JP3608509B2 - ドアミラー取付部のシール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のフロントドア等の側面に取り付けられるドアミラーに関し、とりわけドアミラー取付部のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両等の窓枠等に用いられるシール構造に関しては、特公平7−84134号公報に示されているものが知られているが、前記従来のシール構造を用いたものでは、ドアミラーの取付部近傍において、ミラーベース部が車両側部の一般面(例えばドア,ウインドウ,フロントピラー等の外面)よりも側方に突出してしまい、見栄えが悪くなってしまういう問題があり、また、車両側部をフラットにすることが難しく、デザイン上の制約ともなっていた。
【0003】
これらを解決するために、ドアミラー取付部のドアパネルを車室内側へとオフセットした構造が提案されており、例えば図4に示すようなものがある。
【0004】
図4は、ドアミラー1のミラーベース部1Aの前端部における断面図(図1(b)の断面A−A相当)を示している。該ドアミラー1は、そのミラーベース部1Aをドアパネル2に取り付けられており、これらミラーベース部1Aとドアパネル2との間にはシール部材3が設けられている。このドアパネルの取付面2Aの位置(X2)は、前述したように車両側部の一般面の位置(Y2)から所定量(t2)だけ車室内側へとオフセットさせてある。
【0005】
4は、ドアパネル2とフロントピラー5との間をシールするウェザーストリップを示している。該ウェザーストリップ4は、ドアパネル2の縁部に設けられた取付部2Bに取り付けるための基部4Aと、フロントピラー5に当接する第1シール部4Bと、この第1シール部よりも車外側の端部でフロントピラー5に設けたモール6に当接する第2シール部とを備えている。
【0006】
なお、図中7は、モール6に設けられ、該モール6とフロントピラー5との間の隙間を埋めるゴムシールである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような図4に示す構造によれば、ドアミラー1のミラーベース部1Aと、フロントピラー5との間、より具体的にはミラーベース部1Aの前部とフロントピラー5に設けたモール6との間に図4に示すように凹部8ができてしまうため、車両走行時の車両側部の空気の流れが矢印(b)に示すように、該凹部8で渦が発生して、風切り音が起きてしまうという問題があった。
【0008】
また、この凹部8に発生した渦状の空気の流れによって、ウェザーストリップ4の第2シール部4C部分等の端部が図4中の仮想線に示すようにシール面から剥離してそこから空気が侵入して風切り音を発生したり、この剥離現象を繰り返す(バタつく)ことによって該端部が波打って見栄えが悪くなってしまうという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は走行時の風切り音等を防止すると共に、見栄えを向上することのできるドアミラー取付部のシール構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、ドアの側面に取り付けられるドアミラー取付部のシール構造であって、ドアパネルに取り付けられるミラーベース部と、該ミラーベース部と前記ドアパネルとの間に設けられるシール部材と、前記ドアパネルに設けられ、該ドアパネルとフロントピラーとの間をシールするウェザーストリップとを備え、前記ミラーベース部を取り付けるドアパネルの取付面を、ドアミラー取付部以外の一般面よりも所定量車室内側にオフセットしてあると共に、前記シール部材を、ミラーベース部よりも前方に位置する、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分まで延設し、該延設部によってミラーベース部とフロントピラーとの間を閉塞し、該ウェザーストリップがフロントピラーに当接するシール部分近傍で、かつ、該ウェザーストリップをフロントピラーに押し付ける方向に当接させるとともに、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分におけるウェザーストリップの外形線が、ドアミラー取付部とそれ以外の一般部とで略連続して見えるように、ウェザーストリップの外形線よりもミラーベース部側で当接させたことを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、前記ミラーベース部を取り付けるドアパネルの取付面を、ドアミラー取付部以外の一般面よりも所定量車室内側にオフセットしてあるため、ミラーベース部の車両側方への張り出しを抑え、外観上の見栄えを向上することができると共に、前記シール部材を、ミラーベース部よりも前方に位置する、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分まで延設し、該延設部によってミラーベース部とフロントピラーとの間を閉塞してあるため、このようにミラーベース部が取り付けられるドアパネルの取付面を、一般面よりも所定量車室内側にオフセットしてあっても、ドアミラーのミラーベース部とフロントピラーとの間の車両走行時における車両側部の空気の流れをスムーズなものとし、風切り音を防止することができる。
