/JPH07247136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252152B2 publication Critical patent/JP3252152B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高屈折率及び高分散率を有するとともに、ガ
ラス軟化点付近の温度でもガラスが失透せずにプレス成
型することができ、液相温度が低く安定性に優れた光学
ガラス及びかのガラスを用いた光学製品の提供。 【構成】 各成分の含量を重量%で表示して、P2 5
が16〜38%、PbOが7〜26%、Li2 Oが0〜
5%、Na2 Oが0〜18%、K2 Oが0〜13%、
(但し、Li2 O+Na2 O+K2 Oが6〜20%)、
2 3 が1〜20%、Nb2 5 が14〜44%、W
3 が1〜20%、TiO2 が0〜10%未満、(但
し、TiO2 +WO3 が5%を超え、22%以下)であ
る低融点光学ガラス。このガラスを精密プレスすること
により得られる光学製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温度でプレスするこ
とが可能な低融点光学ガラス及びこのガラスを用いた光
学製品に関する。本発明の低融点光学ガラスは、非球面
精密プレスが可能であり、本発明の低融点光学ガラスを
用いて精密プレスにより非球面レンズを得ることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の光学ガラスの中で高屈折率・高分
散領域のガラスとしては、例えば、特公昭55−375
00号公報に開示されているP2 5 −B2 3 −Nb
2 5−アルカリ金属酸化物系や特公昭56−4009
4号公報に開示されているP25 −Nb2 5 アルカ
リ金属酸化物系のガラスがある。しかし、これらのガラ
スはガラスの屈伏温度(Ts)が580℃以上と高く、
一方、精密プレス成形は、通常、屈伏温度(Ts)より
50℃程度高い温度で行われる。よって、これらのガラ
スを精密プレス成形に使用した場合、630℃以上の温
度でのプレスとなる。しかし、このような比較的高い温
度でプレスをくり返すと型材の劣化が著しく、精密なガ
ラス面が得られなくなり、型の交換が頻繁になり、精密
レンズの量産は非常に困難となる。そこで精密プレスレ
ンズ製造の歩留りを良くするためには、ガラスの屈伏温
度(Ts)を下げる必要がある。さらにこれらのガラス
は、液相温度(L.T)も高く、このことも、精密プレ
ス成形に適さない原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のガラスとは別
に、高屈折率・高分散であり、かつ低融点光学ガラスと
しては、特開平5−51233号公報に示されている、
SiO2 −GeO2 −TiO2 −Nb2 5 −アルカリ
金属酸化物系のガラスがある。しかしながら、特開平5
−51233号公報に記載のガラスは、ガラス屈伏温度
は550℃以下と低いが、液相温度(L.T)が高く、
軟化点付近での失透傾向も強い。そのため、ガラスプリ
フォームを昇温して軟化させ、精密プレス成型をするの
は困難であり、プレスレンズの製造には適さない。
【0004】そこで本発明の目的は、高屈折率及び高分
散特性を有するとともに、ガラス軟化点付近の比較的低
い温度でガラスが失透せずにプレス成型することが可能
であり、かつ液相温度が低く安定性に優れた光学ガラス
を提供することにある。特に本発明は、屈折率が1.7
3〜1.84の範囲にあり、分散率が29〜23の範囲
にあり、ガラス屈伏点(Ts)が570℃以下であり、
しかもガラス軟化点付近の比較的低い温度でもガラスが
失透せずにプレス成型することが可能でる安定性に優れ
た(耐失透性の優れた)低融点の光学ガラスを提供する
ことを目的とする。
【0005】さらに本発明の別の目的は、上記の低融点
の光学ガラスを精密プレスすることにより得られる光学
製品を提供することである。特に本発明は、上記の低融
点の光学ガラスを非球面精密プレスすることにより得ら
れる非球面レンズを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の低融点光学ガラ
スは、各成分の含量を重量%で表示して P2 5 16〜38% B2 3 1〜20% Nb2 5 14〜44% PbO 7〜26% WO3 1〜20% TiO2 0〜10%未満 (但し、TiO2 +WO3 5%を超え、2
2%以下) Li2 O 0〜5% Na2 O 0〜18% K2 O 0〜13% (但し、Li2 O+Na2 O+K2 O 6〜20
%) であることを特徴とする。
【0007】本発明の低融点光学ガラスは、更にCa
O、SrO、BaO、GeO2 、TaO2 、ZnO、A
2 3 、Sb2 3 のうちの少なくとも1種を含むこ
ともできる。これら成分の含量は、重量%で表示して、
それぞれ、CaOが0〜5%、SrOが0〜5%、Ba
Oが0〜10%、GeO2 が0〜10%、Ta2 5
0〜6%、ZnOが0〜4%、As2 3 が0〜2%、
Sb2 3 が0〜2%である。
【0008】さらに本発明は、上記本発明の低融点光学
ガラスを精密プレスすることにより得られる光学製品、
