JP3605481B2 - 弾球遊技機の中枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機の遊技盤および入賞球処理装置を支持する弾球遊技機の中枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の弾球遊技機は、外殻となると共に遊技機を遊技機設置島に取り付けるためにも使用される外枠、蝶番を介して外枠に装着されて上皿扉、下受皿および発射装置等を支持する前面枠、遊技盤の裏側に配されて賞球払出装置を保持したり入賞球、アウト球や賞球の通路等が設けられる機構板、金枠を介して前面枠に装着されたガラス枠等の枠を備えるものが多かった。
【0003】
しかし、このような構造では枠構造が複雑であったので、例えば上記の前面枠と機構板との両方の役割を1つの枠で果たすことが可能な中枠が提案されるに至った。本願と同じ出願人による特開平8−47571号公報の実施例に記載される収納枠もその一例である。この中枠は、普通、プラスチック成型品として製造される。
【0004】
このような中枠は、弾球遊技機の枠構造を単純化して、例えば組立工数を低減するといった面において効果を発揮している。
ところで、中枠には様々な装置や部品が取り付けられ、その中には入賞球を1球ずつ機外側に排出するための入賞球処理装置がある。
【0005】
従来の入賞球処理装置の一例を図9に示す。この入賞球処理装置300は、流入口302および流出口304を有し入賞球処理装置300の骨格ともなる機構保持部材306、流入口302付近で軸支されて揺動しその度に遊技球を1球ずつ通過させる通断部材308、通断部材308を駆動するためのソレノイド310、通過する遊技球を検出するための通過センサ312等を一体的に組み立てたユニットで、これをビス等を使用して中枠314の入賞球集合部316と排出口318との間に取り付ける構造であった。また、この入賞球処理装置300とは異なる構造のものもあるが、通断部材、ソレノイド、通過センサ等を一体的に組み立ててユニット化し、これをビス等を使用して遊技機本体に取り付けるという点では共通していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような入賞球処理装置自身の構造や遊技機本体への取付構造であると、入賞球処理装置を組み立てるための部品と取付のための部品が必要であり、工程的にも入賞球処理装置の組立と取付作業の2工程が必要であった。つまり部品点数が多く取付までに要する工数も多かった。
【0007】
本発明は、中枠側の構造を工夫することによって、入賞球処理装置の部品点数の低減と製造、取付に要する工数の削減を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の弾球遊技機の中枠は、弾球遊技機の遊技盤を支持する弾球遊技機の中枠であって、遮断位置と通過位置とに可逆的に変位し、該遮断位置にあるときには遊技盤側から流入する入賞球を堰き止め、前記遮断位置から前記通過位置に変位して再び遮断位置に戻る1往復変位の間に遊技球を1球だけ通過させて後続の入賞球の通過を阻む通断部材と、該通断部材を前記遮断位置と通過位置とに変動させる駆動機構とを備え、前記遊技盤側から流入する入賞球を1球ずつ機外側に排出する入賞球処理装置を保持する弾球遊技機の中枠において、
該中枠の1区画をカセット部としてこれを本体部とは別体として成形し、
前記中枠の本体部には、前記遊技盤側から落下してくる遊技球を前記入賞球処理装置に導くためのガイド(190a、190b)と、前記遊技盤のアウト穴を通過したアウト球を導くアウト球排出路(100)と、前記入賞球処理装置を通過した入賞球及び前記アウト球排出路(100)を通過したアウト球を前記機外に排出するための回収口(89)と、前記カセット部の外形に整合する内周形状で前記カセット部の後方の位置決めとなる背面壁を備える箱状部とを設け、
前記カセット部は、賞球経路の一部であり前記遊技盤を収容、保持する内枠部の左側縁部に沿った鉛直通路の下端部、前記鉛直通路を落下してきた遊技球を上の受皿に誘導する受球部材が配される腕部と前記受球部材に進入できなかった遊技球が落下する脚部とからなる倒立L字状の分配室及び上端側はダンパの切換操作によって前記鉛直通路の下端に対して前記分配室と択一的に接続され下端は前記回収口(89)に接続された玉抜き通路が設けられたブロックであり、
