JP3604410B2 - ω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化によるω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第3253018号明細書および欧州特許出願公開第295554号公報より、ω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルはω−アルカンカルボン酸エステルをコバルトカルボニル触媒の存在でヒドロホルミル化することにより得られることが知られている。この場合にしかしかなり多量の分岐エステルが生じ、それは以後の使用のために好ましくない。
【0003】
欧州特許第125567号公報および欧州特許第131860号公報にもまた、3−ペンテン酸エステルまたは4−ペンテン酸エステルをロジウムのカルボニル錯体(それは第三級有機ホスフィンまたは亜リン酸エステルにより変性されている)の存在でヒドロホルミル化して、ホルミルバレリアン酸を得る方法が記載されている。しかしその直鎖化合物の割合は改善の必要がある。
【0004】
米国特許第4769498号明細書には、第三級ポリ亜リン酸エステルがロジウム触媒によるヒドロホルミル化のため配位子として推奨されている。アルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化の際に直鎖化合物の割合をどれだけ高めることができるという示唆は与えられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、アルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化によるω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルの製造方法において、できるだけ高い直鎖化合物の割合が得られ、反応は適度の超過圧の下に高い変換率で進行しかつ使用される触媒は高い安定性を示す方法を自由に使えるようにすることが技術的課題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この技術的課題は、C 5 −アルケンカルボン酸エステルを一酸化炭素および水素と30−150℃の温度で液相において、ロジウムカルボニル錯体および第三級有機亜リン酸エステルの存在下で反応させることによるオメガ−ホルミル−C 5 −アルカンカルボン酸エステルの製造方法において解決される。前記の方法において、分子中に2−6のリン原子を有する少なくとも一種の第三級有機ポリ亜リン酸エステルを使用し、前記ポリ亜リン酸エステルにおいてそれぞれ各リン原子への一つの結合が酸素橋を介して置換または非置換の少なくとも二価のアリーレンまたはビスアリーレン残基、アルキレン残基(それは鎖中に一つの酸素原子を含むことができる)に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基に前記アリール残基を介して結合されており、かつ各リン原子への二つの結合は酸素橋を介して置換または非置換の二価のアリーレン、ビスアリーレン残基、アルキレン残基に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基にアリール残基を介して結合されており、あるいは少なくとも一つのリン原子への二つの結合がそれぞれ別々に酸素橋を介してそれぞれ一価の置換または非置換のアリール、ビスアリール、アルキルまたはシクロアルキル残基に結合されている。
【0007】
上記の新規な方法の有する利点は、直鎖化合物への比較的高い選択性を有することであり、その際適度の超過圧の下に高い転化率が得られかつ使用されるロジウム触媒は高い安定性を示す。
【0008】
本発明によれば出発原料としてC4 −C20−アルケンカルボン酸エステル、特にC1 −C4 −アルキルエステルが使用される。オレフィン系二重結合は末端にまたは内部にあることができる。ω−C4 −C7 −アルケンカルボン酸−C1 −C4 −アルキルエステルから出発することが特に好ましい。4−ペンテン酸−C1 −C4 −アルキルエステルおよび3−ペンテン酸−C1 −C4 −アルキルエステル並びにそれらの混合物は特別の技術的意義を持つに至った。適当なものは、例えば4−ペンテン酸エチルエステル、3−ペンテン酸プロピルエステル、2−ペンテン酸エチルエステル並びにそれらの混合物である。特に好まれるものは4−ペンテン酸メチルエステルおよび3−ペンテン酸メチルエステルである。
【0009】
C4 −C20−アルケンカルボン酸エステルは一酸化炭素および水素と反応させられる。通常前記混合ガスは水素と一酸化炭素をモル比で1:10から100:1に、特に1:1から40:1までに含む。
【0010】
ヒドロホルミル化は30〜150℃の温度で液相において行われる。50〜120℃の温度を用いると有利である。通常反応は0.01〜30バール、有利には1〜30バールの圧の下に行われる。特に1〜20バールの圧が適することが実証された。
【0011】
反応は溶媒の存在で行われると有利である。適当な溶媒は、例えばトルオールまたはキシロールのような芳香族炭化水素、さらにまたヒドロホルミル化の際にいつも生成するω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルまたはヒドロホルミル化の際に生成する高沸点物質である。
【0012】
ヒドロホルミル化はロジウムカルボニル錯体および2〜6のリン原子を有する少なくとも一種の第三級有機亜リン酸エステルの存在で行われる。ロジウム錯体触媒の濃度は、ロジウム金属として計算して、一般には10〜1000ppm、好ましくは10〜500ppmのロジウム、そして特に25〜350ppmのロジウムである。
【0013】
一般にロジウムグラム原子につき2〜100モル、好ましくは3〜50モルのポリ亜リン酸エステル(それは錯体化したおよび遊離の亜リン酸エステルの総和である)が使用される。新鮮なポリ亜リン酸エステルを反応の各時点で添加することにより遊離の、錯体化していない亜リン酸エステルの濃度を保つことができる。ロジウムカルボニルポリ亜リン酸エステル−触媒は使用の前に別に製造することができる。しかし通常は触媒活性のある錯体は、例えばロジウムカルボニルアセチルアセトナート、酸化ロジウム、ロジウムカルボニル、硝酸ロジウムまたは酢酸ロジウムのような触媒前駆体およびポリ亜リン酸エステル配位子から反応媒体中で形成される。特にロジウムカルボニルアセチルアセトナートまたは酢酸ロジウムがロジウム成分として好んで使用され、それらは溶媒の存在でポリ亜リン酸エステル配位子と共に反応させられて触媒活性錯体の前駆体を形成する。後者は反応中に過剰のポリ亜リン酸エステルと共に投入されて、そこで反応条件の下にその場で活性な、変性されたロジウムカルボニル錯体を形成する。