特に、本発明の低融点光学ガラスを非球面精密プレスす
ることにより得られる非球面レンズに関する。本発明の
低融点光学ガラスにおける各成分およびその含量の限定
理由を、以下に説明する。
【0009】P2 5 は燐酸塩ガラスにおいてガラス形
成成分として欠かせない成分である。燐酸塩ガラスは珪
酸塩ガラスと比べて低い温度でガラスを溶解することが
でき、可視域の透過率が高いという特徴をもつ。また同
じガラス形成酸化物成分であるSiO2 やB2 3 に比
べてP2 5 は高分散側に位置する成分のため、アッベ
数29以下の光学特性を得るには、P2 5 は少なくと
も16%は必要である。逆に38%を超えると失透性が
強くなり、高屈折率特性が得られなくなる。そのためP
2 5 の含量は16〜38%の範囲に限定される。好ま
しいP2 5 の含量は18〜36%の範囲である。
【0010】B2 3 は燐酸塩ガラスにおいて適量添加
により耐失透性が極めて良くなり、かつP2 5 、Si
2 といった他のガラス形成酸化物に比べてガラス屈伏
点(Ts)を下げる効果が大きい。そのため、本発明の
ガラスには欠かせない成分である。B2 3 が1%未満
であると上記のごとくガラスの耐失透性が悪くなり、ガ
ラスの屈伏点(Ts)が上昇し、20%を超えると目的
とする高屈折率・高分散特性が得られなくなる。このた
めB2 3 は1〜20%の範囲に限定される。好ましい
2 3 の含量は2〜18%の範囲である。
【0011】Nb2 5 は、目的とする高屈折率・高分
散特性を得るために不可欠な成分であり、また耐久性を
上げる効果のある成分である。Nb2 5 が14%未満
であると、目的とする高屈折率・高分散特性が得られな
くなり、44%を超えるとガラスの耐失透性が悪くな
り、かつガラスの屈伏点(Ts)が上昇する。このた
め、Nb2 5 は14〜44%の範囲に限定される。好
ましいNb2 5 の含量は16〜42%の範囲である。
【0012】PbOは、目的とする高屈折率特性とガラ
ス屈伏点(Ts)を下げる効果があるために少なくとも
7%は必要である。また26%を超えると、目的とする
高分散特性が得られなくなる。そのため、PbOは7〜
26%の範囲に限定される。好ましいPbOの含量は9
〜24%の範囲である。
【0013】WO3 は、目的とする高屈折率・高分散特
性とTiO2 、Nb2 5 といった他の高屈折率・高分
散特性を持った成分と比べてガラス屈伏点(Ts)を下
げる効果があるため、1%は少なくとも必要である。ま
た20%を超えると、耐失透性が悪くなり、ガラスが強
く着色することになる。そのため、WO3 の含量は1〜
20%に限定される。好ましいWO3 は含量は2〜18
%の範囲である。
【0014】TiO2 は高屈折率・高分散特性を得る効
果が大きい成分であるが、10%以上になると、耐失透
性が悪くなり、ガラスの屈伏点が上昇し、強く着色する
ことになる。そのため、TiO2 の含量は0〜10%未
満に限定される。好ましいTiO2 の含量は0〜8%の
範囲である。さらにTiO2 とWO3 の合計量が5%以
下だと目的とする高分散特性が得られなくなり、22%
を超えると耐失透性が悪くなりガラスが強く着色するこ
とになる。よって、TiO2 とWO3 の合計量は5%を
超え、22%以下の範囲に限定される。好ましいTiO
2 とWO3 の合計量は6〜20%の範囲である。
【0015】Li2 O、Na2 O及びK2 Oは、いずれ
も適量添加することで、ガラスの耐失透性を良くする効
果が非常に大きく、かつガラス屈伏点(Ts)を下げる
効果も非常に大きな成分である。そのため、これらの1
種又は2種以上の合量が6%以上であることが必要であ
る。しかし、これらの1種又は2種以上の合量が20%
を超えると耐失透性が悪くなる。そのため、(Li2
+Na2 O+K2 O)で表されるLi2 O、Na2 O及
びK2 Oの1種又は2種以上の合量は、6〜20%の範
囲に限定され、好ましくは、8〜17%の範囲である。
但し、Li2 Oは5%、Na2 Oは18%、K2 Oは1
3%をそれぞれ超えると、ガラスの耐失透性が悪くな
る。そのため、Li2 Oは0〜5%の範囲、Na2 Oは
0〜18%の範囲、K2 Oは0〜13%の範囲にそれぞ
れ限定される。好ましくは、Li2 Oは0〜3%の範
囲、Na2 Oは0〜16%の範囲、K2 Oは0〜9%の
範囲である。
【0016】任意成分であるCaO、SrO及びBaO
は、適量を添加するによりガラスの液相温度を下げ、安
定性を増す効果が大きな成分である。しかし、CaOは
5%を超え、SrOは5%を超え、BaOは10%を超
えると、目的とする高屈折率・高分散特性が得られず、
かつ耐失透性も悪くなる。このため、CaO、SrO及
びBaOの含量は、それぞれ0〜5%の範囲、0〜5%
の範囲及び0〜10%の範囲に限定される。好ましく
は、CaOは0〜3%の範囲であり、SrOは0〜3%
の範囲であり、BaOは0〜8%の範囲である。
【0017】任意成分であるGeO2 はガラスの安定性
を上げる効果が非常に大きな成分である。しかし、10
%を超えると、目的とする高屈折率・高分散特性が得ら
れなくなり、またガラスの屈伏点も上昇する。そのため
GeO2 は0〜10%の範囲に限定される。好ましくは
0〜8%の範囲である。