該中枠の本体部分に着脱自在なカバー(142)には、セーフ球センサ(198)用の保持部材(194、196)と、アウト球センサ(102)用の保持部材(192a、192b、192c)と、前記通断部材が取り付けられる通断部材取付部と、前記駆動機構が取り付けられる駆動機構取付部とを設けるが前記入賞球又はアウト球の通路となる部材は設けず、前記保持部材(194、196)にてセーフ球センサ(198)が、前記保持部材(192a、192b、192c)にてアウト球センサ(102)が、前記通断部材取付部を介して前記通断部材が、前記駆動機構取付部を介して前記駆動機構それぞれ取り付けられており、
前記本体部の前面側から背面側に向かって前記カセット部を前記箱状部に挿入してから、前記カセット部と前記箱状部との双方に設けられた切り欠き同士が相対して形成される孔状の部分に透明なプラスチック製の前記カバー(142)の突起を差し込み、該カバー(142)を前記本体部にねじ止めすることで前記カセット部の前面側への移動を規制して前記カセット部と前記本体部とを組み合わせることによって該中枠の本体部分が構成され、また前記鉛直通路の下端部、分配室、玉抜き通路及びアウト球排出路の開放された前面側を前記カバー(142)によって覆うことにより、これらが遊技球の通路として完成され、
該カバー(142)を前記中枠の本体部分に装着したことにより、前記ガイド(190a、190b)によって導かれて前記セーフ球センサ(198)に流入した入賞球を前記遮断位置にある通断部材が堰き止めて、前記通断部材の1往復変位の間に1球だけ前記セーフ球センサ(198)を通過させて前記回収口(89)に落下させる前記入賞球処理装置が完成され、
前記アウト球排出路(100)の開放された前面側が前記カバー(142)によって覆われてアウト球の通路として完成され、前記アウト球センサ(102)が前記アウト球排出路(100)を横断する位置になることを特徴とする。
【0009】
この入賞球処理装置の通断部材は、例えば図9に示される通断部材と同様のもの、俗に「アヒル」と呼ばれる構造のもの等、公知のものと同様のものでよい。また、駆動機構は公知の入賞球処理装置と同様にソレノイドやモータを使用することができるが、小型化とコストを考慮するとソレノイドが優れているとも言える。
【0010】
通断部材取付部は、通断部材がその機能を発揮できる位置、状態に、通断部材を取り付けできればよく、通断部材取付部自身の構造、例えばビス止めとするかピン等を使用するかと言った取付手段や取付構造には制限はない。同様に、駆動機構取付部自身の構造、取付手段や取付構造には制限はない。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記の構成になる請求項1記載の弾球遊技機の中枠においては、保持部材(194、196)にてセーフ球センサ(198)を、保持部材(192a、192b、192c)にてアウト球センサ(102)を、通断部材取付部を介して通断部材を、駆動機構取付部を介して駆動機構をそれぞれ取り付けたカバー(142)を中枠30の本体部分に装着することにより、ガイド(190a、190b)によって導かれてセーフ球センサ(198)に流入した遊技球を遮断位置にある通断部材が堰き止めて通断部材の1往復変位の間に1球だけセーフ球センサ(198)を通過させて回収口(89)に落下させる入賞球処理装置が完成される。したがって、入賞球処理装置の組立、取付の工程に要する工数はきわめて少なくて済む。また、必要な部品としては、通断部材、駆動機構および取付のためのビス等だけでよいから部品点数も少なくて済む。
また、アウト球排出路(100)の開放された前面側がカバー(142)によって覆われてアウト球の通路として完成され、アウト球センサ(102)がアウト球排出路(100)を横断する位置になる
なお、カバー(142)には、セーフ球センサ(198)用の保持部材(194、196)と、アウト球センサ(102)用の保持部材(192a、192b、192c)と、通断部材が取り付けられる通断部材取付部と、駆動機構が取り付けられる駆動機構取付部とを設けるが入賞球又はアウト球の通路となる部材は設けない。
【0014】
請求項1記載の弾球遊技機の中枠においては、ガイド(190a、190b)、回収口(89)、アウト球排出路(100)、鉛直通路の下端部、倒立L字状の分配室及び玉抜き通路が設けられたブロックをカセット部としてこれを本体部とは別体として成形し、本体部には、カセット部の外形に整合する内周形状でカセット部の後方の位置決めとなる背面壁を備える箱状部を設け、本体部の前面側から背面側に向かってカセット部を箱状部に挿入してから、カセット部と箱状部との双方に設けられた切り欠き同士が相対して形成される孔状の部分に透明なプラスチック製のカバー(142)の突起を差し込み、カバー(142)を本体部にねじ止めすることでカセット部の前面側への移動を規制してカセット部と本体部とを組み合わせることによって中枠の本体部分が構成され、また鉛直通路の下端部、分配室、玉抜き通路及びアウト球排出路の開放された前面側をカバー(142)によって覆うことにより、これらが遊技球の通路として完成される。
