JP3608199B2 - Ic間のインターフェースシステム、及びic - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FD(フロッピーディスク)、HD(ハードディスク)等の磁気記録駆動装置のディスクコントローラ用ICとディスクドライバ用IC間のインターフェースシステム、及びそのためのICに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、FD、HD等の磁気記録駆動装置のディスクコントローラ用ICとディスクドライバ用IC間の標準的なインターフェース(以下、I/F)は、図4に示されるように構成されていた。
【0003】
図4において、ディスクコントローラ用IC31の電源電圧は、第3電位系E3(=5v)の電位と第2電位系(グランド電位系)Egndの電位間の第2電源電圧V2(5v)が用いられている。そして、出力トランジスタとしてN型のMOSFETQ1が、I/F出力端子P1とグランド電位Egnd間に接続され、オープンドレイン形式とされている。なお、33は、IC31に内蔵されている他の回路であり、この図では第2電源電圧V2(5v)で駆動されるように示されているが、他の電圧(例えば3v)でもよい。
【0004】
ディスクドライバ用IC32の電源電圧は、第3電位系E3(=5v)の電位と第2電位系(グランド電位系)Egndの電位間の第2電源電圧V2(5v)が用いられている。第2電源電圧V2の5vは、IC32の内部回路電圧がより低い電圧例えば3vである場合でも、標準I/F電圧として使用されている。
【0005】
以下、ディスクコントローラ用IC31やディスクドライバ用IC32の電源電圧として、3v系を、第1電位系E1(=3v)の電位とグランド電位系Egndの電位間の第1電源電圧V1(=3v)とし、5v系を、第3電位系E3(=5v)の電位とグランド電位系Egndの電位間の第2電源電圧V2(=5v)とする。
【0006】
図4で、5vの第3電源電位E3がプルアップ抵抗R1を介してI/F入力端子P2に接続され、又、バッファB1の入力に接続される。このバッファB1は、入力用バッファであり、その動作電源はバッファB1の出力を受ける回路の動作電源電圧が第1電源電圧V1(3v)であるか第2電源電圧V2(5v)であるかによって、第1電源電位E1或いは第3電源電位E3とグランド電位Vgndとにより与えられる。なお、図では、第2電源電圧V2が与えられるものとして記載している。ダイオードD1、D2は、過電圧保護用ダイオードであり、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる正負の異常電圧を第3電源電位E3やグランド電位Egndに吸収する。なお、R2及びR3は、回路素子の保護抵抗であり、抵抗R2の抵抗値はプルアップ抵抗R1の抵抗値に比べて無視できる程度に小さく、また抵抗R2はバッファB1の入力に直列に入っているから入力電圧に影響しない。
【0007】
この構成で、I/F出力端子P1とI/F入力端子P2が接続され、N型MOSFETQ1が制御信号SIGに応じてオン又はオフされる。N型MOSFETQ1がオンされるとバッファB1の入力は低電位になり、また逆に、N型MOSFETQ1がオフされると第3電源電位E3にプルアップされバッファB1の入力は高電位になる。このようにして、ディスクコントローラ側の電源電圧が5vまたは3vのいずれであっても、ディスクドライバ側とのI/Fにおける電圧レベルが変換され、バッファB1の出力によりディスクドライバ側の内部回路が駆動される。なお、バッファB1の動作にヒステリシス特性を有している場合も多い。
【0008】
しかし、最近、ディスクコントローラ側の出力回路に、1/2インチ高さのFDD(フロッピーディスク駆動装置)の標準的なI/F形式であるプッシュプル出力形式も用いられる場合が生じ、ディスクドライバ用ICとしては図5のようにプッシュプル出力のI/F形式と接続される場合が出てきている。このプッシュプル出力形式を用いるようなディスクコントローラの電圧は、3v系での仕様のものが多い。図5は、ディスクコントローラ側の出力形式がCMOS形式の3v系の場合における、ディスクコントローラ側とディスクドライバ側間のI/F構成を示す図である。
【0009】
この図5において、ディスクコントローラ用IC41には、3v系の第1電源電圧V1が用いられる。第1電源電位E1とグランド電位Egnd間にP型MOSFETQ2とN型MOSFETQ1の直列回路からなるCMOS形式の出力回路が設けられている。ディスクドライバ用IC42は従来のICをそのまま用いることが多く、図4のIC32と同じである。
【0010】
制御信号SIGに応じてMOSFETQ1,Q2がオン/オフされる。N型MOSFETQ1がオン、P型MOSFETQ2がオフの状態では、図4の場合と同様であり、格別の問題はない。しかし、N型MOSFETQ1がオフ、P型MOSFETQ2がオンの場合には、I/F出力端子P1の電位、したがってバッファB1の入力電位は第1電源電位E1で約3vとなる。
【0011】