【0018】任意成分であるZnO及びTa2 5 は、
耐失透性を損なわずに少量添加により屈折率の調整をす
ることが可能である。しかしZnOが4%を超え、Ta
2 5 が6%を超えると、ガラスの耐失透性が悪くな
る。そのためZnOの含量は0〜4%の範囲、Ta2
5 の含量は0〜6%の範囲にそれぞれ限定される。好ま
しくはZnOが0〜2%の範囲であり、Ta2 5 が0
〜4%の範囲である。
【0019】As2 3 及びSb2 3 は消色剤および
清澄剤として有効である。しかし、いずれも2%を超え
て添加すると耐失透性を悪くする。そのため、As2
3 及びSb2 3 の含量はそれぞれ0〜2%の範囲に限
定される。さらに、SiO2 、La2 3 、Y2 3
Gd2 3 、Cs2 O、ZrO2、Al2 3 、MgO
等の成分も、本発明の目的をそこなわない程度であれば
添加可能である。
【0020】本発明の低融点光学ガラスの原料として
は、P2 5 については正燐酸(H3PO4 )、メタリ
ン酸塩、五酸化二燐等を用い、他の成分については炭酸
塩、硝酸塩、酸化物等を適宜用いることが可能である。
これらの原料を所望の割合に秤取し、混合して調合原料
とし、これを1000℃〜1200℃に加熱した溶解炉
に投入し、溶解、清澄後、攪拌し、均一化してから鋳型
に鋳込み徐冷することにより、本発明の低融点光学ガラ
スを得ることができる。
【0021】本発明の光学製品は、上記の本発明の低融
点光学ガラスを精密プレスすることにより得られる。精
密プレスの方法及び装置は、公知のものを用いることが
でき、条件は、ガラスの組成及び物性等を考慮して適宜
決定できる。さらに好ましい光学製品は、本発明の低融
点光学ガラスを非球面精密プレスすることにより得られ
る非球面レンズである。精密プレスは、例えば、図1に
示すようなプレス装置を用いて行うことができる。図1
に示す装置は、支持棒9上に設けた支持台10上に、上
型1、下型2及び案内型3からなる成型鋳型を載置した
ものを、外周にヒーター12を巻き付けた石英管11中
に設けたものである。本発明の低融点光学ガラスからな
る被成形ガラス塊4を下型2及び上型1の間に配置す
る。被成形ガラス塊4は、例えば、直径2〜20mm程
度の球状物であることができる。球状物の大きさは、最
終製品の大きさを考慮して適宜決定される。
【0022】被成形ガラス塊4を下型2及び上型1の間
に配置した後、ヒーター12に通電して石英管11内を
加熱する。成型鋳型内の温度は、下型2の内部に挿入さ
れた熱電対14によりモニターされる。加熱温度は、被
成形ガラス塊4の粘度が精密プレスに適した、例えば約
107.6 ポアズ程度になる温度とする。所定の温度とな
った後に、押し棒13を降下させて上型1を上方から押
して成型鋳型内の被成形ガラス塊4をプレスする。プレ
スの圧力及び時間は、ガラスの粘度等を考慮して適宜決
定できるが、例えば圧力は50〜100kg/cm2
範囲、時間は10〜120秒とすることができる。プレ
スの後、ガラス転移温度まで徐冷し、次いで室温まで急
冷し、成型鋳型から成形物を取り出すことで、本発明の
光学製品を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1〜12 表1に示す調合組成(重量%)に従って、常法により、
本発明の低融点光学ガラス(実施例1〜12)を調製し
た。即ち、原料としては、P2 5 は正燐酸(H3 PO
4 )、メタリン酸塩又は五酸化二燐等を用い、他の成分
については炭酸塩、硝酸塩、酸化物等を用い、これらの
原料を所望の割合に秤取し、混合して調合原料とし、こ
れを1000℃〜1200℃に加熱した溶解炉に投入
し、溶解、清澄後、攪拌し、均一化してから鋳型に鋳込
み徐冷することにより、本発明の低融点光学ガラスを得
た。得られたガラスの光学的性能を表1に示す。表中の
屈折率nd、アッベ数νdは、徐冷降温速度−30℃/
hrにした場合の結果である。ガラス屈伏点(Ts)は
熱膨張測定機を用いて8℃/minで昇温した場合の結
果である。又、液相温度(L.T)は400℃〜105
0℃の温度勾配のついた失透試験炉に30分保持し、倍
率80倍の顕微鏡により結晶の有無を観察し、軟化点付
近の失透性も液相温度測定の際、同時に目視により観察
した結果である。
【0024】
【表1】
【0025】比較例1〜3 特公昭55−37500号公報に記載の実施例9と12
と14のガラスを比較例1〜3として、その屈折率、ア
ッベ数、液相温度、ガラス屈伏点(Ts)を測定した。
結果を表2に示す。この比較ガラスは高屈折・高分散特
性を持たせる成分としてNb2 5 、TiO2 を用いて
WO3 を用いてないために耐失透性が悪く、ガラス屈伏
点も580℃以上と精密プレス成形用ガラスとしては実
用的でないことがわかる。
【0026】比較例4〜7 比較例4〜7のガラスは、それぞれ特公昭56−400
94号公報に記載の実施例1、4、7、14のガラスで
ある。これらのガラスの屈折率、アッベ数、液相温度
(L.T)、ガラス屈伏点(Ts)を測定した結果を表
2に示す。これらの比較ガラスはガラス形成酸化物とし
て、P2 5 だけを用いているため耐失透性が悪く、ガ
ラス屈伏点(Ts)も高い。またガラスの屈伏点を下げ
るのに最も効果の高いアルカリ金属酸化物としてK2