【0015】
また、請求項1記載の弾球遊技機の中枠では、カバー(142)は、本体部に対して着脱自在であるから、例えば入賞球処理装置の修理や交換に当たっては、まずカバー(142)を中枠の本体部から取り外し、その後に修理や交換対象を取り外せば、その作業は簡単である。修理後の部品組み付け等はこの逆の順序で行えばよく、これも簡単である。
【0016】
次に、本発明の具体例により発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
【0017】
【具体例】
図1は、本実施例の弾球遊技機の中枠(以下、単に中枠という)30の正面斜視図である。この中枠30は、弾球遊技機に装備された際には、周囲を外枠(図示しない)に囲まれるようにして外枠に保持される。
【0018】
中枠30は、上辺に沿って配置された賞球タンク62を保持しており、中枠30の中央部には遊技盤(図示略)を保持するための内枠部60が設けられ、その背面側には窓58が設けられている。内枠部60の左側縁部60aには、かまぼこ状の突起72、72が設けられており、図示をしないが、左側縁部60aに対向している右側縁部60bにも、突起72、72と同様の突起が設けられている。
【0019】
また、中枠30には、図示しないガラス枠および上皿扉を収容、保持するための外枠部64が形成されている。この外枠部64の下辺は中央へ向かう傾斜面66、68で形成されており、両傾斜面66、68の中間には下皿出口50(図3参照)に連通する下皿誘導路70が設けられている。
【0020】
図1ないし図3に示すように、窓58と左側縁部60aとの間には段差74が設けられ、図2に示すように、窓58と右側縁部60bとの間には段差74と同様の段差76が設けられている。
図1および図2に示すように、内枠部60の左側縁部60aおよび右側縁部60bの下方には、一対の盤保持部138a、138bが設けられており、盤保持部138aから左側縁部60aにかけて左アール部139aが設けられ、盤保持部138bから右側縁部60bにかけて右アール部139bが設けられている。
【0021】
このように構成される内枠部60は遊技盤の外周形状にほぼ整合する形状で、内枠部60内に遊技盤を収容、保持可能である。また、内枠部60に収容された遊技盤は、左右アール部139a、139bおよび盤保持部138a、138bの底によって支承され、左側縁部60aおよび右側縁部60bにより左右方向の移動を規制される。また、盤保持部138a、138bによって前方への移動を規制され、窓58と内枠部60との間に設けられている段差74、76により後方への移動を規制される。したがって、遊技盤は内枠部60、左右アール部139a、139b、盤保持部138a、138bおよび段差74、76によって、各方向への移動を規制され、所定の位置に保持されることになる。なお、左側縁部60aに設けられた突起72、72および右側縁部60bの突起は、左側縁部60aおよび右側縁部60bと遊技盤との摩擦力を強めるべく作用することになる。
【0022】
図1ないし図3に示すように、窓58の下辺58aの前面側には、下辺58aに対してほぼ直交する前壁78が設けられている。
図1に示すように、前壁78には、左側縁部60a側から右側縁部60b側に向かって傾斜する第1傾斜部80および第1傾斜部80とは逆に傾斜する第2傾斜部82が設けられている。第1傾斜部80の下曲面80aと第2傾斜部82との間には、遊技球が通過可能な集合通路84が形成されており、この集合通路84の下方には、入賞球処理装置86(図1には示さない)を収容するための収容室88が形成されている。
【0023】
図1に示すように、収容室88の下方には回収口89が開口しており、この回収口89は、遊技機設置島に設置されている回収路(図示略)に接続される。このため、入賞球処理装置86で検出された遊技球は島へと回収されることになる。
【0024】
また、第2傾斜部82の下方はさらに前方に突出してレール取付部90となっており、レール取付部90の一部には凹陥部92が設けられている。