この場合、ディスクドライバ側の第3電源電位E3からプルアップ抵抗R1等を通してディスクコントローラ側の第1電源電位E1に電流が流れ込むから、プルアップ抵抗R1に余分な電力消費が発生することになる。また、P型MOSFETQ2がオンの状態で、IC42の電源をオフした場合には、プルアップ抵抗R1またはダイオードD1を介して、IC41からIC42に電源電圧が供給されてしまうという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、ディスクコントローラ側の出力回路が、低電位のプッシュプル形式の出力回路構成である場合にも不要な流入電流をなくし、かつオープンドレイン形式の出力回路構成の場合にも兼用することができる磁気記録駆動装置におけるディスクコントローラ用ICとディスクドライバ用IC間のインターフェースシステム及びそのためのディスクドライバ用ICを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のIC間のインターフェースシステムは、第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1が両端間に印加され、制御信号SIGに応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子P1を有する第1IC11と、
第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1を有し、入力信号が入力される入力端子P2と、この入力端子P2と前記第1電位系の電位E1との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードD3とプルアップ抵抗R1と、前記第1電源電圧V1よりも高い第2電源電圧V2を動作電源電圧とする内部回路14と、前記第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3と、前記入力端子P2の入力信号が入力され、前記内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1とを有する第2IC12からなり、
前記出力端子P1と前記入力端子P2とが接続されることを特徴とする。
【0014】
この請求項1記載のIC間のインターフェースシステムによれば、第1IC(例、ディスクコントローラ)の出力回路が、プッシュプル形式の場合でも、第2IC(例、ディスクドライバ)の電位系を第1ICの電位系と等しくしているから、従来のように、プルアップ抵抗(プルダウン抵抗を含む。以下、同じ)を通して第1IC側に余分な電流が流れることはなくなる。したがって、プルアップ抵抗は、余分な電流が流れないから、その熱容量や面積を小さくできる。また、第1ICへの流入電流がなくなり、安定した動作が期待できる。
【0015】
また、入力端子方向に導通可能な極性に直列に接続したダイオードとプルアップ抵抗とを設けているから、第2ICの電源がオフされたり、その電位が低下しても第1ICからの逆電流は流れない。また、内部回路14は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3を備えるから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0016】
請求項2記載のIC間のインターフェースシステムは、第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1が両端間に印加され、制御信号SIGに応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子P1を有する第1IC21と、
第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1を有し、入力信号が入力される入力端子P2と、この入力端子P2と前記第1電位系の電位E1との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードD3とプルアップ抵抗R1と、前記第1電源電圧V1よりも高い第2電源電圧V2を動作電源電圧とする内部回路25と、前記第1電源電圧V1を前記第2電源電圧V2から形成する電圧調整回路REGと、前記入力端子P2の入力信号が入力され、前記内部回路25を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1とを有する第2IC22からなり、
前記出力端子P1と前記入力端子P2とが接続されることを特徴とする。
【0017】
この請求項2のIC間のインターフェースシステムによれば、請求項1におけると同様に逆電流は流れない。また、内部回路14は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を電圧調整回路REGで第2電源電圧V2から形成するから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0018】
請求項3記載のIC間のインターフェースシステムは、請求項1または2に記載のIC間のインターフェースシステムにおいて、前記第2ICは、前記入力端子P2と、前記第2電位系の電位Egndとの間に、前記入力端子P2へ印加される前記第2電位系の電位Egndよりも低い異常電圧を吸収するための保護用ダイオードD2を設けることを特徴とする。
【0019】
この請求項3のIC間のインターフェースシステムによれば、過電圧保護用ダイオードD2により、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収することができる。
【0020】
請求項4記載のICは、第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1を有し、入力信号が入力される入力端子P2と、この入力端子P2と前記第1電位系の電位E1との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードD3とプルアップ抵抗R1と、前記第1電源電圧V1よりも高い第2電源電圧V2を動作電源電圧とする内部回路14と、前記第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3と、前記入力端子P2の入力信号が入力され、前記内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1とを有することを特徴とする。
【0021】
この請求項4記載のICによれば、入力端子と第1電源電位系の電位との間に、入力端子方向に順方向接続されたダイオードとプルアップ抵抗とを有しているから、このICとインターフェースされる他のIC(例、ディスクコントローラ用IC)の出力回路が、プッシュプル形式の場合でも、オープンドレイン形式の場合でも、制御信号に応じて所望の動作が行われる。したがって、他のICの出力回路構成が異なっても、兼用することができる。また、第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3を備えるから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0022】
請求項5記載のICは、第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1が両端間に印加され、制御信号SIGに応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子P1を有する第1IC21と、
第1電位系の電位E1と第2電位系の電位Egnd間の第1電源電圧V1を有し、入力信号が入力される入力端子P2と、この入力端子P2と前記第1電位系の電位E1との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードD3とプルアップ抵抗R1と、前記第1電源電圧V1よりも高い第2電源電圧V2を動作電源電圧とする内部回路25と、前記第1電源電圧V1を前記第2電源電圧V2から形成する電圧調整回路REGと、前記入力端子P2の入力信号が入力され、前記内部回路25を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1とを有することを特徴とする。
【0023】
この請求項5記載のICによれば、請求項1におけると同様に他のICの出力回路構成が異なっても、兼用することができる。また、内部回路25は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を電圧調整回路REGで第2電源電圧V2から形成するから、内部回路25を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0024】
請求項6記載のICは、請求項4または5に記載のICにおいて、前記入力端子P2と、前記第2電位系の電位Egndとの間に、前記入力端子P2へ印加される前記第2電位系の電位Egndよりも低い異常電圧を吸収するための保護用ダイオードD2を設けることを特徴とする。
【0025】
この請求項6記載のICによれば、過電圧保護用ダイオードD2により、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の磁気記録駆動装置のディスクコントローラ用ICとディスクドライバ用IC間のインターフェースシステム、及びそのためのICの実施の形態について説明する。
【0027】
図1は本発明の磁気記録駆動装置のディスクコントローラ用ICとディスクドライバ用IC間のインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるディスクコントローラ用IC11とディスクドライバ用IC12を示す図である。
【0028】
図1において、ディスクコントローラ用IC11は、図5で説明したIC41と同じであり、3v系の第1電源電圧V1が用いられる。そして、第1電源電位E1とグランド電位Egnd間にP型MOSFETQ2とN型MOSFETQ1の直列回路からなるCMOS形式のプッシュプル型出力回路が設けられている。なお、13は、IC11に内蔵されている他の回路であり、この図では第1電源電圧V1(3v)で駆動されるように示されているが、他の電圧でもよい。
【0029】
一方、ディスクドライバ用IC12の入力回路には、ディスクコントローラ用IC11と同じ3v系の第1電源電圧V1が用いられる。そして、第1電源電位E1とI/F入力端子P2との間に、ダイオードD3がI/F入力端子P2の方向に電流が流れ得る方向(即ち、順方向)に、ポリシリコン等で構成されたプルアップ抵抗R1と直列に設けられている。ダイオードD2は、過電圧保護用ダイオードであり、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収する。R2及びR3は、図4で説明したと同様である。
【0030】
また、ヒステリシス特性を有するバッファB1の動作電源電圧は、バッファB1の出力を受ける内部回路の動作電源電圧が第1電源電圧V1である場合には、第1電源電位E1とグランド電位Egndにより与えられ、その閾値はほぼ第1電源電位E1とグランド電位Egndの中間電位に設定されている。したがって、このバッファB1が通常のように、CMOS形式で構成されるときには、P型MOSFETとN型MOSFETは、従来のように入力スレッショルド電圧Vthを極端に低く設定しなければならない場合に比べて、その面積比をアンバランスにする必要がなく、最小サイズのMOSFETを用いることができるから、ICの内部レイアウトの省スペース化が図れる。なお、バッファB1の出力を受ける内部回路の動作電源電圧が第2電源電圧V2である場合には、バッファB1の動作電源電圧は第3電源電位E3とグランド電位Egndにより与えられるようにすればよい。
【0031】
なお、14は、IC12に内蔵されている他の回路であり、この図では第2電源電圧V2(5v)で駆動されるように示されているが、他の電圧、例えば第1電源電圧V1(3v)でもよい。回路14の動作電圧が第2電源電圧V2(5v)の場合には、IC12に第1電源電圧V1(3v)を外部から取り込むための電源端子P3を設けることになる。
【0032】
次に、このインターフェースシステムにおいて、ディスクコントローラ用IC11のI/F出力端子P1とディスクドライバ用IC12のI/F入力端子P2とを接続した場合について説明する。
【0033】
制御信号SIGがHレベルで、N型MOSFETQ1がオンすると、N型MOSFETQ1のオン抵抗はプルアップ抵抗R1や保護抵抗R2に比べて十分に小さいので、I/F入力端子P2には低レベルの信号が入力され、バッファB1の入力スレッショルド電圧を十分に下回るので、バッファB1からは低レベルの出力が内部回路に供給される。
【0034】
制御信号SIGがLレベルで、P型MOSFETQ2がオンすると、I/F入力端子P2には高レベル(V1=3v)が入力される。このとき、バッファB1の駆動電源電圧は第1電源電圧V1でありその入力スレッショルド電圧Vthは十分低いので、バッファB1の閾値を十分に上回り、バッファB1からは高レベル出力が内部回路に供給される。
【0035】
この実施の形態では、ディスクコントローラ用IC11の第1電源電圧V1に合わせて、ディスクドライバ用IC12の入力回路の電源電圧を等しくしているから、従来のように、プルアップ抵抗R1を通してディスクドライバ側からディスクコントローラ側に余分な電流が流れることはなくなる。したがって、プルアップ抵抗R1は、その熱容量や面積を小さくできる。また、I/F入力端子P2の方向に導通可能な極性に直列に接続したダイオードD3とプルアップ抵抗R1とを設けているから、例えディスクドライバ側の電位が低下してもディスクコントローラ側からの逆電流は流れない。
【0036】
ダイオードD2は、過電圧保護用ダイオードであり、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収する。また、正の異常電圧を吸収するための専用のダイオードは設けられていないが、逆流防止用ダイオードD3のアバランシェ作用により、正の異常電圧はダイオードD3を介して第1電源電位E1に吸収される。
【0037】
さらに、図1におけるディスクドライバ用IC12は、ディスクコントローラ用IC11がプッシュプル型出力回路を有するものの外、図2に示されるようなオープンドレイン型の出力回路を有するIC11Aである場合にもそのまま適用することができる。この図2の構成は図4のIC31と同様のものである。
【0038】
図2のI/F出力端子P1とI/F入力端子P2とが接続され、制御信号SIGに応じてN型MOSFETQ1がオンされると、I/F入力端子P2の電位、即ちバッファB1の入力電位は低電位になる。逆に、N型MOSFETQ1がオフされるとバッファB1の入力電位は、ダイオードD3及びプルアップ抵抗R1により第1電源電位E1−Vfにプルアップされるので、バッファB1の入力電位は高レベルと判定される。なお、Vfは、ダイオードD3の順方向降下電圧である。したがって、バッファB1は入力電位に応じて出力を発生し、ディスクドライバ用IC12の内部回路が駆動される。
【0039】
なお、ディスクコントローラ用IC11Aは、1端が第1電源電位E1に接続されたP型MOSFETによるオープンドレイン形式の出力形式の場合には、ディスクドライバ用IC12においてプルダウンできるように、ダイオードD2、D3及び抵抗R1を逆の配置構成とすればよい。
【0040】
このように、IC12は、ディスクコントローラ用IC11,11Aの出力回路が、プッシュプル形式の出力回路であっても、またオープンドレイン形式であっても、兼用して、ディスクコントローラ側とディスクドライバ側とのI/Fを取ることができる。
【0041】
図3は、図1のインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるディスクコントローラ用IC11とディスクドライバ用IC12において、ディスクドライバ用IC12に電圧調整回路REGを設けたものである。なお、24は、IC11に内蔵されている第1電源電圧V1(3v)で駆動される他の回路であり、また、25は、第2電源電圧V2(5v)で駆動される他の回路である。
この電圧調整回路REG、他の回路24,25以外の点は、図1と同様である。
【0042】
この電圧調整回路REGは、第1電源電圧V1(3v)を、第2電源電圧V2(5v)から電圧調整して得るものである。この電圧調整回路REGにより、第2電源電圧V2が変動したとしても、第1電源電圧V1を安定させることができる。これにより、バッファB1の入力特性を向上させることができる。
【0043】
以上の実施の形態では、出力回路としてMOSFETを用いることとして説明しているが、バイポーラトランジスタを使用することもできる。この場合、例えば、NPN型バイポーラトランジスタを用いれば、オープンコレクタ出力となる。また、バッファB1は、ヒステリシス特性を有するものについて示しているが、その他の特性のものでも構わない。
【0044】
また、以上の説明では、ディスクコントローラ用ICからの制御信号に応じてディスクドライバ用ICを制御するとととして説明したが、その逆に、ディスクドライバ用ICからの制御信号に応じてディスクコントローラ用ICを制御する場合にも、同様に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載のIC間のインターフェースシステムによれば、第1IC(例、ディスクコントローラ)の出力回路が、プッシュプル形式の場合でも、第2IC(例、ディスクドライバ)の電位系を第1ICの電位系と等しくしているから、従来のように、プルアップ抵抗(プルダウン抵抗を含む。以下、同じ)を通して第1IC側に余分な電流が流れることはなくなる。したがって、プルアップ抵抗は、余分な電流が流れないから、その熱容量や面積を小さくできる。また、第1ICへの流入電流がなくなり、安定した動作が期待できる。
【0046】
また、入力端子方向に導通可能な極性に直列に接続したダイオードとプルアップ抵抗とを設けているから、第2ICの電源がオフされたり、その電位が低下しても第1ICからの逆電流は流れない。また、内部回路14は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3を備えるから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0047】
請求項2のIC間のインターフェースシステムによれば、請求項1におけると同様に逆電流は流れない。また、内部回路14は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を電圧調整回路REGで第2電源電圧V2から形成するから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0048】
請求項3のIC間のインターフェースシステムによれば、過電圧保護用ダイオードD2により、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収することができる。
【0049】
請求項4記載のICによれば、入力端子と第1電源電位系の電位との間に、入力端子方向に順方向接続されたダイオードとプルアップ抵抗とを有しているから、このICとインターフェースされる他のIC(例、ディスクコントローラ用IC)の出力回路が、プッシュプル形式の場合でも、オープンドレイン形式の場合でも、制御信号に応じて所望の動作が行われる。したがって、他のICの出力回路構成が異なっても、兼用することができる。また、第1電源電圧V1を取り込むための電源端子P3を備えるから、内部回路14を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0050】
請求項5記載のICによれば、請求項1におけると同様に他のICの出力回路構成が異なっても、兼用することができる。また、内部回路25は、第2IC本来の高い第2電源電圧V2を動作電源電圧として動作できる。また、第1電源電圧V1を電圧調整回路REGで第2電源電圧V2から形成するから、内部回路25を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路B1を、低い第1電源電圧V1で駆動することができる。したがって、バッファの駆動電源が、インターフェースの電源電圧と同じであるから、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lを大幅に変更しなくてもバッファの入力スレッショルド電圧をほぼ中点電位に設定できる。したがって、バッファの構成を簡単にでき、省スペース化することができる。
【0051】
請求項6記載のICによれば、過電圧保護用ダイオードD2により、I/F入力端子P2に印加される静電気などによる負の異常電圧をグランド電位Egndに吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるICを示す図。
【図2】本発明のインターフェースシステムに用いられるICを示す図。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるICを示す図。