のみを用いているためガラス屈伏点が高く、精密プレス
成形用ガラスとしては実用的でないことがわかる。
【0027】
【表2】
【0028】比較例8〜14 比較例8〜14のガラスは、特開平5−51233号公
報に記載の実施例1、2、3、4、5、6、8のガラス
である。これらのガラスの屈折率、アッベ数、ガラス屈
伏点(Ts)を測定した結果を表3に示す。これらのガ
ラスは、ガラス熔解中にガラスが失透したり、熔解後キ
ャストしてガラスになったものでも液相温度は1000
℃以上と高く、軟化点付近で30分間保持するとガラス
が失透してしまうため、いずれも実用的でないことが分
かる。
【0029】
【表3】
【0030】実施例の各ガラスと比較して、表1に示し
た実施例1〜12の本発明のガラスは高屈折率かつ高分
散の低融点光学ガラスである。さらに実施例1〜12の
本発明のガラスは、ガラス屈伏点(Ts)が570℃以
下で、ガラスの液相温度(L.T)はすべて900℃以
下であり、軟化点付近でガラスを30分間保持してもガ
ラスは失透することがなかった。特に、特公昭55−3
7500号公報に記載のガラスと比較すると、組成の上
では、本発明のガラスは、所定量のWO3 をさらに含む
ものであるが、物性的には、本発明のガラスの液相温度
(L.T)は、いずれも900℃以下であった。また、
特公昭56−40094号公報には、WO3 を含有する
ガラスも記載されているが、比較例7として示すよう
に、単にWO3 を添加することだけでは、ガラスの液相
温度(L.T)を低下させることはできない。即ち、ガ
ラスを構成する各成分とその含有範囲を本発明の範囲に
することにより、始めて上記の如き優れた特性を有する
低融点光学ガラスを得ることができることが分かる。上
記実施例の結果から、比較例に挙げたガラスと異なり、
本発明のガラスはいずれも精密プレスによるレンズを大
量に生産することが可能な安定性を有することが分か
る。
【0031】実施例13 実施例2のガラスを用いて、図1に示すプレス装置を用
いて非球面精密プレスすることにより非球面レンズを得
た。直径2〜20mmの球状物とした実施例4のガラス
を下型2及び上型1の間に配置した後、石英管11内を
窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内
を加熱した。成型鋳型内の温度を、被成形ガラス塊の粘
度が約107.6 ポアズとなる570℃とした後、この温
度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を上方
から押して成型鋳型内の被成形ガラス塊をプレスした。
プレスの圧力は80kg/cm2 、プレス時間は30秒
間とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、非球面
プレス成形されたガラス成形体を下型2及び上型1と接
触させたままの状態でガラス転移温度495℃まで徐冷
し、次いで室温付近まで急冷して非球面に成形されたガ
ラスを成型鋳型を取り出した。得られた非球面レンズ
は、極めて精度の高いレンズであった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高屈折率・高分散特性
を有するとともに、ガラス屈伏点が570℃以下で耐失
透性を有し安定であり、かつ成形性に優れた低融点光学
ガラスを提供することができる。さらに、本発明の低融
点光学ガラスを用いることにより、精密プレス用の成型
鋳型の寿命を伸ばしてレンズを生産することが可能であ
る。また、本発明の低融点光学ガラスを用いて精密プレ
スすることで、非球面レンズ等の光学製品を得ることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学製品を製造するための精密プレ
ス装置の断面説明図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各成分の含量を重量%で表示して P2 5 16〜38% B2 3 1〜20% Nb2 5 14〜44% PbO 7〜26% WO3 1〜20% TiO2 0〜10%未満 (但し、TiO2 +WO3 5%を超え、2
    2%以下) Li2 O 0〜5% Na2 O 0〜18% K2 O 0〜13% (但し、Li2 O+Na2 O+K2 O 6〜20
    %) であることを特徴とする低融点光学ガラス。
  2. 【請求項2】 各成分の含量の合計が80%以上である
    請求項1記載の低融点光学ガラス。
  3. 【請求項3】 CaOを0〜5%、SrOを0〜5%、
    BaOを0〜10%、ZnOを0〜4%さらに含む請求
    項1又は2記載の低融点光学ガラス。
  4. 【請求項4】 GeO2 を0〜10%、Ta2 5 を0
    〜6%、As2 3を0〜2%、Sb2 3 を0〜2%
    さらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の低融点
    光学ガラス。
  5. 【請求項5】 屈折率が1.73〜1.84の範囲にあ
    り、分散率が29〜23の範囲にあり、ガラス屈伏点