【0014】
また、このように空気の流れがスムーズになることでウェザーストリップの端部がシール面から剥離するのを抑えられるので、剥離部分から空気が侵入して発生する風切り音を防止することができる。また、この剥離現象を繰り返す(バタつく)ことによって該端部が波打つこともなく、見栄えを向上することができる。
【0015】
また、前記延設部を、前記ウェザーストリップがフロントピラーに当接するシール部分近傍で、かつ、該ウェザーストリップをフロントピラーに押し付ける方向に当接させてあるため、ウェザーストリップの端部がシール面から剥離するのをより確実に抑えることができる。
【0016】
さらに、前記延設部を、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分におけるウェザーストリップの外形線が、ドアミラー取付部とそれ以外の一般部とで略連続して見えるように、ウェザーストリップの外形線よりもミラーベース部側で当接させてあるため、前記延設部がウェザーストリップの外形線から突出せず、外観上の見栄えを向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、前記従来の構造と同一部分に同一符号を伏し、図面と共に詳述する。
【0018】
図1〜3は、本発明を適用したドアミラー取付部のシール構造を適用した車両10を示している。なお、図1(a)は車両側部を示す斜視図、(b)は(a)の鎖線で囲んだ本発明の要部を示す拡大図である。また、図2は本発明の要部であるドアミラー取付部の断面を示す図1のA−A断面図を示し、図3は一般部を示す図1のB−B断面図である。
【0019】
1は、ドア11の側面に設けられたドアミラーを示しており、該ドアミラー1は、そのミラーベース部1Aをドアパネル2に公知の方法によって取り付けてある。これらミラーベース部1Aとドアパネル2との間にはシール部材3が設けられていて、該シール部材3は前記ミラーベース部1Aと共にドアパネル2に取り付けられている。このドアパネルの取付面2Aの位置(X1)は、本実施形態においても前述した従来構造同様、ドア11,ウインドウ,フロントピラー5等の外形面である車両側部の一般面の位置(Y1)から所定量(t1)だけ車室内側へとオフセットさせて、ドアミラー1の取付部近傍において、ミラーベース部1Aがこの一般面の位置(Y1)よりもあまり側方に突出して外観上の見栄えに影響しないようにしてある。
【0020】
4は、ドアパネル2とフロントピラー5との間をシールするウェザーストリップを示している。該ウェザーストリップ4は、ドアパネル2の縁部に設けられた取付部2Aに取り付けるための基部4Aと、フロントピラー5に当接する第1シール部4Bと、この第1シール部よりも車外側の端部でフロントピラー5に設けたモール6に当接する第2シール部とを備えている。
【0021】
前記モール6は、フロントピラー5に複数箇所に亘って設けた取付孔5Aに係合部6Aを挿入係止することによってフロントピラー5の縁部に沿って設けてあり、このモール6には、該モール6とフロントピラー5との間の隙間を埋めるゴムシール7が設けてある。また、一般的に前記モール6は外観上の見栄え向上効果を狙ってメッキ処理等が施されたものが多く、このゴムシール7はメッキ処理の施されないモール6の裏側(車内側の隠れた部分)を隠す役目も果たしている。
【0022】
さらに、前記シール部材3には、ミラーベース部1Aよりも前方に延設部3Aが延設してある。この延設部3Aは、ミラーベース部1Aよりも前方のウェザーストリップ4の第2シール部4Cとフロントピラー5に設けたモール6とのシール部分まで延設してあり、該延設部3Aによってミラーベース部1Aとフロントピラー5に設けたモール6との間を閉塞している。
【0023】
特にこの実施形態では、この延設部3Aを、前記ウェザーストリップ4の端部である第2シール部4Cがフロントピラー5に設けたモール6に当接しているシール部分近傍で、この第2シール部4Cをモール6に押し付ける方向に当接させている。
【0024】
さらに、該延設部3Aを、前記ウェザーストリップ4の外形線Lが図1(b)に示すようにドアミラー1の取付部とそれ以外の一般部とで略連続して見えるように、ウェザーストリップ4の外形線Lよりもミラーベース部1A側で当接させている。
【0025】
つまり、ウェザーストリップ4の端部である第2シール部4Cは延設部3Aによって車室内側に必要以上に押されることなく、適度な付勢力でもってモール6に押し付けられている。
【0026】
