JPH06306012A - 5−ホルミルバレレートの製造方法 - Google Patents

5−ホルミルバレレートの製造方法

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JPH06306012A
JPH06306012A JP6063002A JP6300294A JPH06306012A JP H06306012 A JPH06306012 A JP H06306012A JP 6063002 A JP6063002 A JP 6063002A JP 6300294 A JP6300294 A JP 6300294A JP H06306012 A JPH06306012 A JP H06306012A
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JP
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pentenoate
mol
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Application number
JP6063002A
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English (en)
Inventor
Carolina Bernedette Hansen
ベルネデッテ ハンセン カロリーナ
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Koninklijke DSM NV
Original Assignee
DSM NV
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 3−ペンテノエートから出発する5−ホルミ
ルバレレートの製造方法。 【構成】 該方法は、3−ペンテノエートを二座亜燐酸
塩基から成るロジウムカルボニル錯体の存在で一酸化炭
素及び水素と反応させることからなる。3−ペンテノエ
ートは次式I: 【化1】 によって示され、式中Rは炭素原子1〜8個を有するア
ルキル基又は炭素原子6〜10個を有するアリール基を
表わす。 【効果】 3−ペンテノエートを異性化することなく、
直接ヒドロホルミル化することによって5−ホルミルバ
レレートを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−ペンテノエートか
ら出発する5−ホルミルバレレートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】このような方法は、米国特許4,80
1,738号明細書に記載されている。この方法では、
3−ペンテノエート(3−pentenoate)を先
ず部分的に異性化して4−ペンテノエートと3−ペンテ
ノエートとの混合物(10/90)を得る。蒸留によっ
て4−ペンテノエートの純度を10%から95%増大さ
せる。純度95%の4−ペンテノエートを次に、第三有
機ホスフィン又は亜燐酸塩配位子で改質されたロジウム
カルボニル錯体の存在で、一酸化炭素及び水素と反応さ
せて5−ホルミルバレレートを生成させる。
【0003】前記方法の欠点は、ヒドロホルミル化によ
って高い選択率をもって5−ホルミルバレレートを得る
ためには先ず4−ペンテノエートを製造しかつ回収しな
ければならないことである。異性化後に10%の4−ペ
ンテノエートを単離する必要がある、それというのも前
記混合物の大部分を占める3−ペンテノエートがヒドロ
ホルミル化の間に副生成物を形成するからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、3−
ペンテノエートから出発する5−ホルミルバレレートの
製造方法を簡素化することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記目的は、ロジウム
カルボニル錯体の存在で3−ペンテノエートを一酸化炭
素及び水素と反応させ、同錯体が二座亜燐酸塩基から成
ることによって達成される。
【0006】本発明による方法は、事前に3−ペンテノ
エートを異性化して4−ペンテノエートを生成すること
なくかつ次に蒸留して十分な純度を有する4−ペンテノ
エートを得ることなく、3−ペンテノエートを直接ヒド
ロホルミル化することを許す。
【0007】5−ホルミルバレレートは、カプロラクタ
ム、カプロラクトン又はアジピン酸の製造における出発
物質として使用しうるので重要である。
【0008】不飽和有機化合物のヒドロホルミル化にお
ける触媒として、二座亜燐酸塩で改質されたロジウムカ
ルボニル錯体を使用すること自体は、米国特許第4,7
48,261号明細書から公知である。この特許明細書
には、基質として使用されうる一連の化合物における官
能化有機化合物が記載されている。しかし、3−ペンテ
ノエートのような内部不飽和官能化有機化合物は出発物
質として記載されていない。米国特許第4,748,2
61号明細書には、3−ペンテノエートをヒドロホルミ
ル化する場合の前記問題を解決できる方法は示されてい
ない。
【0009】またJ.Am.Chem.Soc.(Vo
l.115,No.5,1993,2066−2068