    (Ts)が570℃以下である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の低融点光学ガラス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の低
    融点光学ガラスを精密プレスすることにより得られる光
    学製品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の低
    融点光学ガラスを非球面精密プレスすることにより得ら
    れる非球面レンズ。
JP04276194A 1994-03-14 1994-03-14 低融点光学ガラス及び光学製品 Expired - Fee Related JP3252152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04276194A JP3252152B2 (ja) 1994-03-14 1994-03-14 低融点光学ガラス及び光学製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04276194A JP3252152B2 (ja) 1994-03-14 1994-03-14 低融点光学ガラス及び光学製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07247136A true JPH07247136A (ja) 1995-09-26
JP3252152B2 JP3252152B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=12644969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04276194A Expired - Fee Related JP3252152B2 (ja) 1994-03-14 1994-03-14 低融点光学ガラス及び光学製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252152B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08104537A (ja) * 1994-09-30 1996-04-23 Hoya Corp 光学ガラス
US6333282B1 (en) 1999-08-20 2001-12-25 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
WO2002002470A1 (fr) * 2000-06-30 2002-01-10 Hoya Corporation Verre optique et produit optique faisant intervenir ce verre
EP1227069A1 (en) * 2001-01-29 2002-07-31 Hoya Corporation Optical glass
JP2002293572A (ja) * 2001-01-29 2002-10-09 Hoya Corp 光学ガラス
JP2003321245A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Minolta Co Ltd プレス成形用光学ガラス
US7141525B2 (en) 2004-02-26 2006-11-28 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
US7312169B2 (en) 2004-01-15 2007-12-25 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
JP2018150199A (ja) * 2017-03-14 2018-09-27 日本電気硝子株式会社 光学ガラス

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52132012A (en) * 1976-04-30 1977-11-05 Nippon Chemical Ind Optical glass
JPS61146732A (ja) * 1984-12-17 1986-07-04 Minolta Camera Co Ltd 高屈折率高分散ガラス

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52132012A (en) * 1976-04-30 1977-11-05 Nippon Chemical Ind Optical glass
JPS61146732A (ja) * 1984-12-17 1986-07-04 Minolta Camera Co Ltd 高屈折率高分散ガラス

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08104537A (ja) * 1994-09-30 1996-04-23 Hoya Corp 光学ガラス
US6333282B1 (en) 1999-08-20 2001-12-25 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