なお、図3に示す一般部では、ドアパネル2の側面が一般面の位置(Y1)と略同じ位置にあり、ウェザーストリップ4の第2シール部4Cによってドアパネル2前部とフロントピラー5に設けたモール6との間を閉塞して、車両走行時における車両側部の空気の流れをスムーズなものとしている。
【0027】
以上の実施形態の構造によれば、前記ミラーベース部1Aを取り付けるドアパネル2の取付面2Aの位置(X1)を、ドアミラー1の取付部以外の一般面の位置(Y1)よりも所定量(t1)だけ車室内側にオフセットしてあるため、ミラーベース部1Aの車両側方への張り出しを抑え、外観上の見栄えを向上することができる。
【0028】
また、前記シール部材3を、ミラーベース部1Aよりも前方に位置する、ウェザーストリップ4とフロントピラー5とのシール部分である第2シール部4Cとモール6との当接部近傍まで延設し、該延設部3Aによってミラーベース部1Aとフロントピラー5に設けたモール6との間を閉塞してあるため、このようにミラーベース部1Aが取り付けられるドアパネルの取付面2Aの位置(X1)を、一般面の位置(Y1)よりも所定量(t1)だけ車室内側にオフセットしてあっても、ドアミラー1のミラーベース部1Aとフロントピラー5との間の車両走行時における車両側部の空気の流れをスムーズなものとし、風切り音を防止することができる。
【0029】
また、このように空気の流れがスムーズになることでウェザーストリップ4の端部がシール面から剥離するのを抑えられるので、剥離部分から空気が侵入して発生する風切り音を防止することができるのに加え、この剥離現象を繰り返す(バタつく)ことによって該端部が波打つこともなく、見栄えを向上することができる。
【0030】
さらにこの実施形態によれば、これらの効果に加えて、前記延設部3Aを、前記ウェザーストリップ4がフロントピラー5に当接するシール部分近傍で、該ウェザーストリップ4をフロントピラー5に押し付ける方向に当接させてあるため、にウェザーストリップ4の端部がシール面から剥離するのをより確実に抑えることができる。
【0031】
しかも、部品の組み付け誤差や成形誤差等によって、図2の仮想線に示すように、ウェザーストリップ4とフロントピラー5との当接位置が車両によって多少変化していたとしても、前記延設部3Aを、前記シール部分近傍で、該ウェザーストリップ4をフロントピラー5に押し付ける方向に当接することにより、シールの確実性を高めることができる。
【0032】
また、前記延設部3Aを、前記シール部分におけるウェザーストリップ4の外形線Lが、ドアミラー1の取付部とそれ以外の一般部とで略連続して見えるように、ウェザーストリップ4の外形線Lよりもミラーベース部1A側で当接させてあるため、前記延設部3Aがウェザーストリップの外形線から突出せず、外観上の見栄えを向上することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、第2シール部4Cがフロントピラー5に設けたモール6に当接しているが、本発明としてはモール6を介さずにウェザーストリップがフロントピラーに直接当接していても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明を適用した車両の側部を示す斜視図、(b)本発明の要部を示す拡大図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面図。
【図4】従来の構造の一例を示す図2相当の断面図。
【符号の説明】
1 ドアミラー
1A ミラーベース部
2 ドアパネル
2A ドアパネルの取付面
3 シール部材
3A 延設部
4 ウェザーストリップ
5 フロントピラー
11 ドア
X1 取付面の位置
Y1 一般面の位置
t1 所定量
Claims (1)
- ドアの側面に取り付けられるドアミラー取付部のシール構造であって、
ドアパネルに取り付けられるミラーベース部と、
該ミラーベース部と前記ドアパネルとの間に設けられるシール部材と、
前記ドアパネルに設けられ、該ドアパネルとフロントピラーとの間をシールするウェザーストリップとを備え、
前記ミラーベース部を取り付けるドアパネルの取付面を、ドアミラー取付部以外の一般面よりも所定量車室内側にオフセットしてあると共に、
前記シール部材を、ミラーベース部よりも前方に位置する、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分まで延設し、該延設部によってミラーベース部とフロントピラーとの間を閉塞し、
前記延設部を、前記ウェザーストリップがフロントピラーに当接するシール部分近傍で、該ウェザーストリップをフロントピラーに押し付ける方向に当接させるとともに、ウェザーストリップとフロントピラーとのシール部分におけるウェザーストリップの外形線が、ドアミラー取付部とそれ以外の一般部とで略連続して見えるように、ウェザーストリップの外形線よりもミラーベース部側で当接させたことを特徴とするドアミラー取付部のシール構造。
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