JP3604506B2 - 筒状体用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状体用容器に関するものである。特に、外表面に光導電体層を形成した金属製ドラム(以下、感光体ドラムと略称する。)の輸送の際に使用するのに適した容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体ドラムの輸送、特に両端にフランジを有する長尺大口径ドラムを一本づつ個装して輸送する際には、例えば細長い箱形の段ボール容器にドラムを収容し、両端部を遊動させることなく挟持しうる凹陥部を設けた一対の発泡スチロール製の治具の一方を、予め該容器の底部に設置したものを用い、該ドラムの両端部の下半分を凹陥部に嵌着した後で、底部に設置した一対の治具の他方を用い、その凹陥部に該両端部の上半分を嵌着させた上で、蓋をし、輸送容器内で動かぬように固定する方法が行われていた。
【0003】
【発明の解決すべき課題】
しかし、このような個装箱は、長いので中央部分が弱く、輸送に際して中央部付近で箱が変形して、中の感光体ドラムの表面に接触して傷つける危険があり、またこれを避けるために、該ドラム表面と箱のクリアランスを十分にとろうとすると、どうしても箱が大きくなり、これを運搬するユーザーからは、箱の大きさを最小限にして欲しいという要望が多かった。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明者等は、このような課題を解決するために、鋭意検討した結果、筒状体用容器を半切中空筒体、ヒンジ部および緩衝部材からなる構成とし、緩衝部材の特定形状を創案し、また適当な素材を選択することにより完全な解決が可能であることを見出した。すなわち、本発明は、少なくとも一端にフランジ部を有する筒状体を収容するための容器であって、一対の半切中空筒体、両半切中空筒体を開閉可能に結合するヒンジ部および両半切中空筒体の両端近傍に設けた緩衝部材によって構成され、該半切中空筒体は、上記筒状体の最大外径よりも大きい内径を有し、該緩衝部材の内表面には、両半切中空筒体を閉じた際、上記筒状体のフランジ部を有しまたは有しない両端部を、遊動させることなく挟持しうる凹陥部を設け、また該緩衝部材の外表面には、少なくとも一方の半切中空筒体について、その外径の1/2より小さくない高さに、その半切面と平行で十分な面積の平面部を有するかまたは高さを同じくする少なくとも四本の脚部を有することを特徴とする筒状体用容器に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づいて、詳細に説明する。
図1は、本発明の筒状体用容器の正面図及び側面図であり、図2は、そのヒンジ部で開いたときの、内部の形状を示す筒状体用容器の平面図である。
【0006】
図1に示されるように、本発明の筒状体用容器(10)は、一対の半切中空筒体(1、1’)、これらを開閉可能に結合するヒンジ部(2)および両半切中空筒体の両端近傍に設けた緩衝部材(3、3’)によって構成される。
しかして、この一対の半切中空筒体(1、1’)は、それらの内部に筒状体を収容することができる大きさ、具体的にはその内径が、筒状体およびこれが有するフランジ部のうちで最大の外径よりも大きいことが必要である。該中空筒体の材料は、取扱に際して実質的に変形しないものであれば特に制限はないが、通常、紙を重ねて調製された、紙管として市販のものを半切して使用するのが、強度的にも経済的にも好ましい。また、ヒンジ部(2)は、一対の半切中空筒体(1、1’)の側縁同士を結合できるものであれば、その形態および材料に特に制限はない。図示の場合は、側縁のほぼ全長にわたって、布製の粘着テープを貼付しヒンジ部(2)としたが、多数回の開閉による折り曲げに耐えるものであれば、紙あるいはプラスチック・シート製の粘着テープでも差し支えない。
【0007】
また、緩衝部材(3、3’)は、筒状体の両端部を支承するために用いられるので、半切中空筒体(1、1’)の全長にわたって設ける必要はなく、むしろ筒状体の表面の光導電体層と接触しないように、半切中空筒体の両端近傍にのみ設けるのが通常である。また、緩衝部材(3、3’)は、半切中空筒体(1、1’)の内面に、適当な手段、例えば接着剤を用いて固定される。
しかして、緩衝部材(3、3’)の内表面には、図2に示すように、筒状体の両端部を、遊動させることなく挟持するのに必要な凹陥部(31、31’)が設けられる。特に、筒状体が一端または両端にフランジ部を有する場合には、そのフランジ部の形状に合わせて、凹陥部(31、31’)の形状を設計することが必要である。もちろん、フランジ部が完全に嵌合する形状の凹陥部でもよいが、フランジの一部が嵌合するだけでも、両半切中空筒体(1、1’)を閉じた際、筒状体の両端部を遊動させることなく挟持しうる形状の凹陥部があれば、それでもよい。なお、フランジ部を有しない一端については、通常、筒状体の外径に合致し、光導電体層のない長さより短い凹陥部が設けられる。
【0008】