図2に示すように、レール取付部90には発射レール94が取り付けられ、凹陥部92には、発射レール94の端部に載置された遊技球を打撃するための発射ソレノイド(図示略)が装着され、この発射ソレノイドはカバーボックス98にて覆われている。
【0025】
図1に示すように、レール取付部90と収容室88との間には、遊技球が通過可能なアウト球排出路100が設けられている。このアウト球排出路100には、アウト球センサ102(図7参照)が設置され、このアウト球センサ102の出力信号によりアウト球排出路100を通過する遊技球を検出することができる。また、アウト球排出路100の出口側は回収口89に開口しており、アウト球排出路100を通過した遊技球は、回収口89から回収路へと排出されることになる。
【0026】
一方、収容室88を挟んでアウト球排出路100と反対側に、脚部104aと腕部104bとからなる倒立L字状の分配室104が設けられている。この分配室104下方および側方に沿って、L字状の溝としての玉抜き通路106が設けられており、玉抜き通路106の下流端は回収口89の上方で開放されている。
【0027】
また、この玉抜き通路106に連通する鉛直通路108が、内枠部60の左側縁部60aに沿って設けられている。この鉛直通路108は、下端において分配室104とも連通しており、図3に示されるように、ダンパ110の切換操作によって分配室104または玉抜き通路106に、択一的に接続される。
【0028】
図3に示すように、鉛直通路108は、中枠30の左側縁部60aの外側を通過して前面側から背面側に至る横断通路112に連通されている。この横断通路112は、中枠30の背面側に突出し、賞球払出装置120に接続されている。図2に示すように、盤保持部138aから盤保持部138bにわたって、その下側部分は、収容室88およびアウト球排出路100を含む一画がカバー142で覆われ、第2傾斜部82付近はカバー143で覆われている。なお、カバー142、143は透明プラスチック製で、中枠30に着脱自在である。
【0029】
カバー142には、長方形の上皿排出口144、屋根状で横向き開口146aおよび下向き開口146b(図7参照)を備える下皿排出路146が設けられている。
図4に示すように、カバー143には、一対の誘導板101a、101bが付属しており、図2に示されるように中枠30にカバー143を取り付けた際には、誘導板101a、101bによって遊技盤のアウト穴とアウト球排出路100とが接続される構造である。
【0030】
図2に示すように、中枠30には、段差74、76間にわたって仕切板152が装着されており、仕切板152と前壁78との間に遊技球が通過可能な間隙154が形成されている。この間隙154内には、入賞球集合樋122の出口が配されており、遊技盤の背面に設置されている入賞球集合樋(図示略)にて集められた遊技球が間隙154内に落下する構成である。
【0031】
図2および図3に示すように、分配室104はカバー142にて覆われているが、上皿排出口144が分配室104の腕部104bに対応する位置、下皿排出路146の横向き開口146aが分配室104の脚部104aに対応する位置となっている。また図3に示すように、上皿扉42に設けられた樋状の受球部材160が上皿排出口144を貫通して腕部104b内に至っている。この受球部材160は、上皿扉42に保持される上皿40に連通している。
【0032】
図3に示すように、脚部104aには下皿排出路146の横向き開口146aが接続されているが、この下皿排出路146の下方に、中枠30の傾斜面66が位置している。
このように、賞球払出装置120から排出される遊技球を導くための賞球排出通路180は、横断通路112−鉛直通路108−ダンパ110−分配室104にて構成されている。なお、鉛直通路108の上半部は前面側が閉じられ下端部は、分配室104と共に透明プラスチックのカバー142で覆われている。
【0033】
このような賞球排出通路180の構成(図3参照)により、賞球払出装置120から排出された遊技球は、横断通路112を経て中枠30の前面側に至り、鉛直通路108を落下し、ダンパ110を含む湾曲部分でほぼ水平方向に進路を曲げられ、分配室104の腕部104b内に配された受球部材160内に放出される。さらに、遊技球は、受球部材160から上皿40に排出される。
【0034】
また、上皿40に遊技球が多量に貯留されて受球部材160内までが遊技球で満たされると、鉛直通路108を落下して分配室104内に放出された遊技球は、受球部材160を満たしている遊技球により受球部材160への進入を阻まれるので、脚部104aへと落下する。脚部104aに落下した遊技球は、傾斜面66上を転動して、下皿誘導路70、下皿出口50を通って下皿46に流れ込むことになる。
【0035】
また、遊技盤の背面側に設けられた入賞球集合樋を経て中枠30の前壁78と仕切板152との間隙154に落下した遊技球は、第1傾斜部80、第2傾斜部82上を転動し、集合通路84から入賞球処理装置86へ落下する。入賞球処理装置86へ落下した遊技球は、検出されて1球ずつ排出される。排出された遊技球は、回収口89から回収路へと排出される。
【0036】
他方、遊技領域においてアウトとなった遊技球は、アウト穴→誘導板101a、101b→アウト球排出路100と導かれ、アウト球センサ102によってカウントされた後、回収口89から回収路へと排出される。
さらに、弾球遊技機の入れ換え等に際して、賞球タンク62に貯留されている遊技球を排出する場合には、図示しない玉抜スイッチをオンすると、ダンパ110が図示しないソレノイドにて駆動されて図3の状態から変位し、鉛直通路108と玉抜き通路106とが連通される。併せて賞球払出装置120が稼動して賞球タンク62からの遊技球を排出する。排出された遊技球は横断通路112、鉛直通路108から玉抜き通路106を経て回収口89から回収路へ排出される。
【0037】
さて、完成品としての中枠30は上述の通りの構造であるが、カバー142、143、仕切板152等を除いた、中枠30の本体部分は本体部30aとカセット部30bの2部品から構成されており、それらを組み合わせると上述の構造となる。以下、その本体部30aとカセット部30bとについて説明する。
【0038】
図5に示すように、カセット部30bは、収容室88、アウト球排出路100、分配室104、玉抜き通路106および鉛直通路108の下端部108aが設けられているブロックである。これら収容室88〜下端部108aについてはすでに説明した。さらに、カセット部30bには、アウト球排出路100の下方と玉抜き通路106の下方とに、切り欠き170a、170bが設けられている。また、カバー142には、切り欠き170a、170bに対応して、突起172a、172bが設けられ、上端と右端にねじ孔174a、174bが設けられている。
さらに、収容室88には、集合通路84から落下してくる遊技球を入賞球処理装置86に導くためのガイド190a、190bが設けられている。
【0039】
一方、図6に示すように、本体部30aには、カセット部30bの外形に整合しカセット部30bを前面側から抜き差し可能な箱状部176が設けられ、箱状部176の前面側にはカセット部30bの切り欠き170a、170bに対応する切り欠き178a、178bが設けられている。また、レール取付部90の左端と鉛直通路108の下端とにねじ止め孔180a、180bが設けられている。
【0040】
図7に示すように、カバー142の背面側には、アウト球センサ102を保持するための保持部材192a、192b、192cが設けられていて、これらによってアウト球センサ102を着脱可能に保持できる。また、保持部材194、196も設けられていて、これらによりセーフ球センサ198を着脱可能に保持できる。なお、保持部材196には、ビス穴を備えるガイドピン200が設けられている。さらに、カバー142には、いずれもビス穴を有する回転軸ピン202および固定ピン204が立設されている。
【0041】
このカバー142には、セーフ球センサ198を取り付けた後に、通断部材206が取り付けられる。通断部材206には、軸穴208および円弧状のガイド穴210が穿たれ、カバー142側に突出する受止腕212および遮断舌214、カバー142とは反対側に突出する突上腕216が設けられている。また、図8に示すように、受止腕212と遮断舌214との間には遊技球が通過可能な内部通路218が形成されている。
【0042】
この通断部材206をカバー142に取り付けるには、軸穴208に回転軸ピン202を、ガイド穴210にガイドピン200をそれぞれ差し込んでから、回転軸ピン202のビス穴に例えばワッシャ付きのビスを螺合させて、通断部材206の脱落を防ぐ。これにより、通断部材206は、回転軸ピン202を軸として、ガイド穴210とガイドピン200とによって規制される範囲で揺動可能となる。
【0043】
通断部材206を取り付けた後に、ソレノイド220をカバー142に取り付ける。ソレノイド220は、プランジャ222と一対の取付爪224、226を備えており、ソレノイド220をカバー142に取り付けるには、取付爪224のビス穴をガイドピン200のビス穴に合わせ、取付爪226のビス穴を固定ピン204のビス穴に合わせて、それぞれをビス止めする。すると、プランジャ222の頭部が通断部材206の突上腕216の直下になり、プランジャ222を突出させると突上腕216を突き上げて通断部材206を上向きに揺動変位させることができる。
【0044】
このようにして、アウト球センサ102、セーフ球センサ198、通断部材206およびソレノイド220をカバー142に取り付けると、ここに入賞球処理装置86が完成し、そのカバー142を中枠30に取り付ければ、アウト球センサ102がアウト球排出路100を横断する位置になり、セーフ球センサ198は、集合通路84から落下してガイド190a、190bによって導かれた遊技球が流入する位置になる。
【0045】
そして、図8に示すように、セーフ球センサ198に流入した遊技球Aがあると、その遊技球Aは受止腕212によって通過を阻まれる(図8(a)参照)。このときにソレノイド220を励磁させてプランジャ222にて突上腕216を突き上げると、通断部材206が上向きに揺動変位するので、セーフ球センサ198と受止腕212との間隔が開き、遊技球Aは内部通路218に流入する(図8(b)参照)。その際に、遊技球Aに続く遊技球Bがあれば、遊技球Bは上昇してきた遮断舌214によってセーフ球センサ198側への移動を阻止される。その後、ソレノイド220を消磁させると、通断部材206は、自重と遊技球Aの荷重とによって下向きに揺動変位して、図8(a)に示される状態に復帰する。すると、先行する遊技球Aは内部通路218から流出し、後続の遊技球が新たに先行の遊技球Aの位置を占めることになる。こうして、ソレノイド220の励磁と消磁を繰り返して、通断部材206を往復揺動させれば、その一往復毎に1球の遊技球を排出することができる。なおその際には、各遊技球はセーフ球センサ198によって検出される。
【0046】
ところで、本体部30aにカセット部30bを組み込むには、本体部30aの前面側から背面側に向かって(図6に示される矢印X方向にそって)カセット部30bを挿入すればよい。カセット部30bが箱状部176の背面壁176aに当たることにより、カセット部30bの後方の位置が決まる。当然ながら、左右および上下方向の位置は箱状部176の内周とカセット部30bの外周との接触によって決まる。
【0047】
このように、カセット部30bを箱状部176に挿入すると、図4に示される状態となる。このとき、本体部30aとカセット部30bとの位置は、上述のように決まり、カセット部30bの切り欠き170a、170bと本体部30aの切り欠き178a、178bが相対して、カバー142の突起172a、172bを挿入するための孔状の部分を形成する。
【0048】
次に、仕切板152を第1傾斜部80および第2傾斜部82の前面側に押し当てるようにして、仕切板152の係止爪152a、152bを本体部30aに係止させる。これにより仕切板152が本体部30aに取り付けられる。また、カバー143を本体部30aの所定の位置に取り付けビス止めにて固定する。なお、仕切板152およびカバー143は、カセット部30bに先だって本体部30aに取り付けられていても構わない。
【0049】
最後に、カバー142の突起172a、172bを、切り欠き170a、170b、178a、178bによって形成された孔状の部分に差し込み、これを軸とするようにしてカバー142をカセット部30bに押し当てて、ねじ孔174a、174bとねじ止め孔180a、180bとを整合させ、カバー142を本体部30aにねじ止めする。これにより、カセット部30bの前面側への移動も規制される。そして、収容室88、アウト球排出路100、分配室104、玉抜き通路106および鉛直通路108の下端部108aの前面側がカバー142によって覆われることにより、アウト球排出路100、分配室104、玉抜き通路106および下端部108aが、遊技球の通路として完成された状態になる。また、前述のように、アウト球センサ102がアウト球排出路100を横断する位置になり、セーフ球センサ198は、集合通路84から落下してガイド190a、190bによって導かれた遊技球が流入する位置になる。
【0050】
カセット部30bは、前面側をカバー142によって覆われるだけであるから、カバー142さえ取り外せばカセット部30bの全域が露出され、カセット部30bを本体部30aから取り外し、取り付けが自在となる。
予めカバー142に入賞球処理装置86を取り付けておいて、これを中枠30に組み付ける工程となっているから、入賞球処理装置86を本体部30aやカセット部30bに取り付ける作業は必要ない。
【0051】
前述したように、セーフ球センサ198、通断部材206およびソレノイド220をカバー142に取り付けるだけで入賞球処理装置86の組立、取付が完了するから、この工程に要する工数はきわめて少なくて済む。また、必要な部品としては、セーフ球センサ198、通断部材206およびソレノイド220および取付のためのビス等だけでよいから部品点数も少なくて済む。なお、セーフ球センサ198は入賞球処理装置86の外部に設置してもよい。
【0052】
しかも、こうした構成とすることにより、たとえば入賞球処理装置86に故障が発生した場合には、カバー142を外すだけで入賞球処理装置86を取り外しできるから、入賞球処理装置86の保守、修理、交換はきわめて簡単である。
また、カセット部30bの構造は、中枠30の他の部分と比較して複雑になっているが、カセット部30bと本体部30aとを別々に成形することにより、カセット部30bの精度を向上させたり、中枠30の製造における作業性を向上させることができる。
【0053】
以上、具体例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような具体例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
例えば、具体例では、カセット部30bを本体部30aの前面側から抜き差しする構造を採用しているが、背面側から抜き差しする構造や横から着脱する構造とすることも可能である。
【0054】
また、具体例ではカバー側に入賞球処理装置をカバー側に取り付けているが、これをカセット部側に取り付ける構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の弾球遊技機の中枠によれば、通断部材取付部を介して通断部材を取り付け、駆動機構取付部を介して駆動機構を取り付けることにより、それだけで入賞球処理装置を組立、取付が完了する。したがって、この工程に要する工数はきわめて少なくて済む。また、必要な部品としては、通断部材、駆動機構および取付のためのビス等だけでよいから部品点数も少なくて済む。
【0056】
また、中枠は、カセット部を本体部とは別体として成形し、これを本体部に取り付けることによって構成される。カセット部の構造は、中枠の他の部分と比較して複雑になっているが、カセット部と本体部とを別々に成形することにより、カセット部の精度を向上させたり、中枠の製造における作業性を向上させることができる。
【0057】
しかも、カバー(142)は、本体部に対して着脱自在であるから、例えば入賞球処理装置の修理や交換に当たっては、まずカバー(142)を中枠の本体部から取り外し、その後に修理や交換対象を取り外せば、その作業は簡単である。修理後の部品組み付け等はこの逆の順序で行えばよく、これも簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例の中枠の斜視図である。
【図2】具体例の中枠の下部の斜視図である。
【図3】具体例の中枠における賞球の排出経路の説明図である。
【図4】具体例の中枠におけるカセット部の組付けの説明図である。
【図5】具体例の中枠のカセット部とカバーを説明する分解斜視図である。
【図6】具体例の中枠の箱状部付近の説明図である。
【図7】具体例の中枠における入賞球処理装置の分解斜視図である。
【図8】具体例の中枠における入賞球処理装置の動作の説明図であり、図8(a)は遊技球の通過を阻止している状態の説明図、図8(b)は先行する遊技球を受け入れた状態の説明図である。
【図9】従来の中枠における入賞球処理装置の取付構造の説明図である。
【符号の説明】
30・・・中枠、30a・・・本体部、30b・・・カセット部、40・・・上皿、42・・・上皿扉、46・・・下皿、50・・・下皿出口、58・・・窓、60・・・内枠部、62・・・賞球タンク、64・・・外枠部、66・・・傾斜面、70・・・下皿誘導路、72・・・突起、74・・・段差、76・・・段差、78・・・前壁、80・・・第1傾斜部、82・・・第2傾斜部、84・・・集合通路、86・・・入賞球処理装置、88・・・収容室、89・・・回収口、90・・・レール取付部、92・・・凹陥部、94・・・発射レール、98・・・カバーボックス、100・・・アウト球排出路、102・・・アウト球センサ、104・・・分配室、106・・・玉抜き通路、108・・・鉛直通路、110・・・ダンパ、112・・・横断通路、120・・・賞球払出装置、122・・・入賞球集合樋、142・・・カバー、143・・・カバー、144・・・上皿排出口、146・・・下皿排出路、152・・・仕切板、160・・・受球部材、176・・・箱状部、180・・・賞球排出通路、190a、190b・・・ガイド、192a、192b、192c・・・保持部材、194・・・保持部材、196・・・保持部材、198・・・セーフ球センサ、200・・・ガイドピン(通断部材取付部、駆動機構取付部)、202・・・回転軸ピン(通断部材取付部)、204・・・固定ピン(駆動機構取付部)、206・・・通断部材、208・・・軸穴、210・・・ガイド穴、212・・・受止腕、214・・・遮断舌、216・・・突上腕、218・・・内部通路、220・・・ソレノイド(駆動機構)、222・・・プランジャ、224・・・取付爪、226・・・取付爪。

Claims (1)

  1. 弾球遊技機の遊技盤を支持する弾球遊技機の中枠であって、
    遮断位置と通過位置とに可逆的に変位し、該遮断位置にあるときには遊技盤側から流入する入賞球を堰き止め、前記遮断位置から前記通過位置に変位して再び遮断位置に戻る1往復変位の間に遊技球を1球だけ通過させて後続の入賞球の通過を阻む通断部材と、該通断部材を前記遮断位置と通過位置とに変動させる駆動機構とを備え、前記遊技盤側から流入する入賞球を1球ずつ機外側に排出する入賞球処理装置を保持する弾球遊技機の中枠において、
    該中枠の1区画をカセット部としてこれを本体部とは別体として成形し、
    前記中枠の本体部には、前記遊技盤側から落下してくる遊技球を前記入賞球処理装置に導くためのガイド(190a、190b)と、前記遊技盤のアウト穴を通過したアウト球を導くアウト球排出路(100)と、前記入賞球処理装置を通過した入賞球及び前記アウト球排出路(100)を通過したアウト球を前記機外に排出するための回収口(89)と、前記カセット部の外形に整合する内周形状で前記カセット部の後方の位置決めとなる背面壁を備える箱状部とを設け、
    前記カセット部は、賞球経路の一部であり前記遊技盤を収容、保持する内枠部の左側縁部に沿った鉛直通路の下端部、前記鉛直通路を落下してきた遊技球を上の受皿に誘導する受球部材が配される腕部と前記受球部材に進入できなかった遊技球が落下する脚部とからなる倒立L字状の分配室及び上端側はダンパの切換操作によって前記鉛直通路の下端に対して前記分配室と択一的に接続され下端は前記回収口(89)に接続された玉抜き通路が設けられたブロックであり、
    該中枠の本体部分に着脱自在なカバー(142)には、セーフ球センサ(198)用の保持部材(194、196)と、アウト球センサ(102)用の保持部材(192a、192b、192c)と、前記通断部材が取り付けられる通断部材取付部と、前記駆動機構が取り付けられる駆動機構取付部とを設けるが前記入賞球又はアウト球の通路となる部材は設けず、前記保持部材(194、196)にてセーフ球センサ(198)が、前記保持部材(192a、192b、192c)にてアウト球センサ(102)が、前記通断部材取付部を介して前記通断部材が、前記駆動機構取付部を介して前記駆動機構それぞれ取り付けられており、
    前記本体部の前面側から背面側に向かって前記カセット部を前記箱状部に挿入してから、前記カセット部と前記箱状部との双方に設けられた切り欠き同士が相対して形成される孔状の部分に透明なプラスチック製の前記カバー(142)の突起を差し込み、該カバー(142)を前記本体部にねじ止めすることで前記カセット部の前面側への移動を規制して前記カセット部と前記本体部とを組み合わせることによって該中枠の本体部分が構成され、また前記鉛直通路の下端部、分配室、玉抜き通路及びアウト球排出路の開放された前面側を前記カバー(142)によって覆うことにより、これらが遊技球の通路として完成され、
    該カバー(142)を前記中枠の本体部分に装着したことにより、前記ガイド(190a、190b)によって導かれて前記セーフ球センサ(198)に流入した入賞球を前記遮断位置にある通断部材が堰き止めて、前記通断部材の1往復変位の間に1球だけ前記セーフ球センサ(198)を通過させて前記回収口(89)に落下させる前記入賞球処理装置が完成され、
    前記アウト球排出路(100)の開放された前面側が前記カバー(142)によって覆われてアウト球の通路として完成され、前記アウト球センサ(102)が前記アウト球排出路(100)を横断する位置になる
    ことを特徴とする弾球遊技機の中枠。
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