頁)における論文にも、このような触媒でヒドロホルミ
ル化されうる多数の可能な基質(ベンジル 4−ペンテ
ノエートも含まれる)が記載されている。しかし同論文
には、該触媒でヒドロホルミル化されうる適当な基質と
しては、末端不飽和官能化有機化合物しか記載されてい
ない。そこには、3−ペンテノエートのような内部不飽
和官能化有機化合物が本発明によりヒドロホルミル化さ
れうるという記載はない。
【0010】3−ペンテノエートは、次の化学式I:
【0011】
【化5】
【0012】[式中Rは炭素原子1〜8個を有するアル
キル基又は炭素原子6〜10個を有するアリール基を表
わす]で示される。
【0013】Rは、好ましくは炭素原子1〜8個を有す
るアルキル基又はフェニル基である。適当なアルキル基
の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、t−ブチル、イソブチル及びシクロヘキシル
である。適当なアリール基はフェニル及びベンジルであ
る。
【0014】二座亜燐酸塩は、一般には、次式II:
【0015】
【化6】
【0016】で示される。前記式中Gは、次式III:
【0017】
【化7】
【0018】で示される基の任意のものを表わし、前記
式II及びIIIにおいて、Ar及びAw基はそれぞれ
同じか又は異なる置換又は未置換アリール基を表わし、
Mは2価の基、すなわちアルキレン、アリーレン及びア
リーレン−(CH2y−(Q)n−(CH2y−アリー
レン(アリーレン基は前記のArと同じものである)を
表わし、yは別個に0又は1の値を有し、Qは−CR1
2−、−O−、−S−、−NR3−、−SiR45−及
び−CO−(R1及びR2基は独立的に水素、C1−C12
アルキル、フェニル、トリル又はアニシル基を表わし、
3、R4及びR5は独立的に−H又は−CH3を表わす)
から選択された2価の架橋基を表わし、nは独立的に0
又は1の値を有し、Z基は独立的に置換又は未置換アル
キル、アリール、アルカリル、アラルキル又は脂環式基
を表わす。
【0019】Ar基は、好ましくはメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソ
ブチル、シクロヘキシル又はフェニル基でオルト置換さ
れている。またAr基は一般には、メトキシ基又は前記
基の一つでパラ置換されている。
【0020】Z基は、好ましくはアリール基である。こ
のアリール基及びAw基はC1−C1 2アルキル、シクロ
ヘキシル又はフェニル基でパラ置換されていてもよい。
また同じアリール基又はAwは独立的にメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチ
ル、イソブチル、シクロヘキシル又はフェニル基で置換
されていてもよい。
【0021】独立的に、式II及び/又は式IIIにお
いてy=0であり、式II及び/又は式IIIにおいて
n=0であるのが有利である。
【0022】適当な2価の基Mは、次の一般式IV:
【0023】
【化8】
【0024】で示される化学構造を有する基であり、こ
こで前記式中アリール基は環化された環系の一部を形成
してもよい。M基のアリール基は好ましくはメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチ
ル、イソブチル、シクロヘキシル又はフェニル基でオル
ト置換されている。またアリール基は一般に、メトキシ
基又は上記の基の1つで置換されている。
【0025】ヒドロホルミル化は、好ましくは50〜1
40℃の温度で行う。一般に140℃を越える温度での
ヒドロホルミル化はあまり有利ではない、それというの
もロジウム二座亜燐酸塩はこの温度では低い触媒活性を
有するからである。
【0026】圧力は一般に0.01〜20MPaであ
る。好ましくは圧力は0.05〜10MPaである。最
も好ましくは圧力は0.1〜2.0MPaである。
【0027】遊離金属として計算したロジウム約10〜
500ppm、さらに好ましくは25〜350ppmを
使用するのが有利である。
【0028】二座亜燐酸塩:ロジウムの比(L/Rh、
mol/molで表わす)は一般に2〜80である。こ
の比は好ましくは15〜70である。高いL/Rh比
(L/Rh>15)で、5−ホルミルバレレートに対す
る選択率及び形成されたアルデヒドのn/i比(ノルマ
ル(5−)ホルミルバレレートとイソ−(3−及び4
−)ホルミルバレレートとの間の比)は有利な作用を及
ぼす。しかし、実際的理由から、選択されたL/Rhは
一般には80以下であり、亜燐酸塩の高いmol量は反
応混合物の処理特性を低減する。
【0029】H2:COのmol比は一般に1:10〜
100:1であり、好ましくは1:2〜5:1である。
ヒドロホルミル化を低いH2:CO比で行う場合には、
高い選択率及び良好なn/i比で5−ホルミルバレレー
トを製造することができると判明した。この理由から最
も有利なH2:CO比は1:2〜2:1である。
【0030】蒸留によって5−ホルミルバレレートを回
収するのが有利である。二座亜燐酸塩は、その高い分子
量の故に、液相中に残っており、その結果5−ホルミル
バレレートを容易に単離することができる。
【0031】ヒドロホルミル化は、好ましくは水の不在
で行う。水の存在は、反応速度に不利な作用を及ぼすこ
とが判明した。
【0032】ヒドロホルミル化は、一般に溶剤の存在で
行う。しかしまた所望ならばヒドロホルミル化を溶剤の
不在で行ってもよい。
【0033】適当な溶剤は、不活性であるか又は所望の
ヒドロホルミル化反応を大体において妨げる有機溶剤で
ある。
【0034】使用できる溶剤は、生成されるべきアルデ
ヒドに関係のある化合物、例えば副生成物、特に縮合生
成物である。他の適当な溶剤は飽和炭化水素、すなわち
例えばナフサ、ケロシン、鉱油及びシクロヘキサン;及
び芳香族炭化水素、エーテル、ケトン及びニトリル、す
なわち例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、テクサノ
ール[Texanol(商標名):Union Car
bide社]、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン及びベンゾニトリルである。
【0035】次に本発明を、実施例(本発明はこれに限
定されるものではない)により説明する。これらの例は
次の二座亜燐酸塩を用いて行う:
【0036】
【化9】
【0037】ここでR6は、次の一般式
【0038】
【化10】
【0039】[式中Xはt−ブチル基である]で示され
る基の任意の一つであってよい。式Vdは、式Vaにお
ける−C6−アルキルが−C9−アルキルである以外は式
Vaと同じである。
【0040】
【実施例】
例 I 150mlのハステロイ(Hastelloy)C鋼製
オートクレーブ(Parr)に、窒素下に、Rh(ac
ac)(CO)2[acac=アセチルアセトネート]
3.87mg(1.5×10~5mol)、式Vaによる
亜燐酸塩37.5×10~5mol[配位子(ligan
d)/ロジウム(L/Rh)=25(mol/mo
l)]及びトルエン40mlを装入した。次にオートク
レーブを閉じ、窒素で清浄化した。その後、オートクレ
ーブを約30分間90℃に加熱し、その圧力を一酸化炭
素/水素(1:1)を用いて1MPaに高めた。次にメ
チル3−ペンテノエート3.4gとノナン1.0gとの
混合物(トルエンで10mlにした)を、オートクレー
ブ中に注入した。反応混合物の組成をガスクロマトグラ
フィーによって分析した。結果を表1に示す。
【0041】例 II 例Iを反復した、但し同一量のRh及びL/Rh比=5
を使用した。結果を表1に示す。
【0042】例 III〜IV 例Iを反復した、但し式Va及びVcによる亜燐酸塩を
使用した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】例 VII〜XI 例Iを反復した、但し式Vaによる亜燐酸塩を用い、反
応条件、すなわちH2/CO比、温度、亜燐酸塩濃度及
びロジウム濃度を変化させた。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】例 XII 例Iを反復した、但し溶剤としてトルエンの代りにテク
サノール(Texanol)(2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)を用
いた。結果は表2に示してある。
【0047】例 XIII 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 3−ペンテ
ノエート100gを、1lの撹拌オートクレーブ中でヒ
ドロホルミル化させる。反応混合物は触媒として式Vb
による化合物2.23g(2.33mmol)及び錯体
Rh(acac)(CO)2の形のロジウム40mg
(0.388mmol)を含有する。この反応混合物を
100℃に加熱し、次にCO50容量%とH250容量
%との混合物によって0.6MPaの圧力に調節する。
反応器中の圧力は反応の間、同じ組成の混合ガスを圧力
調節器を介して注入することによって0.6MPaに保
つ。5時間後に、反応混合物を分析すると、メチル 3
−ペンテノエートは次の変換率(mol%)を示す。
【0048】 変換率: 95.5mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 0.2mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 0.2mol% メチル 2−トランス−ペンテノエート 4.2mol% メチル バレレート 4.8mol% メチル 5−ホルミルバレレート 76.7mol% メチル 4−ホルミルバレレート 7.8mol% メチル 3−ホルミルバレレート 6.1mol% 所望の生成物であるメチル 5−ホルミルバレレートの
収率は73.2%であり、n/i比(メチル 5−ホル
ミルバレレート/メチル−3−及び4−ホルミルバレレ
ートの比)は5.7である。
【0049】比較実験B 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 3−ペンテ
ノエート100gを、1l撹拌オートクレーブ中でヒド
ロホルミル化させる。反応混合物は触媒としてトリフェ
ニルホスフィン26.2g(100mmol)及び錯体
Rh(acac)(CO)2の形のロジウム40mg
(0.388mmol)を含有する。反応混合物を10
0℃に加熱し、次にCO50容量%とH250容量%と
の混合ガスによって0.6MPaの圧力に調節する。反
応器の圧力を反応の間圧力調節器を介して同一組成物の
混合ガスを注入することによって0.6MPaに保つ。
5時間後に、反応混合物を分析すると、メチル 3−ペ
ンテノエートの変換率は次のとおりであった: 変換率: 34.0mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 0.6mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 0.0mol% メチル 2−トランス−ペンテノエート 1.1mol% メチル バレレート 7.3mol% メチル 5−ホルミルバレレート 8.8mol% メチル 4−ホルミルバレレート 28.0mol% メチル 3−ホルミルバレレート 54.2mol% 所望の生成物であるメチル 5−ホルミルバレレートの
収率は3.0%にすぎず、n/i比(メチル 5−ホル
ミルバレレート/メチル 3−及び4−ホルミルバレレ
ートの比)は0.1である。同様な結果は比較例Aでも
認められる。従ってメチル 5−ホルミルバレレートの
経済的製造は比較例A及びBの方法によっては不可能で
ある。
【0050】常用のロジウムトリフェニルホスフィン触
媒を用いる、メチル 5−ホルミルバレレートを生成す
るメチル 3−ペンテノエートの直接的ヒドロホルミル
化は、比較例A及びBから明らかなように極めて貧弱な
選択率を有している。
【0051】例 XIV〜XXI 圧力及び温度の影響は例XIV〜XXIから明らかであ
る。
【0052】例XIIIを反復した、但し式Vbによる
化合物1.49g(1.55mmol)を用い、表3に
記載した圧力及び温度を用いた。大気圧下での実験を撹
拌した(中空シャフトを有するガス導入撹拌機による)
ガラスフラスコで行い、CO50容量%及びH250容
量%の混合ガスを排出ガスが気泡記録器で約1気泡/秒
を生じるような速度で通した。
【0053】
【表3】
【0054】メチル 5−ホルミルバレレート/メチル
3−及び4−ホルミルバレレートのn/i比は、圧力
がさらに増大されるにつれて減少する。
【0055】例 XXII〜XXIV 配位子/ロジウム比の影響は表3の例XV及び例XXI
I〜XXIVから明らかである。
【0056】例XIIIを反復した、但し表4に記載し
た、式Vbによる化合物/Rh(acac)(CO)2
(0.388mmol)のモル比を用いた。
【0057】
【表4】
【0058】二座亜燐酸塩/ロジウムの比(L/Rh)
を4:1から20:1に増大することによってメチル
5−ホルミルバレレートの選択率がわずかに増大するに
すぎないことがわかる。
【0059】溶剤の影響は、例XIII、XXV及びX
XVI(表5)から明らかである。
【0060】例XIIIを反復した、但し表5に記載し
た溶剤を使用した。
【0061】
【表5】
【0062】溶剤を省略することは原則として可能であ
る、但しメチル 5−ホルミルバレレートのより良好な
選択率はトルエン中で得られる。またビス(2−エチル
ヘキシル)フタレートのような高沸点溶剤も適当であ
る。
【0063】例 XXVII また、例XXVIIによって示されるように、反応で異
性体メチル ペンテノエートの混合物を使用することも
できる。
【0064】例XIIIを反復した、但し純メチル 3
−ペンテノエートの代りに次の混合物を使用した: メチル 4−ペンテノエート 392mmol 44.8mol% メチル 3−ペンテノエート 329mmol 37.6mol% メチル 2−ペンテノエート 44mmol 5.0mol% メチル バレレート 110mmol 12.6mol% 反応生成物の組成は次のとおりであった: メチル 4−ペンテノエート 1mol メチル 3−ペンテノエート 45mol メチル 2−ペンテノエート 84mol メチル バレレート 158mol メチル 5−ホルミルバレレート 512mol メチル 4−ホルミルバレレート 50mol メチル 3−ホルミルバレレート 22mol 使用したペンテン酸エステル混合物を基準にすると、こ
れは全変換率89.5%に相当する。計算した選択率は
次のとおりである(変換された全ペンテノエートを基準
にする): メチル 2−ペンテノエート 7.8mol% メチル バレレート 6.9mol% メチル 5−ホルミルバレレート 74.8mol% メチル 4−ホルミルバレレート 7.3mol% メチル 3−ホルミルバレレート 3.2mol% n/i比(メチル 5−ホルミルバレレート/メチル
3−及び4−ホルミルバレレートの比)は7.3であ
る。
【0065】例 XXVIII 例XXVIIIによって示されるように、反応ではメチ
ル 2−ペンテノエートを使用してもよい:例XXII
Iを反復した、但しメチル 3−ペンテノエートの代り
にメチル2−トランスペンテノエートを使用した。結果
は次のとおりであった: 変換率: 22.1mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 0.4mol% メチル 3−ペンテノエート 13.6mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 11.6mol% メチル バレレート 62.8mol% メチル 5−ホルミルバレレート 7.2mol% メチル 4−ホルミルバレレート 1.0mol% メチル 3−ホルミルバレレート 1.3mol% メチル 2−ホルミルバレレート 1.9mol% メチル 2−トランス−ペンテノエートの変換率は低
く、主要生成物は水素化によって生成されるメチル バ
レレートであることがわかる。しかし、メチル5−ホル
ミルバレレートはホルミルバレレートの62%を形成す
る。常用のロジウム/トリフェニルホスフィン触媒を用
いると、生成物はほとんど高収率のメチル 2−ホルミ
ルバレレートのみである(28MPaの圧力)。
【0066】例 XXIX 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 4−ペンテ
ノエート100g及び式Vbによるポリ亜燐酸塩1.4
86g(1.5mmol)及び錯体Rh(acac)
(CO)2の形のロジウム40mg(0.388mmo
l)を、1lの撹拌オートクレーブ中に導入する。活性
触媒は反応条件下で形成される。該混合物を70℃に加
熱し、次いでCO50容量%及びH250容量%の混合
ガスによって圧力0.5MPaに調節する。反応器中の
圧力が反応の間に0.3MPaより下がる場合には、同
じ混合ガスを導入することによって圧力を0.5MPa
に戻す。1.5時間後に反応混合物を冷却し、放圧し、
混合物を分析する。
【0067】 メチル 4−ペンテノエートの変換率: 90.5mol%選択率: メチル バレレート 0.4mol% メチル 5−ホルミルバレレート 92.9mol% メチル 4−ホルミルバレレート 5.9mol% 他の副生成物 0.8mol% n/i比(メチル 5−ホルミルバレレート/メチル
4−ホルミルバレレートの比)は15.7である。
【0068】例 XXX 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 3−ペンテ
ノエート100gを1lの撹拌オートクレーブ中でヒド
ロホルミル化させる。反応混合物は触媒として式Vdに
よる化合物4.71g(2.33mmol)及び錯体R
h(acac)(CO)2の形のロジウム40mgを含
有する。該反応混合物を100℃に加熱し、次にCO5
0容量%及びH250容量%の混合ガスで圧力0.6M
Paに調節する。
【0069】反応器中の圧力を、反応の間圧力調節器を
介して同じ組成の混合ガスを導入することによって0.
6MPaに保つ。5時間後に反応混合物を分析すること
によってメチル 3−ペンテノエートは次の変換率(m
ol%)を示す: 変換率: 72.1mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 0.7mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 0.2mol% メチル 2−トランス−ペンテノエート 9.2mol% メチル バレレート 6.3mol% メチル 5−ホルミルバレレート 71.9mol% メチル 4−ホルミルバレレート 7.7mol% メチル 3−ホルミルバレレート 4.0mol% 所望の生成物メチル 5−ホルミルバレレートの収率は
51.8%であり、n/i比(メチル 5−ホルミルバ
レレート/メチル 3−及び4−ホルミルバレレートの
比)は6.1である。
【0070】例 XXXI 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 3−ペンテ
ノエート100gを、1lの撹拌オートクレーブ中でヒ
ドロホルミル化させる。反応混合物は触媒として式Vb
による化合物1.49g(1.684mmol)及び錯
体Rh(acac)(CO)2の形のロジウム40mg
(0.388mmol)を含有する。反応混合物を10
0℃に加熱し、次にCO50容量%とH250容量%と
の混合物で圧力0.6MPaに調節する。反応器中の圧
力を反応の間圧力調節器を介して同一組成の混合ガスを
導入することによって0.6MPaに保つ。5時間後に
反応混合物を分析すると、メチル 3−ペンテノエート
は次の変換率(mol%)を示す: 変換率: 49.3mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 6.8mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 2.1mol% メチル 2−トランス−ペンテノエート 47.7mol% メチル バレレート 2.6mol% メチル 5−ホルミルバレレート 26.2mol% メチル 4−ホルミルバレレート 9.5mol% メチル 3−ホルミルバレレート 5.2mol% 所望の生成物メチル 5−ホルミルバレレートの収率は
12.9%であり、n/i比(メチル 5−ホルミルバ
レレート/メチル 3−及び4−ホルミルバレレートの
比)は1.8である。
【0071】比較実験C 溶剤としてのトルエン300g中のメチル 3−ペンテ
ノエート100gを、1lの撹拌オートクレーブ中でヒ
ドロホルミル化させる。反応混合物は触媒としてトリフ
ェニル亜燐酸塩6.10g(19.3mmol)錯体R
h(acac)(CO)2の形のロジウム40mg
(0.388mmol)を含有する。この反応混合物を
100℃に加熱し、次にCO50容量%とH250容量
%との混合ガスで0.5MPaの圧力に調節する。反応
器中の圧力を反応の間圧力調節器を介して同一組成の混
合ガスを導入することによって0.5MPaに保つ。5
時間後に反応混合物を分析すると、メチル 3−ペンテ
ノエートは次の変換率(mol%)を示す: 変換率: 86.9mol%選択率: メチル 4−ペンテノエート 0.4mol% メチル 2−シス−ペンテノエート 0.3mol% メチル 2−トランス−ペンテノエート 7.9mol% メチル バレレート 8.4mol% メチル 5−ホルミルバレレート 27.4mol% メチル 4−ホルミルバレレート 27.5mol% メチル 3−ホルミルバレレート 28.1mol% 所望の生成物メチル 5−ホルミルバレレートの収率は
23.8%であり、n/i比(メチル 5−ホルミルバ
レレート/メチル 3−及び4−ホルミルバレレートの
比)は0.5である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−ペンテノエートから5−ホルミルバ
    レレートを製造するに当り、3−ペンテノエートをロジ
    ウムカルボニル錯体の存在で一酸化炭素及び水素と反応
    させ、この際同錯体が二座亜燐酸塩から成ることを特徴
    とする、5−ホルミルバレレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 3−ペンテノエートが次の化学式I: 【化1】 [式中Rは炭素原子1〜8個を有するアルキル基又は炭
    素原子6〜10個を有するアリール基を表わす]で示さ
    れる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 二座亜燐酸塩は、次の化学式II: 【化2】 [式中Gは次式III: 【化3】 で示される基の任意の一つを表わし、前記式II及びI
    IIにおいて、Ar及びAwはそれぞれ同じか又は異な
    る置換又は未置換アリール基を表わし、Mは2価の基、
    すなわちアルキレン、アリーレン及びアリーレン−(C
    2y−(Q)n−(CH2y−アリーレン(アリーレ
    ンは前記のArと同じものである)を表わし、yは別個
    に0又は1の値を有し、Qは−CR12−、−O−、−
    S−、−NR3−、−SiR45−及び−CO−(R1
    びR2基は独立的に水素、C1−C12アルキル、フェニ
    ル、トリル又はアニシル基を表わすことができ、R3
    4及びR5は独立的に−H又は−CH3を表わす)から
    選択された2価の架橋基を表わし、nは0又は1の値を
    有し、Zは独立的に置換又は未置換アルキル、アリー
    ル、アルカリル、アラルキル又は脂環式基を表わす]で
    示される、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 Ar基は、メチル、エチル、プロピル、
    イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、
    シクロヘキシル又はフェニル基でオルト置換されてい
    る、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 Z基が置換又は未置換アリール基であ
    る、請求項2又は3記載の方法。
  6. 【請求項6】 式II及び/又は式IIIにおけるyが
    0である、請求項2から請求項4までのいずれか1項記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 式II及び/又は式IIIにおけるnが
    0である、請求項2から請求項5までのいずれか1項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 Mが次式IV: 【化4】 [式中アリール基は置換又は未置換であるか又は環化さ
    れた環の一部を形成してもよい]で示される一般的化学
    構造を有している、請求項2から請求項6までのいずれ
    か1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 アリール基がメチル、エチル、プロピ
    ル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチ
    ル、シクロヘキシル又はフェニル基でオルト置換されて
    いる、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 温度が50〜140℃である、請求項
    1から請求項8までのいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 水素:一酸化炭素の比(mol:mo
    l)が1:2〜2:1である、請求項1から請求項10
    までのいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 二座亜燐酸塩:ロジウムのモル比が1
    5〜70である、請求項1から請求項11までのいずれ
    か1項記載の方法。
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