また、緩衝部材(3、3’)の外表面には、図1(a)に示す平面部(32)または同図(b)に示す脚部(33)を有する。しかして、図示の場合、開閉いずれの状態でも筒状体用容器を平面上に置いた場合の安定性を確保することができるよう、平面部(32)および脚部(33)は、両半切中空筒体(1、1’)ともに有しているが、閉じた状態での安定性を確保するだけであれば、いずれか一方の半切中空筒体がこれを有していれば十分である。
平面部(32)を設ける場合には、中空筒体の半切面と平行で、しかもその高さが中空筒体の外径の1/2より小さくない位置にある、言い換えれば、半切面から平面部までの距離が、中空筒体の外径の1/2と同じか大きいことが必要であり、さらにその面積は、少しの傾斜によっては回転を始めず元に戻れる程度の、安定性を確保するに十分な大きさであることが必要である。
脚部(33)を設ける場合には、高さを同じくする少なくとも四本の脚部が必要であり、好ましくは両端の緩衝部材にそれぞれ二本づつあるのがよい。その二本間の距離は、少しの傾斜によっては回転を始めず元に戻れる程度の、安定性を確保するに十分な大きさであることが必要である。また、脚部(33)の高さは、上記平面部と同様に、しかもその高さが中空筒体の外径の1/2より小さくない、言い換えれば、中空体の半切面から脚部先端までの距離が、中空筒体の外径の1/2と同じか大きいことが必要である。
【0009】
なお、平面部(32)および脚部(33)を設ける場合には、図1(a)および(b)に示すように、半切中空筒体の両端近傍を一部切り欠き、ここから緩衝部材の外表面が露出するようにするのが、筒状体用容器(10)の製作上便利である。また、平面部(32)または脚部(33)は、半切中空筒体の両端の緩衝部材が有するのが通常であるが、高さが中空筒体の外径と同じ場合には、一端の緩衝部材のみが平面部を有するだけでもよい。緩衝部材(3、3’)は、発泡スチロール製のものが一般的ではあるが、凹陥部の製作が容易で、適度の緩衝性と物理的強度を有する材料であれば、特に制限はない。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、容器の主要部であり、傷つき易いドラム外表面近くに位置する半切中空筒体を、腰が強く実質的に変形しない紙管製とすることにより、輸送に際して容器が変形して、中のドラムに接触して傷つける危険を回避できる。また、容器全体が小さくできるので、ユーザーがマシンにつけて運搬するとき、省スペースを図ることができる。
本発明によれば、容器の両端部近傍に設けた緩衝部材の外表面に、平面部または四脚を有することにより、容器の安定性が良く、これを外箱に収容すれば外箱内での安定性も良い。
本発明で紙管製両半切中空筒体、発泡スチロール製緩衝部材および粘着テープ製ヒンジ部を使用し、さらに段ボール製の外箱を使用するときは、価格が安価であるので、ワンウエイで使用しいわゆる使い捨てができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状体用容器の正面図及び側面図。
【図2】ヒンジ部で開いたときの、筒状体用容器の平面図。
【符号の説明】
1、1’ 半切中空筒体
2 ヒンジ部
3、3’ 緩衝部材
31、31’ 凹陥部
32 平面部
33 脚部
10 筒状体用容器
Claims (6)
- 少なくとも一端にフランジ部を有する筒状体を収容するための容器であって、一対の半切中空筒体、両半切中空筒体を開閉可能に結合するヒンジ部および両半切中空筒体の両端近傍に設けた緩衝部材によって構成され、該半切中空筒体は、上記筒状体の最大外径よりも大きい内径を有し、該緩衝部材の内表面には、両半切中空筒体を閉じた際、上記筒状体のフランジ部を有しまたは有しない両端部を、遊動させることなく挟持しうる凹陥部を設けることを特徴とする筒状体用容器。
- 少なくとも一端にフランジ部を有する筒状体を収容するための容器であって、一対の半切中空筒体、両半切中空筒体を開閉可能に結合するヒンジ部および両半切中空筒体の両端近傍に設けた緩衝部材によって構成され、該半切中空筒体は、上記筒状体の最大外径よりも大きい内径を有し、該緩衝部材の内表面には、両半切中空筒体を閉じた際、上記筒状体のフランジ部を有しまたは有しない両端部を、遊動させることなく挟持しうる凹陥部を設け、また該緩衝部材の外表面には、少なくとも一方の半切中空筒体について、その外径の1/2より小さくない高さに、その半切面と平行で十分な面積の平面部を有するかまたは高さを同じくする少なくとも四本の脚部を有することを特徴とする筒状体用容器。
- 筒状体が、その外表面に光導電体層を形成した金属製ドラムである請求項1または2に記載の筒状体用容器。
- 両半切中空筒体が、紙管製である請求項1〜3のいずれかに記載の筒状体用容器。
- 緩衝部材が、発泡スチロール製である請求項1〜4のいずれかに記載の筒状体用容器。
- ヒンジ部が、粘着テープ製である請求項1〜5のいずれかに記載の筒状体用容器。
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- 1996-05-28 JP JP15472696A patent/JP3604506B2/ja not_active Expired - Fee Related
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