【0014】
好ましい第三級有機亜リン酸エステルは2〜4個の、特に2個のリン原子を有する。各リン原子の一つの結合はそれぞれ酸素橋を介して2価以上の、例えば2〜4価の、12までの炭素原子を有するアリーレンまたはビスアリーレン残基、2〜8の炭素原子を有するアルキレン残基(それは鎖中に一つの酸素原子を含むことができる)、または二つの遊離のアリール残基を有する16までの炭素原子を有する残基、例えば
【0015】
【化1】
に結合されている。
【0016】
各リン原子の残りの二つの結合はそれぞれ酸素橋を介して、20までの炭素原子を有する二価のアリーレンまたはビスアリーレン残基、4〜8の炭素原子を有するアルキレン残基にまたは上記の定義のような二つの遊離のアリール残基を有する残基にアリール残基を介して結合されている。前記アリールおよびビスアリール残基は好ましくはoとpの位置にC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基、さらにC1 −C4 −アルキル基、特にt−ブチル基を置換基として有するものである。
【0017】
特に好まれるポリ亜リン酸エステルは次の式Iの化合物である。
【0018】
【化2】
上式中、
X 二価のビスアリーレン残基またはR1 、
W 二価の置換または非置換のアリーレン、ビスアリーレンまたはアルキレン残基、および
R1 とR2 同一または異なり、置換または非置換のアルキレンまたはオルト−アリーレン残基を意味する。
【0019】
式Iの化合物の中で特に好まれるものは、式Iの中のXおよびWがビスアリーレン残基、特に式IIの残基
【0020】
【化3】
およびR2 がオルト−フェニレン、2,2−ジメチルプロピレン−1,3−または1,1,2,2−テトラメチルエチレン残基を意味するものである。さらに式Iの化合物においてW、R1 およびR2 が互に独立にオルト−フェニレン、2,2−ジメチルプロピレン−1,3または1,1,2,2−テトラメチルエチレン残基を意味する化合物が強調されねばならない。
【0021】
式Iのポリ亜リン酸エステルはそれ自身公知の方法に従って適当に選択された順序のハロゲン化リン−アルコール縮合反応により製造することができる。
a)例えば、三塩化リンをジオールと反応させてモノクロル亜リン酸エステルを生成させ、
b)この中間生成物をさらに他のジオールと反応させて相当するヒドロキシル置換ジオルガノ亜リン酸エステルを生成させ、
c)このジオルガノ亜リン酸エステル中間生成物を三塩化リンと反応させて相当する二塩化リン中間生成物を生成させ、
d)そしてこの二塩化物を対応するジオールと反応させて望みのビス亜リン酸エステルを形成させて終る。
【0022】
この合成経路は非対称置換亜リン酸エステルの合成のために必要であるのに対して、対称置換化合物は段階a)の生成物を対応するジオールと2:1のモル比で反応させることにより製造することができる。
【0023】
上記の縮合反応は通常適当な溶媒(例えば、トルオール)の中でHCl受容体として補助塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在で行われる。
【0024】
式Iの適当な化合物は例えば次のものである。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
その他の部類の適当なポリ亜リン酸エステルは次式IIIのものである。
【0027】
【化6】
式IIIにおいて各記号は次の意味を有する。
Ar いずれも6〜18の炭素原子を有するアリーレン基であり、同一または異なるものであり得るし、また置換されているかまたは置換されていないことができる。
X 2〜30の炭素原子を有するm価結合の基であり、アルキレン、アルキレン−オキシ−アルキレン、アリーレンまたは前記に定義されたようなアリーレン基において次式の基
アリーレン−(CH2 )y −(Q)n −(CH2 )y −アリーレンなどの群より選択される前記の基、および
y 0または1である。
Q 二価の橋かけ基で、酸素、硫黄、−CO−、−CR1 R2 −(R1 とR2はそれぞれ水素原子または1〜12の炭素原子を有するアルキル基またはフェニル、トリルまたはアニシル基を表わす)および−NR3 −(R3 は水素原子またはメチル残基を表わす)の中から選択される基を意味する。
n 0または1を意味し、
m 2〜6の整数を表わす。
【0028】
特に好ましい式IIIの化合物においてArはそれぞれフェニル残基を、yとnは0を、そしてmは2を表わすが、その場合に二つのフェニル残基はo−位置において互いに結合されており、そしてリン原子への酸素橋に結合するためのo−およびp−位置において1〜4の炭素原子を有するアルキル基またはC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基およびt−ブチル基を置換基として持つことができる。
【0029】
次式IVの亜リン酸エステルは特別の技術的意味を得た。
【0030】
【化7】
その他の適当な化合物は、例えば次の式V〜XXIVの化合物である。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
特に好ましい式IIIの化合物において各記号は次の意味を有する。
Ar それぞれフェニレン残基であり、置換基としてメトキシ基および/またはC1 −〜C4 −アルキル残基を有することができる。
Y 0
n 0および
m 2。
【0042】
特に好ましいポリ亜リン酸エステルのその他の部類は次式XXXのものである。
【0043】
【化18】
式XXXにおいて各記号は次の意味を有する。
Ar それぞれ6〜18の炭素原子を有するアリーレン基であり、同一または異なるものであることができるしかつ置換または非置換のものであることができる。
y 0または1
Q 二価の橋かけ基であり、酸素、硫黄、−CO−、−CR1 R2 −(R1 とR2 はそれぞれ水素原子または1〜12の炭素原子を有するアルキル残基あるいはフェニル、トリルまたはアニシル残基を表わす)および−NR3−(R3 は水素原子またはメチル残基を表わす)から選択される。
n 0または1
W 二価の置換または非置換のアリーレン、ビスアリーレンまたはアルキレン残基であり、および
Z それぞれアルキル、アリール、ビスアリール、アラルキルまたはシクロアルキル残基であり、その際Zは同一であるかまたは異なることができる。
【0044】
特に好ましい式XXXの化合物においてArはそれぞれフェニル残基を、yとnは0を、そしてmは2を表わし、その際両フェニル残基はo−位置において互いに結合されており、そしてリン原子への酸素橋に結合するためのo−およびp−位置において1〜10の炭素原子を有するアルキル基またはC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基およびt−ブチル基を置換基として持つことができる。
【0045】
Wは前記の意味を有し、そしてZは同一または異なるものであることができかつそれぞれ1〜18の炭素原子、特に1〜10の炭素原子を有するアルキル残基、アリール、ビスアリールまたは6〜18の炭素原子を有するアラルキル残基あるいは環中に5〜8の炭素原子を有するシクロアルキル残基を表わす。
【0046】
適当な化合物は、例えば次式のものである。
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
式XXXIの化合物は特に好ましい。
【0049】
生成したオメガ−ホルミルアルカンカルボン酸エステルは既知の方法により、例えば蒸留により、反応混合物から分離される。
【0050】
本発明の方法に従って得られるオメガ−ホルミルアルカンカルボン酸エステルは、ポリマーのための出発原料となるオメガ−アミノカルボン酸の製造のために適している。
【0051】
【実施例】
本発明による方法は次の例において具体的に理解されるであろう。
【0052】
例1 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として2.23gの化合物IV(2.33ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0053】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は73.2%であり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は85:15になる。
【0054】
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの選択率は76.7%であり従来の技術による68.7%(コバルトによるヒドロホルミル化)に比して明らかに改良されている。さらになお5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率(22.3%に対して73.2%)および5−ホルミルバレリアン酸の3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率(69:31に対して85:15)を比較すれば改良の効果は一層著しい。さらにこの結果は明らかに比較してより低い圧力において得られている。
【0055】
3−ペンテン酸メチルエステルの5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルへの直接ヒドロホルミル化は、次の比較例1から明らかなように、従来慣用のロジウム/トリフェニルホスフィン触媒によって非常に悪い選択率しか得られない。
【0056】
比較例1 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300g中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として26.2gのトリフェニルホスフィン(100ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化(モル%)を示した。
【0057】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は僅かに3.0%であり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は10:90である。従って5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの経済的製造は比較例1の方法によっては不可能である。
【0058】
以下に本発明による方法の適用分野が二三の例に基づいて説明される。これらの例はしかし決して制限と理解すべきではない。なぜならば良好な結果は記載の範囲以外においてもまた期待され得るからである。
【0059】
圧力と温度の影響は例2〜9から取り出すことができる。
【0060】
例1が繰返されたが、ただ相違して1.9gの化合物IV(1.55ミリモル)が使用されかつ表1に記載の圧力と温度に調整された。無圧の実験は撹拌装置(中空軸を有するガス吹込み式撹拌機)付きガラスフラスコ内で行われたが、その際ガス導入管を経由して50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物が、約1泡/秒(気泡計で)の排気流に調整されるように供給された。
【0061】
【表1】
ヒドロホルミル化は既に常圧において達成されることが認められるが、しかしより良い収率は4〜6バール(超過圧)の圧力範囲において得られる。n−配分、すなわち5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は、圧力をそれ以上に上げると低下する。
【0062】
配位子/ロジウム比の影響は表1から例3に、および例10〜12に認められる。
【0063】
例1の操作を繰返して行ったが、ただ相違するところは表2に記載の化合物IVのRh(CO)2 acac(0.388ミリモル)に対するモル比に調整したことである。
【0064】
【表2】
配位子/ロジウム比を4:1から20:1に上げることにより5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの選択度は極めて僅かしか上げられないことが認められる。
【0065】
溶媒の影響は例1および13並びに14から認めることができる(表3)。
【0066】
例1の操作を繰返して行ったが、ただ相違するところは表3に記載の溶媒を使用したことである。
【0067】
【表3】
原則的には溶媒なしでも加工できるが、しかしトルオール中で5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルのより良い選択度が得られることが判る。またビス−(2−エチルヘキシル)−フタラートのような高沸点の溶媒も適している。
【0068】
例15 ペンテン酸メチルエステルの異性体混合物も、例15が示すように、反応に使用できる。
【0069】
例1の操作を繰返して行ったが、3−ペンテン酸メチルエステルの代りに次のような混合物を使用した。
【0070】
4−ペンテン酸メチルエステル 392ミリモル 44.8モル%
3−ペンテン酸メチルエステル 329ミリモル 37.6モル%
2−ペンテン酸メチルエステル 44ミリモル 5.0モル%
バレリアン酸メチルエステル 110ミリモル 12.6モル%
その反応生成物は次の組成を示した。
【0071】
4−ペンテン酸メチルエステル 1モル%
3−ペンテン酸メチルエステル 45モル%
2−ペンテン酸メチルエステル 84モル%
バレリアン酸メチルエステル 158モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 512モル%
4−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 50モル%
3−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 52モル%
使用されたペンテン酸エステル混合物に関してこれは89.5%の総転化率に相当する。それから次の選択度が算出される。
【0072】
2−ペンテン酸メチルエステル 7.8モル%
バレリアン酸メチルエステル 6.9モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 74.8モル%
4−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 7.3モル%
3−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 3.2モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−、4−および5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率(n−配分)は88%である。
【0073】
例16
2−ペンテン酸メチルエステルもまた、例16の示すように、反応に使用できる。
【0074】
例1の操作を繰返して行ったが、相違する点として3−ペンテン酸メチルエステルの代りに2−トランス−ペンテン酸メチルエステルを使用した。次の結果が得られた。
【0075】
2−トランス−ペンテン酸メチルエステルの転化率はごく僅かであり、主としてバレリアン酸メチルエステルの水素化物が生成することが判る。ホルミルバレリアン酸メチルエステルにおいては確かに62%のn−配分が見られる。従来慣用のロジウム/トリフェニルホスフィン触媒によればこの場合ほとんどただ2−ホルミルバレリアン酸メチルエステルのみが高収率で(圧力280バール)得られる。
【0076】
例17 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内に溶媒として300gのトルオール中の100gの4−ペンテン酸メチルエステル並びに1.486gの式IVのポリ亜リン酸エステル(1.5ミリモル)および40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 アセチルアセトナートの形で予め加える。活性の触媒は反応条件の下で生成する。その反応混合物を70℃に加熱してから、次に50容量%の一酸化炭素および50容量%の水素の混合物と共に4バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は2バール以下に低下するとき、前記の混合ガスを後から圧入することにより圧力を再び4バールに高める。1.5時間の反応時間の後に反応混合物を冷却させ、脱気し、そして分析する。
【0077】
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は94:6になる。
【0078】
例18 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として4.71gの化合物XXXI(2.33ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0079】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は51.8%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比は86:14になる。
【0080】
例19 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として1.49gの化合物IV(1.684ミリモル)および40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0081】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は12.9%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は64:36になる。
【0082】
比較例2 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300g中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として6.10gのトリフェニル亜リン酸エステル(19.3ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に4バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより4バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0083】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は23.8%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は33:67になる。
【0084】
比較例2によれば確かに高いホルミルバレリアン酸エステルの収率が得られるが、しかし所望の5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルは下位の量にしか生成しないことが認められる。
【産業上の利用分野】
本発明はアルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化によるω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第3253018号明細書および欧州特許出願公開第295554号公報より、ω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルはω−アルカンカルボン酸エステルをコバルトカルボニル触媒の存在でヒドロホルミル化することにより得られることが知られている。この場合にしかしかなり多量の分岐エステルが生じ、それは以後の使用のために好ましくない。
【0003】
欧州特許第125567号公報および欧州特許第131860号公報にもまた、3−ペンテン酸エステルまたは4−ペンテン酸エステルをロジウムのカルボニル錯体(それは第三級有機ホスフィンまたは亜リン酸エステルにより変性されている)の存在でヒドロホルミル化して、ホルミルバレリアン酸を得る方法が記載されている。しかしその直鎖化合物の割合は改善の必要がある。
【0004】
米国特許第4769498号明細書には、第三級ポリ亜リン酸エステルがロジウム触媒によるヒドロホルミル化のため配位子として推奨されている。アルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化の際に直鎖化合物の割合をどれだけ高めることができるという示唆は与えられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、アルケンカルボン酸エステルのヒドロホルミル化によるω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルの製造方法において、できるだけ高い直鎖化合物の割合が得られ、反応は適度の超過圧の下に高い変換率で進行しかつ使用される触媒は高い安定性を示す方法を自由に使えるようにすることが技術的課題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この技術的課題は、C 5 −アルケンカルボン酸エステルを一酸化炭素および水素と30−150℃の温度で液相において、ロジウムカルボニル錯体および第三級有機亜リン酸エステルの存在下で反応させることによるオメガ−ホルミル−C 5 −アルカンカルボン酸エステルの製造方法において解決される。前記の方法において、分子中に2−6のリン原子を有する少なくとも一種の第三級有機ポリ亜リン酸エステルを使用し、前記ポリ亜リン酸エステルにおいてそれぞれ各リン原子への一つの結合が酸素橋を介して置換または非置換の少なくとも二価のアリーレンまたはビスアリーレン残基、アルキレン残基(それは鎖中に一つの酸素原子を含むことができる)に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基に前記アリール残基を介して結合されており、かつ各リン原子への二つの結合は酸素橋を介して置換または非置換の二価のアリーレン、ビスアリーレン残基、アルキレン残基に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基にアリール残基を介して結合されており、あるいは少なくとも一つのリン原子への二つの結合がそれぞれ別々に酸素橋を介してそれぞれ一価の置換または非置換のアリール、ビスアリール、アルキルまたはシクロアルキル残基に結合されている。
【0007】
上記の新規な方法の有する利点は、直鎖化合物への比較的高い選択性を有することであり、その際適度の超過圧の下に高い転化率が得られかつ使用されるロジウム触媒は高い安定性を示す。
【0008】
本発明によれば出発原料としてC4 −C20−アルケンカルボン酸エステル、特にC1 −C4 −アルキルエステルが使用される。オレフィン系二重結合は末端にまたは内部にあることができる。ω−C4 −C7 −アルケンカルボン酸−C1 −C4 −アルキルエステルから出発することが特に好ましい。4−ペンテン酸−C1 −C4 −アルキルエステルおよび3−ペンテン酸−C1 −C4 −アルキルエステル並びにそれらの混合物は特別の技術的意義を持つに至った。適当なものは、例えば4−ペンテン酸エチルエステル、3−ペンテン酸プロピルエステル、2−ペンテン酸エチルエステル並びにそれらの混合物である。特に好まれるものは4−ペンテン酸メチルエステルおよび3−ペンテン酸メチルエステルである。
【0009】
C4 −C20−アルケンカルボン酸エステルは一酸化炭素および水素と反応させられる。通常前記混合ガスは水素と一酸化炭素をモル比で1:10から100:1に、特に1:1から40:1までに含む。
【0010】
ヒドロホルミル化は30〜150℃の温度で液相において行われる。50〜120℃の温度を用いると有利である。通常反応は0.01〜30バール、有利には1〜30バールの圧の下に行われる。特に1〜20バールの圧が適することが実証された。
【0011】
反応は溶媒の存在で行われると有利である。適当な溶媒は、例えばトルオールまたはキシロールのような芳香族炭化水素、さらにまたヒドロホルミル化の際にいつも生成するω−ホルミルアルカンカルボン酸エステルまたはヒドロホルミル化の際に生成する高沸点物質である。
【0012】
ヒドロホルミル化はロジウムカルボニル錯体および2〜6のリン原子を有する少なくとも一種の第三級有機亜リン酸エステルの存在で行われる。ロジウム錯体触媒の濃度は、ロジウム金属として計算して、一般には10〜1000ppm、好ましくは10〜500ppmのロジウム、そして特に25〜350ppmのロジウムである。
【0013】
一般にロジウムグラム原子につき2〜100モル、好ましくは3〜50モルのポリ亜リン酸エステル(それは錯体化したおよび遊離の亜リン酸エステルの総和である)が使用される。新鮮なポリ亜リン酸エステルを反応の各時点で添加することにより遊離の、錯体化していない亜リン酸エステルの濃度を保つことができる。ロジウムカルボニルポリ亜リン酸エステル−触媒は使用の前に別に製造することができる。しかし通常は触媒活性のある錯体は、例えばロジウムカルボニルアセチルアセトナート、酸化ロジウム、ロジウムカルボニル、硝酸ロジウムまたは酢酸ロジウムのような触媒前駆体およびポリ亜リン酸エステル配位子から反応媒体中で形成される。特にロジウムカルボニルアセチルアセトナートまたは酢酸ロジウムがロジウム成分として好んで使用され、それらは溶媒の存在でポリ亜リン酸エステル配位子と共に反応させられて触媒活性錯体の前駆体を形成する。後者は反応中に過剰のポリ亜リン酸エステルと共に投入されて、そこで反応条件の下にその場で活性な、変性されたロジウムカルボニル錯体を形成する。
【0014】
好ましい第三級有機亜リン酸エステルは2〜4個の、特に2個のリン原子を有する。各リン原子の一つの結合はそれぞれ酸素橋を介して2価以上の、例えば2〜4価の、12までの炭素原子を有するアリーレンまたはビスアリーレン残基、2〜8の炭素原子を有するアルキレン残基(それは鎖中に一つの酸素原子を含むことができる)、または二つの遊離のアリール残基を有する16までの炭素原子を有する残基、例えば
【0015】
【化1】
に結合されている。
【0016】
各リン原子の残りの二つの結合はそれぞれ酸素橋を介して、20までの炭素原子を有する二価のアリーレンまたはビスアリーレン残基、4〜8の炭素原子を有するアルキレン残基にまたは上記の定義のような二つの遊離のアリール残基を有する残基にアリール残基を介して結合されている。前記アリールおよびビスアリール残基は好ましくはoとpの位置にC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基、さらにC1 −C4 −アルキル基、特にt−ブチル基を置換基として有するものである。
【0017】
特に好まれるポリ亜リン酸エステルは次の式Iの化合物である。
【0018】
【化2】
上式中、
X 二価のビスアリーレン残基またはR1 、
W 二価の置換または非置換のアリーレン、ビスアリーレンまたはアルキレン残基、および
R1 とR2 同一または異なり、置換または非置換のアルキレンまたはオルト−アリーレン残基を意味する。
【0019】
式Iの化合物の中で特に好まれるものは、式Iの中のXおよびWがビスアリーレン残基、特に式IIの残基
【0020】
【化3】
およびR2 がオルト−フェニレン、2,2−ジメチルプロピレン−1,3−または1,1,2,2−テトラメチルエチレン残基を意味するものである。さらに式Iの化合物においてW、R1 およびR2 が互に独立にオルト−フェニレン、2,2−ジメチルプロピレン−1,3または1,1,2,2−テトラメチルエチレン残基を意味する化合物が強調されねばならない。
【0021】
式Iのポリ亜リン酸エステルはそれ自身公知の方法に従って適当に選択された順序のハロゲン化リン−アルコール縮合反応により製造することができる。
a)例えば、三塩化リンをジオールと反応させてモノクロル亜リン酸エステルを生成させ、
b)この中間生成物をさらに他のジオールと反応させて相当するヒドロキシル置換ジオルガノ亜リン酸エステルを生成させ、
c)このジオルガノ亜リン酸エステル中間生成物を三塩化リンと反応させて相当する二塩化リン中間生成物を生成させ、
d)そしてこの二塩化物を対応するジオールと反応させて望みのビス亜リン酸エステルを形成させて終る。
【0022】
この合成経路は非対称置換亜リン酸エステルの合成のために必要であるのに対して、対称置換化合物は段階a)の生成物を対応するジオールと2:1のモル比で反応させることにより製造することができる。
【0023】
上記の縮合反応は通常適当な溶媒(例えば、トルオール)の中でHCl受容体として補助塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在で行われる。
【0024】
式Iの適当な化合物は例えば次のものである。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
その他の部類の適当なポリ亜リン酸エステルは次式IIIのものである。
【0027】
【化6】
式IIIにおいて各記号は次の意味を有する。
Ar いずれも6〜18の炭素原子を有するアリーレン基であり、同一または異なるものであり得るし、また置換されているかまたは置換されていないことができる。
X 2〜30の炭素原子を有するm価結合の基であり、アルキレン、アルキレン−オキシ−アルキレン、アリーレンまたは前記に定義されたようなアリーレン基において次式の基
アリーレン−(CH2 )y −(Q)n −(CH2 )y −アリーレンなどの群より選択される前記の基、および
y 0または1である。
Q 二価の橋かけ基で、酸素、硫黄、−CO−、−CR1 R2 −(R1 とR2はそれぞれ水素原子または1〜12の炭素原子を有するアルキル基またはフェニル、トリルまたはアニシル基を表わす)および−NR3 −(R3 は水素原子またはメチル残基を表わす)の中から選択される基を意味する。
n 0または1を意味し、
m 2〜6の整数を表わす。
【0028】
特に好ましい式IIIの化合物においてArはそれぞれフェニル残基を、yとnは0を、そしてmは2を表わすが、その場合に二つのフェニル残基はo−位置において互いに結合されており、そしてリン原子への酸素橋に結合するためのo−およびp−位置において1〜4の炭素原子を有するアルキル基またはC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基およびt−ブチル基を置換基として持つことができる。
【0029】
次式IVの亜リン酸エステルは特別の技術的意味を得た。
【0030】
【化7】
その他の適当な化合物は、例えば次の式V〜XXIVの化合物である。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
特に好ましい式IIIの化合物において各記号は次の意味を有する。
Ar それぞれフェニレン残基であり、置換基としてメトキシ基および/またはC1 −〜C4 −アルキル残基を有することができる。
Y 0
n 0および
m 2。
【0042】
特に好ましいポリ亜リン酸エステルのその他の部類は次式XXXのものである。
【0043】
【化18】
式XXXにおいて各記号は次の意味を有する。
Ar それぞれ6〜18の炭素原子を有するアリーレン基であり、同一または異なるものであることができるしかつ置換または非置換のものであることができる。
y 0または1
Q 二価の橋かけ基であり、酸素、硫黄、−CO−、−CR1 R2 −(R1 とR2 はそれぞれ水素原子または1〜12の炭素原子を有するアルキル残基あるいはフェニル、トリルまたはアニシル残基を表わす)および−NR3−(R3 は水素原子またはメチル残基を表わす)から選択される。
n 0または1
W 二価の置換または非置換のアリーレン、ビスアリーレンまたはアルキレン残基であり、および
Z それぞれアルキル、アリール、ビスアリール、アラルキルまたはシクロアルキル残基であり、その際Zは同一であるかまたは異なることができる。
【0044】
特に好ましい式XXXの化合物においてArはそれぞれフェニル残基を、yとnは0を、そしてmは2を表わし、その際両フェニル残基はo−位置において互いに結合されており、そしてリン原子への酸素橋に結合するためのo−およびp−位置において1〜10の炭素原子を有するアルキル基またはC1 −C4 −アルコキシ基、特にメトキシ基およびt−ブチル基を置換基として持つことができる。
【0045】
Wは前記の意味を有し、そしてZは同一または異なるものであることができかつそれぞれ1〜18の炭素原子、特に1〜10の炭素原子を有するアルキル残基、アリール、ビスアリールまたは6〜18の炭素原子を有するアラルキル残基あるいは環中に5〜8の炭素原子を有するシクロアルキル残基を表わす。
【0046】
適当な化合物は、例えば次式のものである。
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
式XXXIの化合物は特に好ましい。
【0049】
生成したオメガ−ホルミルアルカンカルボン酸エステルは既知の方法により、例えば蒸留により、反応混合物から分離される。
【0050】
本発明の方法に従って得られるオメガ−ホルミルアルカンカルボン酸エステルは、ポリマーのための出発原料となるオメガ−アミノカルボン酸の製造のために適している。
【0051】
【実施例】
本発明による方法は次の例において具体的に理解されるであろう。
【0052】
例1 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として2.23gの化合物IV(2.33ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0053】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は73.2%であり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は85:15になる。
【0054】
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの選択率は76.7%であり従来の技術による68.7%(コバルトによるヒドロホルミル化)に比して明らかに改良されている。さらになお5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率(22.3%に対して73.2%)および5−ホルミルバレリアン酸の3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率(69:31に対して85:15)を比較すれば改良の効果は一層著しい。さらにこの結果は明らかに比較してより低い圧力において得られている。
【0055】
3−ペンテン酸メチルエステルの5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルへの直接ヒドロホルミル化は、次の比較例1から明らかなように、従来慣用のロジウム/トリフェニルホスフィン触媒によって非常に悪い選択率しか得られない。
【0056】
比較例1 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300g中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として26.2gのトリフェニルホスフィン(100ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化(モル%)を示した。
【0057】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は僅かに3.0%であり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は10:90である。従って5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの経済的製造は比較例1の方法によっては不可能である。
【0058】
以下に本発明による方法の適用分野が二三の例に基づいて説明される。これらの例はしかし決して制限と理解すべきではない。なぜならば良好な結果は記載の範囲以外においてもまた期待され得るからである。
【0059】
圧力と温度の影響は例2〜9から取り出すことができる。
【0060】
例1が繰返されたが、ただ相違して1.9gの化合物IV(1.55ミリモル)が使用されかつ表1に記載の圧力と温度に調整された。無圧の実験は撹拌装置(中空軸を有するガス吹込み式撹拌機)付きガラスフラスコ内で行われたが、その際ガス導入管を経由して50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物が、約1泡/秒(気泡計で)の排気流に調整されるように供給された。
【0061】
【表1】
ヒドロホルミル化は既に常圧において達成されることが認められるが、しかしより良い収率は4〜6バール(超過圧)の圧力範囲において得られる。n−配分、すなわち5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は、圧力をそれ以上に上げると低下する。
【0062】
配位子/ロジウム比の影響は表1から例3に、および例10〜12に認められる。
【0063】
例1の操作を繰返して行ったが、ただ相違するところは表2に記載の化合物IVのRh(CO)2 acac(0.388ミリモル)に対するモル比に調整したことである。
【0064】
【表2】
配位子/ロジウム比を4:1から20:1に上げることにより5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの選択度は極めて僅かしか上げられないことが認められる。
【0065】
溶媒の影響は例1および13並びに14から認めることができる(表3)。
【0066】
例1の操作を繰返して行ったが、ただ相違するところは表3に記載の溶媒を使用したことである。
【0067】
【表3】
原則的には溶媒なしでも加工できるが、しかしトルオール中で5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルのより良い選択度が得られることが判る。またビス−(2−エチルヘキシル)−フタラートのような高沸点の溶媒も適している。
【0068】
例15 ペンテン酸メチルエステルの異性体混合物も、例15が示すように、反応に使用できる。
【0069】
例1の操作を繰返して行ったが、3−ペンテン酸メチルエステルの代りに次のような混合物を使用した。
【0070】
4−ペンテン酸メチルエステル 392ミリモル 44.8モル%
3−ペンテン酸メチルエステル 329ミリモル 37.6モル%
2−ペンテン酸メチルエステル 44ミリモル 5.0モル%
バレリアン酸メチルエステル 110ミリモル 12.6モル%
その反応生成物は次の組成を示した。
【0071】
4−ペンテン酸メチルエステル 1モル%
3−ペンテン酸メチルエステル 45モル%
2−ペンテン酸メチルエステル 84モル%
バレリアン酸メチルエステル 158モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 512モル%
4−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 50モル%
3−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 52モル%
使用されたペンテン酸エステル混合物に関してこれは89.5%の総転化率に相当する。それから次の選択度が算出される。
【0072】
2−ペンテン酸メチルエステル 7.8モル%
バレリアン酸メチルエステル 6.9モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 74.8モル%
4−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 7.3モル%
3−ホルミルバレリアン酸メチルエステル 3.2モル%
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−、4−および5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率(n−配分)は88%である。
【0073】
例16
2−ペンテン酸メチルエステルもまた、例16の示すように、反応に使用できる。
【0074】
例1の操作を繰返して行ったが、相違する点として3−ペンテン酸メチルエステルの代りに2−トランス−ペンテン酸メチルエステルを使用した。次の結果が得られた。
【0075】
2−トランス−ペンテン酸メチルエステルの転化率はごく僅かであり、主としてバレリアン酸メチルエステルの水素化物が生成することが判る。ホルミルバレリアン酸メチルエステルにおいては確かに62%のn−配分が見られる。従来慣用のロジウム/トリフェニルホスフィン触媒によればこの場合ほとんどただ2−ホルミルバレリアン酸メチルエステルのみが高収率で(圧力280バール)得られる。
【0076】
例17 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内に溶媒として300gのトルオール中の100gの4−ペンテン酸メチルエステル並びに1.486gの式IVのポリ亜リン酸エステル(1.5ミリモル)および40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 アセチルアセトナートの形で予め加える。活性の触媒は反応条件の下で生成する。その反応混合物を70℃に加熱してから、次に50容量%の一酸化炭素および50容量%の水素の混合物と共に4バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は2バール以下に低下するとき、前記の混合ガスを後から圧入することにより圧力を再び4バールに高める。1.5時間の反応時間の後に反応混合物を冷却させ、脱気し、そして分析する。
【0077】
5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は94:6になる。
【0078】
例18 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として4.71gの化合物XXXI(2.33ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0079】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は51.8%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比は86:14になる。
【0080】
例19 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300gの中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として1.49gの化合物IV(1.684ミリモル)および40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に5バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより5バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0081】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は12.9%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は64:36になる。
【0082】
比較例2 1リットルの往復動式撹拌オートクレーブ内でヒドロホルミル化の溶媒としてのトルオール300g中に100gの3−ペンテン酸メチルエステルを溶解させる。その反応混合物は触媒として6.10gのトリフェニル亜リン酸エステル(19.3ミリモル)と40mg(0.388ミリモル)のロジウムを錯化合物Rh(CO)2 acac(acac=アセチルアセトナート)の形で含む。その反応混合物を100℃に加熱し、次に50容量%のCOと50容量%のH2 から成る混合物と共に4バールの圧力に調節する。反応の間に反応器内の圧力は同じ組成の混合ガスを圧力調節装置を経由して後から圧入することにより4バールに保持される。5時間の反応時間の後に反応混合物の分析結果は次のような3−ペンテン酸メチルエステルの転化を(モル%で)示した。
【0083】
価値製品5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの収率は23.8%になり、そして5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルの3−および4−ホルミルバレリアン酸メチルエステルに対する比率は33:67になる。
【0084】
比較例2によれば確かに高いホルミルバレリアン酸エステルの収率が得られるが、しかし所望の5−ホルミルバレリアン酸メチルエステルは下位の量にしか生成しないことが認められる。
Claims (1)
- C 5 −アルケンカルボン酸エステルを一酸化炭素および水素と30−150℃の温度で液相において、ロジウムカルボニル錯体および第三級有機亜リン酸エステルの存在下で反応させることによるオメガ−ホルミル−C 5 −アルカンカルボン酸エステルの製造方法において、分子中に2−6のリン原子を有する少なくとも一種の第三級有機ポリ亜リン酸エステルを使用し、前記ポリ亜リン酸エステルにおいてそれぞれ各リン原子への一つの結合が酸素橋を介して置換または非置換の少なくとも二価のアリーレンまたはビスアリーレン残基、アルキレン残基(それは鎖中に一つの酸素原子を含むことができる)に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基に前記アリール残基を介して結合されており、かつ各リン原子への二つの結合は酸素橋を介して置換または非置換の二価のアリーレン、ビスアリーレン残基、アルキレン残基に、または二つの遊離のアリール残基を有する一つの残基にアリール残基を介して結合されており、あるいは少なくとも一つのリン原子への二つの結合がそれぞれ別々に酸素橋を介してそれぞれ一価の置換または非置換のアリール、ビスアリール、アルキル、アラルキルまたはシクロアルキル残基に結合されていることを特徴とする、オメガ−ホルミル−C 5 −アルカンカルボン酸エステルの製造方法。
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