EP1357091A4 (en) * 2000-06-30 2004-04-21 Hoya Corp OPTICAL GLASS AND OPTICAL PRODUCT INVOLVING THIS GLASS
WO2002002470A1 (fr) * 2000-06-30 2002-01-10 Hoya Corporation Verre optique et produit optique faisant intervenir ce verre
US7451620B2 (en) 2000-06-30 2008-11-18 Hoya Corporation Optical glass and optical product using the same
EP1357091A1 (en) * 2000-06-30 2003-10-29 Hoya Corporation Optical glass and optical product using the same
US6995101B2 (en) 2000-06-30 2006-02-07 Hoya Corporation Optical glass and optical product using the same
EP1227069A1 (en) * 2001-01-29 2002-07-31 Hoya Corporation Optical glass
US6743743B2 (en) * 2001-01-29 2004-06-01 Hoya Corporation Optical glass
JP2002293572A (ja) * 2001-01-29 2002-10-09 Hoya Corp 光学ガラス
JP2003321245A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Minolta Co Ltd プレス成形用光学ガラス
US7312169B2 (en) 2004-01-15 2007-12-25 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
US7141525B2 (en) 2004-02-26 2006-11-28 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for precision molding
JP2018150199A (ja) * 2017-03-14 2018-09-27 日本電気硝子株式会社 光学ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP3252152B2 (ja) 2002-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3255390B2 (ja) 低融点光学ガラス
JP3260046B2 (ja) 光学ガラス
US6818578B2 (en) Optical glass and process for the production of optical products
JP4127949B2 (ja) 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
EP1125898B1 (en) Optical glass for mold pressing and optical element
US9018114B2 (en) Optical glass
JP3798268B2 (ja) 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
US6743743B2 (en) Optical glass
JP4034589B2 (ja) 光学ガラス
JP4522392B2 (ja) 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
JPH05270853A (ja) 高分散性光学ガラス
JP4373688B2 (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、及び光学素子
JPH0492834A (ja) 精密プレス用光学ガラス
JPH01219036A (ja) 光学ガラス
JPS63265840A (ja) 光学ガラス
JP4881579B2 (ja) 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
US5607886A (en) Optical glass for mold pressing having softening capability at low temperature
JP3252152B2 (ja) 低融点光学ガラス及び光学製品
JPH07149536A (ja) 光学ガラス
JP3765594B2 (ja) 光学ガラス
JPS61163138A (ja) 高屈折率低分散の光学ガラス
JP3130245B2 (ja) 光学ガラス
JP3608744B2 (ja) 低融点光学ガラス
JP3034427B2 (ja) モールドプレス用低温軟化性光学ガラス
JPH06144868A (ja) 光学ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees