JP3607247B2 - 車載通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載された車載通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載ナビゲーション装置の普及に伴い、渋滞、交通規制などの交通情報を入手する手段としてのVICS(Vehicle Information & communication System)機器が普及している。また、近距離無線通信としてブルートゥース(Bluetooth)方式の通信機能を備えた携帯電話等の通信機器の普及が見込まれており、この通信機器が車室内に持ち込まれる機会が増えると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、VICSの交通情報を入手する媒体の1つである電波ビーコンの送信周波数は、2.4997GHz、ブルートゥース方式の電波の周波数は、2.4GHz帯であり、双方の電波の周波数が近寄っている。
【0004】
従って、電波ビーコンから交通情報を受信することと同時に、車室内でブルートゥース方式の通信を行うと、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式の電波とが相互干渉する場合がある。このことにより、電波ビーコンからの受信において、通信エラーが生じたり、ブルートゥース方式の通信にも、通信エラーが生じることがある。
【0005】
ここで、電波ビーコンから送信される交通情報は、電波ビーコンの設置場所によって異なる。従って、ある電波ビーコンからの交通情報の受信において、一度、通信エラーが生じると、二度と同一内容の交通情報を得ることができないといった問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、電波の相互干渉による通信エラーを抑制して路上機から好適な電波受信が可能な車載通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、車両が路上機に対して第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信の制御をして第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、車両が路上機に対して第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、通信機の通信の制御をして第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、制御手段を、通信機の通信の制御状況を報知手段に報知させるように構成していることにより、使用者が制御状況を知ることができ、制御状況(例えば、通信機の通信が禁止されること)によって使用者が混乱することを未然に防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、車両が路上機に対して第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、通信機の通信の制御をして第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、制御手段による通信機の通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段を有するように構成していることにより、制御手段による通信機の通信制御を、必要に応じて、実行させることができる。
【0008】
請求項に記載の発明のように、路上機として高速道路に設置された電波ビーコンを適用することは好ましい。
【0009】
ここで、車両が一般道を走行中に高速道路に設置された電波ビーコンからの第2の電波を受信した場合には、第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とする必要がない。このため、請求項に記載の発明のように構成することは好ましい。
【0010】
請求項に記載の発明によれば、車両が路上機に近づき路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に、制御手段は、通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。
請求項7に記載の発明によれば、車両が路上機に近づき路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に、制御手段は、通信機の通信を制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、通信機の通信の制御状況を報知手段に報知させるように構成していることにより、使用者が制御状況を知ることができ、制御状況(例えば、通信機の通信が禁止されること)によって使用者が混乱することを未然に防止できる。
請求項8に記載の発明によれば、車両が路上機に近づき路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に、制御手段は、通信機の通信を制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、制御手段による通信機の通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段を有するように構成していることにより、制御手段による通信機の通信制御を、必要に応じて、実行させることができる。
【0011】
ここで、「所定距離」とは、車両が路上機に近づく場合に、第1の電波と第2の電波が相互干渉すると想定され得る車両と路上機との間の距離のことである。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、車両が路上機の設置位置を通過後該路上機から遠ざかり該路上機の設置位置から第2の所定距離に達した際に、制御手段は、車両が路上機に近づいて路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に実行した通信機の通信の制御を解除するので、車両が路上機の設置位置から第2の所定距離に達した際には、通信機の通信を再開できる。
【0013】
請求項10に記載の発明のように、路上機として高速道路に設置された電波ビーコンを適用することは好ましい。
【0014】
請求項11に記載の発明によれば、車両が一般道を走行中に電波ビーコンからの第1の電波を受信した場合、車両が路上機に近づき路上機の設置位置手前側所定距離に達した際であっても制御手段による通信機の通信の制御を行わないように構成することは好ましい。
【0015】
請求項12に記載の発明では、車両が路上機に近づくにつれて変化する第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に、制御手段は、通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。
請求項13に記載の発明では、車両が路上機に近づくにつれて変化する第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に、制御手段は、通信機の通信を制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、通信機の通信の制御状況を報知手段に報知させるように構成していることにより、使用者が制御状況を知ることができ、制御状況(例えば、通信機の通信が禁止されること)によって使用者が混乱することを未然に防止できる。
請求項14に記載の発明では、車両が路上機に近づくにつれて変化する第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に、制御手段は、通信機の通信を制御して第1の電波と第2の電波との相互干渉が回避される状態とするため、請求項1〜3に記載の発明と同様に、電波の相互干渉による通信エラーを抑制でき、路上機から好適な電波受信が可能になる。また、制御手段による通信機の通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段を有するように構成していることにより、制御手段による通信機の通信制御を、必要に応じて、実行させることができる。
【0016】
ここで、「所定値」とは、第1の電波と第2の電波が相互干渉すると想定され得る第1の電波の電界強度の値、若しくは、第1の電波を受信可能となる電波の値のことである。
【0017】
また、請求項15に記載の発明のように、路上機として高速道路に設置された電波ビーコンを適用することは好ましい。
【0018】
請求項16に記載の発明のように、車両が一般道を走行中に電波ビーコンからの第2電波を受信した場合、車両が路上機に近づくにつれて変化する第1の電波の電界強度が所定値以上である場合であっても制御手段による通信機の通信の制御を行わないように構成することは好ましい。
【0019】
請求項17に記載の発明のように、第2の電波としてブルートゥース方式(近距離無線通信技術)による通信電波を適用することは好ましい。
【0023】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する一実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態の車載通信システムを示す。図1は、車載通信システムの構成を示すブロック図である。
【0025】
車載通信システムは、車載ナビゲーション装置10、携帯電話20、及び、パーソナルコンピュータ30から構成されている。車載ナビゲーション装置10は、位置検出部11、地図データ読み取り部12、表示部13、音声出力部14、操作部15、電波ビーコン受信部16、外部機器通信部17、制御部18、及び、メモリ部19から構成されている。
【0026】
位置検出部11は、ジャイロスコープ、車速センサ、GPS受信機等を有して、自動車(車両)の現在位置を検出する。また、地図データ読み取り部12は、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等の地図ディスクから地図データを読み取る。ここで、地図データには、電波ビーコンの設置位置が、予め登録されている。
【0027】
表示部13は、例えば、地図等を表示するための液晶ディスプレイ等であり、音声出力部14は、スピーカであって、走行案内のための音声や画面操作の説明のために音声を発する。
【0028】
操作部15は、ナビゲーションに必要な各種操作を行うためのスイッチ群を有する。これらスイッチ群は、表示部13と一体になったタッチスイッチ、および表示部13の画面周囲に配置されたメカニカルなスイッチ等からなる。なお、操作部14として、リモコンを採用してもよい。
【0029】
電波ビーコン受信部16は、路上(主として高速道路)に設定された電波ビーコンから交通情報を電波を媒体として取得するための、受信アンテナ及び受信部を有する。受信部は、電波ビーコンからの受信信号を受信アンテナを介して受信するとともに、この受信された受信信号にCRCチェック等の処理を施して制御部18に出力する。
【0030】
外部機器通信部17は、ブルートゥース方式で無線通信するためのアンテナ及び無線部であって、車室内に配置された携帯電話(携帯端末)20及びパーソナルコンピュータ30と無線通信を行うために採用されている。
【0031】
制御部18は、主にマイクロコンピュータから構成されて、位置検出部11によって取得された現在位置を含む地図データを地図データ読み取り部12から取得して表示部13に出力するための処理を行う。また、制御部18は、後述するように、当該自動車と電波ビーコンとの距離に応じて、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30の間でブルートゥース方式の通信を禁止するための処理を行う。
【0032】
メモリ部19は、フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)、SRAM等から構成されており、フラッシュメモリは、コンピュータプログラムを記憶する。SRAMは、コンピュータプログラムの実行に伴う各種データを格納する。また、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30は、ブルートゥース方式の電波を送受信するためのアンテナ及び無線部をそれぞれ有する。
【0033】
以下、本実施形態の作動について説明する。車載ナビゲーション装置10において、制御部18は、図2に示すフローチャートに従って、所定のプログラムを実行する。このプログラムは、当該自動車の運転中に実行される。
【0034】
先ず、位置検出部11によって検出された自動車の現在位置を取得する(ステップ100)。この取得された現在位置と、地図ディスクから地図データ読み取り部12介して取得した地図データとに応じて、自動車が電波ビーコン(路上機)に近づいているか否かを判定する(ステップ110)。ここで、自動車の走行道路の進行方向において、自動車が電波ビーコンに近づき電波ビーコンの設置位置手前側所定距離に達した際に、すなわち、自動車が電波ビーコンに対してこの電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式による通信電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、自動車が電波ビーコンに近づいていることを判定する。
【0035】
ここで、所定距離とは、電波ビーコンからの電波が十分受信可能な範囲として通常、電波ビーコンの設置位置の前後35mとして設定されるが、電波ビーコン受信部16の性能によっては、電波ビーコンからの電波が受信し得る範囲を考慮してその設置位置の前後300m(程度まで)として設定することができる。
【0036】
そして、上述のごとく、自動車が電波ビーコンに近づいていることを判定すると(ステップ110:YES)、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信を禁止させるための禁止信号を外部機器通信部17に出力する(ステップ120)。これにより、外部機器通信部17は、禁止信号を電波を媒体として送信することになる。
【0037】
従って、携帯電話20がアンテナ及び無線部を介して禁止信号を受信すると、ブルートゥース方式の通信を新たに行わないようになる。さらに、パーソナルコンピュータ30がアンテナ及び無線部を介して禁止信号を受信すると、ブルートゥース方式の通信を新たに行わないようになる。このことにより、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30の通信の制御をして、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式による通信電波との相互干渉が回避される状態とすることになる。その後、電波ビーコン受信部16が電波ビーコンから電波を媒体として交通情報を受信すると、この受信された交通情報を表示部13に表示させることになる。
【0038】
次に、位置検出部11によって検出された自動車の現在位置を取得する(ステップ130)。この取得された現在位置と、地図ディスクから地図データ読み取り部12介して取得した地図データとに応じて、自動車が電波ビーコンから遠ざかっているか否かを判定する(ステップ140)。ここで、自動車が電波ビーコンの設置位置を通過後該電波ビーコンの設置位置から所定距離(第2の所定距離)に達した際に、すなわち、電波ビーコンの設置位置を中心とする所定距離範囲から自動車が離れている場合には、自動車が電波ビーコンから遠ざかっていることを判定する。ここで、所定距離は上述した通りの値に設定されている。
【0039】
そして、自動車が電波ビーコンから遠ざかっていることを判定すると(ステップ140:YES)、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信禁止を解除するための解除信号を、外部機器通信部17に出力する(ステップ150)。これにより、外部機器通信部17は、解除信号を電波を媒体として送信することになる。
【0040】
そして、携帯電話20が解除信号を受信すると、携帯電話20におけるブルートゥース方式の通信禁止が解除される。さらに、パーソナルコンピュータ30が解除信号を受信すると、パーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信禁止が解除される。すなわち、自動車が電波ビーコンに近づいて電波ビーコンの設置位置手前側所定距離に達した際に実行した携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30の通信の制御が解除されることになる。
【0041】
以上説明したように本実施形態によれば、電波ビーコンに自動車が近づいた場合には、制御部18が、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信を禁止させる制御を行う。このため、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信を禁止させることができ、電波ビーコンから電波を受信する際に、ブルートゥース方式の通信の電波による通信エラーの発生を抑制できる。
【0042】
また、自動車が電波ビーコンから遠ざかっている場合には、制御部18は、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信禁止を解除させる制御を行う。このため、ブルートゥース方式の通信禁止が解除させることができ、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30が、不都合無く、ブルートゥース方式の通信を行うことができる。
【0043】
ところで、電波ビーコンは主として高速道路に設置され高速道路に関する交通情報を提供している。よって、自動車が一般道を走行中に電波ビーコンからの漏れ電波にて交通情報を受けても、この交通情報は不要な情報であると言える。
【0044】
しかし、高速道路と一般道が並走する地域の場合にあっては、一般道を走行中に、高速道路の電波ビーコンから不要な電波を受信してしまうことがある。この場合、一般道を走行していることが車載ナビゲーション装置10側で認識できれば、本案に係る通信の制御は必要ない。車載ナビゲーション装置10は、位置検出部11によって現在位置を検出し、マップマッチング等によって走行中の道路上に精度良く位置補正できるため、現在走行中の道路種別から特定できる。従って、自動車が一般道を走行中に電波ビーコンからの受信信号を受信した場合、自動車が電波ビーコンに近づき電波ビーコンの設置位置手前側の所定距離に達しても、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式の通信の電波との相互干渉を回避させるための制御及びその解除を好適に行うことができる。
【0045】
さらに、本発明の実施にあたり、制御部18による携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30の通信の制御(例えば、通信禁止及びその解除)を実行させるか否かを、操作部15の操作によって選択可能にするようにしてもよい。
【0046】
また、本発明の実施にあたり、制御部18は、自動車が電波ビーコンに近づいていることを判定したとき、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信を新たに行わないようにする旨(制御状況)を表示部13で表示させるようにしてもよい。また、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信を新たに行わないようにする旨(制御状況)を音声出力部14から音声出力させるようにしてもよい。このように、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信の制御状況を乗員に報知することができるので、ブルートゥース方式の通信を行わないようにする際に、乗員に混乱を招くことを未然に防ぐことができる。
【0047】
さらに、本発明の実施にあたり、制御部18は、自動車が電波ビーコンから遠ざかっていることを判定したとき、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30におけるブルートゥース方式の通信禁止を解除させる旨(制御状況)を表示部13で表示させるようにしてもよい。また、ブルートゥース方式の通信禁止を解除させる旨(制御状況)を音声出力部14から音声出力させてもよい。これにより、ブルートゥース方式の通信禁止を解除させる際に、乗員に混乱を招くことを未然に防ぐことができる。
【0048】
また、上記実施形態では、電波ビーコンに自動車が近づいている場合に、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30に対してブルートゥース方式の通信を新たに行わないようにした例について説明したが、これに限らず、以下のようにしてよい。
【0049】
すなわち、制御部18は、電波ビーコンに自動車が近づいていることを判定したとき既に携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)がブルートゥース方式の通信を行っている場合には、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信を中断させる制御を行う。
【0050】
すなわち、制御部18は、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信を中断させるための中断制御信号を外部機器通信部17に出力する。これにより、外部機器通信部17は、中断制御信号を電波を媒体として送信する。このため、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)は、中断制御信号を受信すると、ブルートゥース方式の通信を中断する。従って、電波ビーコンから電波を受信する際に、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式による通信電波との相互干渉が回避される状態となるので、ブルートゥース方式の通信の電波による通信エラーの発生を抑制できる。
【0051】
これに加えて、制御部18は、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)においてブルートゥース方式の通信が中断させる旨(制御状況)を音声出力部14から音声出力させる。これにより、ブルートゥース方式の通信を中断させる際、乗員に混乱を招くことを未然に防ぐことができる。また、ブルートゥース方式の通信が中断させる旨(制御状況)を表示部13で表示させるようにしてもよい。
【0052】
さらに、制御部18は、電波ビーコンから自動車が遠ざかっていることを判定した場合には、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信を再開させる制御を行う。
【0053】
すなわち、ブルートゥース方式の通信を再開させるための再開制御信号を外部機器通信部17に出力する。これにより、外部機器通信部17は、再開制御信号を電波を媒体として送信する。このため、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)は、再開制御信号を受信すると、ブルートゥース方式の通信を再開することができる。これに加えて、制御部18は、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信を再開させる旨を音声出力部14(或いは、表示部13)を介して乗員に通知する。
【0054】
また、このように、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)において、ブルートゥース方式の通信を中断、或いは再開させる場合に限らず、ブルートゥース方式の通信に係る送信電力を引下げるようにしてもよい。
【0055】
具体的には、制御部18は、電波ビーコンに自動車が近づいていることを判定した場合には、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)においてブルートゥース方式の通信の送信電力を引下げる制御を行う。
【0056】
すなわち、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信の送信電力を引下げるために、送信電力低下信号を外部機器通信部17に出力する。これにより、外部機器通信部17は、送信電力低下信号を電波を媒体として送信する。このため、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)は、送信電力低下信号を受信すると、ブルートゥース方式の通信の送信電力を引下げることになる。このため、電波ビーコンから電波を受信する際に、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式による通信電波との相互干渉が回避される状態となるので、ブルートゥース方式の通信の電波による通信エラーの発生を抑制できる。
【0057】
これに加えて、制御部18は、ブルートゥース方式の通信の送信電力を引下げる旨を音声出力部14(或いは、表示部13)を介して乗員に通知する。さらに、制御部18は、電波ビーコンから自動車が遠ざかっていることを判定した場合には、携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)におけるブルートゥース方式の通信に係る送信電力を元に戻す、すなわち、送信電力を復帰するために戻し制御信号を外部機器通信部17に出力する。これにより、外部機器通信部17は、戻し制御信号を電波を媒体として送信する。そして、ブルートゥース方式の通信の送信電力を元に戻す旨を音声出力部14(或いは、表示部13)を介して乗員に通知する。
【0058】
また、上記実施形態では、自動車が電波ビーコンに近づき電波ビーコンの設置位置手前側所定距離に達した際に、自動車が電波ビーコンに近づいていることを制御部18が判定する例について説明したが、これに限らず、自動車の走行中に、電波ビーコンからの電波の受信強度(電界強度)を計測して、この計測された受信強度を以下のように用いてもよい。
【0059】
先ず、電波ビーコンからの受信強度は、自動車が電波ビーコンに近づくにつれて変化するため、走行中に電波ビーコンからの電波の受信強度を計測する。この計測された受信強度が所定値以上であるならば、自動車が電波ビーコンに近づいていることを判定する。ここで、所定値とは、電波ビーコンからの電波とブルートゥース方式による通信電波とが相互干渉すると想定される電波ビーコンからの電波の値、若しくは、電波ビーコンからの電波を受信可能となる電波の値のことである。その後、電波ビーコンからの電波の受信強度を計測し、この計測された受信強度が所定値未満であるならば、自動車が電波ビーコンから遠ざかっていることを判定する。
【0060】
また、この電界強度と上述の所定距離との両方により自動車が電波ビーコンに近づいたり遠ざかったりする判定を行ってもよい。
【0061】
なお、上記実施形態では、地図ディスクの地図データに電波ビーコンの設置位置を登録させた例について説明したが、これに限らず、電波ビーコンの設置位置をメモリ部19に登録させておくようにしてもよい。この場合、操作部15を介して電波ビーコンの設置位置を登録するようにしてもよい。また、電波ビーコンの設置位置がインターネット上で公開されている場合には、パーソナルコンピュータ30(或いは、携帯電話20)を用いて電波ビーコンの設置位置をダウンロードするとともに、この電波ビーコンの設置位置をブルートゥース方式の通信にて車載ナビゲーション装置10に送信する。そして、車載ナビゲーション装置10では、制御部18が外部機器通信部17を介して電波ビーコンの設置位置を受信してこの受信された電波ビーコンの設置位置をメモリ部19に登録する。
【0062】
さらに、上記実施形態では、電波ビーコン受信部16としては、電波ビーコンからの電波を受け受信信号を出力する受信アンテナと、この受信された受信信号に受信処理を施す受信部とから構成されている例について説明したが、これに限らず、電波ビーコン受信部16としては、電波ビーコンからの電波を受け受信信号を出力する受信アンテナだけを採用して、制御部18が、受信アンテナから出力された受信信号に受信処理を施すようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ブルートゥース方式で無線通信する通信機として、携帯電話20及びパーソナルコンピュータ30を採用した例について説明したが、これに限らず、ブルートゥース方式で無線通信を行う通信機であれば、自動車電話、ハンズフリー装置等の各種の無線機に適用してもよい。
【0064】
また、本発明の実施にあたり、自動車が電波ビーコンに近づいていることを判定するために用いた所定距離と、自動車が電波ビーコンから遠ざかっていることを判定するために用いた所定距離とを同一にする場合に限らず、異なる距離に設定してもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態では、車載ナビゲーション装置10と携帯電話20(或いは、パーソナルコンピュータ30)との間においてブルートゥース方式の無線通信を行うようにした例について説明したが、これに限らず、ブルートゥース方式以外の無線通信を行うようにしてもよい。
【0066】
さらに、上記実施形態では、車載通信装置として車載ナビゲーション装置10を適用した例について説明したが、これに限らず、車載通信装置としては、車載ナビゲーション装置10以外のものに適用してもよい。
【0067】
なお、上述した実施形態と特許請求の範囲に記載した構成と対比して説明すると、車載通信システムは車載通信装置に相当し、電波ビーコンが路上機に相当し、電波ビーコンから送信される電波が第1の電波に相当し、ブルートゥース方式の通信の電波が第2の電波に相当し、電波ビーコン受信部16が受信手段に相当し、外部機器通信部17が通信機に相当し、制御部18が制御手段に相当し、表示部13、音声出力部14が報知手段に相当し、操作部15が操作手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載通信システム一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御部の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…車載ナビゲーション装置、16…電波ビーコン受信部、18…制御部、20…携帯電話、30…パーソナルコンピュータ。

Claims (17)

  1. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)とを有し、
    車両が前記路上機に対して前記第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、前記制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、前記通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信の制御をして、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とすることを特徴とする車載通信装置。
  2. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)と
    報知手段(13、14)とを有し、
    車両が前記路上機に対して前記第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき、前記制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、前記通信機の通信の制御をして、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とし、該通信機の通信の制御状況を前記報知手段に報知させることを特徴とする車載通信装置。
  3. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と
    車両が前記路上機に対して前記第1の電波と第2の電波とが相互干渉すると想定され得る位置にあるとき前記車両が前記路上機に近づいていることを判定し、前記通信機の通信の制御をして、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とする制御手段(18)と、
    前記制御手段による前記通信機の前記通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段(15)と
    を有することを特徴とする車載通信装置。
  4. 前記路上機は高速道路に設置された電波ビーコンであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車載通信装置。
  5. 前記車両が一般道を走行中に前記電波ビーコンからの前記第1の電波を受信した場合、前記車両が前記路上機に対して前記第1の電波と前記第2の電波が相互干渉すると想定され得る位置にあるときであっても前記制御手段による前記通信機の通信の制御を行わないことを特徴とする請求項に記載の車載通信装置。
  6. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)とを有し、
    車両が前記路上機に近づき前記路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に、前記制御手段は前記通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とすることを特徴とする車載通信装置。
  7. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)と
    報知手段(13、14)とを有し、
    車両が前記路上機に近づき前記路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に、前記制御手段は前記通信機の通信を制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とし、該通信機の通信の制御状況を前記報知手段に報知させることを特徴とする車載通信装置。
  8. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    車両が前記路上機に近づき前記路上機の設置位置手前側所定距離に達した際に前記通信機の通信を制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とする制御手段(18)と、
    前記制御手段による前記通信機の前記通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段(15)と
    を有することを特徴とする車載通信装置。
  9. 前記車両が前記路上機の設置位置を通過後該路上機から遠ざかり該路上機の設置位置から第2の所定距離に達した際に、前記制御手段は、前記車両が前記路上機に近づいて前記路上機の設置位置手前側前記所定距離に達した際に実行した前記通信機の通信の制御を解除することを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の車載通信装置。
  10. 前記路上機は高速道路に設置された電波ビーコンであることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の車載通信装置。
  11. 前記車両が一般道を走行中に前記電波ビーコンからの前記第1の電波を受信した場合、前記車両が前記路上機に近づき前記路上機の設置位置手前側前記所定距離に達した際であっても前記制御手段による前記通信機の通信の制御を行わないことを特徴とする請求項10に記載の車載通信装置。
  12. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)とを有し、
    車両が前記路上機に近づくにつれて変化する前記第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に、前記制御手段は前記通信機の通信禁止並びにその解除、若しくは、前記通信機の通信中断並びにその再開、の何れかを行う通信制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とすることを特徴とする車載通信装置。
  13. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と、
    制御手段(18)と
    報知手段(13、14)とを有し、
    車両が前記路上機に近づくにつれて変化する前記第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に、前記制御手段は前記通信機の通信を制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とし、該通信機の通信の制御状況を前記報知手段に報知させることを特徴とする車載通信装置。
  14. 第1の電波を路上機から受信する受信手段(16)と、
    前記第1の電波と相互干渉する周波数の第2の電波で通信する通信機(20、30)と
    車両が前記路上機に近づくにつれて変化する前記第1の電波の電界強度が所定値以上である場合に前記通信機の通信を制御して、前記第1の電波と前記第2の電波との相互干渉が回避される状態とする制御手段(18)と、
    前記制御手段による前記通信機の前記通信制御を実行させるか否かを選択可能な操作手段(15)と
    を有することを特徴とする車載通信装置。
  15. 前記路上機は高速道路に設置された電波ビーコンであることを特徴とする請求項12乃至14の何れかに記載の車載通信装置。
  16. 前記車両が一般道を走行中に電波ビーコンからの前記第1の電波を受信した場合、前記車両が前記路上機に近づくにつれて変化する前記第1の電波の電界強度が前記所定値以上である場合であっても前記制御手段による前記通信機の通信の制御を行わないことを特徴とする請求項15に記載の車載通信装置。
  17. 前記第2の電波はブルートゥース方式(近距離無線通信技術)による通信電波であることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の車載通信装置。
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