【図4】従来のインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるICを示す図。
【図5】従来の他のインターフェースシステムと、そのシステムに用いられるICを示す図。
【符号の説明】
11、11A、21、31、41 ディスクコントローラ用IC
12、22、32、42 ディスクドライバ用IC
13、13A、14、23、24,25、33、43 他の回路
P1 I/F出力端子
P2 I/F入力端子
P3 電源入力端子
V1 第1電源電圧(3v)
V2 第2電源電圧(5v)
E1 第1電源電位
Egnd 第2電源電位(グランド電位)
E3 第3電源電位
R1 プルアップ抵抗
R2、R3 保護抵抗
D1、D2、D3 ダイオード
B1 バッファ
Q1 N型MOSFET
Q2 P型MOSFET
Claims (6)
- 第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧が両端間に印加され、制御信号に応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子を有する第1ICと、
第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧を有し、入力信号が入力される入力端子と、この入力端子と前記第1電位系の電位との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードとプルアップ抵抗と、前記第1電源電圧よりも高い第2電源電圧を動作電源電圧とする内部回路と、前記第1電源電圧を取り込むための電源端子と、前記入力端子の入力信号が入力され、前記内部回路を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路とを有する第2ICからなり、
前記出力端子と前記入力端子とが接続されることを特徴とする、IC間のインターフェースシステム。 - 第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧が両端間に印加され、制御信号に応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子を有する第1ICと、
第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧を有し、入力信号が入力される入力端子と、この入力端子と前記第1電位系の電位との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードとプルアップ抵抗と、前記第1電源電圧よりも高い第2電源電圧を動作電源電圧とする内部回路と、前記第1電源電圧を前記第2電源電圧から形成する電圧調整回路と、前記入力端子の入力信号が入力され、前記内部回路を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路とを有する第2ICからなり、
前記出力端子と前記入力端子とが接続されることを特徴とする、IC間のインターフェースシステム。 - 前記第2ICは、前記入力端子と、前記第2電位系の電位との間に、前記入力端子へ印加される前記第2電位系の電位よりも低い異常電圧を吸収するための保護用ダイオードを設けることを特徴とする、請求項1または2に記載のIC間のインターフェースシステム。
- 第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧を有し、入力信号が入力される入力端子と、この入力端子と前記第1電位系の電位との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードとプルアップ抵抗と、前記第1電源電圧よりも高い第2電源電圧を動作電源電圧とする内部回路と、前記第1電源電圧を取り込むための電源端子と、前記入力端子の入力信号が入力され、前記内部回路を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路とを有することを特徴とするIC。
- 第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧が両端間に印加され、制御信号に応じてオン/オフ制御されるプッシュプル形式の出力回路と、その出力信号を出力する出力端子を有する第1ICと、
第1電位系の電位と第2電位系の電位間の第1電源電圧を有し、入力信号が入力される入力端子と、この入力端子と前記第1電位系の電位との間に、プルアップ可能な極性に直列に接続されたダイオードとプルアップ抵抗と、前記第1電源電圧よりも高い第2電源電圧を動作電源電圧とする内部回路と、前記第1電源電圧を前記第2電源電圧から形成する電圧調整回路と、前記入力端子の入力信号が入力され、前記内部回路を駆動するための出力信号を発生するバッファ回路とを有することを特徴とするIC。 - 前記入力端子と、前記第2電位系の電位との間に、前記入力端子へ印加される前記第2電位系の電位よりも低い異常電圧を吸収するための保護用ダイオードを設けることを特徴とする、請求項4または5に記載のIC。
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